JP5247180B2 - インクジェット記録用水性インク及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用水性インク及びその製造方法に関する。
インクジェット記録用のインクに用いる着色剤には、耐光性や耐水性等の観点から、顔料が広く用いられている。顔料を分散させて用いる場合、分散させたときの分散粒径や分散後の安定性、サイズ均一性などを向上させる技術の検討が種々行なわれている。
例えば、溶剤とポリマーと顔料とが不連続相をなす乳化組成物の状態において、界面活性剤を用いて分散する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、水が連続相であり、分散後に溶媒を除去することによって水分散物が得られる。また、ポリマー、溶剤、及び顔料の分散物に、界面活性剤を有する水相を添加した後、溶媒を除去することによって、水分散物を得る方法に関する開示がある(例えば、特許文献2参照)。
一方、微小カプセルの製造方法として、界面活性剤を用いることなく、水媒体の作用下で平均粒子径が0.1μm以下の水準に自己分散する分散能を有する自己分散性樹脂類を用いて、光沢の発現性を有するサブミクロンカプセルを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3〜4参照)。
米国特許4665107号明細書 欧州特許登録第0274961号明細書 特開平3−221137号公報 特許第3301082
しかし、上記のように界面活性剤を用いた従来の方法では、いずれもインクジェット用インクに必要とされる微粒化には至っておらず、また、界面活性剤を用いるため、インク中に不要な界面活性剤が持ち込まれることになる。吐出安定性の点からは、インクジェット用インクに界面活性剤を含まないことが望ましい。
また、自己分散性樹脂類を用いた方法では、インクジェット用インクに求められる粒子径や、水溶性有機溶媒を含むインクの分散安定性が不充分である課題がある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、顔料の分散径が小さく分散安定性に優れたインクジェット記録用水性インク、及び顔料の微粒子化が容易で、顔料を安定に分散させることができるインクジェット記録用水性インクの製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、分散操作後に有機相と水相との分離が開始されたときに、分散時水に溶解していない分散剤が水相中に析出せずに有機相側に分離されていく性質を持つ樹脂を分散剤として用いることが分散安定性の向上に寄与するとの知見、及び乳化状態で柔らかいミセルを形成できる樹脂は、分散時に容易に顔料表面に吸着できるとの知見を得、かかる知見に基づいて達成されたものである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> アニオン性の解離性基を有するモノマーに由来の構成単位を7質量%以上15質量%以下、フェノキシエチルメタクリレートに由来の構造単位を40質量%以上70質量%未満、及び(メタ)アクリル酸の炭素数1以上4以下のアルキルエステルに由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下を含み、下記条件Aを満たし、かつ105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が1g以下である水不溶性樹脂で被覆された樹脂被覆顔料粒子と、水と、少なくとも1つのヒドロキシ基を含む水溶性有機溶媒と、を含有するインクジェット記録用水性インクであるである。
〔条件A:水不溶性樹脂とメチルエチルケトンと前記水不溶性樹脂のアニオン性の解離性基に対して当量の水酸化ナトリウムと水とを、水不溶性樹脂及びメチルエチルケトンの合計質量が全質量の35質量%となるように混合したときに、水不溶性樹脂が析出することなくエマルジョンを形成し、かつ3時間静置した後、透明1相を形成あるいは2相に分離し、少なくとも水相は透明である。ここで、透明とは、厚み1cmとした水相の一方の側から入射した光が他方の側に透過して抜け出る光の量が入射光量の85%以上である場合をいう。
<2> 前記樹脂被覆顔料粒子が、前記水不溶性樹脂、有機溶媒、前記水不溶性樹脂のアニオン性の解離性基を中和する中和剤、顔料、及び水を混合して分散し、得られた分散物から前記メチルエチルケトンを除去することにより調製されたものである前記<1>に記載のインクジェット記録用水性インクである。
<3> 前記水不溶性樹脂は、重量平均分子量が3万以上である前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用水性インクである。
> 前記水不溶性樹脂は、酸価が30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用水性インクである。
<5> 前記水不溶性樹脂は、酸価が50mgKOH/g以上85mgKOH/g以下である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用水性インクである。
<6> 前記水溶性有機溶媒の含有割合が15質量%以上である前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用水性インクである。
<7> 前記水溶性有機溶媒が、グリセリン、アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、及びグリセリンアルキルエーテル誘導体から選ばれる少なくとも1種である前記<6>に記載のインクジェット記録用水性インクである。
<8> 更に、界面活性剤の少なくとも1種を含む前記<1>〜前記<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用水性インクである。
<9> アニオン性の解離性基を有するモノマーに由来の構成単位を7質量%以上15質量%以下
、フェノキシエチルメタクリレートに由来の構造単位を40質量%以上70質量%未満、及び(メタ)アクリル酸の炭素数1以上4以下のアルキルエステルに由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下を含み、下記条件Aを満たし、かつ105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が1g以下である水不溶性樹脂、有機溶媒、前記アニオン性の解離性基を中和する中和剤、顔料、及び水を混合して分散し、得られた分散物から前記有機溶媒を除去する工程を設けて、前記顔料の粒子表面が前記水不溶性樹脂で被覆された樹脂被覆顔料粒子の分散物を調製し、得られた樹脂被覆顔料粒子の分散物と水と少なくとも1つのヒドロキシ基を含む水溶性有機溶媒とを用いて水性インクを調製するインクジェット記録用水性インクの製造方法である。
〔条件A:水不溶性樹脂とメチルエチルケトンと前記水不溶性樹脂のアニオン性の解離性基に対して当量の水酸化ナトリウムと水とを、水不溶性樹脂及び有機溶媒の合計質量が全質量の35質量%となるように混合したときに、水不溶性樹脂が析出することなくエマルジョンを形成し、かつ3時間静置した後、透明1相を形成あるいは2相に分離し、少なくとも水相が透明である。ここで、透明とは、厚み1cmとした水相の一方の側から入射した光が他方の側に透過して抜け出る光の量が入射光量の85%以上である場合をいう。
本発明によれば、顔料の分散径が小さく分散安定性に優れたインクジェット記録用水性インク、及び顔料の微粒子化が容易で、顔料を安定に分散させることができるインクジェット記録用水性インクの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のインクジェット記録用水性インク及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、塩生成基及び、主鎖をなす原子に連結基を介して結合する芳香環を有するメタクリレートに由来の構造単位を有し、以下に示す条件Aを満たす水不溶性樹脂(以下、「特定水不溶性樹脂」ということがある。)で被覆された樹脂被覆顔料粒子と、水と、少なくとも1つのヒドロキシ基を含む水溶性有機溶媒とを含んでなり、必要に応じて、界面活性剤などの他の成分を用いて構成することができる。
