JPH0217899B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は容量結合部を介して多重駆動するAC
形ガス放電パネルに関するものである。

近年、表示用パネルは、数字、文字、記号を表
わすものとして、各種測定器、電卓、計算機等の
端末機に広く用いられている。この表示用パネル
に使用される素子としては、LED（ライト・エミ
ツテイングダイオード）、液晶、放電等が使用さ
れているが、LEDはモノシリツクLEDアレイの
製造歩留りが悪くかつ色、光出力がばらつくとい
う欠点を有し、液晶は周囲の明るさの影響を受け
る欠点を有しており、両素子とも有効ではない。
これに対し、放電管は、光量が大きく、特にガス
を封入すると放電電子とガス分子の衝突により光
エネルギが放出されて感度が向上するという特性
を有しており、注目されている。

〔従来の技術〕

この放電管を多数利用した従来のAC形ガス放
電パネルを第５図乃至第７図に示す。このガス放
電パネルは本出願人により既に提案されたもの
（特願昭58−186628）で、第５図において２１，
２２はガラス基板である。ガラス基板２１上の周
辺部には、第５図の紙面と垂直方向に伸びるクロ
スオーバ側駆動電極２３とシヨート側駆動電極２
４とが形成され、該ガラス基板２１上に図の左右
方向に形成されたフロート電極（表示電極）２５
はパネル周辺部まで延長されて該延長部２５ａ，
２５ｂが各駆動電極と絶縁層２６，２７を介し対
向している。そして、フロート電極２５上の表示
部（延長部以外の部分）には、絶縁層２８、保護
層２９が順次形成されている。

一方、ガラス基板２２上には第５図の紙面と垂
直方向に伸びる電極３０が形成され、その上には
絶縁層３１、保護層３２が順次形成されている。

これらの２枚のガラス基板２１，２２は、それ
ぞれの基板上の電極が直交しかつそれぞれの基板
上の保護層同士が間隙３３（放電空間に相当）を
介し対向するように配置され、シール３４により
封止されている。各駆動電極２３，２４は、これ
らに対向するフロート電極２５の延長部２５ａ，
２５ｂ、及び絶縁層２６，２７は、シール３４の
外側（パネル周辺部）に形成されている。間隙３
３にはネオンを主体とする混合ガスが封入されて
いる。

このように、フロート電極２５は、パネル周辺
部まで延長され、表示部以外の該延長部２５ａ，
２５ｂが各駆動電極２３，２４と対向して結合の
静電容量を得るようになつているため、第６図に
示すように、該延長部２５ａ，２５ｂを表示部よ
りも大面積として位置合せを容易化することがで
きる。なお、第６図は、16ラインのフロート電極
２５に対し、シヨート側では端から４本ずつの４
グループを構成して該各グループの延長部２５ｂ
をそれぞれ独立した共通のシヨート側電極２４に
対向させるとともに、クロスオーバ側では４本お
きに４本ずつの４グループを構成して該各グルー
プの延長部２５ａをそれぞれ独立して並設された
共通のクロスオーバ側電極２３に対向させた例を
示している。

第５図の場合は、一方のガラス基板のみにフロ
ート電極を形成して多重化した例を示したが、両
方のガラス基板ともフロート電極を形成して多重
化することが可能である。

また、第７図の場合は、フロート電極の延長部
を表示部と同一平面上に形成（延長部を含むフロ
ート電極全体をガラス基板上に直接形成）し、こ
のことによりフロート電極延長部、駆動電極間の
絶縁部とフロート電極表示部上の絶縁層とを同時
に形成できるようにして工程の簡略化を図つたも
のである。

そのための具体的構成は第７図に示す通りで、
前例と同一構成の部材には前例と同一符号を付し
ている。図中、４１はフロート電極、４２は絶縁
層で、フロート電極４１は延長部４１ａ，４１ｂ
も含めてガラス基板２１上に平面状に形成され、
絶縁層４２はフロート電極４１を覆つて形成され
ている。４３は絶縁層４２上に形成された保護層
である。

本第７図と第５図の対比より明らかなように、
本第７図の場合は、フロート電極４１が延長部４
１ａ，４１ｂも含めてガラス基板２１上に平面状
に形成さされているがために、第５図では各駆動
電極上及びフロート電極表示部上に別々に形成し
ていた絶縁層を絶縁層４２として１つにまとめて
形成することができ、第５図の場合と同様の効果
の他に、絶縁層形成工程を簡略化できるという効
果を併せ奏することが可能である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このような構成の従来のガス放電パネルにおい
ては、スルーホールを形成することなく表示電極
と駆動電極間にマトリツクス容量結合を実現でき
るので、製造を容易化できるという利点を有して
いる。

