JP7037945B2 - セラミックコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックコンデンサおよびその製造方法に関する。
セラミックコンデンサは、車載用をはじめとして高温環境下での利用が増大している。それに従い、セラミックコンデンサには、高温下での容量安定性、高温負荷時の高信頼性などが求められている。近年では、EIA規格のX7R特性(-55℃~125℃の範囲で、25℃を基準とした場合の容量変化率が±15%以内)を満足することが重要特性の1つとなっている。そこで、誘電体組成や微細構造を調整・設計することで、X7R特性を満足する誘電体が提案されてきている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010-199268号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、容量安定性と高信頼性とを両立することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、容量安定性と高信頼性とを両立することができるセラミックコンデンサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るセラミックコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に積層された積層体を備え、前記誘電体層は、BaTiO(0.9990≦m≦1.0015)で表されるペロブスカイト構造を有するセラミックを主成分とし、当該ペロブスカイト構造のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnを0.05atm%以上0.35atm%以下含み、第2副成分としてMgを0.4atm%以上0.8atm%以下含み、第3副成分としてHoおよびDyの少なくともいずれか1つの希土類元素を合計で0.5atm%以上0.9atm%以下含み、第4副成分としてVを0.15atm%以上0.30atm%以下含み、第5副成分としてSiを0.4atm%以上0.9atm%以下含み、第6副成分としてCaを0.00atm%以上0.45atm%以下含み、前記誘電体層を構成するセラミック粒子の平均粒子径は、280nm以上380nm以下であることを特徴とする。
本発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、BaTiO(0.9990≦m≦1.0015)で表されるペロブスカイト構造を有するセラミックの粉末に対し、当該ペロブスカイト構造のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnを0.05atm%以上0.35atm%以下添加し、第2副成分としてMgを0.4atm%以上0.8atm%以下添加し、第3副成分としてHoおよびDyの少なくともいずれか1つの希土類元素を合計で0.5atm%以上0.9atm%以下添加し、第4副成分としてVを0.15atm%以上0.30atm%以下添加し、第5副成分としてSiを0.4atm%以上0.9atm%以下添加し、第6副成分としてCaを0.00atm%以上0.45atm%以下添加し、得られた材料を用いてグリーンシートを作製する工程と、前記グリーンシート上に、内部電極形成用の金属導電ペーストを配置する工程と、前記金属導電ペーストが配置された前記グリーンシートを焼成する工程と、を含み、前記焼成する工程によって得られる誘電体層において、前記BaTiOの平均粒子径が280nm以上380nm以下となるように、前記焼成する工程の条件を調整することを特徴とする。
本発明によれば、容量安定性と高信頼性とを両立することができるセラミックコンデンサおよびその製造方法を提供することができる。
積層セラミックコンデンサの部分断面斜視図である。 積層セラミックコンデンサの製造方法のフローを例示する図である。 実施例および比較例における第1副成分~第6副成分の添加量を示す図である。 実施例および比較例に対する各測定試験の結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100の部分断面斜視図である。図1で例示するように、積層セラミックコンデンサ100は、略直方体形状を有するセラミック本体10と、セラミック本体10のいずれかの対向する2端面に設けられた外部電極20a,20bとを備える。なお、セラミック本体10の当該2端面以外の4面のうち、積層方向の上面および下面以外の2面を側面と称する。外部電極20a,20bは、セラミック本体10の積層方向の上面、下面および2側面に延在している。ただし、外部電極20a,20bは、互いに離間している。
セラミック本体10は、誘電体として機能するセラミック材料を含む誘電体層11と、導体層として機能する内部電極層12とが、交互に積層された構成を有する。各内部電極層12の端縁は、セラミック本体10の外部電極20aが設けられた端面と、外部電極20bが設けられた端面とに、交互に露出している。それにより、各内部電極層12は、外部電極20aと外部電極20bとに、交互に導通している。その結果、積層セラミックコンデンサ100は、複数の誘電体層11が内部電極層12を介して積層された構成を有する。また、誘電体層11と内部電極層12との積層構造において、積層方向の最外層には内部電極層12が配置され、当該積層体の上面および下面は、カバー層13によって覆われている。カバー層13は、セラミック材料を主成分とする。例えば、カバー層13の材料は、誘電体層11とセラミック材料の主成分が同じである。
