JP2769113B2 - 高純度シリカの製造方法 - Google Patents

高純度シリカの製造方法

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は珪酸アルカリからの高純
度シリカの製造方法に関する。更に詳しくは、IC封止
剤用樹脂の充填材、基板、電子材料や半導体製造装置用
高純度シリカガラスの原料等の用途に適する低放射性で
極めて高純度のシリカの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、電子産業の急速な発展につれて電
子材料用や半導体製造用などに高純度のシリカが使用さ
れるようになったが、製品の高度化につれてシリカに対
する高純度化への要望は一層強まっている。たとえば、
LSI或いは超LSIの封止剤用のエポキシ樹脂の充填
剤として純度のよいシリカ粉末が使用されているが、I
Cの高性能化すなわち集積度の増大に伴って封止剤中の
U(ウラン)やTh(トリウム)から放射されるα−線
に起因するICの誤動作すなわちソフトエラーの問題が
重要視されるようになった。このトラブルを回避するた
めにはエポキシ樹脂組成物中に50〜90%もの比率で
配合される充填剤としてのシリカ中のα−放射線源とな
る放射性元素、特にUおよびThの低減が不可欠の要件
となる。 【0003】従来、この種のエポキシ樹脂用充填剤のシ
リカとしてはU、Th等の放射性元素の含有率が低い良
質の天然珪砂を化学的に処理したものや良質の天然水晶
を溶融粉砕したものが主として使用されていたが、天然
の珪砂や水晶中には酸処理や精製処理を施した後でもU
やThがそれぞれ数10〜100ppb程度含まれてお
り、このようなシリカはソフトエラーのために256キ
ロビット以上の高集積度を対象とするICの封止剤用の
充填剤には全く不適当となる。 【0004】天然の水晶の中にはU、Thの含有量の特
に少ないものも稀には産出するが、その入手は年々困難
になりつつある。 【0005】一方、UやThが1ppb以下の極めて高
純度のシリカの製法としては、特に精製した四塩化珪素
やテトラエチルシリケート等のシリカ源を加水分解して
焼成する方法や気相分解する方法があるが、いずれも原
料自体が高価であるとともに腐食性や可燃性を有するた
め取扱いには特別な配慮を要し、極めて高価となる。 【0006】一方半導体工業用に広く使用されている高
純度シリカガラスはこれまで主に天然水晶を原料とし、
化学的に処理して原石の純度を高め、特殊な粉砕方法に
より不純物の混入を防除してその純度を維持しながら精
製した水晶粉末から造られている。しかしながらこのよ
うな良質の天然水晶はその入手が年々困難になり、代替
原料の出現が期待されている。表−1に半導体工業用高
純度シリカガラスの原料の天然水晶の純度の一例を示し
たが、Al以外の不純物は5ppm以下であり、各元素
が5ppm以下であれば、高純度シリカガラスの原料と
して利用可能である。 【0007】 【表1】 【0008】 【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、この
ような高純度シリカは珪酸アルカリと酸との反応によっ
て従来法では得られていない。従来、珪酸アルカリをシ
リカ源として高純度のシリカを製造する方法としては、
珪酸アルカリ水溶液をイオン交換して酸性シリカゾル
とし、これに塩類や界面活性剤を加えてシリカを沈殿状
に析出させて回収する方法(特公昭36−18315号、特公
昭37−4304号)、珪酸アルカリ水溶液をイオン交換し
てシリカゾルとし、これにアンモニアを加えてpHを調
整した後、冷却凍結し、さらに加温融解してシリカを析
出させて回収する方法(特公昭36−9415号)等が知られ
ているが何れも析出するシリカ沈殿の含水率が80%以
上にも達し濾過、洗浄等が困難であって、SiO2純度
が99.3〜99.9%程度、不純物含有量はNa150
〜300ppmとされているが、本発明者等の検討結果
ではFe50〜150ppm、Th100〜250pp
b程度であり、更に酸による処理を加えてもFe5pp
m以下、Th10ppb以下のシリカを得ることは困難
であった。 【0009】しかして、最近水素イオン濃度1.5以