本発明においては、着色剤として含有される顔料を、特定水不溶性樹脂で被覆してインク液中に分散させることで、顔料粒子を微粒径にして存在させることができ、分散後には高い分散安定性が得られる。
以下、本発明のインクジェット記録用水性インクを構成する各成分について詳細に説明する。
−樹脂被覆顔料粒子−
本発明のインクジェット記録用水性インクは、塩生成基、及び主鎖をなす原子に連結基を介して結合する芳香環を有するメタクリレートに由来の構造単位を有し、以下に示す条件Aを満たす水不溶性樹脂(特定水不溶性樹脂)で被覆された樹脂被覆顔料粒子の少なくとも1種を含有する。但し、本発明においては、特定水不溶性樹脂が、アニオン性の解離性基を有するモノマーに由来の構成単位を7質量%以上15質量%、フェノキシエチルメタクリレートに由来の構成単位を40質量%以上70質量%未満、及び(メタ)アクリル酸の炭素数1以上4以下のアルキルエステルに由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下を含み、下記条件Aを満たし、かつ105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が1g以下である水不溶性樹脂である場合に限られる。
本発明における樹脂被覆顔料粒子は、必ずしも顔料表面の全体が本発明における特定水不溶性樹脂で被覆されている必要はなく、場合により顔料表面の少なくとも一部が被覆された状態であってもよい。
本発明のインクジェット記録用水性インク中に含まれる顔料は、特定水不溶性樹脂で包まれたカプセル化顔料、すなわちポリマー粒子に顔料が含有されたポリマーエマルジョンであり、より詳しくは、水不溶性の樹脂で顔料を被覆し、顔料表面に樹脂層を形成して水に分散されているものである。
<特定水不溶性樹脂>
本発明における特定水不溶性樹脂は、塩生成基と、主鎖をなす原子に連結基を介して結合する芳香環を有するメタクリレートに由来の構造単位(以下、「メタクリレート由来の特定構造単位」ともいう。)と、を少なくとも含み、下記の条件Aを満たす。
*条件A:特定水不溶性樹脂と有機溶媒と前記塩生成基に対して1当量の中和剤(例えば、塩生成基が、アニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸)と水とを、特定水不溶性樹脂及び有機溶媒の合計質量が全質量の35質量%となるように混合したときに、特定水不溶性樹脂が析出することなくエマルジョンを形成し、かつ3時間静置した後、透明1相を形成あるいは2相に分離し、少なくとも水相が透明となる。
エマルジョンとは、水中に特定水不溶性ポリマーが液体状態で分散されている乳化状態をいい、水相が「透明」とは厚み1cmとした水相の一方の側から入射した光が他方の側に透過して抜け出る光の量が入射光量の85%以上である性質をいう。
なお、水不溶性樹脂とは、105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が1g以下であるポリマーをいう。前記溶解量は、特定水不溶性樹脂の塩生成基の種類に応じて、水酸化ナトリウム又は酢酸で100%中和した時の溶解量である。
本発明における特定水不溶性樹脂は、メタクリレート由来の特定構造単位を有することで、顔料の微粒子化を容易に行なうことができる。また、特定水不溶性樹脂は、前記条件Aを満たすものであることにより、有機溶剤と水の混合相において、析出を起こさず、かつ攪拌等の混合操作を行なっている間は例えば100nm以下の微細なエマルジョンを形成するが、混合操作を停止した直後には有機相と水相との分離が開始され、水に溶解していない樹脂分散剤は水相中に析出しない性質を有しており、この特定水不溶性樹脂を用いて顔料を分散することで、分散安定性に優れた顔料インクを得ることができる。このとき、この特定水不溶性樹脂は、乳化状態でやわらかいミセルを形成するため、混合(分散)操作中に樹脂が容易に顔料表面に吸着し、分散安定性に優れた分散物が得られる。そして、分散状態における粘度上昇が抑制される。
<塩生成基>
塩生成基は、親水性基であり、乳化又は分散状態の安定性の観点から、解離性基が好ましい。解離性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン残基、硝酸基、アミノ基、アンモニウム基などを挙げることができる。本発明においては、水性インクを構成した場合の分散安定性の観点から、塩生成基としてアニオン性の解離性基が好ましく、より好ましくはカルボキシル基である。
<メタクリレート由来の特定構造単位>
本発明の水不溶性樹脂は、疎水性構造単位として、「主鎖をなす原子に連結基を介して結合する芳香環を有するメタクリレートに由来の構造単位」(メタクリレート由来の特定構造単位)の少なくとも1つを有する。この構造単位では、芳香環が「主鎖をなす原子に連結基を介して結合」する形態を有することにより、芳香環がエステル基を含む連結基を介して特定水不溶性樹脂の主鎖に結合し、芳香環が主鎖に直接結合しないので、疎水性の芳香環と親水性構造単位との間に適切な距離が維持されるため、水不溶性樹脂と顔料との間で相互作用が生じやすく、強固に吸着して分散性が向上する。
本発明における特定水不溶性樹脂の主鎖を形成している原子に連結基を介して結合する芳香環の、特定水不溶性樹脂1分子中における割合は、15〜27質量%の範囲が好ましく、15〜20質量%の範囲がより好ましい。
また、特定水不溶性樹脂中におけるメタクリレート由来の特定構造単位の含有割合は、顔料の分散安定性、吐出安定性、洗浄性の観点から、本発明における特定水不溶性樹脂の全質量に対して、40質量%以上75質量%未満の範囲が好ましく、40質量%以上70質量%未満の範囲がより好ましく、40質量%以上60質量%未満の範囲が特に好ましい。
前記「主鎖をなす原子に連結基を介して結合する芳香環を有するメタクリレートに由来の構造単位」としては、下記一般式(I)で表される構造単位が好ましい。
Figure 0005247180
前記一般式(I)において、Lは、単結合、又は炭素数1〜30の2価の連結基を表し、2価の連結基である場合は、好ましくは炭素数1〜25の連結基であり、より好ましくは炭素数1〜20の連結基であり、更に好ましくは炭素数1〜15の連結基である。
中でも、特に好ましくは、炭素数1〜25(より好ましくは2〜12)のアルキレンオキシ基、イミノ基(−NH−)、スルファモイル基、及び、炭素数1〜20(より好ましくは1〜10)のアルキレン基やエチレンオキシド基[−(CHCHO)−,n=1〜6]などの、アルキレン基を含む2価の連結基等、並びにこれらの2種以上を組み合わせた基などである。
前記一般式(I)において、Arは、芳香環から誘導される1価の基を表す。
Arで表される芳香環は、無置換でも置換されていてもよい。Arで表される芳香環としては、特に限定されないが、ベンゼン環、炭素数8以上の縮環型芳香環、ヘテロ環が縮環した芳香環、又は2個以上連結したベンゼン環などが挙げられる。
芳香環が置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、シアノ基などを挙げることができる。例えばベンゼン環が置換されている場合は、置換基が縮環を形成していてもよい。
前記「炭素数8以上の縮環型芳香環」は、少なくとも2以上のベンゼン環が縮環した芳香環、少なくとも1種の芳香環と該芳香環に縮環して脂環式炭化水素で環が構成された炭素数8以上の芳香族化合物である。具体的な例としては、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレン、アセナフテンなどが挙げられる。