積層セラミックコンデンサ100のサイズは、例えば、長さ0.2mm、幅0.125mm、高さ0.125mmであり、または長さ0.4mm、幅0.2mm、高さ0.2mm、または長さ0.6mm、幅0.3mm、高さ0.3mmであり、または長さ1.0mm、幅0.5mm、高さ0.5mmであり、または長さ3.2mm、幅1.6mm、高さ1.6mmであり、または長さ4.5mm、幅3.2mm、高さ2.5mmであるが、これらのサイズに限定されるものではない。
内部電極層12は、Ni(ニッケル),Cu(銅),Sn(スズ)等の卑金属を主成分とする。内部電極層12として、Pt(白金),Pd(パラジウム),Ag(銀),Au(金)などの貴金属やこれらを含む合金を用いてもよい。誘電体層11およびカバー層13は、一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミックを主成分とする。なお、当該ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3-αを含む。当該ペロブスカイトは、Ba(バリウム)およびTi(チタン)を含むチタン酸バリウムであり、BaTiOで表される。チタン酸バリウムは強誘電体であるため、高い誘電率が実現される。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100は、誘電体層11が副成分を含有することで、容量安定性と高信頼性とを両立する。以下、誘電体層11に添加されている副成分の詳細について説明する。
誘電体層11は、第1副成分として、Mn(マンガン)を含有している。Mnは、良好な焼結性を実現し、積層セラミックコンデンサ100の寿命特性を向上させる作用を有する。それにより、積層セラミックコンデンサ100の高信頼性を実現することができる。ただし、Mnが少なすぎると、高信頼性を実現できないおそれがある。一方で、Mnが多すぎると、セラミック粒子の粒界抵抗が低下するといった理由により、絶縁性が低下して信頼性が低下するおそれがある。そこで、誘電体層11におけるMn濃度に上限および下限を設ける。具体的には、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、0.05atm%以上0.35atm%以下のMnを含んでいる。なお、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、0.10atm%以上0.30atm%以下のMnを含んでいることが好ましい。
次に、誘電体層11は、第2副成分として、Mg(マグネシウム)を含有している。Mgは、焼成時の粒成長制御といった作用を有し、容量安定性および高信頼性を実現する。ただし、Mgが少なすぎると、十分な容量安定性を実現できないおそれがある。また、焼結過程での粒成長が生じ、信頼性が低下するおそれがある。一方で、Mgが多すぎると、アクセプタ過剰といった理由により、信頼性が低下するおそれがある。そこで、誘電体層11におけるMg濃度に上限および下限を設ける。具体的には、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、Mgを0.4atm%以上0.8atm%以下含んでいる。なお、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、Mgを0.5atm%以上0.7atm%以下含んでいることが好ましい。
次に、誘電体層11は、第3副成分として、Ho(ホロミウム)およびDy(ジスプロシウム)の少なくともいずれか1つの希土類元素Reを含んでいる。希土類元素Reは、添加物元素の固溶サイト(AサイトおよびBサイト)のバランスを調整するといった作用を有し、高信頼性を実現する。ただし、希土類元素Reが少なすぎると、十分な信頼性が得られないおそれがある。一方で、希土類元素Reが多すぎると、セラミックの焼結温度が高くなるといった理由により誘電体層11の焼結性が悪化して十分な信頼性が得られないおそれがある。そこで、誘電体層11における希土類元素Re濃度に上限および下限を設ける。以下、希土類元素Reの濃度とは、HoおよびDyの合計濃度のことである。具体的には、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、希土類元素Reを0.5atm%以上0.9atm%以下含んでいる。なお、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、希土類元素Reを0.6atm%以上0.8atm%以下含んでいることが好ましい。
次に、誘電体層11は、第4副成分として、V(バナジウム)を含有している。Vは、酸素欠陥生成の抑制、セラミックの微細構造の制御といった作用を有し、高信頼性および容量安定性を実現する。ただし、Vが少なすぎると、十分な高信頼性および十分な容量安定性が得られないおそれがある。一方で、Vが多すぎると、電気抵抗が低下する、または狙いとするセラミックの微細構造が生成できないといった理由により、十分な容量安定性が得られないおそれがある。そこで、誘電体層11におけるV濃度に上限および下限を設ける。具体的には、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、Vを0.15atm%以上0.30atm%以下含んでいる。なお、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、Vを0.18atm%以上0.27atm%以下含んでいることが好ましい。
