JP7322336B2 - 積層型電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型電子部品に関するものである。
積層型電子部品のうちの一つである積層セラミックキャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)及びプラズマ表示装置パネル(PDP:Plasma Display Panel)などの映像機器、コンピュータ、スマートフォン、及び携帯電話などの様々な電子製品のプリント回路基板に装着されて電気を充電又は放電させる役割を果たすチップ形態のコンデンサである。
かかる積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、様々な電子機器の部品として用いられることができる。コンピュータ、モバイル機器などという各種の電子機器が小型化、高出力化するにつれて、積層セラミックキャパシタに対する小型化及び高容量化の要求が増大しつつある。
積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化を達成するために、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増やす必要がある。現在、誘電体層の厚さは約0.6μmのレベルまで達した状態であり、継続して薄層化が進んでいる。
誘電体層及び内部電極の厚さが薄くなるほど積層数を増やすことができる。一方で、誘電体層と内部電極の間の界面も広くなる。この誘電体層と内部電極の間の界面は、金属とセラミックの異種物質が結合する領域であって、結合力が低く、デラミネーション(delamination)及びクラック(crack)が発生しやすいという問題がある。また、デラミネーション及びクラックが発生するため耐湿信頼性が低下するおそれもある。
本発明の一目的は、信頼性に優れた積層型電子部品を提供することである。
本発明の他の目的は、耐電圧特性に優れた積層型電子部品を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、積層型電子部品の小型化及び高容量化を達成することである。
本発明の一実施形態は、第1方向に交互に配置された誘電体層及び内部電極を含み、上記第1方向に対向する第1面及び第2面、上記第1面及び第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、第1面~第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、上記本体に配置され、上記内部電極と連結される外部電極と、を含み、上記内部電極は、上記内部電極を貫通する複数個の不連続部を含み、上記不連続部は、空隙、及び隣接した誘電体層を連結するように配置された誘電体のうち1以上を含み、上記第3及び第1方向の断面において、上記不連続部の全長に対する上記誘電体の全長の比で定義される誘電体充填率が20%超過80%未満である積層型電子部品を提供する。
本発明の他の一実施形態は、第1方向に交互に配置された誘電体層及び内部電極を含む本体と、上記本体に配置される外部電極と、を含み、上記内部電極は、上記内部電極を貫通する複数個の不連続部を含み、上記不連続部は、空隙、及び隣接した誘電体層を連結するように配置される誘電体のうち1以上を含み、上記誘電体は、上記誘電体層と同一の物質を含み、上記複数個の不連続部のうち少なくとも一つは、上記空隙及び誘電体をともに含み、上記第1方向の断面において、上記内部電極の厚さよりも長い長さを有する積層型電子部品を提供する。
本発明のいくつかの効果のうちの一効果は、積層型電子部品の信頼性を向上させることができることである。
但し、本発明の多様であり、有意義な利点及び効果は、上述の内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されることができる。
本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図である。 図1のI-I'線に沿った断面を概略的に示す断面図である。 図1のII-II'線に沿った断面を概略的に示す断面図である。 図3の'B'を拡大して示す模式図である。 本発明の一実施形態による積層型電子部品の断面を走査電子顕微鏡でスキャンしたイメージである。
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
なお、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。さらに、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
図面において、X方向は、第2方向、L方向、又は長さ方向、Y方向は、第3方向、W方向、又は幅方向、Z方向は、第1方向、積層方向、T方向、又は厚さ方向と定義されることができる。
