JP3107749B2 - スチ−ルハウスのフレ−ムの結合構造 - Google Patents

スチ−ルハウスのフレ−ムの結合構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スチ−ルハウス
のフレ−ムの結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅、倉庫、宿舎等のいわゆるスチ−ル
ハウスにおいては、スチ−ル製のフレ−ムを結合するこ
とにより建物の枠組を構成している。フレ−ムは、一般
に板厚が0.8〜1.5mm程度の鋼材が用いられ、基
板部とこの基板部の両側縁から立上る立上り部を有して
断面がコ字状に形成されている。そして、フレ−ムの表
面は防錆処理されている。
【0003】前記スチ−ルハウスは、前記フレ−ム相互
を結合して土台、柱、梁および棟等を構築し、この骨組
にスチ−ルパネルあるいは石膏ボ−ドを張り合わせるな
どして取り付け、壁、床、屋根等を構成している。すな
わち、土台の両端部に柱の下端部を結合し、この柱の上
端部間に梁を連結した上で、更に、前記柱と柱の間に縦
方向に間柱を配置し、この間柱の両端部をそれぞれ土台
と梁とに結合している。
【0004】ところで、前記フレ−ムからなる土台、
柱、梁および棟ならびに間柱を結合するには、従来、溶
接、ボルト・ナット締め等の連結手段が取られ、フレ−
ム相互を直角または角度を持って連結することにより、
骨組を構築している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、スチ−ルハ
ウスの骨組の構築において、例えば、間柱となる第1の
フレ−ムと土台となる第2のフレ−ムとを直角に結合す
る場合、第1のフレ−ムの立上り部と第2のフレ−ムの
立上り部とを接合し、立上り部相互をボルト・ナットに
よって締め付けるか、溶接するなどして結合している。
【0006】しかし、第1のフレ−ムと第2のフレ−ム
は板厚が0.8〜1.5mm程度の鋼材が用いられ、し
かも第1のフレ−ムと第2のフレ−ムは同一幅であるた
め、第1のフレ−ムの立上り部を第2のフレ−ムの立上
り部の内側もしくは外側に嵌合するには何らかの圧入機
械を用いていずれか一方の立上り部の端部を内側もしく
は外側に変形して圧入するほかなく、この作業をスチ−
ルハウスの施工現場で行うには機械を搬入しなくてはな
らない。また、フレ−ム相互を溶接する場合において
も、第1のフレ−ムと第2のフレ−ムとを直角に位置決
めした状態で溶接する必要があり、その作業が煩雑とな
る。また、溶接の場合にはフレ−ムに施された防錆処理
が劣化されて錆が発生しやすいという問題がある。
【0007】この発明は、前記事情に着目してなされた
もので、フレ−ムの板厚、基板部の幅、立上り部が同一
サイズであっても、圧入機械等を用いることなく、フレ
−ム相互を施工現場において簡単に接合して結合でき、
結合作業の煩雑さを解消でき、しかもフレ−ム相互を強
固に結合できるスチ−ルハウスのフレ−ム、特に間柱用
フレ−ムの結合構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を
達成するために、請求項1は、基板部とこの基板部の両
側縁から立上る立上り部を有して断面コ字状の第1と第
2のフレ−ム相互をT字状に結合するスチ−ルハウスの
フレ−ムの結合構造において、前記第1のフレ−ムの少
なくとも一端部に、前記基板部を前記立上り部の端部よ
り突出すると共に前記基板部より若干狭幅の前記突出部
を形成し、この基板突出部に前記第2のフレ−ムの基端
部の内側に接合する折曲部を設け、かつ第1のフレ−ム
の前記一端部における前記基板部と立上り部とが接続す
る屈曲部に、第2のフレ−ムの立上り部の高さと同一も
しくはそれより若干長い切欠部を屈曲部に沿って形成
し、前記第1のフレ−ムの前記切欠部に第2のフレ−ム
の立上り部を嵌入すると共に、第1のフレ−ムの前記折
曲部を第2のフレ−ムの基板部の内側に接合して第1と
第2のフレ−ムをT字状に接合し、前記第1のフレ−ム
の折曲部と第2のフレ−ムの基板部および第1のフレ−
ムの立上り部と第2のフレ−ムの立上り部をそれぞれ結
合部材で結合したことを特徴とする。
【0009】請求項2は、請求項1の前記第1のフレ−
ムの折曲部と第2のフレ−ムの基板部との接合部および
第1のフレ−ムの立上り部と第2のフレ−ムの立上り部
の接合部には互いに対向するボルト穴が設けられ、ボル