前記「ヘテロ環が縮環した芳香環」とは、ヘテロ原子を含まない芳香族化合物(好ましくはベンゼン環)と、ヘテロ原子を有する環状化合物とが縮環した化合物である。ここで、ヘテロ原子を有する環状化合物は、5員環又は6員環であることが好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子が好ましい。ヘテロ原子を有する環状化合物は、複数のヘテロ原子を有していてもよい。この場合、ヘテロ原子は互いに同じでも異なっていてもよい。ヘテロ環が縮環した芳香環の具体例としては、フタルイミド、アクリドン、カルバゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。
前記一般式(I)で表される構造単位の中でも、Lがアルキレンオキシ基及び/又はアルキレン基を含む炭素数1〜25の2価の連結基であって、Arが無置換又は置換されているベンゼン環である構造単位が好ましく、より好ましくは、Lが−(CH−CH−O)−(nは平均の繰り返し数を表し、n=1〜6である)であって、Arがフェニル基である構造単位である。
なお、Lにおける「」印は、主鎖に連結する結合手を表す。nは、インクジェット記録用水性インクに含まれる樹脂被覆顔料粒子の特定水不溶性樹脂におけるエチレンオキシ鎖を平均した繰り返し数を表す。
以下、本発明における「主鎖をなす原子に連結基を介して結合する芳香環を有するメタクリレートに由来の構造単位」を形成し得るモノマーの具体例を挙げる。但し、本発明においては、下記の具体例に制限されるものではない。
Figure 0005247180
Figure 0005247180
前記一般式(I)で表される構造単位の中でも、分散安定性の観点から、ベンジルメタクリレートに由来の構造単位及び/又はフェノキシエチルメタクリレートに由来の構造単位を有していることが好ましい。ベンジルメタクリレートに由来の構造単位及び/又はフェノキシエチルメタクリレートに由来の構造単位の含有割合は、分散安定性をより高める点で、合計した総量で40質量%以上であることが好ましく、特には40〜60質量%の範囲であることが好ましい。
本発明における特定水不溶性樹脂は、顔料の粒子表面に吸着しやすく、分散安定性を付与する点から、親水性構造単位(a)と疎水性構造単位(b)とを有する樹脂であることが好ましい。また、必要に応じて、特定水不溶性樹脂は、疎水性構造単位(a)及び親水性構造単位(b)に含まれない他の構造単位を更に含んでもよい。
<親水性構造単位(a)>
親水性構造単位(a)には、親水性基含有のモノマーに由来するものであれば、特に制限はなく、1種の親水性基含有モノマーに由来するものでも、2種以上の親水性基含有モノマーに由来するものでもよい。前記親水性基としては、特に制限はなく、解離性基であっても、ノニオン性の親水性基であってもよい。
親水性構造単位(a)には、前記塩生成基を有する構造単位が含まれ、本発明における特定水不溶性樹脂は、塩生成基として解離性基を有するモノマー(解離性基含有モノマー)を用いて塩生成基を導入することができる。
前記解離性基は、乳化又は分散状態の安定性の観点から好ましい。解離性基としては、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、中でも、インクジェット記録用水性インクを構成した場合の分散安定性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
前記親水性基含有モノマーとしては、解離性基含有モノマーが好ましく、解離性基とエチレン性不飽和結合とを有する解離性基含有モノマーがより好ましい。解離性基含有モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
前記不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。前記不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。前記不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
このほかの親水性構造単位(a)としては、非イオン性の親水性基を有するモノマーに由来の構造単位を用いることができ、親水性の官能基を有する(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、及びビニルエステル類等の、親水性の官能基を有するビニルモノマー類を挙げることができる。
「親水性の官能基」としては、水酸基、アミノ基、(窒素原子が無置換の)アミド基、及び後述のポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド、等が挙げられる。
非イオン性の親水性基を有する親水性構造単位を形成するモノマーとしては、エチレン性不飽和結合等の重合体を形成しうる官能基と非イオン性の親水性の官能基とを有していれば、特に制限はなく、公知のモノマーから選択することができる。具体的な例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、アミノプロピルアクリレート、アルキレンオキシド重合体を含有する(メタ)アクリレートを好適に挙げることができる。
非イオン性の親水性基を有する親水性構造単位は、対応するモノマーの重合により形成することができるが、重合後のポリマー鎖に親水性の官能基を導入してもよい。
非イオン性の親水性基を有する親水性構造単位は、アルキレンオキシド構造を有する親水性の構造単位がより好ましい。アルキレンオキシド構造のアルキレン部位としては、親水性の観点から、炭素数1〜6のアルキレン部位が好ましく、炭素数2〜6のアルキレン部位がより好ましく、炭素数2〜4のアルキレン部位が特に好ましい。また、アルキレンオキシド構造の重合度としては、1〜120が好ましく、1〜60がより好ましく、1〜30が特に好ましい。
また、非イオン性の親水性基を有する親水性構造単位は、水酸基を含む親水性の構造単位であることも好ましい態様である。構造単位中の水酸基数としては、特に制限はなく、水不溶性樹脂の親水性、重合時の溶媒や他のモノマーとの相溶性の観点から、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましく、1〜2が特に好ましい。
上記において、例えば、親水性構造単位の含有割合は、後述する疎水性構造単位(b)の割合で異なる。例えば、水不溶性樹脂がアクリル酸及び/又はメタクリル酸〔親水性構造単位(a)〕と後述の疎水性構造単位(b)とのみから構成される場合、アクリル酸及び/又はメタクリル酸の含有割合は、「100−(疎水性構造単位の質量%)」で求められる。
親水性構造単位(a)は、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
<疎水性構造単位(b)>
本発明における特定水不溶性樹脂は、上記の「主鎖をなす原子に連結基を介して結合する芳香環を有するメタクリレートに由来の構造単位」以外の他の疎水性構造単位(b)を更に含んでいてもよい。
他の疎水性構造単位(b)としては、例えば、親水性構造単位(a)に属しない(例えば親水性の官能基を有しない)例えば(メタ)アクリルアミド類及びビニルエステル類などのビニルモノマー類、(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜4)エステル類などの(メタ)アクリレート類、等に由来の構造単位を挙げることができる。これらの構造単位は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどのビニルエステル類が挙げられる。中でも、ビニルアセテートが好ましい。
