JP2014232895A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】高温かつ高電界での信頼性と高湿度かつ高電界での信頼性を両立させることが可能な積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】複数の誘電体セラミック層と、誘電体セラミック層を介して積層された複数の内部電極とを有するセラミック積層体(コンデンサ本体)を備えた積層セラミックコンデンサにおいて、誘電体セラミック層はBaとTiとを含むペロブスカイト型化合物と、Zrと、希土類元素とを含有し、Zrおよび希土類元素のTi100モル部に対する割合が、Zr:0.4〜2.0モル部、希土類元素:0.05〜0.5モル部の範囲にあり、Zrと希土類元素のモル比:Zr/希土類元素が4〜8の範囲にあるとともに、内部電極の連続性が途切れている領域である欠損部の80%以上にAlを含む偏析物が存在している構成とする。
誘電体セラミック層を構成する誘電体セラミックの平均グレイン径を230〜350nmにする。
【選択図】図5

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関し、複数の誘電体セラミック層と、誘電体セラミック層を介して積層された複数の内部電極とを有するセラミック積層体(コンデンサ本体)を具備する積層セラミックコンデンサに関する。
近年、電子機器の小型・軽量化にともない、小型で、大容量を取得することが可能な積層セラミックコンデンサが広く用いられている。この積層セラミックコンデンサは、例えば、複数の誘電体層と、誘電体層間の複数の界面に配設された複数の内部電極とを有する積層体の外表面に、上記内部電極と導通するように外部電極が配設された構造を有するものが広く知られている。
そして、このような積層セラミックコンデンサとして、組成式が
(1−x−y−z)BaTiO3+xCaZrO3+yMnO+zMgO
但し、0.003≦x≦0.0230.005≦y≦0.0300.010≦z≦0.080
で示される主成分に、上記MgOに対して、添加剤としてY23を所定の割合で含有させた誘電体中に、ニッケルからなる内部電極を配設した積層セラミックコンデンサ(積層型磁器コンデンサ)が提案されている。
そして、この積層セラミックコンデンサの場合、静電容量40μF以上、絶縁抵抗1000MΩ以上、静電正接2.5%以下および温度変化(−55℃〜+125℃)±15%以内というような優れた特性を実現することができるとされている。
しかし、近年、積層セラミックコンデンサは種々の厳しい条件や環境の下で使用されるにようになっており、「高温かつ高電界での信頼性」と「高湿度かつ高電界での信頼性」のいずれにも優れた、さらに信頼性の高い積層セラミックコンデンサが求められるに至っている。
特公平7−85460号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、「高温かつ高電界での信頼性」と「高湿度かつ高電界での信頼性」を両立させることが可能な積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の積層セラミックコンデンサは、
複数の誘電体セラミック層と、前記誘電体セラミック層を介して積層された複数の内部電極とを備えるセラミック積層体と、前記内部電極と導通するように前記セラミック積層体に配設された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサであって、
前記誘電体セラミック層はBaとTiとを含むペロブスカイト型化合物と、Zrと、希土類元素とを含有し、
前記Zrおよび前記希土類元素の前記Ti100モル部に対する割合が、
Zr :0.4〜2.0モル部
希土類元素:0.05〜0.5モル部
の範囲にあるとともに、
前記Zrと前記希土類元素のモル比:Zr/希土類元素が4〜8の範囲にあり、かつ、
前記内部電極の連続性が途切れている領域である欠損部の80%以上にAlを含む偏析物が存在していること
を特徴としている。
また、本発明の積層セラミックコンデンサにおいては、前記誘電体セラミック層を構成する誘電体セラミックの平均グレイン径が230〜350nmの範囲にあることが好ましい。
誘電体セラミック層を構成する誘電体セラミックの平均グレイン径を230〜350nmの範囲とすることにより、高温かつ高電界での信頼性をさらに向上させることが可能になる。