下の条件でアルカリ金属ないしアルカリ土類金属の珪酸
塩と鉱酸からU1ppb以下の石英ガラスを製造する方
法が提案された(特開昭59−54632号)。しかしなが
ら、この発明には最も除去が困難となっているThの除
去手段については全く開示がなされていない。 【0010】ところで鉱酸中に珪酸アルカリ水溶液を添
加してシリカゲルを沈殿させる方法は高純度シリカゲル
を製造する手段としては、その逆の添加方法に比べて不
純物が著しく少なくなる有利な方法であるが、反応条件
の微妙な差異によってシリカゲルの沈殿性状に著しい差
異が認められて分離回収の際の操作に大きな影響がある
と同時に不純物含有量についてもppmやppbの単位
で論ずる場合に、反応条件により著しいバラツキが生
じ、洗浄操作では分離し得ない不純物が残留し、再現性
にも欠ける。 【0011】一方、錯体形成剤を使用してシリカ又はシ
リカゲル中の不純物を低減しようとする考え方が特開昭
55−42294号、特開昭58−41713号に開示されているが、
これらの方法により得られるシリカ中の不純物はFeを
例にとれば50ppm以上残留しており、本発明者等の
目的とする高純度シリカは得られてはいない。 【0012】このように、シリカ中の各不純物元素がい
ずれも5ppm以下であり、かつ放射性不純物が1pp
b以下の極めて高純度のシリカを珪酸アルカリ水溶液か
ら再現性良く製造することについては、いずれも従来の
方法には開示されてはいなかった。 【0013】 【問題点を解決するための手段】本発明は、珪酸ナトリ
ウム水溶液と鉱酸との反応によりシリカを生成させる方
法において、キレート剤が存在する酸性領域中でシリカ
の沈殿を生成させ、次いで分離回収したシリカを過酸化
水素含有の鉱酸にて洗浄処理し、含水率が0.5〜20
重量%の範囲となるように乾燥することを特徴とする、
高純度シリカの製造方法に関する。さらに詳しくは、本
発明方法による珪酸アルカリと鉱酸との湿式反応により
生成するシリカは、下記不純物Al、B、Ba、Ca、
Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Na、Ni、P
b、Sr、Ti、ZnおよびZrの含有量がいずれの元
素も全て5ppm以下(但し全てが1ppm以下ではな
い)であって、UおよびThの放射性不純物の含有量が
いずれも1ppb以下である高純度シリカである。即ち
本発明により製造される高純度シリカは、本発明者らの
出願になる特願昭59−170368号発明の改良にかかるもの
である。 【0014】かかる高純度シリカは、特にAl、Uおよ
びTh等の不純物成分の少ない点において、従来電子材
料用や高純度シリカガラス用の原料として使用されてい
た良質の天然珪砂や水晶の純度を上回るものであるた
め、それらに代って使用可能であるばかりでなく、より
高純度を必要とする高集積度IC用の封止剤、充填剤な
ど高性能電子材料用にも安定供給が可能となる点で良質
のシリカ資源に恵まれぬ我国にとって画期的な意義を有
するものである。 【0015】かかる高純度シリカは上述の如く珪酸ナト
リウムと鉱酸との反応によりシリカを生成させる方法に
おいて、キレート剤が存在する酸性領域中でシリカの沈
殿を生成させ、次いで分離回収したシリカ沈殿物を過酸
化水素含有の鉱酸にて洗浄処理することを特徴とするこ
とによって再現性よく製造できる。 【0016】 【作用】本発明の方法で使用する珪酸ナトリウムとして
は、モル比SiO2/Na2Oが1〜4の市販の珪酸ナト
リウム溶液(水ガラス)を使用することができるが、モ
ル比の値が比較的大きいものが反応に必要とする鉱酸の
量が少なくてすむので経済的である。珪酸ナトリウム溶
液は水または鉱酸のナトリウム水溶液で適宜希釈して使
用してもよい。使用濃度は、SiO2として20重量%
以上、好ましくは25重量%以上が好適である。 【0017】キレート化剤としては、例えばEDTA
(エチレンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリル三酢
酸)等が好適である。キレート剤添加量は珪酸ナトリウ
ム中のシリカ(SiO2)に対して0.01〜1重量%好
ましくは0.01〜0.5%である。キレート剤の添加量