積層型電子部品
図1は本発明の一実施形態による積層型電子部品を概略的に示す斜視図であり、図2は図1のI-I'線に沿った断面を概略的に示す断面図であり、図3は図1のII-II'線に沿った断面を概略的に示す断面図であり、図4は図3の'B'を拡大して示す模式図であり、図5は本発明の一実施形態による積層型電子部品の断面を走査電子顕微鏡でスキャンしたイメージである。
図1~図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層型電子部品は、第1方向(Z方向)に交互に配置された誘電体層111及び内部電極121、122を含み、上記第1方向(Z方向)に対向する第1面及び第2面1、2、第1面及び第2面と連結され、第2方向(X方向)に対向する第3面及び第4面3、4、及び第1面~第4面と連結され、第3方向(Y方向)に対向する第5面及び第6面5、6を含む本体110と、上記本体110に配置され、上記内部電極121、122と連結される外部電極131、132と、を含み、上記内部電極121、122は、上記内部電極を貫通する複数個の不連続部Gを含み、上記不連続部Gは、空隙P、及び隣接する誘電体層111a、111bを連結するように配置された誘電体Dのうち1以上を含み、上記第3及び第1方向の断面(Y及びZ方向の断面)において、上記不連続部Gの全長に対する上記誘電体Dの全長の比で定義される誘電体充填率が20%超過80%未満である。
本体110は、誘電体層111と内部電極121、122が交互に積層されて形成されたものである。
本体110の具体的な形状に特に制限はないが、図面に示されるように、本体110は、六面体状やこれと類似した形状からなることができる。また、本体110は、焼成過程で本体110に含まれるセラミック粉末の収縮により、完全な直線を有する六面体状ではないが、実質的に六面体状を有することができる。
本体110は、第1方向(Z方向)に互いに対向する第1面及び第2面1、2、第1面及び第2面1、2と連結され、第2方向(X方向)に互いに対向する第3面及び第4面3、4、及び第1面及び第2面1、2と連結され、第3面及び第4面3、4と連結され、且つ第3方向(Y方向)に互いに対向する第5面及び第6面5、6を有することができる。
本体110を形成する複数個の誘電体層111は、焼成された状態であって、隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
誘電体層111を形成する原料は、十分な静電容量を得ることができる限り、特に限定されないが、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)粉末であることができる。誘電体層111を形成する材料は、チタン酸バリウム(BaTiO)などの粉末に、本発明の目的に応じて、様々なセラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
この際、本体110は、本体110の内部に配置され、誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように配置される第1内部電極121及び第2内部電極122を含んで容量が形成される容量形成部Aと、上記容量形成部Aの上部及び下部に形成されたカバー部112、113と、を含むことができる。
また、上記容量形成部Aは、キャパシタの容量形成に寄与する部分であって、誘電体層111を間に挟んで複数個の第1及び第2内部電極121、122を繰り返し積層して形成されることができる。
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、単一の誘電体層又は二つ以上の誘電体層を容量形成部Aの上下面にそれぞれ厚さ方向に積層して形成することができ、基本的には物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、内部電極を含まず、誘電体層111と同一の材料を含むことができる。
すなわち、上記上部カバー部112及び下部カバー部113は、セラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)系セラミック材料を含むことができる。
また、上記容量形成部Aの側面には、マージン部114、115が配置されることができる。
マージン部114、115は、本体110の第6面6に配置されたマージン部114と、本体110の第5面5に配置されたマージン部115と、を含む。すなわち、マージン部114、115は、上記セラミック体110の幅方向の両側面に配置されることができる。
マージン部114、115とは、図3に示すように、上記本体110を幅-厚さ(W-T)の方向に沿って切断した断面において、第1及び第2内部電極121、122の両先端と本体110の境界面との間の領域を意味することができる。
マージン部114、115は、基本的に物理的又は化学的ストレスによる内部電極の損傷を防止する役割を果たすことができる。
