JP2000053765A - 水溶性重縮合物及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

水溶性重縮合物及びインクジェット記録用紙

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JP2000053765A
JP2000053765A JP10224509A JP22450998A JP2000053765A JP 2000053765 A JP2000053765 A JP 2000053765A JP 10224509 A JP10224509 A JP 10224509A JP 22450998 A JP22450998 A JP 22450998A JP 2000053765 A JP2000053765 A JP 2000053765A
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polycondensate
cyclohexane ring
soluble
alicyclic amine
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Mitsuru Doi
満 土井
Mamoru Awano
護 粟野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のものに比べ画像の耐水性に優れ、ブロ
ンズ化現象の発生しないインクジェット記録用紙を提供
すること。 【解決手段】 炭素数1〜4のモノアルキルアミン又は
炭素数8までのジアルキルアミンから選ばれるアルキル
アミンとシクロヘキサン環を有する1級又は2級脂環式
アミン、及びエピハロヒドリンの反応によって得られる
水溶性重縮合物を提供する。これを使用することによっ
て、優れた画像耐水性を有するインクジェット記録用イ
ンクの定着剤及び記録紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性重縮合物及
びそれを利用したインクジェット記録用紙に関するもの
である。更に詳しくは、本発明はこの水溶性重縮合物を
紙に含有させることにより、耐水性に特に優れ、にじみ
のない鮮明な画像が得られ、更に、ブロンズ化現象の発
生しないインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、低騒音、高
速記録が可能、フルカラー記録が容易である、低コスト
である等のメリットが多い。従って、必要な箇所にその
都度選択的にインクを吐出させるいわゆるドロップオン
デマンド方式は家庭用分野、ダイレクトメ−ル等に使用
するオフィス分野、図面の設計・解析に使用するエンジ
ニアリング分野などに、一方、連続的にインクを吐出さ
せる連続方式はバ−コ−ド印刷や郵便類における可変デ
ータを印字する産業分野などに急速に普及している。近
年、装置の高速化、高精細化あるいはフルカラー化等イ
ンクジェット記録装置の性能向上や用途拡大に伴い、記
録紙に対しても高度な特性が要求されるようになった。
要求性能としては、画像濃度が高く鮮明であること、イ
ンクの吸収が早く、にじみ(フェザリング)あるいは紙
の裏側に印字が染み出すいわゆる裏抜けが無いこと、耐
水性や耐光性が良いこと等が挙げられる。
【0003】主なインクジェット記録用紙の形態として
は、支持体上にインク受理層を設けたコート紙と上質紙
に代表されるようなインク受理層を設けない普通紙に大
別される。コート紙は、既知の技術として比表面積の大
きな無機物、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム、
微粒シリカ等と水溶性高分子とを含む塗工液を塗布し、
インク受理層を設ける方法がある。しかし、コート紙は
一般にコストが高く、さらにオフセット印刷適性が良く
ないため、産業用分野ではほとんど使用されていない。
一方、普通紙タイプのインクジェット用紙は一般にイン
クの吸収性に乏しく、多量のインクが付与されると、イ
ンクの乾燥や定着に時間を要する等の問題があるため、
これを解決する方法として紙のサイズ度を低くする方法
が知られている。しかし、この方法ではインクの吸収は
良くなるが、画像の鮮明さがなくなり、画像濃度が低下
し、或いはにじみが生じる等の問題があった。
【0004】これらの問題を解決するために、特開昭5
9−95186号公報では、低サイズ紙に水溶性高分子
を含浸させた記録紙、特開昭59−95187号公報で
は、低サイズ紙の裏面をサイズ処理した記録紙、特開平
7−89222号公報ではインク透過時間を0.1〜1