ト・ナットによって結合したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1〜図3は第1の実施形態を
示すもので、スチ−ルハウスのフレ−ムの結合構造は、
第1のフレ−ム1と第2のフレ−ム2とから構成されて
いる。第1および第2のフレ−ム1、2は、基本的に同
一構造であり、板厚が0.8〜1.5mm程度の鋼材、
鉄材、アルミニウム等によって基板部1a、2aと、こ
の基板部1a、2aの両側縁から立上る立上り部1b、
2bを有して断面がコ字状に構成されている。この基板
部1a、2aの幅寸法および立上り部1b、2bの高さ
寸法は同一で、また第1および第2のフレ−ム1、2の
表面には防錆処理が施されている。
【0011】 第1のフレーム1の端部には基板部1a
を立上り部1bの端部より突出した基板突出部3が設け
られ、この基板突出部3には第1の折目部1cを介して
折曲部3aが設けられている。また、第1のフレーム1
の端部における基板部1aと立上り部1bとが接続され
る屈曲部となる第2の折目部1dには第2のフレーム2
の立上り部2の高さと同一もしくはそれより若干長い
切欠部4が第2の折目部1dに沿って設けられ、この切
欠部4を挟んで立上り部1bに立上り突出部5が形成さ
れている。したがって、基板突出部3および折曲部3a
は第2のフレーム2の基板部2aより若干狭幅に形成さ
れている。
【0012】更に、第1のフレ−ム1の折曲部3aおよ
び立上り突出部5にはそれぞれ2個のボルト穴6、7が
穿設されている。また、第2のフレ−ム2の基板部2a
および立上り部2bには第1のフレ−ム1のボルト穴
6、7に対応してそれぞれ2個のボルト穴8、9が穿設
されている。そして、第1のフレ−ム1は、第2の折目
部1dに沿って直角に山折りすることにより基板部1a
と立上り部1bが形成され、第1の折目部1cに沿って
直角に谷折りすることにより、基板部1aに対して直角
の折曲部3aが形成されている。
【0013】 次に、例えば間柱となる第1のフレーム
1と例えば土台になる第2のフレーム2とを結合する手
順を説明すると、まず、第1のフレーム1の立上り部1
bを第2のフレーム2の立上り部2bの外側に嵌入して
立上り部1b、2b相互を接合する。この場合、第1の
フレーム1の立上り突出部5を第2のフレーム2の板厚
に相当する分だけ外側に変形させる必要があるが、第1
のフレーム1には切欠部4が屈曲部となる第2の折目部
1dに沿って設けられているため、圧入機械等を用いる
ことなく、第1のフレーム1の立上り突出部5を容易に
変形させることができる。そして、第1のフレーム1の
切欠部4に第2のフレーム2の立上り部2bを嵌入し、
第1のフレーム1の折曲部3aを第2のフレーム2の基
板部2aに接合して第1のフレーム1と第2のフレーム
2とを直角に位置決めする。
【0014】第1と第2のフレ−ム1、2を直角に位置
決めすると、第1のフレ−ム1の折曲部3aのボルト穴
6と第2のフレ−ム2の基板部2aのボルト穴8とが対
向し、第1のフレ−ム1の立上り突出部5のボルト穴7
と第2のフレ−ム2の立上り部2bのボルト穴9とが対
向する。
【0015】このように第1のフレ−ム1と第2のフレ
−ム2とによってT字状に形成された後、第2のフレ−
ム2の基板部2aの外側からボルト10をボルト穴8、
6に挿入して折曲部3aから突出し、そのボルト10に
ナット11を螺合する。そして、ナット11を回り止め
しながらボルト10を電動ドライバ等によって締め付け
ると、ボルト10とナット11によって締め付けられ、
第1のフレ−ム1の折曲部3aと第2のフレ−ム2の基
板部2aが結合される。
【0016】 同様に、第のフレームの立上り突出
の外側からボルト10をボルト穴7、9に挿入して
立上り部2bの内側から突出し、そのボルト10にナッ
ト11を螺合する。そして、ナット11を回り止めしな
がらボルト10を電動ドライバ等によって締め付ける
と、ボルト10とナット11によって締め付けられ、第
2のフレーム2の立上り部2bと第1のフレーム1の立
上り突出部5が結合される。
【0017】したがって、第1のフレ−ム1の基板部1
aと第2のフレ−ム2の基板部2aとが直角に結合さ
れ、図3に示すように、間柱としての第1のフレ−ム1
と土台としての第2のフレ−ム2とを結合することがで
きる。同様に、第1のフレ−ム1の上端部を梁としての