本発明の積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層を構成する誘電体セラミックとして、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物と、Zrと、希土類元素とを含有し、Zrおよび希土類元素のTi100モル部に対するZrの割合が0.4〜2.0モル部、希土類元素の割合が0.05〜0.5モル部で、Zr/希土類元素(モル比)が、4〜8の範囲にあり、かつ、内部電極の連続性が途切れている領域である欠損部の80%以上にAlを含む偏析物が存在するような誘電体セラミックを用いるようにしているので、高温かつ高電界における信頼性を向上させることが可能になるとともに、高湿かつ高電界における信頼性を向上させることが可能になり、全体としての信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することが可能になる。
なお、欠損部の80%以上にAlを含む偏析物が存在するとは、積層セラミックコンデンサの、積層方向に沿う方向の断面をみた場合における、Alを含有する偏析物が存在している欠損部の個数の、内部電極の欠損部の全個数に対する割合を意味する。詳しくは、以下の実施形態において説明する。
本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの構成を示す斜視図である。 本発明の積層セラミックコンデンサの内部電極の連続性が途切れている領域である「内部電極の欠損部」の個数と、「Alを含有する偏析物が存在している欠損部」の個数を測定する方法を説明する図である。 本発明の積層セラミックコンデンサの所定の領域のFE−WDXの反射電子像を示Snである。 本発明の積層セラミックコンデンサの、図4に反射電子像を示した領域におけるAlのマッピング画像を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
A)チタン酸バリウム粉の作製
まず、出発原料として高純度のTiCl4とBa(NO32とを準備して秤量した後、蓚酸を用いて蓚酸チタニルバリウム(BaTiO(C24)・4H2O)を沈澱させ、沈殿物を得た。
この沈澱物を1100℃に加熱して分解させ、チタン酸バリウム(Ba1.003TiO3)粉を合成した。
そして、合成したチタン酸バリウム粉を走査型電子顕微鏡(SEM)にて50000倍で観察し、写真の撮影を行った。
得られたSEM写真から無作為に200個以上の粒子を抽出し、画像解析により各粒子の内側部分の面積を求めて円相当径を算出し、それをグレイン径とした。グレイン径の代表値は、面積分布におけるD50径で算出したところ、250nmであった。
B)誘電体原料配合物の作製
次に、純度99%以上のBaCO3、CaCO3、Y23、MnO、MgO、Al23、ZrO2、V25と、酸化珪素をSiO2換算で20重量%含有したコロイドシリカを準備した。
これらの原料を、焼成後のセラミック積層体において、誘電体セラミック層が、Ba、Tiを含むペロブスカイト型化合物を主成分とし、Tiを100モル部としたとき、
Baの含有量aが0.5モル部
Caの含有量bが1.0モル部
Mnの含有量cが0.20モル部
Mgの含有量dが0.10モル部
Vの含有量eが0.25モル部
Siの含有量fが1.3モル部
となるように配合した。
また、Y、Zr、Alは、表1A、表1Bに示す組成となるように配合した。
そして、ボールミルにより湿式混合し、蒸発乾燥、整粒を行い原料粉末を得た。
Zrは湿式混合で使用する玉石から混入する形態であってもよい。
C)セラミックグリーンシートの作製
各誘電体原料粉末に、ポリビニルブチラール系バインダ並びに有機溶媒としてエタノールを加えてボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリーを作製した。このセラミックスラリーをドクターブレード法により、焼成後の誘電体素子厚が3.5μmになるようにシート成形し、矩形のセラミックグリーンシートを得た。
D)セラミック積層体の作製
上記C)で得た、セラミックグリーンシート上に、Niを含有する導電性ペーストをスクリーン印刷し、内部電極パターンを形成した。
そして、次に説明する手順で、セラミックグリーンシートの積層を行った。