次に、誘電体層11は、第5副成分としてSi(シリコン)を含有している。Siは、焼結助剤として機能することから、良好な焼結を実現する。ただし、Siが少なすぎると、適切な温度(例えば、1260℃以下)での焼結が困難となり、誘電体層11を得ることができないおそれがある。一方で、Siが多すぎると、液相成分の過剰生成といった理由により、焼結過程で粒成長が生じ、十分な容量安定性が得られないおそれがある。そこで、誘電体層11におけるSi濃度に上限および下限を設ける。具体的には、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、Siを0.4atm%以上0.9atm%以下含んでいる。なお、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、Siを0.5atm%以上0.8atm%以下含んでいることが好ましい。
次に、誘電体層11は、第6副成分としてCa(カルシウム)を含有している。Caは、焼結助剤としての機能を有し、また、Aサイト元素とBサイト元素とのモル比であるA/B比の調整に用いることができる。ただし、Caが多すぎると、Aサイト成分が過剰といった理由により、十分な容量安定性が得られないおそれがある。そこで、誘電体層11におけるCa濃度に上限を設ける。具体的には、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、Caを0.00atm%以上0.45atm%以下含んでいる。「Caを0.00atm%以上」とは、Caを含まない場合が有ることを意味している。なお、誘電体層11は、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、Caを0.10atm%以上0.40atm%以下含んでいることが好ましい。
次に、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOのmが低すぎると、積層セラミックコンデンサ100の寿命特性が低下し、高信頼性が得られないおそれがある。そこで、mは、0.9990≦mの値をとる。一方、mが高すぎると、容量安定性が得られないおそれがある。そこで、mは、m≦1.0015の値をとる。
次に、誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOの平均粒子径が小さすぎると、狙いとするセラミックの微細構造が得られないといった理由により、容量安定性が低下するおそれがある。一方、当該平均粒子径が大きすぎると、セラミックの粒界数が少なくなるといった理由により、絶縁抵抗が低下し、信頼性も低下するといった不具合が生じるおそれがある。そこで、BaTiOの平均粒子径に上限および下限を設ける。具体的には、BaTiOの平均粒子径を280nm以上380nm以下とする。なお、BaTiOの平均粒子径は、300nm以上360nm以下とすることが好ましい。
平均粒子径は、以下のような算術平均によって算出することができる。例えば、結晶粒子が100個~200個程度確認できる視野でSEM観察を行う。例えば、倍率を4万倍などとする。得られたSEM画像において、目視で粒子と確認できたものを、一方向で揃えて測長する。例えば、SEM画像の横方向なら横方向で統一する。測長値の合計を、測長粒子数で割って平均値を算出する。画像の方向、測長の方向は任意とすることができる。
上述したように誘電体層11における第1副成分~第6副成分の含有量を規定し、BaTiOのmの値を規定し、BaTiOの平均粒子径を規定することで、容量安定性と高信頼性とを両立することができる。なお、カバー層13の材料は、誘電体層11とセラミック材料の主成分が同じであるが、カバー層13についても、誘電体層11と同様な第1副成分~第6副成分の含有量を規定し、BaTiOのmの値を規定し、BaTiOの平均粒子径を規定することが好ましい。
続いて、積層セラミックコンデンサ100の製造方法について説明する。図2は、積層セラミックコンデンサ100の製造方法のフローを例示する図である。
(原料粉末作製工程)
まず、誘電体層11を形成するための誘電体材料を用意する。誘電体層11に含まれるAサイト元素およびBサイト元素は、通常はABOの粒子の焼結体の形で誘電体層11に含まれる。例えば、チタン酸バリウムは、ペロブスカイト構造を有する正方晶化合物であって、高い誘電率を示す。このBaTiOは、一般的に、二酸化チタンなどのチタン原料と炭酸バリウムなどのバリウム原料とを反応させてチタン酸バリウムを合成することで得ることができる。なお、当該チタン酸バリウムのペロブスカイト構造を表す一般式ABOにおいて、mが0.9990≦m≦1.0015の値をとるように、チタン原料とバリウム原料とを反応させる。誘電体層11を構成するセラミックの合成方法としては、従来から種々の方法が知られており、例えば固相合成法、ゾル-ゲル合成法、水熱合成法等が知られている。
得られたセラミック粉末に、目的に応じて所定の添加化合物を添加する。添加化合物としては、Mg,Mn,V,Cr(クロム),希土類元素(Y(イットリウム),Sm(サマリウム),Eu(ユウロピウム),Gd(ガドリニウム),Tb(テルビウム),Dy,Ho,Er(エルビウム),Tm(ツリウム)およびYb(イッテルビウム))の酸化物、並びに、Co(コバルト),Ni,Li(リチウム),B(ホウ素),Na(ナトリウム),K(カリウム)およびSiの酸化物もしくはガラスが挙げられる。
