JP2004119797A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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西山 茂紀
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Abstract

【課題】放熱性に優れ、内部電極とセラミック層との密着性に優れており従ってデラミネーションなどの構造欠陥が生じ難い、大電力用途に適した積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】長さが16〜64mm、幅が20〜80mm、厚みが2.0〜6.0mmであるセラミック焼結体2と、セラミック焼結体2内においてセラミック層を介して重なり合うように配置されており、厚みが2.0〜6.0μmである内部電極3と、厚みが8〜60μmであるセラミック層6と、セラミック焼結体2の端面2a,2bに形成された第1,第2の外部電極4,5とを備え、内部電極内にセラミック部分が設けられており、内部電極面積に対する該セラミック部分3aの面積比率が5〜15%の範囲とされている、積層セラミックコンデンサ1。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば大電力用途に適した積層セラミックコンデンサに関し、より詳細には、内部電極構造が改良された積層セラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インバーターやスイッチング電源の1次側平滑用コンデンサとして、大型でかつ大容量の積層セラミックコンデンサが種々提案されている。周知のように、積層セラミックコンデンサは、セラミック焼結体内において、複数の内部電極がセラミック層を介して重なり合うように配置されている構造を有する。また、セラミック焼結体の両端面に内部電極に電気的に接続される外部電極が形成されている。
【0003】
小型の積層セラミックコンデンサではあまり問題とはならないが、上記のような大電力用の大型の積層セラミックコンデンサでは、等価直列抵抗が高くなるため、使用時の発熱が問題となる。積層セラミックコンデンサでは、内部での発熱が内部電極を伝わり、外部に放熱される。ところが、上記のような大型のかつ大電力用の積層コンデンサでは、内部電極による発熱が著しく、かつセラミック焼結体が大きいため、放熱性が十分でなかった。
【0004】
他方、銀または銅を主成分とし、厚みが12μm以上の内部電極を有する積層セラミックコンデンサが知られている。ここでは、内部電極の厚みを厚くすることにより、電極抵抗が低められ、それによって発熱の抑制と十分な放熱効果が得られるとともに、高周波領域において高いQ値が実現されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極の厚みを厚くした場合、内部電極の上下のセラミック層の間が大きくなり、セラミック層同士の密着性が低下し、デラミネーションなどの構造欠陥が生じがちとなる。特に、大容量の大型の積層セラミックコンデンサでは、内部電極の厚みを厚くすると、このような構造欠陥がより一層生じやすくなるという問題があった。
【0006】
他方、内部電極とセラミック層との密着性を高めるために、内部電極中にセラミック部分を混在させる方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。ここでは、内部電極を構成する導電ペーストにセラミック粉末を含有させておき、セラミック焼結体の焼成時に、内部電極にセラミック部分が設けられる。該セラミック部分により、内部電極と内部電極に接しているセラミック層との密着性が高められている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−306762号公報
【特許文献2】
特開平10−172855号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の積層セラミックコンデンサ、すなわち、発熱を抑え放熱性を高めるために内部電極の厚みを厚くした大電流用の積層セラミックコンデンサにおいて、特許文献2に記載のように内部電極中にセラミック部分を設けた場合、内部電極の厚みが厚いためセラミック粉末を内部電極中に多く入れねばならない。そのため、内部電極の抵抗が大きくなり、発熱が大きくならざるを得ない。すなわち、低損失性と、内部電極とセラミック層との密着性の双方を大型の積層セラミックコンデンサで両立することは非常に困難であった。