マージン部114、115は、セラミックグリーンシート上にマージン部が形成される領域を除き、導電性ペーストを塗布して内部電極を形成することにより形成されたものであることができる。
また、内部電極121、122による段差を抑制するために、積層後の内部電極が本体の第5面及び第6面5、6に露出するように切断した後、単一の誘電体層又は二つ以上の誘電体層を容量形成部Aの両側面に幅方向に積層することでマージン部114、115を形成することもできる。
内部電極121、122は、誘電体層111と交互に積層される。
内部電極121、122は第1及び第2内部電極121、122を含むことができる。第1及び第2内部電極121、122は、本体110を構成する誘電体層111を間に挟んで互いに対向するように交互に配置され、本体110の第3面及び第4面3、4にそれぞれ露出することができる。
図2を参照すると、第1内部電極121は、第4面4と離隔し、第3面3に露出することができ、第2内部電極122は、第3面3と離隔し、第4面4に露出することができる。
この際、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111によって互いに電気的に分離されることができる。
本体110は、第1内部電極121が印刷されたセラミックグリーンシートと、第2内部電極122が印刷されたセラミックグリーンシートとを交互に積層してから焼成することで形成することができる。内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、電気導電性に優れた材料を用いることができる。
第1及び第2内部電極121、122は、例えば、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びこれらの合金のうち一つ以上を含む内部電極用導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷して形成することができる。
また、誘電体充填率を制御するために、内部電極用導電性ペーストにSi、Mg、及びAlのうち1以上を適量含ませることができる。
上記内部電極用導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
内部電極用導電性ペーストとセラミックグリーンシートは、収縮開始温度が互いに異なるため、焼成後に内部電極の凝集や途切れ現象が発生する可能性がある。そのため、焼成後の本体を積層方向に切断した断面を観察すると、内部電極の連結が途切れた部位である不連続部が観察されるようになる。
一般に、内部電極の不連続部は空隙(Pore)で形成され、空隙(Pore)で形成される場合には結合力が形成されない。したがって、不連続部の空隙は、誘電体層と内部電極の間の結合力を弱めて積層電子部品の強度を低下させる可能性があり、デラミネーション及びクラックが発生する確率を増加させ、耐湿信頼性を低下させるおそれがある。
これに対し、本発明では、不連続部Gの一部を、隣接する誘電体層111a、111bを連結するように配置された誘電体Dで満たすことで結合力を向上させることにより、積層電子部品の強度を向上させるとともに、デラミネーション及びクラックを抑制して耐湿信頼性を向上させることができる。
本発明によると、内部電極121、122は、上記内部電極を貫通する複数個の不連続部Gを含み、上記不連続部Gは、空隙P、及び隣接する誘電体層111a、111bを連結するように配置された誘電体Dのうち1以上を含む。
図4は第1内部電極121を拡大して概略的に示す図である。以下、図4を参照し、第1内部電極121を中心に本発明の内部電極について詳細に説明するが、第2内部電極122にも同様に適用されることができる。
第1内部電極121は、第1内部電極121を貫通する複数個の不連続部Gを含む。不連続部Gは、空隙P、及び隣接する誘電体層111a、111bを連結するように配置された誘電体Dのうち1以上を含むことができる。例えば、不連続部Gは、誘電体Dですべて満たされた形であってもよく、誘電体Dなしに空隙Pで構成されてもよく、空隙P及び誘電体Dをともに含んでもよい。また、一つの不連続部が二つ以上の空隙P又は誘電体Dを含むこともできる。
誘電体Dは、隣接する誘電体層111a、111bを連結する形で配置される。すなわち、誘電体Dは、不連続部Gの上部に配置された誘電体層111aと下部に配置された誘電体層111bを連結する形で配置される。これにより、上下部の誘電体層111a、111b間の結合力を向上させることができる。したがって、積層電子部品の強度を向上させるとともに、デラミネーション及びクラックを抑制して耐湿信頼性を向上させることができる。
誘電体Dは、誘電体層111と同一の物質を含むことができる。例えば、誘電体D及び誘電体層111は、チタン酸バリウム(BaTiO)を含むことができ、チタン酸バリウム(BaTiO)を主成分として含むことができる。
