JPH0124729B2 - - Google Patents

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JPH0124729B2
JPH0124729B2 JP59170368A JP17036884A JPH0124729B2 JP H0124729 B2 JPH0124729 B2 JP H0124729B2 JP 59170368 A JP59170368 A JP 59170368A JP 17036884 A JP17036884 A JP 17036884A JP H0124729 B2 JPH0124729 B2 JP H0124729B2
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nitric acid
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Hiroyuki Kashiwase
Genichi Sato
Yutaka Konose
Shozo Takatsu
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は珪酸アルカリから造られる高純度シリ
カおよびその製法に関する。 更に詳しくは、IC封止剤用樹脂の充填材、基
板、電子材料や半導体製造装置用高純度シリカガ
ラスの原料等の用途に適する低放射性で極めて高
純度のシリカおよびその製造方法に関する。 従来の技術 近年、電子産業の急速な発展につれて電子材料
用や半導体製造用などの高純度のシリカが使用さ
れるようになつたが、製品の高度化につれてシリ
カに対する高純度化への要望は一層強まつてい
る。たとえば、LSI或は超LSIの封止剤用のエポ
キシ樹脂の充填剤として純度のよいシリカ粉末が
使用されているが、ICの高性能化すなわち集積
度の増大に伴つて封止剤中のU(ウラン)やTh
(トリウム)から放射されるα−線に起因するIC
の誤動作すなわちソフトエラーの問題が重要視さ
れるようになつた。このトラブルを回避するため
にはエポキシ樹脂組成物中に50〜90%もの比率で
配合される充填剤としてのシリカ中のα−放射線
源となる放射性元素、特にUおよびThの低減が
不可欠の要件となる。 従来、この種のエポキシ樹脂用充填剤のシリカ
としてはU、Th等の放射性元素の含有率が低い
良質の天然珪砂を化学的に処理したものや良質の
天然水晶を溶融粉砕したものが主として使用され
ていたが、天然の珪砂や水晶中には酸処理や精製
処理を施した後でもUやThがそれぞれ数10〜
100ppb程度含まれており、このようなシリカは
ソフトエラーのために256キロビツト以上の高集
積度を対象とするICの封止剤用の充填剤には全
く不適当となる。 天然の水晶の中にはU、Thの含有量の特に少
いものも稀には産出するが、その入手は年々困難
になりつつある。 一方、UやThが1ppb以下の極めて高純度のシ
リカの製法としては、特に精製した四塩化珪素や
テトラエチルシリケート等のシリカ源を加水分解
して焼成する方法や気相分解する方法があるが、
いづれも原料自体が高価であるとともに腐食性や
可燃性を有するため取扱いには特別な配虜を要
し、極めて高価となる。 従来、珪酸アルカリをシリカ源として高純度の
シリカを製造する方法としては、珪酸アルカリ
水溶液をイオン交換して酸性シリカゾルとし、こ
れに塩類や界面活性剤を加えてシリカを沈殿状に
析出させて回収する方法(特公昭36−18315号、
特公昭37−4304号)、珪酸アルカリ水溶液をイ
オン交換してシリカゾルとし、これにアンモニア
を加えてPHを調整した後、冷却凍結し、さらに加
温融解してシリカを析出させて回収する方法(特
公昭36−9415号)等が知られているが何れも析出
するシリカ沈殿の含水率が80%以上にも達し
過、洗浄等が困難であつて、SiO2純度が99.3〜
99.9%程度、不純物含有量はNa150〜300ppmと
されているが、本発明者等の検討結果ではFe50
〜150ppm、Th100〜250ppb程度であり、更に酸
による処理を加えてもFe5ppm以下、Th10ppb以
下のシリカを得ることは困難であつた。 しかして、最近水素イオン濃度1.5以下の条
件でアルカリ金属ないしアルカリ土類金属の珪酸