しかし、この場合、クロスオーバ部において交
差する配線（例えば第６図の電極２３，２５）の
交差部分におけるクロストークを少なくする対策
を施すことが必要である。また、容量結合部にお
ける結合容量をより大きくする対策も要望されて
いる。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上述の要望を実現することのできるガ
ス放電パネルを提供することを目的としたもの
で、そのための手段として、パネル周辺部のクロ
スオーバ側駆動電極形成部及びシヨート側駆動電
極形成部にて表示電極と駆動電極が容量結合を形
成して多重駆動するAC形ガス放電パネルにおい
て、前記表示電極が端からクロスオーバ側駆動電
極数ごとに複数グループにまとめられ、しかも該
表示電極のクロスオーバ側が、空間が形成される
ように表示部よりピツチを狭くしかつ各グループ
の同じ駆動電極に対応する部分が直線に並ぶよう
に配線してこれに接続する第１の容量結合部を前
記空間を利用、形成して構成されるとともに、該
表示電極のシヨート側が、表示部をそのまま延長
して該延長部分に各表示電極ごとに第２の容量結
合部を形成して構成され、またクロスオーバ側駆
動電極が、対応する前記表示電極の第１の容量結
合部上に絶縁層を介して容量結合部を設けかつそ
れ以外の配線をクロストークが少なくなるように
細い線幅で形成して構成され、さらにシヨート側
駆動電極の容量結合部が、前記表示電極の各グル
ープごとに前記第２の容量結合部の上に絶縁層を
介して形成された構成を採用している。

〔作用〕

上記構成の採用により、大容量のマトリツクス
容量結合が実現されるとともに、電極交差部分の
クロストークが少なくなる。

〔実施例〕

以下、第１図乃至第４図に関連して本発明の実
施例を説明する。

第１図は本発明に係るガス放電パネルの１例を
示す断面図で、図中、１，２はガラス基板であ
る。

ガラス基板１上にはＹ方向（第１図の左右方
向）に延びるＹ方向表示電極３が形成され、パネ
ル周辺部まで延長された該表示電極３の延長部
（容量結合部）３ａ，３ｂはクロスオーバ側駆動
電極４、シヨート側駆動電極５と絶縁層６を介し
対向している。絶縁層６の表示部分上には保護層
７が形成されている。

一方、ガラス基板２上には、Ｘ方向（第１図の
紙面と垂直方向）に伸びるＸ方向電極８が形成さ
れ、その上には絶縁層９及び保護層１０が順次形
成されている。

これらの２枚のガラス基板１，２は、対向して
配置され、間隙１１が形成されるようにシール１
２により封止されている。間隙１１には、ネオン
を主体とする混合ガスが封入されている。

表示電極の延長部３ａ，３ｂと各駆動電極４，
５の間では静電容量が形成されるが、次にその配
線要領を、12本の表示電極に対しシヨート側では
端から４本ずつの３グループ、クロスオーバ側で
は４本おきに３本ずつの４グループを構成する場
合について第２，３図により説明する。

第２図に示すように、ガラス基板１上に形成さ
れた12本の表示電極３は端から４本ずつの４つの
グループに分割されている。この表示電極３の一
方の端部は、各グループごとに表示部よりピツチ
を狭くし、かつ４本おきに３本の電極が直線に並
ぶように端部を折り曲げて配線されており、各グ
ループの延長部３ａは、上述のように表示部より
配線ピツチを狭くすることにより形成された空間
１３を利用してＹ方向に並設されて折り曲げられ
た配線に接続している。このように延長部３ａは
広い空間１３を利用して形成されるので、従来よ
り広い面積とすることができる。また、各表示電
極３の他方の端部は、真直ぐに延長されてＸ方向
に並設された延長部３ｂに接続している。