本実施形態においては、セラミック粉末の主成分セラミックであるBaTiOのTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnを0.05atm%以上0.35atm%以下添加し、第2副成分としてMgを0.4atm%以上0.8atm%以下添加し、第3副成分としてHoおよびDyの少なくともいずれか1つの希土類元素Reを0.5atm%以上0.9atm%以下添加し、第4副成分としてVを0.15atm%以上0.30atm%以下添加し、第5副成分としてSiを0.4atm%以上0.9atm%以下添加し、第6副成分としてCaを0.00atm%以上0.45atm%以下添加する。
本実施形態においては、好ましくは、まずチタン酸バリウムの粒子に添加化合物を含む化合物を混合して820~1150℃で仮焼を行う。続いて、得られたセラミック粒子を添加化合物とともに湿式混合し、乾燥および粉砕してセラミック粉末を調製する。例えば、セラミック粉末の平均粒子径は、誘電体層11の薄層化の観点から、好ましくは200nm~300nmである。例えば、上記のようにして得られたセラミック粉末について、必要に応じて粉砕処理して粒径を調節し、あるいは分級処理と組み合わせることで粒径を整えてもよい。
(積層工程)
次に、得られた誘電体材料に、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂等のバインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、可塑剤とを加えて湿式混合する。得られたスラリーを使用して、例えばダイコータ法やドクターブレード法により、例えば厚み3μm~10μmのグリーンシートを成型する。
次に、グリーンシートの表面に、有機バインダを含む内部電極形成用の金属導電ペーストをスクリーン印刷、グラビア印刷等により印刷することで、極性の異なる一対の外部電極に交互に引き出される内部電極層パターンを配置し、パターン形成シートとする。金属導電ペーストには、共材としてセラミック粒子を添加する。セラミック粒子の主成分は、特に限定するものではないが、誘電体層11の主成分セラミックと同じであることが好ましい。例えば、平均粒子径が50nm以下のBaTiOを均一に分散させてもよい。
次に、複数枚のグリーンシートを積層することでカバーシートを形成し、当該カバーシート上に複数枚のパターン形成シートを積層し、得られた積層体上に複数枚のグリーンシートを積層することでカバーシートを形成する。得られた積層体を所定の大きさに切断する。
(焼成工程)
このようにして得られた成型体を、250~500℃のN雰囲気中で脱バインダ処理した後に、酸素分圧10-5~10-8atmの還元雰囲気中で1100~1300℃で10分~2時間焼成することで、各化合物が焼結して粒成長する。このようにして、セラミック本体10が得られる。なお、焼成後の誘電体層11の主成分セラミックであるBaTiOの平均粒子径が280nm以上380nm以下になるように、焼成条件を他の条件に調整してもよい。
(再酸化処理工程)
その後、Nガス雰囲気中で600℃~1000℃で再酸化処理を行ってもよい。
(外部電極形成工程)
次に、得られた焼結体の内部電極層パターンが露出する2端面に、外部電極20a,20bの形成用の導電ペーストを塗布する。当該導電ペーストには、Cuなどを用いることができる。窒素雰囲気中で、上記焼結体を得るための焼成温度よりも低い温度(例えば、800℃~900℃程度の温度)で焼成する。それにより、外部電極20a,20bが焼き付けられる。その後、めっき処理により、Cu,Ni,Sn等の金属コーティングを行ってもよい。なお、上述の焼成工程前に外部電極20a,20bの形成用の導電ペーストをグリーンシートの積層体の2端面に塗布し、焼成工程において当該積層体と導電ペーストとを同時に焼成してもよい。
本実施形態においては、BaTiO(0.9990≦m≦1.0015)で表されるペロブスカイト構造を有するセラミックの粉末に対し、当該ペロブスカイト構造のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.05atm%以上0.35atm%以下添加される。第2副成分としてMgが0.4atm%以上0.8atm%以下添加される。第3副成分としてHoおよびDyの少なくともいずれか1つの希土類元素が0.5atm%以上0.9atm%以下添加される。第4副成分としてVが0.15atm%以上0.30atm%以下添加される。第5副成分としてSiが0.4atm%以上0.9atm%以下添加される。第6副成分としてCaが0.00atm%以上0.45atm%以下添加される。また、焼成後の誘電体層11において、BaTiOの平均粒子径が280nm以上380nm以下となるように、焼成工程の条件が調整される。それにより、積層セラミックコンデンサ100において、容量安定性と高信頼性とを両立することができる。
なお、上記実施形態は、積層セラミックコンデンサに着目して説明したが、上記実施形態は、誘電体層が1層のセラミックコンデンサにも適用可能である。
以下、実施形態に係る積層セラミックコンデンサを作製し、特性について調べた。
誘電体層11およびカバー層13の主成分セラミックとして、BaTiO粉末を用意した。第1副成分として、MnCOを用意した。第2副成分として、MgOを用意した。第3副成分として、DyおよびHoを用意した。第4副成分として、Vを用意した。第5副成分として、SiOを用意した。第6副成分としてCaCOを用意した。
