JP2008057050A - 表面サイズ剤、表面サイジング方法及び紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】 オフセットインキで印刷される紙、特にオフセット用新聞印刷用紙のオフセット印刷適性を向上させることができるとともにネッパリを防止し、発泡が少ない表面サイズ剤の提供と、表面サイズ剤を含有する表面処理剤を塗工することによって得られるオフセット印刷適性に優れ、ネッパリの問題がないオフセット印刷用紙の提供。
【解決手段】 アミン類[C]の存在下で、疎水性モノマー[A]と3級アミノ基を有するモノマー[B]を重合後、4級化剤を反応させることを特徴とする表面サイズ剤であり、好ましくは、アミン類[C]の使用量が疎水性モノマー[A]と3級のアミノ基を有するモノマー[B]の総使用量に対して0.1〜5重量%である。その表面サイズ剤を含有する表面処理剤を原紙に塗工することを特徴とする表面サイジング方法及びその表面サイジング方法によって得られる紙。
【選択図】 なし
Description
(1)アミン類[C]の存在下で、疎水性モノマー[A]と3級アミノ基を有するモノマー[B]を重合後、4級化剤を反応させることにより製造することを特徴とする表面サイズ剤、
(2)アミン類[C]の使用量が、疎水性モノマー[A]と3級のアミノ基を有するモノマー[B]の総使用量に対して、0.1〜5重量%であることを特徴とする(1)に記載の表面サイズ剤
(3)前記(1)又は(2)の表面サイズ剤を含有する表面処理剤を原紙に塗工することを特徴とする表面サイジング方法、
(4)前記(3)の表面サイジング方法によって得られる紙、
(5)オフセット用印刷用紙である前記(4)の紙、
(6)中性紙である前記(4)又は(5)の紙、
(7)新聞用紙である前記(4)〜(6)の紙
を提供するものである。
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素導入管を付けた1リットルの四つ口フラスコにスチレン170部、ジメチルアミノエチルメタクリレート57部、テトラエチレンペンタミン16部、アゾビスイソブチロニトリル3.6部、イソプロピルアルコール68部を仕込み、80℃で3時間保持し、次いでアゾビスイソブチロニトリルを0.2部仕込みさらに同温度で2時間保持した後、次いで90%酢酸24.2部(ジメチルアミノエチルメタクリレートに対して100モル%)、水558部を加え、イソプロピルアルコールを留去した。その後、水13部、4級化剤としてエピクロロヒドリン33.5部(ジメチルアミノエチルメタクリレートに対して100モル%)仕込み、80℃で2時間保持した。その後、固形分25%となるように水で希釈し、カチオン性共重合体水溶液を得た。得られたカチオン性共重合体水溶液は表面サイズ剤[S−1]として使用する。
疎水性モノマーの種類及び使用量、3級アミノ基を含有するモノマーの種類及び使用量、アミン類の種類、使用量を表1に示すように変えた他は実施例用合成例1と同様にしてカチオン性共重合体[S−2]〜[S−8]水溶液を得た。得られたカチオン性共重合体[S−2]〜[S−8]水溶液をそのまま表面サイズ剤[S−2]〜[S−8]として使用する。
攪拌器、温度計、還流冷却管及び窒素導入管を備えた1リットルの四つ口フラスコに、水35部と、95%イソプロピルアルコール65部と、スチレン70部及びアクリル酸30部を混合した単量体混合液と、アゾビスイソブチロニトリル3部とを入れ、フラスコ内の内容物を攪拌下に加熱し、内容物の温度を80℃にまで上昇させた。その後に4時間熟成させ反応を完結させた。その後、イソプロピルアルコールを留去し、冷却後に28%アンモニア水溶液25.3部(アクリル酸に対して100モル%)を加え、水で希釈し、共重合体の濃度が20%になるように調製し、水溶性共重合体であるスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニア中和物水溶液を得た。得られた共重合体水溶液をそのまま表面サイズ剤[T−1]として使用する。ポリマー中のモノマー構成比は重量比でスチレン/アクリル酸=70/30であった。
攪拌機、温度計、還流冷却管および窒素導入管を付けた1リットルの四つ口フラスコにスチレン170部、ジメチルアミノエチルメタクリレート57部、アゾビスイソブチロニトリル3.6部及びイソプロピルアルコール68部を仕込み、80℃で3時間保持し、次いでアゾビスイソブチロニトリルを0.2部仕込みさらに同温度で2時間保持した。次いで90%酢酸22.3部(ジメチルアミノエチルメタクリレートに対して100モル%)、水558部を加え、イソプロピルアルコールを留去した。その後、水13部、4級化剤としてエピクロロヒドリン31部(ジメチルアミノエチルメタクリレートに対して100モル%)仕込み、80℃で2時間保持した。その後、固形分25%となるように水で希釈し、カチオン性共重合体水溶液を得た。得られたカチオン性共重合体水溶液をそのまま表面サイズ剤[T−2]として使用する。尚、表面サイズ剤[T−2]は表面サイズ剤[S−1]においてテトラエチレンペンタミンを添加しないものに相当する。