セラミックグリーンシートの積層は、まず、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシート(外層用セラミックグリーンシート)を所定の枚数積層し、その上に内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを内部電極パターンの引き出されている方向が、積層方向に隣り合う内部電極パターンにおいて、互いに逆側になるように、100枚積層した。その後再び、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシート(外層用セラミックグリーンシート)を所定の枚積層し、積層体を得た。
この積層体を、N2雰囲気中にて250℃に加熱して脱バインダ処理を行った後、以下に説明する条件で焼成を行った。
本発明の要件を満たす試料番号1〜8と、本発明の要件を満たしていない試料番号11〜19の試料については、H2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中で、
昇温速度:500℃/min、
Top温度:1200〜1300℃(この実施形態では1220℃)、
キープ時間:1min、
酸素分圧:10-9〜10-10MPa(この実施例では10-9MPa)
の条件で焼成を行った。そして、その後、Top温度900〜1100℃(今回は1050℃)、酸素分圧10-12MPaの条件で再酸化処理を行い、セラミック積層体を得た。
また、本発明の要件を満たす試料番号9,10の試料については、上述の条件で脱バインダ処理を行った後、H2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中で、
昇温速度:100℃/min、
Top温度:1200〜1300℃(今回は1220℃)、
キープ時間:1min、
酸素分圧:10-9〜10-10MPa(当実施例では10-9MPa)
の条件で焼成を行った。そして、その後、Top温度900〜1100℃(今回は1050℃)、酸素分圧10-12MPaの条件で再酸化処理を行い、セラミック積層体を得た。
得られたセラミック積層体の端面にB23−Li23−SiO2−BaO系ガラスフリットを含有するCuペーストを塗布し、N2雰囲気中において850℃の温度で焼き付け、内部電極と電気的に接続されたCu外部電極を形成した。
さらに、形成されたCu外部電極を覆うようにNiめっき層を形成し、さらにNiめっき層を覆うようにSnめっき層を形成した。
これにより、図1および図2に示すような構造を有する表1A、表1Bの試料番号1〜19の積層セラミックコンデンサ(試料)50を得た。
この積層セラミックコンデンサ50は、図1および図2に示すように、積層されている複数の誘電体セラミック層11と、誘電体セラミック層11間の複数の界面に配設されている複数の内部電極12とを有するセラミック積層体(コンデンサ本体)10と、セラミック積層体10の両端面に、交互に逆側の端面に引き出された内部電極12と導通するように配設された一対の外部電極13とを備えた構造を有している。そして、外部電極13は、Cu外部電極14を覆うNiめっき層15およびNiめっき層15を覆うSnめっき層16が順に形成された構造を有している。
なお、上述の方法で作製した積層セラミックコンデンサ50の外形寸法は、図2のL方向の寸法を長さとし、W方向の寸法を幅とした場合に、長さL=3.2mm、幅W=1.6mmであった。
また、積層セラミックコンデンサ50の、内部電極12に挟まれた誘電体セラミック層11の平均厚みは3.5μmであり、Niからなる内部電極12の平均厚みは0.9μmであった。また、誘電体セラミック層を介して対向する一対の内部電極の対向面積(有効面積)は、3.3mm2であった。
また、作製した各試料の外部電極を除去した後のセラミック積層体を酸により溶解し、ICP発光分光分析を行った。その結果、内部電極成分のNiを除いては、表1A、表1Bに示した組成とほぼ同じ組成を有していることが確認された。
E)誘電体セラミック層を構成する誘電体セラミックの平均グレイン径
試料番号1〜19の各試料について、それぞれ5個のサンプル(被検試料)を用意した。そして、長さL方向の1/2程度の深さにおける、幅方向(W方向)と厚み方向(T方向)により規定される面(WT面)が露出するような態様で、各試料を破断した。
そして、誘電体セラミックにおける結晶粒子間の境界(粒界)を明確にするために、破断した試料を熱処理した。熱処理の温度は、結晶粒子が粒成長しない温度で、かつ粒界が明確になる温度とし、今回は1100℃で処理した。
それから、破断面(WT面)のW方向、T方向それぞれ1/2程度の位置で、誘電体セラミック層を構成するセラミックの結晶粒子を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて50000倍で観察し、写真の撮影を行った。