チタン酸バリウムの粉末と第1副成分~第6副成分とを所定比率となるように秤量し、ボールミルで十分に湿式混合粉砕して誘電体材料を得た。誘電体材料に有機バインダとしてブチラール系、溶剤としてトルエン、エチルアルコールを加え、ジルコニアビーズを分散メディアとして用い、スラリーを得た。この場合のジルコニアビーズの使用量を、BaTiOのTiを100atm%とした場合に、Zrが0.20atm%以上0.26atm%以下となるようにした。
(実施例1)
実施例1では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.05atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.60atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてHoが0.68atm%となるようにHoを添加し、第4副成分としてVが0.25atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.50atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分としてCaが0.15atm%となるようにCaCOを添加し、mの値を0.9997とした。
(実施例2)
実施例2では、第1副成分としてMnが0.15atm%となるようにMnCOを添加したこと以外は、実施例1と同様とした。
(実施例3)
実施例3では、第1副成分としてMnが0.35atm%となるようにMnCOを添加したこと以外は、実施例1と同様とした。
(比較例1)
比較例1では、第1副成分を添加せず、mの値を0.9996としたこと以外は、実施例1と同様とした。
(比較例2)
比較例2では、第1副成分としてMnが0.45atm%となるようにMnCOを添加し、mの値を0.9996としたこと以外は、実施例1と同様とした。
(実施例4)
実施例4では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.15atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.40atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてHoが0.68atm%となるようにHoを添加し、第4副成分としてVが0.25atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.50atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分としてCaが0.15atm%となるようにCaCOを添加し、mの値を0.9996とした。
(実施例5)
実施例5では、第2副成分としてMgが0.60atm%となるようにMgOを添加し、mの値を0.9997としたこと以外は、実施例4と同様とした。
(実施例6)
実施例6では、第2副成分としてMgが0.80atm%となるようにMgOを添加し、mの値を0.9993としたこと以外は、実施例4と同様とした。
(比較例3)
比較例3では、第2副成分としてMgが0.20atm%となるようにMgOを添加し、mの値を0.9995としたこと以外は、実施例4と同様とした。
(比較例4)
比較例4では、第2副成分としてMgが1.0atm%となるようにMgOを添加し、mの値を0.9998としたこと以外は、実施例4と同様とした。
(実施例7)
実施例7では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.15atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.60atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてHoが0.50atm%となるようにHoを添加し、第4副成分としてVが0.25atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.50atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分としてCaが0.15atm%となるようにCaCOを添加し、mの値を0.9999とした。
(実施例8)
実施例8では、第3副成分としてHoが0.70atm%となるようにHoを添加し、mの値を0.9997としたこと以外は、実施例7と同様とした。
(実施例9)
実施例9では、第3副成分としてHoが0.90atm%となるようにHoを添加し、mの値を0.9998としたこと以外は、実施例7と同様とした。
(比較例5)
比較例5では、第3副成分としてHoが0.20atm%となるようにHoを添加し、mの値を0.9996としたこと以外は、実施例7と同様とした。
(比較例6)
比較例6では、第3副成分としてHoが1.10atm%となるようにHoを添加し、mの値を0.9996としたこと以外は、実施例7と同様とした。
(実施例10)
