JP7442790B2 - タウ認識抗体 - Google Patents

タウ認識抗体 Download PDF

Info

Publication number
JP7442790B2
JP7442790B2 JP2019557462A JP2019557462A JP7442790B2 JP 7442790 B2 JP7442790 B2 JP 7442790B2 JP 2019557462 A JP2019557462 A JP 2019557462A JP 2019557462 A JP2019557462 A JP 2019557462A JP 7442790 B2 JP7442790 B2 JP 7442790B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
antibodies
antibody
chain variable
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019557462A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020520231A5 (ja
JP2020520231A (ja
Inventor
フィリップ ペイン,
ロビン バーバー,
スヴェトラナ アレクサンダー,
マーク イー. レンツ,
シュニング ガイ,
フィリップ ジェームズ ドラン,
タルロチャン, エス. ニジャール,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Prothena Biosciences Ltd
Original Assignee
Neotope Biosciences Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Neotope Biosciences Ltd filed Critical Neotope Biosciences Ltd
Publication of JP2020520231A publication Critical patent/JP2020520231A/ja
Publication of JP2020520231A5 publication Critical patent/JP2020520231A5/ja
Priority to JP2023093577A priority Critical patent/JP2023113836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7442790B2 publication Critical patent/JP7442790B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/24Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin containing regions, domains or residues from different species, e.g. chimeric, humanized or veneered
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/567Framework region [FR]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/76Antagonist effect on antigen, e.g. neutralization or inhibition of binding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/90Immunoglobulins specific features characterized by (pharmaco)kinetic aspects or by stability of the immunoglobulin
    • C07K2317/92Affinity (KD), association rate (Ka), dissociation rate (Kd) or EC50 value

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月2日に出願された米国仮出願第62/500,427号及び2017年11月1日に出願された米国仮出願第62/580,408号の35 USC 119(e)に基づく利益を主張し、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。
配列表の参照
508111SEQLST.txtのファイルに記述されている配列表は、107キロバイトであり、2018年5月2日に作成されたものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
タウは、リン酸化形態で存在できるよく知られたヒト蛋白質である(例えば、Goedert, Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 85:4051-4055(1988);Goedert, EMBO J. 8:393-399(1989);Lee, Neuron 2:1615-1624(1989);Goedert, Neuron 3:519-526(1989);Andreadis, Biochemistry 31:10626-10633(1992)参照)。タウは、特に中枢神経系において、微小管の安定化に役割を果たすことが報告されている。総タウ(t-tau、即ちリン酸化及び非リン酸化形態)及びリン酸化タウ(p-tau、即ちリン酸化タウ)は、神経損傷及び神経変性に応答して脳から放出され、一般集団に比べてアルツハイマー病患者のCSFで増加したレベルで発生することが報告されている(Jack et al., Lancet Neurol 9:119-28 (2010))。
タウは神経原線維タングルの主な成分であり、プラークとともにアルツハイマー病の顕著な特徴である。タングルは、80 nmの規則的な周期でらせん状に巻かれたペアで発生する直径10 nmの異常な原線維を構成する。神経原線維タングル内のタウは、分子上の特定の部位にリン酸基が結合した状態で異常にリン酸化(高リン酸化)されている。神経原線維タングルの重度の関与は、アルツハイマー病の内嗅皮質の層IIニューロン、海馬のCA1及び鉤状回領域、扁桃体、及び新皮質のより深い層(層III、V、及び表面のVI)に見られる。高リン酸化タウは、微小管の集合を妨害することも報告されており、これは神経ネットワークの破壊を促進し得る。
タウ封入体は、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性、進行性核上性麻痺、及びピック病を含むいくつかの神経変性疾患を特徴付ける神経病理の一部である。
一態様では、本発明は、タウに特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体を提供する。いくつかのそのような抗体は、ヒトタウへの結合に関して抗体5G8と競合する。いくつかのそのような抗体は、5G8と同じヒトタウ上のエピトープに結合する。
いくつかの抗体は、モノクローナル抗体5G8の3つの軽鎖CDR及び3つの重鎖CDRを含み、5G8は、配列番号7を含むアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び配列番号8を含むアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域によって特徴付けられるマウス抗体である。いくつかの抗体では、3つの重鎖CDRはKabat/Chothia組み合わせ(配列番号11、12、及び13)によって定義され、3つの軽鎖CDRはKabat/Chothia組み合わせ(配列番号14、15、及び16)によって定義される。
例えば、抗体は5G8、又はそのキメラ、ベニア化、又はヒト化型であり得る。いくつかのそのような抗体では、可変重鎖がヒト配列と85%以上の同一性を有する。いくつかのそのような抗体では、可変軽鎖がヒト配列に対して85%以上の同一性を有する。いくつかのそのような抗体では、可変重鎖及び可変軽鎖のそれぞれが、ヒト生殖系列配列に対して85%以上の同一性を有する。
いくつかの抗体はヒト化抗体である。いくつかの抗体は、ヒトタウに特異的に結合するヒト化又はキメラ5G8抗体であり、5G8は、配列番号7の成熟重鎖可変領域及び配列番号8の成熟軽鎖可変領域によって特徴付けられるマウス抗体である。いくつかの抗体は、5G8の3つの重鎖CDRを含むヒト化成熟重鎖可変領域及び5G8の3つの軽鎖CDRを含むヒト化成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、CDRは、Kabat、Chothia、Kabat/Chothia組み合わせ、AbM、及びContactの群から選択される定義によるものである。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は5G8の3つのKabat/Chothia組み合わせ重鎖CDR(配列番号11~13)を含み、ヒト化成熟軽鎖可変領域は5G8の3つのKabat/Chothia組み合わせ軽鎖CDR(配列番号14~16)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は5G8の3つのKabat重鎖CDR(配列番号17、配列番号12、及び配列番号13)を含み、ヒト化成熟軽鎖可変領域は3つのKabat軽鎖を含む5G8の鎖CDR(配列番号14~16)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は5G8の3つのChothia重鎖CDR(配列番号18、配列番号20、及び配列番号13)を含み、ヒト化成熟軽鎖可変領域は5G8の3つのChothia軽鎖CDR(配列番号14~16)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は5G8の3つのAbM重鎖CDR(配列番号11、配列番号21、及び配列番号13)を含み、ヒト化成熟軽鎖可変領域は5G8の3つのAbM軽鎖CDR(配列番号14~16)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は5G8の3つのContact重鎖CDR(配列番号19、配列番号22、及び配列番号23)を含み、ヒト化成熟軽鎖可変領域は5G8の3つのContact軽鎖CDR(配列番号24~26)を含む。
いくつかの抗体は、配列番号33~40のいずれか1つと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するヒト化成熟重鎖可変領域、及び配列番号41~46のいずれか1つと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するヒト化成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H48はIが配置され、H71はSが配置され、H93はSが配置され、及びH94はPが配置される。いくつかの抗体では、VH領域の位置H48、H71、H93、及びH94は、それぞれI、S、S、及びPが配置されている。いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H1はEが配置され、H48はIが配置され、H71はSが配置され、H93はSが配置され、及びH94はPが配置される。いくつかの抗体では、VH領域の位置H1、H48、H71、H93、及びH94は、それぞれE、I、S、S、及びPが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H1はEが配置され、H46はDが配置され、H48はIが配置され、H71はSが配置され、H93はSが配置され、及びH94はPが配置される。いくつかの抗体では、VH領域の位置H1、H46、H48、H71、H93、及びH94は、それぞれE、D、I、S、S、及びPが配置されている。いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H1はEが配置され、H11はLが配置され、H12はVが配置され、H19はRが配置され、H20はLが配置され、H46はDが配置され、H48はIが配置され、H71はSが配置され、H76はNが配置され、H80はLが配置され、H93はSが配置され、及びH94はPが配置される。いくつかの抗体では、VH領域の位置H1、H11、H12、H19、H20、H46、H48、H71、H76、H80、H93、及びH94は、それぞれE、L、V、R、L、D、I、S、N、L、S、及びPが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H66はRが配置され、H67はVが配置され、及びH78はVが配置される。いくつかの抗体では、VH領域の位置H66、H67、及びH78は、それぞれR、V、及びVが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H1はQ又はEが配置され、H11はV又はLが配置され、H12はK又はVが配置され、H19はK又はRが配置され、H20はV又はLが配置され、H23はK又はAが配置され、H46はE又はDが配置され、H48はM又はIが配置され、H66はK又はRが配置され、H67はA又はVが配置され、H71はR又はSが配置され、H76はS又はNが配置され、H78はA又はVが配置され、H80はM又はLが配置され、H93はT、S、又はAが配置され、及びH94はI、P、又はRが配置される。
いくつかの抗体では、VH領域のH48、H71、H93、及びH94の位置は、それぞれI、S、S、及びPが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH1、H48、H71、H93、及びH94の位置は、それぞれE、I、S、S、及びPが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH1、H46、H48、H71、H93、及びH94の位置は、それぞれE、D、I、S、S、及びPが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH1、H11、H12、H19、H20、H46、H48、H71、H76、H80、H93、及びH94の位置は、それぞれE、L、V、R、L、D、I、S、N、L、S、及びPが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域の位置H1、H11、H12、H19、H20、H23、H46、H48、H71、H76、H80、H93、及びH94は、それぞれE、L、V、R、L、A、D、I、S、N、L、S、及びPが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH66、H67、H78、H93、及びH94の位置は、それぞれR、V、V、A、及びRが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH1、H46、H48、H66、H67、H71、H78、H93、及びH94の位置は、それぞれE、D、I、R、V、S、V、S、及びPが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L2はVが配置され、L7はSが配置され、L17はEが配置され、L36はLが配置され、L45はQが配置され、L46はRが配置され、及びL70はDが配置される。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L2はVが配置され、L36はLが配置され、及びL46はRが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL2、L36、及びL46の位置は、それぞれV、L、及びRが配置されている。いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L2はVが配置され、L36はLが配置され、L46はRが配置され、及びL70はDが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL2、L36、L46、及びL70の位置は、それぞれV、L、R、及びDが配置されている。いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L45はQが配置され、及びL70はDが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL45とL70の位置は、それぞれQとDが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L2はI又はVが配置され、L7はT又はSが配置され、L17はQ又はEが配置され、L36はY又はLが配置され、L45はK又はQが配置され、L46はL又はRが配置され、及びL70はG又はDが配置される。
いくつかの抗体では、VL領域のL2、L36、及びL46の位置は、それぞれV、L、及びRが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL2、L36、L46、及びL70の位置は、それぞれV、L、R、及びDが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL2、L7、L17、L36、L46、及びL70の位置は、それぞれV、S、E、L、R、及びDが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL45及びL70の位置は、それぞれQ及びDが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL2、L36、L45、L46、及びL70の位置は、それぞれV、L、Q、R、及びDが配置されている。
いくつかの抗体は、配列番号33~40のいずれか1つと少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域、及び配列番号41~46のいずれか1つと少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。いくつかの抗体は、配列番号33~40のいずれか1つと少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域、及び配列番号41~46のいずれか1つと少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域が配列番号33~40のいずれかのアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41~46のいずれか1つのアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号33のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号33のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号42のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号33のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号33のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号33のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号45のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号33のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号34のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号34のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号42のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号34のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号34のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号34のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号45のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号34のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号35のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号35のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号42のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号35のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号35のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号35のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号45のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号35のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号36のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号36のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号42のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号36のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号36のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号36のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号45のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号36のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号37のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号37のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号42のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号37のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号37のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号37のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号45のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号37のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号38のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号38のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号42のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号38のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号38のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号38のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号45のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号38のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号39のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号39のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号42のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号39のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号39のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号39のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号45のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号39のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号40のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号41のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号40のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号42のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号40のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号43のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号40のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号44のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号40のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号45のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号40のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号46のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体は、モノクローナル抗体6A10の3つの軽鎖CDR及び3つの重鎖CDRを含み、6A10は、配列番号63を含むアミノ酸配列を有する重鎖可変領域及び配列番号64を含むアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域によって特徴付けられるマウス抗体である。いくつかの抗体は、3つの重鎖CDRは、Kabat/Chothia組み合わせ(配列番号65、66、及び67)によって定義され、且つ3つの軽鎖CDRは、Kabat/Chothia組み合わせ(配列番号68、69、及び70)によって定義される。
例えば、抗体は、6A10、又はそのキメラ、ベニア化、もしくはヒト化型であり得る。いくつかの抗体は、可変重鎖がヒト配列に対して85%以上の同一性を有する。いくつかの抗体は、可変軽鎖がヒト配列に対して85%以上の同一性を有する。いくつかの抗体は、可変重鎖及び可変軽鎖のそれぞれが、ヒト生殖系列配列に対して85%以上の同一性を有する。
いくつかの抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの抗体は、ヒトタウに特異的に結合するヒト化又はキメラ6A10抗体であり、6A10は、配列番号63の成熟重鎖可変領域、及び配列番号64の成熟軽鎖可変領域によって特徴付けられるマウス抗体である。いくつかの抗体は、6A10の3つの重鎖CDRを含むヒト化成熟重鎖可変領域、及び6A10の3つの軽鎖CDRを含むヒト化成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、CDRは、Kabat、Chothia、Kabat/Chothia組み合わせ、AbM及びContactの群から選択される定義によるものである。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、6A10の3つのKabat/Chothia組み合わせ重鎖CDR(配列番号65~67)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、6A10の3つのKabat/Chothia組み合わせ軽鎖CDR(配列番号:68~70)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、6A10の3つのKabat重鎖CDR(配列番号71、配列番号66、及び配列番号67)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、6A10の3つのKabat軽鎖CDR(配列番号:68~70)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、6A10の3つのChothia重鎖CDR(配列番号72、配列番号74、及び配列番号67)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、6A10の3つのChothia軽鎖CDR(配列番号68~70)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、6A10の3つのAbM重鎖CDR(配列番号65、配列番号75、及び配列番号67)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、6A10の3つのAbM軽鎖CDR(配列番号:68~70)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、6A10の3つのContact重鎖CDR(配列番号73、配列番号76、及び配列番号77)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、6A10の3つの接触軽鎖CDR(配列番号78~80)を含む。
いくつかの抗体は、配列番号85~87のいずれか1つと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するヒト化成熟重鎖可変領域、及び配列番号88~90のいずれか1つと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するヒト化成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、VH領域のH48の位置にIが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VH領域のH16はA又はGが配置され、H48はM又はIが配置され、H69はT又はIが配置され、及びH80はM又はLが配置される。
いくつかの抗体は、VH領域のH48の位置にIが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH16、H48、H69、及びH80の位置は、それぞれG、I、I、及びLが配置されている。
いくつかの抗体では、VL領域のL46にLが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL12はP又はSが配置され、L17はQ又はEが配置され、及びL46はR又はLが配置される。
いくつかの抗体では、VL領域のL46にLが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L17、及びL46の位置は、それぞれS、E、及びLが配置されている。
いくつかの抗体は、配列番号85~87のいずれか1つと少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域、及び及び配列番号88~90のいずれか1つと少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。いくつかの抗体は、配列番号85~87のいずれか1つと少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域、及び配列番号88~90のいずれか1つと少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号85~87のいずれかのアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号88~90のいずれか1つのアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号85のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号88のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号85のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号89のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号85のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号90のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号86のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号88のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号86のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号89のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号86のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号90のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号87のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号88のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号87のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号89のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号87のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号90のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体は、モノクローナル抗体8A4の3つの軽鎖CDR及び3つの重鎖CDRを含み、8A4は、配列番号91を含むアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号92を含むアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域によって特徴付けられるマウス抗体である。いくつかの抗体では、3つの重鎖CDRは、Kabat/Chothia組み合わせ(配列番号93、94、及び95)によって定義され、且つ3つの軽鎖CDRは、Kabat/Chothia組み合わせ(配列番号96、97、及び98)によって定義される。
いくつかの抗体は、8A4、又はそのキメラ、ベニア化、もしくはヒト化型である。いくつかの抗体では、可変重鎖は、ヒト配列に対して85%以上の同一性を有する。いくつかの抗体では、可変軽鎖は、ヒト配列に対して85%以上の同一性を有する。いくつかの抗体では、可変重鎖及び可変軽鎖のそれぞれは、ヒト生殖系列配列に対して85%以上の同一性を有する。
いくつかの抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの抗体は、ヒトタウに特異的に結合するヒト化又はキメラ8A4抗体であり、8A4は、配列番号91の成熟重鎖可変領域、及び配列番号92の成熟軽鎖可変領域によって特徴付けられるマウス抗体である。いくつかの抗体は、8A4の3つの重鎖CDRを含むヒト化成熟重鎖可変領域、及び8A4の3つの軽鎖CDRを含むヒト化成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、CDRは、Kabat、Chothia、Kabat/Chothia組み合わせ、AbM、及びContactの群から選択される定義によるものである。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、8A4の3つのKabat/Chothia組み合わせ重鎖CDR(配列番号93~95)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、8A4の3つのKabat/Chothia組み合わせ軽鎖CDR(配列番号96~98)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、8A4の3つのKabat重鎖CDR(配列番号99、配列番号94、及び配列番号95)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、8A4の3つのKabat軽鎖CDR(配列番号96~98)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、8A4の3つのChothia重鎖CDR(配列番号100、配列番号102、及び配列番号95)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、8A4の3つのChothia軽鎖CDR(配列番号96~98)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域が8A4の3つのAbM重鎖CDR(配列番号93、配列番号103、及び配列番号95)、及びヒト化成熟軽鎖可変領域は、8A4の3つのAbM軽鎖CDR(配列番号96~98)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、8A4の3つのContact重鎖CDR(配列番号101、配列番号104、及び配列番号105)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、8A4の3つの接触軽鎖CDR(配列番号106~108)を含む。
いくつかの抗体は、配列番号113~115のいずれか1つと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するヒト化成熟重鎖可変領域、及び配列番号116~118のいずれか1つと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するヒト化成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、VH領域のH93の位置にSが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VH領域のH12はVが配置され、H16はGが配置され、H20はLが配置され、及びH68はTが配置される。いくつかの抗体では、VH領域のH12、H16、H20、及びH68の位置は、それぞれV、G、L、及びTが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VH領域のH12はK又はVが配置され、H16はS又はGが配置され、H20はV又はLが配置され、H48はM又はIが配置され、H67はA又はIが配置され、H68はN又はTが配置され、H85はD又はEが配置され、及びH93はS又はAが配置される。
いくつかの抗体では、VH領域のH93の位置にSが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH12、H16、H20、H68、及びH93の位置は、それぞれV、G、L、T、及びSが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH12、H16、H20、H48、H67、H68、及びH85の位置は、それぞれV、G、L、I、A、T、及びEが配置されている。
いくつかの抗体では、VL領域のL17にEが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL2はI又はVが配置され、L17はQ又はEが配置され、L36はF又はLが配置される。
いくつかの抗体では、VL領域のL17の位置にEが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL2、L17、及びL36の位置がV、E、及びLが配置されている。
いくつかの抗体は、配列番号113~115のいずれか1つと少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域、及び配列番号116~118のいずれか1つと少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体は、配列番号113~115のいずれか1つと少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域、及び配列番号116~118のいずれか1つと少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号113~115のいずれかのアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号116~118のいずれか1つのアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号113のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号116のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号113のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号117のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号113のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号118のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号114のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号116のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号114のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号117のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号114のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号118のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号115のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号116のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号115のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号117のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号115のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号118のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体は、モノクローナル抗体7G6の3つの軽鎖CDR及び3つの重鎖CDRを含み、7G6は、配列番号119を含むアミノ酸配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号120を含むアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域によって特徴付けられるマウス抗体である。いくつかの抗体では、3つの重鎖CDRがKabat/Chothia組み合わせ(配列番号121、122、及び123)によって定義されるものであり、3つの軽鎖CDRがKabat/Chothia組み合わせ(配列番号124、125、及び126)によって定義されるものである。
いくつかの抗体では、7G6、又はそのキメラ、ベニア化、又はヒト化型である。いくつかの抗体では、可変重鎖は、ヒト配列に対して85%以上の同一性を有する。いくつかの抗体では、可変軽鎖は、ヒト配列に対して85%以上の同一性を有する。いくつかの抗体では、可変重鎖及び可変軽鎖のそれぞれは、ヒト生殖系列配列に対して85%以上の同一性を有する。
いくつかの抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの抗体は、ヒトタウに特異的に結合するヒト化又はキメラ7G6抗体であり、7G6が配列番号119の成熟重鎖可変領域、及び配列番号120の成熟軽鎖可変領域によって特徴付けられるマウス抗体である。いくつかの抗体は、7G6の3つの重鎖CDRを含むヒト化成熟重鎖可変領域、及び7G6の3つの軽鎖CDRを含むヒト化成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、CDRは、Kabat、Chothia、Kabat/Chothia組み合わせ、AbM、及びContactの群から選択される定義によるものである。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、7G6の3つのKabat/Chothia組み合わせ重鎖CDR(配列番号121~123)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、7G6の3つのKabat/Chothia組み合わせ軽鎖CDR(配列番号124~126)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、7G6の3つのKabat重鎖CDR(配列番号127、配列番号122、及び配列番号123)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、7G6の3つのKabat軽鎖CDR(配列番号124~126)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、7G6の3つのChothia重鎖CDR(配列番号128、配列番号130、及び配列番号123)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、7G6の3つのChothia軽鎖CDR(配列番号124~126)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、7G6の3つのAbM重鎖CDR(配列番号121、配列番号131、及び配列番号123)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、7G6の3つのAbM軽鎖CDR(配列番号124~126)を含む。いくつかの抗体では、ヒト化成熟重鎖可変領域は、7G6の3つのContact重鎖CDR(配列番号129、配列番号132、及び配列番号133)を含み、且つヒト化成熟軽鎖可変領域は、7G6の3つのContact軽鎖CDR(配列番号134、配列番号135、及び配列番号136)を含む。
いくつかの抗体は、配列番号139~140のいずれか1つと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するヒト化成熟重鎖可変領域、及び配列番号141~148のいずれか1つと少なくとも90%同一のアミノ酸配列を有するヒト化成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VH領域のH12はVが配置され、H20はLが配置され、H69はIが配置され、H76はNが配置され、H78はAが配置され、H80はLが配置され、H81はQが配置され、H92はSが配置され、及びH93はTが配置される。いくつかの抗体では、VH領域のH12、H20、H69、H76、H78、H80、H81、H92、H93、H101の位置に、それぞれV、L、I、N、A、L、Q、S、及びTが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VH領域のH12はK又はVが配置され、H20はV又はLが配置され、H38はR又はKが配置され、H69はM又はIが配置され、H76はS又はNが配置され、H78はV又はAが配置され、H80はM又はLが配置され、H81はE又はQが配置され、H92はC又はSが配置され、及びH93はA又はTが配置される。
いくつかの抗体では、VH領域のH12、H20、H69、H76、H78、H80、H81、H92、H93の位置にそれぞれV、L、I、N、A、L、Q、S、及びTが配置されている。いくつかの抗体では、VH領域のH12、H20、H38、H69、H76、H78、H80、H81、H92、H93の位置に、それぞれV、L、K、I、N、A、L、Q、S、及びTが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL12はSが配置され、及びL103はKが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL12及びL103の位置は、それぞれS及びKが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL12はSが配置され、L36はLが配置され、及びL103はKが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L36、及びL103の位置は、それぞれS、L、及びKが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL12はSが配置され、L37はLが配置され、及びL103はKが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L37、及びL103は、それぞれS、L、及びKが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL12はSが配置され、L36はLが配置され、L37はLが配置され、及びL103はKが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L36、L37、及びL103は、それぞれS、L、L、及びKが.配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL12はSが配置され、L45はKが配置され、及びL103はKが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L45、及びL103の位置は、それぞれS、K、及びKが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL12はSが配置され、L100はGが配置され、及びL103はKが配置される。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L100、及びL103の位置は、それぞれS、G、及びKが配置されている。
いくつかの抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:VL領域のL36はF又はLが配置され、L37はQ又はLが配置され、L45はR又はKが配置され、L100はQ又はGが配置される。
いくつかの抗体では、VL領域のL12及びL103の位置は、それぞれS及びKが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L37、及びL103の位置は、それぞれS、L、及びKが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L36、及びL103の位置は、それぞれS、L、及びKが配置されている場合。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L36、L37、及びL103の位置は、それぞれS、L、L、及びKが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L45、及びL103の位置は、それぞれS、K、及びKが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L36、L37、L45、及びL103の位置は、それぞれS、L、L、K、及びKが配置されている。いくつかの抗体では、hu7G6~VL_v7のように、VL領域のL12、L100、及びL103の位置は、それぞれS、G、及びKが配置されている。いくつかの抗体では、VL領域のL12、L36、L37、L100、及びL103の位置は、それぞれS、L、L、G、及びKが配置されている。
いくつかの抗体は、配列番号139~140のいずれか1つと少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域、及び配列番号141~148のいずれか1つと少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。いくつかの抗体は、配列番号139~140のいずれか1つと少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有する成熟重鎖可変領域、及び配列番号141~148のいずれか1つと少なくとも98%同一のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖可変領域を含む。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139~140のいずれかのアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号141~148のいずれか1つのアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号141のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号142のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号143のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号144のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号145のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号146のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号147のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号139のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号148のアミノ酸配列を有する。
いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号140のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号141のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号140のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号142のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号140のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号143のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号140のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号144のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号140のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号145のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号140のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号146のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号140のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号147のアミノ酸配列を有する。いくつかの抗体では、成熟重鎖可変領域は、配列番号140のアミノ酸配列を有し、且つ成熟軽鎖可変領域は、配列番号148のアミノ酸配列を有する。
例えば、抗体は、キメラ抗体であり得る。例えば、抗体は、ベニア化抗体であり得る。抗体は、インタクト抗体であり得る。抗体は、結合フラグメントであり得る。一実施形態において、結合フラグメントは、単鎖抗体、Fab、又はFab'2フラグメントである。抗体は、Fabフラグメント又は単鎖Fvであり得る。いくつかの抗体は、ヒトIgG1を含み、他の抗体は、ヒトIgG2又はIgG4アイソタイプを含み得る。
いくつかの抗体では、軽鎖定常領域に融合した成熟軽鎖可変領域、且つ重鎖定常領域に融合した成熟重鎖可変領域を含む。いくつかの抗体では、重鎖定常領域は、天然のヒト重鎖定常領域と比較してFcγ受容体への結合が減少した天然のヒト重鎖定常領域の変異型である。いくつかの抗体では、重鎖定常領域は、IgG1アイソタイプである。
いくつかの抗体は、定常領域に少なくとも1つの変異を有していてもよく、その変異は、定常領域による補体結合又は活性化を低下させ、例えば、EUナンバリングの241、264、265、270、296、297、318、320、322、329、及び331の位置の1つ以上の変異である。いくつかの抗体は、318、320、及び322の位置にアラニンを有する。
いくつかの抗体は、純度が少なくとも95%w/wであり得る。いくつかの抗体は、治療剤、細胞毒性剤、細胞増殖抑制剤、神経栄養剤、又は神経保護剤に結合している。
別の様態では、本発明は、本明細書に記載の任意の抗体、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
別の様態では、本発明は、本明細書に記載の任意の抗体の重鎖及び/又は軽鎖をコードする核酸、その核酸を含む組換え発現ベクター、及びその組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞を提供する。
別の様態では、本発明は、本明細書に記載の任意の非ヒト抗体(例えば、マウス抗体5G8であり、ここで、5G8は配列番号7の成熟重鎖可変領域、及び配列番号8の成熟軽鎖可変領域によって特徴付けられる)をヒト化する方法を提供する。別の様態では、本発明は、本明細書に記載の任意の非ヒト抗体(例えば、マウス抗体6A10であり、ここで、6A10は配列番号63の成熟重鎖可変領域、及び配列番号64の成熟軽鎖可変領域によって特徴付けられる)をヒト化する方法を提供する。別の様態では、本発明は、本明細書に記載の任意の非ヒト抗体(例えば、マウス抗体8A4であり、ここで、8A4は配列番号91の成熟重鎖可変領域、及び配列番号92の成熟軽鎖可変領域によって特徴付けられる)をヒト化する方法を提供する。別の様態では、本発明は、本明細書に記載の任意の非ヒト抗体(例えば、マウス抗体7G6であり、ここで、7G6は配列番号119の成熟重鎖可変領域、及び配列番号120の成熟軽鎖可変領域によって特徴付けられる)をヒト化する方法を提供する。その方法は、1つ以上のアクセプター抗体を選択する工程、保持するマウス抗体のアミノ酸残基を特定する工程、マウス抗体重鎖のCDRを含むヒト化重鎖をコードする核酸、及びマウス抗体軽鎖のCDRを含むヒト化軽鎖をコードする核酸を合成する工程、及び宿主細胞で核酸を発現させて、ヒト化抗体を生成する工程、を含み得る。
また、抗体(例えば、ヒト化抗体、キメラ抗体、又はベニア化抗体であり、例えば、5G8、6A10、8A4、又は7G6のヒト化、キメラ、又はベニア化型である)の生産方法が提供される。その方法では、細胞が抗体を分泌するように、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする核酸で形質転換された細胞を培養する。その後、細胞培地から抗体を精製し得る。
本明細書に記載の任意の抗体を生産する細胞株は、抗体の重鎖及び軽鎖と選択マーカーとをコードするベクターを細胞に導入する工程、ベクターのコピー数が増加した細胞を選択する条件下で細胞を増殖させる工程、選択した細胞から単一細胞を単離する工程、及び抗体の収率に基づいて選択した単一細胞からクローン化した細胞をバンクする工程、によって生産され得る。
いくつかの細胞は、選択条件下で細胞を増殖させることができ、且つ少なくとも100mg/L/106細胞/24時間を自然に発現及び分泌する細胞株をスクリーニングできる。選択した細胞から、単一細胞を単離できる。次に、単一細胞からクローン化した細胞をバンクできる。抗体の収率などの望ましい特性に基づいて、単一細胞を選択できる。例示的な細胞株は、5G8を発現する細胞株である。
また、本発明は、タウ介在性アミロイドーシスを有する又は発症するリスクのある対象におけるタウの凝集を阻害又は低減する方法であって、本明細書に記載の抗体の有効なレジメを対象に投与し、それにより対象におけるタウの凝集を阻害又は低減する工程を含む、方法を提供する。例示的な抗体は、5G8、6A10、8A4、又は7G6のヒト化型である。
また、対象のタウ関連疾患を治療又は予防する方法であって、本明細書に記載の抗体の有効なレジメを投与し、それにより疾患の治療又は予防を行う工程を含む、方法を提供する。例示的なその疾患は、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上性麻痺(PSP)である。いくつかの方法では、タウ関連疾患は、アルツハイマー病である。いくつかの方法では、患者は、ApoE4キャリアである。
また、タウの異常な伝播を減少させる方法であって、本明細書に記載の抗体の有効なレジメを投与し、それによりタウの伝播を減少させる工程を含む、方法を提供する。
また、タウの食作用を誘発する方法であって、本明細書に記載の抗体の有効なレジメを投与し、それによりタウの食作用を誘発する工程を含む、方法を提供する。
また、本明細書に記載の抗体の有効なレジメを投与し、それによりタウの凝集又は沈着を阻害する工程を含む、タウの凝集又は沈着を抑制する方法を提供する。
また、タウタングルの形成を阻害する方法であって、本明細書に記載の抗体の有効なレジメを投与する工程を含む、方法を提供する。
また、タウの凝集又は沈着に関連する疾患を有するか、又はそのリスクがある対象におけるタウ蛋白質沈着を検出する方法であって、本明細書に記載の抗体を対象に投与する工程、及び対象のタウに結合した抗体を検出する工程を含む、方法を提供する。例示的なその疾患は、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上性麻痺(PSP)である。
一実施形態では、抗体は、対象の体内へ静脈注射により投与される。一実施形態では、抗体は、頭蓋内注射により、又は対象の頭蓋骨に穴を開けることにより、対象の脳に直接投与される。一実施形態では、抗体は、標識されている。一実施形態では、抗体は、蛍光標識、常磁性標識、又は放射性標識で標識されている。一実施形態では、放射性標識は、陽電子放出断層撮影(PET)又は単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)を使用して検出される。
また、本発明は、タウの凝集又は沈着に関連する疾患の治療を受けている対象における治療の有効性を測定する方法であって、本明細書に記載の抗体を対象へ投与する処置の前に、対象中のタウ蛋白質沈着の第1レベルを測定する工程、対象中のタウに結合した抗体の第1量を検出する工程、及び対象に治療を施す工程、抗体を対象へ投与する処置の前に、対象中のタウ蛋白質沈着の第2レベルを測定する工程、及び対象中のタウに結合した抗体を検出する工程、を含み、ここで、タウ蛋白質の沈着レベルの低下は、治療に対するポジティブな応答を示す、方法を提供する。
また、本発明は、タウの凝集又は沈着に関連する疾患の治療を受けている対象における治療の有効性を測定する方法であって、本明細書に記載の抗体を対象へ投与する処置の前に、対象中のタウ蛋白質沈着の第1レベルを測定する工程、及び対象中のタウに結合した抗体の第1量を検出する工程、対象に治療を施す工程、抗体を対象へ投与する処置の後に、対象中のタウ蛋白質沈着の第2レベルを測定する工程、及び対象中のタウに結合した抗体の第2量を検出する工程、を含み、ここで、タウ蛋白質沈着のレベルの変化がない、又はタウ蛋白質沈着のわずかな増加は、治療に対するポジティブな応答を示す、方法を提供する。
一態様では、本発明は、配列番号3の残基199~213からなるペプチドに特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体を提供する。
一態様では、本発明は、配列番号3の残基262~276からなるペプチドに特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体を提供する。
いくつかの抗体は、配列番号3の残基199~213からなるペプチドと、配列番号3の残基262~276からなるペプチドの両方に特異的に結合する。
一態様では、本発明は、配列番号3の199~213内の少なくとも1つの残基を含むエピトープで、配列番号3のポリペプチドに特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体を提供する。
いくつかの抗体は、配列番号3の残基199~213内のエピトープに結合する。
一態様では、本発明は、配列番号3の262~276内の少なくとも1つの残基を含むエピトープで、配列番号3のポリペプチドに特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体を提供する。
いくつかの抗体は、配列番号3の残基262~276内のエピトープに結合する。
いくつかの抗体は、配列番号3の199~213及び262~276の両方からの少なくとも1つの残基を含むエピトープに特異的に結合する。
また、本発明は、対象のタウ関連疾患を治療又は予防する方法であって、抗体5G8が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む免疫原を投与する工程、を含み、ここで、ペプチドは、対象のタウに特異的に結合する抗体の形成を誘導する、方法を提供する。また、本発明は、対象のタウ関連疾患を治療又は予防する方法であって、抗体6A10が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む免疫原を投与する工程、を含み、ここで、ペプチドは、対象のタウに特異的に結合する抗体の形成を誘導する、方法を提供する。また、本発明は、対象のタウ関連疾患を治療又は予防する方法であって、抗体8A4が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む免疫原を投与する工程、を含み、ここで、ペプチドは、対象のタウに特異的に結合する抗体の形成を誘導する、方法を提供する。また、本発明は、対象におけるタウ関連疾患の治療又は予防の方法であって、抗体7G6が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む免疫原を投与する工程、を含み、ここで、ペプチドは、対象のタウに特異的に結合する抗体の形成を誘導する、方法を提供する。また、本発明は、対象のタウ関連疾患の治療又は予防の方法であって、抗体3D6が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む免疫原を投与する工程、を含み、ここで、ペプチドは、対象のタウに特異的に結合する抗体の形成を誘導する、方法を提供する。
いくつかのその方法において、抗体5G8、6A10、8A4、7G6、及び3D6のうちの少なくとも2つは、タウペプチドに特異的に結合する。
いくつかのその方法において、タウペプチドエピトープは、配列番号3の残基199~213又は配列番号3の残基262~276からの4~11個の連続したアミノ酸からなる。いくつかのその方法において、タウペプチドエピトープは、アミノ酸の2つの連続したセグメントからなり、1つのセグメントは配列番号3の残基199~213から、もう1つのセグメントは配列番号3の残基262~276からのものであり、ここで、2つの連続したセグメントは一緒に4~11アミノ酸からなる。
図1A、1B及び1Cは、選択されたマウスモノクローナル抗タウ抗体のELISAスクリーニングアッセイの結果を示す。
図2は、選択されたマウスモノクローナル抗タウ抗体の組換えヒトタウに対する結合動態を示す。
図3は、選択されたマウスモノクローナル抗タウ抗体の機能的ブロッキングアッセイの結果を示す。
図4は、5G8がヒトアルツハイマー病組織からタウを免疫捕捉することを示す実験結果を示す。
図5は、マウス5G8抗体、ヒトアクセプターaDabi-Fab2b-VH、及び5G8抗体のヒト化型(hu5G8_VH-v1、hu5G8_VH-v2、hu5G8_VH-v3、hu5G8_VH-v4、hu5G8_VH-v5、hu5G8_VH-v6、hu5G8_VH-v7、hu5G8_VH-v8)の重鎖可変領域のアライメントを示す。
図6は、マウス5G8抗体、ヒトアクセプターaDabi-Fab2b-VL、及び5G8抗体のヒト化型(hu5G8-VL-v1、hu5G8-VL-v2、hu5G8-VL-v3、hu5G8-VL-v4、hu5G8-VL-v5、及びhu5G8-VL-v6)の軽鎖可変領域のアライメントを示す。
図7は、マウス6A10抗体、ヒトアクセプターACR16112 VH、及び6A10抗体のヒト化型(hu6A10_VH-v1、hu6A10_VH-v2、及びhu6A10_VH-v3)の重鎖可変領域のアラインメントを示す。
図8は、マウス6A10抗体、ヒトアクセプターABC66863 VL、及び6A10抗体のヒト化型(hu6A10VL-v1、hu6A10-VL-v2、及びhu6A10-VL-v3)の軽鎖可変領域のアラインメントを示す。
図9は、マウス8A4抗体、ヒトアクセプターADU57742 VH、及び8A4抗体のヒト化型(hu8A4_VH-v1、hu8A4_VH-v2、及びhu8A4_VH-v3)の重鎖可変領域のアライメントを示す。
図10は、マウス8A4抗体、ヒトアクセプターABA26100 VL、及び8A4抗体のヒト化型(hu8A4-VL-v1、hu8A4-VL-v2、及びhu8A4-VL-v3)の軽鎖可変領域のアライメントを示す。
図11は、マウス7G6抗体、ヒトアクセプター3U0T_VH、及び7G6抗体のヒト化型(hu7G6_VH-v1、及びhu7G6_VH-v2)の重鎖可変領域のアラインメントを示す。
図12は、マウス7G6抗体、ヒトアクセプター3U0T_VL、及び7G6抗体のヒト化型(hu7G6-VL-v1、hu7G6-VL-v2、hu7G6-VL-v3、hu7G6-VL-v4、hu7G6-VL-v5、hu7G6-VL-v6、hu7G6-VL-7、及びhu7G6-VL-8)の軽鎖可変領域のアライメントを示す。
配列表の概要
配列番号1は、ヒトタウのアイソフォームのアミノ酸配列を示す(スイス-プロットP10636-8)。
配列番号2は、ヒトタウのアイソフォームのアミノ酸配列を示す(スイス-プロットP10636-7)。
配列番号3は、ヒトタウのアイソフォームのアミノ酸配列を示す(スイス-プロットP10636-6)、(4R0Nヒトタウ)。
配列番号4は、ヒトタウのアイソフォームのアミノ酸配列を示す(スイス-プロットP10636-5)。
配列番号5は、ヒトタウのアイソフォームのアミノ酸配列を示す(スイス-プロットP10636-4)。
配列番号6は、ヒトタウのアイソフォームのアミノ酸配列を示す(スイス-プロットP10636-2)。
配列番号7は、マウス5G8抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号8は、マウス5G8抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号9は、シグナルペプチドを有するマウス5G8抗体の重鎖可変領域をコードする核酸配列を示す。
配列番号10は、シグナルペプチドを有するマウス5G8抗体の軽鎖可変領域をコードする核酸配列を示す。
配列番号11は、マウス5G8抗体のKabat/Chothia組み合わせCDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号12は、マウス5G8抗体のKabat CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号13は、マウス5G8抗体のKabat CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号14は、マウス5G8抗体のKabat CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号15は、マウス5G8抗体のKabat CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号16は、マウス5G8抗体のKabat CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号17は、マウス5G8抗体のKabat CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号18は、マウス5G8抗体のChothiaCDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号19は、マウス5G8抗体のContact CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号20は、マウス5G8抗体のChothiaCDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号21は、マウス5G8抗体のAbM CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号22は、マウス5G8抗体のContact CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号23は、マウス5G8抗体のContact CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号24は、マウス5G8抗体のContact CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号25は、マウス5G8抗体のContact CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号26は、マウス5G8抗体のContact CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号27は、モデル配列のネズミ抗プリオン抗体3F4重鎖可変領域Acc.# 1CR9_Hのアミノ酸配列を示す。
配列番号28は、アクセプター配列のヒト化抗ダビガトランFab aDabi-Fab2b-VH Acc.# 4YHM_Hのアミノ酸配列を示す。
配列番号29は、ヒト生殖系列配列IGHV1-46 Acc.# P01743.2アミノ酸配列を示す。
配列番号30は、モデル配列のネズミ抗プリオン抗体3F4軽鎖可変領域Acc.# 1CR9_Lのアミノ酸配列を示す。
配列番号31は、ヒトアクセプター配列のヒト化抗ダビガトランFab aDabi-Fab2b-VL Acc.# 4YHM_Lのアミノ酸配列を示す。
配列番号32は、ヒト生殖系列遺伝子IGKV2-29 Acc.#A2NJV5.2のアミノ酸配列を示す。
配列番号33は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VH_1の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号34は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VH_2の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号35は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VH_3の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号36は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VH_4の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号37は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VH_5の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号38は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VH_6の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号39は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VH_7の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号40は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VH_8の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号41は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VL_1の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号42は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VL_2の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号43は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VL_3の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号44は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VL_4の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号45は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VL_5の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号46は、ヒト化5G8抗体hu5G8-VL_6の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号47は、シグナルペプチドを有するマウス5G8抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号48は、シグナルペプチドを有するマウス5G8抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号49は、シグナルペプチドを有するマウス6A10抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号50は、シグナルペプチドを有するマウス6A10マウス抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号51は、シグナルペプチドを有するマウス7G6抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号52は、シグナルペプチドを有するマウス7G6抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号53は、シグナルペプチドを有するマウス8A4抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号54は、シグナルペプチドを有するマウス8A4抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号55は、マウス3D6抗体の成熟重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号56は、マウス3D6抗体のKabat/Chothia組み合わせCDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号57は、マウス3D6抗体のKabat CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号58は、マウス3D6抗体のKabat CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号59は、マウス3D6抗体の成熟軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号60は、マウス3D6抗体のKabat CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号61は、マウス3D6抗体のKabat CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号62は、マウス3D6抗体のKabat CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号63は、マウス6A10抗体の成熟重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号64は、マウス6A10抗体の成熟軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号65は、マウス6A10抗体のKabat/Chothia組み合わせCDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号66は、マウス6A10抗体のKabat CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号67は、マウス6A10抗体のKabat CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号68は、マウス6A10抗体のKabat CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号69は、マウス6A10抗体のKabat CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号70は、マウス6A10抗体のKabat CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号71は、マウス6A10抗体のKabat CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号72は、マウス6A10抗体のChothia CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号73は、マウス6A10抗体のContact CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号74は、マウス6A10抗体のChothia CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号75は、マウス6A10抗体のAbM CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号76は、マウス6A10抗体のContact CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号77は、マウス6A10抗体のContact CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号78は、マウス6A10抗体のContact CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号79は、マウス6A10抗体のContact CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号80は、マウス6A10抗体のContact CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号81は、アクセプター配列のヒト重鎖可変領域、アクセッション番号ACR16112のアミノ酸配列を示す。
配列番号82は、ヒト生殖系列配列IGHV1-2 * 02のアミノ酸配列を示す。
配列番号83は、ヒトアクセプター配列のヒトカッパ軽鎖可変領域、アクセッション番号ABC66863のアミノ酸配列を示す。
配列番号84は、ヒト生殖系列配列IGKV2-30*02のアミノ酸配列を示す。
配列番号85は、ヒト化6A10抗体hu6A10-VH_1の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号86は、ヒト化6A10抗体hu6A10-VH_2の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号87は、ヒト化6A10抗体hu6A10-VH_3の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号88は、ヒト化6A10抗体hu6A10-VL_1の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号89は、ヒト化6A10抗体hu6A10-VL_2の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号90は、ヒト化6A10抗体hu6A10-VL_3の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号91は、マウス8A4抗体の成熟重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号92は、マウス8A4抗体の成熟軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号93は、マウス8A4抗体のKabat/Chothia組み合わせCDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号94は、マウス8A4抗体のKabat CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号95は、マウス8A4抗体のKabat CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号96は、マウス8A4抗体のKabat CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号97は、マウス8A4抗体のKabat CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号98は、マウス8A4抗体のKabat CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号99は、マウス8A4抗体のKabat CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号100は、マウス8A4抗体のChothia CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号101は、マウス8A4抗体のContact CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号102は、マウス8A4抗体のChothia CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号103は、マウス8A4抗体のAbM CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号104は、マウス8A4抗体のContact CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号105は、マウス8A4抗体のContact CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号106は、マウス8A4抗体のContact CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号107は、マウス8A4抗体のContact CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号108は、マウス8A4抗体のContact CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号109は、モデル配列3JAUVHのアミノ酸配列を示す。
配列番号110は、アクセプター配列ヒト重鎖可変領域のアミノ酸配列、アクセッション番号ADU57742を示す。
配列番号111は、モデル配列の3JAUVLのアミノ酸配列を示す。
配列番号112は、ヒトアクセプター配列のヒトカッパ軽鎖可変領域、アクセッション番号ABA26100のアミノ酸配列を示す。
配列番号113は、ヒト化8A4抗体hu8A4-VH_1の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号114は、ヒト化8A4抗体hu8A4-VH_2の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号115は、ヒト化8A4抗体hu8A4-VH_3の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号116は、ヒト化8A4抗体hu8A4-VL_1の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号117は、ヒト化8A4抗体hu8A4-VL_2の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号118は、ヒト化8A4抗体hu8A4-VL_3の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号119は、マウス7G6抗体の成熟重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号120は、マウス7G6抗体の成熟軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号121は、マウス7G6抗体のKabat/Chothia組み合わせCDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号122は、マウス7G6抗体のKabat CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号123は、マウス7G6抗体のKabat CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号124は、マウス7G6抗体のKabat CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号125は、マウス7G6抗体のKabat CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号126は、マウス7G6抗体のKabat CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号127は、マウス7G6抗体のKabat CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号128は、マウス7G6抗体のChothia CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号129は、マウス7G6抗体のContact CDR-H1のアミノ酸配列を示す。
配列番号130は、マウス7G6抗体のChothia CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号131は、マウス7G6抗体のAbM CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号132は、マウス7G6抗体のContact CDR-H2のアミノ酸配列を示す。
配列番号133は、マウス7G6抗体のContact CDR-H3のアミノ酸配列を示す。
配列番号134は、マウス7G6抗体のContact CDR-L1のアミノ酸配列を示す。
配列番号135は、マウス7G6抗体のContact CDR-L2のアミノ酸配列を示す。
配列番号136は、マウス7G6抗体のContact CDR-L3のアミノ酸配列を示す。
配列番号137は、アクセプター配列のヒト重鎖可変領域、アクセッション番号PDB 3U0T_VHのアミノ酸配列を示す。
配列番号138は、ヒトアクセプター配列のヒトカッパ軽鎖可変領域、アクセッション番号PDB 3U0T_VLのアミノ酸配列を示す。
配列番号139は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VH_1の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号140は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VH_2の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号141は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VL_1の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号142は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VL_2の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号143は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VL_3の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号144は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VL_4の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号145は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VL_5の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号146は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VL_6の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号147は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VL_7の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号148は、ヒト化7G6抗体hu7G6-VL_8の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
配列番号149は、ヒト生殖系列配列IGHV1-69-2*01のアミノ酸配列を示す。
定義
モノクローナル抗体又は他の生物学的実体は、典型的には、単離形態で提供される。モノクローナル抗体又は他の生物学的実体は、典型的には、単離された形態で提供される。これは、抗体又は他の生物学的実体が、典型的には、干渉蛋白質及びその製造又は精製から生じる他の混入物から少なくとも50%w/w純粋であることを意味するが、モノクローナル抗体が過剰の薬学上許容できる担体又はその使用を円滑にするように意図される他のビヒクルと合わせられる可能性を排除しない。モノクローナル抗体は、干渉蛋白質及び製造又は精製に由来する混入物から少なくとも60%、70%、80%、90%、95%又は99%純粋であることがある。単離されたモノクローナル抗体又は他の生物学的実体は、精製後に残っている優勢な高分子種であることが多い。
抗体のその標的抗原への特異的な結合は少なくとも106、107、108、109、1010、1011、又は1012M-1の親和性及び/又はアビディティを意味する。特異的な結合は、検出可能なほど大きく、少なくとも1つの無関係な標的に対して生じる非特異的な結合から区別できる。特異的な結合は特定の官能基間又は特定の空間的はめ合わせ(例えば、鍵と鍵穴型)での結合の形成の結果であり得、一方、非特異的な結合は普通、ファンデルワールス力の結果である。しかしながら、特異的な結合は抗体が1つ及び1つのみの標的と結合することを必ずしも意味しない。
基本的な抗体の構造単位はサブユニットのテトラマーである。各テトラマーには、ポリペプチド鎖の2つの同一の対が含まれ、各対は「軽」鎖(約25kDa)1つと「重」鎖(約50~70kDa)1つとを有する。各鎖のアミノ末端部分には抗原認識に主として関与する約100~110以上のアミノ酸の可変領域を含む。この可変領域は最初に発現されて切断可能なシグナルペプチドに連結される。シグナルペプチドのない可変領域は成熟可変領域と呼ばれることがある。従って、例えば、軽鎖成熟可変領域は軽鎖シグナルペプチドのない軽鎖可変領域を意味する。各鎖のカルボキシ末端部分は主としてエフェクター機能に関与する定常領域を規定する。
軽鎖はカッパ又はラムダのいずれかとして分類される。重鎖は、ガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、又はイプシロンとして分類され、それぞれIgG、IgM、IgA、IgD及びIgEとして抗体のアイソタイプを定義する。軽鎖及び重鎖の範囲内で、可変領域と定常領域は約12以上のアミノ酸の「J」領域によって連結され、重鎖には約10以上のアミノ酸の「D」領域も含まれる。一般的にFundamental Immunology, Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y., 1989, Ch. 7(あらゆる目的でその全体が参照によって組み込まれる)を参照。
免疫グロブリンの軽鎖又は重鎖の可変領域(本明細書ではそれぞれ「軽鎖可変ドメイン」(「VLドメイン」)又は「重鎖可変ドメイン」(「VHドメイン」)とも呼ばれる)は、3つの「相補性決定領域」即ち「CDR」によって中断される「フレームワーク」領域からなる。フレームワーク領域は抗原のエピトープへの特異的な結合のためにCDRを配列させるのに役立つ。CDRは、抗原結合に主として関与する抗体のアミノ酸残基を含む。アミノ末端からカルボキシル末端に向かって、VL及びVHのドメインは双方とも以下のフレームワーク領域(FR)とCDR領域:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4を含む。VLドメインのCDR1、2、及び3は本明細書ではそれぞれCDR-L1、CDR-L2、及びCDR-L3とも呼ばれ、VHドメインのCDR1、2、及び3は本明細書ではそれぞれCDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3とも呼ばれる。本出願がC末端残基としてRを有するVL配列を開示する場合、代替的に、Rは軽鎖定常領域のN末端残基であると見なされ得る。従って、本出願は、C末端RなしのVL配列を開示するものとして理解されるべきである。
VL及びVHの各ドメインへのアミノ酸の割り当てはCDRの従来の定義に従う。従来の定義には、Kabatの定義(Kabat, Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1987及び1991)、Chothiaの定義(Chothia & Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917, 1987; Chothia et al., Nature 342:878-883, 1989);CDR-H1がChothiaとKabatのCDRsの組み合わせであるChothia Kabat CDRの組み合わせ;オックスフォードモレキュラー抗体モデル化ソフトウエアで使用されるAbMの定義;及びMartinらのContactの定義(bioinfo.org.uk/abs)(表1参照)が挙げられる。Kabatは、異なる重鎖間又は異なる軽鎖間での対応する残基が同一番号を割り当てられる広く使用されている番号付け様式(Kabatの番号付け)を提供する。抗体がCDRのある特定の定義(例えば、Kabat)によるCDRを含むと言われる場合、その定義は抗体に存在するCDR残基の最少数を特定する(即ち、KabatのCDR)。別の従来のCDRの定義の範囲内に入るが、特定された定義の外側にある他の残基も存在することを排除しない。例えば、Kabatによって定義されるCDRを含む抗体は、数ある可能性の中で、CDRがKabatのCDR残基を含有し、他のCDR残基を含有しない抗体、及びCDR H1がChothia-Kabat組み合わせのCDR H1であり、他のCDRがKabatのCDR残基を含有し、他の定義に基づく追加のCDR残基を含有しない抗体を含む。
用語「抗体」はインタクトな抗体及びその結合断片を含む。典型的には、断片は、別々の重鎖、軽鎖、Fab、Fab'、F(ab')2、F(ab)c、Dabs、ナノボディ、及びFvを含む標的への特異的な結合についてそれが由来するインタクトな抗体と競合する。断片は、組換えDNA法によって、又はインタクトな免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的な分離によって作製できる。また、用語「抗体」は二重特異性抗体及び/又はヒト化抗体も含む。二重特異性又は二機能性抗体は2つの異なる重鎖/軽鎖の対及び2つの異なる結合部位を有する人工のハイブリッド抗体である(例えば、Songsivilai及びLachmann, Clin. Exp. Immunol., 79:315-321 (1990); Kostelny et al., J. Immunol., 148:1547-53 (1992)参照)。一部の二重特異性抗体では、2つの異なる重鎖/軽鎖の対には、ヒト化5G8、6A10、8A4、又は7G6の重鎖/軽鎖の対及び5G8、6A10、8A4、又は7G6によって結合されるものとは異なるタウ上のエピトープに特異的な重鎖/軽鎖の対を含む。
いくつかの二重特異性抗体は、重鎖/軽鎖の対の1つは以下でさらに開示されるようなヒト化された5G8抗体、ヒト化6A10抗体、ヒト化8A4抗体、又はヒト化7G6抗体であり、もう一方の重鎖/軽鎖の対は、脳血管関門で発現されている受容体、例えば、インスリン受容体、インスリン様増殖因子(IGF)受容体、レプチン受容体、又はリポ蛋白質受容体、又はトランスフェリン受容体に結合する抗体に由来する(Friden et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:4771-4775, 1991; Friden et al., Science 259:373-377, 1993)。そのような二重特異性抗体は、受容体が介在するトランスサイトーシスによって脳血管関門を横切って移行できる。二重特異性抗体を操作して脳血管関門の受容体に対する親和性を低下させることによって二重特異性抗体の脳での取り込みをさらに高めることができる。受容体に対する親和性の低下は脳におけるより広い分布を生じた(例えば、Atwal et al., Sci. Trans. Med. 3, 84ra43, 2011; Yu et al., Sci. Trans. Med. 3, 84ra44, 2011参照)。
例示的な二重特異性抗体は、(1)各軽鎖及び重鎖が短いペプチドリンケージを介して縦一列に2つの可変ドメインを含有する二重可変ドメイン抗体(DVD-Ig)(Wu et al., Generation and Characterization of a Dual Variable Domain Immunoglobulin (DVD-Ig(tm)) Molecule, In: Antibody Engineering, Springer Berlin Heidelberg (2010));(2)各標的抗原に対して2つの結合部位を有する四価二重特異性抗体を生じる2つの単鎖ダイアボディの融合体であるTandab;(3)多価分子を生じるダイアボディとのscFvの組み合わせであるフレキシボディ;(4)Fabに適用すると、異なるFab断片に連結された2つの同一のFab断片からなる三価二重特異性結合蛋白質を生じることができる、蛋白質キナーゼAにおける「ダイマー化とドッキングドメイン」に基づいたいわゆる「ドックアンドロック」分子;又は(5)例えば、ヒトFc領域の両末端に融合した2つのscFvを含む、いわゆるスコーピオン分子であることもできる。二重特異性抗体を調製するのに有用なプラットフォームの例としては、BiTE(Micromet)、DART(MacroGenics)、Fcab及びMab2(F-star)、Fcを操作したIgGl(Xencor)又はDuoBody(Fabアームの交換に基づく、Genmab)が挙げられる。
用語「エピトープ」は抗体が結合する抗原上の部位を指す。エピトープは、連続するアミノ酸から、又は1以上の蛋白質の三次元フォールディングによって並置される不連続アミノ酸から形成されことができる。連続するアミノ酸から形成されるエピトープ(リニアエピトープとしても知られる)は典型的には、変性溶媒への曝露で保持されるのに対して三次元フォールディングによって形成されるエピトープ(立体エピトープとしても知られる)は典型的には、変性溶媒による処理の際に失われる。エピトープは通常その独特の空間立体構造において少なくとも3、さらに普通は、少なくとも5、又は8~10のアミノ酸を含む。エピトープの空間立体構造を決定する方法には、例えば、X線結晶解析及び二次元核磁気共鳴が挙げられる。例えば、Epitope Mapping Protocols, in Methods in Molecular Biology, Vol. 66, Glenn E. Morris, Ed. (1996)を参照。
同じエピトープ又は重複するエピトープを認識する抗体は、一方の抗体の標的抗原への別の抗体の結合と競合する能力を示す単純な免疫アッセイにて特定できる。また、抗体のエピトープは、接触残基を特定する抗原に結合した抗体のX線結晶解析によっても特定できる。あるいは、一方の抗体の結合を減らす又は排除する抗原におけるアミノ酸変異のすべてが他方の結合を減らす又は排除するならば、2つの抗体は同一のエピトープを有する。一方の抗体の結合を減らす又は排除するアミノ酸変異のいくつかが他方の結合を減らす又は排除するならば、2つの抗体は重複するエピトープを有する。
抗体間の競合は、試験下の抗体が共通抗原への参照抗体の特異的な結合を阻害するアッセイによって測定される(例えば、Junghans et al., Cancer Res. 50:1495, 1990参照)。過剰の試験抗体(例えば、少なくとも2x、5x、10x、20x、又は100x)が競合結合アッセイで測定される時に少なくとも50%参照抗体の結合を阻害するならば、試験抗体は参照抗体と競合する。一部の試験抗体は少なくとも75%、90%又は99%参照抗体の結合を阻害する。競合アッセイによって特定される抗体(競合抗体)には、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体及び参照抗体が結合するエピトープと立体障害が生じるほど十分に近接した隣接エピトープに結合する抗体が挙げられる。
用語「薬学的に許容される」は、担体、希釈剤、賦形剤又は補助剤が製剤の他の成分と相溶性であり、その受入者に対して実質的に有害ではないことを意味する。
用語「患者」は、予防処置又は治療処置のいずれかを受けるヒト及び他の哺乳類対象を含む。
対象が、リスク因子(例えば、遺伝的、生化学的、家族歴、及び状況曝露)を有する個体を、そのリスク因子のない個体よりも疾患を発症する統計的に有意に高いリスクにさらす少なくとも1つの既知のリスク因子を有していれば、その個体は疾患の大きなリスクがある。
用語「生体サンプル」は、生体供給源、例えば、ヒト又は哺乳類対象の中にある、又はそれから入手できる生体物質のサンプルを指す。そのようなサンプルは、臓器、細胞小器官、組織、組織の切片、体液、末梢血、血漿、血清、細胞、例えば、蛋白質及びペプチドのような分子、及びそれらに由来する部分又は組み合わせであることができる。用語、生体サンプルはサンプルを処理することによって生成されるいずれの物質も包含できる。生成される物質には細胞又はその子孫を挙げることができる。生体サンプルの処理には、濾過、蒸留、抽出、濃縮、固定、干渉する成分の不活化等の1以上が関与してもよい。
用語「コントロールサンプル」は、タウ関連疾患に冒された領域を含むことが知られていないもしくは疑われていない、又は少なくとも特定のタイプの疾患領域を含むことが知られていないか疑われていない、生体サンプルを指す。コントロールサンプルはタウ関連疾患に冒されていない個体から得ることができる。或いは、コントロールサンプルはタウ関連疾患を患っている患者から得ることができる。そのようなサンプルは、タウ関連疾患を含むと考えられる生体サンプルと同時に又は異なる機会に得ることができる。生体サンプル及びコントロールサンプルは双方とも同じ組織から得ることができる。好ましくは、コントロールサンプルは、正常で健常な領域から本質的に又は全体的に成り、タウ関連疾患に冒された領域を含むと考えられる生体サンプルとの比較で使用できる。好ましくは、コントロールサンプルの組織は、生体サンプルの組織と同じタイプである。好ましくは、生体サンプル内にあると考えられるタウ関連疾患に冒された細胞は、コントロールサンプル内の細胞のタイプと同じ細胞タイプ(例えば、ニューロン又はグリア)から生じる。
用語「疾患」は、生理的な機能を損傷するいずれかの異常な状態を指す。この用語は、病因の性質にかかわらず、生理的な機能が損傷されるいずれかの障害、不健康、異常、病理、病気、病状又は症候群を包含するのに広く使用される。
用語「症状」は対象によって認識されるような変化した足取りのような疾患の自覚的証拠を指す。「兆候」は医師によって観察されるような疾患の客観的な証拠を指す。
用語「処置に対するポジティブな応答」は、処置を受けていないコントロール集団の平均反応と比較した、個々の患者のより好ましい反応又は患者集団の平均反応を指す。
アミノ酸置換を保存的又は非保存的に分類する目的で、アミノ酸は以下:第I群(疎水性側鎖):met、ala、val、leu、ile;第II群(中性の親水性側鎖):cys、ser、thr;第III群(酸性側鎖):asp、glu;第IV群(塩基性側鎖):asn、gln、his、lys、arg;第V群(鎖の配向に影響を与える残基):gly、pro;及び第VI群(芳香族側鎖):trp、tyr、pheのようにグループ分けされる。保存的な置換には同じクラス内のアミノ酸間の置換が関与する。非保存的な置換はこれらクラスの1つのメンバーを別のクラスのメンバーに交換することを構成する。
配列同一性の比率はKabat番号付け様式によって最大限整列された抗体の配列によって決定される。配列比較の後、被験抗体の領域(例えば、重鎖又は軽鎖の成熟可変領域全体)が参照抗体の同じ領域と比較されているのであれば、被験抗体の領域と参照抗体の領域との間での配列同一性の比率は、被験抗体の領域と参照抗体の領域双方で同一アミノ酸が配置される位置の数をその2つの領域の並べた位置の総数で割り、ギャップをカウントに入れずに、比率に変換するために100を乗じたものである。
1以上の引用されたエレメントを「含む(comprising)」又は「含む(including)」組成物又は方法は具体的に引用されない他のエレメントを含んでもよい。例えば、抗体を「含む(comprises)」又は「含む(includes)」組成物は単独で又は他の成分との組み合わせで抗体を含有してもよい。
値の範囲の指定にはその範囲の中での又はその範囲を定義する整数すべて及びその範囲の中での整数によって定義される副範囲すべてを包含する。
文脈から別段明らかではない限り、用語「約」は、例えば、言及される値の測定の標準誤差(例えば、SEM)の範囲内の値のようなごくわずかな変動を包含する。
統計的な有意性はp≦0.05を意味する。
冠詞の単数形態、「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段明瞭に指示しない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「a compound(化合物)」又は「at least one compound(少なくとも1つの化合物)」は、その混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
詳細な説明
I.一般
本発明は、タウに特異的に結合する抗体を提供する。本発明の抗体のいくつかの例示的な結合特異性は、配列番号3の残基199~213からなるペプチドもしくは残基262~276からなるペプチド(配列番号1の残基257~271又は320~334にそれぞれ対応)、又は両方のペプチドへの特異的結合によって特徴付けられる。本発明の例示的な抗体は、5G8、6A10、8A4、及び7G6である。いくつかの抗体は、配列番号3の残基199~213の少なくとも1つの残基もしくは残基262~276の少なくとも1つの残基、又はその両方を含むエピトープに結合する。いくつかの抗体は、エピトープの全ての残基が配列番号3の残基119~213もしくは残基262~276又はその両方の中にあるエピトープに結合する。いくつかの抗体は、配列番号3の残基199~213及び262~276の両方内のアミノ酸から形成されたエピトープに結合する。いくつかの抗体は、配列番号3の残基199~213内又は又は配列番号3の残基262~276のエピトープと結合する。いくつかの抗体は、リン酸化状態に関係なくタウに結合する。いくつかの抗体は、タウ関連の病状及び関連する症状の悪化を抑制又は遅延させる。本発明の実施にメカニズムの理解は必要ではないが、メカニズムの中でも、抗体がタウの食作用を誘発する、タウを分子間もしくは分子内凝集から又は他の分子への結合から阻害する結果として、非毒性の立体構造を安定させることにより、病原性タウ型の細胞間又は細胞内伝達を阻害することにより、タウのリン酸化の遮断により、タウの細胞への結合を防ぐことにより、又はタウの蛋白質分解的切断を誘導することにより、毒性の減少が起こり得る。本発明の抗体又はそのような抗体を誘導する薬剤は、アルツハイマー病及びタウに関連する他の疾患の処置又は予防方法に使用できる。
II. 標的分子
文脈から別義が明らかな場合を除き、タウへの言及は、翻訳後修飾(例えば、リン酸化、糖化、又はアセチル化)が存在するか否かにかかわらず、全てのアイソフォームを含む天然のヒト型タウを意味する。ヒトの脳にはタウの6つの主要なアイソフォーム(スプライスバリアント)が生じる。これらの変異型の最長のものは、最初のメチオニン残基が切断された441個のアミノ酸を有する。残基は、441アイソフォームに従って番号が付けられている。従って、例えば、位置404でのリン酸化への言及は、441アイソフォームの位置404、又は441アイソフォームと最大限整列させた場合には任意の他のアイソフォームの対応する位置を意味する。アイソフォームのアミノ酸配列及びスイスプロット番号を以下に示す。