5秒に調節した記録紙の例が開示されている。また、画
像の耐水性を改良するために様々な方法が提案されてい
るが、染料定着剤としてカチオン性の水溶性高分子を紙
に含有させ、インクを水に不溶化させる方法が主流であ
る。カチオン性水溶性高分子としては、ジシアンジアミ
ド重縮合物、ポリアミン、ポリエチレンイミン、ポリビ
ニルアミン共重合物、アルキルアミン−エピクロルヒド
リン重縮合物等が使用されている。中でも特開昭60−
11389号公報や特開平6−92012号公報に開示
されているアルキルアミンとエピクロルヒドリンとの重
縮合物が、耐水性の面で優れている。しかし、これらは
強カチオン性であるため、カルボキシル基やスルホン酸
基を助色団として有する染料との相互作用が強く、イン
クの変色が起こりやすい。また、優れた画像の耐水性を
得るためには多量のカチオン樹脂を使用する必要があ
り、コストがかかるという問題があった。さらに、カチ
オン樹脂の吸湿性が強いため、多量に塗布すると記録用
紙にベタツキが生じてくる。以上のように、すべての性
能を満足しかつ耐水性の優れたものは得られていないの
が現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のイン
クジェット記録用紙に使用される染料定着剤に比べ少量
の使用で優れた画像耐水性を付与できる水溶性重縮合
物、及び特に画像の耐水性に優れ、ブロンズ化現象の発
生しないインクジェット記録用紙を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題を
解決するべく鋭意検討した結果、特定のカチオン性重縮
合物を染料定着剤として使用することによってインクジ
ェット方式で記録した画像の耐水性を著しく改善するこ
とを見い出し本発明を完成した。即ち、本発明は、炭素
数1〜4のモノアルキルアミン又は炭素数8までのジア
ルキルアミンから選ばれるアルキルアミンとシクロヘキ
サン環を有する1級又は2級脂環式アミン、及びエピハ
ロヒドリンの反応によって得られる、式(1)及び式
(2)で表わされる繰り返し単位を有する水溶性重縮合
物である。
【0007】
【化7】
【0008】
【化8】
【0009】(ここで、R及びRは炭素数1〜7の
アルキル基又はシクロヘキサン環を有する2級脂環式ア
ミン残基を、Rは炭素数1〜4のアルキル基又はシク
ロヘキサン環を有する1級脂環式アミン残基を表わし、
かつR、R及びR中のシクロヘキサン環を有する
1級又は2級脂環式アミン残基が重縮合物1分子中の全
アミン残基の10モル%以上である。Xはハロゲン原子
を表わす。)
【0010】更に、本発明はこの式(1)及び(2)で
表わされるくり返し単位を有する水溶性重縮合物を染料
定着剤として使用するものであり、又この水溶性重縮合
物を紙の内部又は表面の少なくとも一方に含有する記録
紙である。記録紙の支持体の内部又は表面の少なくとも
一方にこの重縮合物を含有させることによって、インク
ジェット方式で記録した画像の耐水性を著しく改善し、
ブロンズ化現象の発生しないインクジェット記録用紙を
得ることができる。ここでブロンズ化現象とは、黒イン
クの乾燥過程で色合いが黒から茶色に変色する現象を指
す。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明に使用する水溶性重縮合物を構成するアミン
成分としては、シクロヘキサン環を有する1級又は2級
脂環式アミン(以下、「シクロヘキサン環を有する脂環
式アミン」という)と炭素数1〜4のモノアルキルアミ
ン又は炭素数8までのジアルキルアミンから選ばれるア
ルキルアミン(以下、「モノ又はジアルキルアミン」と
いう)である。
【0012】本発明において水溶性重縮合物を構成する
シクロヘキサン環を有する脂環式アミンは、アミノ基が
シクロヘキシル環に直接結合しているものが好ましい。
具体的には、シクロヘキシルアミン、N−メチルシクロ
ヘキシルアミン、2−,3−又は4−メチルシクロヘキ
シルアミン、ジシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
【0013】本発明の水溶性重縮合物を構成するシクロ
ヘキサン環を有する脂環式アミンは、全アミン中のモル
数で10モル%以上90モル%以下が適当である。こと
に40モル%以上80モル%以下が好ましい。シクロヘ
キサン環を有する脂環式アミンが10モル%以下では、
水溶性重縮合物の親水性が比較的強いため、水溶性重縮
合物を含有した記録用紙を水に浸漬した場合に、水溶性
重縮合物が水中に流出し、十分な画像耐水性が得られな
い。一方、90モル%以上では逆に水溶性重縮合物の疎
水性が強すぎるため、染料の記録用紙の内部への浸透性
