JPH0317988B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はユニツトルームにおける側パネルの連
結構造及び連結方法に係り、詳しくは、簡単にい
わゆる内組み施工を行なうことができる該連結構
造及び連結方法に関するものである。

［従来の技術］ ユニツトバスや設備ユニツト等のユニツトルー
ムにおいては、床パン上に側パネルを立設し、そ
の隣接するもの同士を適宜の連結部材を用いて連
結している。第２図は斯かる連結構造の従来例を
示す平断面図であつて、タイルパネル１の裏側が
補強枠２で裏打ちされた側パネル３同士を連結し
ている。この第２図の従来例においては、補強枠
２の縦枠２ａを貫通するようにボルト４を挿通
し、ナツト５を締め付けることにより側パネル３
同士を連結している。

斯かる第２図の従来例によれば、側パネル３同
士を剛に連結することができるという長所がある
反面、ボルト及びナツト締めの作業を行なうに
は、作業員が側パネル３の裏側に回るいわゆる外
組み作業を行なう必要があり、組み立て作業に不
便があつた。

そこで、作業員が側パネル裏側に回り込むこと
が不要ないわゆる内組み方式の連結構造ないしは
連結方法が検討されている。

第３図は従来の内組み方式の連結構造例を示す
平断面図である。この第３図の従来例では、一方
の側パネル３の縦枠２ａに、弾性片７をビス８な
どにより固着している。この弾性片７は略鉤型に
折曲した形状を有しており、他方の側パネル３の
縦枠２ａの背面Ａ及び内側面Ｂを回り込む形状を
有し、かつ内側面に回り込んだ部分にフツク部７
ａが形成されている。また、この他方の縦枠２ａ
には、縦方向に延在する長いスリツト６が形成さ
れており、フツク部７ａがこのスリツト６に係合
することにより側パネル３同士の連結がなされ
る。

斯かる内組み方式のものによれば、隣接する側
パネル同士を傾斜状態から鉛着状態に接近させ、
鉛直立設させることにより、フツク部７ａがスリ
ツト６に係合し、外組み作業を行なうことなく側
パネル同士の連結を図ることが可能である。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、上記従来の内組み方式の連結構
造及び連結方法においては、補強縦枠２ａに長い
スリツト６を形成する必要があり、補強枠の強度
が低下するという問題がある。斯かる強度低下を
補うためには、縦枠の肉厚を大きくせねばなら
ず、側パネルの重量が増大してしまう。また、ス
リツト６にフツク部７ａを押し込む構成であるた
め、スリツト６の縁部が折曲してしまい、十分な
フツク部７ａとスリツト６との係合状態を得るこ
とが困難になることがある。とりわけ、修繕等の
ためにフツク部７ａとスリツト６との着脱を繰り
返し行なう場合には、該スリツト縁部に変形が生
じ易い。

更に、スリツト６があるために、側パネル運搬
時に多数の側パネルを重ねた場合、補強枠がスリ
ツト閉じ方向に変形してしまう恐れがある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、一方の側パネルの補強縦枠に連結金
具を固着し、この連結金具を他方の側パネルの補
強縦枠の背面及び内側面に回り込ませる。この連
結金具の回り込み部分には、フツク部を設けてお
く。また、他方の側パネルの補強縦枠内側面には
このフツク部が掛止可能な突起部を設けておく。
この補強縦枠の突起部は湾曲した波形の水平断面
形状である。また、連結金具のフツク部も該突起
部に倣つて湾曲した波形の水平断面形状である。
そして、鉛直近傍姿勢の側パネルを、連結金具の
フツク部が隣接する側パネルの突起部に係合する
ように、鉛直起立させ、フツク部と突起部とを係
合させて、側パネル同士の連結を行なう。