タウへの言及は、スイスプロットデータベース及びその順列に列挙されている約30個の既知の天然の多様性、並びに認知症、ピック病、核上性麻痺などのタウ病理と関連する変異を含む(例えば、スイスプロットデータベース及びSwiss-Prot database and Poorkaj, et al. Ann Neurol. 43:815-825 (1998)参照)。441アイソフォームにより番号付けされたタウ変異のいくつかの例としては、アミノ酸残基257におけるリシンからスレオニンへの変異(K257T)、アミノ酸位置260におけるイソロイシンからバリンへの変異(I260V)、アミノ酸位置272におけるグリシンからバリンへの変異(G272V)、アミノ酸位置279におけるアスパラギンからリシンへの変異(N279K)、アミノ酸位置296におけるアスパラギンからヒスチジンへの変異(N296H)、アミノ酸位置301におけるプロリンからセリンへの変異(P301S)、アミノ酸301におけるプロリンからロイシンへの変異(P301L)、アミノ酸位置303におけるグリシンからバリンへの変異(G303V)、位置305におけるセリンからアスパラギンへの変異(S305N)、アミノ酸位置335におけるグリシンからセリンへの変異(G335S)、位置337におけるバリンからメチオニンへの変異(V337M)、位置342におけるグルタミン酸からバリンへの変異(E342V)、アミノ酸位置369におけるリシンからイソロイシンへの変異(K3691)、アミノ酸位置389におけるグリシンからアルギニンへの変異(G389R)、位置406におけるアルギニンからトリプトファンへの変異(R406W)が挙げられる。
タウは、アミノ酸位置18、29、97、310、及び394におけるチロシン、アミノ酸位置184、185、198、199、202、208、214、235、237、238、262、293、324、356、396、400、404、409、412、413、及び422におけるセリン、並びにアミノ酸位置175、181、205、212、217、231、及び403におけるスレオニンを含む1つ以上のアミノ酸残基がリン酸化され得る。
文脈から別義が明らかでない限り、タウ又はそれらのフラグメントへの言及は、そのアイソフォーム、変異体、及びアレルバリアントを含む天然のヒトアミノ酸配列を含む。
III. 抗体
A. 結合特異性及び機能特性
本発明は、タウに結合する抗体を提供する。いくつかの抗体はリン酸化状態に関係なくタウに結合する。いくつかの抗体は、リン酸化を受ける残基を含まないエピトープに結合する。これらの抗体は、天然源から精製するか又は組換え発現させたタウポリペプチドで免疫することにより取得できる。抗体は、非リン酸化型のタウ、及びリン酸化を受けやすい1つもしくは複数の残基がリン酸化された形態のタウへの結合に関してスクリーニングできる。このような抗体は、好ましくは、非リン酸化タウと比較して、区別できない親和性で結合するか、又はリン酸化タウに少なくとも1.5倍、2倍又は3倍の係数の範囲内で結合する(即ち、「パンスペシフィックである」)。5G8、6A10、8A4、及び7G6は、パンスペシフィックモノクローナル抗体の一例である。本発明はまた、例えば、5G8、6A10、8A4、又は7G6のエピトープと同じ又はオーバーラップするエピトープに結合する抗体を提供する。また、例えば、タウへの結合に関して5G8、6A10、8A4、又は7G6と競合する抗体も含まれる。
上記の抗体は、全長タウポリペプチド又はそのペプチド断片で免疫することにより、新たに生成できる。このようなペプチドは、好ましくは、ペプチドに対する抗体応答の誘発を促進する異種コンジュゲート分子に結合される。結合は、直接的に、又はスペーサーペプチドもしくはスペーサーアミノ酸を介して行うことができる。遊離SH基がキャリア分子の結合を促進するため、システインが、スペーサーアミノ酸として使用される。グリシンとペプチドとの間のシステイン残基の有無に関わらず、ポリグリシンリンカー(例えば、2~6グリシン)も使用できる。キャリア分子は、ペプチドに対する抗体応答の誘発を促進するT細胞エピトープを提供する役割をする。いくつかのキャリアは、特に、よく使用されるキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、卵白アルブミン及びウシ血清アルブミン(BSA)である。ペプチドスペーサーは、固相ペプチド合成の一部として、ペプチド免疫原に付加できる。キャリアは典型的には、化学的架橋によって付加される。使用できる化学架橋剤のいくつかの例としては、クロス-N-マレイミド-6-アミノカプロイルエステル又はm-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)が挙げられる(例えば、Harlow, E. et al., Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. 1988; Sinigaglia et al., Nature, 336:778-780 (1988); Chicz et al., J. Exp. Med., 178:27-47 (1993); Hammer et al., Cell 74:197-203 (1993); Falk K. et al., Immunogenetics, 39:230-242 (1994); WO 98/23635; 及び, Southwood et al. J. Immunology, 160:3363-3373 (1998)参照)。キャリア及びスペーサーが存在する場合は、免疫原の両端に結合させることができる。
任意のスペーサー及びキャリアを有するペプチドを用いて、以下により詳細に記載するように、実験動物又はB細胞を免疫できる。ハイブリドーマ上清を、例えば、リン酸化型で位置404を有するタウの完全長アイソフォームなどのタウのリン酸化型及び非リン酸化型に結合する能力に関して試験し得る。ペプチドは、スクリーニングアッセイを容易にするために、キャリア又は他のタグに結合させることができる。この場合には、タウペプチドよりもむしろスペーサー又はキャリアに特異的な抗体を除去するために、キャリア又はタグは、免疫化のために使用されるスペーサー及びキャリア分子の組み合わせより高い優先性を持たせるように差異を付けている。任意のタウのアイソフォームを使用できる。
本発明は、タウへ内のエピトープに結合するモノクローナル抗体を提供する。5G8と呼称される抗体は、1つのこのような例示的マウス抗体である。文脈から別義が明らかでない限り、5G8への言及は、この抗体の、マウス、キメラ、ベニア化及びヒト化型のいずれかに言及していると理解されるべきである。この抗体は、[受託番号]として寄託されている。この抗体は、リン酸化タウ及び非リン酸化タウの両方、タウの非病理学的及び病理学的形態及び立体構造の両方、並びにタウのミスフォールディング/凝集形態に結合する能力によって特徴付けられる。
タウへの結合に関して5G8と競合する、及び/又は5G8と同じ又はオーバーラッピングエピトープに結合するさらなる抗体は、6A10、8A4、7G6、及び3D6として単離され、同じ名前のハイブリドーマから生産されている。6A10は、それぞれ配列番号49及び配列番号50により特徴付けられる可変重及び軽領域を有し、それはマウスアイソタイプIgG1/カッパである。6A10は、それぞれ配列番号63及び配列番号64によって特徴付けられる成熟可変重及び軽領域(シグナルペプチドの切断後)を有する。文脈からそうでないことが明らかでない限り、6A10への言及は、この抗体のマウス、キメラ、ベニア化、及びヒト化形態のいずれかを指すと理解されるべきである。6A10は[寄託番号]として寄託されている。6A10はさらに、リン酸化タウ並びに非リン酸化タウの両方、タウの非病理学的並びに病理学的形態の両方及び立体構造、及びタウのミスフォールディング/凝集形態に結合する能力によって特徴付けられる。
7G6は、それぞれ配列番号51及び配列番号52により特徴付けられる可変重及び軽領域を有し、それはマウスアイソタイプIgG2b/カッパである。7G6は、それぞれ配列番号119及び配列番号120によって特徴付けられる成熟可変重及び軽領域(シグナルペプチドの切断後)を有する。文脈からそうでないことが明らかでない限り、7G6への言及は、この抗体のマウス、キメラ、ベニア化、及びヒト化形態のいずれかを指すと理解されるべきである。7G6は[寄託番号]として寄託されている。7G6はさらに、リン酸化タウ及び非リン酸化タウの両方、タウの非病理学的及び病理学的形態及び立体構造の両方、並びにタウのミスフォールディング/凝集形態に結合する能力によって特徴付けられる。
8A4は、それぞれ配列番号53及び配列番号54により特徴付けられる可変重及び軽領域を有し、それはマウスアイソタイプIgG1/カッパである。8A4は、それぞれ配列番号91及び配列番号92によって特徴付けられる成熟可変重及び軽領域(シグナルペプチドの切断後)を有する。文脈からそうでないことが明らかでない限り、8A4への言及は、この抗体のマウス、キメラ、ベニア化、及びヒト化形態のいずれかを指すと理解されるべきである。8A4は[寄託番号]として寄託されている。8A4はさらに、リン酸化タウ及び非リン酸化タウの両方、タウの非病理学的及び病理学的形態及び立体構造の両方、並びにタウのミスフォールディング/凝集形態に結合する能力によって特徴付けられる。
3D6は、それぞれ配列番号55及び配列番号59により特徴付けられる可変重及び軽領域を有し、それはマウスアイソタイプIgG1/カッパである。3D6の場合、3つの重鎖CDRはKabat/Chothia組み合わせ(配列番号56、57、及び58)によって定義され、3つの軽鎖CDRはKabat(配列番号60、61、及び62)によって定義される。3D6及びそのヒト化バリアントについては、PCT/IB2017/052544が参照され、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。文脈からそうでないことが明らかでない限り、3D6への言及は、この抗体のマウス、キメラ、ベニア化、及びヒト化形態のいずれかを指すと理解されるべきである。3D6は[寄託番号]として寄託されている。3D6はさらに、リン酸化タウ及び非リン酸化タウの両方、タウの非病理学的及び病理学的形態及び立体構造の両方、並びにタウのミスフォールディング/凝集形態に結合する能力によって特徴付けられる。
任意に、本発明の抗体は、PCT/IB2017/052544に開示されている6A10抗体を含まない。任意に、本発明の抗体は8A4抗体を含まない。任意に、本発明の抗体は7G6抗体を含まない。任意に、本発明の抗体は、PCT/IB2017/052544に開示されている3D6抗体を含まない。
本発明のいくつかの抗体は、5G8、6A10、8A4、7G6、又は3D6と呼称される抗体と、同じ又はオーバーラッピングエピトープに結合する。5G8の重鎖及び軽鎖成熟可変領域の配列は、それぞれ配列番号7及び8に示されている。6A10の重鎖及び軽鎖成熟可変領域の配列は、それぞれ配列番号63及び64に示されている。8A4の重鎖及び軽鎖成熟可変領域の配列は、それぞれ配列番号91及び92に示されている。7G6の重鎖及び軽鎖成熟可変領域の配列は、それぞれ配列番号119及び120に示されている。3D6の重鎖及び軽鎖成熟可変領域の配列は、それぞれ配列番号55及び59に示されている。このような結合特異性を有する他の抗体は、タウ又は所望のエピトープを含むその一部でマウスを免疫する工程、及びタウへの結合に関して任意にマウス5G8、6A10、8A4、7G6、又は3D6(IgG1カッパ)の可変領域を有する抗体と競合する得られた抗体をスクリーニングする工程により生産できる。目的のエピトープを含むタウのフラグメントは、そのフラグメントに対する抗体応答の誘発を推進するキャリアに結合でき、又はこのような応答の誘発を推進するアジュバントと組み合わせることができる。このような抗体は、指定残基の変異体と比較して、タウ又はそのフラグメントに対する異なる結合に関しスクリーニングできる。このような変異体に対するスクリーニングは、結合が特定の残基の変異誘導により阻害される抗体の特定を可能とする結合特異性をさらに正確に決定し、これにより、他の例示された抗体の機能特性を共有していてもよい。変異は、アラニン(又はアラニンが既に存在している場合には、セリン)での、一度に1つ、又はもっと広い間隔で、エピトープが存在することが既知の標的全体又はその一区分をくまなく、系統的置換とすることができる。同じセットの変異が2つの抗体の結合を著しく低下させる場合は、2つの抗体は、同じエピトープに結合する。
選択されたネズミ抗体(例えば、5G8、6A10、8A4、7G6、又は3D6)の結合特異性を有する抗体はまた、ファージディスプレイ法の変形型を用いて生産できる。Winter, WO 92/20791を参照。この方法は、ヒト抗体を生産するのに特に適している。この方法では、選択されたネズミ抗体の重鎖又は軽鎖可変領域のいずれかが出発材料として使用される。例えば、軽鎖可変領域を出発物質として選択した場合、ファージライブラリーは、メンバーが同じ軽鎖可変領域(即ち、ネズミ出発物質)及び異なる重鎖可変領域を提示するように構成されている。重鎖可変領域は、例えば、再配列ヒト重鎖可変領域のライブラリーから得ることができる。タウ又はそのフラグメントに強い特異的結合を示すファージ(例えば、少なくとも108及び好ましくは少なくとも109M-1)が選択される。その後、このファージ由来の重鎖可変領域は、さらなるファージライブラリーを構築するための出発物質として役立つ。このライブラリーでは、各ファージは、同じ重鎖可変領域(即ち、第1のディスプレイライブラリーから特定された領域)及び異なる軽鎖可変領域を提示する。軽鎖可変領域は、例えば、再配列ヒト可変軽鎖領域のライブラリーから取得できる。ここでも、タウ又はそのフラグメントに対して強力な特異的結合を示すファージが選択される。得られた抗体は、典型的には、ネズミ出発物質と同一又は類似のエピトープ特異性を有する。
5G8の重鎖のKabat/Chothia組み合わせCDRは、配列番号11、12、及び13にそれぞれ示されており、また、5G8の軽鎖のKabatCDRは、それぞれ配列番号14、15、及び16に示されている。
表2は、Kabat、Chothia、ChothiaとKabatの組み合わせ(これは、本明細書では、「Kabat/Chothia組み合わせ」とも呼ばれる)、AbM、及びContactにより定義される5G8 CDRを示す。
6A10の重鎖のKabat/Chothia組み合わせCDRはそれぞれ配列番号65~67と呼ばれ、6A10の軽鎖のKabat CDRはそれぞれ配列番号68~70と呼ばれる。
表3は、Kabat、Chothia、ChothiaとKabatの組み合わせ(本明細書では「Kabat/Chothia組み合わせ」とも呼ばれる)、AbM、及びContactで定義される6A10 CDRを示す。
8A4の重鎖のKabat/Chothia組み合わせCDRはそれぞれ配列番号93~95と呼ばれ、8A4の軽鎖のKabat CDRはそれぞれ配列番号96~98と呼ばれる。
表4は、Kabat、Chothia、ChothiaとKabatの組み合わせ(本明細書では「Kabat/Chothia組み合わせ」とも呼ばれる)、AbM、及びContactで定義される8A4 CDRを示す。
7G6の重鎖のKabat/Chothia組み合わせCDRはそれぞれ配列番号121~123と呼ばれ、7G6の軽鎖のKabat CDRはそれぞれ配列番号124~126と呼ばれる。
表5は、Kabat、Chothia、ChothiaとKabatの組み合わせ(本明細書では「Kabat/Chothia組み合わせ」とも呼ばれる)、AbM、及びContactによって定義される7G6 CDRを示す。
他の抗体は、5G8、6A10、8A4、7G6、又は3D6などの例示的な抗体の重鎖及び軽鎖をコードするcDNAの変異誘導によって取得できる。成熟重鎖及び/又は軽鎖可変領域のアミノ酸配列において5G8、6A10、8A4、又は7G6と少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であり、その機能特性を保持するモノクローナル抗体、及び/又は少数の機能的に重要でないアミノ酸置換(例えば、保存的置換)、欠失、もしくは挿入によってそれぞれの抗体とは異なるモノクローナル抗体も本発明に含まれる。Kabatによって定義されるような、5G8、6A10、8A4、又は7G6の対応するCDRと90%、95%、99%又は100%同一であるいずれか従来の定義、好ましくはKabatの定義による少なくとも1つ、又は全6つのCDRを有するモノクローナル抗体も含まれる。
本発明はまた、完全に又は実質的に5G8、6A10、8A4、又は7G6に由来するいくつかの又は全ての(例えば、3、4、5、及び6つの)CDRを有する抗体も提供する。このような抗体には、完全に又は実質的に5G8、6A10、8A4、又は7G6の重鎖可変領域に由来する、少なくとも2つの、及び通常3つ全てのCDRを有する重鎖可変領域及び/又は完全に又は実質的に5G8、6A10、8A4、又は7G6の軽鎖可変領域に由来する、少なくとも2つの、及び通常3つ全てのCDRを有する軽鎖可変領域を含めることができる。抗体は、重鎖及び軽鎖の両方を含むことができる。CDRは、4、3、2、又は1以下の置換、挿入、又は欠失を含む場合、CDR-H2(Kabatにより定義される場合)が6、5、4、3、2、又は1以下の置換、挿入、又は欠失を有することができることを除いて、実質的に、対応する5G8、6A10、8A4、又は7G6CDR由来である。このような抗体は、成熟重鎖及び/又は軽鎖可変領域のアミノ酸配列で5G8、6A10、8A4、又は7G6と少なくとも70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一性を有し、その機能特性を保持し得、及び/又は少数の機能的に重要でないアミノ酸置換(例えば、保存的置換)、欠失、もしくは挿入によって5G8の抗体とは異なり得る。
このようなアッセイにより特定されたいくつかの抗体は、モノマーの、ミスフォールディングした、凝集した、リン酸化した、又は非リン酸化形態のタウ等に結合できる。同様に、いくつかの抗体は、タウの非病理学的及び病理学的形態及び立体構造に対し免疫反応性である。
B. 非ヒト抗体
その他の非ヒト抗体、例えば、ネズミ、モルモット、霊長類、ウサギ又はラットのタウ又はそのフラグメントに対する抗体の生産は、例えば、動物をタウ又はそのフラグメントで免役することによって実現できる。Harlow & Lane, Antibodies, A Laboratory Manual (CSHP NY, 1988)(全ての目的のために参照により組み込まれる)を参照。このような免疫原は、ペプチド合成又は組換え発現によって、天然源から取得できる。任意に、キャリア蛋白質と融合又は別複合化して投与できる。任意に、免疫原はアジュバントと共に投与できる。アジュバントのいくつかの種類は、以下に記載されるように使用できる。完全フロイントアジュバントと、それに続く不完全アジュバントは、実験動物の免疫化に好ましい。ウサギ又はモルモットが典型的には、ポリクローナル抗体を作製するために使用される。マウスは、典型的には、モノクローナル抗体を作製するために使用される。抗体は、タウ又はタウ内のエピトープへの特異的結合により、スクリーニングされる。このようなスクリーニングは、タウバリアントのコレクションへの抗体の結合を測定し、どの欠失バリアントが抗体に結合するかを測定することによって達成できる。結合は、例えば、ウェスタンブロット、FACS又はELISAにより評価できる。
C. ヒト化抗体
ヒト化抗体は遺伝子改変された抗体であり、非ヒト「ドナー」抗体由来のCDRがヒト「アクセプター」抗体配列にグラフティングされている(例えば、Queen, US 5,530,101及び5,585,089; Winter, US 5,225,539; Carter, US 6,407,213; Adair, US 5,859,205; 及びFoote, US 6,881,557参照)。アクセプター抗体の配列は、例えば、成熟ヒト抗体配列、そのような配列の組み合わせ、ヒト抗体配列のコンセンサス配列、又は生殖系列領域の配列であり得る。従って、ヒト化抗体は、完全にもしくは実質的にドナー抗体由来の少なくとも3つ、4つ、5つ又は全てのCDR、並びに可変領域フレームワーク配列及び存在する場合には、完全にもしくは実質的にヒト抗体配列に由来する定常領域を有する抗体である。同様に、ヒト化重鎖は、完全にもしくは実質的にドナー抗体重鎖由来の少なくとも1つ、2つ、通常は全3つCDR、存在する場合には、実質的にヒト重鎖可変領域フレームワーク及び定常領域配列由来の重鎖可変領域フレームワーク配列及び重鎖定常領域を有する。同様に、ヒト化軽鎖は、完全にもしくは実質的にドナー抗体軽鎖由来の少なくとも1つ、2つ、通常は全3つCDR、存在する場合には、実質的にヒト軽鎖可変領域フレームワーク及び定常領域配列由来の軽鎖可変領域フレームワーク配列及び軽鎖定常領域を有する。ナノボディ及びdAb以外では、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖及びヒト化軽鎖を含む。ヒト化抗体中のCDRは、対応する残基(いずれかの従来の方式により定義されるが好ましくは、Kabatにより定義される)の少なくとも85%、90%、95%、又は100%がそれぞれのCDR間で同一である場合に、実質的に非ヒト抗体中の対応するCDRに由来する。抗体鎖の可変領域フレームワーク配列又は抗体鎖の定常領域は、Kabatによって定義される対応する残基の少なくとも85%、90%、95%又は100%が同一である場合に、それぞれ実質的にヒト可変領域フレームワーク配列又はヒト定常領域に由来する。2014年世界保健機関(WHO)ヒト化抗体の国際一般的名称(INN)定義に従いヒト化として分類されるためには、ヒト生殖系列抗体配列と(即ち、体細胞超変異の前に)少なくとも85%の同一性がなければならない。混合抗体は、1つの抗体鎖(例えば、重鎖)が閾値を満たし、残りの鎖(例えば、軽鎖)が閾値を満たさない抗体である。いずれの鎖も閾値を満たさない場合には、たとえ、両方の鎖の可変フレームワーク領域がいくつかの復帰変異を有する実質的にヒトであるとしても、抗体はキメラとして分類される。Jones et al. (2016) The INNs及びouts of antibody nonproprietary names, mAbs 8:1, 1-9, DOI: 10.1080/19420862.2015.1114320を参照。また、"WHO-INN: International nonproprietary names (INN) for biological及びbiotechnological substances (a review)" (Internet) 2014を参照。http://www. who.int/medicines/services/inn/BioRev2014.pdf)から入手可能である(参照により本明細書に組み込まれる)。誤解を避けるために記すと、本明細書で使用される用語の「ヒト化」は、2014 WHO INNヒト化抗体の定義に限定されることを意図していない。本明細書で提供されるいくつかのヒト化抗体は、ヒト生殖系列配列に少なくとも85%の配列同一性を有し、また、本明細書で提供されるいくつかのヒト化抗体は、ヒト生殖系列配列に対し85%未満の配列同一性を有する。本明細書で提供されるヒト化抗体のいくつかの重鎖は、ヒト生殖細胞系列配列に対し約60%~100%の配列同一性、例えば、約60%~69%、70%~79%、80%~84%、又は85%~89%の範囲などの配列同一性を有する。いくつかの重鎖は2014 WHO INN定義を下回り、例えば、ヒト生殖細胞系列配列に対し、約64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、又は82%、83%又は84%の配列同一性を有し、一方、他の重鎖は2014 WHO INN定義に適合し、ヒト生殖細胞系列配列に対し、約85%、86%、87%、88%、89%又はそれを超える配列同一性を有する。本明細書で提供されるヒト化抗体のいくつかの軽鎖は、ヒト生殖細胞系列配列に対し約60%~100%の配列同一性、例えば、80%~84%、又は85%~89%の範囲などの配列同一性を有する。いくつかの軽鎖は2014 WHO INN定義を下回り、例えば、ヒト生殖細胞系列配列に対し、約81%、82%、83%、又は84%の配列同一性を有し、一方、他の軽鎖は2014 WHO INN定義に適合し、ヒト生殖細胞系列配列に対し、約85%、86%、87%、88%、89%又はそれを超える配列同一性を有する。本明細書で提供される、2014 WHO INN定義により「キメラ」であるいくつかのヒト化抗体は、ヒト生殖細胞系列配列に対して85%未満の同一性を有する重鎖と、ヒト生殖細胞系列配列に対して85%未満の同一性を有する軽鎖との対を有する。例えば、ヒト生殖細胞系列配列に対して少なくとも85%の同一性を有する重鎖と、ヒト生殖細胞系列配列に対して85%未満の同一性を有する軽鎖との対を有する本明細書で提供されるいくつかのヒト化抗体は、2014 WHO INN定義により「混合」であり、又はその逆も「混合」である。本明細書で提供されるいくつかのヒト化抗体は、2014 WHO INNの「ヒト化」の定義に適合し、ヒト生殖細胞系列配列に対して少なくとも85%の同一性を有する重鎖と、ヒト生殖細胞系列配列に対して少なくとも85%の同一性を有する軽鎖との対を有する。「ヒト化」の2014 WHO INN定義を満たす例示的な5G8抗体は、配列番号39のアミノ酸配列を有する成熟重鎖と、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号45、又は配列番号46のアミノ酸配列を有する成熟軽鎖配列との対を有する抗体を含む。本発明のさらなるヒト化5G8抗体は、配列番号33~40のいずれかのアミノ酸配列を有する成熟重鎖と、配列番号41~46のいずれかのアミノ酸配列を有する成熟軽鎖との対を有する抗体を含む。本発明のヒト化6A10抗体は、配列番号85~87のいずれかのアミノ酸配列を有する成熟重鎖と、配列番号88~90のいずれかのアミノ酸配列を有する成熟軽鎖との対を有する抗体を含む。本発明のヒト化8A4抗体は、配列番号113~115のいずれかのアミノ酸配列を有する成熟重鎖と、配列番号116~118のいずれかのアミノ酸配列を有する成熟軽鎖との対を有する抗体を含む。本発明のヒト化7G6抗体は、配列番号139~140のいずれかのアミノ酸配列を有する成熟重鎖と、配列番号141~148のいずれかのアミノ酸配列を有する成熟軽鎖との対を有する抗体を含む。
ヒト化抗体は、ネズミ抗体由来の全6つのCDR(いずれかの従来方式により定義されるが、好ましくはKabatによって定義される)を包含する場合が多いが、ネズミ抗体由来の全てより少ないCDR(例えば、少なくとも3、4、又は5個のCDR)でも作製できる(例えば、Pascalis et al., J. Immunol. 169:3076, 2002; Vajdos et al., J. of Mol. Biol., 320: 415-428, 2002; Iwahashi et al., Mol. Immunol. 36:1079-1091, 1999; Tamura et al, J. Immunol., 164:1432-1441, 2000)。
いくつかの抗体では、CDRの一部のみ、即ち、SDRと呼ばれる結合に必要なCDR残基のサブセットは、ヒト化抗体において結合を保持するために必要とされる。抗原に接触せず、SDR中に存在しないCDR残基は、以前の研究に基づいて(例えば、CDR H2中の残基H60~H65は必要とされない場合が多い)、Chothia超可変性ループ(Chothia, J. Mol. Biol. 196:901, 1987)の外側にあるKabat CDRの領域から分子モデリング及び/もしくは経験的に、又はGonzales et al., Mol. Immunol. 41: 863, 2004に記載の通りに特定できる。このようなヒト化抗体では、1つ以上のドナーCDR残基が存在しないか、又はドナーCDR全体が除去されている位置において、その位置を占めるアミノ酸は、アクセプター抗体配列中の対応する位置(Kabatナンバリングによる)を占めるアミノ酸であり得る。CDR中に包含するドナーアミノ酸のためのアクセプターのこのような置換の数は、競合する考慮事項のバランスを反映している。このような置換は、潜在的に、ヒト化抗体中のネズミアミノ酸の数を減少させ、結果として潜在的な免疫原性を減少させる点で、及び/又はWHO INNの「ヒト化」の定義に適合させるために、都合がよい。しかし、置換はまた、親和性の変化を生ずることがあり、親和性の顕著な低下は避けるのが好ましい。CDR内の置換の位置及び置換するアミノ酸も経験的に選択できる。
ヒトアクセプター抗体配列は、ヒトアクセプター配列の可変領域フレームワークとドナー抗体鎖の対応する可変領域フレームワークとの間に高度な配列同一性(例えば、65~85%の同一性)を提供するために、任意に、多くの既知のヒト抗体配列の中から選択できる。
5G8重鎖のアクセプター配列の例は、NCBIアクセッションコード4YHM_H(配列番号28)のヒト化抗ダビガトランaDabi-Fab2b-VHである。5G8重鎖のアクセプター配列の別の例は、NCBIアクセッションコードP01743.2(配列番号29)のヒト生殖系列遺伝子IGHV1-46である。5G8軽鎖のアクセプター配列の例は、NCBIアクセッションコード4YHM_L(配列番号31)のヒト化抗ダビガトランaDabi-Fab2b-VLである。5G8軽鎖のアクセプター配列の別の例は、NCBIアクセッションコードA2NJV5.2(配列番号32)のヒト生殖系列遺伝子IGKV2-29である。
6A10重鎖のアクセプター配列の例は、アクセッション番号ACR16112(配列番号81)のヒト重鎖可変領域である。6A10軽鎖のアクセプター配列の別の例は、アクセッション番号ABC66863(配列番号83)のヒトカッパ軽鎖可変領域である。
8A4重鎖のアクセプター配列の例は、アクセッション番号ADU57742(配列番号110)のヒト重鎖可変領域である。8A4軽鎖のアクセプター配列の別の例は、アクセッション番号ABA26100(配列番号112)のヒトカッパ軽鎖可変領域である。
7G6重鎖のアクセプター配列の例は、アクセッション番号PDB 3U0T_VH(配列番号137)のヒト抗体のVH領域である。7G6軽鎖のアクセプター配列の別の例は、アクセッション番号PDB 3U0T_VL(配列番号138)のヒト抗体のVL領域である。
2つ以上のヒトアクセプター抗体配列が選択される場合、これらのアクセプターの組み合わせ又はハイブリッドを使用でき、ヒト化軽鎖及び重鎖可変領域の異なる位置で使用されるアミノ酸は、いずれかの使われるヒトアクセプター抗体配列から選択できる。
ヒト可変領域フレームワーク残基由来の特定のアミノ酸は、CDR立体構造及び/又は抗原への結合に対するそれらの可能な影響に基づいて置換に関し選択できる。このような可能な影響の研究は、モデリング、特定の位置でのアミノ酸の特徴の検査、又は特定のアミノ酸の置換もしくは変異誘導の効果の経験的観察によるものである。
例えば、アミノ酸がネズミ可変領域フレームワーク残基と選択したヒト可変領域フレームワーク残基との間で異なる場合、ヒトフレームワークアミノ酸は、マウス抗体由来の等価のフレームワークアミノ酸によって置換でき、その際、アミノ酸が、
(1)直接抗原と非共有結合する、
(2) CDR領域に隣接している又はKabatではなくChothiaにより定義されたCDR内にある、
(3)そうでなければ、CDR領域と相互作用する(例えば、CDR領域の約6オングストローム内である)、(例えば、相同な既知免疫グロブリン鎖の解析された構造上で軽鎖又は重鎖をモデリングすることにより識別される)、又は
(4) VL-VHインターフェイスに関与する残基である、
ことを想定することは合理的である。
本発明は、ヒト化型のネズミ5G8抗体を提供し、これには、8個の例示的なヒト化重鎖成熟可変領域(hu5G8-VH_v1 (配列番号33)、hu5G8-VH_v2 (配列番号34)、hu5G8-VH_v3 (配列番号35)、hu5G8-VH_v4 (配列番号36)、hu5G8-VH_v5 (配列番号37)、hu5G8-VH_v6 (配列番号38)、hu5G8-VH_v7 (配列番号39)、及びhu5G8-VH_v8 (配列番号40))および6個の例示的なヒト化軽鎖成熟可変領域(hu5G8-VL_v1 (配列番号41、hu5G8-VL_v2 (配列番号42)、hu5G8-VL_v3 (配列番号43)、hu5G8-VL_v4 (配列番号44)、hu5G8-VL_v5 (配列番号45)、及びhu5G8-VL_v6 (配列番号46))が含まれる。
本発明は、ヒト化型のネズミ6A10抗体を提供し、これには、3個の例示的なヒト化重鎖成熟可変領域(hu6A10-VH_v1 (配列番号85)、hu6A10-VH_v2 (配列番号86)、及びhu6A10-VH_v3 (配列番号87))および3個の例示的なヒト化軽鎖成熟可変領域(hu6A10-VL_v1 (配列番号88)、hu6A10-VL_v2 (配列番号89)、及びhu6A10-VL_v3 (配列番号90))が含まれる。
本発明は、ヒト化型のネズミ8A4抗体を提供し、これには、3個の例示的なヒト化重鎖成熟可変領域(hu8A4-VH_v1 (配列番号113)、hu8A4-VH_v2 (配列番号114)、及びhu8A4-VH_v3 (配列番号115))および3個の例示的なヒト化軽鎖成熟可変領域(hu8A4-VL_v1 (配列番号116)、hu8A4-VL_v2 (配列番号117)、及びhu8A4-VL_v3 (配列番号118))が含まれる。
本発明は、ヒト化型のネズミ7G6抗体を提供し、これには、2個の例示的なヒト化重鎖成熟可変領域(hu7G6-VH_v1 (配列番号139) 及びhu7G6-VH_v2 (配列番号140))および8個の例示的なヒト化軽鎖成熟可変領域(hu7G6-VL_v1 (配列番号141)、hu7G6-VL_v2 (配列番号142)、hu7G6-VL_v3 (配列番号143)、hu7G6-VL_v4 (配列番号144)、hu7G6-VL_v5 (配列番号145)、hu7G6-VL_v6 (配列番号146) 、hu7G6-VL_v7 (配列番号147)、及びhu7G6-VL_v8 (配列番号148))が含まれる。
一実施形態において、ヒト化配列は、QuikChange部位特異的変異誘導法[Wang, W. and Malcolm, B.A. (1999) BioTechniques 26:680-682)]を使用し、複数の変異、欠失、挿入の導入を可能にする2段階PCRプロトコルを使用して生成される。
Queen, US 5,530,101により定義されるとおり、クラス(1)~(3)のフレームワーク残基は、交互にカノニカル及びバーニア残基と呼ばれることもある。CDRループの立体構造の決定に役立つフレームワーク残基は、カノニカル残基と呼ばれることもある(Chothia & Lesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987); Thornton & Martin, J. Mol. Biol. 263:800-815 (1996))。抗原結合ループの立体構造を支持し、抗原に対する抗体の適合を微調整する役割を果たすフレームワーク残基は、バーニア残基と呼ばれることもある(Foote & Winter, J. Mol. Biol 224:487-499 (1992))。
置換候補である他のフレームワーク残基は、潜在的なグリコシル化部位を作り出す。さらなる他の置換候補は、ヒト免疫グロブリンにとってその位置のものとしては通常とは異なるアクセプターヒトフレームワークアミノ酸である。これらのアミノ酸は、マウスドナー抗体の等価位置のアミノ酸又はより典型的なヒト免疫グロブリンの等価位置由来のアミノ酸で置換できる。
置換候補であるその他のフレームワーク残基は、ピログルタミン酸変換の可能性を最小化するためにグルタミン酸(E)で置換されてもよいN末端グルタミン残基(Q)である[Y. Diana Liu, et al., 2011, J. Biol. Chem., 286: 11211-11217]。ピログルタミン酸(pE)へのグルタミン酸(E)の変換は、グルタミン(Q)からよりもゆっくり起こる。グルタミンのpEへの変換での一級アミンの減少のために、抗体はより酸性になる。不完全な変換は、抗体の不均一性をもたらし、これは、電荷に基づく分析方法により複数のピークとして観察できる。不均一性の差異は、プロセス制御が不十分であることを示し得る。N末端グルタミンからグルタミン酸への置換を有する例示的なヒト化抗体は、配列番号35(hu5G8-VH_v3)、配列番号36(hu5G8-VH_v4)、配列番号37(hu5G8-VH_v5)、配列番号38(hu5G8-VH_v6)、及び配列番号40(hu5G8-VH_v8)である。
例示的なヒト化抗体は、Hu5G8と呼称されるマウス5G8のヒト化型である。
マウス抗体5G8は、配列番号7および8をそれぞれ含むアミノ酸配列を有する成熟重鎖および軽鎖可変領域を含む。本発明は、8個の例示的なヒト化成熟重鎖可変領域:hu5G8-VH_v1、hu5G8-VH_v2、hu5G8-VH_v3、hu5G8-VH_v4、hu5G8-VH_v5、hu5G8-VH_v6、hu5G8-VH_v7、及びhu5G8-VH_v8を提供する。本発明はさらに、6個の例示的なヒト成熟軽鎖可変領域:hu5G8-VL_v1、hu5G8-VL_v2、hu5G8-VL_v3、hu5G8-VL_v4、hu5G8-VL_v5、及びhu5G8-VL_v6を提供する。軽鎖可変領域(表6及び図6)及び重鎖可変領域(表7及び図5)に関して、ネズミ5G8及び様々なヒト化抗体のアラインメントが示される。
CDR立体構造及び/又は抗原への結合、重鎖と軽鎖間の相互作用の媒介、定常領域との相互作用、望ましい又は望ましくない翻訳後修飾のための部位であること、ヒト可変領域中のその位置にとって通常とは異なる残基であるために免疫原性の可能性があること、凝集潜在能力の取得、に対し影響を与える可能性などの理由のために、及びその他の理由のために、実施例6により明示されるように、次の5G8の23個の可変領域フレームワーク位置を、6個の例示的ヒト成熟軽鎖可変領域及び8個の例示的ヒト成熟重鎖可変領域における置換候補として検討した:L2 (I2V)、L7 (T7S)、L17 (Q17E)、L36 (Y36L)、L45 (K45Q)、L46 (G46R)、L70 (G70D)、H1 (Q1E)、H11 (V11L)、H12 (K12V)、H19 (K19R)、H20 (V20L)、H23 (K23A)、H46 (E46D)、H48 (M48I)、H66 (K66R)、H67 (A67V)、H71 (R71S)、H76 (S76N)、H78 (A78V)、H80 (M80L)、H93 (T93S又はT93A)、H94 (I94P、又はI94R)。
ここでは、他のところと同様に、最初に言及される残基は、Kabat CDR又はCDR-H1の場合にはChothia-Kabatの組み合わせCDRをヒトアクセプターフレームワークにグラフティングすることにより形成されたヒト化抗体の残基であり、2番目に言及される残基は、このような残基を置換するために検討されている残基である。従って、可変領域フレームワーク内で最初に言及される残基はヒトであり、CDR内で最初に言及される残基はマウスである。
例示的な抗体の例は、次の例示的な5G8の成熟重鎖及び軽鎖可変領域の任意の順列又は組み合わせを含む:例えば、hu5G8VH_v1/ hu5G8VL_v1、hu5G8VH_v1/ hu5G8VL_v2、hu5G8VH_v1/ hu5G8VL_v3、hu5G8VH_v1/ hu5G8VL_v4、hu5G8VH_v1/ hu5G8VL_v5、hu5G8VH_v1/ hu5G8VL_v6、hu5G8VH_v2/ hu5G8VL_v1、hu5G8VH_v2/ hu5G8VL_v2、hu5G8VH_v2/ hu5G8VL_v3、hu5G8VH_v2/ hu5G8VL_v4、hu5G8VH_v2/ hu5G8VL_v5、hu5G8VH_v2/ hu5G8VL_v6、hu5G8VH_v3/ hu5G8VL_v1、hu5G8VH_v3/ hu5G8VL_v2、hu5G8VH_v3/ hu5G8VL_v3、hu5G8VH_v3/ hu5G8VL_v4、hu5G8VH_v3/ hu5G8VL_v5、hu5G8VH_v3/ hu5G8VL_v6、hu5G8VH_v4/ hu5G8VL_v1、hu5G8VH_v4/ hu5G8VL_v2、hu5G8VH_v4/ hu5G8VL_v3、hu5G8VH_v4/ hu5G8VL_v4、hu5G8VH_v4/ hu5G8VL_v5、hu5G8VH_v4/ hu5G8VL_v6、hu5G8VH_v5/ hu5G8VL_v1、hu5G8VH_v5/ hu5G8VL_v2、hu5G8VH_v5/ hu5G8VL_v3、hu5G8VH_v5/ hu5G8VL_v4、hu5G8VH_v5/ hu5G8VL_v5、hu5G8VH_v5/ hu5G8VL_v6、hu5G8VH_v6/ hu5G8VL_v1、hu5G8VH_v6/ hu5G8VL_v2、hu5G8VH_v6/ hu5G8VL_v3、hu5G8VH_v6/ hu5G8VL_v4、hu5G8VH_v6/ hu5G8VL_v5、hu5G8VH_v6/ hu5G8VL_v6、hu5G8VH_v7/ hu5G8VL_v1、hu5G8VH_v7/ hu5G8VL_v2、hu5G8VH_v7/ hu5G8VL_v3、hu5G8VH_v7/ hu5G8VL_v4、hu5G8VH_v7/ hu5G8VL_v5、hu5G8VH_v7/ hu5G8VL_v6、hu5G8VH_v8/ hu5G8VL_v1、hu5G8VH_v8/ hu5G8VL_v2、hu5G8VH_v8/ hu5G8VL_v3、hu5G8VH_v8/ hu5G8VL_v4、hu5G8VH_v8/ hu5G8VL_v5、又はhu5G8VH_v8/ hu5G8VL_v6。
本発明は、5G8ヒト化抗体のバリアントを提供し、これは、ヒト化成熟重鎖可変領域が、hu5G8-VH_v1、hu5G8-VH_v2、hu5G8-VH_v3、hu5G8-VH_v4、hu5G8-VH_v5、hu5G8-VH_v6、hu5G8-VH_v7、及びhu5G8-VH_v8. (配列番号33-40)に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示し、また、ヒト化成熟軽鎖可変領域が、hu5G8-VL_v1、hu5G8-VL_v2、hu5G8-VL_v3、hu5G8-VL_v4、hu5G8-VL_v5、及びhu5G8-VL_v6 (配列番号41~46)に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。いくつかのこのような抗体では、配列番号33~40、及び配列番号41~46中の、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22個、もしくは全23個の復帰変異又はその他の変異が保持される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H48はIが配置され、H71はSが配置され、H93はSが配置され、H94はPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、VH領域のH48、H71、H93、及びH94は、それぞれI、S、S、及びPが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H1はEが配置され、H48はIが配置され、H71はSが配置され、H93はSが配置され、H94はPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、VH領域のH1、H48、H71、H93、及びH94は、それぞれE、I、S、S、及びPが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H1はEが配置され、H46はDが配置され、H48はIが配置され、H71はSが配置され、H93はSが配置され、H94はPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、VH領域のH1、H46、H48、H71、H93、及びH94は、それぞれE、D、I、S、S、及びPが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H1はEが配置され、H11はLが配置され、H12はVが配置され、H19はRが配置され、H20はLが配置され、H46はDが配置され、H48はIが配置され、H71はSが配置され、H76はNが配置され、H80はLが配置され、H93はSが配置され、H94はPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、VH領域のH1、H11、H12、H19、H20、H46、H48、H71、H76、H80、H93、及びH94は、それぞれE、L、V、R、L、D、I、S、N、L、S、及びPが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H66はRが配置され、H67はVが配置され、H78はVが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、VH領域のH66、H67、及びH78は、それぞれR、V、及びVが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H1はQ又はEが配置され、H11はV又はLが配置され、H12はK又はVが配置され、H19はK又はRが配置され、H20はV又はLが配置され、H23はK又はAが配置され、H46は配置E又はDが配置され、H48はM又はIが配置され、H66はK又はRが配置され、H67はA又はVが配置され、H71はR又はSが配置され、H76はS又はNが配置され、H78はA又はVが配置され、H80はM又はLが配置され、H93はT、S又はAが配置され、H94はI、P又はRが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VH_v2のように、VH領域のH48、H71、H93、及びH94に、それぞれI、S、S、及びPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VH_v3のように、VH領域のH1、H48、H71、H93、及びH94に、それぞれE、I、S、S、及びPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VH_v4のように、VH領域のH1、H46、H48、H71、H93、及びH94に、それぞれE、D、I、S、S、及びPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VH_v5のように、VH領域のH1、H11、H12、H19、H20、H46、H48、H71、H76、H80、H93、及びH94に、それぞれE、L、V、R、L、D、I、S、N、L、S、及びPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VH_v6のように、VH領域のH1、H11、H12、H19、H20、H23、H46、H48、H71、H76、H80、H93、及びH94に、それぞれE、L、V、R、L、A、D、I、S、N、L、S、及びPが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VH_v7のように、VH領域のH66、H67、H78、H93、及びH94に、それぞれR、V、V、A、及びRが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VH_v8のように、VH領域のH1、H46、H48、H66、H67、H71、H78、H93、及びH94に、それぞれE、D、I、R、V、S、V、S、及びPが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L2はVが配置され、L36はLが配置され、L46はRが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、VL領域のL2、L36、及びL46は、それぞれV、L、及びRが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L2はVが配置され、L36はLが配置され、L46はRが配置され、L70はDが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、VL領域のL2、L36、L46、及びL70は、それぞれV、L、R、及びDが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L45はQが配置され、L70はDが配置されている。いくつかのヒト化5G8抗体では、VL領域のL45及びL70は、それぞれQ及びDが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L2はI又はVが配置され、L7はT又はSが配置され、L17はQ又はEが配置され、L36はY又はLが配置され、L45はK又はQが配置され、L46はL又はRが配置され、L70はG又はDが配置される。
いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VL_v2のように、VL領域のL2、L36、L46に、それぞれV、L、及びRが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VL_v3のように、VL領域のL2、L36、L46、及びL70に、それぞれV、L、R、及びDが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VL_v4のように、VL領域のL2、L7、L17、L36、L46、及びL70に、それぞれV、S、E、L、R、及びDが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VL_v5のように、VL領域のL45、及びL70に、それぞれQ、及びDが配置される。いくつかのヒト化5G8抗体では、hu5G8-VL_v6のように、VL領域のL2、L36、L45、L46、L70に、それぞれV、L、Q、R、及びDが配置される。
例示的なヒト化抗体は、Hu6A10と呼称されるマウス6A10のヒト化型である。
マウス抗体6A10は、配列番号63及び64をそれぞれ含むアミノ酸配列を有する成熟重鎖及び軽鎖可変領域を含む。本発明は、3個の例示的なヒト化6A10成熟重鎖可変領域:hu6A10-VH_v1、hu6A10-VH_v2、及びhu6A10-VH_v3を提供する。本発明はさらに、3個の例示的なヒト6A10成熟軽鎖可変領域:hu6A10-VL_v1, hu6A10-VL_v2,及びhu6A10-VL_v3を提供する。軽鎖可変領域(表12及び図8)及び重鎖可変領域(表13及び図7)に関して、ネズミ6A10及び様々なヒト化抗体のアラインメントが示される。
CDR立体構造及び/又は抗原への結合、重鎖と軽鎖間の相互作用の媒介、定常領域との相互作用、望ましい又は望ましくない翻訳後修飾のための部位であること、ヒト可変領域中のその位置にとって通常とは異なる残基であるために免疫原性の可能性があること、凝集潜在能力の取得、に対し影響を与える可能性などの理由のために、及びその他の理由のために、実施例7により明示されるように、次の7個の可変領域フレームワーク位置を、3個の例示的ヒト成熟軽鎖可変領域及び3個の例示的ヒト成熟重鎖可変領域における置換候補として検討した:L12 (P12S)、L17 (Q17E)、L46 (R46L)、H16 (A16G)、H48 (M48I)、H69 (T69I)、及びH80 (M80L)。
ここでは、他のところと同様に、最初に言及される残基は、Kabat CDR又はCDR-H1の場合にはChothia-Kabatの組み合わせCDRをヒトアクセプターフレームワークにグラフティングすることにより形成されたヒト化抗体の残基であり、2番目に言及される残基は、このような残基を置換するために検討されている残基である。従って、可変領域フレームワーク内で最初に言及される残基はヒトであり、CDR内で最初に言及される残基はマウスである。
例示的な6A10抗体の例は、次の例示的な成熟重鎖及び軽鎖可変領域の任意の順列又は組み合わせを含む:例えば、hu6A10VH_v1/ hu6A10VL_v1、hu6A10VH_v1/ hu6A10VL_v2、hu6A10VH_v1/ hu6A10VL_v3、hu6A10VH_v2/ hu6A10VL_v1、hu6A10VH_v2/ hu6A10VL_v2、hu6A10VH_v2/ hu6A10VL_v3、hu6A10VH_v3/ hu6A10VL_v1、hu6A10VH_v3/ hu6A10VL_v2、又はhu6A10VH_v3/ hu6A10VL_v3。
本発明は、6A10ヒト化抗体のバリアントを提供し、これは、ヒト化成熟重鎖可変領域が、hu6A10-VH_v1、hu6A10-VH_v2、及びhu6A10-VH_v3、(配列番号85-87)に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示し、また、ヒト化成熟軽鎖可変領域が、hu6A10-VL_v1、hu6A10-VL_v2、hu6A10-VL_v3 (配列番号88-90)に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。いくつかのこのような抗体では、配列番号85~87、及び配列番号88~90中の、少なくとも、1、2、3、4、5、6、もしくは全7個の復帰変異又はその他の変異が保持される。
いくつかのヒト化6A10抗体では、VH領域のH48は、Iが配置される。
いくつかのヒト化6A10抗体では、VH領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H16はA又はGが配置され、H48はM又はIが配置され、H69はT又はIが配置され、H80はM又はLが配置される。
いくつかのヒト化6A10抗体では、hu6A10-VH_v2のように、VH領域のH48に、Iが配置される。 いくつかのヒト化6A10抗体では、hu6A10-VH_v3のように、VH領域のH16、H48、H69、及びH80に、それぞれG、I、I、及びLが配置される。
いくつかのヒト化6A10抗体では、VL領域のH46は、Lが配置される。
いくつかのヒト化6A10抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L12はP又はSが配置され、L17はQ又はEが配置され、L46はR又はLが配置される。
いくつかのヒト化6A10抗体では、hu6A10-VL_v2のように、VL領域のL46に、Lが配置される。 いくつかのヒト化6A10抗体では、hu6A10-VL_v3のように、VL領域のL12、L17、及びL46に、それぞれS、E、及びLが配置される。
例示的なヒト化抗体は、Hu8A4と呼称されるマウス8A4のヒト化型である。
マウス抗体8A4は、配列番号91及び92をそれぞれ含むアミノ酸配列を有する成熟重鎖及び軽鎖可変領域を含む。本発明は、3個の例示的なヒト化成熟重鎖可変領域:hu8A4-VH_v1、hu8A4-VH_v2、及びhu8A4-VH_v3を提供する。本発明はさらに、3個の例示的なヒト成熟軽鎖可変領域:hu8A4-VL_v1、hu8A4-VL_v2、及びhu8A4-VL_v3を提供する。軽鎖可変領域(表18及び図10)及び重鎖可変領域(表19及び図9)に関して、ネズミ8A4及び様々なヒト化抗体のアラインメントが示される。
CDR立体構造及び/又は抗原への結合、重鎖と軽鎖間の相互作用の媒介、定常領域との相互作用、望ましい又は望ましくない翻訳後修飾のための部位であること、ヒト可変領域中のその位置にとって通常とは異なる残基であるために免疫原性の可能性があること、凝集潜在能力の取得、に対し影響を与える可能性などの理由のために、及びその他の理由のために、実施例8により明示されるように、次の8A4の11個の可変領域フレームワーク位置を、3個の例示的ヒト成熟軽鎖可変領域及び3個の例示的ヒト成熟重鎖可変領域における置換候補として検討した:L2 (I2V)、L17 (Q17E)、L36 (F36L)、H12 (K12V)、H16 (S16G)、H20 (V20L)、H48 (M48I)、H67 (I67A)、H68 (N68T)、H85 (D85E)、及びH93 (A93S)。
ここでは、他のところと同様に、最初に言及される残基は、Kabat CDR又はCDR-H1の場合にはChothia-Kabatの組み合わせCDRをヒトアクセプターフレームワークにグラフティングすることにより形成されたヒト化抗体の残基であり、2番目に言及される残基は、このような残基を置換するために検討されている残基である。従って、可変領域フレームワーク内で最初に言及される残基はヒトであり、CDR内で最初に言及される残基はマウスである。
例示的な8A4抗体の例は、次の例示的な成熟重鎖及び軽鎖可変領域の任意の順列又は組み合わせを含む:例えば、hu8A4VH_v1/ hu8A4VL_v1、hu8A4VH_v1/ hu8A4VL_v2、hu8A4VH_v1/ hu8A4VL_v3、hu8A4VH_v2/ hu8A4VL_v1、hu8A4VH_v2/ hu8A4VL_v2、hu8A4VH_v2/ hu8A4VL_v3、hu8A4VH_v3/ hu8A4VL_v1、hu8A4VH_v3/ hu8A4VL_v2、又はhu8A4VH_v3/ hu8A4VL_v3。
本発明は、8A4ヒト化抗体のバリアントを提供し、これは、ヒト化成熟重鎖可変領域が、hu8A4-VH_v1、hu8A4-VH_v2、及びhu8A4-VH_v3、(配列番号113-115)に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示し、また、ヒト化成熟軽鎖可変領域が、hu8A4-VL_v1、hu8A4-VL_v2、hu8A4-VL_v3 (配列番号116-118)に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。いくつかのこのような抗体では、配列番号113-115、及び配列番号116-118中の、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11個の復帰変異又はその他の変異が保持される。
いくつかのヒト化8A4抗体では、VH領域のH93は、Sが配置される。
いくつかのヒト化8A4抗体では、VH領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H12はVが配置され、H16はGが配置され、H20はLが配置され、H68はTが配置される。いくつかのヒト化8A4抗体では、VH領域のH12、H16、H20、及びH68に、それぞれV、G、L、及びTが配置される。
いくつかのヒト化8A4抗体では、VH領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H12はK又はVが配置され、H16はS又はGが配置され、H20はV又はLが配置され、H48はM又はIが配置され、H67はA又はIが配置され、H68はN又はTが配置され、H85は D又はEが配置され、H93はS又はAが配置される。
いくつかのヒト化8A4抗体では、hu8A4VH_v1のように、VH領域のH93に、Sが配置される。いくつかのヒト化8A4抗体では、hu8A4VH_v2のように、VH領域のH12、H16、H20、H68、及びH93に、それぞれV、G、L、T、及びSが配置される。いくつかのヒト化8A4抗体では、hu8A4VH_v3のように、VH領域のH12、H16、H20、H48、H67、H68、及びH85に、それぞれV、G、L、I、A、T、及びEが配置される。
いくつかのヒト化8A4抗体では、VL領域のL17は、Eが配置される。
いくつかのヒト化8A4抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L2はI又はVが配置され、L17はQ又はEが配置され、L36はF又はLが配置される。
いくつかのヒト化8A4抗体では、hu8A4-VL_v2のように、VL領域のL17に、Eが配置される。いくつかのヒト化8A4抗体では、hu8A4-VL_v3のように、VL領域のL2、L17、及びL36に、それぞれV、E.、及びLが配置される。
例示的なヒト化抗体は、Hu7G6と呼称されるマウス7G6のヒト化型である。
マウス抗体7G6は、配列番号119及び120をそれぞれ含むアミノ酸配列を有する成熟重鎖及び軽鎖可変領域を含む。本発明は、2個の例示的なヒト化成熟重鎖可変領域:hu7G6-VH_v1及びhu7G6-VH_v2を提供する。本発明はさらに、8個の例示的なヒト成熟軽鎖可変領域:hu7G6-VL_v1、hu7G6-VL_v2、hu7G6-VL_v3、hu7G6-VL_v4、hu7G6-VL_v5、hu7G6-VL_v6、hu7G6-VL_v7、及びhu7G6-VL_v8を提供する。軽鎖可変領域(表25及び図12)及び重鎖可変領域(表26及び図11)に関して、ネズミ7G6及び様々なヒト化抗体のアラインメントが示される。
CDR立体構造及び/又は抗原への結合、重鎖と軽鎖間の相互作用の媒介、定常領域との相互作用、望ましい又は望ましくない翻訳後修飾のための部位であること、ヒト可変領域中のその位置にとって通常とは異なる残基であるために免疫原性の可能性があること、凝集潜在能力の取得、に対し影響を与える可能性などの理由のために、及びその他の理由のために、実施例9により明示されるように、次の7G6の16個の可変領域フレームワーク位置を、8個の例示的ヒト成熟軽鎖可変領域及び2個の例示的ヒト成熟重鎖可変領域における置換候補として検討した:L12 (P12S)、L36 (F36L)、L37 (Q37L)、L45 (R45K)、L100 (Q100G)、L103 (R103K)、H12 (K12V)、H20 (V20L)、H38 (R39K)、H69 (M69I)、H76 (S76N)、H78 (V78A)、H80 (M80L)、H81 (E81Q)、H92 (C92S)、及びH93 (A93T)。
ここでは、他のところと同様に、最初に言及される残基は、Kabat CDR又はCDR-H1の場合にはChothia-Kabatの組み合わせCDRをヒトアクセプターフレームワークにグラフティングすることにより形成されたヒト化抗体の残基であり、2番目に言及される残基は、このような残基を置換するために検討されている残基である。従って、可変領域フレームワーク内で最初に言及される残基はヒトであり、CDR内で最初に言及される残基はマウスである。
例示的な7G6抗体の例は、次の例示的な成熟重鎖及び軽鎖可変領域の任意の順列又は組み合わせを含む:例えば、hu7G6VH_v1/ hu7G6VL_v1、hu7G6VH_v1/ hu7G6VL_v2、hu7G6VH_v1/ hu7G6VL_v3、hu7G6VH_v1/ hu7G6VL_v4、hu7G6VH_v1/ hu7G6VL_v5、hu7G6VH_v1/ hu7G6VL_v6、hu7G6VH_v1/ hu7G6VL_v7、hu7G6VH_v1/ hu7G6VL_v8、hu7G6VH_v2/ hu7G6VL_v1、hu7G6VH_v2/ hu7G6VL_v2、hu7G6VH_v2/ hu7G6VL_v3、hu7G6VH_v2/ hu7G6VL_v4、hu7G6VH_v2/ hu7G6VL_v5、hu7G6VH_v2/ hu7G6VL_v6、hu7G6VH_v2/ hu7G6VL_v7、又はhu7G6VH_v2/ hu7G6VL_v8。
本発明は、7G6ヒト化抗体のバリアントを提供し、これは、ヒト化成熟重鎖可変領域が、hu7G6-VH_v1、及びhu7G6-VH_v2、(配列番号139~140)に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示し、また、ヒト化成熟軽鎖可変領域が、hu7G6-VL_v1、hu7G6-VL_v2、hu7G6-VL_v3、hu7G6-VL_v4、hu7G6-VL_v5、hu7G6-VL_v6、hu7G6-VL_v7、及びhu7G6-VL_v8 (配列番号141~148)に少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を示す。いくつかのこのような抗体では、配列番号139~140、及び配列番号141~148中の、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は全17個の復帰変異又はその他の変異が保持される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VH領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H12はVが配置され、H20はLが配置され、H69はIが配置され、H76はNが配置され、H78はAが配置され、H80はLが配置され、H81はQが配置され、H92はSが配置され、H93はTが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、VH領域のH12、H20、H69、H76、H78、H80、H81、H92、H93に、それぞれV、L、I、N、A、L、Q、S、及びTが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VH領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:H12はK又はVが配置され、H20はV又はLが配置され、H38はR又はKが配置され、H69はM又はIが配置され、H76はS又はNが配置され、H78はV又はAが配置され、H80はM又はLが配置され、H81はE又はQが配置され、H92はC又はSが配置され、H93はA又はTが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、7G6-VH_v1のように、VH領域のH12、H20、H69、H76、H78、H80、H81、H92、H93に、それぞれV、L、I、N、A、L、Q、S、及びTが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VH_v2のように、VH領域のH12、H20、H38、H69、H76、H78、H80、H81、H92、H93に、それぞれV、L、K、I、N、A、L、Q、S、及びTが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L12はSが配置され、L103はKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域のL12、及びL103に、それぞれS及びKが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L12はSが配置され、L36はLが配置され、L103はKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域のL12、L36、及びL103に、それぞれS、L、及びKが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L12はSが配置され、L37はLが配置され、L103はKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域のL12、L37、及びL103に、それぞれS、L、及びKが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L12はSが配置され、L36はLが配置され、L37はLが配置され、L103はKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域のL12、L36、L37、及びL103に、それぞれS、L、L、及びKが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L12はSが配置され、L45はKが配置され、L103はKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域のL12、L45、及びL103に、それぞれS、K、及びKが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L12はSが配置され、L100はGが配置され、L103はKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域のL12、L100、及びL103に、それぞれS、G、及びKが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、VL領域の下記の少なくとも1つの位置は、下記に指定したアミノ酸が配置されている:L36はF又はLが配置され、L37はQ又はLが配置され、L45はR又はKが配置され、L100はQ又はGが配置される。
いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VL_v1のように、VL領域のL12、及びL103に、それぞれS、及びKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VL_v2のように、VL領域のL12、L37、及びL103に、それぞれS、L、及びKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VL_v3のように、VL領域のL12、L36、及びL103に、それぞれS、L、及びKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VL_v4のように、VL領域のL12、L36、L37、及びL103に、それぞれS、L、L、及びKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VL_v5のように、VL領域のL12、L45、及びL103に、それぞれS、K、及びKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VL_v6のように、VL領域のL12、L36、L37、L45、及びL103に、それぞれS、L、L、K、及びKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VL_v7のように、VL領域のL12、L100、及びL103に、それぞれS、G、及びKが配置される。いくつかのヒト化7G6抗体では、hu7G6-VL_v8のように、VL領域のL12、L36、L37、L100、及びL103に、それぞれS、L、L、G、及びKが配置される。
いくつかのヒト化5G8、6A10、8A4、及び7G6抗体では、可変重鎖はヒト配列と85%以上の同一性を有する。いくつかのヒト化5G8、6A10、8A4、及び7G6抗体では、可変軽鎖はヒト配列と85%以上の同一性を有する。いくつかのヒト化5G8、6A10、8A4、及び7G6抗体では、可変重鎖及び可変軽鎖のそれぞれは、ヒト生殖系列配列に対して85%以上の同一性を有する。
このようなヒト化5G8、6A10、8A4、及び7G6抗体のCDR領域は、5G8、6A10、8A4、又は7G6それぞれのCDR領域と同一又は実質的に同一であり得る。CDR領域は、任意の従来の定義(例えば、Chothia、又はChothiaとKabatの組み合わせ)によって定義できるが、好ましくはKabatによって定義されるものである。
別に定める場合を除き、可変領域フレームワーク位置は、Kabatナンバリングと一致する。その他のこのようなバリアントは、典型的には、例示的なHu5G8、Hu6A10、Hu8A4、又はHu7G6重鎖及び軽鎖の配列に対して、少数(例えば、典型的には、1、2、3、5、10、又は15個)の置換、欠失又は挿入だけ異なる。
ヒト化5G8、6A10、8A4、及び7G6バリアントにおける追加の多様性の1つの可能性は、可変領域フレームワークでの追加の復帰変異である。ヒト化mAb中のCDRと接触しないフレームワーク残基の多くは、ドナーマウスmAb又は他のマウスもしくはヒトの抗体のペア応する位置のアミノ酸の置換に順応でき、さらに多くの潜在的なCDR接触残基もまた置換を受けやすい。CDR内のアミノ酸でさえ、例えば、可変領域フレームワークを提供するために使用されるヒトアクセプター配列の対応する位置に見られる残基で変更され得る。さらに、例えば、重鎖及び/又は軽鎖に対し、別のヒトアクセプター配列が使用できる。異なるアクセプター配列が使用される場合、対応するドナー及びアクセプター残基はすでに復帰変異を含まないものであるため、上記で推奨する復帰変異のうちの1つ又は複数は実行されなくてもよい。
ヒト化5G8、6A10、8A4、及び7G6バリアントにおける置換又は復帰変異は(保存的であるか、そうでないかにかかわらず)、ヒト化mAbの結合親和性又は能力、即ち、タウに結合する能力、に実質的に影響を与えないのが好ましい。
ヒト化5G8、6A10、8A4、及び7G6抗体は、任意又は全てのリン酸化タウ、非リン酸化タウ、及び誤ってミスフォールディング/凝集形態のタウに結合する能力をさらに特徴とする。ヒト化5G8、6A10、8A4、及び7G6抗体は、任意又は全てのリン酸化タウ、非リン酸化タウ、及びミスフォールディング/凝集形態のタウとの結合に関して、5G8、6A10、8A4、又は7G6と競合する能力をさらに特徴とする。
D. キメラ及びベニア化抗体
本発明はさらに、非ヒト抗体、特に、例示的な5G8、6A10、8A4、又は7G6抗体のキメラおよびベニア化型を提供する。
キメラ抗体は、非ヒト抗体(例えば、マウス)の軽鎖及び重鎖の成熟可変領域をヒト軽鎖及び重鎖定常領域と組み合わせた抗体である。このような抗体は、実質的に又は完全にマウス抗体の結合特異性を保持し、ヒト配列の約2/3である。
ベニア化抗体は、CDRのいくつか及び通常は全て並びに非ヒト抗体の非ヒト可変領域フレームワーク残基の一部を保持しているが、B-又はT-細胞エピトープ、例えば、露出した残基(Padlan, Mol. Immunol. 28:489, 1991)に寄与し得る他の可変領域フレームワーク残基がヒト抗体配列の対応する位置由来の残基と置換されているヒト化抗体の一種である。その結果、CDRが完全に又は実質的に非ヒト抗体に由来し、非ヒト抗体の可変領域フレームワークが置換によってよりヒト様に作られた抗体が得られる。5G8、6A10、8A4、及び7G6抗体のベニア化型は本発明に含まれる。
E. ヒト抗体
タウ又はそのフラグメント対するヒト抗体は、以下に記載の様々な技術により得られる。いくつかのヒト抗体は、実施例に記載のマウスモノクローナル抗体の1種などの、特定のマウス抗体と同じエピトープ特異性を有するように、上記又は別の、競合結合実験により、Winterのファージディスプレイ方法により、選択される。また、タウの断片のみを標的抗原として使用することにより、及び/又はタウバリアントのコレクションに対する抗体をスクリーニングすることにより、特定のエピトープ特異性についてヒト抗体をスクリーニングできる。
ヒト抗体の生産方法は、Oestberg et al., Hybridoma 2:361-367 (1983); Oestberg, U.S. Patent No. 4,634,664; 及びEngleman et al., US Patent 4,634,666のトリオーマ法、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むトランスジェニックマウスの使用(例えば、Lonberg et al., WO93/12227 (1993); US 5,877,397; US 5,874,299; US 5,814,318; US 5,789,650; US 5,770,429; US 5,661,016; US 5,633,425; US 5,625,126; US 5,569,825; US 5,545,806; Neuberger, Nat. Biotechnol. 14:826 (1996); 及びKucherlapati, WO 91/10741 (1991)参照)、ファージディスプレイ法(例えば、Dower et al., WO 91/17271; McCafferty et al., WO 92/01047; US 5,877,218; US 5,871,907; US 5,858,657; US 5,837,242; US 5,733,743; 及びUS 5,565,332)参照)、及びWO 2008/081008に記載の方法(例えば、(例えば、EBVを用いた)ヒトから単離したメモリーB細胞の不死化、所望の特性のスクリーニング、及び組換えフォームのクローニングと発現)を含む。
F. 定常領域の選択
キメラ抗体、ベニア化抗体、又はヒト化抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域は、ヒト定常領域の少なくとも一部に連結できる。定常領域の選択は、ある程度、抗体依存性細胞傷害、抗体依存性細胞食作用及び/又は補体依存細胞毒性が所望されるか否かに依存する。例えば、ヒトアイソタイプIgG1及びIgG3は、補体依存性細胞傷害を有し、ヒトアイソタイプIgG2及びIgG4は有さない。ヒトIgG1及びIgG3はまた、ヒトIgG2及びIgG4より強力な細胞媒介エフェクター機能を誘導する。軽鎖定常領域は、ラムダ又はカッパであり得る。定常領域のナンバリング規則には、EUナンバリング(Edelman, G.M. et al., Proc. Natl. Acad. USA, 63, 78-85 (1969)), Kabat numbering (Kabat, Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991, IMGT unique numbering (Lefranc M.-P. et al., IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor constant domains and Ig superfamily C-like domains, Dev. Comp. Immunol., 29, 185-203 (2005), 及びIMGT exon numbering (Lefranc, supra)が挙げられる。
重鎖のC末端リシンなどの軽鎖及び/又は重鎖のアミノ末端又はカルボキシ末端における1つ又はいくつかのアミノ酸は、分子の一部又は全てを欠損していても、又は誘導体化されていてもよい。置換は、補体媒介性細胞傷害もしくはADCCなどのエフェクター機能を低減又は増加させるために(例えば、Winter et al., US Patent No. 5,624,821; Tso et al., US Patent No. 5,834,597; 及びLazar et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103:4005, 2006参照)、又はヒトにおける半減期を延長するために定常領域で行われ得る(例えば、Hinton et al., J. Biol. Chem. 279:6213, 2004参照)。抗体の半減期を増加させるための例示的な置換には、位置250におけるGln及び/又は位置428におけるLeuを含む(定常領域のEUナンバリングがこの段落で使用される)。位置234、235、236及び/もしくは237のいずれか又は全ての置換は、Fcγ受容体、特に、FcγRI受容体の親和性を低下させる(例えば、US 6,624,821参照)。ヒトIgG1の位置234、235及び237でのアラニン置換は、エフェクター機能を低下させるために使用できる。いくつかの抗体は、エフェクター機能を低下させるために、ヒトIgG1の位置234、235及び237でのアラニン置換を有する。任意に、ヒトIgG2中の234、236及び/又は237はアラニンと置換され、位置235はグルタミンと置換される(例えば、US 5,624,821参照)。いくつかの抗体では、EUナンバリングで、ヒトIgG1の位置241、264、265、270、296、297、322、329及び331の1つ以上の位置での変異が使用される。いくつかの抗体では、EUナンバリングで、ヒトIgG1の位置318、320、及び322の1つ以上の位置での変異が使用される。いくつかの抗体では、位置234及び/又は235はアラニンで置換され、及び/又は位置329はグリシンで置換される。いくつかの抗体では、位置234及び235はアラニンで置換される。いくつかの抗体では、アイソタイプは、ヒトIgG2又はIgG4である。
抗体は、2つの軽鎖及び2つの重鎖を含むテトラマーとして、別々の重鎖、軽鎖として、Fab、Fab'、F(ab')2、及びFvとして、又は重鎖及び軽鎖の成熟可変ドメインがスペーサーを介して連結されている単鎖抗体として発現させることができる。
ヒト定常領域は、異なる個体間でアロタイプ変異及びイソアロタイプ変異を示す。即ち、定常領域は、1つ以上の多型位置で別々の個体において異なり得る。イソアロタイプは、イソアロタイプを認識する血清が1つ以上の他のアイソタイプの非多型領域に結合する点で、アロタイプとは異なる。従って、例えば、別の重鎖定常領域は、C末端リシンを有するか有しないIgG1 G1m3である。ヒト定常領域への言及は、任意の天然のアロタイプ又は天然のアロタイプ中の位置を占める残基の任意の順列を有する定常領域を含む。
G. 組換え抗体の発現
抗体発現細胞株(例えば、ハイブリドーマ)を用いた、キメラ及びヒト化抗体の生産に関するいくつかの方法が知られている。例えば、抗体の免疫グロブリン可変領域は、よく知られた方法を用いて、クローン化及び配列決定できる。一方法では、重鎖可変VH領域は、ハイブリドーマ細胞から調製したmRNAを用いてRT-PCRによりクローン化される。コンセンサスプライマーを、翻訳開始を5'プライマーとして、g2b定常領域を特異的3'プライマーとして包含するVH領域リーダーペプチドに用いる。例示的プライマーは、Schenkらの米国特許出願公開第2005/0009150号(以降では「Schenk」)に記載されている。複数の独立に誘導されたクローン由来の配列を比較して、増幅中に変化が導入されていないことを保証できる。VH領域の配列はまた、5'RACE RT-PCR法及び3'g2b特異的プライマーにより得たVHフラグメントをシーケンシングすることにより決定又は確認できる。
軽鎖可変VL領域は、類似の方法でクローン化できる。一手法では、コンセンサスプライマーセットが、翻訳開始コドンを包含するVL領域及びV-J結合領域の下流にあるCk領域に特異的な3'プライマーにハイブリッド形成するように設計された5'プライマーを用いてVL領域の増幅のために設計される。2つ目の手法では、5'RACE RT-PCR法を用いて、VLをコードするcDNAをクローン化する。例示的プライマーは上記Schenkに記載されている。クローン化配列はその後、ヒト(又はその他の非ヒト種)定常領域をコードする配列と結合される。
一手法では、重鎖及び軽鎖可変領域は、それぞれのVDJ又はVJ接合部の下流にスプライスドナー配列をコードするように再改変され、重鎖用のpCMV-hγ1及び軽鎖用のpCMV-Mclなどの哺乳動物発現ベクター中に挿入される。これらのベクターは、ヒトγ1及びCk定常領域を、挿入された可変領域カセットの下流にエキソンフラグメントとして、コードする。配列検証後に、重鎖及び軽鎖発現ベクターを、CHO細胞中に同時形質導入して、キメラ抗体を生産できる。遺伝子導入の48時間後に培養上清を収集し、ウェスタンブロット分析により抗体生産を、又はELISAにより抗原結合を分析する。キメラ抗体は上述のようにヒト化される。
キメラ、ベニア化、ヒト化抗体及びヒト抗体は典型的には、組換え発現により生産される。組換えポリヌクレオチドコンストラクトは、典型的には、天然関連又は異種発現制御配列、例えば、プロモーター、を含む抗体鎖コード配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む。発現制御配列は、真核生物宿主細胞を形質転換又は遺伝子導入することができるベクター中のプロモーター系であり得る。ベクターが適切な宿主に組み込まれた後、宿主は、ヌクレオチド配列の高レベル発現、並びに交差反応抗体の回収及び精製に適した条件下で維持される。
