JP2001185437A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

積層セラミックコンデンサ

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JP2001185437A JP36688299A JP36688299A JP2001185437A JP 2001185437 A JP2001185437 A JP 2001185437A JP 36688299 A JP36688299 A JP 36688299A JP 36688299 A JP36688299 A JP 36688299A JP 2001185437 A JP2001185437 A JP 2001185437A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低廉なコストで小型且つ大容量化を実現でき
る積層セラミックコンデンサを提供する。 【解決手段】 導体層3とセラミック誘電体層2とを交
互に積層してなる積層セラミックコンデンサ1におい
て、前記導体層3を積層方向に湾曲し且つ厚みが不均一
になるように形成した。これにより、導体層3間の対向
面積が大きくなるので大容量化を図ることができる。ま
た、導体層3の厚みを均一に形成する必要がないので導
体層3の薄層化が容易である。これにより、積層セラミ
ックコンデンサの小型化及び積層数の増加による大容量
化を図ることができる。また、導体層の薄層化によりコ
ストを低下させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層セラミックコ
ンデンサに関し、特にその内部電極の構造に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来の積層セラミックコンデンサについ
て図5を参照して説明する。図5は従来の積層セラミッ
クコンデンサの一部切り欠き斜視図である。この積層セ
ラミックコンデンサ100は、図5に示すように、セラ
ミック誘電体層101と導体層102とを交互に積層し
た積層体103と、積層体103の両端部に形成され前
記導体層102と接続する外部電極104とを備えてい
る。ここで、導体層102は、両端の外部電極104に
対して交互に接続している。すなわち、一方の外部電極
104は導体層102と一層おきに接続し、他方の外部
電極104は前記一方の外部電極104と接続していな
い導体層102と接続している。セラミック誘電体層1
01及び導体層102の各層は表面が平面となってい
る。また、導体層102は、各層の厚みが均一に形成さ
れている。このような積層セラミックコンデンサ100
は、外部電極104間に電圧を印加すると、導体層10
2に電荷を蓄え、対向する導体層102間に電界を形成
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、積層セ
ラミックコンデンサの小型化及び大容量化が課題として
あった。しかしながら、前記積層セラミックコンデンサ
100では、この課題を解決するのが困難であった。そ
こで、図6に示す積層セラミックコンデンサが提案され
ている。図6は従来の他の積層セラミックコンデンサの
一部切り欠き斜視図である。この積層セラミックコンデ
ンサ100aが前述した積層セラミックコンデンサ10
0と相違する点は、導体層102aが積層方向に湾曲し
ている点である。これにより、導体層102aの対向面
積が大きくなるので、静電容量の増加が可能となる。
【0004】しかしながら、従来の積層セラミックコン
デンサ101aは、このような構造のまま導体層102
aを薄層化するのは困難であった。したがって、導体層
102a積層数増加による小型化及び大容量化には限界
があった。また、従来の積層セラミックコンデンサ10
1aは、従来のものと比較して導体層102aを形成す
るための導電性ペーストの使用量が増加する。一般に、
積層セラミックコンデンサのコストは導体層の占める割
合が大きい。したがって、コストが高くなるという問題
があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、低廉なコストで小型且つ大容量化を実現できる
積層セラミックコンデンサを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明では、導体層と誘電体層とを交互に
積層してなる積層セラミックコンデンサにおいて、前記