また、誘電体Dは、Si、Mg、及びAlのうちいずれか一つ以上を含むことができる。
また、複数個の不連続部Gのうち少なくとも一つは、空隙P、及び隣接する誘電体層を連結するように配置される誘電体Dをともに含むことにより、隣接する誘電体層間の結合力をより向上させることができる。
また、複数個の不連続部Gのうち少なくとも一つは、第1方向の断面において内部電極の厚さよりも長い長さを有することから、隣接する誘電体層間の結合力をより向上させることができる。
また、複数個の不連続部Gのうち少なくとも一つは、隣接する誘電体層を連結するように配置される誘電体Dからなることができる。
一方、不連続部Gに含まれるすべての誘電体が隣接する誘電体層の111a、111bを連結する形で配置される必要はなく、不連続部Gに含まれる一部の誘電体は、上部の誘電体層111a又は下部の誘電体層111bのいずれかに連結されない形で配置されてもよい。
空隙Pは、空き空間であって、空気で満たされることができ、結合力が形成されない部位である。
内部電極のうち不連続部Gを除いた領域は電極部Eであることができる。電極部Eは、内部電極用導電性ペーストが焼結されて形成されたものであってもよい。
本発明の一実施形態による積層型電子部品において、誘電体充填率は20%超過80%未満であることができる。
誘電体充填率は、不連続部の全長に対する隣接した誘電体層を連結するように配置された誘電体の全長の比で定義されることができ、第1方向(積層方向)の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。
ここで、第1方向の断面とは、本体を誘電体層と内部電極の積層方向である第1方向に切断した断面を意味し、例えば、第2及び第1方向の断面(L-T断面)又は第3及び第1方向の断面(W-T断面)であることができる。
具体的には、本体110の第2方向(L方向)中央部で切断した第3及び第1方向の断面(W-T断面)を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしてイメージを得た後、W-T断面中央部の60μm×40μmの領域における不連続部の全長、及び隣接した誘電体層を連結するように配置された誘電体の全長を測定することにより誘電体充填率を求めることができる。
図4を参照すると、誘電体充填率は、不連続部Gの全長(g=g1+g2+g3+g4)に対する誘電体Dの全長(d=d1+d2+d3+d4+d5)の比である(d/g)×100[%]で表すことができる。
一方、不連続部Gに含まれる一部の誘電体は上部の誘電体層111a又は下部の誘電体層111bのいずれかに連結されない形で配置されてもよいが、誘電体Dの全長(d=d1+d2+d3+d4+d5)は、隣接する誘電体層111a、111bを連結する形で配置された誘電体Dの長さだけを意味する。
誘電体充填率が20%以下の場合には、誘電体Dによる結合力の向上効果が不十分である可能性がある。したがって、誘電体充填率は20%超過であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。また、結合力の向上効果及びチップ強度の向上効果をさらに向上させるためには、誘電体充填率が50%超過であることがさらに好ましい。
これに対し、誘電体充填率が80%以上の場合には、誘電体層111の厚さtdが局部的に減少する可能性があるため、耐電圧特性が低下するおそれがある。本発明によると、誘電体充填率を80%未満に制御して誘電体層111の厚さtdが局部的に減少することを抑制することができるため、誘電体の厚さが薄くなっても耐電圧特性を確保することができる。したがって、誘電体充填率は、80%未満であることが好ましく、75%以下であることがより好ましい。
誘電体充填率を20%超過80%未満とすることができれば、誘電体充填率を制御する方法は特に制限しない。
例えば、焼成時に、本体に積層方向に適切な圧力を加える方法を介して誘電体充填率を制御することができる。
また、焼成工程において、昇温速度、時間、焼成雰囲気などを調節することにより誘電体充填率を制御することができる。
また、内部電極用導電性ペーストに添加する導電性粉末、有機物、セラミックの量を調節することにより誘電体充填率を制御することができる。尚、サイズが異なる導電性粉末を混合し、その比率を調節するか、又は導電性ペーストの印刷条件を変更することにより誘電体充填率を制御することができる。
また、本発明の一実施形態による積層型電子部品において、内部電極の連結性は70%以上であることができる。これは、内部電極の連結性が70%未満の場合には、十分な静電容量を確保することが難しくなる可能性があるためである。
内部電極の連結性の上限を特に限定する必要はないが、内部電極の連結性が95%を超えると、誘電体充填率による結合力強化の効果が不十分である可能性があるため内部電極の連結性の上限を95%にすることができる。