これらの発現ベクターは、典型的には、宿主生物中で、エピソームとして、又は宿主染色体DNAの一体化部分として、複製可能である。一般に、発現ベクターは、例えば、アンピシリン耐性又はヒグロマイシン耐性などの選択マーカーを含み、目的のDNA配列で形質転換されたこれらの細胞の検出を可能とする。
大腸菌は、抗体、特に、抗体フラグメントを発現させるのに有用な原核生物宿主の1種である。酵母などの微生物も発現に有用である。サッカロミセス属は、必要に応じて、発現制御配列、複製起点、及び終止配列などを有する適切なベクターを有する酵母宿主である。例示的なプロモーターには、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ及び他の糖分解酵素を含む。誘導性酵母プロモーターには、特に、アルコール脱水素酵素、イソチトクロームC、及びマルトース及びガラクトース利用に関与する酵素由来のプロモーターを含む。
哺乳類細胞は、免疫グロブリン又はそのフラグメントをコードするヌクレオチドセグメントを発現するために使用できる。Winnacker, From Genes~Clones, (VCH Publishers, NY, 1987)を参照。完全な異種蛋白質を分泌することができるいくつかの適切な宿主細胞株が開発されており、これらには、CHO細胞株、様々なCOS細胞株、HeLa細胞、HEK293細胞、L細胞、並びにSP2/0及びNS0を含む非抗体生産ミエローマを含む。細胞は、非ヒトであり得る。これらの細胞用の発現ベクターは、複製起点、プロモーター、エンハンサーなどの発現制御配列(Queen et al., Immunol. Rev. 89:49 (1986))、並びにリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、及び転写終結配列などの必要な情報処理部位を含むことができる。発現制御配列は、内因性遺伝子、サイトメガロウィルス、SV40、アデノウィルス、及びウシパピローマウィルスなどに由来するプロモーターを含むことができる。Co et al., J. Immunol. 148:1149 (1992)を参照。
あるいは、遺伝子導入動物のゲノムへの導入及びその後の遺伝子導入動物のミルク中での発現のために、抗体コード配列をトランスジーン中に組み込むことができる(例えば、U.S. Pat. No. 5,741,957; U.S. Pat. No. 5,304,489; 及びU.S. Pat. No. 5,849,992参照)。好適なトランスジーンは、乳腺特異的遺伝子、例えば、カゼイン又はベータラクトグロブリン由来のプロモーター及びエンハンサーと機能的に連結された軽鎖及び/又は重鎖のコード配列を含む。
目的のDNAセグメントを含むベクターは、宿主細胞型の種類に応じた方法を用いて、宿主細胞中に導入できる。例えば、塩化カルシウム遺伝子導入は典型的には、原核細胞に用いられ、一方、リン酸カルシウム処理、電気穿ポア、リポフェクション、遺伝子銃、又はウィルス系遺伝子導入は、その他の細胞宿主に使用できる。哺乳類細胞を形質転換するのに使用される他の方法には、ポリブレン、原形質融合、リポソーム、エレクトロポレーション、及びマイクロインジェクションの使用を含む。遺伝子導入動物の生産のために、トランスジーンは、受精卵母細胞中に微量注入でき、又は胚性幹細胞のゲノム中に組み込みことができ、このような細胞の細胞核は、除核卵母細胞中に導入できる。
細胞培養物中に抗体の重鎖及び軽鎖をコードするベクター(単一又は複数)を導入し、無血清培地中で増殖生産性及び製品品質に関して細胞プールをスクリーニングできる。その後、最高生産細胞プールをFACSベースの単細胞クローニングに供し、モノクローナル株を生成できる。7.5g/L超の培養物の製品力価に相当する、一日あたり細胞あたり50pg又は100pgを上回る比生産性を使用できる。単細胞クローンが生産する抗体はまた、濁度、濾過特性、PAGE、IEF、UVスキャン、HP-SEC、炭水化物-オリゴ糖マッピング、質量分析、及びELISA又はBiacoreなどの結合アッセイの試験をできる。その後、選択されたクローンは、複数のバイアルに入れ、後の使用のために凍結保存され得る。
発現させると、抗体は、プロテインAキャプチャー、HPLC精製、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動法などを含む、当技術分野の標準的な手順に従って精製できる(概要はScopes, Protein Purification (Springer-Verlag, NY, 1982)参照)。
コドン最適化、プロモーターの選択、転写エレメントの選択、ターミネーターの選択、無血清の単細胞クローニング、細胞保存、コピー数の増幅のための選択マーカーの使用、CHOターミネーター、又は蛋白質力価の改善を含む抗体の商業生産のための方法論を用いることができる(例えば、US 5,786,464; US 6,114,148; US 6,063,598; US 7,569,339; W02004/050884; W02008/012142; W02008/012142; W02005/019442; W02008/107388; W02009/027471; 及びUS 5,888,809参照)。
IV. 能動免疫原
また、本発明は、タウに対する免疫応答を誘発する薬剤を投与する工程を含む、対象におけるタウ関連疾患の処置又は予防方法を提供する。能動免疫に使用されるそのような薬剤は、上記の受動免疫に関連して説明された同じタイプの抗体を患者に誘導するのに役立つ。いくつかのそのような方法は、タウに対する抗体を生成するのに有効なレジメで抗体5G8が特異的に結合するエピトープを含む免疫原を対象に投与する工程を含む。いくつかの方法では、免疫原は、抗体5G8が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む。他の方法では、抗体6A10が特異的に結合するエピトープを含む免疫原が投与される。いくつかの方法では、免疫原は、抗体6A10が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む。いくつかの方法では、抗体8A4が特異的に結合するエピトープを含む免疫原が投与される。いくつかの方法では、免疫原は、抗体8A4が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む。他の方法では、抗体7G6が特異的に結合するエピトープを含む免疫原が投与される。いくつかの方法では、抗体3D6が特異的に結合するエピトープを含む免疫原が投与される。いくつかの方法では、免疫原は、抗体3D6が特異的に結合する配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドを含む。いくつかの方法では、免疫原は、配列番号3の最大20個の連続したアミノ酸のタウペプチドが投与されることを含む。ここで、抗体5G8、6A10、8A4、7G6、及び3D6のうちの少なくとも2つがタウペプチドに特異的に結合する。いくつかの方法では、免疫原は。上記の抗体の2つ以上が特異的に結合するエピトープを含み、ここで、エピトープは、配列番号3の残基199~213又は配列番号3の残基262~276からの4~11の連続したアミノ酸、もしくは配列番号3の残基199~213及び配列番号3の残基262~276からの4~11の連続アミノ酸のペプチドからなる。いくつかの方法では、タウペプチドエピトープは、配列番号3の残基199~213又は配列番号3の残基262~276からの4~11個の連続したアミノ酸からなる。他の方法では、タウペプチドエピトープはアミノ酸の2つの連続したセグメントから成り、1つのセグメントは配列番号3の残基199~213から、もう1つは配列番号3の残基262~276からのものであり、ここで、2つの連続するセグメントはともに4~11アミノ酸で構成される。
5G8、6A10、8A4、7G6、又は3D6と同じ又はオーバーラップするエピトープに結合する抗体を誘導するために、これらの抗体のエピトープ特異性を(例えば、タウ全体にわたる一連のオーバーラッピングペプチドへの結合を試験することによって)マッピングできる。その後、エピトープからなるか又はそれを含むもしくはオーバーラップするタウのフラグメントを免疫原として使用できる。このようなフラグメントは、典型的には、非リン酸化形態で使用される。
異種キャリア及びアジュバントは、用いる場合、モノクローナル抗体を生成するために使用されるものと同じであってもよいが、ヒトにおける使用のためにより良い医薬適合性について選択されてもよい。適切なキャリアには、血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、免疫グロブリン分子、サイログロブリン、オボアルブミン、破傷風トキソイド、又はジフテリア(例えば、CRM197)、大腸菌、コレラ、もしくはH.ピロリなどの他の病原性細菌由来のトキソイド、又は弱毒化毒素誘導体を含む。T細胞エピトープも好適なキャリア分子である。一部のコンジュゲートは、免疫刺激性ポリマー分子(例えば、トリパルミトイル-S-グリセリンシステイン(Pam3Cys)、マンナン(マンノースポリマー)、又はグルカン(aβ1→2ポリマー))、サイトカイン(例えば、IL-1、IL-1アルファ及びIL-1βペプチド、IL-2、γ-INF、IL-10、GM-CSF)、及びケモカイン(例えば、MIP1-α及びβ、並びにRANTES)に本発明の薬剤を連結することにより形成できる。免疫原は、スペーサーアミノ酸(例えば、gly-gly)の有無に関わらずキャリアに連結してもよい。さらなるキャリアにはウィルス様粒子を含む。偽ビリオン又はウィルス由来粒子とも呼ばれるウィルス様粒子(VLP)は、複数コピーのウィルスキャプシド及び/又は定義される球対称のVLP内でインビボ自己集合可能なエンベロープ蛋白質で構成されるサブユニット構造を示す(Powilleit, et al., (2007) PLoS ONE 2(5):e415)。あるいは、ペプチド免疫原を、パンDRエピトープ(「PADRE」)などのMHCクラスII分子の大部分に結合可能な少なくとも1つの人工T細胞エピトープに連結できる。PADREは、US 5,736,142、WO 95/07707、及びAlexer J et al, Immunity, 1:751-761 (1994)に記載されている。能動免疫原は、複数コピーの免疫原及び/又はそのキャリアが単一共有結合分子として存在する多量体形態で存在できる。
フラグメントは、薬学的に許容できるアジュバントと共にしばしば投与される。アジュバントは、ペプチドが単独で使用された場合の状況に比べて、誘導された抗体の力価及び/又は誘導された抗体の結合親和性を増加させる。様々なアジュバントは、免疫応答を誘発するためにタウの免疫原性フラグメントと組み合わせて使用できる。好ましいアジュバントは、応答の質的な形態に影響を与える免疫原の立体構造変化を引き起こすことなく、免疫原に対する固有の応答を増大させる。好ましいアジュバントには、水酸化アルミニウム及びリン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩、3De-O-アシル化モノホスホリル脂質A(MPLTM)(GB 2220211 (RIBI ImmunoChem Research Inc., Hamilton, Montana(現在はCorixaの一部)参照)を含む。StimulonTM QS-21は、南米で見つかったキラヤ・サポナリア・モリナの樹皮から単離されるトリテルペングリコシド即ちサポニンである(Kensil et al., in Vaccine Design: The Subunit Adjuvant Approach (eds. Powell & Newman, Plenum Press, NY, 1995); US 5,057,540参照)、(Aquila BioPharmaceuticals, Framingham, MA(現在はAntigenics, Inc., New York, NY)。他のアジュバントは、任意に、モノホスホリル脂質A(Stoute et al., N. Engl. J. Med. 336, 86-91 (1997)参照)、プルロニックポリマー、及び死滅させたマイコバクテリアなどの免疫刺激剤と組み合わせた(スクアレン又はピーナッツ油などの)水中油型エマルジョンである。Ribiアジュバントは、水中油型エマルジョンである。Ribiは、Tween80を含む生理食塩水で乳化した代謝可能な油(スクアレン)を含む。Ribiはまた、免疫賦活剤として機能する精製されたマイコバクテリア生成物及び細菌モノホスホリル脂質Aも含む。別のアジュバントはCpG(WO 98/40100)である。アジュバントは、活性剤と共に治療組成物の成分として投与されるか、又は別々に治療薬の投与前、それと同時、もしくはその後に投与できる。
タウに対する抗体を誘導するタウの天然フラグメントの類似体も使用できる。例えば、1つもしくは複数又は全てのL-アミノ酸は、そのようなペプチド中のD-アミノ酸で置換できる。また、アミノ酸の順序は逆にすることができる(レトロペプチド)。任意に、ペプチドは、逆の順序で全てのD-アミノ酸を含む(レトロインバーソペプチド)。ペプチド及び他の化合物は、タウペプチドと顕著なアミノ酸配列類似性を必ずしも有する必要はないが、それにもかかわらず、タウペプチドの模倣体として機能し、同様の免疫応答を誘発する。上記のようにタウのモノクローナル抗体に対する抗イディオタイプ抗体も使用できる。このような抗Id抗体は、抗原を模倣し、それに対する免疫応答をもたらす(Essential Immunology, Roit ed., Blackwell Scientific Publications, Palo Alto, CA 6th ed., p. 181参照)。
ペプチド(及び任意にペプチドに融合されたキャリア)はまた、ペプチドをコードする核酸の形態で投与して、患者の体内でin situ発現させることができる。免疫原をコードする核酸セグメントは、典型的には、患者の意図される標的細胞内でDNAセグメントの発現を可能にするプロモーター及びエンハンサーなどの調節エレメントに連結されている。そのままでの免疫応答の誘導に望ましい、血液細胞中での発現には、軽鎖又は重鎖免疫グロブリン遺伝子由来のプロモーター及びエンハンサーエレメント又はCMV主要中初期プロモーター及びエンハンサーが発現を誘導するのに適している。連結された調節エレメント及びコード配列は、多くの場合、ベクターに挿入される。抗体はまた、抗体の重鎖及び/又は軽鎖をコードする核酸の形態で投与できる。重鎖及び軽鎖の両方が存在する場合、鎖は好ましくは、単鎖抗体として連結される。受動的投与のための抗体はまた、例えば、ペプチド免疫原で処置した患者の血清からアフィニティークロマトグラフィーにより調製できる。
DNAは裸の形態で(即ち、コロイド状又はカプセル化材料なしで)送達できる。別の選択肢としては、レトロウィルス系(例えば、Lawrie及びTumin, Cur. Opin. Genet. Develop. 3, 102-109 (1993))、アデノウィルスベクター(例えば、Bett et al, J. Virol. 67, 591 1 (1993)参照)、アデノ随伴ウィルスベクター(例えば、Zhou et al., J. Exp. Med. 179, 1867 (1994)参照);ワクシニアウィルス及びトリのポックスウィルスを含むポックスファミリーのウィルスベクター、シンドビス及びセムリキ森林ウィルス由来のものなどのアルファウィルス属のウィルスベクター(例えば、Dubensky et al., J. Virol. 70, 508-519 (1996)参照)、ベネズエラウマ脳炎ウィルス(US 5,643,576参照)及び水疱性口内炎ウィルスなどのラブドウィルス(国際公開第96/34625号参照)並びにパピローマウィルス(Ohe et al., Human Gene Therapy 6, 325-333 (1995); Woo et al, WO 94/12629及びXiao & Brsma, Nucleic Acids. Res. 24, 2630-2622 (1996))を含むいくつかのウィルスベクター系が使用できる。
免疫原をコードするDNA、又はそれを含有するベクターは、リポソームにパッケージできる。適切な脂質及び関連類似体は、US 5,208,036、US 5,264,618、US 5,279,833、及びUS 5,283,185に記載されている。免疫原をコードするベクター及びDNAはまた、微粒子キャリアに吸着又は結合させることもでき、その例として、ポリメチルメタクリレートポリマー及びポリラクチド並びにポリ(ラクチド-コ-グリコリド)が挙げられる(例えば、McGee et al., J. Micro Encap. 1996参照)。
H. 抗体スクリーニングアッセイ
上記のように、抗体は、最初に目的とする結合特異性に関しスクリーニングされ得る。能動免疫原は、同様に、このような結合特異性を有する抗体を誘導する能力に関しスクリーニングされ得る。この場合、能動免疫原を用いて実験動物を免疫し、得られた血清を適切な結合特異性に関し試験する。
その後、目的とする結合特異性を有する抗体を、細胞及び動物モデルで試験できる。このようなスクリーニングに使用される細胞としては神経細胞を優先すべきである。神経芽腫細胞に、任意にタウ病理と関連する変異と共に、タウの4リピートドメインを遺伝子導入したタウ病理の細胞モデルが報告されている(例えば、デルタK280、Khlistunova, Current Alzheimer Research 4, 544-546 (2007)参照)。別のモデルでは、ドキシサイクリンを添加することにより、タウが神経芽細胞腫N2a細胞株中で誘導される。この細胞モデルは、可溶性又は凝集状態で細胞に対するタウの毒性、タウ遺伝子発現のスイッチをオンにした後のタウ凝集体の外観、再び遺伝子発現のスイッチをオフにした後のタウ凝集体の溶解、並びにタウ凝集体の形成抑制又はそれらを脱凝集における抗体の効率を研究するのを可能とする。
抗体又は能動免疫原はまた、タウと関連する疾患の遺伝子導入動物モデルでスクリーニングできる。このような遺伝子導入動物は、タウトランスジーン(例えば、ヒトアイソフォームのいずれか)及び任意に、とりわけタウ、ApoE、プレセニリン又はα-シヌクレインをリン酸化するキナーゼなどのヒトAPPトランスジーンを含んでいてもよい。このような遺伝子導入動物は、タウと関連する疾患の少なくとも1つの徴候又は症状を発症するように処理されている。
例示的な遺伝子導入動物は、マウスのK3株である(Itner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 105(41):15997-6002 (2008))。これらのマウスは、K369I変異(この変異はピック病と関連している)及びThy 1.2プロモーターを有するヒトタウトランスジーンを有する。このモデルは、神経変性、運動障害並びに求心性繊維及び小脳顆粒細胞の変性の急速な経過を示す。別の例示的な動物は、マウスのJNPL3株である。これらのマウスは、P301L変異(この変異は前頭側頭型認知症と関連している)及びThy1.2プロモーターを有するヒトタウトランスジーンを有する(Taconic, Germantown, N.Y., Lewis, et al., Nat Genet. 25:402-405 (2000))。これらのマウスは、神経変性のより緩やかな経過を有する。このマウスは、いくつかの脳領域及び脊髄における神神経原線維タングルを発症し、これは本明細書にその全体が参照により組み込まれる。これは、タングルの発症の結果を研究するため、及びこれらの凝集体の生成を抑制することができる治療法をスクリーニングするための優れたモデルである。これらの動物の別の利点は、病変の比較的早い段階での発症である。ホモ接合系統では、タウ病理と関連する行動異常は、少なくとも、早ければ3ヶ月目に観察できるが、これらの動物は少なくとも生後8ヶ月まで比較的健康を維持する。つまり、8ヶ月の時点で、これらの動物は歩き回り、それら自体で摂食し、処置効果のモニタリングを可能にするのに十分なほど行動タスクを実行できる。6~13ヶ月間、これらのマウスをAI wI KLH-PHF-1で能動免疫することにより、約1,000の力価を生じさせ、未処置のコントロールマウスと比較して神経原線維タングルはより少なく、pSer422も、体重減少も低下した。
抗体又は活性剤の活性は、総タウ又はリン酸化タウの量の減少、Αβのアミロイド沈着物などの他の病理学的特徴の減少、及び行動欠陥の抑制もしくは遅延を含む様々な基準によって評価できる。能動免疫原はまた、血清中の抗体の誘導に関し試験され得る。受動と能動の両方の免疫原は、トランスジェニック動物の血液脳関門から脳内への抗体の通過に関し試験され得る。抗体又は抗体を誘発するフラグメントはまた、天然又は誘導を介してタウによって特徴付けられる疾患の症状を発症する非ヒト霊長類で試験され得る。抗体又は活性剤の試験は典型的には、抗体又は活性剤が存在しない(例えば、ビヒクルで置き換えられる)ことを除いて並列に行われるコントロール実験と同時に実行される。その後、試験中の抗体又は活性剤に起因する疾患の徴候又は症状の減少、遅延又は抑制がコントロールと比較して評価され得る。
V. 処置対象の患者
神経原線維タングルの存在は、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、及び進行性核上麻痺(PSP)を含むいくつかの疾患で認められている。本レジメはまた、これらの疾患のいずれかの処置又は予防にも使用できる。神経疾患及び病状とタウの間の広範囲に及ぶ関係のために、本レジメは、神経疾患のない個体の平均値と比較して、(例えば、CSF内の)タウもしくはリン酸化タウのレベルの上昇を示す任意の対象の処置又は予防に使用できる。本レジメは、神経疾患と関連するタウの変異を有する個体における神経疾患の処置又は予防にも使用できる。本方法は、アルツハイマー病、及び特に患者における処置又は予防に特に適している。
処置の対象となる患者は、疾患のリスクはあるが、症状を示さない個体及び現在症状を示す患者を含む。疾患のリスクのある患者には、疾患の既知の遺伝的リスクを有する患者を含む。このような個体には、この疾患を経験している親族を有する個体、及びそのリスクが遺伝子マーカー又は生化学的マーカーの分析によって決定されている個体を含む。リスクの遺伝子マーカーには、上述したものなどのタウの変異、並びに神経疾患と関連する他の遺伝子の変異を含む。例えば、ホモ接合型はもちろんだがヘテロ接合型のApoE4対立遺伝子も、アルツハイマー病のリスクと関連している。アルツハイマー病のリスクの他のマーカーには、APP遺伝子の変異、特に717位での変異及びハーディ変異及びスウェーデン変異と呼ばれる位置670及び671での変異、プレセニリン遺伝子のPS1及びPS2の変異、AD、高コレステロール血症又はアテローム性動脈硬化症の家族歴を含む。現在アルツハイマー病に罹患している個体は、特徴的な認知症、及び上述の危険因子の存在から、PETイメージングによって認識できる。さらに、いくつかの診断テストは、ADを有する個体を同定するために利用可能である。これらには、CSFタウ又はリン酸化タウ及びΑβ42レベルの測定を含む。タウ又はリン酸化タウのレベルの上昇及びΑβ42レベルの低下は、ADの存在を意味する。いくつかの変異はパーキンソン病と関連する。Ala30ProもしくはAla53、又はロイシンリッチリピートキナーゼのPARK8などの他の遺伝子の変異は、パーキンソン病と関連する。個体はまた、DSM IV TRの基準によって、上述の神経疾患のいずれかであると診断され得る。
無症状の患者では、処置は全ての年齢(例えば、10、20、30)で開始できる。しかし、典型的には、患者が40、50、60又は70歳に達するまでは処置を開始する必要はない。処置は、典型的には、一定の期間にわたり複数投薬を必要とする。処置は、経時的に抗体レベルをアッセイすることによりモニタリングできる。応答が低下した場合は、追加免疫投与が必要である。潜在的なダウン症候群患者の場合には、母親に治療薬を投与することによって処置を出生前に開始するか、又は出生直後に開始できる。
I. 核酸
本発明は、上記重鎖及び軽鎖のいずれか(例えば、配列番号7~8、47~48、49~50、51~52、53~54、55、59)をコードする核酸を提供する。例えば、配列番号9は、ネズミ5G8重鎖可変領域の配列番号47のアミノ酸配列をコードし、配列番号10は、ネズミ5G8軽鎖可変領域の配列番号48のアミノ酸配列をコードする。任意に、このような核酸は、シグナルペプチドをされにコードし、定常領域に結合したシグナルペプチドを発現できる。核酸のコード配列は、調節配列に機能的に連結され、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、転写終結シグナル、などのコード配列の発現を確実にできる。重鎖及び軽鎖をコードする核酸は、単離形態で生じ得、又は1つ以上のベクター中に挿入できる。核酸は、例えば、固相合成又はオーバーラッピングオリゴヌクレオチドのPCRにより合成できる。重鎖及び軽鎖をコードする核酸は、例えば、発現ベクター内の1つの連続した核酸として連結でき、又は別々の、例えば、それぞれ自身の発現ベクター中に挿入できる。
J. コンジュゲート抗体
タウなどの抗原に特異的に結合するコンジュゲート抗体は、タウの存在の検出;アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)と診断された患者を処置するのに使用される治療薬の有効性のモニタリング及び評価;タウの凝集の抑制又は低減;タウ原線維形成の抑制又は低減;タウ沈着物の低減又は除去;タウの非毒性立体構造の安定化;又は患者のアルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)の処置もしくは予防、に有用である。例えば、このような抗体は、他の治療薬の部分、他の蛋白質、他の抗体、及び/又は検出可能な標識とコンジュゲート化できる。WO 03/057838、US 8,455,622を参照。このような治療薬部分は、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)などの患者の望ましくない状態又は疾患を処置する、と戦う、改善する、防止する、又は改善するのに使用できる任意の薬剤であり得る。
コンジュゲート化した治療薬部分には、細胞傷害薬、細胞分裂阻害剤、神経分化誘導物質、神経保護薬、放射線治療薬、免疫調節物質、又は抗体の活性を推進又は強化するいずれかの生理活性物質を含んでいてもよい。細胞傷害薬は、細胞に対し毒性である任意の薬剤であり得る。細胞傷害薬は、細胞増殖を阻害する任意の薬剤であり得る。神経分化誘導物質は、ニューロン維持、増殖、又は分化を促進する化学又は蛋白質物質を含む任意の薬剤であり得る。神経保護薬は、急性侵襲又は変性過程からニューロンを保護する、化学又は蛋白質物質を含む、薬剤であり得る。免疫調節物質は、免疫応答の発生又は維持を刺激又は抑制する任意の薬剤であり得る。放射線治療薬は、放射線を放出する任意の分子又は化合物であり得る。このような治療薬部分が、本明細書に記載の抗体などのタウ特異的抗体に結合される場合、結合された治療薬部分は、正常細胞に勝るタウ関連疾患罹患細胞に対する特異的親和性を有するであろう。従って、コンジュゲート抗体の投与は、周囲の健常な組織に対しては最小限の損傷で、癌細胞を直接標的とする。これは、治療薬部分がそれら単独で投与されるには毒性が高すぎる場合には特に有用であり得る。さらに、より少ない量の治療薬部分を使用できる。
いくつかのこのような抗体は、イムノトキシンとして作用するように改変できる。例えば、米国特許第5,194,594号を参照。例えば、植物に由来する細胞毒素であるリシンを、抗体に対する二官能性試薬S-アセチルメルカプトコハク酸無水物及びリシンに対するスクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネートを用いて、抗体に結合させることができる。Pietersz et al., Cancer Res. 48(16):4469-4476 (1998)を参照。結合により、リシンのB鎖結合活性は低下するが、リシンのA鎖の毒性潜在能力及び抗体活性のいずれも損なわれない。同様に、リボソームアセンブリーの阻害剤であるサポリンも、化学的に挿入されたスルフヒドリル基間のジスルフィド結合を介して抗体に結合させることができる。Polito et al., Leukemia 18:1215-1222 (2004)を参照。
いくつかのこのような抗体は、放射性同位元素に連結できる。放射性同位元素の例には、としては、例えば、イットリウム90(90Y)インジウム111(111In)、131I、99mTc、放射性銀-111、放射性銀-199、及びビスマス213が挙げられる。放射性同位元素の抗体への連結は、従来の二官能キレートで実施し得る。放射性銀-111及び放射性銀-199の連結に対しては、硫黄系リンカーを使用し得る。Hazra et al., Cell Biophys. 24-25:1-7 (1994)を参照。銀放射性同位元素の連結は、免疫グロブリンのアスコルビン酸による還元を必要とする場合がある。111In及び90Yなどの放射性同位元素に対しては、イブリツモマブチウキセタンを使用でき、このような同位体と反応して、それぞれ111In-イブリツモマブチウキセタン及び90Y-イブリツモマブチウキセタンを形成する。Witzig, Cancer Chemother. Pharmacol., 48 Suppl 1:S91-S95 (2001)を参照。
いくつかのそのような抗体は、その他の治療薬部分に連結できる。このような治療薬部分は、例えば、細胞傷害性、細胞分裂停止性、神経栄養性、又は神経保護性であり得る。例えば、抗体は、メイタンシン、ゲルダナマイシン、チューブリン結合剤(例えば、オーリスタチン)などのチューブリン阻害剤、又はカリチアマイシンなどのマイナーグルーブ結合剤などの毒性化学療法剤と結合できる。その他の代表的治療薬部分には、患者のアルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)の処置、管理、もしくは改善に有用であることが知られている薬剤を含む。
抗体はまた、その他の蛋白質と結合することもできる。例えば、抗体はフィノマーと結合できる。フィノマーは、ヒト癌遺伝子Fyn SH3ドメイン由来の小さい結合蛋白質(例えば、7kDa)である。それらは、安定で可溶性であり得、システイン残基及びジスルフィド結合を欠く場合がある。フィノマーは、抗体と同じ親和性及び特異性で標的分子に結合するように遺伝子改変できる。それらは、抗体をベースにした多重特異的融合蛋白質を生成するのに好適する。例えば、フィノマーを抗体のN末端及び/又はC末端に融合して、異なる構造を有する二重又は三重特異性FynomAbを生成できる。フィノマーは、フィノマーライブラリーに対し、最適特性を有するフィノマーの効率的な選択を可能とするFACS、Biacore、及び細胞ベースのアッセイを用いたスクリーニング技術を通して、選択できる。フィノマーの例は、Grabulovski et al., J. Biol. Chem. 282:3196-3204 (2007); Bertschinger et al., Protein Eng. Des. Sel. 20:57-68 (2007); Schlatter et al., MAbs. 4:497-508 (2011); Banner et al., Acta. Crystallogr. D. Biol. Crystallogr. 69(Pt6):1124-1137 (2013); 及びBrack et al., Mol. Cancer Ther. 13:2030-2039 (2014)に開示されている。
本明細書で開示の抗体はまた、1種又は複数の他の抗体に結合又はコンジュゲートできる(例えば、抗体ヘテロコンジュゲートを形成するために)。このような他の抗体は、タウ内の異なるエピトープに結合でき、又は異なる標的抗原に結合できる。
抗体はまた、検出可能な標識とも結合できる。このような抗体は、例えば、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)の診断、及び/又は処置の有効性を評価するために使用できる。このような抗体は、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)、の対象又はこれらの病気に罹患しやすい対象における、又はこのような対象から得た適切な生物サンプルにおけるこのような判断を行うのに特に有用である。抗体に結合又は連結し得る検出可能な代表的標識には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、ベータガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼなどの種々の酵素;ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンなどの補欠分子団;ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセン、ダンシルクロリド又はフィコエリトリンなどの蛍光材料;ルミノールなどの発光材料;ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンなどの生物発光材料;放射性銀-111、放射性銀-199、ビスマス213、ヨウ素(131I、125I、123I、121I)、炭素(14C)、硫黄(5S)、トリチウム(3H)、インジウム(115In、113In、112In、111In)、テクネチウム(99Tc)、タリウム(201Tl)、ガリウム(68Ga、67Ga)、パラジウム(103Pd)、モリブデン(99Mo)、キセノン(133Xe)、フッ素(18F)、153Sm、177Lu、159Gd、149Pm、140La、175Yb、166Ho、90Y、47Sc、186Re、188Re、142Pr、105Rh、97Ru、68Ge、57Co、65Zn、85Sr、32P、153Gd、169Yb、51Cr、54Mn、75Se、113Sn、及び117Tinなどの放射性の材料;種々のポジトロン放射型断層撮影法を用いたポジトロン放出金属;非放射性常磁性金属イオン;及び放射標識された又は特定の放射性同位元素にコンジュゲート化された分子、が挙げられる。
放射性同位元素の抗体への連結は、従来の二官能キレートで実施し得る。放射性銀-111及び放射性銀-199の連結に対しては、硫黄系リンカーを使用し得る。Hazra et al., Cell Biophys. 24-25:1-7 (1994)を参照。銀放射性同位元素の連結は、免疫グロブリンのアスコルビン酸による還元を必要とする場合がある。111In及び90Yなどの放射性同位元素に対しては、イブリツモマブチウキセタンを使用でき、このような同位体と反応して、それぞれ111In-イブリツモマブチウキセタン及び90Y-イブリツモマブチウキセタンを形成する。Witzig, Cancer Chemother. Pharmacol., 48 Suppl 1:S91-S95 (2001)を参照。
治療薬部分、他の蛋白質、他の抗体、及び/又は検出可能な標識は、仲介物(例えば、リンカー)を介して本発明の抗体に直接的に又は間接的に、結合又はコンジュゲートされ得る。例えば、Arnon et al., "Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy," in Monoclonal Antibodies Cancer Therapy, Reisfeld et al. (eds.), pp. 243-56 (Alan R. Liss, Inc. 1985); Hellstrom et al., "Antibodies For Drug Delivery," in Controlled Drug Delivery (2nd Ed.), Robinson et al. (eds.), pp. 623-53 (Marcel Dekker, Inc. 1987); Thorpe, "Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review," in Monoclonal Antibodies 84: Biological Clinical Applications, Pinchera et al. (eds.), pp. 475-506 (1985); "Analysis, Results, Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy," in Monoclonal Antibodies For Cancer Detection Therapy, Baldwin et al. (eds.), pp. 303-16 (Academic Press 1985); 及びThorpe et al., Immunol. Rev., 62:119-58 (1982)を参照。好適なリンカーとしては、例えば、切断可能及び非切断可能リンカーが挙げられる。酸性又は還元条件下で特定のプロテアーゼに曝露時に、又はその他の所定の条件下で、結合した治療薬部分、蛋白質、抗体、及び/又は検出可能標識を放出する異なるリンカーを用いることができる。
VI. 医薬組成物及び使用方法
予防用途では、抗体もしくは抗体を誘導するための薬剤又はその医薬組成物は、疾患(例えば、アルツハイマー病)に罹患しやすい患者、あるいは、疾患のリスクのある患者に、疾患のリスクを低減する、疾患の重症度を軽減する、又は疾患の少なくとも1つの徴候もしくは症状の発症を遅延させるのに有効なレジメ(投与の用量、頻度及び経路)で投与される。特に、レジメは、好ましくは脳内でタウもしくはリン酸化タウ及びそれから形成されるフィラメント対を抑制もしくは遅延させるか、及び/又はその毒性作用を抑制もしくは遅延させるか、及び/又は行動欠陥の発症を抑制もしくは遅延させるのに有効である。治療用途では、抗体又は抗体を誘発する薬剤は、疾患の少なくとも1つの徴候又は症状の改善又は少なくともさらなる悪化を抑制するのに効果的なレジメ(投与の用量、頻度及び経路)で疾患(例えば、アルツハイマー病)の疑いのある患者、又は既に疾患に罹患している患者に投与される。特に、このレジメは、タウ、リン酸化タウ、もしくはそれから形成されるフィラメント対のレベルのさらなる上昇、関連する毒性及び/又は行動障害を低減又は少なくとも抑制するのに効果的であるのが好ましい。
個々の処置された患者が、本発明の方法によって処置されない同等の患者のコントロール集団における平均的な治療成績よりも良好な治療成績を達成した場合、又は比較臨床試験(例えば、第II相、第II/III相又は第III相試験)で、コントロール患者に対する処置患者のより良好な治療成績がp<0.05又は0.01、あるいはさらに0.001のレベルで示される場合には、レジメは治療用又は予防用に効果的であると見なされる。
多くの異なる要因、例えば、投与手段、標的部位、患者の生理的状態、患者がApoE保因者であるか否か、患者がヒト又は動物であるか否か、他の薬剤が投与されるか、処置が予防用又は治療用であるか否かに応じて、有効用量は変化する。
抗体の例示的な用量範囲は、患者の体重1kg当たり約0.01~60mg/kg、又は約0.1~3mg/kg又は0.15~2mg/kg又は0.15~1.5mg/kgである。抗体は、このような用量で毎日、一日置きに、毎週、隔週、毎月、四半期ごと、又は実証的分析によって決定された任意の他のスケジュールに従って投与できる。例示的な処置は、長期間にわたって、例えば、少なくとも6ヶ月間、複数回投与での投与を必要とする。さらなる例示的な処置レジメは、2週間に1回ごと、又は月に1回、又は3~6ヶ月に1回の投与を必要とする。
能動投与のための薬剤の量は、患者あたり0.1~500μgで、より一般的にはヒトへの投与のための注射あたり1~100又は1~10μgと変化する。注射のタイミングは、1日に1回から1年に1回、10年に1回と大きく変化し得る。典型的なレジメは、免疫化に続いて6週間間隔又は2ヶ月などの時間間隔でのブースター注射からなる。別の投与計画は、免疫化に続いて1、2及び12ヶ月後のブースター注射からなる。別の投与計画は、生きている間、2ヶ月ごとの注射を伴う。あるいは、免疫応答のモニタリングによって示されるように、ブースター注射は不定期になり得る。
抗体又は抗体を誘導するための薬剤は、好ましくは末梢経路(即ち、投与又は誘導される抗体が血液脳関門を通過し、脳内の意図された部位に到達する経路)を介して投与される。投与経路には、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、髄腔内、腹腔内、鼻腔内、眼内又は筋肉内投与を含む。好ましい抗体の投与経路は、静脈内及び皮下経路である。能動免疫に好ましい経路は、皮下及び筋肉内経路である。この種の注射は、最も典型的には、腕又は脚の筋肉に行われる。いくつかの方法では、薬剤は、沈着物が蓄積した特定の組織に直接注射、例えば、頭蓋内注射される。
非経口投与のための医薬組成物は、好ましくは無菌であり、実質的に等張で、GMP条件下で製造される。医薬組成物は、単位剤形(即ち、単回投与のための投与量)で提供され得る。医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容されるキャリア、希釈剤、賦形剤又は補助剤を用いて処方できる。製剤は、選択された投与経路に依存する。注射のために、抗体は、水溶液で、好ましくは、(注射部位での不快感を軽減するために)ハンクス液、リンゲル液、もしくは生理食塩水又は酢酸バッファーなどの生理的に適合性のあるバッファーで処方できる。溶液は、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤などの製剤化剤を含有できる。あるいは、抗体は、使用前に適切なビヒクル、例えば、無菌で発熱物質を含まない水で構成するために凍結乾燥形態であり得る。
本レジメは、処置される疾患の処置又は予防に有効な別の薬剤と組み合わせて投与され得る。例えば、アルツハイマー病の場合、本レジメは、Aβ(WO/2000/072880)、コリンエステラーゼ阻害剤もしくはメマンチンに対する免疫療法と組み合わせることができ、又はパーキンソン病の免疫療法の場合には、α-シヌクレイン(WO/2008/103472)、レボドパ、ドーパミン作動薬、COMT阻害剤、MAO-B阻害剤、アマンタジン、もしくは抗コリン薬に対する免疫療法と組み合わせることができる。
抗体は効果的レジメで投与され、これは、発症を遅らせる、重症度を低減する、さらなる悪化を抑制する、及び/又は処置される障害の少なくとも1つの徴候又は症状を改善する投与量、投与経路及び投与頻度を含む投与計画を意味する。患者が既に障害に罹患している場合は、レジメは治療的に効果的なレジメと称される場合もある。患者が母集団に比べて障害の高いリスクを有するが、まだ症状がない場合、レジメは、予防用に効果的なレジメと称される場合もある。いくつかの事例では、治療的又は予防的有効性は、同じ患者のヒストリカルコントロール又は過去の経験に対して個別の患者で観察され得る。他のケースでは、治療的又は予防的有効性は、非処置患者のコントロール集団に比べて、処置患者集団の臨床前又は臨床試験中に実証できる。
抗体の例示的投与量は、0.1~60mg/kg(例えば、0.5、3、10、30、又は60mg/kg)、又は0.5~5mg/kg体重(例えば、0.5、1、2、3、4又は5mg/kg)又は固定投与量として、10~4000mg又は10~1500mgである。投与量は、特に、患者の状態及び前の処置がある場合その応答に、処置が予防的であるか又は治療的であるか、及び障害が急性であるか又は慢性であるかに依存する。
投与は、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、髄腔内、腹腔内、鼻腔内又は筋肉内投与であり得る。いくつかの抗体は、静脈内又は皮下投与により体循環中に投与できる。静脈内投与は、例えば、30~90分にわたる輸注であり得る。
投与頻度は、特に、循環中の抗体の半減期、患者の状態及び投与経路に依存する。頻度は、患者の状態又は処置される障害の進行の変化に応じて、毎日、毎週、毎月、3ヶ月毎、又は不規則な間隔とできる。静脈内投与の例示的頻度は、処置の原因によって毎週~3ヶ月毎であるが、さらに多い又は少ない頻度の投与も可能である。皮下投与としては、例示的投与頻度は、毎日から毎月であるが、さらに多い又は少ない頻度の投与も可能である。
投薬の回数は、障害が急性であるか慢性であるか及び処置に対する障害の応答に依存する。急性障害又は慢性障害の急性悪化に対しては、多くの場合1~10回の服用量である。時には、急性障害又は慢性障害の急性悪化に対しては、必要に応じ分割形態とした、単一急速投与量で十分である。急性障害又は急性悪化の再発に対しては、処置を反復し得る。慢性障害に対しては、抗体は、規則的な間隔、例えば、毎週、隔週、毎月、3ヶ月毎、6ヶ月毎を少なくとも1、5又は10年間、又は患者の一生の間投与され得る。
A. 診断及びモニタリング方法
インビボイメージング、診断方法、及び最適化免疫療法
本発明は、患者のタウ蛋白質沈着物(例えば、神経原線維濃縮体及びタウ封入体)をインビボイメージングする方法を提供する。本方法は、タウに結合する抗体(例えば、マウス、ヒト化、キメラ又はベニア化5G8、6A10、8A4、又は7G6抗体)などの薬剤を患者に投与し、その後、タウに結合した薬剤を検出することにより作用する。投与した抗体のクリアー応答は、Fabなどの完全長の定常領域を欠く抗体フラグメントを使用することによって回避又は低減できる。いくつかの方法では、同一の抗体は、処置及び診断試薬の両方として機能し得る。
診断試薬は、患者の体内への静脈内注射によって、又は頭蓋内注射によるかもしくは、頭蓋骨に孔を穿孔することによって脳に直接投与できる。試薬の投与量は、処置方法の場合と同じ範囲内である必要がある。典型的には、試薬は標識されるが、いくつかの方法では、タウに対する親和性を有する一次試薬は標識されず、二次標識剤を一次試薬に結合させるために使用される。標識の選択は検出の手段に依存する。例えば、蛍光標識は光学的検出に適する。常磁性標識の使用は、外科的介入を用いない断層撮影検出に適する。放射性標識はまた、陽電子放出断層撮影(PET)又は単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)を用いて検出できる。
タウ蛋白質沈着物のインビボイメージングの方法は、アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、進行性核上性麻痺及びピック病、又はそのような疾患に対する感受性などのタウオパチーを診断するのに、又はその診断を確定するのに有用である。例えば、本方法は、認知症の症状を示す患者に使用できる。患者に異常な神経原線維タングルがある場合、その患者は、アルツハイマー病を罹患している可能性がある。別の選択肢としては、患者に異常なタウ封入体がある場合には、封入体の位置に応じて、その患者は前頭側頭葉変性症に罹患している可能性がある。本方法はまた、無症状の患者にも使用できる。異常なタウ蛋白質沈着物の存在は、将来、症候性疾患に罹りやすいことを示す。この方法はまた、以前にタウ関連疾患と診断された患者における疾患の進行及び/又は処置に対する応答をモニタリングするのに有用である。
診断は、標識された遺伝子座の数、サイズ、及び/又は強度を対応するベースライン値と比較することによって行われ得る。ベースライン値は、非疾患個体集団における平均レベルを表し得る。ベースライン値はまた、同じ患者で決定された以前のレベルを表し得る。例えば、患者のベースライン値は、タウ免疫療法処置を開始する前に測定することができ、その後、測定値とベースライン値と比較できる。ベースラインシグナルに対する値の減少は、処置に対する陽性反応を示す。
いくらかの患者では、タウオパチーの診断は、PETスキャンを実行することによって支援され得る。PETスキャンは、例えば、従来のPET撮像装置及び補助装置を用いて実施され得る。スキャンは典型的には、タウ蛋白質沈着物と関連することが一般に知られている脳の1つ以上の領域、及びあったとしても少数の沈着物が典型的には、存在してコントロールとしての役割を果たす1つ以上の領域を含む。
PETスキャンで検出したシグナルは、多次元画像として表すことができる。多次元画像は、二次元では脳の断面を表し、三次元では三次元脳を表すか、又は四次元では三次元脳の経時的変化を表し得る。カラースケールは、異なる色を用いて行うことができ、異なる標識量及び検出される推定タウ蛋白質沈着物を示す。スキャンの結果はまた、検出される標識の量及びその結果としてのタウ蛋白質沈着物の量と関連する数で数値的に提示できる。特定のタウオパチー(例えば、アルツハイマー病)の、沈着物と関連することが知られている脳の領域に存在する標識は、前者の領域内における沈着物の程度を表す比率を提供するために、沈着物と関連することが知られていない領域内に存在する標識と比較できる。同じ放射性標識リガンドに対するこのような比率は、タウ蛋白質沈着物の比較可能な尺度及び異なる患者間でのその変化を与える。
いくつかの方法では、PETスキャンは、MRI又はCATスキャンと同時に、又はMRI又はCATスキャンと同じ患者の訪問で実施される。MRI又はCATスキャンは、PETスキャンよりも脳のより解剖学的詳細を提供する。しかし、PETスキャンからの画像は、脳内の解剖学的構造に対するPETリガンド及び推定タウ沈着物の位置をより正確に示すMRI又はCATスキャン画像上に重ね合わせることができる。一部の装置は、スキャンの間に患者が位置を変えることなく患者のPETスキャンとMRI又はCATスキャンの両方を実行し、画像の重ね合わせを容易にすることできる。
好適なPETリガンドは、本発明の放射標識抗体(例えば、マウス、ヒト化、キメラ又はベニア化5G8、6A10、8A4、又は7G6抗体)を含む。使用される放射性同位体は、例えば、C11、N13、O15、F18、又はI123であり得る。PETリガンドの投与と、スキャンを実行する間隔は、PETリガンド、特に脳への取り込み速度及び除去速度、並びにその放射性標識物の半減期に依存し得る。
PETスキャンはまた、無症状の患者又は軽度認知障害の症状を有するが、タウオパチーと診断されておらず、それでもタウオパチーを発症するリスクが高い患者で予防処置として実施することもできる。無症状の患者では、スキャンは、家族歴、遺伝的もしくは生化学的危険因子又は熟年のためにタウオパチーのリスクが高いと考えられる個体に特に有用である。予防用スキャンは、例えば、45~75歳の年齢の患者で開始できる。いくらかの患者では、最初のスキャンは50歳で行われる。
予防用スキャンは、例えば、6ヶ月~10年、好ましくは、1~5年の間隔で行われ得る。いくらかの患者では、予防用スキャンが毎年行われる。予防的措置として行われるPETスキャンが異常に高いレベルのタウ蛋白質沈着物を示す場合、免疫療法が開始され、その後、PETスキャンが、タウオパチーと診断された患者と同様に開始できる。予防処置として行われるPETスキャンが正常レベル内にあるタウ蛋白質沈着物のレベルを示す場合、さらにPETスキャンが、前述のように、6ヶ月~10年、好ましくは、1~5年の間隔で、又はタウオパチーもしくは軽度認知障害の徴候及び症状の出現に応答して行われ得る。上記の正常レベルのタウ蛋白質沈着物が検出される場合、予防用スキャンとタウ標的化免疫療法の投与を組み合わせることによって、タウ蛋白質沈着物のレベルは正常レベルまで低下するかもしくはそれにより近いレベルになるか、又は少なくともさらに増加するのを防ぐことができ、患者は、予防用スキャン及びタウ標的化免疫療法を受けていない場合よりも長い期間(例えば、少なくとも5、10、15もしくは20年、又は患者の残りの人生の間)、タウオパチーのない状態のままであり得る。
正常レベルのタウ蛋白質沈着物は、特定のタウオパチー(例えば、アルツハイマー病)と診断されておらず、このような疾患を発症するリスクが高いとみなされていない母集団の個体の代表的なサンプル(例えば、年齢が50歳未満の無病の個体の代表的なサンプル)の脳内における神経原線維タングル又はタウ封入体の量によって決定され得る。あるいは、タウ蛋白質沈着物が生じることが知られている脳の領域における、本発明の方法によるPETシグナルが、このような沈着物が通常生じることが知られている脳の領域からのシグナルと(測定の精度内で)異なっていない場合には、正常なレベルが個々の患者で認識され得る。個体におけるレベルの上昇は、正常レベルとの比較(例えば、平均+標準偏差の分散の外側のレベル)によって又は、単に、沈着物と関連することが知られていない領域と比較したタウ蛋白質沈着物と関連する脳の領域における実験誤差を超えて上昇したシグナルから認識され得る。個体及び集団におけるタウ蛋白質沈着物のレベルを比較する目的の場合、タウ蛋白質沈着物は、好ましくは、脳の同じ領域(複数可)において決定されるべきであり、これらの領域は、特定のタウオパチー(例えば、アルツハイマー病)と関連するタウ蛋白質沈着物を形成することが知られている少なくとも1つの領域を含む。タウ蛋白質沈着物のレベルが上昇した患者は、免疫療法を開始するための候補である。
免疫療法を開始した後のタウ蛋白質沈着物のレベルの低下は、最初に、処置が所望の効果を有していることを示すものとして見ることができる。観察された減少は、例えば、ベースライン値の1~100%、1~50%、又は1~25%の範囲内であり得る。このような効果は、沈着物を形成することが知られている脳の1つ以上の領域で測定できるか、又はそのような領域の平均値から測定できる。処置の総合効果は、処置しない場合に、平均的な非処置患者で生じるタウ蛋白質沈着物の増加にベースラインに対する減少率を加えることによって概算できる。
タウ蛋白質沈着物のほぼ一定のレベルでの維持又はタウ蛋白質沈着物が少しでも増加することは、準最適な応答ではあるが、処置に対する応答の指標となり得る。このような応答は、免疫療法がタウ蛋白質沈着物のさらなる増加を抑制する効果を有するか否かを決定するために、処置を受けていない特定のタウオパチー(例えば、アルツハイマー病)を有する患者におけるタウ蛋白質沈着物のレベルの時間経過と比較できる。
タウ蛋白質沈着物の変化のモニタリングにより、その処置に応答した免疫療法又は他の処置レジメの調整が可能になる。PETモニタリングは、処置に対する応答の性質及び程度の指標を提供する。その後、処置の調整を行うべきか否かを判断することができ、必要であれば、処置はPETモニタリングに応じて調整できる。従って、他のバイオマーカー、MRI又は認知の測定が検出可能なほど応答する前に、PETモニタリングによって、タウ標的化免疫療法又は他の処置レジメの調整が可能になる。著しい変化は、ベースに対する処置後のパラメータの値を比較することで、処置が有益な効果をもたらしたか又はもたらしていないという証拠が得られることを意味する。いくつかの事例では、患者自身におけるパラメータの値の変化から、処置が有益な効果をもたらしたか又はもたらしていないという証拠が得られる。他の例では、患者における値の変化がある場合、免疫療法を受けていない患者の代表的なコントロール集団における値の変化がある場合にはその変化と比較される。特定の患者の応答とコントロール患者の正常な応答との差異(例えば、平均値プラス標準偏差の分散)はまた、免疫療法のレジメが患者において有益な効果を達成しているか又はしていないかという証拠を提供できる。
一部の患者では、モニタリングによって、タウ蛋白質沈着物の検出可能な低下が示されるが、タウ蛋白質沈着物のレベルは正常を上回ったままである。このような患者では、許容できない副作用がない場合、そのままの投与頻度及び/もしくは用量で、又は最大推奨用量でない場合は、投与頻度及び/もしくは用量を増加させて、処置レジメを継続できる。
モニタリングによって、患者におけるタウ蛋白質沈着物のレベルが正常又はほぼ正常まで低下したことが示される場合は、免疫療法のレジメは、誘導の投与計画(即ち、タウ蛋白質沈着物のレベルを低下させる計画)から維持の投与計画(即ち、ほぼ一定のレベルでタウ蛋白質沈着物を維持する計画)に調整できる。このようなレジメは、免疫療法の用量及び/又は投与頻度を減少させることによって行われ得る。
他の患者では、モニタリングは、免疫療法がいくつかの有益な効果を有しているが準最適な効果であることを示し得る。最適な効果は、治療の開始後の所定の時点で免疫療法を受けているタウオパチー患者の代表的なサンプルの(タウ蛋白質沈着物が形成することが知られているその全体脳もしくは代表的な領域(単一又は複数)にわたって測定又は計算された)タウ蛋白質沈着物の変化の上半分又は四分位内のタウ蛋白質沈着物のレベルの減少率として定義され得る。タウ蛋白質沈着物が少し低下した患者、又はタウ蛋白質沈着物が一定のままの患者、又は増加するが、免疫療法の非存在下で(例えば、免疫療法を投与されていない患者のコントロール群から推測したときに)予想される値よりも低い程度までの増加である患者は、陽性ではあるが準最適な反応を経験する患者として分類され得る。このような患者には、任意に、薬剤の用量及び/又は投与頻度を増加させるレジメの調整が施され得る。
いくらかの患者では、タウ蛋白質沈着物は、免疫療法を受けていない患者におけるタウ沈着と同様に又はそれを上回って増加し得る。このような増加が、18ヶ月又は2年などの期間にわたって継続する場合は、薬剤の頻度又は用量が増加した後であっても、必要に応じて、他の処置を優先して免疫療法が中断され得る。
タウオパチーの診断、モニタリング、及び処置の調整に関する前述の説明は、主にPETスキャンの使用に焦点を置いてきた。しかし、本発明のタウ抗体(例えば、マウス、ヒト化、キメラもしくはベニア化5G8、6A10、8A4、又は7G6抗体)の使用の影響を受けやすいタウ蛋白質沈着物の視覚化及び/又は測定ための任意の他の技術が、このような方法を実行するためにPETスキャンの代わりに使用できる。
タウ関連疾患に罹患している又は罹患しやすい患者のタウに対する免疫応答の検出方法も提供される。この方法を用いて、本明細書で提供される作用物質による治療及び予防処置の過程をモニタリングすることができる、受動的免疫化後の抗体プロファイルは典型的には、直後の抗体濃度のピークとそれに続く指数関数的減衰を示す。さらに投与がなければ、減衰は、投与され多ポア体の半減期に応じて、数日から数ヶ月の期間内に処置前のレベルに近付く。例えば、いくつかのヒト抗体の半減期は、20日の程度である。
いくつかの方法では、対象のタウに対する抗体のベースライン測定は投与前に行われ、第2の測定は、その直ぐ後に、抗体のピークレベルを測定するために行われ、さらに1回又は複数回のさらなる測定は、抗体のレベルの減衰をモニタリングするために間隔を置いて行われる。抗体のレベルがベースライン又はベースラインを差し引いたピークの所定のパーセンテージ(50%、25%又は10%)まで低下すると、さらなる用量の抗体の投与が行われる。いくつかの方法では、ピーク又はバックグラウンドを差し引いたその後の測定レベルがあらかじめ決定した基準レベルと比較され、他の対象に対する有益な予防又は治療処置レジメが作成される。測定抗体レベルが基準レベルより大きく低い場合(例えば、処置から利益を受ける対象集団の基準値の平均マイナス1標準偏差、好ましくは2標準偏差未満の場合)には、追加の抗体投与量が必要である。
例えば、対象由来のサンプル中のタウを測定することにより、又は対象のタウのインビボイメージングにより、対象のタウを検出する方法も提供される。このような方法は、タウに関連する疾患、又はそれに対する罹りやすさの診断又は診断の確定に有用である。この方法はまた、無症状の対象にも使用できる。タウの存在は、将来、症候性疾患に罹りやすいことを示す。この方法はまた、以前に、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)と診断されたことがある対象の疾患進行及び/又は処置に対する反応をモニタリングするのに有用である。
アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)を有する、有すると疑われる、又は有するリスクのある対象から得た生物サンプルを、本明細書で開示の抗体に接触させて、タウの存在を評価できる。例えば、このような対象のタウのレベルが健康な対象に存在するタウのレベルと比較され得る。あるいは、疾患の処置を受けているこのような対象のタウのレベルが、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)の処置を受けたことがない対象のタウのレベルと比較され得る。いくつかのこのような試験は、このような対象から得た組織の生検材料を必要とする。ELISAアッセイはまた、例えば、流体サンプル中のタウを評価するために有用な方法であり得る。
VII. キット
本発明はさらにキット(例えば、容器)を提供し、キットは、本明細書で開示の抗体及び関連物、例えば、使用説明書(例えば、添付文書)を含む。使用説明書は、例えば、抗体及び必要に応じ、1種又は複数の追加の薬剤の投与のための説明書を含んでよい。抗体の容器は、単位用量、大量包装(例えば、複数回投与用包装)又は分割単位用量であってよい。
添付文書は、適応症、使用法、投与量、投与、このような治療薬の使用に関する禁忌及び/又は警告についての情報を含む治療薬の商業用パッケージに習慣的に含められる説明書を意味する。
キットはまた、無菌注射用水(BWFI)、リン酸塩緩衝生理食塩水、リンゲル液及びデキストロース溶液などの薬学的に許容可能なバッファーを含む第2の容器を含む。キットはまた、商業上及びユーザーの点から見て望ましい他の材料を含めてもよく、これらには、他のバッファー、希釈液、フィルター、針、シリンジを含む。
VIII. その他の用途
臨床診断又は治療又は研究の場合、抗体は、タウ又はそのフラグメントの検出に使用できる。例えば、抗体を使用して、生物サンプルがタウ沈着物を含むという指標として生物サンプル中のタウの存在を検出できる。抗体の生物サンプルへの結合は、抗体のコントロールサンプルへの結合と比較できる。コントロールサンプル及び生物サンプルは、同じ組織起源の細胞を含んでいてもよい。コントロールサンプル及び生物サンプルは、同じ個体又は異なる個体から、同じ時期又は異なる時期に得ることができる。必要に応じ、複数の生物サンプル及び複数のコントロールサンプルが複数の時期に評価され、サンプル間の差異とは関係のないランダムな変動に対し保護される。その後、生物サンプル(単一又は複数)とコントロールサンプル(単一又は複数)との間の直接比較が行われ、生物サンプル(単一又は複数)に対する抗体結合(即ち、タウの存在)がコントロールサンプル(単一又は複数)に対する抗体結合と比べて、増加、減少、又は同じであるかどうかが判定される。抗体の、コントロールサンプル(単一又は複数)に対する結合と比べて、生物サンプル(単一又は複数)に対する結合の増加は、生物サンプル(単一又は複数)中のタウの存在を示す。いくつかの事例では、抗体結合の増加は統計的に有意である。任意に、生物サンプルに対する抗体結合は、コントロールサンプルに対する抗体結合よりも、少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍又は100倍である。
さらに、抗体を使用して、生物サンプル中のタウの存在を検出し、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)と診断された患者の治療に使用されている治療薬の有効性をモニタリング及び評価できる。アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)と診断された患者由来の生物サンプルを評価して、その治療薬による治療を開始する前に、そのサンプルに対する抗体の結合のベースライン(即ち、サンプル中のタウの存在に対するベースライン)が確定される。いくつかの事例では、患者由来の複数の生物サンプルが複数の時期に評価されて、治療には無関係のランダムな変動のベースライン及び基準の両方が確定される。その後、治療薬がレジメにより投与される。レジメは、一定の期間にわたり薬剤の複数の投与を含んでもよい。任意に、抗体の結合(即ち、タウの存在)は、複数の時期に複数の生物サンプルで評価され、ランダムな変動の基準を確定し、免疫療法に応答する傾向を示す。生物サンプルに対する抗体結合の種々の比較評価がその後行われる。2つのみの評価を行う場合には、2つの評価間で直接評価がなされて、抗体結合(即ち、タウの存在)が、2つの評価間で増加、減少、又は同じで維持されるかどうかが決定される。3回以上の測定がなされる場合は、測定値は、治療薬による治療前に開始される経時変化として及び治療過程を介して進行する経時変化として分析できる。患者において、生物サンプルに対する抗体結合(即ち、タウの存在)が低減した場合、患者のアルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)の治療に治療薬が効果的であると結論できる。抗体結合の低減は統計的に有意である。任意に、結合は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%減少する。抗対結合の評価は、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上麻痺(PSP)の徴候及び症状の評価と併せて行うことができる。
抗体は、タウ又はそのフラグメント検出研究用の研究試薬としても使用できる。このような用途では、抗体は、蛍光分子、スピン標識分子、酵素、放射性同位元素で標識でき、検出法の実施に必要な全ての試薬と共に、キットの形で提供できる。また、抗体を用いて、例えば、親和性クロマトグラフィーにより、タウ、又はタウの結合相手を精製できる。
上記又は下記で引用した全ての特許出願、ウェブサイト、その他の刊行物、アクセッション番号などは、あたかも個別の項目が具体的に、個別に参照により組み込まれることが示される場合と同じ程度に、参照によりその全体が、本出願において組み込まれる。配列の異なるバージョンが異なる時間のアクセッション番号と関連する場合は、本出願の有効な出願日のアクセッション番号に関連するバージョンを意味している。有効な出願日は、実際の出願日又は該当する場合は、アクセッション番号に関する優先権出願の出願日より早い日付を意味する同様に、刊行物、ウェブサイトなどの異なるバージョンが異なる時間に発表された場合には、別段の指示がない限り、出願の有効出願日で、最近発表されたバージョンを意味する。本発明の任意の特徴、工程、要素、実施形態、又は態様は、特に別義が示されない限り、任意の他のものと組み合わせて使用できる。本発明は、明確さ及び理解の目的のために例示及び実施例によっていくらか詳細に説明してきたが、特定の変更及び改変が、添付の特許請求の範囲内で実施され得ることは明らかであろう。
<実施例1>タウモノクローナル抗体の特定
タウに対するモノクローナル抗体を以下のようにして作製した。免疫は、N末端Hisタグ付きP301S変異を有する組換え383 a.a.ヒトタウ(4R0N)[免疫原A]、又はN末端Hisタグを欠くP301S変異を有する組換え383 a.a.ヒトタウ(4R0N)[免疫原B]のいずれかで行った。免疫原はRIBIアジュバントで乳化した。
5週齢の雌のBalb/cマウスを、0日目に25μgの免疫原Aで、7、14、21、27、34、48、55、62日目にそれぞれ10μgの免疫原Aで腹腔内免疫した。76日目と90日目にマウスを10μgの免疫原Bで免疫した。43日目と98日目に、マウスから採血し、免疫原Aに対する力価を測定した。101日目に、最高力価の動物を50μgの免疫原Bの最終免疫で追加免疫した(腹腔内に1/2、静脈内に1/2投与した)。融合ハイブリドーマを、両方の免疫原に対するELISAによってスクリーニングした。
<実施例2>マウスモノクローナル抗体はELISAアッセイでタウに結合する
方法:間接ELISA
96ウェルポリスチレンプレートを、1xPBSに懸濁した捕捉抗体の抗6xHis(図1A)又はポリクローナル抗タウ(Dako#A0024、図1B)で室温で2時間又は4℃で16時間コートした。コーティング液を除去し、プレートを1xPBS中の1%BSAで1時間ブロッキングした後、蛋白質のN末端にポリヒスチジンタグを有する(図1A)、又は有さない(図1B)ヒト組換えタウとインキュベートした。洗浄後、プレートを示した抗体とともにインキュベートし、洗浄し、HRP結合ヤギ抗マウス二次抗体とともにインキュベートした。プレートをTMBで発色させ、A450をプレートリーダーで測定した。
サンドウィッチELISA
96ウェルポリスチレンプレートを、1xPBS中の抗マウス抗体を用いて、室温で2時間又は4℃で16時間コートした。コーティング液を除去し、プレートを1xPBS中の1%BSAで1時間ブロッキングした。次に、プレートを同じ濃度の示した抗体と共にインキュベートし、1xPBS中の0.1%BSAで希釈した。プレートを、ヒトタウ、ポリクローナルウサギ抗タウ(Dako#A0024)、及びHRP標識ヤギ抗ウサギ抗体で連続的に処理した。全て、PBS中の0.1%BSAで希釈し、各工程の間で洗浄を行った。ストレプトアビジン-HRPを加え、プレートをTMBで発色させ、A450をプレートリーダーで測定した。図1Cを参照。
結果
いくつかの異なるELISAフォーマットにより、一連のハイブリドーマ生産抗体のタウへの結合に関し、アッセイした。タウの検出は、間接フォーマットを用い、タウのN末端に融合したポリヒスチジンタグにより固定されたタウ蛋白質を使って確認した(図1A)。未変性の非タグ蛋白質も同様に確認した(図1B)。種々の抗体の溶液親和性を評価するために、試験したハイブリドーマ抗体を捕捉試薬として使用するサンドイッチELISAフォーマットを使用した(図1C)。
<実施例3>タウに対するマウスモノクローナル抗体の親和性
方法
Biacore T200を使って、SPR分析を実施し、ネズミ抗体の組換えヒトタウに対する結合動態を測定した。センサー表面を調製するために、抗マウス抗体(GE Life Sciences)をアミンカップリングを介してセンサーチップCM5上に固定し、50RUの最大結合を確保するレベルで抗体を捕捉した。10~0.14nMの範囲の種々の濃度の組換えタウを、180秒の結合及び900秒の解離のために、ランニングバッファー(HBS+0.05%P-20, 1mg/ml BSA)中で、50μL/分の流速で捕捉リガンド上を通過させた。データは、捕捉分子からのリガンドの解離を捕捉するために、抗体リガンドを含まない無関係のセンサー、及び0nMの分析物濃度の両方に対する二重基準とした。その後、データをグローバル1:1フィットを用いて分析した。
結果
複数のネズミ抗体を一連のELISAアッセイの成績に基づいて選択し、それらの結合親和性をSPRにより評価した。抗体を並行セットで試験し、それらの結合と解離速度を測定した。結合親和性を図2に示す。
<実施例4>マウスモノクローナル抗体はヒトタウの不死化神経細胞表面に対する結合を妨害する
方法
B103神経芽腫細胞へのタウの結合の抗タウモノクローナル抗体による阻害
1. B103細胞を5x105細胞/mLで再懸濁する。MSD高結合プレートにウェル当たり50μLの細胞懸濁液を播種する。これにより、25K細胞/ウェルが得られる。プレートを覆い、37℃、5%CO2下で2時間細胞を付着させる。
2. 細胞付着後、プレートを反転することにより、ウェルからPBSを除去し、静かにタッピングして過剰バッファーを除去する。50μlのPBS中の3%MSDブロッカーA又は他の適切なブロッキングバッファーを各ウェルに加え、震盪せずに室温でプレートを1時間インキュベートする。
3. プレートブロッキング工程中に、タウ及び抗タウ抗体を以下のように共インキュベートする。
a. 2mg/mlの抗タウ抗体からスタートし、PBSで1:2の系列希釈により追加の7種の希釈を行う。
b. タウをPBS中20nMに希釈する。タウ濃度はそれぞれのウェルで一定になる。
c. 10nMの最終タウ濃度、及び1mg/mlの抗タウの開始濃度となるように、タウ及び抗タウ抗体を1:1で混合する。
d. 混合物を室温で約1時間震盪(600rpm)しながらインキュベートする。
4. 工程2のプレートブロッキング後、プレートを反転してウェルからブロッキングバッファーを除去し、静かにタッピング後、マルチチャンネルピペットを用いてプレートをPBSで2回洗浄する。過剰バッファーを確実に完全に除去する。タウ(抗タウ複合体)を加える前に、播種した細胞を4℃に冷却する。
5. 工程3の50μLの冷却した複合体を播種した細胞に加え、氷上で30分間インキュベートする。
6. 前に記載したように、プレートを冷却PBSで2回洗浄する。
7. 細胞表面結合タウの検出のために、ウェル当たり50μLの16B5.SULFO-TAGを加える。氷上で30分間インキュベートする。
8. 前に記載したように、プレートを再度、冷却PBSで2回洗浄する。
9. ウェル当たり150μLの1X界面活性剤非含有リードバッファT(H2Oで希釈)を加え、MSD SECTORTM 600測定器で直ちに読み取る。リードバッファを加えるときに、気泡の混入を避ける。
10. MSDシグナル対タウの濃度を報告する。
抗体は、抗タウ抗体3D6、16G7、3H9、4C5、5G8、並びにアイソタイプコントロールを試験した。
結果
試験抗体の増加に伴い発生するSulfoTag抗タウシグナルの減少は、神経細胞表面へのタウの結合の機能的遮断を示す。アイソタイプコントロール、16G7、又は3H9ではブロッキングは観察されなかった。4C5、5G8、及び3D6では、機能的遮断活性の増加が観察された。図3を参照。
<実施例5>3D6及び5G8はヒト疾患組織由来のタウを免疫捕獲する。
方法
高塩可溶性蛋白質画分を1mg/mlに調製した。各免疫沈降において、200μgのサンプルを使用した。10μgの示した抗体(アイソタイプコントロール、抗タウ抗体3D6、又は5G8)を高塩サンプル調製物に加え、2時間インキュベートした。その後、プロテインG磁気ビーズを混合物に加え、さらに1時間インキュベートして、抗体/抗原複合体を捕捉した。サンプルを1xPBSで完全に洗浄し、ビーズを還元/変性サンプルバッファー中で煮沸し、捕捉した蛋白質を放出させた。得られたサンプルをSDS-PAGEにより分離し、ポリクローナル抗タウ抗体(Dako、#A0024)を用いて、ウェスタンブロッティングを実施した。
結果
図4に示すように、抗タウ抗体の3D6及び5G8は、アルツハイマー疾患組織由来タウと免疫沈降した。高塩可溶性画分を示した抗体で免疫沈降し、3D6と5G8の結合部位とは別のタウ分子の領域に対するポリクローナル抗タウ抗体で検出した。5G8及び3D6の両方は、この画分からタウを捕捉した。インプット(高塩可溶性サンプル)を右側に示す。
<実施例6>ヒト化5G8の設計
マウス抗体5G8をヒト化のための開始点又はドナー抗体とした。成熟m5G8の重鎖可変アミノ酸配列は、配列番号9である。成熟m5G8の軽鎖可変アミノ酸配列は、配列番号10である。重鎖Kabat/Chothia組み合わせCDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列は、それぞれ配列番号11~13である。軽鎖Kabat CDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列は、それぞれ配列番号14~16である。Kabatナンバリングを全体を通して使用した。
5G8 VH及びVLのCDRは、マーチンの配列ベースCDR同定ルール(Martin ACR. (2010). In: Kontermann R Dubel S (eds). Antibody Engineering. Heidelberg, Germany: Springer International Publishing AG.)を使用して同定した。5G8抗体の可変カッパ(Vk)は、ヒトVkサブグループ2に対応するマウスVkサブグループ2に属し、可変重鎖(Vh)は、ヒトVHサブグループ1に対応するマウスVHサブグループ2cに属する[Kabat E.A., et al., (1991), Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition. NIH Publication No. 91-3242]。Vkの16個の残基のKabat CDR-L1はChothiaカノニカルクラス4と類似し、7個の残基のKabat CDR-L2はChothiaカノニカルクラス1のものであり、9個の残基のKabat CDR-L3はChothiaカノニカルクラス1と類似している[Martin A.C及びThornton J.M. (1996) J. Mol. Biol. 263:800-15.]。10個の残基のKabat/Chothia組み合わせCDR-H1はChothiaカノニカルクラス1と類似し、17個の残基のKabat/Chothia組み合わせCDR-H2はChothiaカノニカルクラス2と類似している[Martin & Thornton, 1996]。Kabat/Chothia組み合わせCDR-H3はカノニカルクラスを有さない。
5G8 VH及びVLの配列を使用して、BioLuminateソフトウェア(Schrodinger, LLC; Zhu K, et al., (2014) Proteins. 82(8):1646-1655)のキュレートされた抗体データベースに、類似のアミノ酸配列と既知の構造を持つ蛋白質を照会した。Kascsakら((1987) J Virol. 61(12):3688-93)によって発見され、Kanyoら((1999). J Mol Biol. 293(4):855-63)によって配列決定された、分解能2.9オングストロームの非常に類似したネズミ抗プリオン抗体3F4(PDB ID: 1CR9; 1CR9_H; 配列番号27及び1CR9_L; 配列番号30)の構造を、BioLuminateで5G8のモデルを構築するためのテンプレートとして選択した。ヒト由来の抗体に関するBioLuminateデータベースのさらなる照会により、5G8 VH及びVLのフレームワークは、Schieleら((2015) MAbs. 7(5):871-80)により設計されたヒト化抗ダビガトランFab aDabi-Fab2bのVH及びVL領域(VHアクセッションNo. 4YHM_H; VLアクセッションNo. 4YHM_L)の対応する領域と高度な配列類似性を共有することがわかった。5G8及びaDabi-Fab2bの可変ドメインはまた、CDR-H1、H2、L1、L2、及びL3ループの長さが同じである。従って、aDabi-Fab2b VH(acc. no 4YHM_H; 配列番号28)及びVL(acc. no. 4YHM_L; 配列番号31)のフレームワーク領域を、5G8のCDRのアクセプター配列として選択した。
WHO INN委員会のガイドライン(WHO-INN: International nonproprietary names (INN) for biological biotechnological substances (a review) (Internet) 2014.、http://www. who.int/medicines/services/inn/BioRev2014.pdfから入手可能)で概説されているように、IMGT Domain GapAlignツールを使用して、抗体のヒト化プロセスから生じる重鎖及び軽鎖バリアント配列をさらにヒト生殖系列配列と整列させ、重鎖及び軽鎖のヒューマンネスを評価した。可能であれば、ヒューマンネスを高めるために、対応するヒト生殖系列配列と一致するように残基を変更した。ヒト化VL_v5及びVL_v6バリアントについては、変異を導入して、配列をヒト生殖系列遺伝子IGKV2-29(acc. No. A2NJV5.2; 配列番号32)により類似したものにした。ヒト化VH_v7及びVH_v8バリアントについては、変異を導入して、配列をヒト生殖系列遺伝子IGHV1-46(acc. No. P01743.2; 配列番号29)により類似したものにした。
aDabi-Fab2bフレームワークと5G8 CDRからなるアミノ酸配列は、hu5G8-VH_v1及びhu5G8-VL_v1とする。hu5G8-VH及びhu5G8-VLの追加バージョンを、抗原結合及び免疫原性への寄与について、さまざまなフレームワーク残基の評価を可能にするために設計した。変異が考慮される位置には、次の位置を含む。
・カノニカルCDR構造を規定する(概要はMartin 2010)。
・バーニアゾーン内(Foote J Winter G. (1992) Antibody framework residues affecting the conformation of the hypervariable loops. J Mol Biol. 224(2):487-99)。
・VH/VLドメインインターフェイスにローカライズされる(概要はLeger OJP Saldanha J. (2000) Preparation of recombinant antibodies from immune rodent spleens the design of their humanization by CDR grafting. In: Shepherd P Dean C (eds). Monoclonal Antibodies: a Practical Approach. Oxford, UK: Oxford University Press)。
・グリコシル化やピログルタミン化などの翻訳後修飾を受けやすい。
・aDabi-Fab2bフレームワークに移植された5G8 CDRのモデルにより、CDRと衝突すると予測される残基が配置されている。
・配列決定されたヒト抗体の中でまれな残基が配置されている。ここで、親マウス5G8残基又は他のいくつかの残基がはるかに一般的(prevalent)である。
8つのヒト化重鎖可変領域バリアントと6つのヒト化軽鎖可変領域バリアントを、異なる置換を含むように構築した。8つの例示的なヒト化成熟重鎖可変領域:hu5G8-VH_v1、hu5G8-VH_v2、hu5G8-VH_v3、hu5G8-VH_v4、hu5G8-VH_v5、hu5G8-VH_v6、hu5G8-VH_v7、及びhu5G8-VH_v8(それぞれ配列番号33~40)、及びhu5G8-VL_v1、hu5G8-VL_v2、hu5G8-VL_v3、hu5G8-VL_v4、hu5G8-VL_v5、及びhu5G8-VL_v6(それぞれ配列番号41~46)。(表4及び3)。選択されたヒトフレームワークに基づく復帰変異及び他の変異を伴う例示的なヒト化Vk及びVh設計を、それぞれ表6及び7に示す。表6及び7の太字の領域は、Kabat/Chothia組み合わせで定義されているCDRを示す。表6の列のhu5G8-VL_v2、hu5G8-VL_v3、hu5G8-VL_v4、hu5G8-VL_v5、及びhu5G8-VL_v6の「.」は、示された位置のアミノ酸がhu5G8-VL_v1のアミノ酸と同じであることを示す。表7の列のhu5G8-VH_v2、hu5G8-VH_v3、hu5G8-VH_v4、hu5G8-VH_v5、hu5G8-VH_v6、hu5G8-VH_v7、及びhu5G8-VH_v8の「.」は、示された位置のアミノ酸がhu5G8-VH_v1のアミノ酸と同じであることを示す。表6及び7の列の「-」は、示された位置に残基がないことを示す。表8において、配列番号33~40及び配列番号41~46は、復帰変異及び他の変異を含む。hu5G8-VH_v1、hu5G8-VH_v2、hu5G8-VH_v3、hu5G8-VH_v4、hu5G8-VH_v5、hu5G8-VH_v6、hu5G8-VH_v7、及びhu5G8-VH_v8の位置のアミノ酸は表9に示される。hu5G8-VL_v1、hu5G8-VL_v2、hu5G8-VL_v3、hu5G8-VL_v4、hu5G8-VL_v5、及びhu5G8-VL_v6の位置のアミノ酸は表10に示される。最も類似するヒト生殖系列遺伝子IGHV1-46に関するヒト化VH鎖hu5G8-VH_v1、hu5G8-VH_v2、hu5G8-VH_v3、hu5G8-VH_v4、hu5G8-VH_v5、hu5G8-VH_v6、hu5G8-VH_v7、及びhu5G8-VH_v8(それぞれ配列番号33-40)、及び最も類似するヒト生殖系列遺伝子IGKV2-29に関するヒト化VL鎖hu5G8-VL_v1、hu5G8-VL_v2、hu5G8-VL_v3、hu5G8-VL_v4、hu5G8-VL_v5、及びhu5G8-VL_v6(それぞれ配列番号41-46)のヒューマンネスの割合を表11に示す。