前記(メタ)アクリレート類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記のうち、分散安定性の点で、(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜4)エステルは好ましい。(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜4)エステルに由来の構造単位を含む場合、その含有割合は、分散安定性の点で、15質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上60質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以上50質量%以下である。
前記親水性構造単位(a)及び前記疎水性構造単位(b)の組成としては、それぞれの親水性、疎水性の程度にもよるが、疎水性構造単位(b)の含有割合が、特定水不溶性樹脂の全体質量に対して、80質量%を超える組成である場合が好ましく、85質量%を超える組成である場合がより好ましい。換言すれば、親水性構造単位(a)の含有割合としては、特定水不溶性樹脂の全体質量に対して、15質量%以下の範囲が好ましい。親水性構造単位(a)が15質量%以下であると、顔料の分散に寄与せず単独で水性液媒体中に溶解する成分が減少し、顔料の分散状態を良好に維持でき、粘度上昇が抑えられるので、インクジェット記録用インクとしたときの吐出性を良好にすることができる。
本発明における特定水不溶性樹脂の酸価としては、顔料分散性、保存安定性の観点から、30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、30mgKOH/g以上85mgKOH/g以下であることがより好ましく、50mgKOH/g以上85mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
なお、酸価とは、特定水不溶性樹脂の1gを完全に中和するのに要するKOHの質量(mg)で定義され、JIS規格(JISK0070、1992)記載の方法により測定されるものである。
本発明における特定水不溶性樹脂の分子量としては、重量平均分子量(Mw)で3万以上が好ましく、3万〜15万がより好ましく、更に好ましくは3万〜10万であり、特に好ましくは3万〜8万である。分子量が3万以上であると、分散剤としての立体反発効果が良好になる傾向があり、立体効果により顔料へ吸着し易くなる。
また、数平均分子量(Mn)では1,000〜100,000の範囲程度のものが好ましく、3,000〜50,000の範囲程度のものが特に好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、顔料における被覆膜としての機能又はインクの塗膜としての機能を発揮することができる。本発明における特定水不溶性樹脂は、アルカリ金属や有機アミンの塩の形で使用されることが好ましい。
また、本発明における特定水不溶性樹脂の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)としては、1〜6の範囲が好ましく、1〜4の範囲がより好ましい。分子量分布が前記範囲内であると、インクの分散安定性、吐出安定性を高められる。
数平均分子量及び重量平均分子量は、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(いずれも東ソー(株)製)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒THFにて示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算することにより表される分子量である。
本発明における特定水不溶性樹脂は、種々の重合方法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、沈殿重合、塊状重合、乳化重合により合成することができる。重合反応は、回分式、半連続式、連続式等の公知の操作で行なうことができる。重合の開始方法は、ラジカル開始剤を用いる方法、光又は放射線を照射する方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば、鶴田禎二「高分子合成方法」改定版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年刊、124〜154頁に記載されている。
具体的には、特定水不溶性樹脂は、モノマー混合物と必要に応じて有機溶媒及びラジカル重合開始剤とを含んだ混合物を、不活性ガス雰囲気下で共重合反応させることにより製造することができる。重合方法のうち、特にラジカル開始剤を用いた溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いられる溶剤は、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等の種々の有機溶剤が挙げられる。溶剤は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。また、水との混合溶媒として用いてもよい。重合温度は、生成するポリマーの分子量、開始剤の種類などと関連して設定する必要があり、通常は0℃〜100℃程度であるが、50〜100℃の範囲で重合を行なうことが好ましい。反応圧力は、適宜選定可能であるが、通常は1〜100kg/cmであり、特に1〜30kg/cm程度が好ましい。反応時間は、5〜30時間程度である。得られた樹脂は、再沈殿などの精製を行なってもよい。
以下、本発明における特定水不溶性樹脂として好ましい具体例を示す。但し、B−1〜B−6及びB−8〜B−13は、参考例である。本発明においては、下記に限定されるものではない。
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<顔料>
次に、本発明における特定水不溶性樹脂で被覆される顔料について説明する。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機顔料、無機顔料のいずれであってもよい。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。
前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。
前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記有機顔料としては、イエローインクの顔料として、C.I.ピグメント・イエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、14C、16、17、24、34、35、37、42、53、55、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、155、180等が挙げられる。
マゼンタインクの顔料として、C.I.ピグメント・レッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、48(Ca)、48(Mn)、48:2、48:3、48:4、49、49:1、50、51、52、52:2、53:1、53、55、57(Ca)、57:1、60、60:1、63:1、63:2、64、64:1、81、83、87、88、89、90、101(ベンガラ)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、163、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219、269等、及びC.I.ピグメント・バイオレット19が挙げられ、特にC.I.ピグメント・レッド122が好ましい。
また、シアンインクの顔料として、C.I.ピグメント・ブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー4、60、63等が挙げられ、特にC.I.ピグメント・ブルー15:3が好ましい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