内部電極の連結性は、内部電極の長さに対する不連続部を除いた内部電極の長さの比で定義されることができ、第1方向(積層方向)の断面を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。
ここで、第1方向の断面とは、本体を誘電体層と内部電極の積層方向である第1方向に切断した断面を意味し、例えば、第2及び第1方向の断面(L-T断面)又は第3及び第1方向の断面(W-T断面)であることができる。
具体的には、本体110の第2方向(L方向)中央部で切断した第3及び第1方向の断面(W-T断面)を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしてイメージを得た後、W-T断面中央部の60μm×40μmの領域における内部電極の長さ、及び不連続部を除いた内部電極の長さを測定することにより内部電極の連結性を求めることができる。
図4を参照すると、不連続部を除いた内部電極の長さとは、実際の内部電極の長さを意味し、内部電極用導電性ペーストが焼結されて形成された電極部Eの長さを意味することができる。すなわち、内部電極の長さaは、電極部の長さ(e=e1+e2+e3+e4+e5)と不連続部の長さ(g=g1+g2+g3+g4)を合わせたものであることができる。
したがって、内部電極の連結性は、内部電極の長さaに対する実際の内部電極の長さ(e=e1+e2+e3+e4+e5)の比である(e/a)×100[%]で表すことができる。
一方、内部電極の連結性を制御する方法は特に制限しない。例えば、内部電極用導電性ペーストにおける金属粒子のサイズ、添加する有機物、及びセラミックの量を調節するか、又は焼成工程における昇温速度や焼成雰囲気などを調節して制御することができる。
一方、積層セラミックキャパシタの小型化及び高容量化を達成するためには、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増やす必要がある。しかし、誘電体層及び内部電極の厚さが薄くなるほど積層数を増やすことができる一方で、誘電体層と内部電極の間の界面も広くなる。この誘電体層と内部電極の間の界面は、金属とセラミックの異種物質が結合する領域であって、結合力が低く、デラミネーション(delamination)及びクラック(crack)が発生しやすいという問題がある。したがって、誘電体層と内部電極の厚さが薄くなるほど不連続部Gの一部を誘電体Dで満たすことにより耐電圧特性及び信頼性を向上させるという効果が上がることができる。
特に、内部電極121、122の厚さte及び誘電体層111の厚さtdのうち一つ以上が0.41μm以下の場合には、本発明による耐電圧特性及び信頼性の向上効果が著しくなることができる。
内部電極121、122の厚さteとは、第1及び第2内部電極121、122の平均厚さを意味することができる。
内部電極121、122の厚さteは、本体110の第3及び第1方向の断面(L-T断面)を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。
例えば、本体110の第2方向(L方向)中央部で切断した第3及び第1方向の断面(W-T断面)を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしたイメージから抽出された任意の内部電極121、122に対して、第3方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。
上記等間隔である30個の地点は、内部電極121、122が互いに重なる領域を意味する容量形成部Aで測定することができる。
誘電体層111の厚さtdとは、上記第1及び第2内部電極121、122間に配置される誘電体層111の平均厚さを意味することができる。
内部電極の厚さteと同様に、誘電体層111の厚さtdも、本体110の第3及び第1方向の断面(L-T断面)を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンして測定することができる。
例えば、本体110の第2方向(L方向)中央部で切断した第3及び第1方向の断面(W-T断面)を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でスキャンしたイメージから抽出された任意の誘電体層111に対して、第3方向に等間隔である30個の地点でその厚さを測定して平均値を測定することができる。
上記等間隔である30個の地点は、内部電極121、122が互いに重なる領域を意味する容量形成部Aで測定することができる。
また、カバー部112、113の厚さは特に限定する必要がない。但し、積層型電子部品の小型化及び高容量化をより容易に達成するために、カバー部112、113の厚さtpを20μm以下にすることができる。
外部電極131、132は、本体110に配置され、内部電極121、122と連結される。