導体層は積層方向に湾曲し且つ厚みが不均一に形成され
ていることを特徴とするものを提案する。
【0007】本発明によれば、導体層が積層方向に湾曲
し且つ厚みが不均一に形成されているので、導体層間の
対向面積が大きくなる。これにより、積層セラミックコ
ンデンサの大容量化を図ることができる。また、導体層
の厚みを均一に形成する必要がないので導体層の薄層化
が容易である。これにより、積層セラミックコンデンサ
の小型化及び積層数増加による大容量化を図ることがで
きる。また、導体層の薄層化によりコストを低下させる
ことができる。
【0008】また、請求項2の発明では、請求項1記載
の積層セラミックコンデンサにおいて、前記導体層は厚
みがゼロである非形成部を有することを特徴とするもの
を提案する。
【0009】本発明によれば、導体層間に形成される電
界が、導体層表面間だけでなく、非形成部の縁部から回
り込んで形成される。すなわち、導体層間の対向面積が
さらに増大したのと同様の効果を得ることができる。こ
れにより、積層セラミックコンデンサの大容量化を図る
ことができる。
【0010】さらに、請求項3の発明では、請求項2記
載の積層セラミックコンデンサにおいて、前記導体層は
前記非形成部の縁部が対向する導体層方向に湾曲してい
ることを特徴とするものを提案する。
【0011】本発明によれば、導体層の前記非形成部の
縁部が対向する導体層方向に湾曲しているので、該縁部
から回り込んで生じる電界を確実に形成することができ
る。これにより、積層セラミックコンデンサの大容量化
を確実に図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態にかかる積
層セラミックコンデンサについて図面を参照して説明す
る。図1は積層セラミックコンデンサの一部切り欠き斜
視図、図2は積層セラミックコンデンサの拡大断面図で
ある。
【0013】図1に示すように、この積層セラミックコ
ンデンサ1は、セラミック誘電体層2と導体層3とを交
互に積層した略直方体形状の積層体4と、積層体4の両
端部に形成され前記導体層3と接続する外部電極5とを
備えている。ここで、導体層3は、両端の外部電極5に
対して交互に接続している。すなわち、一方の外部電極
5は導体層3と一層おきに接続し、他方の外部電極5は
前記一方の外部電極5と接続していない導体層3と接続
している。
【0014】セラミック誘電体層2は、例えばBaTi
3系の強誘電性を有するセラミック焼結体からなる。
また、導体層3は、例えばPd,Ni,Agなどの金属
材料からなる。積層体4は、導電性ペーストを印刷した
セラミックグリーンシートを複数積層し、これを焼結し
て形成される。これにより、セラミックグリーンシート
が焼結してセラミック誘電体2が形成され、導電性ペー
ストが焼結して導体層3が形成される。外部電極5は、
例えばNi,Agなどの金属材料からなる。
【0015】図2に示すように、導体層3は積層方向
(図2では紙面上下方向)に湾曲して形成されている。
換言すれば、積層体4は波状又は凹凸状の導体層3及び
セラミック誘電体層2が積層した構造となっている。ま
た、導体層3は、厚みが不均一となっており、特に厚み
がゼロである非形成部2aを有している。さらに、この
導体層3の非形成部3aにおける縁部は対向する上下何
れかの導体層3方向に湾曲している。
【0016】この導体層3の湾曲及び厚みの不均一によ
り、導体層3が平板状に形成されている場合と比較し
て、導体層3の表面積が増大するので、導体層3間の対
向面積が増大する。したがって、導体層3間の静電容量
が大きなものとなる。また、導体層3の前記非形成部3
aにおける縁部からは対向する導体層3に向けて電界が
回り込むように形成される(図2の点線矢印参照)。こ
れにより、導体層3間の静電容量がさらに大きなものと
なる。さらに、導体層3の前記非形成部3aにおける縁
部が導体層3方向に湾曲しているので、この縁部から導
体層3に回り込む電界が確実に形成される(図2の点線
矢印参照)。
【0017】次に、この積層セラミックコンデンサの製
造方法の一例について説明する。まず、例えばBaTi
3などを主原料とする誘電体セラミック材料、有機バ
インダ並びに有機溶剤又は水を所定量混合・撹拌してセ
ラミックスラリーを得る。次に、このセラミックスラリ
ーをドクターブレード法等のテープ成型法によりセラミ
ックグリーンシートを形成する。
【0018】次に、このセラミックグリーンシート上
に、スクリーン印刷法、凹版印刷法、凸版印刷法などに
より所定形状で導電性ペーストを印刷する。ここで導電