黒色系のものとしては、カーボンブラックの具体例として、Raven7000,Raven5750,Raven5250,Raven5000 ULTRAII,Raven 3500,Raven2000,Raven1500,Raven1250,Raven1200,Raven1190 ULTRAII,Raven1170,Raven1255,Raven1080,Raven1060,Raven700(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Regal400R,Regal330R,Regal660R,Mogul L,Black Pearls L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1, Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black 18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex35,Printex U,Printex V,Printex140U,Printex140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black4(以上、デグッサ社製)、No.25,No.33,No.40,No.45,No.47,No.52,No.900,No.2200B,No.2300,MCF−88,MA600,MA7,MA8,MA100(以上、三菱化学社製)等を挙げることができる。但し、これらに限定されるものではない。
顔料は、1種単独種で使用してもよく、また、上記した各群内もしくは各群間より複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
顔料(p)と本発明における特定水不溶性樹脂(r)との比率(p:r)は、質量比で100:25〜100:140が好ましく、より好ましくは100:25〜100:50である。比率(p:r)は、特定水不溶性樹脂が100:25の割合以上であると分散安定性と耐擦性が良化する傾向にあり、特定水不溶性樹脂が100:140の割合以下であると分散安定性が良化する傾向がある。
本発明における樹脂被覆顔料(マイクロカプセル化顔料)は、特定水不溶性樹脂及び顔料等を用いて従来の物理的、化学的方法によって製造することができる。例えば、特開平9−151342号、特開平10−140065号、特開平11−209672号、特開平11−172180号、特開平10−25440号、又は特開平11−43636号の各公報に記載の方法により製造することができる。具体的には、特開平9−151342号及び特開平10−140065号の各公報に記載の転相法と酸析法等が挙げられ、中でも、分散安定性の点で転相法が好ましい。
a)転相法
転相法は、基本的には、自己分散能又は溶解能を有する樹脂と顔料との混合溶融物を水に分散させる自己分散(転相乳化)方法である。また、この混合溶融物には、上記の硬化剤又は高分子化合物を含んでなるものであってもよい。ここで、混合溶融物とは、溶解せず混合した状態、溶解して混合した状態、又はこれら両者の状態のいずれの状態を含むものをいう。「転相法」のより具体的な製造方法は、特開平10−140065号に記載の方法が挙げられる。
b)酸析法
酸析法は、樹脂と顔料とからなる含水ケーキを用意し、その含水ケーキ中の、樹脂が有するアニオン性基の一部又は全部を、塩基性化合物を用いて中和することによって、マイクロカプセル化顔料を製造する方法である。
酸析法は、具体的には、(1)樹脂と顔料とをアルカリ性水性媒体中に分散し、必要に応じて加熱処理を行なって樹脂のゲル化を図る工程と、(2)pHを中性又は酸性にすることによって樹脂を疎水化して、樹脂を顔料に強く固着する工程と、(3)必要に応じて、濾過及び水洗を行なって含水ケーキを得る工程と、(4)含水ケーキを中の、樹脂が有するアニオン性基の一部または全部を、塩基性化合物を用いて中和し、その後、水性媒体中に再分散する工程と、(5)必要に応じて加熱処理を行ない、樹脂のゲル化を図る工程と、を含む方法がある。
上記の転相法及び酸析法のより具体的な製造方法は、特開平9−151342号、特開平10−140065号の各公報に記載の方法が挙げられる。
本発明のインクジェット記録用水性インクにおいて、樹脂被覆顔料粒子は、特定水不溶性樹脂を水性分散物として得る工程、具体的には下記の工程(1)及び工程(2)を含む方法により樹脂被覆顔料粒子の分散物を調製する調製工程を設けて得ることができ、また、本発明のインクジェット記録用水性インクの製造は、この調製工程を設け、得られた樹脂被覆顔料粒子の分散物を水と水溶性有機溶媒と共に用いて水性インクとする方法により好適に行なえる。
工程(1):既述の本発明における特定水不溶性樹脂、有機溶媒、中和剤、顔料、及び水を含有する混合物を攪拌等により分散して分散物を得る工程
工程(2):前記分散物から前記有機溶媒を除去する工程
攪拌方法には、特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー、ビーズミル等の分散機を用いることができる。
有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、及びエーテル系溶媒が好ましく挙げられる。
前記アルコール系溶媒としては、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、エタノール等が挙げられる。前記ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。前記エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、ジオキサン等が挙げられる。これらの溶媒の中では、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒とイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒が好ましく、メチルエチルケトンが最も好ましい。
中和剤は、解離性基の一部又は全部が中和され、特定水不溶性樹脂が水中で安定した乳化又は分散状態を形成するために用いられる。特定水不溶性樹脂が解離性基としてアニオン性の解離基を有する場合、用いられる中和剤としては有機アミン化合物、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物等の塩基性化合物が挙げられる。前記有機アミン化合物の例としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチル−エタノールアミン、N,N−ジエチル−エタノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアニン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。前記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。中でも、水中での分散安定化の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミンが好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
前記塩基性化合物の含有量は、解離性基100モル%に対して、5〜120モル%の範囲が好ましく、10〜120モル%の範囲がより好ましく、80〜120モル%の範囲が更に好ましい。該含有量は、5モル%以上であると水中での分散安定化に効果的であり、120モル%以下であると水溶性成分を低下させる効果がある。