が低下し、記録用紙の表面に染料が留まる割合が多くな
り画像耐水性は向上しない。また、シクロヘキサン環を
有する脂環式アミンが10モル%以下ではカチオン性が
強くなり、ブロンズ化現象の発生を完全に抑制すること
ができない。
【0014】水溶性重縮合物の疎水性を調節するため
に、本発明ではシクロヘキサン環を有する脂環式アミン
を用いたが、この代わりにアルキル鎖の長いアルキルア
ミンやポリアルキレンポリアミン等を使用した場合、重
合の途中で、或いはその後経時的にゲル化することが多
く、安定な重縮合物が得られない。シクロヘキサン環を
有する脂環式アミンはカチオン基の間隔が密なため、染
料の定着に非常に有効であり、シクロヘキサン環を有す
る脂環式アミンを使用することによって少量で優れた染
料の定着効果が得られ、従ってシクロヘキサン環を有す
る脂環式アミンの使用は本発明に必須である。
【0015】本発明において、シクロヘキサン環を有す
る脂環式アミンに併用するモノ又はジアルキルアミンと
しては、炭素数1〜4のモノアルキルアミン又は炭素数
8までのジアルキルアミンが好ましい。具体的には、メ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロ
ピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、sec
−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ジメチルア
ミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプ
ロピルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルブチ
ルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミ
ン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、プロピ
ルブチルアミン、ジブチルアミン、ジsec−ブチルア
ミン、ジtert−ブチルアミン等が挙げられる。炭素
数5以上のモノアルキルアミン及び炭素数9以上のジア
ルキルアミンを使用した場合、水溶性重縮合物の疎水性
が強くなり重合途中で水に不溶化し、最終的にゲル化が
起こる。
【0016】本発明において水溶性重縮合物を構成する
もう一方の成分であるエピハロヒドリンとしては、エピ
クロルヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨ−ドヒド
リン等が挙げられる。また、全アミンとエピハロヒドリ
ンのモル比は1:0.8〜1.2が好ましい。0.8以
下では、最終生成物に未反応アミンが残存するため刺激
臭があり好ましくない。一方、1.2以上では分離を生
ずる。
【0017】本発明の染料定着剤として使用する水溶性
重縮合物は、カチオン成分としてシクロヘキサン環を有
する脂環式アミンとモノ又はジアルキルアミンの混合物
を使用する点に特徴がある。即ち、シクロヘキサン環を
有する脂環式アミンを全アミン中のモル数で10モル%
以上90モル%以下、好ましくは40モル%以上80モ
ル%以下の割合で使用することにより、高いカチオン基
含有率と同時に親水性と疎水性のバランス及びカチオン
性を最適にコントロールし得たものであり、この結果、
少量の使用で極めて優れた画像耐水性が得られる。
【0018】この水溶性重縮合物は、シクロヘキサン環
を有する脂環式アミンとモノ又はジアルキルアミンとの
混合物にエピハロヒドリンを加えて混合し、加熱し、付
加重縮合反応によって合成することができる。シクロヘ
キサン環を有する脂環式アミンとモノ又はジアルキルア
ミンとの混合物にエピハロヒドリンを混合すると、発熱
を伴いながらアミンにエピハロヒドリンが付加し、中間
生成物として2級アミンもしくは3級アミンが得られ
る。この際、付加反応を促進するためになるべく低温に
するのが好ましい。得られた中間生成物を80〜100
℃に加熱すると、3級化もしくは4級化が進行しながら
分子量が増大し、最終生成物である水溶性重縮合物が得
られる。反応温度と反応時間を適当に選定することで最
終生成物の分子量を調節することができる。本発明のイ
ンクジェット記録用紙に使用するためには、分子量が2
00〜10,000のものが好ましい。尚、アルキルア
ミンとして1級アミンを用いた場合には2モルのエピハ
ロヒドリンが反応し、更にこの末端にアミンが反応した
枝分かれ状の複雑な重縮合物も少量生成する。
【0019】このようにして得られた水溶性重縮合物を