マウスとヒトのアクセプター配列で異なるChothiaクラスカノニカル、バーニア、又はインターフェイス/パッキング残基の位置は置換の候補である。Chothiaクラスカノニカル残基の例は、表3及び4のKabat残基L2、L27B、L27C、L34、L94、H29、H71、及びH94を含む。バーニア残基の例は、表3及び4のKabat残基L2、L36、L46、H27、H28、H29、H30、H48、H71、H78、H93、及びH94を含む。インターフェイス/パッキング(VH+VL)残基の例は、表3及び4のKabat残基L34、L36、L46、L89、L91、H93、及びH95を含む。
軽鎖可変領域の表6に示される位置を置換の候補として選択した理論的根拠は以下の通りである。
L2(I2V)は、カノニカル及びバーニア残基の残基の復帰変異である。
L7(T2S)は、この位置のヒトではまれ(rare)な残基(T)から最も一般的(common)な残基(S)への変異である。
L17(Q17E)は、この位置のヒトではまれな残基(Q)から最も一般的な残基(E)への変異である。
L36(Y36L)は、バーニアとインターフェイス残基の復帰変異である。
L45(K45Q)は、生殖系列IGKV2-29残基への変異である。
L46(G46R)は、バーニア及びインターフェイス残基の復帰変異である。
L70(G70D)は復帰変異であり、生殖系列IGKV2-29残基への変異である。Dはこの位置でヒトによく見られる。
軽鎖可変領域の表6に示されるヒト化バリアントの理論的根拠は以下の通りである。
Hu5G8-VL_v1は、aDabi-Fab2b-VLのフレームワークに移植された5G8-VLのCDR-L1、L2、及びL3ループで構成されている。
Hu5G8-VL_v2は、Chothiaカノニカルクラスを定義するためのキー、Vernierゾーンの一部、又はVH/VLドメインインターフェイスに位置する位置での全てのフレームワーク置換を戻している。Kabatの位置2は、CDR-L1のChothiaカノニカル構造を定義している。Kabatのポジション2、36、及び46は、バーニアゾーンの一部である。Kabatの位置36及び46もVH/VLインターフェイスにローカライズする。hu5G8-VL_v2は、I2V、Y36L、及びL46Rの復帰変異を組み込んでおり、抗原結合親和性と免疫原性に対するこれらの位置の寄与を評価できる。
Hu5G8-VL_v3は、hu5G8-VL-v2と同じであり、さらに、親マウス5G8-VLアミノ酸がaDabi-Fab2b-VL残基と比較して配列決定されたヒト抗体でより高い普及率である位置で、全てのフレームワーク置換を戻している。Kabatの位置70では、5G8-VLの残基はaDabi-Fab2b-VLの残基よりもヒト抗体で一般的である。Hu5G8-VL_v3には復帰変異G70Dが組み込まれており、これは親の5G8-VLフレームワーク残基を復元すると同時に、配列のヒューマンネスを高める。
Hu5G8-VL_v4はhu5G8-VL-v3と同じであるが、さらに、フレームワーク位置に置換を組み込んであり、それは、aDabi-Fab2b-VLと5G8-VLにはない、配列決定されたヒト抗体中で最も一般的な残基である。Kabatの位置7で最も一般的な残基はSで、aDabi-Fab2b-VL (T)又は5G8-VL (T)には存在しない。また、Kabatの位置17で最も一般的な残基はEであり、aDabi-Fab2b-VL (Q)又は5G8-VL (Q)には存在しない。Hu5G8-VL_v4にはT7SとQ17Eの変異が組み込まれており、配列のヒューマンネスを高めている。
Hu5G8-VL_v5は、hu5G8-VL_v1のようにaDabi-Fab2b-VLのフレームワークに移植された5G8-VLのCDR-L1、L2、及びL3ループで構成され、さらに、特定のヒト免疫グロブリンカッパ可変生殖系列遺伝子により類似した配列を提供するフレームワーク変異を組み込んでいる。aDabi-Fab2b-VLのフレームワーク、従って、hu5G8-VL_v1のフレームワークは、ヒト生殖系列遺伝子IGKV2-29と高度な配列類似性を共有し、Kabatの位置45と70に違いを有する。Hu5G8-VL_v5には、配列のヒューマンネスを高める別の戦略として、変異K45Q及びG70Dが含まれている。
Hu5G8-VL_v6はhu5G8-VL-v5の変異を含み、さらに、hu5G8-VL-v2に導入された変異を組み込んでいる。つまりChothiaカノニカルクラスを定義するためのキー、Vernierゾーンの一部、又はVH/VLドメインインターフェイスに位置する位置での全てのフレームワーク置換を戻している(復帰変異のI2V、Y36L、及びL46R)。
重鎖可変領域の表7に示される位置を置換の候補として選択した理論的根拠は以下の通りである。
H1(Q1E)は復帰変異であり、ピログルタメート形成の可能性を低減する、安定性を高める変異である。(上記Liu, 2011)
H11(V11L)は復帰変異である。Lはこの位置でヒトによく見られる。
H12(K12V)は復帰変異である。Vはこの位置でヒトによく見られる。
H19(K19R)は復帰変異である。Rはこの位置でヒトによく見られる。
H20(V20L)は復帰変異である。Lはこの位置でヒトによく見られる。
H23(K23A)は、この位置でヒトによく見られる残基への変異である。
H46(E46D)は保存的変異である。E46は、CDR-H2のK62と衝突すると予測される。
H48(M48I)は、バーニアゾーンにおける復帰変異である。Iはこの位置でヒトによく見られる
H66(K66R)は、IGHV1-46生殖系列残基への変異である。Kはこの位置ではヒトではまれである。Rはこの位置で最も一般的である。
H67(A67V)は、IGHV1-46生殖系列残基への変異である。Aはこの位置ではヒトではまれである。Vはこの位置で最も一般的である。
H71(R71S)は、カノニカル及びバーニア残基の復帰変異である。
H76(S76N)は復帰変異である。Nはこの位置でヒトによく見られる。
H78(A78V)は、IGHV1-46生殖系列残基への変異である。
H80(M80L)は復帰変異である。Lはこの位置でヒトによく見られる。
H93(T93S又はT93A)T93Sは、バーニア及びインターフェイス残基の復帰変異である。T93Aは、IGHV1-46生殖系列残基への変異である。TとSは、ヒトのこの位置ではまれである。Aは、ヒトのこの位置で最も一般的である。
H94(I94P又はI94R)I94Pは、カノニカル及びバーニア残基の復帰変異である。I94Rは、IGHV1-46生殖系列残基への変異である。IとPは、この位置のヒトではまれである。Pは、ヒトのこの位置で最も一般的である。
重鎖可変領域の表7に示されるヒト化バリアントの理論的根拠は以下のとおりである。
Hu5G8-VH_v1は、aDabi-Fab2b-VHのフレームワークに移植された5G8-VHのCDR-H1、H2、及びH3ループで構成されている。
Hu5G8-VH_v2は、Chothiaカノニカルクラスを定義するためのキー、Vernierゾーンの一部、又はVH/VLドメインインターフェイスに位置する位置での全てのフレームワーク置換を戻している。Kabatの位置71及び94は、それぞれCDR-H2及びCDR-H1のChothiaカノニカル構造を定義している。Kabatのポジション48、71、93、及び94は、バーニアゾーンの一部である。Kabatの位置93もVH/VLドメインインターフェイスにローカライズする。Hu5G8-VH_v2は、M48I、R71S、T93S、及びI94Pの復帰変異を組み込んでおり、抗原結合親和性と免疫原性に対するこれらの位置の寄与を評価できる。
Hu5G8-VH_v3はhu5G8-VH-v2の復帰変異を含み、さらに、Kabatの位置1のフレームワーク置換を戻している。蛋白質のN末端では、EとQの両方が自発的に環化してピログルタメートを形成することが知られている。但し、Eからの変換はQからの変換よりもゆっくり発生する(Liu YD, et al., (2011) J Biol Chem. 286(13):11211-7.; Schilling S, et al., (2008) Biol Chem. 389(8):983-91.)。Hu5G8-VH-v3は、ピログルタミネーションが減少するために復帰変異Q1Eが組み込まれている。
Hu5G8-VH_v4はhu5G8-VH-v3の復帰変異を含み、さらに、BioLuminateによってCDRと衝突すると予測されるフレームワーク残基の変異が組み込まれている。ファンデルワールスの相互作用に基づいて、Kabatの位置46のEは、CDR-H2のKabatの位置62のKと衝突すると予測される。Hu5G8-VH_v4には、保存的変異E46Dが組み込まれている。
Hu5G8-VH_v5はhu5G8-VH-v4の変異を含み、さらに、親マウス5G8-VHアミノ酸がaDabi-Fab2b-VH残基と比較して配列決定されたヒト抗体でより高い普及率である位置で、全てのフレームワーク置換を戻している。Kabatの位置11、12、19、20、76、及び80では、5G8-VH残基はaDabi-Fab2b-VH残基よりもヒト抗体で一般的である。Hu5G8-VH_v5には、V11L、K12V、K19R、V20L、S76N、及びM80Lの復帰変異が組み込まれており、親の5G8-VHフレームワーク残基を復元しながら、配列のヒューマンネスを高める。
Hu5G8-VH_v6はhu5G8-VH-v5の変異を含み、さらに、フレームワーク位置に置換を組み込んであり、それは、aDabi-Fab2b-VHと5G8-VHにはない、配列決定されたヒト抗体中で最も一般的な残基である。Kabatの位置23で最も一般的な残基はAで、aDabi-Fab2b-VH (K)又は5G8-VH (T)には存在しない。Hu5G8-VH_v6には変異K23Aが組み込まれており、配列のヒューマンネスを高めている。hu5G8-VH_v6では、次のKabat位置は、インターフェイス又はバーニアゾーン内又はその近くにあるため、最も一般的な残基に変異していない。
・位置66:Rは最も一般的である。aDabi-Fab2b-VH (K)及び5G8-VH (K)、
・位置67:Vは最も一般的である。aDabi-Fab2b-VH (A)及び5G8-VH (A)、
・位置93:Aは最も一般的である。aDabi-Fab2b-VH (T)及び5G8-VH (S)、及び
・位置94:Rは最も一般的である。aDabi-Fab2b-VH (I)及び5G8-VH (P)。
Hu5G8-VH_v7は、hu5G8-VH_v1のようにaDabi-Fab2b-VHのフレームワークに移植された5G8-VHのCDR-H1、H2、及びH3ループで構成され、さらに、特定のヒト免疫グロブリン可変重鎖生殖系列遺伝子により類似した配列を提供するフレームワーク変異を組み込んでいる。aDabi-Fab2b-VHのフレームワーク、従って、hu5G8-VH_v1のフレームワークは、ヒト生殖系列遺伝子IGHV1-46と高度な配列類似性を共有し、Kabatの位置66、67、78、93、及び94に違いを有する。Hu5G8-VH_v7には、配列のヒューマンネスを高める別の戦略として、変異K66R、A67V、A78V、T93A、及びI94Rが含まれている。
Hu5G8-VH_v8にはhu5G8-VH-v7の変異を含み、さらに、hu5G8-VH-v2、3、及び4に導入された変異が組み込まれている。即ち、
・Chothiaカノニカルクラスを定義するためのキー、Vernierゾーンの一部、又はVH/VLドメインインターフェイスに位置する位置での全てのフレームワーク置換を戻している(復帰変異M48I、R71S、A93S、及びR94P)、
・Kabatの位置1のフレームワーク置換を戻し、ピログルタミネートを減らす(復帰変異Q1E)、及び
・BioLuminateによってCDRと衝突すると予測されるフレームワーク残基の変異を組み込んでいる(保存的変異E46D)。
ヒト化配列は、QuikChange部位特異的変異法(Wang, W. Malcolm, B.A. (1999) BioTechniques 26:680-682)を使用し、複数の変異、欠失、挿入の導入を可能にする2段階PCRプロトコルを使用して生成される。
重鎖可変領域
> 5G8-VH (配列番号7)
EVQLQQSGAELVRSGASVRLSCTASGFNIKDYYMHWVRQRPEQGLEWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSSNTAYLHLSSLTSEDTAVYYCSPLDFWGQGTTLTVSS
>3F4-VHアクセッションNo. 1CR9_H (配列番号27)
KVKLQQSGAELVRSGASVKLSCTASGFNIKDYYIQWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGNSEYAPRFQGKATMTADTLSNTAYLQLSSLTSEDTAVYYCNADLHDYWGQGTTLTVSS
>aDabi-Fab2b-VHアクセッションNo. 4YHM_H (配列番号28)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYYMHWVRQAPGQGLEWMGETNPRNGGTTYNEKFKGKATMTRDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTIGTSGYDYFDYWGQGTLVTVSS
>IGHV1-46アクセッションNo. P01743.2 (配列番号29)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAR
> hu5G8-VH_v1 (配列番号33)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTRDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTILDFWGQGTLVTVSS
> hu5G8-VH_v2 (配列番号34)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
> hu5G8-VH_v3 (配列番号35)
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
> hu5G8-VH_v4 (配列番号36)
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLDWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
> hu5G8-VH_v5 (配列番号37)
EVQLVQSGAELVKPGASVRLSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLDWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTNTAYLELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
> hu5G8-VH_v6 (配列番号38)
EVQLVQSGAELVKPGASVRLSCAASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLDWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTNTAYLELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
> hu5G8-VH_v7 (配列番号39
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYAPKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARLDFWGQGTLVTVSS
> hu5G8-VH_v8 (配列番号40)
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLDWIGWIDPENGDTVYAPKFQGRVTMTSDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
カッパ軽鎖可変領域
>5G8-VL(配列番号8)
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKIRRVEAEDLGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
>3F4-VLアクセッションNo. 1CR9_L (配列番号30)
DVVMTQTPLSLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLIWVFQRPGQSPKRLIFLVSKRDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPHTVGGGTKLEIA
>aDabi-Fab2b-VLアクセッションNo. 4YHM_L(配列番号31)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSQSIVHSDGNIYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSYRFSGVPDRFSGSGSGTGFTLKISRVEAEDVGVYYCFQASHVPYTFGGGTKLEIK
>IGKV2-29アクセッションNo. A2NJV5.2 (配列番号32)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLHSDGKTYLYWYLQKPGQSPQLLIYEVSSRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGIHLP
> hu5G8-VL_v1(配列番号41)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWYLQKPGQSPKLLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTGFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
> hu5G8-VL_v2 (配列番号42)
DVVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQKPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTGFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
> hu5G8-VL_v3 (配列番号43)
DVVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQKPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
> hu5G8-VL_v4 (配列番号44)
DVVMTQSPLSLSVTPGEPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQKPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
> hu5G8-VL_v5 (配列番号45)
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWYLQKPGQSPQLLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
> hu5G8-VL_v6 (配列番号46)
DVVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQKPGQSPQRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
<実施例7>ヒト化6A10抗体の設計
ネズミ抗体6A10をモノクローナル抗体6A10のヒト化の開始点とした。成熟6A10の重鎖可変アミノ酸配列は、配列番号63である。成熟6A10の軽鎖可変アミノ酸配列は、配列番号64である。重鎖Kabat/Chothia組み合わせCDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列は、それぞれ配列番号65~67である。軽鎖Kabat CDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列は、それぞれ配列番号68~70である。Kabatナンバリングを全体を通して使用した。
6A10抗体の可変カッパ(Vk)は、ヒトKabatサブグループ3に対応するマウスKabatサブグループ2に属し、可変重鎖(Vh)は、ヒトKabatサブグループ1に対応するマウスKabatサブグループ2cに属する[Kabat E.A., et al, (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition. NIH Publication No. 91-3242.]。Vkの16個の残基のCDR-L1はカノニカルクラス4に属し、7個の残基のCDR-L2はクラス1に属し、9個の残基のCDR-L3はクラス1に属す[Martin A.C,及びThornton J.M. (1996) J. Mol. Biol. 263:800-815.]。10個の残基のCDR-H1はクラス1に属し、17個の残基のCDR-H2はクラス1に属す[Martin & Thornton, 1996]。CDR-H3はカノニカルクラスを有さない。
VkドメインとVhドメイン間のインターフェイスの残基は、重鎖の93Tが通常アラニンであることを除いて、一般的に見られるものである。従って、この残基は復帰変異のターゲットとして分析される。同様に、Vkの36Lは通常Y又はFであり、46Rは通常Lである。従って、これらの残基も復帰変異について分析される。
PDBデータベース[Deshpe N. et al., (2005) Nucleic Acids Res. 33: D233-D237.]で蛋白質配列の検索を行い、6A10の大まかな構造モデルを提供する構造を見いだした。良好な解像度(2.0A)と6A10 Vkに対する全体的な配列類似性を有し、ループの同じカノニカル構造を保持しているため、抗体fab[pdb code 1CR9; 配列番号30][Kanyo Z.F. et al., (1999) J. Mol. Biol. 293:855-863.]の結晶構造をVk構造のために使用した。全体的な配列類似性が良く、解像度もかなり高いため(2.0オングストローム)、同じ構造[pdb code 1CR9; 配列番号27]をVh構造に使用した。さらに、CDR-H1及びH2は6A10 Vhと同じカノニカル構造を有していた。Bioluminateソフトウェアを使用して、6A10の大まかな構造をモデル化した。このソフトウェアは、Schrodinger Inc.からライセンスされた。
NCBIからの非冗長蛋白質配列データベースの検索が、ネズミCDRを移植する適切なヒトフレームワークの選択を可能とした。Vkの場合、アクセッション番号ABC66863のヒトカッパ軽鎖可変領域[配列番号83、Shriner, A.K., et al., (2016) 24:7159-7166]を選択した。これは、同じCDR-L1とL2のカノニカルクラスを有する。それはKabatヒトカッパサブグループ3のメンバーである。Vhの場合、アクセッション番号ACR16112のヒト重鎖可変領域[配列番号81、Williams, J.V et al., (2009) Mol. Immunol. 47:407-414]を選択した。それは同じカノニカルクラスを有する。それはKabatヒト重鎖サブグループ1のメンバーである。
3つのヒト化重鎖可変領域バリアントと3つのヒト化軽鎖可変領域バリアントを、異なる置換を含むように構築した。hu6A10-VH_v1、hu6A10-VH_v2、及びhu6A10-VH_v3(それぞれ配列番号85-87)、及びhu6A10-VL_v1、hu6A10-VL_v2、及びhu6A10-VL_v3(配列番号88-90)。(表12、及び13)。選択されたヒトフレームワークに基づく復帰変異及び他の変異を伴う例示的なヒト化VL及びVH設計を、それぞれ表12及び13に示す。表12及び13の太字の領域は、Kabat/Chothia組み合わせで定義されているCDRを示す。表12及び13の列の「-」は、示された位置に残基がないことを示す。表14において、配列番号85~87及び配列番号88~90は、復帰変異及び他の変異を含む。hu6A10-VH_v1、hu6A10-VH_v2、及びhu6A10-VH_v3の位置のアミノ酸は表15に示される。hu6A10-VL_v1、hu6A10-VL_v2、及びhu6A10-VL_v3の位置のアミノ酸は表16に示される。最も類似するヒト生殖系列遺伝子IGHV1-2*02(配列番号82)に関するヒト化VH鎖hu6A10-VH_v1、hu6A10-VH_v2、及びhu6A10-VH_v3(それぞれ配列番号85~87)、及び最も類似するヒト生殖系列遺伝子IGKV2-30*02(配列番号84)に関するヒト化VL鎖hu6A10-VL_v1、hu6A10-VL_v2、及びhu6A10-VL_v3(それぞれ配列番号88~90)のヒューマンネスの割合を表17に示す。