外部電極131、132は、図2に示すように、本体110の第3面及び第4面3、4にそれぞれ配置され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ連結された第1及び第2外部電極131、132を含むことができる。
本実施形態では、積層型電子部品100が二つの外部電極131、132を有する構造について説明しているが、外部電極131、132の数や形状などは内部電極121、122の形や他の目的に応じて変わり得る。
一方、外部電極131、132は、金属などのように電気導電性を有するものであればいかなる物質を用いて形成してもよく、電気的特性や構造的安定性などを考慮して具体的な物質を決定することができ、さらに多層構造を有することもできる。
例えば、外部電極131、132は、本体110に配置される電極層131a、132aと、電極層131a、132a上に形成されためっき層131b、132bと、を含むことができる。
より具体的には、電極層131a、132aは、導電性金属及びガラスを含む焼成電極であるか、又は導電性金属及び樹脂を含む樹脂系電極であることができる。
また、電極層131a、132aは、本体上に焼成電極及び樹脂系電極が順に形成された形であることができる。また、電極層131a、132aは、本体上に導電性金属を含むシートを転写する方法で形成されるか、又は焼成電極上に導電性金属を含むシートを転写する方法で形成されたものであってもよい。
電極層131a、132aに含まれる導電性金属としては、電気導電性に優れた材料を用いることができるが、特に限定しない。例えば、導電性金属は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びこれらの合金のうち一つ以上であることができる。
より具体的には、めっき層131b、132bは、Niめっき層又はSnめっき層であることができ、電極層131a、132a上にNiめっき層及びSnめっき層が順に形成された形であってもよく、Snめっき層、Niめっき層、及びSnめっき層が順に形成された形であってもよい。また、めっき層131b、132bは、複数個のNiめっき層及び/又は複数個のSnめっき層を含むこともできる。
積層型電子部品100のサイズは特に限定する必要がない。
但し、小型化及び高容量化をともに達成するために、誘電体層及び内部電極の厚さを薄くして積層数を増やす必要があるため、0402(0.4mm×0.2mm)サイズ以下の積層型電子部品において、本発明による信頼性及び耐電圧特性の向上効果はさらに優れることができる。
したがって、本体において、第3面と第4面の間の距離をL、上記第5面と第6面の間の距離をWと定義するとき、上記Lは0.4mm以下であり、上記Wは0.2mm以下であることができる。すなわち、0402(0.4mm×0.2mm)サイズ以下の積層型電子部品であることができる。
(実施例)
下記表1は、誘電体充填率の変化に伴うチップ強度、耐湿信頼性、及び耐電圧特性を評価して示したものである。
内部電極の連結性及び誘電体充填率は、本体の第2方向の中央で第3及び第1方向の断面(W-T断面)を走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)でイメージスキャンし、中央部の60μm×40μmの領域で測定したものである。
チップ強度は、万能材料試験機(UTM、Universal Testing Machine)を用いて圧縮破壊強度を測定し、試験番号7のチップ強度を100%としたときの相対的な強さを測定して記載したものである。
耐湿信頼性は、温度85℃、相対湿度85%の条件下で2Vrの基準電圧を12時間印加したとき、400個のサンプルのうち、絶縁抵抗値が初期値に対して10分の1以下に低下したサンプルの数を記載したものである。
耐電圧特性は、チップに昇圧速度20V/secで電圧を印加して漏れ電流が20mA以上になるBDV(Breaking Down Voltage)を測定したものであって、BDVが40V以下の場合をNGと示した。
Figure 0007322336000001
試験番号1の場合、誘電体充填率が20%と、チップ強度及び耐湿信頼性が劣っている。
試験番号7の場合、誘電体充填率が80%と、チップ強度及び耐湿信頼性に優れるが、耐電圧特性は劣っていることが確認できる。
これに対し、誘電体充填率が20%超過80%未満である試験番号2~6の場合、チップ強度、耐湿信頼性、及び耐電圧特性のすべてにおいて優れることが確認できた。
また、試験番号2~6の場合、走査電子顕微鏡でスキャンしたイメージを分析した結果、内部電極の不連続部のうち一つ以上が、空隙、及び隣接した誘電体層を連結するように配置される誘電体をともに含み、内部電極の厚さよりも長い長さを有することが確認できた。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
100 積層型電子部品
110 本体