実施例10では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.15atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.60atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてHoが0.68atm%となるようにHoを添加し、第4副成分としてVが0.15atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.60atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分としてCaが0.15atm%となるようにCaCOを添加し、mの値を1.0001とした。
(実施例11)
実施例11では、第4副成分としてVが0.25atm%となるようにVを添加し、mの値を1.0002としたこと以外は、実施例10と同様とした。
(実施例12)
実施例12では、第4副成分としてVが0.30atm%となるようにVを添加し、mの値を1.0002としたこと以外は、実施例10と同様とした。
(比較例7)
比較例7では、第4副成分を添加せず、mの値を1.0002としたこと以外は、実施例10と同様とした。
(比較例8)
比較例8では、第4副成分としてVが0.35atm%となるようにVを添加し、mの値を0.9998としたこと以外は、実施例10と同様とした。
(実施例13)
実施例13では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.15atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.60atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてHoが0.68atm%となるようにHoを添加し、第4副成分としてVが0.25atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.40atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分としてCaが0.15atm%となるようにCaCOを添加し、mの値を0.9998とした。
(実施例14)
実施例14では、第5副成分としてSiが0.60atm%となるようにSiOを添加し、mの値を0.9995としたこと以外は、実施例13と同様とした。
(実施例15)
実施例15では、第5副成分としてSiが0.90atm%となるようにSiOを添加し、mの値を1.0000としたこと以外は、実施例13と同様とした。
(比較例9)
比較例9では、第5副成分としてSiが0.30atm%となるようにSiOを添加し、mの値を1.0000としたこと以外は、実施例13と同様とした。
(比較例10)
比較例10では、第5副成分としてSiが1.00atm%となるようにSiOを添加し、mの値を0.9996としたこと以外は、実施例13と同様とした。
(実施例16)
実施例16では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.15atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.60atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてHoが0.68atm%となるようにHoを添加し、第4副成分としてVが0.25atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.50atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分を添加せず、mの値を1.0002とした。
(実施例17)
実施例17では、第6副成分としてCaが0.25atm%となるようにCaOを添加したこと以外は、実施例16と同様とした。
(実施例18)
実施例18では、第6副成分としてCaが0.45atm%となるようにCaを添加したこと以外は、実施例16と同様とした。
(比較例11)
比較例11では、第6副成分としてCaが0.55atm%となるようにCaOを添加したこと以外は、実施例16と同様とした。
(実施例19)
実施例19では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.15atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.60atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてHoが0.68atm%となるようにHoを添加し、第4副成分としてVが0.25atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.50atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分としてCaが0.15atm%となるようにCaCOを添加し、mの値を0.9990とした。
(実施例20)
実施例20では、mの値を1.0002としたこと以外は、実施例19と同様とした。
(実施例21)
実施例21では、mの値を1.0015としたこと以外は、実施例19と同様とした。
(比較例12)
比較例12では、mの値を0.9985としたこと以外は、実施例19と同様とした。
(比較例13)
比較例13では、mの値を1.0020としたこと以外は、実施例19と同様とした。
(実施例22)