マウスとヒトのアクセプター配列で異なるChothiaクラスカノニカル、バーニア、又はインターフェイス/パッキング残基の位置は置換の候補である。Chothiaクラスカノニカル残基の例は、表12及び13のKabat残基H48及びH93を含む。バーニア残基の例は、表12及び13のKabat残基を含む。インターフェイス/パッキング(VH+VL)残基の例は、表12及び13のKabat残基H35、H37、H39、H45、H47、H91、H93、H95、H103、L34、L36、L38、L44、L46、L87、L89、L91、L96、及びL98を含む。
軽鎖可変領域の表12に示される位置を置換の候補として選択した理論的根拠は以下の通りである。
R46L:インターフェイス残基であり、通常はLである。
P12S:Pはこの位置のヒトフレームワークではまれであり、Sはよく見られる。
Q17E:Qはこの位置のヒトフレームワークではまれであり、Eはよく見られる。
軽鎖可変領域:
m6A10VLアミノ酸配列の成熟領域 (配列番号64)
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIK
6A10 VLアクセプターアクセッション番号ABC66863 (配列番号83)
DIVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVYSDGNTYLNWFQQRPGQSPRRLIYKVSNRDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGTHRPLTFGGGTKVEIK
>3F4-VLアクセッション番号1CR9_L (配列番号30)
DVVMTQTPLSLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLIWVFQRPGQSPKRLIFLVSKRDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPHTVGGGTKLEIA
>IGKV2-30*02 (配列番号84)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLNWFQQRPGQSPRRLIYKVSNRDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGTHWPLTFGGGTKVEIK
>hu6A10-VL_v1 (配列番号88)
DIVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFGGGTKVEIK
>hu6A10-VL_v2 (配列番号89)
DIVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFGGGTKVEIK
>hu6A10-VL_v3 (配列番号90)
DIVMTQSPLSLSVTLGEPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFGGGTKVEIK
重鎖可変領域の表13に示される位置を置換の候補として選択した理論的根拠は以下の通りである。
M48I:CDR相互作用を保持するために復帰変異したカノニカル/CDR相互作用残基である。
A16G:Alaはこの位置のヒトフレームワークではまれであり、Glyはよく見られる。
T69I:Thrはこの位置ではまれであり、Ileはよく見られる。
M80L:Metはよく見られるが、Leuはこの位置で最もよく見られる。
重鎖可変領域:
m6A10VHアミノ酸配列の成熟領域 (配列番号63)
EVQLQQSGAELVRSGASVKLSCTASGLNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENDDTEYAPKFQGRATLTTDTSSNTAYLQLSSLTSEDTAVYYCTPLDYWGQGTSVTVSS
6A10 VHアクセプターアクセッション番号 ACR16112 (配列番号84)
QVQLQESGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPNSGDTNYAQKFQGRVTTTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARLAARPLDYWGQGTLVTVSS
>3F4-VHアクセッション番号1CR9_H (配列番号27)
KVKLQQSGAELVRSGASVKLSCTASGFNIKDYYIQWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGNSEYAPRFQGKATMTADTLSNTAYLQLSSLTSEDTAVYYCNADLHDYWGQGTTLTVSS
> IGHV1-2*02 (配列番号82)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPNSGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARSRRGYYDFWSGSPEDYWGQGTLVTVSS
>hu6A10-VH_v1 (配列番号85)
QVQLQESGAEVKKPGASVKVSCKASGLNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENDDTEYAPKFQGRVTTTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARLDYWGQGTLVTVSS
>hu6A10-VH_v2 (配列番号86)
QVQLQESGAEVKKPGASVKVSCKASGLNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENDDTEYAPKFQGRVTTTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARLDYWGQGTLVTVSS
>hu6A10-VH_v3 (配列番号87)
QVQLQESGAEVKKPGGSVKVSCKASGLNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENDDTEYAPKFQGRVTITRDTSISTAYLELSRLRSDDTAVYYCARLDYWGQGTLVTVSS
<実施例8>ヒト化8A4抗体の設計
ネズミ抗体8A4をモノクローナル抗体8A4のヒト化の開始点とした。成熟8A4の重鎖可変アミノ酸配列は、配列番号91である。成熟8A4の軽鎖可変アミノ酸配列は、配列番号92である。重鎖Kabat/Chothia組み合わせCDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列は、それぞれ配列番号93~95である。軽鎖Kabat CDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列は、それぞれ配列番号96~98である。Kabatナンバリングを全体を通して使用した。
8A4の可変領域配列とKabatら(Kabat EA, Wu TT, Foeller C, Perry HM, Gottesman KS. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest (5th edition). Bethesda, MD: National Institutes of Health)の抗体可変領域のコンセンサス配列とのアラインメントは、8A4の重鎖可変領域(VH)が、マウスVHサブグループ2cに属し、これはヒトVHサブグループ1に対応することを示す。8A4のカッパ軽鎖可変領域(VL)は、マウスVkサブグループ2に属し、これはヒトVkサブグループ2に対応する。
8A4 VH及びVLのCDRは、マーチンの配列ベースCDR同定ルール(Martin ACR. (2010) Protein sequence structure analysis of antibody variable domains. In: Kontermann R Dubel S (eds). Antibody Engineering. Heidelberg, Germany: Springer International Publishing AG.)を使用して同定した。次に、CDRを、Martinの表3.5に示されているキー残基のサマリーを使用して、Cothiaのカノニカルクラスへ割り当てた。
CDR-H1は10個のアミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス1と類似している。
CDR-H2は17個のアミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス2と類似している。
CDR-H3は3つのアミノ酸で構成されている。CDR-H3のクラスはない。
CDR-L1は16個のアミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス4と類似している。
CDR-L2は7アミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス1である。
CDR-L3は9個のアミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス1と類似している。
VkドメインとVhドメイン間のインターフェイスの残基は、重鎖の93Sが通常アラニンであることを除いて、一般的に見られるものである。従って、この残基は復帰変異のターゲットとして分析される。同様に、Vkの36Lは通常Y又はFである。従って、これらの残基も復帰変異について分析される。さらに、軽鎖CRD3は不対システイン残基を有する。
PDBデータベース[Deshpe N. et al., (2005) Nucleic Acids Res. 33: D233-D237.]で蛋白質配列の検索を行い、8A4の大まかな構造モデルを提供する構造を見いだした。良好な解像度(4.8A)と8A4 Vkに対する全体的な配列類似性を有し、ループの同じカノニカル構造を保持しているため、抗体fab(pdb code 3JAU; 配列番号111)[Ye X, et al., (2016) PLoS Pathog.]の結晶構造をVk構造のために使用した。また、全体的な配列類似性が良好で、解像度もかなり高いため(4.8A)、同じ構造[pdb code 3JAU; 配列番号109]をVh構造に使用した。さらに、CDR-H1及びH2は8A4 Vhと同じカノニカル構造を有していた。Bioluminateソフトウェアを使用して、8A4の大まかな構造をモデル化した。このソフトウェアは、Schrodinger Inc.からライセンスされている。
NCBIからの非冗長蛋白質配列データベースの検索が、ネズミCDRを移植する適切なヒトフレームワークの選択を可能とした。Vkの場合、アクセッション番号ABA26100のヒトカッパ軽鎖可変領域[配列番号112、Rabquer, .B.J., et al, 2016; Differential variable gene usage between pneumococcal polysaccharide specific B cells isolated 5-10 days 4-6 weeks post-vaccination. Unpublished]を選択した。これは、ネズミ8A4 VLと同じCDR-L1とL2のカノニカルクラスを有する。それはKabatヒトカッパサブグループ2のメンバーである。Vhの場合、アクセッション番号ADU57742のヒト重鎖可変領域[配列番号110、Lantto, J., et al, 2011 J. Virol. 85: 1820-1833]を選択した。それはネズミ8A4 VHと同じカノニカルクラスを有する。それはKabatヒト重鎖サブグループ1のメンバーである。
3つのヒト化重鎖可変領域バリアントと3つのヒト化軽鎖可変領域バリアントを、異なる置換を含むように構築した。hu8A4-VH_v1、hu8A4-VH_v2、及びhu8A4-VH_v3(それぞれ配列番号113~115)、及びhu8A4-VL_v1、hu8A4-VL_v2、及びhu8A4-VL_v3(配列番号116~118)。(表18及び19)。選択されたヒトフレームワークに基づく復帰変異及び他の変異を伴う例示的なヒト化VL及びVH設計を、それぞれ表18及び19に示す。表18及び19の太字の領域は、Kabat/Chothia組み合わせで定義されているCDRを示す。表18及び19の列の「-」は、示された位置に残基がないことを示す。表20において、配列番号113~115及び配列番号116~118は、復帰変異及び他の変異を含む。hu8A4-VH_v1、hu8A4-VH_v2、及びhu8A4-VH_v3の位置のアミノ酸は表21に示される。hu8A4-VL_v1、hu8A4-VL_v2、及びhu8A4-VL_v3の位置のアミノ酸は表22に示される。最も類似するヒト生殖系列遺伝子IGHV1-2*02(配列番号82)に関するヒト化VH鎖hu8A4-VH_v1、hu8A4-VH_v2、及びhu8A4-VH_v3(それぞれ配列番号113~115)、及び最も類似するヒト生殖系列遺伝子IGKV2-30*02(配列番号84)に関するヒト化VL鎖hu8A4-VL_v1、hu8A4-VL_v2、及びhu8A4-VL_v3(それぞれ配列番号116~118)のヒューマンネスの割合を表23に示す。