塩と鉱酸からU1ppb以下の石英ガラスを製造する
方法が提案された(特開昭59−54632号)。しかし
ながら、この発明には最も除去が困難となつてい
るThの除去手段については全く開示がなされて
いない。 ところで鉱酸中に珪酸アルカリ水溶液を添加し
てシリカゲルを沈殿させる方法は高純度シリカゲ
ルを製造する手段としては、その逆の添加方法に
比べて不純物が著しく少なくなる有利な方法であ
るが、反応条件の微妙な差異によつてシリカゲル
の沈殿性状に著しい差異が認められて分離回収の
際の操作に大きな影響があると同時に不純物含有
量についてもppmやppbの単位で論ずる場合に、
反応条件により著しいバラツキが生じ、洗浄操作
では分離し得ない不純物が残留し、再現性にも欠
ける。 このように、アルカリ分、U、Thなどの不純
物を最少にし、しかもバラツキがなく再現性のあ
る高純度のシリカを珪酸アルカリ水溶液から製造
することについていずれも従来の方法には開示が
ない。 発明が解決しようとする問題点 珪酸アルカリ水溶液から高純度シリカを製造す
るに当り、シリカ中の不純物としてAlが重要な
成分であることが本発明者らの実験により確認さ
れた。 即ち、シリカ中にAl分が残留する場合、付着
または吸着ではなく、シリカ骨格構造中のSiの一
部をAlで置換する状態で残留するものと推定さ
れ、かかるAl分は単なる水洗または酸洗浄では
除去されない。 しかして、このAlの挙動を追跡すると、他の
不純物、例えばアルカリ、UおよびThとの相関
性が大きいことがわかり、特にシリカ中のAlが
3ppm以下の場合には、Thもまた1ppb以下とな
る事実を知見した。 このようなことから本発明は、上記の新たな知
見に基づいて、硝酸水溶液と珪酸アルカリ水溶液
との反応により高純度のシリカを再現性よく工業
的に製造することにある。 問題点を解決するための手段および作用 本発明は珪酸アルカリおよび酸との湿式法によ
るシリカであつて、アルミニウムがAlとして
3ppm以下であることを特徴とする高純度シリカ
である。 更に云えば、他の不純物とくにNa10ppm以下、
U1ppb以下およびTh1ppb以下の高純度シリカで
ある。 即ち、本発明にかかる高純度シリカにおいて、
Alが3ppm以下の場合、殆んどUおよびThも同
時に上記の関係にあり、特にThについては強い
相関関係にある。 これは、本発明者らの興味ある新らしい知見に
基づいたものであり、シリカ中のAl成分を追跡
し、その量が3ppm以下にあれば極めて高純度の
シリカとなつているということである。 かかる高純度シリカは、特にNa、UおよびTh
等の不純物成分の少い点において、従来電子材料
用や高純度シリカガラス用の原料として使用され
ていた良質の天然珪砂や水晶の純度を上回るもの
であるため、それらに代つて使用可能であるばか
りでなく、より高純度を必要とする高集積度IC
用の封止剤、充填剤など高性能電子材料用にも安
定供給が可能となる点で良質のシリカ資源に恵ま
れぬ我国にとつて画期的な意義を有するものであ
る。 他方、上記高純度シリカは封止剤用充填剤の原
料として用いる場合、これを溶融してシリカガラ
ス体とするが含水率が0.5〜20重量%、、二次粒子
の平均粒子径が2〜1000μmの範囲にあることが
好ましい。この理由は含水率について云えば、こ
の範囲外では二次粒子の粉体としての流動性が悪
く、例えば、火炎溶融法によつて球状化する場合
にトラブルの原因となり、また発泡の原因ともな
る。 また、二次粒子の平均半粒子径も上記範囲を越
えることは充填剤用原料として不適当になる傾向
にあるからである。 かかる高純度シリカは珪酸ナトリウムと硝酸と
の反応によりシリカを生成させる方法において、
硝酸酸性溶液中に珪酸ナトリウム溶液を添加反応
させ、かつ反応系の母液組成をHNO3−NaNO3
−H2O系で表わした場合、反応終了時における
母液組成が第1図および下記の表に示される如く
A,B,C及びDで囲まれた組成領域内となるよ
うにシリカの沈殿を生成させ、次いで該沈殿を分
離回収することを特徴とすることにより製造でき
る。
【表】 本発明の方法で使用する珪酸ナトリウムとして
は、モル比SiO2/Na2Oが1〜4の市販の珪酸ナ
トリウム溶液(水ガラス)あるいはそれらに予め
何らかの精製処理を施したもの等の何れも使用す