前記工程(2)では、前記工程(1)で得られた分散物から、減圧蒸留等の常法により有機溶剤を留去して水系へと転相することで、顔料の粒子表面が前記水不溶性樹脂で被覆された樹脂被覆顔料粒子の分散物を得ることができる。得られた分散物中の有機溶媒は実質的に除去されており、ここでの有機溶媒の量は、好ましくは0.2質量%以下であり、更に好ましくは0.1質量%以下である。
より具体的には、例えば、(1)アニオン性基を有する、本発明における特定水不溶性樹脂を有機溶剤に溶解した溶液と塩基性化合物(中和剤)と水とを混合して中和する工程と、(2)得られた混合液に顔料を混合して懸濁液とした後に、分散機等で顔料を分散して顔料分散液を得る工程と、(3)有機溶剤を例えば蒸留して除去することによって、顔料を、アニオン性基を有する特定水不溶性樹脂で被覆し、水性媒体中に分散させて水性分散体とする工程と、を設けて、インクジェット記録用水性インクを製造することができる。
なお、より具体的には、特開平11−2096722号公報及び特開平11−172180号の記載を参照することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インク中に含まれる樹脂被覆顔料粒子の平均粒子径は、10〜400nmの範囲であることが好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、50〜150nmの範囲が更に好ましい。平均粒子径は、10nm以上であると製造適性が向上し、400nm以下であると保存安定性が良好になる。なお、樹脂被覆顔料粒子の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもののいずれでもよい。
樹脂被覆顔料粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
上記のように、特定水不溶性樹脂は、条件Aを満たすものであることにより、有機溶剤と水の混合相において、析出を起こさず、かつ攪拌等の混合操作を行なっている間は100nm以下の微細なエマルジョンを形成するが、混合操作を停止した直後には有機相と水相との分離が開始され、水に溶解していない樹脂分散剤の多くは水相中に析出することなく有機相に分離されていくという性質を有する特定水不溶性樹脂を用いて顔料を分散することにより、分散安定性に優れた顔料インクが得られる。このとき、特定水不溶性樹脂は、乳化状態でやわらかいミセルを形成するため、混合(分散)操作中に樹脂が容易に顔料表面に吸着し、分散安定性に優れた分散物を得ることができる。
本発明において、分散処理は、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速攪拌型分散機、超音波ホモジナイザ−などを用いて行なうことができる。
本発明における特定水不溶性樹脂により被覆されてなる樹脂被覆顔料粒子のインクジェット記録用水性インク中における含有量としては、インクジェット記録用水性インクの分散安定性、濃度の観点から、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましく、2〜6質量%が特に好ましい。
−水溶性有機溶媒−
本発明のインクジェット記録用水性インクは、少なくとも1つのヒドロキシ基を含む水溶性有機溶媒の少なくとも1種を含有する。水溶性有機溶媒は、乾燥防止剤、湿潤剤あるいは浸透促進剤の目的で用いられる。乾燥防止剤としては、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する目的で用いられ、乾燥防止剤や湿潤剤としては、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶媒が好ましい。また、浸透促進剤としては、紙へのインク浸透性を高める目的で用いられる。
本発明のインクジェット記録用水性インクに含まれる水溶性有機溶媒は、水との相溶性の観点から、乾燥防止剤、湿潤剤又は浸透促進剤としての機能を考慮して、ヒドロキシ基を1つ以上含む公知の水溶性の有機溶剤の中から適宜選択される。
水溶性有機溶媒の例としては、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、アルキレングリコール類(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール)、アルカンジオール類(2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等;多価アルコール類);グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ヒアルロン酸類;尿素類等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等;下記一般式(II)で表されるグリセリンアルキルエーテル誘導体、が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
R−(A)−OH ・・・一般式(II)
〔R:グリセリンに由来する基、A:エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基、n=7〜55〕
乾燥防止剤や湿潤剤の目的としては、多価アルコール類が有用であり、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
浸透剤の目的としては、ポリオール化合物が好ましく、脂肪族ジオールとして例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが好ましい例として挙げることができる。
上記の中でも、水溶性有機溶媒としては、分散安定性の点で、グリセリン、アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、もしくはグリセリンアルキルエーテル誘導体、又はこれら2種以上の混合溶媒が好ましい。
水溶性有機溶媒は、1種単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
少なくとも1つのヒドロキシ基を含む水溶性有機溶媒のインクジェット記録用水性インク中における含有量としては、15質量%以上が好ましく、より好ましくは15〜40質量%の範囲である。
−界面活性剤−
本発明のインクジェット記録用水性インクは、界面活性剤の少なくとも一種を用いて構成されるのが好ましい。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いられ、ノニオン系、カチオン系、アニオン系、ベタイン系の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、インクジェット法で良好に打滴するために、インクジェット記録用水性インクの表面張力を20〜60mN/mに調整できる量を含有するのが好ましい。中でも、界面活性剤の含有量は、表面張力を20〜45mN/mに調整できる量が好ましく、より好ましくは25〜40mN/mに調整できる量である。
界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
界面活性剤のインクジェット記録用水性インク中における含有量は、特に制限はなく、1質量%以上が好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、更に好ましくは1〜3質量%である。
−その他−
本発明のインクジェット記録用水性インクは、上記の成分に加え、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の他の成分を含有してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。

前記褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