性ペーストは、印刷膜厚が3μm以下、好ましくは1μ
m以下となるように塗布する。これにより、後述する焼
成工程において導電性ペーストの焼結が進むと金属粒子
同士が凝縮して膜厚が不均一となり、所々に非形成部が
生じる。
【0019】次いで、導電性ペーストが印刷されたセラ
ミックグリーンシートをプレス装置を用いて積層及び圧
着してセラミック積層体を得る。具体的には、図3に示
すように、プレス装置の支持台20にセラミックグリー
ンシート10を載置し、金型21をシートの厚み方向に
所定圧力で加圧し、セラミック積層体を得る。
【0020】ここで、金型21の押圧面22は所定の表
面粗さを有している。すなわち、金型21の押圧面22
には凹凸が形成されている。この凹凸は、例えば滑らか
な表面を有する金属や樹脂部材等からなる金型21の表
面に、溝の形成加工、研磨加工、研削加工、エンボス加
工、サンドブラスト加工、エッチング加工、メッキ加
工、コーティング加工等を施すことにより形成されてい
る。また、この凹凸の深さは、セラミックグリーンシー
ト10の10〜30%程度が好ましい。このような金型
21を用いることにより、セラミック積層体はプレスに
よる積層方向に湾曲して形成される。
【0021】次に、セラミック積層体を部品単位あたり
の大きさに裁断して積層チップを得る。次に、この積層
チップを、所定の温度条件及び雰囲気条件で焼成して焼
結体を得る。最後に、焼結体の両端部にディップ法など
で外部電極を形成して積層セラミックコンデンサを得
る。
【0022】このような積層セラミックコンデンサ1で
は、導体層3が積層方向に湾曲し且つ厚みが不均一に形
成されているので、導体層3間の対向面積が大きくな
る。また、導体層3は厚みがゼロである非形成部3aを
有しているので、導体層3間に形成される電界が、導体
層3の表面間だけでなく、非形成部3aの縁部から回り
込んで形成される。すなわち、導体層3間の対向面積が
さらに増大したのと同様の効果を得ることができる。こ
こで、導体層3の前記非形成部3aの縁部が対向する導
体層3方向に湾曲しているので、該縁部から回り込んで
生じる電界を確実に形成することができる。以上によ
り、積層セラミックコンデンサの大容量化を図ることが
できる。
【0023】また、この積層セラミックコンデンサ1で
は、導体層3の厚みを均一に形成する必要がないので導
体層3の薄層化が容易である。これにより、積層セラミ
ックコンデンサの小型化及び積層枚数の増加による大容
量化を図ることができる。
【0024】このような積層セラミックコンデンサ1に
ついて、1個あたりの導電性ペースト使用量と静電容量
の関係について測定した結果を図4のグラフに示す。図
4は導電性ペースト使用量と静電容量の関係を表すグラ
フである。図4において、実線は本実施の形態にかかる
積層セラミックコンデンサ1、点線は前記従来の積層セ
ラミックコンデンサ100、一点鎖線は前記従来の積層
セラミックコンデンサ101aについてである。
【0025】図4に示すように、一般に、積層セラミッ
クコンデンサには、導電性ペーストを減少させていく
と、ある点で急激に静電容量が低下するという特性があ
る。また、一般に、積層セラミックコンデンサでは小型
且つ大容量のものを得たいという課題がある。一方、製
造コストという観点からは、積層セラミックコンデンサ
では全体のコストのうち導電性ペーストのコストが占め
る割合が大きいことから、導電性ペースト使用量を削減
したいという課題がある。
【0026】導体層を湾曲させた従来の積層セラミック
コンデンサ101aは、図4に示すように、大容量化と
いう課題は解決できたが、導電性ペーストの使用量が多
いためコスト削減という課題は解決できなかった。一
方、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサ1
では、図4に示すように、大容量化及びコスト削減を実
現できた。
【0027】なお、上記実施の形態では、導体層3の厚
みを不均一に形成する方法として、導電性ペーストの薄
膜を形成し、後の工程である焼成工程において導電性ペ
ーストの金属粒子同士を凝縮させることにより行ってい
たが、本発明はこれに限定されるものではない。他の方
法としては、例えば、導電性ペーストに添加する共材の
量を従来のものと比較して多くする方法が挙げられる。
ここで、共材とは、セラミック誘電体と同組成の粉末を
意味する。例えば、導電性ペーストとして、導電性粉末
100重量部に対して共材を30〜50重量部添加した
ものを用いる。このような導電性ペーストを用いれば、