ることができるが、モル比の値が比較的大きいも
のが反応に必要とする硝酸の量が少くてすむので
経済的である。珪酸ナトリウム溶液は水または硝
酸ナトリウム水溶液で適宜希釈して使用してもよ
い。使用濃度は、SiO2として20重量%以上、好
ましくは25重量%以上が好適である。 一方、本発明の方法で使用する硝酸酸性溶液と
しては硝酸そのものの水溶液あるいは硝酸ナトリ
ウムを含有する硝酸の水溶液を使用することがで
きる。使用濃度はHNO3として5重量%以上、好
ましくは10重量%以上が好適である。 かかる原料を用いて、高純度シリカを製造する
に当り、本発明にかかる方法では、原料の添加順
序および反応系の母液組成、特に反応終了時の母
液組成が上記のように特定した状態でシリカの沈
殿を生成させることが重要である。 原料の添加順序を本発明とは逆にして珪酸ナト
リウム溶液中に硝酸酸性溶液を添加すると珪酸ナ
トリウム中の各種の不純物が生成シリカの沈殿中
にアルミニウムとともに強固に捕捉されるためか
本発明の目的とする高純度シリカは得られない。 このことは、反応終了時の母液組成が上記組成
領域内であつても同様である。 しかしながら、硝酸酸性溶液中へ珪酸ナトリウ
ム溶液を添加する限りにおいては、反応終了時の
母液組成であれば反応当初は必ずしも上記組成領
域内である必要はない。 本発明の方法において、反応終了時の母液の組
成を〔HNO3−NaNO3−H2O〕系の点A,B,
C,Dに囲まれた特定の領域内となるような量的
割合に限定する理由は本発明者らの実験研究の結
果に基くものである。すなわち、図において反応
終了時の母液の組成が点A,Dを結ぶ線より外側
(左上)となる場合は、Alの除去が著しく不充分
となるとともに分離できないThやシリカ沈殿へ
のNaの吸着傾向が増大し、点A,Bを結ぶ線の
外側(左下)となる場合は多量の水分を含む寒天
状のシリカが析出して炉過分離や洗浄が困難で各
不純物成分の除去が極めて不充分となる傾向を示
し、一方、反応終了時の母液の組成を点C,Dを
結ぶ線より外側(右)とする場合は多量の硝酸が
必要となるばかりでなく廃液としての反応母液の
中和処理に多量のアルカリを必要とするので経済
的に著しく不利となる。 つまり、硝酸酸性溶液からシリカを沈殿させる
場合に母液組成を上記に特定した範囲の領域で生
成させることによりアルミニウム分の不純物量が
実質的に最少となり、また後述する洗浄処理によ
り除去できると共に、粒子も適度に凝集した二次
粒子の形成により過性がよいので、再現性よく
高純度のシリカの沈殿を得ることができる。 この詳細な作用については明らかではないが、
恐らくは、この領域内ではシリカの骨格構造への
アルミナ成分の結合によるアルミノシリケートへ
の反応が生じ難いために、これに基づく洗浄によ
る分離除去し難い他の不純物、特にNaやThの吸
着等も結果的に生じないものと推定される。 なお、反応時の温度は余り重要ではなく常温な
いし約90℃の任意の温度で行うことができ、ま
た、反応終了後は暫時熟成撹拌を続けることが望
ましい。 次いで、シリカの沈殿を常法により母液と分
離、洗浄および乾燥した後回収する。 この場合、本発明においては母液分離後のシリ
カを再び硝酸水溶液にて酸処理することが特に好
ましい。 この処理によつてアルミナ成分をAlとして
3ppm以下に信頼性よく保証することができ、こ
の場合に、Thは殆んど高い相関性をもつて1ppb
以下、Naも10ppm以下となる。 もつとも、シリカの沈殿においてAlが3ppm以
下のものが回収される場合には酸処理を必ずしも
必要とするものではなく、水洗のみでも可能であ
ることは云うまでもない。 かくして、精製した高純度シリカは乾燥または
焼成した後回収する。乾燥に当つては、含水率が
0.5〜20重量%の範囲となるように行うことが好
ましい。この理由は、流動性のよい粉末となつて
その後の使用の際に好適な物性を与えることによ
る。 実施例 以下実施例にて本発明を更に具体的に説明す
る。 実施例 1 撹拌器付き反応槽に硝酸水溶液(HNO319.3重
量%)3285gをとり、70℃に加温し、これに撹拌
しながら珪酸ソーダJIS3号(Na2O9.2重量%、
SiO228.5重量%、SiO2/Na2Oモル比3.20)2100
gを約30分間を要して添加し、この間反応槽の温