【0009】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、大電力用途に適しており、放熱性に優れて、かつ内部電極とセラミック層との密着性に優れており、従ってデラミネーションなどの欠陥が生じ難い積層セラミックコンデンサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の広い局面によれば、長さが16〜64mm、幅が20〜80mm、厚みが2.0〜6.0mmであるセラミック焼結体と、前記セラミック焼結体内において、セラミック層を介して重なり合うように配置されており、厚みが2.0〜6.0μmである複数の内部電極とを備え、前記内部電極間に挟まれたセラミック層の厚みが8〜60μmであり、前記セラミック焼結体の長さ方向両端に形成されておりかついずれかの内部電極に電気的に接続された第1,第2の外部電極をさらに備え、前記内部電極内にセラミック部分が設けられており、内部電極面積に対する該セラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲にあることを特徴とする、積層セラミックコンデンサが提供される。セラミック層の厚みが8μm未満の場合には、内部電極比率が高くなり、構造欠陥が発生しがちとなり、60μmを越えると、内部電極抵抗が大きくなり、発熱が大きくなる。
【0011】
好ましくは、上記セラミック焼結体の幅は長さよりも大きくされる。
本発明の積層セラミックコンデンサのある特定の局面では、上記内部電極がNiまたはNiの合金を用いて構成される。
【0012】
また、本発明では、上記のように内部電極がセラミック部分を有するため、内部電極は、金属以外にセラミックスを有する。好ましくは、内部電極中のセラミック部分を構成するセラミックスとしてセラミック焼結体を構成しているセラミックスと同じセラミックスが用いられ、それによって内部電極とセラミック層との密着性がより一層高められる。
【0013】
本発明の他の特定の局面では、静電容量が10μF以上とされ、本発明に従って放熱性に優れかつ内部電極とセラミック層との密着性に優れた大容量の積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【0014】
本発明のさらに別の特定の局面では、単位体積当たり1.5Arms/cm以上のリプル電流が負荷される用途に使われる、すなわち大電流用途に適した積層セラミックコンデンサが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0016】
図1(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係る積層セラミックコンデンサを説明するための模式的正面断面図及び要部を拡大して示す部分切欠正面断面図である。
【0017】
積層セラミックコンデンサ1は、誘電体セラミックスよりなるセラミック焼結体2を有する。セラミック焼結体2は直方体状の形状を有し、対向し合う二端面2a,2bを有する。セラミック焼結体2内には、複数の内部電極3がセラミック層を介して重なり合うように配置されている。また、内部電極3は、端面2aまたは2bに引き出されている。端面2a,2bを覆うように、第1,第2の外部電極4,5が形成されている。
【0018】
本実施例の特徴は、上記セラミック焼結体2の寸法が、長さ16〜64mm、幅20〜80mm、厚み2.0mm以上であり、内部電極の厚みが2.0〜5.5μmであり、さらに内部電極内にセラミック部分が設けられており、内部電極面積に対する該セラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲にあることにある。
【0019】
上記内部電極3の形成は、後述の製造方法から明らかなように、内部電極を構成するための導電ペーストにセラミック焼結体を構成するセラミックスと同じ未焼成のセラミック粉末を配合しておき、セラミック焼結体2の焼成に際し、該セラミック粉末を焼結することにより得られる。図1(b)に示すように、このようにして得られた内部電極3においては、セラミック部分3aが形成され、該セラミック部分3aによりセラミック層2cと内部電極3との密着性が高められる。
【0020】
上記セラミック部分3aの内部電極3の全体の面積に対する面積比率の調整は、上記導電ペーストを用意するに際し、セラミック粉末の配合割合を調整することにより行われ得る。
【0021】
本実施例では、上記セラミック部分3aが上記特定の割合で形成されているため、内部電極3の厚みが2.0〜6.0μmで、セラミック部分3aの割合が15%以下と低いため、内部電極3の抵抗の増大を抑制することができる。従って、発熱を抑制することができる。セラミック部分の面積比率が5%未満では、内部電極3とセラミック層2cとの密着性を高める効果が十分得られず、デラミネーションなどの構造欠陥が発生する。
【0022】
次に、具体的な実験例に基づき、本実施例の積層セラミックコンデンサの効果をより具体的に説明する。
セラミック焼結体2を構成するセラミック材料として、チタン酸バリウム系セラミック粉末を含むセラミックペーストを用意した。このセラミックペーストをシート成形することにより、厚みが20μmのセラミックグリーンシートを得た。上記セラミックグリーンシート上に、内部電極ペーストとして、Ni粉末を主成分とし、Ni粉末に対し、27重量%のチタン酸バリウム系セラミック粉末を配合してなるものを用意した。この内部電極ペーストをセラミックグリーンシートの上面に塗布厚みが2.0μmとなるように印刷し、内部電極3に応じた内部電極パターンが印刷された複数枚のマザーのセラミックグリーンシートを用意した。
【0023】