紙に含有させることによって、本発明の画像耐水性に優
れたインクジェット記録用紙を得ることができる。この
インクジェット記録用紙は、水溶性重縮合物を内部又は
表面の少なくとも一方に含有する必要があり、さらにそ
の含有量は、0.1〜4g/m、特に0.3〜2g/m
が好ましい。支持体である紙については、内添サイズ
剤、填料の使用量等に制限はない。
【0020】本発明の水溶性重縮合物の具体的な使用方
法としては、通常表面サイズ剤として使用される水溶性
高分子等と混合して種々の方法により紙へ塗工して使用
する。水溶性高分子としては、酸化澱粉、カチオン化澱
粉又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリア
クリルアミド、ポリアクリル酸ソ−ダ、ヒドロキシメチ
ルセルロ−ス、ポリビニルアルコ−ル等を単独もしくは
併用して使用することができる。
【0021】紙への塗工方法は、サイズプレス、ゲート
ロールコーター、ブレードメタリングサイズプレス、ロ
ッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコータ
ー等各種塗工機で塗工可能である。本発明の水溶性重縮
合物は、インク吸収能力の高い無機顔料と水溶性高分子
を塗工してインク受理層を設けたコート紙、或いは上質
紙に代表されるようなインク受理層を設けない普通紙の
どちらのタイプにも印刷された画像の耐水性を向上させ
る染料定着剤として有効であるが、特にインク受理層を
設けない普通紙タイプに使用した場合に効果的である。
【0022】本発明の水溶性重縮合物を紙に塗工する際
のその他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、消泡
剤、発泡剤、浸透剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、防腐剤等が挙げられる。なお、本発明で云うイ
ンクジェット記録用インクとは、各種染料等の着色剤、
水や水溶性の各種有機溶剤等の液媒体、及びその他の添
加剤からなる記録用液体のことである。本発明によって
得られた重縮合物がカチオン性であることから、親水基
として−SONa,−COONaのようなアニオン性
基を有するアニオン性染料でおもに直接染料又は酸性染
料を着色剤に使用するものに特に適している。酸性染料
としては、C.I.アシッドブラック、C.I.アシッ
ドブルー、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッド
イエロー等がある。直接染料としては、C.I.ダイレ
クトブラック、C.I.ダイレクトブルー、C.I.ダ
イレクトレッド、C.I.ダイレクトイエロー等があ
る。以上のようにして得られるインクジェット記録用紙
は、特に画像耐水性に優れている。さらに、本発明によ
り提供される水溶性重縮合物は、従来のカチオン性樹脂
に比べ少量で耐水化剤としての効果があるため、インク
ジェット記録用紙の染料定着剤として使用した場合に非
常に有効である。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例または比較例において示す「部」及び
「%」は、特に明記しない限り重量部及び重量%を示
す。
【0024】実施例1: (1)水溶性重縮合物の合成。 温度計、還流冷却器、滴下ロート及び撹拌棒を備えた四
つ口フラスコにシクロヘキシルアミン125g、ジメチ
ルアミン50%水溶液49g、水20gを反応容器に仕
込み、撹拌しつつ温度を50℃以下に保ちながら、エピ
クロルヒドリン167gを4時間かけて滴下した。滴下
終了後、直ちに85〜95℃に昇温し、3時間撹拌を続
けて重縮合反応を行い、透明黄褐色の水溶性重縮合物を
得た。この重縮合物の分子量をGPC(カラム:PL−
aquagel−OH030、溶離液:0.1M−Na
NO/CHCN,検出器:示差屈折計、標準試料:
ポリエチレンオキサイド)で測定したところ、数平均分
子量は1800であった。試料を重水で希釈し室温で行
った13C−NMR(基準物質:DSS)の測定結果を
図1に示す。アミンとエピクロルヒドリンの重縮合反応
に伴い生成される2級水酸基、4級化アミン、3級化ア
ミン、シクロヘキシルアミン残基等の主なピークは図1
に示される通りである。シクロヘキシルアミン、ジメチ
ルアミン単体は、それぞれ50.5ppm、35.7p
pmに特有なピークがあるが、図1には何れも認められ
ず、未反応アミンは検出限界以下であった。この水溶性
重縮合物を室温に冷却後、水を加えて不揮発分60%の
水溶液とした。
【0025】(2)インクジェット記録用紙の作製。 坪量60g/m 、ステキヒトサイズ度10秒の記録