得られたSEM写真から無作為に200個の結晶粒子を抽出し、画像解析により各結晶粒子の粒界の内側部分の面積を求めて円相当直径を算出し、それをグレイン径とした。そして、各試料におけるグレイン径の面積分布におけるD50径を算出し、D50径の平均値を「平均グレイン径」とした。
F)Al偏析物の確認
試料番号1〜19の各試料について、それぞれ5個のサンプルを用意した。
そして、試料の長さ方向(L方向)と厚み方向(T方向)により規定される面(LT面)が露出するような態様で、各試料の周囲を樹脂で固めた。
次に、研磨機により、試料のLT側面を研磨した。このとき、試料の幅方向(W方向)の1/2程度の深さまで研磨を行い、研磨面であるLT面(LT研磨端面)を露出させた。そして、研磨による内部電極のダレをなくすために、研磨終了後、イオンミリングにより研磨表面を加工した。
研磨した試料について、内部電極の厚みを測定した。内部電極の厚みを測定するにあたっては、まず、図3に示すように、試料のLT研磨端面のL方向の1/2程度の位置において、内部電極12とほぼ直交する直線L1を引く(想定する)。
次に、試料の内部電極12が積層されている領域をT方向に3等分に分割し、上部領域、中間領域、下部領域の3つの領域に分割した。各領域のL方向の1/2程度の位置に直線L1が位置する。
そして、各領域の中央部付近の内部電極を4層無作為に選定し、内部電極の連続性が途切れている領域である「内部電極の欠損部」の個数と、「Alを含有する偏析物が存在している欠損部」の個数を測定した。測定はFE−WDXにて行い、観察視野の幅をこの実施例では25μmとした。
図4に、表1Aの試料番号3の試料についてのFE−WDXの反射電子像を示し、図5に、同じく試料番号3の試料の、図4に反射電子像を示した領域におけるAlのFE−WDXマッピング画像を示す。
図5のAlのマッピング画像より、内部電極の欠損部にAlが存在していることがわかる。
そして、Alを含有する偏析物の存在割合(%)を、下記の式:(1)により求めた。
Alを含有する偏析物の存在割合(%)=(Alを含有する偏析物が存在している欠損部の個数/内部電極の欠損部の個数(全個数))×100……(1)
表1A、表1Bでは、上記式(1)で求めた各領域でのAlを含有する偏析物の存在割合(%)の値の平均値を、「Al偏析物存在割合」として示す。
なお、Al偏析物中におけるAlの含有量は特に限定されるものではないが、偏析物中における酸素を除く成分含有量に対するAl含有量のモル比が平均で0.1〜1の範囲にあることが特に好ましい。これら含有量は、例えば、以下の方法で測定される。まず、試料の各領域の中央部付近に存在するAl偏析物を無作為に合計20個選定する。各Al偏析物を薄片加工した後、STEMによって組成を分析する。STEMは、日本電子社製「JEM−2200FS」が用いられ、加速電圧は200kVとされる。検出器EDSは、日本電子社製「JED−2300T」が用いられ、60mm2口径のSDD検出器を用い、EDSシステムは、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「Noran System 7」が用いられる。また、薄片試料の厚みは約100nmとされる。各Al偏析物において、偏析物中における酸素を除く成分含有量に対するAl含有量のモル比の値が算出され、それらの平均値が求められる。
また、Al偏析物中におけるAlの存在形態は特に限定されるものではないが、例えば、Al酸化物などとして存在する。
また、上述の方法で作製した、表1A、表1Bの試料番号1〜19の各試料(積層セラミックコンデンサ)について、1kHz−1Vacにて静電容量の測定を行った。なお、静電容量の測定は、試料番号1〜19の各試料について用意したそれぞれ100個のサンプル(被検試料)ついて行った。そして、静電容量値が第1四分位数と第3四分位数の間にあるサンプル(被検試料)を信頼性試験用の試料として50個を抽出した。
抽出した上記サンプル(被検試料)50個に対し、125℃環境下で、1000、2000時間、DC電圧25Vを印加する高温高電界負荷試験を行った。そして、電圧を印加しながら各サンプル(被検試料)の絶縁抵抗値を測定し、絶縁抵抗値が1MΩ以下となったものを、高温かつ高電界での信頼性が不良であると判定した。
次に、上記の高温高電界負荷試験において1000時間が経過した時点で不良が確認されなかった試料(表1Aの試料番号1〜10の試料および、表1Bの試料番号15,16の試料について、上述の高温高電界負荷試験の際にサンプル(被検試料)50個を抽出した方法と同様の方法で、静電容量値が第1四分位数と第3四分位数の間にあるサンプル(被検試料)を50個用意した。