が0.01重量%以下では珪酸ナトリウム水溶液中の不
純物捕捉が十分でなく、また逆に0.5重量%以上では
添加効果が飽和する傾向になり特に1重量%以上ではい
たずらにキレート剤使用量を増やすだけである。 【0018】一方、本発明の方法で使用する鉱酸として
は鉱酸そのものの水溶液あるいは鉱酸のナトリウム塩を
含有する鉱酸の水溶液を使用することができる。鉱酸と
しては硝酸、硫酸又は塩酸があげられる。鉱酸の使用濃
度は例えばHNO3として5重量%以上、好ましくは1
0重量%以上が好適である。 【0019】かかる原料を用いて、高純度シリカを製造
するに当り、キレート剤を含有する酸性領域中で珪酸ナ
トリウム水溶液と鉱酸とを反応させてシリカの沈殿を生
成させることが重要であり、好ましくは以下のようなあ
る特定の範囲内での状態でシリカの沈殿を生成させるこ
とが特によい。すなわち硝酸を使用する場合を例にとる
と、反応終了時の母液の組成を〔HNO3−NaNO3
2O〕系で表わした場合、表−2のA,B,C,Dの
各点を結ぶ線に囲まれた特定の領域内となるように反応
を行なうことによって最も好ましい状態の沈殿が生成す
る。硝酸以外の塩酸や硫酸を使用する場合は、使用する
珪酸ナトリウムと硝酸とのモル比(HNO3/Na2O)
に合うように、塩酸や硫酸の使用量を求めれば良い。 【0020】 【表2】 【0021】このことは、反応終了時の母液組成が上記
組成領域内であっても同様である。しかしながら、硝酸
酸性溶液中へ珪酸ナトリウム溶液を添加する限りにおい
ては、反応終了時の母液組成であれば反応当初は必ずし
も上記組成領域内である必要はない。かかる反応は多く
の場合、珪酸ナトリウム水溶液を鉱酸中に添加して上記
酸性領域中で反応させることが採用されるが、酸性領域
で行う限り両原料液を同時に添加しても差支えない。 【0022】従って、本発明は酸性領域でシリカ沈殿を
生成させることが重要であるところから、原料の添加順
序を本発明とは逆にして珪酸ナトリウム溶液中に硝酸酸
性溶液を添加すると珪酸ナトリウム中の各種の不純物が
生成シリカの沈殿中にアルミニウムとともに強固に捕捉
されるためか本発明の目的とする高純度シリカは得られ
ない。 【0023】なお、キレート剤の存在態様としては珪酸
ナトリウム水溶液中に予め添加しておく場合、鉱酸中に
添加しておく場合、両液にそれぞれ添加しておく場合又
は反応系に添加しておく場合など所望の方式が採用され
るが、好ましくは珪酸ナトリウム水溶液中に存在させて
おくことがよい。 【0024】なお、反応時の温度は余り重要ではなく常
温ないし約90℃の任意の温度で行なうことができ、ま
た、反応終了後は暫時熟成撹拌を続けることが望まし
い。 【0025】次いで、反応により生成するシリカの沈殿
を常法により分離し、分離したシリカを過酸化水素を添
加した鉱酸で酸処理することが本発明方法での不可欠の
工程である。この場合の酸の種類については上記と同様
であり、処理時の酸の濃度は0.1〜2Nが好ましい。
0.1N以下ではシリカに付着する可溶性ナトリウム塩
の除去が不十分であり、また2N以上の強酸を使用する
場合は酸処理後の廃酸の中和又は有効利用に問題が生ず
る。鉱酸に添加する過酸化水素はシリカ沈殿中のSiO
2に対してH22で0.1〜1重量%が好ましい。0.1
重量%以下ではシリカ中の不純物特にTiの除去が十分
でなく、逆に1重量%以上添加した場合は添加効果が飽
和していたずらに過酸化水素使用量を増やすだけであ
る。本発明者らの研究によれば、シリカ中のTiは酸で
洗浄することにより少しずつ溶出、除去されるものの、
その傾向は酸の濃度が高いほど、又シリカの粒子が細か
いほど除去しやすく、酸による洗浄をくり返せば10p
pm程度には除去可能である。しかしながら、このよう
な操作をくり返し行なった場合でも酸による洗浄操作だ
けでシリカ中のTiを5ppm以下にまで下げるのはむ
ずかしい。これに対して本発明記載の過酸化水素を添加
した鉱酸で酸処理した場合は再現性良くシリカ中のTi
を5ppm以下に低減可能である。勿論この操作により
Tiにかぎらず他の不純物も実質的に除去することがで
きることは云うまでもない。 【0026】このような反応から酸処理までの工程を経