第2のフレ−ム2に結合でき、柱12の間に複数本の間
柱を結合して第1と第2のフレ−ム1、2とから構成さ
れる骨組13を頑強に補強することができる。
【0018】なお、前記実施の形態においては、結合部
材として、ボルト10とナット11によって締め付け固
定したが、タッピングねじ(図示しない)を用いれば、
第1および第2のフレ−ム1、2にボルト穴を設ける必
要がなく、下穴のみを穿設するだけでよく、前加工が容
易である。またボルト・ナットと異なり、タッピングね
じは締め付けてもフレ−ム相互を圧接する方向に力が加
わらず、ねじ部がフレ−ム自体に食い込むため、振動等
によって緩みにくいという特徴があり、移動可能なスチ
−ルハウスの骨組等の構築に有効である。
【0019】また、前記実施の形態によれば、第1のフ
レ−ム1と第2のフレ−ム2との一端部相互を結合する
場合について説明したが、他端部相互の結合においても
同様の構造によって結合することができる。また、ボル
ト・ナットやタッピングねじおよびセルフタッピングね
じの使用本数もフレ−ムのサイズおよび使用場所等によ
って適宜変更可能である。さらに、スチ−ルハウスの間
柱と土台または横桟の接合について説明したが、スチ−
ルハウスの全てのフレ−ムの結合構造に適用できる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、次の効果がある。スチ−ルハウスの骨組構築におけ
るフレ−ムの結合において、フレ−ム相互を施工現場に
おいて簡単に結合でき、結合作業の煩雑さを解消でき
る。しかもフレ−ムの基板部と立上り部とを接続する屈
曲部に切欠部を設けたことにより、フレ−ムの板厚、基
板部の幅、立上り部が同一サイズであっても、圧入機械
等を用いることなく、フレ−ム相互を施工現場において
簡単に接合して結合でき、圧入機械等を現場に搬入する
必要がなく、施工現場に制約を受けることがないという
効果もある。また溶接と異なり、接合部の腐食、疲労も
少なく、さらに分解も簡単であることから移動式ハウス
等の骨組等の構築に特に効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の間柱用フレ−ムの
接合構造を示し、(a)は第1のフレ−ムの展開図、
(b)は分解斜視図。
【図2】同実施形態のフレ−ムの接合構造の斜視図。
【図3】同実施形態を示し、スチ−ルハウスのフレ−ム
の一部を示す斜視図。
【符号の説明】
1 第1のフレ−ム 2 第2のフレ−ム 1a、2a 基板部 1b、2b 立上り部 3 基板突出部 3a 折曲部 4 切欠部 5 立上り突出部 10 ボルト 11 ナット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板部とこの基板部の両側縁から立上る
    立上り部を有して断面コ字状の第1と第2のフレ−ム相
    互をT字状に結合するスチ−ルハウスのフレ−ムの結合
    構造において、 前記第1のフレ−ムの少なくとも一端部に、前記基板部
    を前記立上り部の端部より突出すると共に前記基板部よ
    り若干狭幅の基板突出部を形成し、この基板突出部に前
    記第2のフレ−ムの基板部の内側に接合する折曲部を設
    け、かつ第1のフレ−ムの前記一端部における前記基板
    部と立上り部とが接続する屈曲部に、第2のフレ−ムの
    立上り部の高さと同一もしくはそれより若干長い切欠部
    を屈曲部に沿って形成し、 前記第1のフレ−ムの前記切欠部に第2のフレ−ムの立
    上り部を嵌入すると共に、第1のフレ−ムの前記折曲部
    を第2のフレ−ムの基板部の内側に接合して第1と第2
    のフレ−ムをT字状に接合し、 前記第1のフレ−ムの折曲部と第2のフレ−ムの基板部
    および第1のフレ−ムの立上り部と第2のフレ−ムの立
    上り部をそれぞれ結合部材で結合したことを特徴とする
    スチ−ルハウスのフレ−ムの結合構造。
  2. 【請求項2】 前記第1のフレ−ムの折曲部と第2のフ
    レ−ムの基板部との接合部および第1のフレ−ムの立上
    り部と第2のフレ−ムの立上り部の接合部には互いに対
    向するボルト穴が設けられ、ボルト・ナットによって結
    合したことを特徴とする請求項1記載のスチ−ルハウス
    のフレ−ムの結合構造。
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