実施例22では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.15atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.60atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてDyが0.68atm%となるようにDyを添加し、第4副成分としてVが0.25atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.50atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分としてCaが0.15atm%となるようにCaCOを添加し、mの値を0.9997とした。
(比較例14)
比較例14では、BaTiO粉末のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.12atm%となるようにMnCOを添加し、第2副成分としてMgが0.80atm%となるようにMgOを添加し、第3副成分としてHoが1.30atm%となるようにHoを添加し、第4副成分としてVが0.18atm%となるようにVを添加し、第5副成分としてSiが0.90atm%となるようにSiOを添加し、第6副成分としてCaが0.20atm%となるようにCaCOを添加し、mの値を1.0002とした。
図3は、実施例1~22および比較例1~14における第1副成分~第6副成分の添加量、およびmの値を示す。なお、図3において、空欄となっているのは、意図して添加していないことを意味する。
次に、実施例1~22および比較例1~14で得られたスラリーをドクターブレード法等で、厚さ7μmのグリーンシートに成型した。次に、Niを主成分とする内部電極形成用ペーストをグリーンシート上に印刷してパターン形成シートを作成した。その後、カバーシート(グリーンシート×50枚の積層)にパターン形成シートを10枚積層し、さらにカバーシート(グリーンシート×50枚の積層)を積層した。その後100℃~120℃にて圧着処理をした。
得られた積層体を所定のサイズに切断後、N雰囲気にて脱脂処理した。その後、1230℃の還元雰囲気にて2時間の焼成を行った。焼成の降温過程において、酸素分圧を高めて、再酸化処理を行った。それにより、セラミック本体10が得られた。その後、セラミック本体10の2端面にガラスフリット入りCu外電ペーストを塗布し、N雰囲気にて焼付けを行い、3.2mm×1.6mm×0.6mmの積層セラミックコンデンサ100を得た。誘電体層11の厚みは、5μmであった。
焼成後の誘電体層11におけるセラミック粒子の平均粒子径は、実施例1では330nmであり、実施例2では327nmであり、実施例3では335nmであり、実施例4では345nmであり、実施例5では327nmであり、実施例6では337nmであり、実施例7では331nmであり、実施例8では320nmであり、実施例9では323nmであり、実施例10では313nmであり、実施例11では311nmであり、実施例12では315nmであり、実施例13では308nmであり、実施例14では343nmであり、実施例15では330nmであり、実施例16では320nmであり、実施例17では306nmであり、実施例18では314nmであり、実施例19では340nmであり、実施例20では311nmであり、実施例21では307nmであり、実施例22では330nmであった。比較例1では329nmであり、比較例2では331nmであり、比較例3では1000nm以上であり、比較例4では335nmであり、比較例5では343nmであり、比較例6では317nmであり、比較例7では307nmであり、比較例8では319nmであり、比較例10では403nmであり、比較例11では310nmであり、比較例12では385nmであり、比較例13では302nmであり、比較例14では198nmであった。
(分析)
実施例1~22および比較例1~14で得られた各積層セラミックコンデンサ100について、各測定試験を行った。
(比誘電率ε、Tanδ試験)
150℃で1時間の熱戻し処理を行い、24時間後に積層セラミックコンデンサ100の容量およびTanδをLCRメータで測定した。測定条件は、1kHz-1Vrmsとした。容量Cから、下記式(1)に従って、有効交差面積S、積層数n、誘電体層11の厚みt、真空誘電率εを使って、誘電体層11の比誘電率εを求めた。なお、有効交差面積とは、異なる外部電極に接続された隣接する内部電極層12同士が対向する容量領域において隣接する内部電極層12同士が対向する面積の合計値である。
ε=(C×t)/(ε×S×n) (1)
(温度特性試験)
次に、容量Cが最大となるMAX温度を測定した。また、MAX温度での容量Cと125℃での容量Cとの比(MAX/125℃)を測定した。MAX温度が35℃以上125℃以下の範囲にあり、比(MAX/125℃)が0.8~1の範囲にあれば、X7Rが合格「○」とし、それ以外を不合格「×」と判定した。
(寿命試験)
MTTFについては、150℃において、30V/μmの電圧(電界)を印加した場合に、抵抗値が試験前の絶縁抵抗値よりも3桁低下するまでの時間を測定した。
図4は、実施例1~22および比較例1~14に対する各測定試験の結果を示す。比較例1では、MTTFが1時間と短くなり、十分な信頼性が得られなかった。これは、第1副成分を添加しなかったからであると考えられる。次に、比較例2では、MTTFが12時間と短くなり、十分な信頼性が得られなかった。これは、第1副成分の添加量が0.35atm%を上回ったからであると考えられる。