導電体密度が小さくなるので、焼成工程において所々共
材が焼結する部分が生じる。これにより、導体層の厚み
が不均一となり、所々に非形成部が生じることになる。
【0028】
【実施例】(実施例1)次に本発明にかかる積層セラミ
ックコンデンサの具体的な製造方法について説明する。
まず、例えばBaTiO3などを主原料とする誘電体セ
ラミック材料をブチラール系有機バインダ、有機溶剤及
び種々の添加物と混合分散してセラミックスラリーを作
成する。このセラミックスラリーを、ロールコータによ
ってPETフィルム上に塗布し、厚さ10μmのセラミ
ックグリーンシートを得る。このセラミックグリーンシ
ートにスクリーン印刷法を用いて、金属粉末100重量
部に対して共材量が20重量部の導電性ペーストを塗布
し、内部電極パターンを形成する。ここで、導電性ペー
ストの平均膜厚は1μmとした。
【0029】次に、導電性ペーストを塗布したセラミッ
クグリーンシートを所定寸法の矩形に打ち抜き、これを
順次積み重ねてセラミック積層体を得る。このとき、セ
ラミックグリーンシートのプレスに用いる金型は、表面
に表面粗さ計で3μmの凹凸が形成されているものを用
いる。
【0030】次に、セラミック積層体を、ダイサーと呼
ばれる裁断機で5mm×3mmのチップ状に裁断する。
そして、このチップ状の積層体を1200℃前後の温度
で焼成し、焼結体を得る。最後に、このチップ状の積層
体の両端部に導電性ペーストを焼き付けて外部電極を形
成する。以上により本発明にかかる積層セラミックコン
デンサが得られる。
【0031】(実施例2)本発明にかかる積層セラミッ
クコンデンサの他の具体的な製造方法について説明す
る。まず、例えばBaTiO3などを主原料とする誘電
体セラミック材料をブチラール系有機バインダ、有機溶
剤及び種々の添加物と混合分散してセラミックスラリー
を作成する。このセラミックスラリーを、ロールコータ
によってPETフィルム上に塗布し、厚さ10μmのセ
ラミックグリーンシートを得る。このセラミックグリー
ンシートにスクリーン印刷法を用いて、金属粉末100
重量部に対して共材量が40重量部の導電性ペーストを
塗布し、内部電極パターンを形成する。ここで、導電性
ペーストの平均膜厚は2μmとした。以降の工程につい
ては前記実施例1と同様にして行えば、本発明にかかる
積層セラミックコンデンサが得られる。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
導体層が積層方向に湾曲し、且つ、厚みが不均一に形成
されているので、導体層間の対向面積が大きくなる。こ
れにより、積層セラミックコンデンサの大容量化を図る
ことができる。また、導体層の厚みを均一に形成する必
要がないので導体層の薄層化が容易である。これによ
り、積層セラミックコンデンサの小型化及び積層数増加
による大容量化を図ることができる。また、導体層の薄
層化によりコストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層セラミックコンデンサの一部切り欠き斜視
【図2】積層セラミックコンデンサの拡大断面図
【図3】セラミックグリーンシートの積層工程を説明す
る図
【図4】導電性ペースト使用量と静電容量の関係を表す
グラフ
【図5】従来の積層セラミックコンデンサの一部切り欠
き斜視図
【図6】従来の他の積層セラミックコンデンサの一部切
り欠き斜視図
【符号の説明】
1…積層セラミックコンデンサ、2…セラミック誘電体
層、3…導体層、3a…非形成部、4…積層体、5…外
部電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体層と誘電体層とを交互に積層してな
    る積層セラミックコンデンサにおいて、 前記導体層は積層方向に湾曲し且つ厚みが不均一に形成
    されていることを特徴とする積層セラミックコンデン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記導体層は厚みがゼロである非形成部
    を有することを特徴とする請求項1記載の積層セラミッ
    クコンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記導体層は前記非形成部の縁部が対向
    する導体層方向に湾曲していることを特徴とする請求項
    2記載の積層セラミックコンデンサ。
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