［作用］ 本発明においては、いわゆる内組み方式である
ため、側パネルの連結作業が極めて容易である。
また補強縦枠にスリツトがなく、補強枠の剛性及
び強度が高く、健全な施工を行なうことが可能で
ある。また、スリツトがないから、側パネル運搬
時における補強枠の変形の恐れも全くない。更
に、複数回の着脱を行なつても係合部分に変形が
生じないから、修繕等を極めて容易に行なうこと
が可能である。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本発明の実施例を説明する平断面図で
ある。符号１０，１１はそれぞれ側パネルであつ
て、床パン上に立設されている。この側パネル１
０，１１は補強枠１２，１３で裏打ちされてお
り、その互いに隣接する縦接１４，１５が連結金
具１６を用いて連結されている。連結金具１６
は、第４，５図に示すように、略コ字型の形状を
有しており、ビス１７で縦枠１５の背面Ａに連結
されている。なお、連結金具１６には、このビス
１７が挿通されるビス孔１６ａの他、突部１６ｂ
が設けられている。この突部１６ｂは縦枠１５の
内側面Ｂに開設された開口に挿入され、連結金具
１６の取付位置ズレの防止を図るよう構成されて
いる。しかして、連結金具１６は２個の縦枠１
４，１５を挟み込む長さを有しており、縦枠１４
の背面Ａから内側面Ｂに回り込むように延設及び
折曲され、かつこの延設端にはフツク部１６ｃが
湾曲形成されている。

一方、縦枠１４の内側面Ｂには、第６図に示す
受け金具１８がビス１９で取り付けられている。
受け金具１８は、Ｌ字断面形状の盤部１８ａと、
波板からなり盤部１８ａの盤面から隆起する波板
部１８ｂを有している。波板部１８ｂの湾曲部分
が突起部１８ｃとして作用し、連結金具１６のフ
ツク部１６ｃと係合する。なお盤部１８ａにはビ
ス孔１８ｄが設けられている。第７図は、受け金
具１８と縦枠１４との取付方式を示す平断面図で
あり、盤部１８ａをその折曲部が縦枠１４のコー
ナー部分に沿う様に配し、ビス１９で固着してい
る。

なお、縦枠１４，１５の間にはバツクアツプ材
２０が介在されており、側パネル１０，１１の表
側からその連結部に充填されたコーキング材２１
のバツクアツプを行なつている。

このような連結構造を完成するには、連結金具
１６を第５図の如く縦枠１５に取り付けておき、
受け金具１８を第７図の如く縦枠１４に取り付け
ておく。そして、側パネル１０が側パネル１１よ
りも前面側に傾斜するように双方の側パネル１
０，１１を床パンの側パネル設置部位上に並列し
て立設する。そして、側パネル１０を鉛直姿勢に
起立せしめ、受け金具１８の突起部１８ｃを連結
金具１６のフツク部１６ｃに係合させ、側パネル
１０，１１同士の連結を行なう。（なお、当然な
がら、側パネル１１が側パネル１０の背後側に傾
斜するように双方の側パネル１０，１１を立設
し、その後、該側パネル１１を鉛直に立設させて
も同じ様に連結できる。） 第８図は本発明の異なる実施例を説明する平断
面図である。この実施例において、側パネル１
０，１１は床パンのコーナ部分に設置されてお
り、第９図に示す連結金具２２を用いて連結が行
なわれている。連結金具２２は、互いに直角に交
差する盤部２２ａ〜２２ｅを有しており、第１０
図に示すように盤部２２ａ及び２２ｂはバツクア
ツプ材２０を介して側パネル１１の縦枠１５の背
面Ａ及び外側面Ｃに当接する。盤部２２ｂにはビ
ス孔２２ｆが開設されており、ビス１７によつて
連結金具２２が縦枠１５に固着されている。盤部
２２ｃ，２２ｄは、それぞれバツクアツプ材２０
を介して縦枠１４の外側面Ｃ及び背面Ａに当接す
るものであり、盤部２２ｅは縦枠１４の内側面Ｂ
に回り込んでいる。この盤部２２ｅの先端部分に
は、フツク部２２ｇが湾曲形成されている。縦枠
１４には、第５図の実施例と同様に受け金具１８
がビス１９で固着されており、突起部１８ｃがフ
ツク部２２ｇと係合し、これにより側パネル１
０，１１同士の連結が行なわれている。第８図に
おけるその他の部分の構成は第５図の実施例と同
様であるので同一部分に同一符号を付してその説
明を省く。

この第８図の実施例構造を構成するための連結
方法を次に説明する。まず、側パネル１１を床パ
ン上の立設予定部位に鉛直姿勢にて立設してお
く。次いで、側パネル１０を前面側に傾けつつ床
パン上の立設予定部位上に立設させ、次いでこの
側パネル１０を鉛直姿勢に起立させる。これによ
り、突起部１８ｃがフツク部２２ｇと係合し、側
パネル１０，１１の連結が行なわれる。