原紙Aに対し、上記(1)で得た重縮合物水溶液を染料
定着剤とした下記の組成の塗布液を調製し、サイズプレ
スにより乾燥塗工量3.0g/m となるように塗工
・乾燥した。同様の方法でステキヒトサイズ度40秒の
記録原紙Bに対し乾燥塗工量2.5g/m となるよ
うに塗工・乾燥した。
【0026】 [塗布液配合] 酸化でんぷん(MS−3800、日本食品化工製) 3.5部 カチオン性染料定着剤 1.2部 水 95.3部
【0027】実施例2:シクロヘキシルアミン54g、
ジメチルアミン50%水溶液114gを反応容器に仕込
み、その後の操作はすべて実施例1と同様の方法で重縮
合物の合成を行った。インクジェット記録用紙の作製も
実施例1と同様の方法で行った。
【0028】実施例3:シクロヘキシルアミン125
g、メチルアミン40%水溶液42g、水20gを反応
容器に仕込み、その後の操作はすべて実施例1と同様の
方法で重縮合物の合成を行った。インクジェット記録用
紙の作製も実施例1と同様の方法で行った。
【0029】実施例4:シクロヘキシルアミン125
g、ブチルアミン40g、水50gを反応容器に仕込
み、その後の操作はすべて実施例1と同様の方法で重縮
合物の合成を行った。インクジェット記録用紙の作製も
実施例1と同様の方法で行った。
【0030】比較例1:シクロヘキシルアミン179
g、水50gを反応容器に仕込み、その後の操作はすべ
て実施例1と同様の方法で重縮合物の合成を行った。イ
ンクジェット記録用紙の作製も実施例1と同様の方法で
行った。
【0031】比較例2:ジメチルアミン50%水溶液1
62gを反応容器に仕込み、その後の操作はすべて実施
例1と同様の方法で重縮合物の合成を行った。インクジ
ェット記録用紙の作製も実施例1と同様の方法で行っ
た。
【0032】比較例3:カチオン性染料定着剤としてジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド(PAS−H:
日東紡製)を用いて塗布液を調製し、実施例1と同様の
方法でインクジェット記録用紙の作製を行った。
【0033】比較例4:カチオン性染料定着剤としてジ
シアンジアミド(ニカフロックD−100:日本カーバ
イド社製)を用いて塗布液を調製し、実施例1と同様の
方法でインクジェット記録用紙の作製を行った。
【0034】以上実施例1〜4、及び比較例1,2にお
いて得られた水溶性重縮合物の性状を表1に示す。表1
中のカチオン化度については、反応生成物を蒸留水で
0.1%に希釈し、指示薬としてトルイジンブルーを用
いて1/400Nポリビニル硫酸カリウム水溶液でコロ
イド滴定を行い決定した。
【0035】
【表1】
【0036】次に、実施例1〜4及び比較例1〜4にお
いて得られたインクジェット記録用紙の性能を、耐水
性、画像濃度、ブロンズ化及びフェザリングについて、
以下の方法によって評価した。
【0037】「耐水性」耐水性は、キャノン社製BJC
−400Jカラーインクジェットプリンターを用いて、
純正インクジェット記録インクのマゼンタインクでイン
クジェット記録用紙に文字及び罫線を印字し、20℃の
水道水に10秒間浸漬後、20℃、65%RHの一定条
件下で記録用紙を吊るした状態で乾燥させ、乾燥後のに
じみの程度を以下の3段階で目視判定した。 ○:全く滲まない △:若干滲む ×:かなり滲む
【0038】「画像濃度」画像濃度は、耐水性試験と同
様のプリンターを用いて、純正インクジェット記録イン
クのブラックインクでベタ印字した部分を、反射濃度計
(マクベス社製RD−918)で測定した。数値が高い
ほど良好である。
【0039】「ブロンズ化」ブロンズ化は、耐水性試験
と同様のプリンターを用いて、純正インクジェット記録
インクのブラックインクでベタ印字し、次に基準で目視
判定した。 ○:鮮明な黒と認識できるもの。 ×:茶色がかっているもの。
【0040】「フェザリング」フェザリングは、耐水性
試験と同様のプリンターを用いて、純正インクジェット
記録インクのブラックインクで罫線を印字し、次に基準
で目視判定した。 ○:罫線の輪郭が明瞭なもの。 △:罫線の輪郭ににじみがあるが、実用上問題ないも
の。 ×:罫線の輪郭のにじみがひどく、実用上問題があるも
の。 以上の評価結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によって得られる水溶性重縮合物
は、これをインクジェット記録用インクの染料定着剤と
して使用することで、記録された画像の耐水性が特に優
れたものが得られ、更ににじみのない鮮明な画像が得ら
れ、またブロンズ化現象の発生しないインクジェット記
録用紙が得られる。本発明の水溶性重縮合物は紙への塗