マウスとヒトのアクセプター配列で異なるChothiaクラスカノニカル、バーニア、又はインターフェイス/パッキング残基の位置は置換の候補である。Chothiaクラスカノニカル残基の例は、表18及び19及びyのKabat残基H24、H26、H29、H34、H54、H55、H71、H94、L2、L25、L27B、L27C、L29、L33、L34、L71、L90、L94、L95、及びL97を含む。バーニア残基の例は、表18及び19のKabat残基H2、H27、H28、H29、H30、H47、H48、H49、H67、H69、H71、H73、H78、H93、H94、H103、L2、L4、L35、L36、L46、L47、L48、L49、L64、L66、L68、L69、L71、及びL98を含む。インターフェイス/パッキング(VH+VL)残基の例は、表18及び19のKabat残基H35、H37、H39、H45、H47、H91、H93、H95、H103、L34、L36、L38、L44、L46、L87、L89、L91、L96、及びL98を含む。
軽鎖可変領域の表18に示される位置を置換の候補として選択した理論的根拠は以下の通りである。
I2Vは、カノニカルとバーニア残基の復帰変異である。
Q17Eは頻度ベース変異である。Qはこの位置のヒトフレームワークではまれであり、Eは最もよく見られるためである。
F36Lは、インターフェイスとバーニア残基の復帰変異である。
軽鎖可変領域:
ネズミ8A4VLの成熟領域 (配列番号92)
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPCTFGGGTKLEIK
3JAUVL (配列番号111)
DVLMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEADDVGVYYCYQGSHVPYTFGGGTKLEIK
ABA26100 (配列番号112)
DVMTSSSVTGASSCRSSSVYSDGSTWNWRGSRRYDVSTRDSGVDRSGSGSGTDTKSRVADVGVYYCMDWHTGGTKK
IGKV2-30*02 (配列番号84)
DIVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPCTFGQGTKLEIK
hu8A4-VL_v1 (配列番号116)
DIVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPCTFGQGTKLEIK
hu8A4-VL_v2 (配列番号117)
DIVMTQSPLSLSVTLGEPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPCTFGQGTKLEIK
hu8A4-VL_v3 (配列番号118)
DVVMTQSPLSLSVTLGEPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPCTFGQGTKLEIK
軽鎖可変領域の表19に示される位置を置換の候補として選択した理論的根拠は以下の通りである。
K12Vは復帰変異及び頻度ベース変異である。Vはヒトフレームワークのこの位置でよく見られるためである。
S16Gは頻度ベース変異である。Gはこの位置で最もよく見られるためである。
V20Lは復帰変異及び頻度ベース変異である。Lはこの位置で最もよく見られるためである。
M48Iは、バーニア残基の復帰変異である。
I67Aは、バーニア残基の復帰変異である。
N68Tは頻度ベース変異である。Tはこの位置で最もよく見られるためである。
D85Eは頻度ベース変異である。Eはヒトフレームワークのこの位置で最もよく見られるためである。
A93Sは、CDRパッキングを維持するための、バーニア及びインターフェイス残基のhu8A4-VHv1及びhu8A4VH-v2の復帰変異である。hu8A4VH-v3では、Aがこの位置で最もよく見られ、Sはまれなので、Kabatの位置はAである。
重鎖可変領域:
ネズミ8A4VHの成熟領域 (配列番号91)
EVQLQQSGAELVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGDTVYDPQFQDKANITADTSSNTAYLQLSSLTSEGTAVYYCSTLDFWGQGTTLTVSS
3JAUVH (配列番号109)
EVQLQQSGAELVKPGASVKLSCTASGFNIKDTYIHWVKQRPEQGLEWIGKIDPANGNTKYDPKFQDKATITADTSSNTAYLQLSSLTSEDTAVYYCANSNYWFDFDYWGQGTTLTVSS
ADU57742 (配列番号110)
QVQLQQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSNPVSWVRQAPGQGLEWMGGIIPFAQKVLGAQRVRDRINITADTSTSTAYMELSGLRSDDTAVYYCATGQQLYSLHYWGQGTLVTVSS
IGHV1-2*02 (配列番号82)
QVQLQQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYDPQFQDRINITADTSTSTAYMELSGLRSDDTAVYYCSTLDFWGQGTLVTVSS
hu8A4-VH_v1 (配列番号113)
QVQLQQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYDPQFQDRINITADTSTSTAYMELSGLRSDDTAVYYCSTLDFWGQGTLVTVSS
hu8A4-VH_v2: (配列番号114)
QVQLQQSGAEVVKPGGSVKLSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYDPQFQDRITITADTSTSTAYMELSGLRSDDTAVYYCSTLDFWGQGTLVTVSS
hu8A4-VH_v3 (配列番号115)
QVQLQQSGAEVVKPGGSVKLSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENGDTVYDPQFQDRATITADTSTSTAYMELSGLRSEDTAVYYCATLDFWGQGTLVTVSS
<実施例9>ヒト化7G6抗体の設計
ネズミ抗体7G6をモノクローナル抗体7G6のヒト化の開始点とした。成熟7G6の重鎖可変アミノ酸配列は、配列番号119である。成熟7G6の軽鎖可変アミノ酸配列は、配列番号120である。重鎖Kabat/Chothia組み合わせCDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列は、それぞれ配列番号121~123である。軽鎖Kabat CDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列は、それぞれ配列番号124~126である。Kabatナンバリングを全体を通して使用した。
7G6の可変領域配列とKabatら[Kabat EA, Wu TT, Perry H, Gottesman K, Foeller C. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition. NIH Publication No. 91-3242]の抗体可変領域のコンセンサス配列とのアラインメントは、7G6の重鎖可変領域(VH)が、マウスVHサブグループ2cに属し、これはヒトVHサブグループ1に対応することを示す。7G6のカッパ軽鎖可変領域(VL)は、マウスVkサブグループ2に属し、これはヒトVkサブグループ2に対応する。
7G6 VH及びVLのCDRは、マーチンの配列ベースCDR同定ルール[Martin AC, Thornton JM. (1996) Structural families in loops of homologous proteins: automatic classification, modeling application to antibodies. J Mol Biol. 263:800-15.]を使用して同定した。次に、CDRを、Martinの表3.5に示されているキー残基のサマリーを使用して、Cothiaのカノニカルクラスへ割り当てた。
CDR-H1は7個のアミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス1と類似している。
CDR-H2は6個のアミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス2と類似している。
CDR-H3は3つのアミノ酸で構成されている。CDR-H3のクラスはない。
CDR-L1は16個のアミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス4と類似している。
CDR-L2は7アミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス1である。
CDR-L3は9個のアミノ酸で構成され、Cothiaカノニカルクラス1と類似している。
免疫グロブリン可変ドメイン7G6のヒト化の理論的根拠
ネズミ抗体Prothena-7G6(以下、単に7G6)は、RCSB 蛋白質データバンクにおいて3U0T[La Porte, S.L., et al., (2012) J.Mol.Biol. 421: 525-536]と呼ばれるアクセプターヒト抗体テンプレートを参照してヒト化した。この抗体テンプレートは、可変ドメイン残基VL(1~110)及びVH(1~114)に限定した抗体特異的配列相同性検索によって特定した。相同性検索では、Schrodinger BioLuminateソフトウェア、バージョン3.1、リリース2018-1を使用した。このソフトウェアは、標的抗体配列(7G6)を、高品質の蛋白質結晶構造が公開されているヒト及びネズミ可変ドメイン配列のシュレディンガーによってキュレーションされたデータベースと比較する。
ヒト抗体テンプレート選択
2.5オングストロームの解像度を有すテンプレート抗体3U0T[3U0T_VH配列番号127、3U0T_VL配列番号138]は、各可変ドメインVH及びVLで7G6に対して80%を超えるアミノ酸同一性又は類似性を有し、且つ3.0オングストローム未満の解像度の結晶構造を有すいくつかのヒト抗体グループ内で特定した。このグループの他のいくつかの抗体は以下を含んでいた(PDBコードによる):4YVG、6BOG、4KY1、5TZT、4HCR、及び5K9O。3U0Tが選択された理由は、Kabatによって番号付けられるようにVH/VLインターフェイス位置で7G6と高い配列相同性があるためである。VH[35、37、39、45、47、89、91、93]、及びVL[44、45、46、47、48、49]。これらのインターフェイス残基のうち、7G6と3U0TはVL-45(R対K)及びVH-93(T対A)でのみ異なる。Chothiaで定義されたフレームワーク領域の全体的な相同可変ドメインの相同性を表24に示す(Kabatとは対照的に、CothiaフレームワークはCDR-H2が58位で終わる)。
類似アミノ酸は、極性と電荷、芳香族性、疎水性、又は体積と形状によってグループ化される。例えば、(I、L、M、V)、(S、T)、(F、Y)、(E、Q、D、N)。VLはフレームワークで93%を超える同一性又は類似性を有し、VHはフレームワークで84%を超える同一性又は類似性を有す。さらなる調査により、非常に長い軽鎖CDR-1の高い相同性を特定した。20残基のうち、17が同一で、2が異なる(VL-7DのD、Y、及びVL-29のG、A)。従って、3U0Tの結晶構造は、CDR L-1の形状の優れた参照を提供するはずである。
7G6と3U0Tの例示的な相違は以下の通りである。
7G6のVLの残基89-W。この残基はVL/VHインターフェイス内にあり、3U0TのFに置き換わる。BioLuminate抗体予測による初期構造モデリングにより、W89が2つの側鎖回転異性体のいずれかを持つ構造が得られた。Ch1=0又は90度。回転異性体Chi=0は、W89をVL/VHインターフェイスに対して垂直に配置する。この位置で、W89は抗原結合ポケットの底部に寄与し、CDR-H3(特にVHのLeu-95)と、VL/VHインターフェイスを構成するいくつかの保存残基の両方とファンデルワールス接触する可能性がある。回転異性体Ch1=180は、トリプトファン側鎖をVH/VLインターフェイスに平行に向ける。この場合、CDR-H3とは接触しないが、VH/VLインターフェイスを構成する他のいくつかの保存残基とファンデルワールス接触をし得る。7G6 VLの例示的なヒト化バリアントは、Trpのch1=0配向を使用する。本発明はまた、ch1=0ではなくch1=90でW89とファンデルワールス接触する他のフレームワークアミノ酸の変異を企図する。
Kabat 92Hの高度に保存されたシスチンは、CDR H1に先行する同様に保存されたCys 22-Hvyとジスルフィド架橋を形成するため、免疫グロブリンフォールドにおいてほぼ遍在している。それにもかかわらず、配列7G6では、VHのジスルフィド架橋は94Cysから94Serへの変異によって破壊される。BioLuminateを使用した初期構造モデリングは、フレームワーク残基は、ジスルフィドブリッジの欠落に由来する歪みがほとんどないことを示す。それにもかかわらず、破壊されたジスルフィド結合は、Ser-94-hvyのペプチド骨格により大きな柔軟性を与える。7G6 VHの例示的なヒト化変異体は、Ser-94ではなくSer-92でCDR-H3を開始する。
この2残基の延長があっても、7G6抗体のCDR H3は以下の6個のアミノ酸残基のみを有する:STSLDF。CDR H3の短さは、抗原結合ポケットを開き、また、例示的な軽鎖VLドメインのW89 ch1=0回転異性体が重鎖に対してパックする余地を作り出す。
ヒトアクセプター配列3U0Tの変異のホットスポットは、フレームワーク残基がマウス配列と異なり、そのようなフレームワーク残基も軽鎖W89の回転異性体へのファンデルワールス接触を形成する最も高い可能性を有する。これらのポジションには以下を含む。CDR2の開始の重鎖50W、及び軽鎖36 (FからL)、 37 (QからL)、45 (RからK)、及び100 (QからG)の例示的な復帰変異。一実施形態において、ネズミ残基50Wは、CDR-H2の一部であるため、重鎖に使用される。
2つのヒト化重鎖可変領域バリアントと8つのヒト化軽鎖可変領域バリアントを、異なる置換を含むように構築した。hu7G6-VH_v1、及びhu7G6-VH_v2(それぞれ配列番号139~140)、及びhu7G6-VL_v1、hu7G6-VL_v2、hu7G6-VL_v3、hu7G6-VL_v4、hu7G6-VL_v5、hu7G6-VL_v6、hu7G6-VL_v7、及びhu7G6-VL_v8(配列番号141~148)。(表25及び26)。選択されたヒトフレームワークに基づく復帰変異及び他の変異を伴う例示的なヒト化VL及びVH設計を、それぞれ表25及び26に示す。表25及び26の太字の領域は、Kabat/Chothia組み合わせで定義されているCDRを示す。表25及び26の列の「-」は、示された位置に残基がないことを示す。表27において、配列番号139~140及び配列番号141~148は、復帰変異及び他の変異を含む。hu7G6-VH_v1、及びhu7G6-VH_v2の位置のアミノ酸は表28に示される。hu7G6-VL_v1、hu7G6-VL_v2、hu7G6-VL_v3、hu7G6-VL_v4、hu7G6-VL_v5、hu7G6-VL_v6、hu7G6-VL_v7、及びhu7G6-VL_v8の位置のアミノ酸は表29に示される。最も類似するヒト生殖系列遺伝子IGHV1-69-2*01(配列番号149)に関するヒト化VH鎖hu7G6-VH_v1、及びhu7G6-VH_v2(それぞれ配列番号139~140)、及び最も類似するヒト生殖系列遺伝子IGKV2-30*02(配列番号84)に関するヒト化VL鎖hu7G6-VL_v1、hu7G6-VL_v2、hu7G6-VL_v3、hu7G6-VL_v4、hu7G6-VL_v5、hu7G6-VL_v6、hu7G6-VL_v7、及びhu7G6-VL_v8(それぞれ配列番号141~148)のヒューマンネスの割合を表30に示す。