このように、上記各実施例においては、いずれ
も側パネルの裏側に作業員が回り込む必要がな
く、全て内組み方式にて側パネルの連結を図るこ
とができる。また、縦枠１４，１５にはスリツト
は不要であり、その剛性が高く、小さな肉厚で十
分な強度を得ることができる。更に、突起部１８
ｃは波板部１８ｂを溶接などにより受け金具１８
に固着せしめて形成してあるものであり、フツク
部２２ｇと強固な係合を行ない、多数回の着脱を
行なつてもその健全さを損なうことはない。

なお、上記実施例は本発明の一例であつて本発
明は他の態様においても実施し得る。例えば、受
け金具に突起部を形成するには、第１１図に示す
ように受け金具１８′にプレス加工等を施して一
体的に突起部１８ｃを形成してもよい。

また、受け金具を用いることなく、第１２図に
示す如く縦枠１４の内側面Ｂに突起部１８ｃを直
接に設けてもよい。

［発明の効果］ 以上詳述した通り、本発明においては、内組み
方式により側パネルの連結を行なうことができ、
連結作業が極めて容易かつ迅速に行なえる。ま
た、補強用の縦枠にスリツトが不要であり、極め
て剛性並びに強度の高い健全な補強縦枠を採用す
ることができ、かつ補強縦枠の重量増大も回避で
き、運搬や組み立て作業も容易となる。

本発明の連結方式によれば、連結金具のフツク
部及び掛止用突起部がそれぞれ波形の水平断面形
状のものであるから、側パネルの連結（該フツク
部の突起部への係合）や連結解除をきわめて円滑
に行なうことができる。しかも、複数回の連結及
び連結解除を繰り返し行なつても、連結部分に変
形等の損傷が生じなく、修繕等を容易に行うこと
が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を説明する平断面
図、第２図及び第３図は従来例を説明する平断面
図、第４図は連結金具１６の斜視図、第５図は連
結金具１６の取付方式を説明する平断面図、第６
図は受け金具１８の斜視図、第７図は受け金具１
８の取付方法を説明する平断面図、第８図は本発
明の異なる実施例を説明する平断面図、第９図は
連結金具２２の斜視図、第１０図は連結金具２２
の取付方式を説明する平断面図、第１１図は受け
金具１８′の斜視図、第１２図は突起部１８ｃの
異なる設置例を示す斜視図である。 １０，１１……側パネル、１４，１５……補強
縦枠、１６，２２……連結金具、１６ｃ，２２ｇ
……フツク部、１８……受け金具、１８ｃ……突
起部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 床パン上に立設された側パネルの隣接するも
   の同士が連結された構造において、 一方の側パネルの補強縦枠に固着された連結金
   具が他方の側パネルの補強縦枠の背面及び内側面
   に延設されており、該延設端に設けられたフツク
   部が他方の側パネルの補強縦枠内側面に形成され
   た突起部に掛止されて、側パネル同士が連結され
   ている構造であつて、 前記補強縦枠の突起部が湾曲した波形の水平断
   面形状のものであり、前記連結金具のフツク部が
   該突起部に倣つて湾曲した波形の水平断面形状の
   ものであることを特徴とするユニツトルームにお
   ける側パネルの連結構造。 ２ 床パン上に側パネルを立設し、隣接する側パ
   ネル同士の連結を行なう方法において、 一方の側パネルの補強縦枠に、他方の側パネル
   補強枠の背面から内側面に回り込む折曲した形状
   を有すると共に、その内側面回り込む部分にフツ
   ク部が設けられた連結金具を固着し、かつ該他方
   の側パネル補強縦枠の内側面に、該フツク部が掛
   止可能な突起部を設けておき、鉛直近傍姿勢の側
   パネルを、連結金具のフツク部が前記突起部に係
   合するように鉛着起立させ、該フツク部と突起部
   との係合により側パネル同士の連結を行なう方法
   であつて、 前記補強縦枠の突起部が湾曲した波形の水平断
   面形状のものであり、前記連結金具のフツク部が
   該突起部に倣つて湾曲した波形の水平断面形状の
   ものであることを特徴とするユニツトルームにお
   ける側パネルの連結方法。