前記防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、ソルビン酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。これらはインク中に0.02〜1.00質量%使用するのが好ましい。
前記pH調整剤は、調製されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを所望の値に調整するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
pH調整剤としては、例えば、アルコールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオールなど)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アンモニウム水酸化物(例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物)、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤などが挙げられる。
前記キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
−水性インクの物性−
本発明のインクジェット記録用水性インクの表面張力(25℃)としては、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。
表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学株式会社製)を用い、水性インクを25℃の条件下で測定されるものである。
また、本発明のインクジェット記録用水性インクの20℃での粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2mPa・s以上13mPa・s未満であり、更に好ましくは2.5mPa・s以上10mPa・s未満である。
粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用い、水性インクを20℃の条件下で測定されるものである。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、多色のカラー画像(例えばフルカラー画像)の形成に用いることができる。フルカラー画像の形成には、マゼンタ色調のインク、シアン色調のインク、及びイエロー色調のインクを用いることができ、さらに色調を整えるために、ブラック色調のインクを用いることができる。
また、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色調以外のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、白色(W)の色調のインクや、いわゆる印刷分野における特色のインク等を用いることができる。
上記の各色調のインクは、着色剤として用いる顔料の色相を所望により変更することにより調製できる。
本発明のインクジェット記録用水性インクは、インクジェット法を利用した画像記録に用いることができる。具体的には、エネルギーを供与することにより、所望の被記録媒体、すなわち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載のインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等にインクジェット記録用水性インクを吐出し、着色画像を形成する。なお、本発明に好ましいインクジェット記録方法として、特開2003−306623号公報の段落番号0093〜0105に記載の方法が適用できる。
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。インクジェット法としては、特に、特開昭54−59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
また、インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
−樹脂分散剤P−1の合成−
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコに、メチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、これにメチルエチルケトン50gにジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、フェノキシエチルメタクリレート50g、メタクリル酸12g、及びエチルメタクリレート38gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は過剰量のヘキサンに2回再沈殿させ、析出した樹脂を乾燥させて、フェノキシエチルメタクリレート/エチルメタクリレート/メタクリル酸(共重合比[モル比]=50/38/12)共重合体(樹脂分散剤P−1)96.3gを得た。
得られた樹脂分散剤P−1の組成は、H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は48500であった。さらに、JIS規格(JIS K 0070:1992)記載の方法により、このポリマーの酸価を求めたところ、78.24mgKOH/gであった。
<混合テスト>
得られた樹脂分散剤P−1を5.36gと、メチルエチルケトン(有機溶媒)47.14gとを混合した後、これに、水酸化ナトリウム0.30g(樹脂分散剤P−1中のカルボキシル基に対して1当量)を水97.20gに溶解させた水溶液を加え、撹拌(装置:攪拌羽根付き攪拌装置、回転数200rpm、30分間、25℃)して、樹脂分散剤P−1及びメチルエチルケトン(有機溶媒)の合計量が全質量の35質量%となるようにした。このとき、樹脂分散剤P−1が析出することなくエマルジョンを形成し、その後3時間静置した後、透明1相が形成されているか、あるいは2相に分離していて、水相が透明であるかを目視により観察して評価した。水相の透明性は、幅1cmの石英セルに水相を入れ、分光光度計(日本分光(株)製、V−570型分光光度計)で400nm〜800nmの透過率を測定し、平均透過率が85%以上の場合を透明であるとした。
評価は、混合時、白濁相を生じず、静置後に透明1相又は2相を生じ水相が透明であった場合を「A」とし、混合時、水相が白濁相となった場合を「B」として、下記表1に示す。
−樹脂分散剤P−2〜P−10の合成−
前記樹脂分散剤P−1の合成において、フェノキシエチルメタクリレート50g、メタクリル酸12g、及びエチルメタクリレート38gをそれぞれ対応するモノマーの種類及び比率になるように下記表1に示すように変更し、前記樹脂分散剤P−1の合成とほぼ同様の方法により、樹脂分散剤P−2〜P−10を合成した。また、樹脂分散剤P−1における場合と同様に混合テストを試み、評価結果を下記表1に示す。
(実施例1)
−樹脂被覆顔料粒子の分散物の調製−
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化(株)製)10部と、フェノキシエチルメタクリレート/エチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(樹脂分散剤P−1)5部と、メチルエチルケトン42部と、1規定 NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルで0.1mmφジルコニアビーズを使用して2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、さらに一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆顔料粒子の分散物を得た。
−水性インクの調製−
次に、得られた樹脂被覆顔料粒子の分散物を用い、下記の組成の成分を混合して水性インクを調製した。
・前記樹脂被覆顔料粒子の分散物 ・・・37.2部