比較例3では、粒成長が生じ、信頼性が低下した。また、十分な容量安定性が得られなかった。これは、第2副成分の添加量が0.40atm%を下回ったからであると考えられる。比較例4では、MTTFが14時間と短くなり、十分な信頼性が得られなかった。これは、第2副成分の添加量が0.8atm%を上回ったからであると考えられる。
比較例5では、MTTFが18時間と短くなり、十分な信頼性が得られなかった。これは、第3副成分の添加量が0.5atm%を下回ったからであると考えられる。比較例6では、焼結性が悪化し、十分な信頼性が得られなかった。これは、第3副成分の添加量が0.9atm%を上回ったからであると考えられる。
比較例7では、MTTFが5時間と短くなり、十分な信頼性が得られなかった。また、十分な容量安定性が得られなかった。これは、第4副成分を添加しなかったからであると考えられる。比較例8では、十分な容量安定性が得られなかった。これは、第4副成分の添加量が0.30atm%を上回ったからであると考えられる。
比較例9では、誘電体層11の焼成ができなかった。これは、第5副成分の添加量が0.4atm%を下回ったからであると考えられる。比較例10では、粒成長が生じ、十分な容量安定性が得られなかった。これは、第5副成分の添加量が0.9atm%を上回ったからであると考えられる。
比較例11では、十分な容量安定性が得られなかった。これは、第6副成分の添加量が0.45atm%を上回ったからであると考えられる。
比較例12では、粒成長が生じ、十分な容量安定性が得られなかった。これは、BaTiOのmが0.9990を下回ったからであると考えられる。比較例13では、十分な容量安定性が得られなかった。これは、mが1.0015を上回ったからであると考えられる。
比較例14では、十分な容量安定性が得られなかった。これは、誘電体層11における粒径が280nmを下回ったからであると考えられる。
これらに対して、実施例1~22では、MTTFが長くなり、X7R試験に合格した。すなわち、高信頼性と容量安定性とを両立することができた。これは、BaTiO(0.9990≦m≦1.0015)で表されるペロブスカイト構造を有するセラミックの粉末に対し、当該ペロブスカイト構造のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnが0.05atm%以上0.35atm%以下添加され、第2副成分としてMgが0.4atm%以上0.8atm%以下添加され、第3副成分としてHoおよびDyの少なくともいずれか1つの希土類元素Reが0.5atm%以上0.9atm%以下添加され、第4副成分としてVが0.15atm%以上0.30atm%以下添加され、第5副成分としてSiが0.4atm%以上0.9atm%以下添加され、第6副成分としてCaが0.00atm%以上0.45atm%以下添加され、焼成後の誘電体層11においてBaTiOの平均粒子径が280nm以上380nm以下となったからであると考えられる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 セラミック本体
11 誘電体層
12 内部電極層
13 カバー層
20a,20b 外部電極
100 積層セラミックコンデンサ

Claims (2)

  1. 誘電体層と内部電極層とが交互に積層された積層体を備え、
    前記誘電体層は、BaTiO(0.9990≦m≦1.0015)で表されるペロブスカイト構造を有するセラミックを主成分とし、当該ペロブスカイト構造のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnを0.05atm%以上0.35atm%以下含み、第2副成分としてMgを0.4atm%以上0.8atm%以下含み、第3副成分としてHoおよびDyの少なくともいずれか1つの希土類元素を合計で0.5atm%以上0.9atm%以下含み、第4副成分としてVを0.15atm%以上0.30atm%以下含み、第5副成分としてSiを0.4atm%以上0.9atm%以下含み、第6副成分としてCaを0.00atm%以上0.45atm%以下含み、
    前記誘電体層を構成するセラミック粒子の平均粒子径は、280nm以上380nm以下であることを特徴とするセラミックコンデンサ。
  2. BaTiO(0.9990≦m≦1.0015)で表されるペロブスカイト構造を有するセラミックの粉末に対し、当該ペロブスカイト構造のTiを100atm%とした場合に、第1副成分としてMnを0.05atm%以上0.35atm%以下添加し、第2副成分としてMgを0.4atm%以上0.8atm%以下添加し、第3副成分としてHoおよびDyの少なくともいずれか1つの希土類元素を合計で0.5atm%以上0.9atm%以下添加し、第4副成分としてVを0.15atm%以上0.30atm%以下添加し、第5副成分としてSiを0.4atm%以上0.9atm%以下添加し、第6副成分としてCaを0.00atm%以上0.45atm%以下添加し、得られた材料を用いてグリーンシートを作製する工程と、
    前記グリーンシート上に、内部電極形成用の金属導電ペーストを配置する工程と、
    前記金属導電ペーストが配置された前記グリーンシートを焼成する工程と、を含み、
    前記焼成する工程によって得られる誘電体層において、前記BaTiOの平均粒子径が280nm以上380nm以下となるように、前記焼成する工程の条件を調整することを特徴とするセラミックコンデンサの製造方法。
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