121、122 内部電極
111 誘電体層
112、113 カバー部
114、115 マージン部
131、132 外部電極
G 不連続部
P 空隙
D 誘電体
E 電極部

Claims (14)

  1. 第1方向に交互に配置された誘電体層及び内部電極を含み、
    前記第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、第1面~第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
    前記本体に配置され、前記内部電極と連結される外部電極と、を含み、
    前記内部電極は、前記内部電極を貫通する複数個の不連続部を含み、
    前記不連続部は、空隙、及び隣接した誘電体層を連結するように配置された誘電体のうち1以上を含み、
    前記第3方向及び前記第1方向の断面において、前記不連続部の全長に対する前記誘電体の全長の比で定義される誘電体充填率が20%超過80%未満であり、
    前記第3方向及び前記第1方向の断面において、前記複数個の不連続部のうち少なくとも一つの長さは、前記内部電極の厚さよりも長く、
    前記誘電体層の平均厚さは0.41μm以下であり、
    前記内部電極及び前記誘電体は、共通して同じSi、Mg、及びAlのいずれか一つ以上を含む、
    積層型電子部品。
  2. 前記第3方向及び前記第1方向の断面において、前記内部電極の長さに対する前記不連続部を除いた内部電極の長さの比で定義される内部電極の連結性が70%以上である、請求項1に記載の積層型電子部品。
  3. 前記複数個の不連続部のうち少なくとも一つは、前記空隙及び誘電体をともに含む、請求項1または2に記載の積層型電子部品。
  4. 前記内部電極の厚さは0.41μm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
  5. 前記誘電体は前記誘電体層と同一の物質を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
  6. 前記誘電体充填率は、前記本体の第2方向の中央部で切断した前記第3方向及び前記第1方向の断面のうち、中央部の60μm×40μmの領域で測定したものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
  7. 前記内部電極の連結性は、前記本体の第2方向の中央部で切断した前記第3方向及び前記第1方向の断面のうち、中央部の60μm×40μmの領域で測定したものである、請求項2に記載の積層型電子部品。
  8. 第1方向に交互に配置された誘電体層及び内部電極を含み、前記第1方向に対向する第1面及び第2面、前記第1面及び前記第2面と連結され、第2方向に対向する第3面及び第4面、第1面~第4面と連結され、第3方向に対向する第5面及び第6面を含む本体と、
    前記本体に配置される外部電極と、を含み、
    前記内部電極は、前記内部電極を貫通する複数個の不連続部を含み、
    前記不連続部は、空隙、及び隣接した誘電体層を連結するように配置される誘電体のうち1以上を含み、
    前記誘電体は、前記誘電体層と同一の物質を含み、
    前記複数個の不連続部のうち少なくとも一つは、前記空隙及び誘電体をともに含み、前記第3方向及び前記第1方向の断面において、前記内部電極の厚さよりも長い長さを有し、
    前記内部電極及び前記誘電体は、共通して同じSi、Mg、及びAlのいずれか一つ以上を含む、
    積層型電子部品。
  9. 前記第3方向及び前記第1方向の断面において、前記不連続部の全長に対する前記誘電体の全長の比で定義される誘電体充填率が20%超過80%未満である、請求項8に記載の積層型電子部品。
  10. 前記第3方向及び前記第1方向の断面において、前記内部電極の長さに対する前記不連続部を除いた内部電極の長さの比で定義される内部電極の連結性が70%以上である、請求項8または9に記載の積層型電子部品。
  11. 前記誘電体層の厚さは0.41μm以下である、請求項8から10のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
  12. 前記内部電極の厚さは0.41μm以下である、請求項8から11のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
  13. 前記複数個の不連続部のうち少なくとも一つは前記誘電体からなる、請求項8から12のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
  14. 前記内部電極の厚さは0.41μm以下であり、前記誘電体層の厚さは0.41μm以下である、請求項8に記載の積層型電子部品。
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