・サンニックスGP250(三洋化成工業(株)製) ・・・10部
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル ・・・5部
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製) ・・・1部
・イオン交換水 ・・・46.8部
−評価−
得られた水性インクについて、下記の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
<1.体積平均粒子径>
ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により、得られた水性インクの体積平均粒子径を測定した。このとき、測定は、水性インク10μlに対してイオン交換水10mlを加えて測定用サンプルを調製し、25℃で測定した。
<2.分散安定性>
得られた水性インクの調製直後の粒子径aを上記の「1.体積平均粒子径」と同様の方法により測定し、粘度b及び粗大粒子数を下記の方法で測定した後、この水性インクを60℃の恒温槽中で14日間保存し、保存後の粒子径a及び粘度bを同様の方法で測定した。さらに、保存後のインク中に含まれる5μm以上の粗大粒子の個数をカウントした。そして、得られた粒子径及び粘度から、保存前後での粒径変化(|a−a|;μm)、粘度変化(|b−b|/b×100;%)を求め、下記の評価基準にしたがって評価した。なお、「| |」は絶対値を表す。
〜粘度の測定〜
得られた水性インクをVISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて25℃の条件下で測定した。
〜粗大粒子数の測定〜
フロー式粒子像分析装置FPIA3000(シスメックス(株)製)を用い、水性インク中の5μm以上の粗大粒子数を測定した。このとき、測定は、水性インク0.2mlに1.8mlのイオン交換水を加えて測定用サンプルを調製し、25℃で測定した。得られた結果からインク1μl中の粗大粒子個数を算出した。
〜評価基準〜
A:粒径変化が10nm以内であり、粘度変化が10%以内であり、5μm以上の粗大粒子数は50個以下であった。
B:粒径変化が10nmを超えるか、粘度変化が10%を超えるか、あるいは5μm以上の粗大粒子数が50個以上であるかのいずれかを満たしていた。
C:粒径変化が10nmを超えるか、粘度変化が10%を超えるか、あるいは5μm以上の粗大粒子数が50個以上であるかの2つ以上を満たしていた。
(実施例2〜4、参考例5及び6、比較例1〜4)
実施例1において、樹脂分散剤P−1を下記表1に示す樹脂分散剤に代えたこと以外は、実施例1と同様にして、水性インクを調製し、同様の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
Figure 0005247180
前記表1に示すように、実施例では、顔料粒子が微粒子状に分散されており、分散安定性も良好であった。これに対し、比較例1〜2では、顔料の微粒子化が不充分であり、比較例3〜4では、ある程度の微粒子化は行なえたものの、良好な分散安定性は得られなかった。

Claims (9)

  1. アニオン性の解離性基を有するモノマーに由来の構成単位を7質量%以上15質量%以下、フェノキシエチルメタクリレートに由来の構成単位を40質量%以上70質量%未満、及び(メタ)アクリル酸の炭素数1以上4以下のアルキルエステルに由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下を含み、下記条件Aを満たし、かつ105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が1g以下である水不溶性樹脂で被覆された樹脂被覆顔料粒子と、水と、少なくとも1つのヒドロキシ基を含む水溶性有機溶媒と、を含有するインクジェット記録用水性インク。
    〔条件A:水不溶性樹脂とメチルエチルケトンと前記水不溶性樹脂のアニオン性の解離性基に対して当量の水酸化ナトリウムと水とを、水不溶性樹脂及びメチルエチルケトンの合計質量が全質量の35質量%となるように混合したときに、水不溶性樹脂が析出することなくエマルジョンを形成し、かつ3時間静置した後、透明1相を形成あるいは2相に分離し、少なくとも水相は透明である。ここで、透明とは、厚み1cmとした水相の一方の側から入射した光が他方の側に透過して抜け出る光の量が入射光量の85%以上である場合をいう。
  2. 前記樹脂被覆顔料粒子が、前記水不溶性樹脂、有機溶媒、前記水不溶性樹脂のアニオン性の解離性基を中和する中和剤、顔料、及び水を混合して分散し、得られた分散物から前記有機溶媒を除去することにより調製されたものである請求項1に記載のインクジェット記録用水性インク。
  3. 前記水不溶性樹脂は、重量平均分子量が3万以上である請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録用水性インク。
  4. 前記水不溶性樹脂は、酸価が30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である請求項1〜請求項のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  5. 前記水不溶性樹脂は、酸価が50mgKOH/g以上85mgKOH/g以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  6. 前記水溶性有機溶媒の含有割合が15質量%以上である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  7. 前記水溶性有機溶媒が、グリセリン、アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、及びグリセリンアルキルエーテル誘導体から選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載のインクジェット記録用水性インク。
  8. 更に、界面活性剤の少なくとも1種を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性インク。
  9. アニオン性の解離性基を有するモノマーに由来の構成単位を7質量%以上15質量%以下、フェノキシエチルメタクリレートに由来の構成単位を40質量%以上70質量%未満、及び(メタ)アクリル酸の炭素数1以上4以下のアルキルエステルに由来の構成単位を20質量%以上60質量%以下を含み、下記条件Aを満たし、かつ105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100g中に溶解させたときに、その溶解量が1g以下である水不溶性樹脂、有機溶媒、前記水不溶性樹脂のアニオン性の解離性基を中和する中和剤、顔料、及び水を混合して分散し、得られた分散物から前記有機溶媒を除去する工程を設けて、前記顔料の粒子表面が前記水不溶性樹脂で被覆された樹脂被覆顔料粒子の分散物を調製し、得られた樹脂被覆顔料粒子の分散物と水と少なくとも1つのヒドロキシ基を含む水溶性有機溶媒とを用いて水性インクを調製するインクジェット記録用水性インクの製造方法。
    〔条件A:水不溶性樹脂とメチルエチルケトンと前記水不溶性樹脂のアニオン性の解離性基に対して当量の水酸化ナトリウムと水とを、水不溶性樹脂及びメチルエチルケトンの合計質量が全質量の35質量%となるように混合したときに、水不溶性樹脂が析出することなくエマルジョンを形成し、かつ3時間静置した後、透明1相を形成あるいは2相に分離し、少なくとも水相が透明である。ここで、透明とは、厚み1cmとした水相の一方の側から入射した光が他方の側に透過して抜け出る光の量が入射光量の85%以上である場合をいう。
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