マウスとヒトのアクセプター配列で異なるChothiaクラスカノニカル、バーニア、又はインターフェイス/パッキング残基の位置は置換の候補である。Chothiaクラスカノニカル残基の例は、表25及び26のKabat残基L2を含む。バーニア残基の例は、表25及び26のKabat残基H66、H67、H69、及びL49を含む。インターフェイス/パッキング(VH+VL)残基の例は、表25及び26のKabat残基H35、H37、H39、H45、H47、H93、H95、H97、H103、L34、L36、L39、L44、L45、L46、L87、L89、L91、L96、及びL98を含む。
軽鎖可変領域の表25に示される位置を置換の候補として選択した理論的根拠は以下の通りである。
P12Sは頻度ベース変異である。Pはこの位置のヒトフレームワークではまれであるためである。
F36Lは、インターフェイス残基の復帰変異である。
Q37L:構造モデルに基づいて、LeuはW89 (VL)及びVH CDR-H3 95Leuに干渉する可能性があるため、復帰変異が試験される。
R45Kは、インターフェイス残基の復帰変異である。
Q100G:QはW89 (VL)に干渉する可能性があるため、Q100G復帰変異がテストされる。
R103Kは頻度ベース変異である。Rはこの位置のヒトフレームワークではまれであるためである。
軽鎖可変領域:
ネズミmAb7G6 VL (配列番号120)
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
ヒトVLアクセプターPDB 3UOT_VL (配列番号138)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLYSDAKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYQISRLDPGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCLQGTHYPVLFGQGTRLEIKR
ヒト生殖系列配列IGKV2-30*02 (配列番号84)
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLNWFQQRPGQSPRRLIYKVSNRDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGTHWPLTFGGGTKVEIK
hu7G6-VL_v1 (配列番号141)
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
hu7G6-VL_v2 (配列番号142)
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWFLQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
hu7G6-VL_v3 (配列番号143)
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
hu7G6-VL_v4 (配列番号144)
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
hu7G6-VL_v5 (配列番号145)
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
hu7G6-VL_v6 (配列番号146)
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
hu7G6-VL_v7: (配列番号147)
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
hu7G6-VL_v8 (配列番号148)
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
重鎖可変領域の表26に示される位置を置換の候補として選択した理論的根拠は以下の通りである。
K12Vは頻度ベース復帰変異である。Vはこの位置でKよりも頻繁に見られるためである。
V20Lは頻度ベース復帰変異である。Lはこの位置でVよりも頻繁に見られるためである。
R38K:構造モデルは、ArgがTyr91に干渉し得、残基を安定化する可能性があると予測するが、Lysを復帰変異としても試験する。
M69Iは頻度ベース復帰変異である。Iはヒトフレームワークのこの位置でMよりも頻繁に見られ、CDR-H2に近接するためである。
S76Nは頻度ベース復帰変異である。Nはヒトフレームワークのこの位置でSよりも頻繁に見られるためである。
V78Aは頻度ベース復帰変異である。Aはヒトフレームワークのこの位置でVよりも頻繁に見られるためである。
M80Lは頻度ベース復帰変異である。Lはヒトフレームワークのこの位置でMよりも頻繁に見られるためである。
E81Qは頻度ベース復帰変異である。Qはヒトフレームワークのこの位置でEよりも頻繁に見られるためである。
C92S:ネズミ配列にSerが存在する。通常、この位置のCysはジスルフィド結合を形成するが、その結合はネズミにおいて破壊され、柔軟性を潜在的に示唆する。CDRループの柔軟性を維持するために、C92S復帰変異を行うことにより、この位置でSerを保存する。
A93Tは、インターフェイス残基の復帰変異である。
重鎖可変領域:
ネズミmAb7G6 VH (配列番号119)
EVQLQQSGAELVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGETVYDPKFQGKASITSDTSSNTAYLQLRSLTSEDTAVYYSTSLDFWGQGTSVTVSS
ヒトVHアクセプターDB 3UOT_VH (配列番号137)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYYTEAYYIHWVRQAPGQGLEWMGRIDPATGNTKYAPRLQDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCASLYSLPVYWGQGTTVTVSS
ヒト生殖系列配列IGHV1-69-2*01 (配列番号149)
EVQLQQSGAELVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGE
TVYDPKFQGKASITSDTSSNTAYLQLRSLTSEDTAVYYSTSLDFWGQGTSVTVSS
hu7G6-VH_v1 (配列番号139)
QVQLVQSGAEVVKPGASVKLSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGETVYDPKFQGRVTITRDTSTNTAYLQLSSLRSEDTAVYYSTSLDFWGQGTTVTVSS
hu7G6-VH_v2 (配列番号140)
QVQLVQSGAEVVKPGASVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQAPGQGLEWMGWIDPENGETVYDPKFQGRVTITRDTSTNTAYLQLSSLRSEDTAVYYSTSLDFWGQGTTVTVSS
<実施例10>5G8、6A10、8A4、7G6及び3D6のエピトープマッピング
タウの4R0Nアイソフォーム(383アミノ酸)の長さにわたるオーバーラッピングビオチン化ペプチドを、ストレプトアビジンコーティングELISAプレートのウェルに結合させた。プレートを洗浄及びブロックし、ネズミ型の抗体5G8、6A10、8A4、7G6、及び3D6をアプライした。洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗マウス抗体をプレートにアプライし、続いてOPD(o-フェニレンジアミンジヒドロクロリド)で処理して発色させた。プレートを吸光度450 nmで読み取った。ここで、一次抗体を省略したウェル由来のバックグラウンドを、ブランクサブトラクションとして使用した。抗体5G8、6A10、8A4、7G6、及び3D6の場合、配列番号3のアミノ酸199~213、及び262~276にわたるペプチドでポジティブな結合が検出された。これらのペプチドは、全長4R2Nヒトタウ蛋白質のアミノ酸257~271、及び315~329に対応する。
配列表
P10636-8 (配列番号1)
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEDVTAPLVDEGAPGKQAAAQPHTEIPEGTTAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIINKKLDLSNVQSKCGSKDNIKHVPGGGSVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL
P10636-7 (配列番号2)
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIINKKLDLSNVQSKCGSKDNIKHVPGGGSVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL
P10636-6 (4RONヒトタウ) (配列番号3)
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIINKKLDLSNVQSKCGSKDNIKHVPGGGSVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL
P10636-5 (配列番号4)
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEDVTAPLVDEGAPGKQAAAQPHTEIPEGTTAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL
P10636-4 (配列番号5)
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKESPLQTPTEDGSEEPGSETSDAKSTPTAEAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL
P10636-2 (配列番号6)
MAEPRQEFEVMEDHAGTYGLGDRKDQGGYTMHQDQEGDTDAGLKAEEAGIGDTPSLEDEAAGHVTQARMVSKSKDGTGSDDKKAKGADGKTKIATPRGAAPPGQKGQANATRIPAKTPPAPKTPPSSGEPPKSGDRSGYSSPGSPGTPGSRSRTPSLPTPPTREPKKVAVVRTPPKSPSSAKSRLQTAPVPMPDLKNVKSKIGSTENLKHQPGGGKVQIVYKPVDLSKVTSKCGSLGNIHHKPGGGQVEVKSEKLDFKDRVQSKIGSLDNITHVPGGGNKKIETHKLTFRENAKAKTDHGAEIVYKSPVVSGDTSPRHLSNVSSTGSIDMVDSPQLATLADEVSASLAKQGL
配列番号7; シグナルペプチドを有さないネズミ5G8 VHアミノ酸配列
EVQLQQSGAELVRSGASVRLSCTASGFNIKDYYMHWVRQRPEQGLEWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSSNTAYLHLSSLTSEDTAVYYCSPLDFWGQGTTLTVSS
配列番号8; シグナルペプチドを有さないネズミ5G8 VLアミノ酸配列
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKIRRVEAEDLGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIKR
配列番号9: シグナルペプチドを有するネズミ5G8 VHアミノ酸配列をコードする核酸配列:
ATGAAATGCAGCTGGGTCATCTTCTTCCTGATGGCAGTGGTTATAGGAATCAATTCAGAGGTTCAGCTGCAGCAGTCTGGGGCAGAGCTTGTGAGGTCAGGGGCCTCAGTCAGGTTGTCCTGCACAGCTTCTGGCTTCAACATTAAGGACTACTATATGCACTGGGTGAGGCAGAGGCCTGAACAGGGCCTGGAGTGGATTGGATGGATTGATCCTGAGAATGGTGATACTGTATATGCCCCGAAGTTCCAGGGCAAGGCCACTATGACTTCAGACACATCCTCCAACACAGCCTACCTGCACCTCAGCAGCCTGACATCTGAAGACACTGCCGTCTATTACTGTAGCCCCCTTGACTTCTGGGGCCAAGGCACCACTCTCACAGTCTCCTCA
配列番号10: シグナルペプチドを有するネズミ5G8 VLアミノ酸配列をコードする核酸配列:
ATGATGAGTCCTGCCCAGTTCCTGTTTCTGTTAGTACTCTGGATTCGGGAAACCAACGGTGATGTTGTGATGACCCAGACTCCACTCACTTTGTCGGTTACCATTGGACAACCAGCCTCCATCTCTTGCAAGTCAAGTCAGAGCCTCTTAGATAGTGATGGAAAGACATATTTGAATTGGTTGTTACAGAGGCCAGGCCAGTCTCCAAAGCGCCTAATCTATCTGGTGTCTAAACTGGACTCTGGAGTCCCTGACAGGTTCACTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTGAAAATCCGCAGAGTGGAGGCTGAGGATTTGGGAGTTTATTATTGCTGGCAAGGTACACTTTTTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAACGG
配列番号11: ネズミ5G8 Kabat/Chothia組み合わせHCDR-1
GFNIKDYYMH
配列番号12: ネズミ5G8 Kabat HCDR-2
WIDPENGDTVYAPKFQG
配列番号13: ネズミ5G8 Kabat HCDR-3
LDF
配列番号14: ネズミ5G8 Kabat LCDR-1
KSSQSL
LDSDGKTYLN
配列番号15: ネズミ5G8 Kabat LCDR-2
LVSKLDS
配列番号16: ネズミ5G8 Kabat LCDR-3
WQGTLFPYT
配列番号17 ネズミ5G8 Kabat HCDR-1
DYYMH
配列番号18 ネズミ5G8 Chothia HCDR-1
GFNIKDY
配列番号19 ネズミ5G8 Contact HCDR-1
KDYYMH
配列番号20 ネズミ5G8 Chothia HCDR-2
DPENGD
配列番号21 ネズミ5G8 AbM HCDR-2
WIDPENGDTV
配列番号22 ネズミ5G8 Contact HCDR-2
WIGWIDPENGDTV
配列番号23 ネズミ5G8 Contact HCDR-3
SPLD
配列番号24 ネズミ5G8 Contact LCDR-1
KTYLNWL
配列番号25 ネズミ5G8 Contact LCDR-2
RLIYLVSKLD
配列番号26 ネズミ5G8 Contact LCDR-3
WQGTLFPY
配列番号27 >3F4-VH
KVKLQQSGAELVRSGASVKLSCTASGFNIKDYYIQWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGNSEYAPRFQGKATMTADTLSNTAYLQLSSLTSEDTAVYYCNADLHDYWGQGTTLTVSS
配列番号28 >aDabi-Fab2b-VH
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYYMHWVRQAPGQGLEWMGETNPRNGGTTYNEKFKGKATMTRDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTIGTSGYDYFDYWGQGTLVTVSS
配列番号29 >IGHV1-46
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYYMHWVRQAPGQGLEWMGIINPSGGSTSYAQKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCAR
配列番号30 >3F4-VL
DVVMTQTPLSLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLIWVFQRPGQSPKRLIFLVSKRDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPHTVGGGTKLEIA
配列番号 31 >aDabi-Fab2b-VL
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCRSSQSIVHSDGNIYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSYRFSGVPDRFSGSGSGTGFTLKISRVEAEDVGVYYCFQASHVPYTFGGGTKLEIK
配列番号 32 >IGKV2-29
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLHSDGKTYLYWYLQKPGQSPQLLIYEVSSRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGIHLP
配列番号33 > hu5G8-VH_v1
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTRDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTILDFWGQGTLVTVSS
配列番号34 > hu5G8-VH_v2
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
配列番号35 hu5G8-VH_v3
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
配列番号36 > hu5G8-VH_v4
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLDWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
配列番号37 > hu5G8-VH_v5
EVQLVQSGAELVKPGASVRLSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLDWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTNTAYLELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
配列番号38 > hu5G8-VH_v6
EVQLVQSGAELVKPGASVRLSCAASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLDWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSTNTAYLELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
配列番号39 > hu5G8-VH_v7
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYAPKFQGRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARLDFWGQGTLVTVSS
配列番号40 > hu5G8-VH_v8
EVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGFNIKDYYMHWVRQAPGQGLDWIGWIDPENGDTVYAPKFQGRVTMTSDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCSPLDFWGQGTLVTVSS
配列番号41 > hu5G8-VL_v1
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWYLQKPGQSPKLLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTGFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
配列番号42 > hu5G8-VL_v2
DVVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQKPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTGFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
配列番号43 > hu5G8-VL_v3
DVVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQKPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
配列番号44 > hu5G8-VL_v4
DVVMTQSPLSLSVTPGEPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQKPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
配列番号45 > hu5G8-VL_v5
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWYLQKPGQSPQLLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
配列番号46 > hu5G8-VL_v6
DVVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQKPGQSPQRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
配列番号47 > シグナルペプチドを有するネズミ5G8 VHアミノ酸配列
MKCSWVIFFLMAVVIGINSEVQLQQSGAELVRSGASVRLSCTASGFNIKDYYMHWVRQRPEQGLEWIGWIDPENGDTVYAPKFQGKATMTSDTSSNTAYLHLSSLTSEDTAVYYCSPLDFWGQGTTLTVSS
配列番号48 > シグナルペプチドを有するネズミ5G8 VLアミノ酸配列
MMSPAQFLFLLVLWIRETNGDVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKIRRVEAEDLGVYYCWQGTLFPYTFGGGTKLEIK
配列番号 49 >: m6A10VHアミノ酸配列:
MKCSWVIFFLMAVVIGINSEVQLQQSGAELVRSGASVKLSCTASGLNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENDDTEYAPKFQGRATLTTDTSSNTAYLQLSSLTSEDTAVYYCTPLDYWGQGTSVTVSS
配列番号 50 : m6A10VLアミノ酸配列:
MMSPAQFLFLLVLWIRETNGDVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
配列番号 51 : m7G6VHアミノ酸配列:
MKCSWVIFFLMAVVTGVNSEVQLQQSGAELVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGETVYDPKFQGKASITSDTSSNTAYLQLRSLTSEDTAVYYSTSLDFWGQGTSVTVSS
配列番号 52 m7G6VLアミノ酸配列:
MMSPAQFLFLLVLWIRETNGDVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
配列番号 53 m8A4VHアミノ酸配列:
MKCSWVIFFLMAVVTGVNSEVQLQQSGAELVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGDTVYDPQFQDKANITADTSSNTAYLQLSSLTSEGTAVYYCSTLDFWGQGTTLTVSS
配列番号 54 m8A4VLアミノ酸配列:
MMSPAQFLFLLVLWNRETNGDVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPCTFGGGTKLEIKR
配列番号55; ネズミ3D6 VHアミノ酸配列:
EVQLQQSGADLVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYLHWVRQRPEQGLEWIGWIDPENGDTVYDPKFQGKATITADTSSNTAYLQLGSLTSEDTAVYFCSTLDFWGQGTTLTVSS
配列番号56; ネズミ3D6 Kabat/Chothia HCDR1:
GFNIKDYYLH
配列番号57; ネズミ3D6 Kabat HCDR2:
WIDPENGDTVYDPKFQG
配列番号58; ネズミ3D6 Kabat HCDR3:
LDF
配列番号59; ネズミ3D6 VLアミノ酸配列:
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
配列番号60; ネズミ3D6 Kabat LCDR1:
KSSQSLLDSDGKTYLN
配列番号 61 ; ネズミ3D6 Kabat LCDR2:
LVSKLDS
配列番号62 ; ネズミ3D6 Kabat LCDR3:
WQGTHFPYT
配列番号 63 m6A10VHアミノ酸配列の成熟領域:
EVQLQQSGAELVRSGASVKLSCTASGLNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENDDTEYAPKFQGRATLTTDTSSNTAYLQLSSLTSEDTAVYYCTPLDYWGQGTSVTVSS
配列番号 64 : m6A10VLアミノ酸配列の成熟領域:
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIK
配列番号 65 ネズミ6A10 Kabat/Chothia組み合わせCDR-H1:
GLNIKDYYIH
配列番号66 ネズミ6A10 Kabat CDR-H2:
WIDPENDDTEYAPKFQG
配列番号 67 ネズミ6A10 Kabat CDR-H3:
LDY
配列番号 68 ネズミ6A10 Kabat CDR-L1:
KSSQSLLDSDGKTYLN
配列番号 69 ネズミ6A10 Kabat CDR-L2:
LVSKLDS
配列番号 70 ネズミ6A10 Kabat CDR-L3:
WQGTHFPYT
配列番号 71 ネズミ6A10 Kabat CDR-H1:
DYYIH
配列番号 72 ネズミ6A10 Chothia CDR-H1:
GLNIKDY
配列番号 73 ネズミ6A10 Contact CDR-H1:
KDYYIH
配列番号74 ネズミ6A10 Chothia CDR-H2:
DPENDD
配列番号75 ネズミ6A10 AbM CDR-H2:
WIDPENDDTE
配列番号76 ネズミ6A10 Contact CDR-H2:
WIGWIDPENDDTE
配列番号77 ネズミ6A10 Contact CDR-H3:
TPLD
配列番号 78 ネズミ6A10 Contact CDR-L1:
KTYLNWL
配列番号 79 ネズミ6A10 Contact CDR-L2:
RLIYLVSKLD
配列番号 80 ネズミ6A10 Contact CDR-L3:
WQGTHFPY
配列番号 81 6A10 VHアクセプターアクセッション番号ACR16112:
QVQLQESGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPNSGDTNYAQKFQGRVTTTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARLAARPLDYWGQGTLVTVSS
配列番号 82 ヒト生殖系列配列IGHV1-2*02:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPNSGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARSRRGYYDFWSGSPEDYWGQGTLVTVSS
配列番号 83 6A10 VLアクセプターアクセッション番号ABC66863:
DIVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVYSDGNTYLNWFQQRPGQSPRRLIYKVSNRDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGTHRPLTFGGGTKVEIK
配列番号 84ヒト生殖系列配列IGKV2-30*02:
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSLVHSDGNTYLNWFQQRPGQSPRRLIYKVSNRDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQGTHWPLTFGGGTKVEIK
配列番号 85 hu6A10-VH_v1:
QVQLQESGAEVKKPGASVKVSCKASGLNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENDDTEYAPKFQGRVTTTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARLDYWGQGTLVTVSS
配列番号 86 hu6A10-VH_v2:
QVQLQESGAEVKKPGASVKVSCKASGLNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENDDTEYAPKFQGRVTTTRDTSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCARLDYWGQGTLVTVSS
配列番号 87 hu6A10-VH_v3:
QVQLQESGAEVKKPGGSVKVSCKASGLNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENDDTEYAPKFQGRVTITRDTSISTAYLELSRLRSDDTAVYYCARLDYWGQGTLVTVSS
配列番号 88 hu6A10-VL_v1:
DIVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKVEIK
配列番号 89 hu6A10-VL_v2:
DIVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKVEIK
配列番号 90 hu6A10-VL_v3:
DIVMTQSPLSLSVTLGEPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKVEIK
配列番号 91 ネズミ8A4VHの成熟領域:
EVQLQQSGAELVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGDTVYDPQFQDKANITADTSSNTAYLQLSSLTSEGTAVYYCSTLDFWGQGTTLTVSS
配列番号 92 ネズミ8A4VLの成熟領域:
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPCTFGGGTKLEIK
配列番号 93 ネズミ8A4 Kabat/Chothia組み合わせCDR-H1:
GFNIKDYYIH
配列番号94 ネズミ8A4 Kabat CDR-H2:
WIDPENGDTVYDPQFQD
配列番号 95 ネズミ8A4 Kabat CDR-H3:
LDF
配列番号 96 ネズミ8A4 Kabat CDR-L1:
KSSQSLLDSDGKTYLN
配列番号 97 ネズミ8A4 Kabat CDR-L2:
LVSKLDS
配列番号 98 ネズミ8A4 Kabat CDR-L3:
WQGTHFPCT
配列番号 99 ネズミ8A4 Kabat CDR-H1:
DYYIH
配列番号 100 ネズミ8A4 Chothia CDR-H1:
GFNIKDY
配列番号 101 ネズミ8A4 Contact CDR-H1:
KDYYIH
配列番号102 ネズミ8A4 Chothia CDR-H2:
DPENGD
配列番号103 ネズミ8A4 AbM CDR-H2:
WIDPENGDTV
配列番号104 ネズミ8A4 Contact CDR-H2:
WIGWIDPENGDTV
配列番号105 ネズミ8A4 Contact CDR-H3:
STLD
配列番号 106 ネズミ8A4 Contact CDR-L1:
KTYLNWL
配列番号 107 ネズミ8A4 Contact CDR-L2:
RLIYLVSKLD
配列番号 108 ネズミ8A4 Contact CDR-L3:
WQGTHFPC
配列番号 109 3JAUVH:
EVQLQQSGAELVKPGASVKLSCTASGFNIKDTYIHWVKQRPEQGLEWIGKIDPANGNTKYDPKFQDKATITADTSSNTAYLQLSSLTSEDTAVYYCANSNYWFDFDYWGQGTTLTVSS
配列番号 110 ADU57742:
QVQLQQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSNPVSWVRQAPGQGLEWMGGIIPFAQKVLGAQRVRDRINITADTSTSTAYMELSGLRSDDTAVYYCATGQQLYSLHYWGQGTLVTVSS
配列番号 111 3JAUVL:
DVLMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEADDVGVYYCYQGSHVPYTFGGGTKLEIK
配列番号 112 ABA26100:
DVMTSSSVTGASSCRSSSVYSDGSTWNWRGSRRYDVSTRDSGVDRSGSGSGTDTKSRVADVGVYYCMDWHTGGTKK
配列番号 113 hu8A4-VH_v1:
QVQLQQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYDPQFQDRINITADTSTSTAYMELSGLRSDDTAVYYCSTLDFWGQGTLVTVSS
配列番号 114 hu8A4-VH_v2:
QVQLQQSGAEVVKPGGSVKLSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGDTVYDPQFQDRITITADTSTSTAYMELSGLRSDDTAVYYCSTLDFWGQGTLVTVSS
配列番号 115 hu8A4-VH_v3:
QVQLQQSGAEVVKPGGSVKLSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWIGWIDPENGDTVYDPQFQDRATITADTSTSTAYMELSGLRSEDTAVYYCATLDFWGQGTLVTVSS
配列番号 116 hu8A4-VL_v1:
DIVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPCTFGQGTKLEIK
配列番号 117 hu8A4-VL_v2:
DIVMTQSPLSLSVTLGEPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPCTFGQGTKLEIK
配列番号 118 hu8A4-VL_v3:
DVVMTQSPLSLSVTLGEPASISCKSSQSLLDSDGKTYLNWLQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPCTFGQGTKLEIK
配列番号 119 ネズミmAb7G6 VH:
EVQLQQSGAELVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGETVYDPKFQGKASITSDTSSNTAYLQLRSLTSEDTAVYYSTSLDFWGQGTSVTVSS
配列番号 120 ネズミmAb7G6 VL:
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
配列番号 121 ネズミ7G6 Kabat/Chothia組み合わせCDR-H1:
GFNIKDYYIH
配列番号122 ネズミ7G6 Kabat CDR-H2:
WIDPENGETVYDPKFQG
配列番号 123 ネズミ7G6 Kabat CDR-H3:
LDF
配列番号 124 ネズミ7G6 Kabat CDR-L1:
KSTQSLLDSDGKTYLN
配列番号 125 ネズミ7G6 Kabat CDR-L2:
LVSKLDS
配列番号 126 ネズミ7G6 Kabat CDR-L3:
WQGTHFPYT
配列番号 127 ネズミ7G6 Kabat CDR-H1:
DYYIH
配列番号 128 ネズミ7G6 Chothia CDR-H1:
GFNIKDY
配列番号 129 ネズミ7G6 Contact CDR-H1:
KDYYIH
配列番号130 ネズミ7G6 Chothia CDR-H2:
DPENGE
配列番号131 ネズミ7G6 AbM CDR-H2:
WIDPENGETV
配列番号132 ネズミ7G6 Contact CDR-H2:
WIGWIDPENGETV
配列番号133 ネズミ7G6 Contact CDR-H3:
TSLD
配列番号 134 ネズミ7G6 Contact CDR-L1:
KTYLNWL
配列番号 135 ネズミ7G6 Contact CDR-L2:
RLIYLVSKLD
配列番号 136 ネズミ7G6 Contact CDR-L3:
WQGTHFPY
配列番号 137 ヒトVHアクセプターDB 3U0T_VH:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYYTEAYYIHWVRQAPGQGLEWMGRIDPATGNTKYAPRLQDRVTMTRDTSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCASLYSLPVYWGQGTTVTVSS
配列番号 138 ヒトVLアクセプターPDB 3U0T_VL:
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLYSDAKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYQISRLDPGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCLQGTHYPVLFGQGTRLEIKR
配列番号 139 hu7G6-VH_v1:
QVQLVQSGAEVVKPGASVKLSCKASGFNIKDYYIHWVRQAPGQGLEWMGWIDPENGETVYDPKFQGRVTITRDTSTNTAYLQLSSLRSEDTAVYYSTSLDFWGQGTTVTVSS
配列番号 140 hu7G6-VH_v2:
QVQLVQSGAEVVKPGASVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQAPGQGLEWMGWIDPENGETVYDPKFQGRVTITRDTSTNTAYLQLSSLRSEDTAVYYSTSLDFWGQGTTVTVSS
配列番号 141 hu7G6-VL_v1:
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
配列番号 142 hu7G6-VL_v2:
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWFLQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
配列番号 143 hu7G6-VL_v3:
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
配列番号 144 hu7G6-VL_v4:
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
配列番号 145 hu7G6-VL_v5:
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
配列番号 146 hu7G6-VL_v6:
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGQGTKLEIKR
配列番号 147 hu7G6-VL_v7:
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWFQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
配列番号 148 hu7G6-VL_v8:
DVVMTQSPLSLSVTLGQPASISCKSTQSLLDSDGKTYLNWLLQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCWQGTHFPYTFGGGTKLEIKR
配列番号 149 ヒト生殖系列配列IGHV1-69-2*01
EVQLQQSGAELVRPGALVKLSCKASGFNIKDYYIHWVKQRPEQGLEWIGWIDPENGETVYDPKFQGKASITSDTSSNTAYLQLRSLTSEDTAVYYSTSLDFWGQGTSVTVSS