その後全面に絶縁層６を形成後、第３図に示す
駆動電極を形成する。なお、図中点線は上述の要
領で形成された第２図の電極パターンを示してい
る。絶縁層６上にはクロスオーバ側駆動電極４と
シヨート側駆動電極５とが形成される。駆動電極
４は、結合パターン（容量結合部）１４の部分に
て、12本の表示電極のうち４本おきに３本の電極
の延長部３ａとの間で絶縁層６を介し容量結合す
るとともに、クロスオーバ配線を形成している。
この場合、容量結合部以外の配線１５は他の表示
電極との間の結合容量を小さくするため細い線幅
とする。また、各シヨート側駆動電極５は、各グ
ループの表示電極の延長部３ｂと結合パターン
（容量結合部）１６の部分にて絶縁層６を介し容
量結合する。１７，１８は各駆動電極の取り出し
端子である。

ところで、容量結合による多重化駆動の場合、
絶縁層６の厚さが均一であれば、結合容量を形成
する延長部３ａ，３ｂ、結合パターン１４の面積
に対する、クロスオーバする配線１５，１９の全
部の交差する面積の比が小さい程クロストークに
よる誤動作が小さくなる。この場合、ガス放電パ
ネルのアドレス電圧マージンは設定電圧に対して
約30％の幅を有しているので、クロストークによ
る電圧変動が５％以下であれば実用上問題ない。
また、結合容量の大きさは第４図に示すように１
放電ドツト当り0.5pF程度以上必要となり、絶縁
耐圧も100V以上必要であるので、容量形成部分
３ａ，１４，３ｂの面積を大きくできる配線パタ
ーンが必要である。

これに対し、本発明では、上述のように、容量
形成部の面積を大きくすることができるので大き
な結合容量を実現でき、またクロスオーバ部分の
面積を小さくすることができるので、前記面積比
を10％以下にしクロストークによる電圧変動５％
以下を容易に実現できる。また、本発明では、ス
ルーホールを形成することなくマトリツクス容量
結合が実現でき、かつ表示電極と重ねて結合容量
を形成する場合と比較して表示電極パターンとク
ロスオーバ側電極パターンの目合せが非常に容易
になる。

本実施例では片側パネルだけを多量化したが、
両側パネルとも多重化することも可能である。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明によれば、次の各種
の優れた効果を奏することが可能である。

(1) スルーホールを形成せずに表示電極に対して
大容量のマトリツクス容量結合を実現できる。

(2) クロストークによる誤放電を少なくすること
ができる。

(3) 電極パターンの目合せが容易で、パネル製作
が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明に係るガス放電パネ
ルの実施例を示すもので、第１図はガス放電パネ
ルの断面図、第２図及び第３図は一方のガラス基
板の電極形成要領説明図、第４図はガス放電パネ
ルの動作マージン図である。第５図は従来のガス
放電パネルの１例を示す断面図、第６図その電極
形成要領説明図、第７図は従来の他のガス放電パ
ネルの断面図である。 図中、１，２はガラス基板、３は表示電極、３
ａ，３ｂは表示電極の延長部（第１、第２の容量
結合部）、４はクロスオーバ側駆動電極、１４，
１６は結合パターン（容量結合部）、５はシヨー
ト側駆動電極、６，９は絶縁層、７，１０は保護
層、８は電極、１１は間隙、１２はシール、１３
は空間、１５，１９は配線である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パネル周辺部のクロスオーバ側駆動電極形成
   部及びシヨート側駆動電極形成部にて表示電極と
   駆動電極が容量結合を形成して多重駆動するAC
   形ガス放電パネルにおいて、前記表示電極が端か
   らクロスオーバ側駆動電極数ごとに複数グループ
   にまとめられ、しかも該表示電極のクロスオーバ
   側が、空間が形成されるように表示部よりピツチ
   を狭くしかつ各グループの同じ駆動電極に対応す
   る部分が直線に並ぶように配線してこれに接続す
   る第１の容量結合部を前記空間を利用、形成して
   構成されるとともに、該表示電極のシヨート側
   が、表示部をそのまま延長して該延長部分に各表
   示電極ごとに第２の容量結合部を形成して構成さ
   れ、またクロスオーバ側駆動電極が、対応する前
   記表示電極の第１の容量結合部上に絶縁層を介し
   て容量結合部を設けかつそれ以外の配線をクロス
   トークが少なくなるように細い線幅で形成して構
   成され、さらにシヨート側駆動電極の容量結合部
   が、前記表示電極の各グループごとに前記第２の
   容量結合部の上に絶縁層を介して形成されたこと
   を特徴とするガス放電パネル。