度を70〜90℃に保持した。添加後、反応スラリー
を90℃で1時間撹拌して熟成を行つた。このとき
の母液組成はHNO35.0重量%、NaNO311.1重量
%であつた。 この反応終了スラリーからシリカの沈殿を過
分離し、これを水中にリパルプして洗浄したの
ち、再びシリカの沈殿を過分離した。 分離したシリカを撹拌器付き酸処理槽にとり、
これに水と硝酸を加えてスラリー全量5、スラ
リー中の硝酸濃度1Nとなるようにして調整し、
撹拌しながらこのシリカスラリーを90℃で3時間
加熱して酸処理したのち、スラリーからシリカを
過分離し、以下常温により水によるリパルプ洗
浄、固液分離、乾燥を行ない、さらに900℃で2
時間焼成した。 シリカ中の不純物含量その他を後記表1に示
す。 実施例 2 実施例1と同様に、硝酸と珪酸ソーダを使用し
て低放射性高純度シリカを合成した。反応には
HNO323.5重量%の硝酸溶液3285gと3号珪酸ソ
ーダ(Na2O9.2重量%、Sio228.5重量%、SiO2
Na2Oモル比3.20)2100gを用い、実施例1と同
様の方法で反応を行なつた。反応終了後の母液組
成はHNO37.9重量%、NaNO311.1重量%であつ
た。次いで、実施例1と同様にして0.5Nの硝酸
にて90℃で3時間撹拌して酸処理を行つた。 以下実施例1と同様に常法通りリパルプ水洗、
固液分離、乾燥、焼成の工程を経てシリカを得
た。シリカ中の不純物含有量その他を表1に併せ
て示す。 表1より明らかなように、シリカ中のAlは
3ppm以下であり、U、Thもそれぞれ1ppb以下
の低放射性高純度シリカが得られた。 実施例 3 実施例1と同様に硝酸と珪酸ソーダを使用して
低放射性高純度シリカを合成した。反応には
HNO326.4重量%の硝酸溶液2391gと、水で希釈
してSiO220重量%に調製した3号珪酸ソーダ
(Na2O6.45重量%、SiO220.0重量%)2994gを用
い実施例1と同様の方法で反応を行なつた。反応
終了後の母液組成はHNO3:5.0重量%、および
NaNO311.1重量%であつた。次いで実施例1と
同様の方法でシリカゲルの酸による処理を行なつ
た。使用した酸の種類と濃度、温度、時間の条件
は全て実施例1と同様に操作した。焼成後得られ
たシリカ中の不純物含有量を表1に併せて示す。
表1より明らかなように、シリカ中のAlは3ppm
以下であり、U、Thもそれぞれ1ppb以下の低放
射性高純度シリカが得られた。 実施例 4 硝酸と珪酸ソーダを使用し、実施例1と同様に
して低放射性高純度シリカを合成した。反応には
HNO315.5重量%の硝酸溶液2900gと3号珪酸ソ
ーダ(Na2O9.2重量%、SiO228.5重量%)1650g
を用い、実施例1と同様の方法で反応を行なつ
た。反応終了後の母液組成はHNO310.2重量%お
よびNaNO33.5重量%であつた。次いで、固液分
離したシリカを水でリパルプ洗浄してシリカに付
着するNaなどの不純物を洗い流した。乾燥、焼
成を経て得られたシリカ中の不純物は、
Na11.2ppm、Al3.7ppm、U1ppb以下、Th2.1ppb
であつた。次に焼成前の乾燥シリカ300gを5
ビーカーにとり、1N−硝酸3を加えて90℃で
3時間酸洗浄したのち、固液分離したシリカをリ
パルプ水洗、固液分離、乾燥、焼成して得られた
シリカ中の不純物を分析したところ、
Na1.3ppm、Al2.1ppm、U1ppb以下、Th1ppb以
下であつた。これより、反応終了の段階でAlが
3ppm以上残留した場合でも酸処理でAlを3ppm
以下に除去できる場合は、Thも1ppb以下に除去
できことが明らかである。 比較例 1 実施例1と同様に硝酸と珪酸ソーダを使用して
低放射性高純度シリカを合成した。反応には
HNO315.5重量%の硝酸溶液2934gと3号珪酸ソ
ーダ(Na2O9.2重量%、SiO228.5重量%)2190g
を用い、実施例1と同様の方法で反応を行なつ
た。このときの反応終了後の母液組成は
HNO31.0重量%およびNaNO312.3重量%であつ
た。次いで実施例1と同様の方法で酸による処理
を行なつた。使用した酸の種類と濃度、温度と時
間等の条件は全て実施例1と同様に操作した。焼
成後、得られたシリカ中の不純物含有量を表1に