Claims (16)

  1. 配列番号7の3つの重鎖CDR及び配列番号8の3つの軽鎖CDR、又は
    配列番号55の3つの重鎖CDR及び配列番号59の3つの軽鎖CDR、
    を含む、ヒトタウへ結合する抗体。
  2. 配列番号17、配列番号12、及び配列番号13のカバットによって定義される3つの重鎖CDRを含む重鎖可変ドメイン並びに配列番号14~16のカバットによって定義される3つの鎖CDRを含む軽鎖可変ドメインによって特徴付けられる、請求項1に記載の抗体。
  3. 抗体がヒト化抗体であり、重鎖可変ドメイン及び軽鎖可変ドメインを有する、請求項2に記載の抗体。
  4. 前記ヒト化重鎖可変ドメインの位置H1、H11、H12、H19、H20、H23、H46、H48、H71、H76、H80、H93、及びH94は、それぞれE、L、V、R、L、A、D、I、S、N、L、S、及びPが配置され、及び/又は前記ヒト化軽鎖可変ドメインの位置L2、L7、L17、L36、L46、L70は、それぞれV、S、E、L、R、及びDが配置されている、請求項3に記載の抗体。
  5. 前記ヒト化重鎖可変ドメインは、配列番号33~40のいずれか1つのアミノ酸配列を有し、且つ前記ヒト化軽鎖可変ドメインは、配列番号41~46のいずれか1つのアミノ酸配列を有する、請求項3に記載の抗体。
  6. インタクト抗体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
  7. 結合フラグメントである、請求項1~5のいずれか1項に記載の抗体。
  8. 前記ヒト化軽鎖可変ドメインは、軽鎖定常ドメインに融合し、且つ前記ヒト化重鎖可変ドメインは、重鎖定常ドメインに融合している、請求項3~5のいずれか1項に記載の抗体。
  9. 前記重鎖定常ドメインは、IgG1アイソタイプである、請求項8に記載の抗体。
  10. 前記抗体はヒトIgG2又はIgG4アイソタイプである、請求項1~8のいずれか1項に記載の抗体。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の抗体及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  12. 請求項1~10のいずれかに記載の抗体の重鎖可変ドメイン及び/又は軽鎖可変ドメインをコードする核酸、又は前記核酸を含む組換え発現ベクター、又は前記組換え発現ベクターで形質転換された宿主細胞。
  13. マウス抗体をヒト化するインビトロの方法であって、
    (a)1つ以上のアクセプター抗体を選択する工程、
    (b)保持するマウス抗体のアミノ酸残基を特定する工程、
    (c)前記マウス抗体重鎖のCDRを含むヒト化重鎖をコードする核酸、及び前記マウス抗体軽鎖のCDRを含むヒト化軽鎖をコードする核酸を合成する工程、及び
    (d)宿主細胞で前記核酸を発現させて、ヒト化抗体を生成する工程、を含み、
    前記マウス抗体は、配列番号7の重鎖可変ドメイン、及び配列番号8の軽鎖可変ドメイン、又は
    配列番号55の重鎖可変ドメイン、及び配列番号59の軽鎖可変ドメイン、によって特徴付けられる、
    方法。
  14. タウ関連疾患を処置又は予防するための、請求項1~10のいずれか1項に記載の抗体を含む医薬組成物。
  15. 前記タウ関連疾患は、アルツハイマー病、ダウン症候群、軽度認知障害、原発性加齢性タウオパチー、脳炎後パーキンソニズム、外傷後認知症又は拳闘家認知症、ピック病、C型ニーマンピック病、核上性麻痺、前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症、嗜銀顆粒病、球状グリア細胞タウオパチー、グアムの筋萎縮性側索硬化症/パーキンソニズム認知症複合、大脳皮質基底核変性症(CBD)、レビー小体型認知症、アルツハイマー病レビー小体亜型(LBVAD)、又は進行性核上性麻痺(PSP)、である、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. タウの凝集又は沈着に関連する疾患を有するか、又はそのリスクがある対象由来のサンプルにおけるタウ蛋白質沈着を検出するインビトロの方法であって、前記サンプルと請求項1~10のいずれか1項に記載の抗体を接触させる工程、及び前記サンプルのタウに結合した抗体を検出する工程を含む、方法。
JP2019557462A 2017-05-02 2018-05-02 タウ認識抗体 Active JP7442790B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023093577A JP2023113836A (ja) 2017-05-02 2023-06-07 タウ認識抗体

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762500427P 2017-05-02 2017-05-02
US62/500,427 2017-05-02
US201762580408P 2017-11-01 2017-11-01
US62/580,408 2017-11-01
PCT/US2018/030739 WO2018204546A2 (en) 2017-05-02 2018-05-02 Antibodies recognizing tau

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023093577A Division JP2023113836A (ja) 2017-05-02 2023-06-07 タウ認識抗体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020520231A JP2020520231A (ja) 2020-07-09
JP2020520231A5 JP2020520231A5 (ja) 2021-06-17
JP7442790B2 true JP7442790B2 (ja) 2024-03-05

Family

ID=64016242

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019557462A Active JP7442790B2 (ja) 2017-05-02 2018-05-02 タウ認識抗体
JP2023093577A Pending JP2023113836A (ja) 2017-05-02 2023-06-07 タウ認識抗体

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023093577A Pending JP2023113836A (ja) 2017-05-02 2023-06-07 タウ認識抗体

Country Status (14)

Country Link
US (1) US11958896B2 (ja)
EP (1) EP3619233A4 (ja)
JP (2) JP7442790B2 (ja)
KR (1) KR20200030029A (ja)
CN (1) CN110881274A (ja)
AU (1) AU2018263935A1 (ja)
BR (1) BR112019022906A2 (ja)
CA (1) CA3061516A1 (ja)
CO (1) CO2019013265A2 (ja)
CU (1) CU24636B1 (ja)
MX (1) MX2019013045A (ja)
PE (1) PE20200695A1 (ja)
SG (1) SG11201910066QA (ja)
WO (1) WO2018204546A2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG10201707855YA (en) 2013-03-13 2017-10-30 Prothena Biosciences Ltd Tau immunotherapy
CN109415432B (zh) 2016-05-02 2022-07-08 普罗塞纳生物科学有限公司 Tau免疫疗法
PE20190261A1 (es) 2016-05-02 2019-02-25 Prothena Biosciences Ltd Anticuerpos que reconocen tau
CA3022765A1 (en) 2016-05-02 2017-11-09 Prothena Biosciences Limited Antibodies recognizing tau
MA47499A (fr) 2017-02-17 2019-12-25 Denali Therapeutics Inc Anticorps anti-tau et leurs procédés d'utilisation
BR112019022906A2 (pt) 2017-05-02 2020-05-26 Prothena Biosciences Limited Anticorpos que reconhecem tau
ES2941966T3 (es) 2017-09-28 2023-05-29 Immpact Bio Ltd Una plataforma universal para preparar un receptor de antígeno quimérico inhibidor (ICAR)
JP6851549B2 (ja) * 2017-10-16 2021-03-31 エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 抗タウ抗体及びその使用
CU20210073A7 (es) * 2019-03-03 2022-04-07 Prothena Biosciences Ltd Anticuerpos que se unen dentro de la región de unión a microtúbulos de tau definida por cdrs
MA55491A (fr) * 2019-03-26 2022-02-09 Janssen Pharmaceutica Nv Anticorps anti-pyroglutamate-amyloïde bêta et leurs utilisations
BR112022023366A2 (pt) 2020-05-19 2023-05-02 Othair Prothena Ltd Vacina com múltiplos epítopos para o tratamento de mal de alzheimer
EP4208176A2 (en) * 2020-09-04 2023-07-12 IMMPACT BIO USA Inc. Bicistronic inhibitory chimeric antigen receptor (icar)/activating chimeric antigen receptor (acar) constructs for use in cancer therapies
TW202246320A (zh) * 2021-02-14 2022-12-01 愛爾蘭商普羅帝納生物科學公司 使用識別tau之抗體之方法
CN116047081B (zh) * 2023-01-10 2024-02-13 北京新源长青生物科技有限公司 检测Aβ40、Aβ42的试剂盒与方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016137950A1 (en) 2015-02-24 2016-09-01 Rpeptide, Llc Anti-tau antibodies

Family Cites Families (165)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH652145A5 (de) 1982-01-22 1985-10-31 Sandoz Ag Verfahren zur in vitro-herstellung von hybridomen welche humane monoklonale antikoerper erzeugen.
US4634666A (en) 1984-01-06 1987-01-06 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Human-murine hybridoma fusion partner
US5208036A (en) 1985-01-07 1993-05-04 Syntex (U.S.A.) Inc. N-(ω, (ω-1)-dialkyloxy)- and N-(ω, (ω-1)-dialkenyloxy)-alk-1-yl-N,N,N-tetrasubstituted ammonium lipids and uses therefor
US5225539A (en) 1986-03-27 1993-07-06 Medical Research Council Recombinant altered antibodies and methods of making altered antibodies
EP0832981A1 (en) 1987-02-17 1998-04-01 Pharming B.V. DNA sequences to target proteins to the mammary gland for efficient secretion
EP0307434B2 (en) 1987-03-18 1998-07-29 Scotgen Biopharmaceuticals, Inc. Altered antibodies
US5057540A (en) 1987-05-29 1991-10-15 Cambridge Biotech Corporation Saponin adjuvant
US4912094B1 (en) 1988-06-29 1994-02-15 Ribi Immunochem Research Inc. Modified lipopolysaccharides and process of preparation
US5530101A (en) * 1988-12-28 1996-06-25 Protein Design Labs, Inc. Humanized immunoglobulins
US5633076A (en) 1989-12-01 1997-05-27 Pharming Bv Method of producing a transgenic bovine or transgenic bovine embryo
US5859205A (en) 1989-12-21 1999-01-12 Celltech Limited Humanised antibodies
SG48759A1 (en) 1990-01-12 2002-07-23 Abgenix Inc Generation of xenogenic antibodies
US5279833A (en) 1990-04-04 1994-01-18 Yale University Liposomal transfection of nucleic acids into animal cells
US5264618A (en) 1990-04-19 1993-11-23 Vical, Inc. Cationic lipids for intracellular delivery of biologically active molecules
US5427908A (en) 1990-05-01 1995-06-27 Affymax Technologies N.V. Recombinant library screening methods
GB9015198D0 (en) 1990-07-10 1990-08-29 Brien Caroline J O Binding substance
US5625126A (en) 1990-08-29 1997-04-29 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
ES2108048T3 (es) 1990-08-29 1997-12-16 Genpharm Int Produccion y utilizacion de animales inferiores transgenicos capaces de producir anticuerpos heterologos.
US5633425A (en) 1990-08-29 1997-05-27 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies
US5814318A (en) 1990-08-29 1998-09-29 Genpharm International Inc. Transgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
US5770429A (en) 1990-08-29 1998-06-23 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies
US5545806A (en) 1990-08-29 1996-08-13 Genpharm International, Inc. Ransgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
US5661016A (en) 1990-08-29 1997-08-26 Genpharm International Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies of various isotypes
US5877397A (en) 1990-08-29 1999-03-02 Genpharm International Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies of various isotypes
US5789650A (en) 1990-08-29 1998-08-04 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals for producing heterologous antibodies
US5874299A (en) 1990-08-29 1999-02-23 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies
US5194594A (en) 1990-09-07 1993-03-16 Techniclone, Inc. Modified antibodies
DE69230142T2 (de) 1991-05-15 2000-03-09 Cambridge Antibody Tech Verfahren zur herstellung von spezifischen bindungspaargliedern
US5858657A (en) 1992-05-15 1999-01-12 Medical Research Council Methods for producing members of specific binding pairs
JP4124480B2 (ja) 1991-06-14 2008-07-23 ジェネンテック・インコーポレーテッド 免疫グロブリン変異体
US5283185A (en) 1991-08-28 1994-02-01 University Of Tennessee Research Corporation Method for delivering nucleic acids into cells
ES2136092T3 (es) 1991-09-23 1999-11-16 Medical Res Council Procedimientos para la produccion de anticuerpos humanizados.
AU3328493A (en) 1991-12-17 1993-07-19 Genpharm International, Inc. Transgenic non-human animals capable of producing heterologous antibodies
US5733743A (en) 1992-03-24 1998-03-31 Cambridge Antibody Technology Limited Methods for producing members of specific binding pairs
WO1994012629A1 (en) 1992-12-02 1994-06-09 Baylor College Of Medicine Episomal vectors for gene therapy
CA2150262C (en) 1992-12-04 2008-07-08 Kaspar-Philipp Holliger Multivalent and multispecific binding proteins, their manufacture and use
US5843779A (en) 1992-12-14 1998-12-01 N.V. Innogenetics S.A. Monoclonal antibodies directed against the microtubule-associated protein tau, and hybridomas secreting these antibodies
DK0735893T3 (da) 1993-09-14 2009-03-09 Pharmexa Inc PAN DR-bindende peptider til styrkelse af immunsvaret
US5827690A (en) 1993-12-20 1998-10-27 Genzyme Transgenics Corporatiion Transgenic production of antibodies in milk
US5877218A (en) 1994-01-10 1999-03-02 Teva Pharmaceutical Industries, Ltd. Compositions containing and methods of using 1-aminoindan and derivatives thereof and process for preparing optically active 1-aminoindan derivatives
US5505947A (en) 1994-05-27 1996-04-09 The University Of North Carolina At Chapel Hill Attenuating mutations in Venezuelan Equine Encephalitis virus
US5786464C1 (en) 1994-09-19 2012-04-24 Gen Hospital Corp Overexpression of mammalian and viral proteins
US7427392B1 (en) 1994-11-14 2008-09-23 Elan Pharmaceuticals, Inc. Methods for aiding in the diagnosis of alzheimer's disease by measuring amyloid-β peptide (x-≧41) and tau
US7153510B1 (en) 1995-05-04 2006-12-26 Yale University Recombinant vesiculoviruses and their uses
DE19539493A1 (de) 1995-10-24 1997-04-30 Thomae Gmbh Dr K Starker homologer Promotor aus Hamster
US5834597A (en) 1996-05-20 1998-11-10 Protein Design Labs, Inc. Mutated nonactivating IgG2 domains and anti CD3 antibodies incorporating the same
US6114148C1 (en) 1996-09-20 2012-05-01 Gen Hospital Corp High level expression of proteins
AUPO390396A0 (en) 1996-11-29 1996-12-19 Csl Limited Novel promiscuous T helper cell epitopes
EP2172216A3 (en) 1997-03-10 2010-11-24 Ottawa Hospital Research Institute Use of nucleic acids containing unmethylated CpG dinucleotide as an adjuvant
US5888809A (en) 1997-05-01 1999-03-30 Icos Corporation Hamster EF-1α transcriptional regulatory DNA
US7964192B1 (en) 1997-12-02 2011-06-21 Janssen Alzheimer Immunotherapy Prevention and treatment of amyloidgenic disease
WO2000046750A1 (en) 1999-02-05 2000-08-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Image texture retrieving method and apparatus thereof
PE20020574A1 (es) 2000-12-06 2002-07-02 Wyeth Corp Anticuerpos humanizados que reconocen el peptido amiloideo beta
AT500379B8 (de) 2001-02-02 2009-08-15 Axon Neuroscience Tau-proteine
EP1539233B1 (en) 2001-07-12 2011-04-27 FOOTE, Jefferson Super humanized antibodies
CA2471849A1 (en) 2001-12-28 2003-07-17 Abgenix, Inc. Antibodies against the muc18 antigen
EP1535930B1 (en) 2002-08-14 2010-10-06 Mitsubishi Chemical Medience Corporation Antibody specific to central nervous system tau protein
WO2008103472A2 (en) 2007-02-23 2008-08-28 Elan Pharmaceuticals, Inc. Prevention and treatment of synucleinopathic and amyloidogenic disease
KR101149777B1 (ko) 2002-11-29 2012-06-11 베링거 잉겔하임 파르마 게엠베하 운트 코 카게 신규한 네오마이신 포스포트랜스퍼라제 유전자 및 고생산성 재조합 세포의 선별 방법
US7847146B2 (en) 2003-03-28 2010-12-07 Baylor College Of Medicine Model for neurodegenerative disorders
DE10338531A1 (de) 2003-08-19 2005-04-07 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co. Kg Verfahren zur Reklonierung von Produktionszellen
US20050132424A1 (en) 2003-10-21 2005-06-16 Envivo Pharmaceuticals, Inc. Transgenic flies expressing Abeta42-Dutch
JP2008520186A (ja) 2004-10-01 2008-06-19 マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ 哺乳類eag1イオンチャネルタンパク質に対する新規の抗体
DE602005014805D1 (de) 2004-11-10 2009-07-16 Boehringer Ingelheim Pharma Verwendung von durchflusszytometrischer analyse zur optimierung von zellbankingstrategien für cho-zellen
AU2005318171B2 (en) 2004-12-20 2011-09-29 Crucell Holland B.V. Binding molecules capable of neutralizing West Nile virus and uses thereof
WO2006074071A1 (en) * 2004-12-30 2006-07-13 The Government Of The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Framework residue substituted humanized col-1 antibodies and their use
US8012936B2 (en) 2006-03-29 2011-09-06 New York University Tau fragments for immunotherapy
JP2009539406A (ja) 2006-06-16 2009-11-19 エンビボ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド タウおよびアミロイド前駆体断片を発現する遺伝子組換えハエ
US8301398B2 (en) 2006-06-22 2012-10-30 Walter And Eliza Hall Institute Of Medical Research Structure of the insulin receptor ectodomain
US20080124760A1 (en) 2006-07-26 2008-05-29 Barbara Enenkel Regulatory Nucleic Acid Elements
WO2008022153A2 (en) 2006-08-14 2008-02-21 The Regents Of The University Of California Inhibitors of pde4 and methods of use
CN103172743B (zh) 2006-12-01 2015-04-08 梅达雷克斯有限责任公司 结合cd22的人抗体及其用途
DK2099823T4 (da) 2006-12-01 2022-05-09 Seagen Inc Målbindingsmiddelvarianter og anvendelser deraf
ES2635317T3 (es) 2007-01-05 2017-10-03 University Of Zurich Anticuerpo anti-beta-amiloide y sus usos
US8221999B2 (en) 2007-03-02 2012-07-17 Boehringer Ingelheim Pharma Gmbh & Co. Kg Protein production
EP2031064A1 (de) 2007-08-29 2009-03-04 Boehringer Ingelheim Pharma GmbH & Co. KG Verfahren zur Steigerung von Proteintitern
JP2009056790A (ja) 2007-09-03 2009-03-19 Takao Otogawa ファイル用ポケット
CN101970485B (zh) 2007-09-26 2014-05-14 U3制药有限公司 肝素结合表皮生长因子样生长因子抗原结合蛋白
BRPI0819205A2 (pt) 2007-11-13 2015-06-23 Teva Biopharmaceuticals Usa Inc Anticorpos humanizados contra tl1a
CR20170001A (es) 2008-04-28 2017-08-10 Genentech Inc Anticuerpos anti factor d humanizados
JP2010014691A (ja) 2008-06-20 2010-01-21 Igaku Seibutsugaku Kenkyusho:Kk 腹水中のメソテリン及び/又は巨核球増強因子を検出するための方法、キット、試薬及び装置
CN102239180B (zh) 2008-08-18 2014-12-31 辉瑞大药厂 抗ccr2抗体
US9605054B2 (en) 2009-02-23 2017-03-28 The Board Of Trustees Of The University Of Illinois Composition and method for treating a tauopathy
CN102459628A (zh) 2009-05-13 2012-05-16 基酶有限公司 抗人cd52 免疫球蛋白
US8748386B2 (en) 2009-06-10 2014-06-10 New York University Immunological targeting of pathological Tau proteins
US20110045534A1 (en) 2009-08-20 2011-02-24 Cell Signaling Technology, Inc. Nucleic Acid Cassette For Producing Recombinant Antibodies
EP2470211B1 (en) 2009-08-28 2016-01-27 The Board of Regents of The University of Texas System Antibodies that bind tau oligomers
WO2011053565A2 (en) 2009-10-29 2011-05-05 Biomedical Sciences Research Centre "Alexander Fleming" Compositions and methods for detecting a tauopathy
TW201132353A (en) * 2009-12-18 2011-10-01 Amgen Inc WISE binding agents and epitopes
WO2011083881A1 (ja) 2010-01-08 2011-07-14 国立大学法人京都大学 タウオパチー治療用ワクチン
AR080243A1 (es) * 2010-02-23 2012-03-21 Genentech Inc Composiciones y metodos para el diagnostico y tratamiento de tumores
US8987419B2 (en) 2010-04-15 2015-03-24 AbbVie Deutschland GmbH & Co. KG Amyloid-beta binding proteins
EP2560681A4 (en) 2010-04-22 2013-09-25 Janssen Alzheimer Immunotherap USE OF TAU FOR MONITORING IMMUNOTHERAPY
ITRM20100320A1 (it) 2010-06-11 2011-12-11 Consiglio Nazionale Ricerche Metodo per la diagnostica e il trattamento delle taupatie
US20120023911A1 (en) 2010-07-28 2012-02-02 Gm Global Technology Operations, Inc. Detection of exhaust particulate filter substrate failure
US20130295021A1 (en) 2010-10-11 2013-11-07 Feng Chen Human anti-tau antibodies
US20140050733A1 (en) 2011-02-07 2014-02-20 Dale B. Schenk Apoe immunotherapy
US8697076B2 (en) * 2011-04-27 2014-04-15 Northwestern University Antibodies selective for pathological tau dimers and prefibrillar pathological tau oligomers and their uses in treatment, diagnosis and monitoring of tauopathies
GB201109238D0 (en) 2011-06-01 2011-07-13 Antitope Ltd Antibodies
GB201111361D0 (en) 2011-07-04 2011-08-17 Nordic Bioscience As Biochemical markers for neurodegenerative conditions
GB201112056D0 (en) 2011-07-14 2011-08-31 Univ Leuven Kath Antibodies
AU2012298877B2 (en) 2011-08-22 2018-01-04 Emergent Biosolutions Canada Inc. Clostridium difficile antibodies
CN104185640B (zh) 2011-09-19 2018-07-20 阿克松神经系统科学公司 阿尔茨海默病中的tau蛋白介导病变的基于蛋白质的疗法和诊断
TW201326209A (zh) 2011-09-30 2013-07-01 Chugai Pharmaceutical Co Ltd 具有促進抗原清除之FcRn結合域的治療性抗原結合分子
CN104080806B (zh) 2011-10-07 2018-01-19 Ac免疫有限公司 识别Tau的磷酸化特异抗体
WO2013059786A1 (en) 2011-10-21 2013-04-25 The Ohio State University Methylated peptides derived from tau protein and their antibodies for diagnosis and therapy of alzheimer's disease
JP6779012B2 (ja) 2012-03-28 2020-11-04 サノフイSanofi ブラジキニンb1受容体リガンドに対する抗体
KR102132041B1 (ko) 2012-04-05 2020-07-09 에이씨 이뮨 에스.에이. 인간화된 타우 항체
CA2868327A1 (en) 2012-04-18 2013-10-24 E. I. Du Pont De Nemours And Company Multilayered sheet
DE102012211455A1 (de) 2012-07-02 2014-01-02 Wobben Properties Gmbh Handhabungsvorrichtung zum Handhaben einer Rotorblattform zum Fertigen eines Rotorblattes einer Windenergieanlage
RU2668159C2 (ru) 2012-07-03 2018-09-26 Вашингтон Юниверсити Антитела против тау
PE20150646A1 (es) 2012-08-16 2015-05-21 Ipierian Inc Metodos de tratamiento de una tauopatia
US20140056901A1 (en) 2012-08-21 2014-02-27 The Institute For Molecular Medicine Anti-tau antibodies and compositions for and methods of making and using in treatment, diagnosis and monitoring of tauopathies
UA118441C2 (uk) 2012-10-08 2019-01-25 Протена Біосаєнсиз Лімітед Антитіло, що розпізнає альфа-синуклеїн
EP4356927A2 (en) 2012-10-12 2024-04-24 Arizona Board of Regents on behalf of Arizona State University Antibody based reagents that specifically recognize toxic oligomeric forms of tau
US9200068B2 (en) 2012-12-18 2015-12-01 Regents Of The University Of Minnesota Compositions and methods related to tauopathy
MX2015008024A (es) * 2012-12-21 2016-08-08 Biogen Int Neuroscience Gmbh Anticuerpos anti-tau humanos.
US8980270B2 (en) 2013-01-18 2015-03-17 Ipierian, Inc. Methods of treating a tauopathy
US9364191B2 (en) 2013-02-11 2016-06-14 University Of Rochester Method and apparatus of spectral differential phase-contrast cone-beam CT and hybrid cone-beam CT
SG10201707855YA (en) * 2013-03-13 2017-10-30 Prothena Biosciences Ltd Tau immunotherapy
CA2939692C (en) 2013-03-15 2022-10-18 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Blood biomarkers that predict persistent cognitive dysfunction after concussion
US9688747B2 (en) 2013-03-15 2017-06-27 Beth Israel Deaconess Medical Center, Inc. Methods and compositions for the generation and use of conformation-specific antibodies
AU2014308751B2 (en) 2013-08-22 2020-03-05 Acceleron Pharma, Inc. TGF-beta receptor type II variants and uses thereof
JP6428623B2 (ja) 2013-08-29 2018-11-28 ソニー株式会社 リストバンド型情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
EA038994B1 (ru) 2013-11-27 2021-11-18 Айпириэн, Инк. Способы лечения таупатии
WO2015089375A1 (en) 2013-12-13 2015-06-18 The General Hospital Corporation Soluble high molecular weight (hmw) tau species and applications thereof
IL302303A (en) 2013-12-17 2023-06-01 Genentech Inc Anti-CD3 antibodies and methods of using them
US9629801B2 (en) 2014-01-10 2017-04-25 Wisconsin Alumni Research Foundation Blood-brain barrier targeting antibodies
US20150253341A1 (en) 2014-02-10 2015-09-10 Merck Sharp & Dohme Corp. Quantification of tau in biological samples by immunoaffinity enrichment and mass spectrometry
WO2015197820A1 (en) 2014-06-26 2015-12-30 Crucell Holland B.V. Antibodies and antigen-binding fragments that specifically bind to microtubule-associated protein tau
TWI734975B (zh) 2014-06-27 2021-08-01 美商C2N醫療診斷有限責任公司 人類化抗-tau抗體
RU2730668C2 (ru) 2014-11-19 2020-08-24 Аксон Ньюросайенс Се Гуманизированные тау-антитела при болезни альцгеймера
CA2874083C (en) 2014-12-05 2024-01-02 Universite Laval Tdp-43-binding polypeptides useful for the treatment of neurodegenerative diseases
AR104875A1 (es) * 2015-06-05 2017-08-23 Genentech Inc Anticuerpos anti-tau y métodos de uso
EP3307320A4 (en) 2015-06-12 2019-03-06 C2N Diagnostics LLC Stable formulations of humanized anti-tau antibodies
KR20180027566A (ko) 2015-07-06 2018-03-14 유씨비 바이오파마 에스피알엘 타우 결합 항체
JO3711B1 (ar) 2015-07-13 2021-01-31 H Lundbeck As أجسام مضادة محددة لبروتين تاو وطرق استعمالها
EP3325506A1 (en) 2015-07-21 2018-05-30 BioArctic AB Method for treatment of traumatic brain injury targeting aggregated peptides
CN108738323B (zh) 2015-10-06 2023-05-26 艾利妥 抗trem2抗体及其使用方法
CN109415432B (zh) 2016-05-02 2022-07-08 普罗塞纳生物科学有限公司 Tau免疫疗法
CA3022765A1 (en) 2016-05-02 2017-11-09 Prothena Biosciences Limited Antibodies recognizing tau
PE20190261A1 (es) 2016-05-02 2019-02-25 Prothena Biosciences Ltd Anticuerpos que reconocen tau
US10947302B2 (en) 2016-11-04 2021-03-16 The Regents Of The University Of California Compositions targeting 3-repeat tau for the treatment of neurodegenerative disorders, and methods for making and using them
AU2017373884A1 (en) 2016-12-07 2019-05-30 Ac Immune Sa Anti-tau antibodies and methods of their use
AR110321A1 (es) 2016-12-07 2019-03-20 Genentech Inc Anticuerpos antitau y métodos de uso
MA47499A (fr) 2017-02-17 2019-12-25 Denali Therapeutics Inc Anticorps anti-tau et leurs procédés d'utilisation
EP3585430A4 (en) 2017-02-21 2020-12-09 REMD Biotherapeutics, Inc. TREATMENT OF CANCER WITH ANTIBODIES THAT BIND TO T-CYTOTOXIC T-LYMPHOCYTES ANTIGEN-4 (CTLA-4)
JOP20180021A1 (ar) 2017-03-16 2019-01-30 Janssen Biotech Inc الأجسام المضادة لتكتلات خيوط بروتين تاو (tau) الحلزونية المزدوجة واستخداماتها
CN110418804A (zh) 2017-03-28 2019-11-05 扬森疫苗与预防公司 与tau特异性地结合的结合分子
EP3601337A1 (en) 2017-03-28 2020-02-05 Genentech, Inc. Methods of treating neurodegenerative diseases
BR112019022906A2 (pt) 2017-05-02 2020-05-26 Prothena Biosciences Limited Anticorpos que reconhecem tau
EA202090063A1 (ru) 2017-06-16 2020-04-03 Бристоль-Мейерз Сквибб Компани Композиции и способы для лечения таупатий
JP6851549B2 (ja) 2017-10-16 2021-03-31 エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 抗タウ抗体及びその使用
CN111587123A (zh) 2017-11-09 2020-08-25 品通治疗有限公司 用于生成和使用人源化构象特异性磷酸化的τ抗体的方法和组合物
US20200369754A1 (en) 2017-12-04 2020-11-26 Janssen Vaccines & Prevention B.V. Binding molecules that specifically bind to tau
CA3094934A1 (en) 2018-03-23 2019-09-26 AbbVie Deutschland GmbH & Co. KG Stable aqueous anti-tau antibody formulations
AU2019244481A1 (en) 2018-03-28 2020-10-01 Axon Neuroscience Se Antibody-based methods of detecting and treating Alzheimer's disease
EP3784274A1 (en) 2018-04-27 2021-03-03 Fondazione Ebri Rita Levi-Montalcini Antibody directed against a tau-derived neurotoxic peptide and uses thereof
JOP20210098A1 (ar) 2018-11-08 2023-01-30 Prothena Biosciences Ltd أجسام مضادة تتعرف على تاو
CA3118818A1 (en) 2018-11-08 2020-05-14 Prothena Biosciences Limited Antibodies recognizing tau
JP2022513075A (ja) 2018-11-19 2022-02-07 ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティー オブ テキサス システム タウオパチーの処置のための、タウペプチド抗原およびそれに結合する抗体
PE20211709A1 (es) 2019-02-08 2021-09-01 Prothena Biosciences Ltd Anticuerpos que reconocen tau
CU20210073A7 (es) 2019-03-03 2022-04-07 Prothena Biosciences Ltd Anticuerpos que se unen dentro de la región de unión a microtúbulos de tau definida por cdrs
US20220177558A1 (en) 2019-03-25 2022-06-09 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Treatment of taupathy disorders by targeting new tau species
JP2022541539A (ja) 2019-07-15 2022-09-26 アデル,インコーポレーテッド 抗タウ抗体およびその使用

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016137950A1 (en) 2015-02-24 2016-09-01 Rpeptide, Llc Anti-tau antibodies

Also Published As

Publication number Publication date
CO2019013265A2 (es) 2020-01-17
SG11201910066QA (en) 2019-11-28
CU24636B1 (es) 2022-12-12
BR112019022906A2 (pt) 2020-05-26
PE20200695A1 (es) 2020-06-16
EP3619233A4 (en) 2021-03-03
CA3061516A1 (en) 2018-11-08
WO2018204546A3 (en) 2018-12-13
US20220089702A1 (en) 2022-03-24
KR20200030029A (ko) 2020-03-19
CU20190087A7 (es) 2020-10-20
US11958896B2 (en) 2024-04-16
JP2023113836A (ja) 2023-08-16
EP3619233A2 (en) 2020-03-11
AU2018263935A1 (en) 2019-12-19
JP2020520231A (ja) 2020-07-09
MX2019013045A (es) 2020-02-12
WO2018204546A2 (en) 2018-11-08
CN110881274A (zh) 2020-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7442790B2 (ja) タウ認識抗体
US11584791B2 (en) Antibodies recognizing tau
US20220372118A1 (en) Antibodies recognizing tau
US11926659B2 (en) Antibodies recognizing tau
AU2020219374A1 (en) Antibodies recognizing tau
CA3118818A1 (en) Antibodies recognizing tau
WO2023122766A2 (en) Antibodies recognizing sortilin
EA045249B1 (ru) Антитела, распознающие тау
EA041675B1 (ru) Антитела, распознающие тау

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210428

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220329

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220628

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220926

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20230607

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7442790

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150