ることによってシリカ中の各不純物元素は5ppm以下
に再現性よく確実に低下させることができ、U、Thも
1ppb以下になる。 【0027】かくして、精製した高純度シリカは乾燥ま
たは焼成した後回収する。乾燥に当っては、含水率が
0.5〜20重量%の範囲となるように行うことが好ま
しい。この理由は、流動性のよい粉末となってその後の
使用の際に好適な物性を与えることによる。以下実施例
には本発明を更に具体的に説明する。 【0028】 【実施例】 実施例1 撹拌器付き反応槽に硝酸水溶液(HNO319.3重量
%)3285gをとり、70℃に加温した。これとは別
に、珪酸ソーダJIS3号(Na2O9.2重量%、Si
228.5重量%、SiO2/Na2Oモル比3.20)
2100gを容器にとり撹拌し、EDTA0.6gを少
量の水に分散させて添加、溶解し、更に70℃で2時間
撹拌した。硝酸水溶液にこのEDTA含有珪酸ナトリウ
ム水溶液を約30分間を要して添加し、この間反応槽の
温度を70〜80℃に保持した。添加後、反応スラリー
を80℃で2時間撹拌して熟成を行った。このときの母
液組成はHNO35.0重量%、NaNO311.1重量%
であった。 【0029】この反応終了スラリーからシリカの沈殿を
濾過分離し、これを水中にリパルプして洗浄したのち、
再びシリカの沈殿を濾過分離した。 【0030】分離したシリカを撹拌器付き酸処理槽にと
り、これに水と硝酸を加えてスラリー全量5l、スラリ
ー中の硝酸濃度1Nとなるようにして調整し、更に35
%過酸化水素水17gを添加して撹拌しながらこのシリ
カスラリーを90℃で3時間加熱して酸処理したのち、
スラリーからシリカを濾過分離し、以下常温により水に
よるリパルプ洗浄、固液分離、乾燥を行ない、さらに9
00℃で2時間焼成した。 【0031】シリカ中の不純物含量その他を後記表3に
示す。表−3より明らかなように、シリカ中の各不純物
元素は全て5ppm以下であり、U、Thもそれぞれ1
ppb以下の低放射性高純度シリカが得られた。 【0032】実施例2 撹拌器付き反応槽に塩酸水溶液(HCl 11.2重量
%)3300gをとり、70℃に加温した。これとは別
に、実施例−1と同様の珪酸ソーダ2100gを容器に
とり、撹拌し、NTA1.0gを少量の水に分散させて
添加溶解し、更に70℃で2時間撹拌した。塩酸水溶液
にこのNTA含有珪酸ナトリウム水溶液を約30分間を
要して添加し、この間反応槽の温度を70〜80℃に保
持した。添加終了後、反応スラリーを80℃で2時間撹
拌して熟成を行なった。この反応終了スラリーからシリ
カの沈殿を濾過分離し、これを水中にリパルプして洗浄
したのち再びシリカの沈殿を濾過分離した。分離したシ
リカを撹拌器付き酸処理槽にとり、これに水と硝酸を加
えてスラリー全量5l、スラリー中の硝酸濃度1Nとな
るようにして調整し、更に35%過酸化水素水17gを
添加して、以下実施例1と同様に酸処理、濾過分離、リ
パルプ洗浄、固液分離、乾燥、焼成を経てシリカを得
た。シリカ中の不純物含有量、その他を表−3に併せて
示す。表−3より明らかなように、シリカ中の各不純物
元素は全て5ppm以下であり、U、Thも1ppb以
下の高純度シリカが得られた。 【0033】比較例1 撹拌器付き反応槽に硝酸水溶液(HNO319.3重量
%)3285gをとり、70℃に加温し、これに撹拌し
ながら珪酸ソーダJIS3号(Na2O9.2重量%、S
iO228.5重量%、SiO2/Na2Oモル比3.2
0)2100gを約30分間を要して添加し、この間反
応槽の温度を70〜80℃に保持した。添加後、反応ス
ラリーを80℃で2時間撹拌して熟成を行った。このと
きの母液組成はHNO35.0重量%、NaNO311.1
重量%であった。 【0034】この反応終了スラリーからシリカの沈殿を
濾過分離し、これを水中にリパルプして洗浄したのち、
再びシリカの沈殿を濾過分離した。 【0035】分離したシリカを撹拌器付き酸処理槽にと
り、これに水と硝酸を加えてスラリー全量5l、スラリ
ー中の硝酸濃度1Nとなるようにして調整し、撹拌しな
がらこのシリカスラリーを90℃で3時間過熱して酸処
理したのち、スラリーからシリカを濾過分離し、以下常
温により水によるリパルプ洗浄、固液分離、乾燥を行な