併せて示す。表1より明らかなように反応終了時
の母液組成が点A,B,C,Dで囲まれた領域外
となる本比較例ではUは1ppb以下になつている
が、Alは13.3ppm残留しており、Thも6.1ppb残
留することが明らかである。 比較例 2 比較例1より得られた焼成前の乾燥シリカ300
gを5ビーカーにとり、1N硝酸3を加えて
90℃で3時間酸処理したのち、固液分離したシリ
カをリパルプ水洗、固液分離、乾燥、焼成した。
得られたシリカ中の不純物を分析したところ、
Na0.9ppm、Al11.8ppm、U1ppb以下Th5.4ppbで
あつた。この結果より、反応終了時の母液組成が
点A,B,C,Dで囲まれた領域外となる本比較
例ではシリカの酸洗浄をくり返した場合でもAl
がシリカ中に3ppm以上残留し、Thも1ppb以上
残留しており、目的とする低放射性高純度シリカ
は得られないことが明らかである。 比較例 3 撹拌器付き反応槽に、HNO319.3重量%の硝酸
溶液2745gをとり、70℃に加温した。撹拌しなが
ら、JIS3号珪酸ソーダ(Na2O9.2重量%、
SiO228.5重量%)2715gを約20分間で添加した。
添加終了時のスラリーのPHは0.5であつた(なお、
このときの反応終了母液中のHNO3濃度は0.5重
量%、NaNO3濃度は14.6重量%であり、図のA,
D線の外側の組成であつた)。珪酸ソーダ添加終
了後、反応終了スラリーを90℃で1時間撹拌して
熟成を行なつた。以下実施例1と同様の方法によ
り固液分離、酸による洗浄、水によるリパルプ洗
浄、乾燥を行なつたのち、シリカの一部を900℃
で2時間焼成した。得られたシリカ中の不純物を
表1に併せて示す。表1より、硝酸溶液に珪酸ソ
ーダを添加する反応において、反応終了スラリー
のPHが0.5になるまで珪酸を添加した場合は、得
られたシリカ中のAlが3ppm以上残留し、また
Thも1ppb以上残留することが明らかである。
【表】 発明の効果 本発明の製造方法によれば、従来珪酸アルカリ
と酸との反応では得られていない次の諸効果が達
成される。 (1) 不純物含有量がU、Thともに1ppb以下
Na10ppm以下、Al3ppm以下という極めて高
純度のシリカが得られる。 (2) 析出するシリカ沈殿は含水率が低く過性も
よく、分離や洗浄が容易である。 (3) 常に酸性域での反応ではあるが、必ずしも大
過剰の硝酸の使用を必要とせず経済的にも有利
である。 (4) 本発明にかかる高純度シリカにおいて不純物
は実質的にAlを測定し追跡してAlを3ppmにす
れば他の不純物も実験的に存在しないことがわ
かるのでAlをパラメーターとして扱えること
に意義がある。
【図面の簡単な説明】
図は珪酸ナトリウムと硝酸との反応における反
応終了時の母液の組成をHNO3−NaNO3−H2O
系で表わしたものであり、点A,B,C及びDで
囲まれた母液組成における高純度シリカが本発明
の方法において高純度シリカの生成を表わす。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 珪酸アルカリおよび酸との湿式法によるシリ
    カであつて、アルミニウムがAlとして3ppm以下
    であることを特徴とする高純度シリカ。 2 Na10ppm以下、U1ppb以下およびTh1ppb以
    下である特許請求の範囲第1項記載の高純度シリ
    カ。 3 珪酸ナトリウム水溶液と硝酸との反応により
    シリカを生成させる方法において、硝酸酸性溶液
    中に珪酸ナトリウム溶液を添加反応させ、かつ反
    応系の母液組成をHNO3−NaNO3−H2O系で表
    した場合、反応終了時における母液組成が下記の
    点A,B,CおよびDで囲まれた組成領域内とな
    るようにシリカの沈殿を生成させ、次いで該沈殿
    を分離回収することを特徴とする高純度シリカの
    製法。 【表】 4 シリカの分離回収において、酸処理する特許
    請求の範囲第3項記載の高純度シリカの製法。
JP17036884A 1984-08-17 1984-08-17 高純度シリカおよびその製法 Granted JPS6148421A (ja)

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