それから、試料番号1〜10の試料および試料番号15,16の試料のそれぞれについて用意した各50個のサンプル(被検試料)について、温度85℃、相対湿度85%RHの環境下で、2000時間、DC電圧25Vを印加する高湿高電界負荷試験を行った。そして、電圧を印加しながら各サンプル(被検試料)の絶縁抵抗値を測定し、絶縁抵抗値が1MΩ以下となったものを高湿かつ高電界での信頼性が不良であると判定した。
評価結果を表1A、表1Bに示す。
表1A、表1Bに示すように、本発明の要件を備えていない試料番号11〜19の試料(比較例の試料)の場合、「高温かつ高電界での信頼性」と「高湿度かつ高電界での信頼性」のいずれかを満足することができないことが確認された。
これに対し、本発明の要件を備える試料番号1〜10の試料の場合、「高温かつ高電界での信頼性」と「高湿度かつ高電界での信頼性」の両方を満足する積層セラミックコンデンサが得られることが確認された。
ただし、誘電体セラミックの平均グレイン径が230〜350nmの範囲に入らない試料番号2,9,10の試料の場合、高温高電界試験の2000時間経過後の不良がわずかではあるが発生することが確認された。したがって、本発明の積層セラミックコンデンサにおいて、さらに高い信頼性を確保するためには、誘電体セラミックの平均グレイン径を230〜350nmの範囲とすることがより望ましい。
なお、本発明により、「高温かつ高電界での信頼性」と「高湿度かつ高電界での信頼性」の両方を同時に向上させることが可能になるメカニズムは必ずしも明確ではないが、以下のように推測される。
すなわち、誘電体セラミック層にZrが添加されることにより、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物の粒成長が促進される。その一方で希土類元素が添加されることにより、BaとTiとを含むペロブスカイト型化合物の粒成長は抑制される。そこで、Zrと希土類の含有比率が適正な範囲に制御されることにより、粒成長のタイミングおよび粒成長の度合いが制御され、水分に対する耐性を向上させるAlや信頼性を向上させる希土類が適正に分布することによるものと推測される。
また、内部電極の欠損部にAlを含有する偏析物が存在すると、水分の侵入が抑制され、その結果として、絶縁抵抗の劣化が抑制防止されるものと考えられる。
また、誘電体セラミックが粒成長しすぎると、高温かつ高電界下での信頼性が低下してしまうが、誘電体セラミックの平均グレイン径を230〜350nmの範囲とすることにより、高温かつ高電界下での信頼性を確保することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
10 コンデンサ本体(セラミック積層体)
11 誘電体セラミック層
12 内部電極
13 外部電極
14 Cu外部電極
15 Niめっき層
16 Snめっき層
50 積層セラミックコンデンサ
L 積層セラミックコンデンサの長さ
T 積層セラミックコンデンサの高さ
W 積層セラミックコンデンサの幅

Claims (2)

  1. 複数の誘電体セラミック層と、前記誘電体セラミック層を介して積層された複数の内部電極とを備えるセラミック積層体と、前記内部電極と導通するように前記セラミック積層体に配設された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体セラミック層はBaとTiとを含むペロブスカイト型化合物と、Zrと、希土類元素とを含有し、
    前記Zrおよび前記希土類元素の前記Ti100モル部に対する割合が、
    Zr :0.4〜2.0モル部
    希土類元素:0.05〜0.5モル部
    の範囲にあるとともに、
    前記Zrと前記希土類元素のモル比:Zr/希土類元素が4〜8の範囲にあり、かつ、
    前記内部電極の連続性が途切れている領域である欠損部の80%以上にAlを含む偏析物が存在していること
    を特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記誘電体セラミック層を構成する誘電体セラミックの平均グレイン径が230〜350nmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の積層セラミックコンデンサ。
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