布量が少量で優れた画像耐水性を発揮するため、経済性
の向上、省資源化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で調製した本発明の水溶性重
縮合物の13CNMRの測定結果を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 5/00 Z Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA15 BA35 4J002 AB01X AB04X BE02X BG01X BG13X CH02X CM01W GH02 4J043 PA02 QB51 QB53 RA08 RA09 SA05 SA06 SB03 TA37 TB01 UA041 UA622 UA761 UA771 ZA22 ZB33 ZB45 4L055 AG48 AG77 AG87 AH09 BE08 EA29 EA30 FA15 FA19 FA30 GA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数1〜4のモノアルキルアミン又は
    炭素数8までのジアルキルアミンから選ばれるアルキル
    アミンとシクロヘキサン環を有する1級又は2級脂環式
    アミン、及びエピハロヒドリンの反応によって得られ
    る、式(1)及び式(2)で表わされる繰り返し単位を
    有する水溶性重縮合物。 【化1】 【化2】 (ここで、R及びRは炭素数1〜7のアルキル基又
    はシクロヘキサン環を有する2級脂環式アミン残基を、
    は炭素数1〜4のアルキル基又はシクロヘキサン環
    を有する1級脂環式アミン残基を表わし、かつR、R
    及びR中のシクロヘキサン環を有する1級又は2級
    脂環式アミン残基が重縮合物1分子中の全アミン残基の
    10モル%以上である。Xはハロゲン原子を表わす。)
  2. 【請求項2】 水溶性重縮合物の式(1)及び式(2)
    の繰り返し単位数がそれぞれ1〜20である請求項1記
    載の水溶性重縮合物。
  3. 【請求項3】 シクロヘキサン環を有する1級又は2級
    脂環式アミン残基が、水溶性重縮合物1分子中の全アミ
    ン残基のモル数に対して10モル%以上90モル%以下
    である請求項1又は2記載の水溶性重縮合物。
  4. 【請求項4】 炭素数1〜4のモノアルキルアミン又は
    炭素数8までのジアルキルアミンから選ばれるアルキル
    アミンとシクロヘキサン環を有する1級又は2級脂環式
    アミン、及びエピハロヒドリンの反応によって得られ
    る、式(1)及び式(2)で表わされる繰り返し単位を
    有する水溶性重縮合物を必須成分とするインクジェット
    記録用インクの染料定着剤。 【化3】 【化4】 (ここで、R及びRは炭素数1〜7のアルキル基又
    はシクロヘキサン環を有する2級脂環式アミン残基を、
    は炭素数1〜4のアルキル基又はシクロヘキサン環
    を有する1級脂環式アミン残基を表わし、かつR、R
    及びR中のシクロヘキサン環を有する1級又は2級
    脂環式アミン残基が重縮合物1分子中の全アミン残基の
    10モル%以上である。Xはハロゲン原子を表わす。)
  5. 【請求項5】 水溶性重縮合物の式(1)及び式(2)
    の繰り返し単位数がそれぞれ1〜20である水溶性重縮
    合物を必須成分とする請求項4記載のインクジェット記
    録用インクの染料定着剤。
  6. 【請求項6】 シクロヘキサン環を有する1級又は2級
    脂環式アミンが、全アミンのモル数に対して10モル%
    以上90モル%以下である請求項4又は5記載のインク
    ジェット記録用インクの染料定着剤。
  7. 【請求項7】 紙の内部又は表面の少なくとも一方に、
    式(1)及び式(2)で表わされる繰り返し単位を有す
    る水溶性重縮合物を含有することを特徴とするインクジ
    ェット記録用紙。 【化5】 【化6】 (ここで、R及びRは炭素数1〜7のアルキル基又
    はシクロヘキサン環を有する2級脂環式アミン残基を、
    は炭素数1〜4のアルキル基又はシクロヘキサン環
    を有する1級脂環式アミン残基を表わし、かつR、R
    及びR中のシクロヘキサン環を有する1級又は2級
    脂環式アミン残基が重縮合物1分子中の全アミン残基の
    10モル%以上である。Xはハロゲン原子を表わす。)
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