い、さらに900℃で2時間焼成した。 【0036】シリカ中の不純物含量その他を後記表3に
示す。表−3よりシリカ中の放射性元素(U,Th)は
1ppb以下に低減されているが、Tiが約40pp
m、Zrが約20ppm残存しており全ての元素を5p
pm以下に低減することはできない。 【0037】比較例2 JIS3号珪酸ソーダを使用し、珪酸ソーダ水溶液中の
SiO2に対してEDTAを0.1%添加し、70℃で2
時間撹拌溶解した以外は比較例1と全く同様の操作を行
ないシリカを得た。シリカ中の不純物含有量を表−3に
併せて示す。表−3ではシリカ中のZrは5ppm以下
に低減できたが、Tiが約40ppm残留した。 【0038】比較例3 比較例1と同様の反応を行ない、得られたシリカ沈殿を
酸処理する際、シリカ沈殿中のSiO2に対しH22
1%の過酸化水素水を添加した硝酸で酸処理を行なっ
た。酸処理条件等は比較例1と同様である。酸処理終了
後、比較例1と同様に濾過、リパルプ洗浄、固液分離、
乾燥、焼成を経てシリカを得た。シリカ中の不純物含有
量を表−3に併せて示す。表−3ではシリカ中のTiは
5ppm以下に低減できたが、Zrが約20ppm残留
した。 【0039】実施例3 比較例2より得られた乾燥シリカ100gを1lビーカ
ーにとり、61%硝酸150g、水750gを加えて撹
拌し、次いで35%過酸化水素水2.8gを添加したの
ち、90℃で2時間酸処理を行なった。酸処理終了後、
シリカを固液分離、洗浄、乾燥、焼成してシリカ中のT
iを分析したところ、Tiは41.9ppmから3.8p
pmに低減しており、またTi以外の元素は増えている
様子もなく、各元素5ppm以下の高純度シリカを得
た。 【0040】比較例4 比較例2より得られた乾燥シリカ100gを1lビーカ
ーにとり、61%硝酸500g、水500gを加えて撹
拌し、90℃で2時間酸処理を行なった。酸処理終了
後、シリカを固液分離、洗浄、乾燥、焼成してシリカ中
のTiを分析したところTiは41.9ppmから17.
6ppmに低減できたが強酸による洗浄を繰り返しても
Tiを5ppmに低減することはできなかった。 【0041】 【表3】【0042】 【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
の高純度シリカの製造方法によれば、珪酸アルカリおよ
び酸との湿式反応により不純物含有量がいずれの元素も
5ppm以下(但し、すべてが5ppm以下ではない)
で、U、Thの含有量が1ppb以下である高純度シリ
カを比較的安価な原料から比較的単純な工程によって確
実に製造することが可能となる。 【0043】本発明の高純度シリカは不純物含有量がい
ずれの元素も5ppm以下(但し、すべてが5ppm以
下ではない)であるばかりでなく、U、Th等の放射性
元素は1ppb以下とすることも可能であるためIC封
止剤用樹脂の充填材、基板、電子材料や半導体製造装置
用高純度シリカガラスの原料等の用途に好適であり、枯
渇しつつある良質の天然珪砂や水晶等の資源に代って安
定供給を可能とする点で特に有意義なものである。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.珪酸ナトリウム水溶液と鉱酸との反応によりシリカ
    を生成させる方法において、キレート剤が存在する酸性
    領域中でシリカの沈殿を生成させ、次いで分離回収した
    シリカを過酸化水素含有の鉱酸にて洗浄処理し、含水率
    が0.5〜20重量%の範囲となるように乾燥すること
    を特徴とする高純度シリカの製造方法。 2.キレート剤がEDTA又はNTAである請求項1記
    載の高純度シリカの製造方法。 3.珪酸ナトリウム水溶液中に含有するキレート剤はS
    iO2に対して0.01〜1重量%である請求項1又は2
    記載の高純度シリカの製造方法。 4.鉱酸が硝酸である請求項1記載の高純度シリカの製
    造方法。 5.鉱酸中に含有する過酸化水素がSiO2に対してH2
    2として0.01〜1重量%である請求項1又は4記載
    の高純度シリカの製造方法。
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