実施例用合成例3においてテトラエチレンペンタミンを使用しないこと以外は、実施例用合成例3と同様にして合成を行い、カチオン性共重合体を得た。得られたカチオン性共重合体水溶液をそのまま表面サイズ剤[T−3]として使用する。
(中性新聞用紙原紙の製造)
カナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)が160ml、濃度2.5%の脱墨パルプスラリーに、対パルプ2%(絶乾重量基準)の炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製;TP121S)、対パルプ0.25%(絶乾重量基準)の硫酸バンドを順次添加した後、pH7.5の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈した。テスト抄紙機で、坪量48g/m2となるように抄紙した。尚、この時の抄紙pHは7.5であった。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて100℃で80秒間の条件で行った。
酸化澱粉(MS3800 日本食品化工(株)製)を濃度12%になるよう水に希釈し、95℃で糊化を行い、表面サイズ剤[S−1]を酸化澱粉溶液に添加して表面処理剤液組成が、酸化澱粉9%、表面サイズ剤0.5%に調整した。この表面処理剤液について下記に示す方法で発泡試験を行った。結果を表2に示す。 この表面処理剤液を前記中性新聞用紙原紙に、No.3バーコーターにて塗工し、中性新聞用紙を得た。表面サイズ剤[S−1]の塗工量は固形分で0.1g/m2であった。得られた前記中性新聞用紙を試験紙として恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿した。下記に示す方法でドロップテスト、着肉性、接触角を測定した結果を表3に示す。
J.TAPPI 33の試験方法に準拠し、滴下水量1μlで測定した。数値が大きいほど、サイズ性能が良好であることを示す。
協和界面科学(株)製 自動接触角計を用いて、水を滴下し1秒後の接触角を測定した。数値が大きい程、接触角が高いことを示し、サイズ性能が良好であることを示す。
石川島産業機械(株)製RI印刷機(4色機)を用い、大日本インキ化学工業(株)製のオフセット用エコインキである高粘度AFインキを使用し、3色目印刷用ゴムロールと金属ロールとの間に水の膜を作成してから印刷した。マクベス濃度計にてインキ濃度を測定した。数値が大きい程、着肉性が良好であることを示す。
表面処理剤液600gを内径7cmおよび長さ50cmのフォームセルに入れ、4L/minで20分間循環し、泡の高さ(mm)を測定した。泡の高さが低いほど、発泡が少なく良好であることを示す。
10cm×10cmの正方形に切り取った2枚の紙片を用い、塗工面を20℃の水に3秒間濡らした後、塗工面同士を貼りあわせ、ろ紙に挟み50kgでプレスを行う。恒温恒湿(23℃、50%相対湿度)環境下で24時間調湿後、カレンダー処理を行い、伸張型引っ張り試験機で剥離強度を測定した。値が低い程、ネッパリが少ないことを示す。
実施例1の表面サイズ剤[S−1]から表2に示す表面サイズ剤[S−2]〜[S−8]に変えた以外は実施例1と同様にして中性新聞用紙を得て、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1の表面サイズ剤[S−1]を比較例用合成例1に記載の表面サイズ剤[T−1]に変えた以外は実施例1と同様にして中性新聞用紙を得て、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1の表面サイズ剤[S−1]を比較例用合成例2に記載の表面サイズ剤[T−2]に変えた以外は実施例1と同様にして中性新聞用紙を得て、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1の表面サイズ剤[S−1]を比較例用合成例3に記載の表面サイズ剤[T−3]に変えた以外は実施例1と同様にして中性新聞用紙を得て、評価を行った。結果を表3に示す。
Claims (7)
- アミン類[C]の存在下で、疎水性モノマー[A]と3級アミノ基を有するモノマー[B]を重合後、4級化剤を反応させることにより製造することを特徴とする表面サイズ剤。
- アミン類[C]の使用量が、疎水性モノマー[A]と3級のアミノ基を有するモノマー[B]の総使用量に対して、0.1〜5重量%であることを特徴とする請求項1に記載の表面サイズ剤。
- 請求項1又は2に記載の表面サイズ剤を含有する表面処理剤を原紙に塗工することを特徴とする表面サイジング方法。
- 請求項3に記載の表面サイジング方法によって得られることを特徴とする紙。
- オフセット用印刷用紙であることを特徴とする請求項4に記載の紙。
- 中性紙であることを特徴とする請求項4又は5に記載の紙。
- 新聞用紙であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の紙。
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