上記マザーのセラミックグリーンシートを、積層セラミックコンデンサ1の内部電極3の配置に合わせて積層し、複数枚の無地のマザーのセラミックグリーンシートを積層し、マザーの積層体を得た。なお、内部電極の積層数は150枚とし、内部電極が積層されている部分の上下に配置される無地のセラミックグリーンシートが積層されている外層部分の厚みが200μmとした。また、内部電極間で挟まれているセラミック層の厚みは24μmである。
【0024】
上記のようにして得られたマザーの積層体を、個々の積層セラミックコンデンサ単位の積層体に切断し、得られた積層体を1200℃で焼成することにより、長さ32mm×幅40mm×厚み4.5mm、内部電極の厚みが4.0μmであるセラミック焼結体を得た。このようにして得られたセラミック焼結体2の両端面にCuペーストを焼き付け、外部電極4,5を得た。
【0025】
上記のようにして得られた積層セラミックコンデンサにおける誘電損失、構造欠陥及び放熱性を評価した。誘電損失は0.10であり、構造欠陥は0%であり、放熱性は109秒であった。なお、構造欠陥については、得られた積層セラミックコンデンサを超音波探傷機で非破壊探査を行ない、クラックや剥がれのあった場合を欠陥有りとし、100個当たりの構造欠陥発生数を求めた。放熱性は、40Arm(10KHz)の電流を流して発熱させ、負荷を切ったときに発熱温度が1/2まで下がる時間を測定することにより評価した。
【0026】
また、上記実施例の積層セラミックコンデンサの製造方法と同様にして、但し、内部電極内のセラミック部分の面積比率が種々異ならされた下記の試料番号1〜5の積層セラミックコンデンサを作製し、上記実施例と同様にして誘電損失を測定し、かつ構造欠陥発生率及び放熱性を評価した。結果を表1に示す。なお、試料番号3は上記実施例に相当するものである。
【0027】
【表1】
Figure 2004119797
【0028】
表1から明らかなように、本発明の範囲に入る試料番号2〜4では、Niを用いて構成された内部電極中に含まれるセラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲とされているため、構造欠陥を生じさせることなく、誘電損失を低減することができ、放熱特性も良好である。
【0029】
これに対して、内部電極内のセラミック部分の面積比率が15%を越える試料番号1では、放熱特性が悪く、誘電損失も悪い結果となっている。また、セラミック部分の面積比率が5%未満である試料番号5では、放熱特性や誘電損失は良好なものの、クラックや層間剥がれ等の構造欠陥が生じていることがわかる。
【0030】
さらに、上記実施例の積層セラミックコンデンサの製造方法と同様にして、但し、内部電極内のセラミック部分の面積比率が種々異ならされ、かつ積層セラミックコンデンサの長さが種々異ならされた下記試料番号の積層セラミックコンデンサを作製し、上記実施例と同様にして誘電損失を測定し、かつ構造欠陥発生率及び放熱特性を評価した。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 2004119797
【0032】
表2から明らかなように、本発明の範囲に入る試料番号12〜14、17〜19、22〜24では、積層セラミックコンデンサの長さが16〜64mmの範囲においてNiを用いて構成された内部電極中に含まれるセラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲とされているため、構造欠陥を生じさせることなく、誘電損失を低減することができ、放熱特性も良好である。
【0033】
これに対して、積層セラミックコンデンサの長さが16mm未満である試料番号6〜10では、構造欠陥が生じていない。すなわち、積層セラミックコンデンサの長さが16mm未満と小さい場合には、もともと問題が生じておらず本発明の改善効果があまり見られない。なお、誘電損失や放熱特性については、長さに対して幅が4倍もあるため、非常に放熱効率が良く良好な値が出ており、セラミック部分の面積比率による変化も比較的小さい結果となっている。
【0034】
また、積層セラミックコンデンサの長さが64mmより大きい試料番号26〜30ではセラミック部分の面積比率が17%でも構造欠陥が生じており、しかも、これ以上セラミック部分の面積比率を大きくするとさらに誘電損失・放熱特性が悪化することは明らかである。
【0035】
さらに、積層セラミックコンデンサの長さが16〜64mmの範囲においてセラミック部分の面積比率が15%を越える試料番号11、17、21では、放熱特性が悪く、誘電損失も悪い結果となっている。また、積層セラミックコンデンサの長さが16〜64mmの範囲においてセラミック部分の面積比率が5%未満である試料番号15、20、25では、放熱特性や誘電損失は良好なものの、構造欠陥が生じていることがわかる。これは表1における傾向と全く同じである。
【0036】
次に、上記実施例の積層セラミックコンデンサの製造方法と同様にして、但し、内部電極内のセラミック部分の面積比率が種々異ならされ、かつ積層セラミックコンデンサの幅が種々異ならされた下記試料番号31〜55の積層セラミックコンデンサを作製し、上記実施例と同様にして誘電損失を測定し、かつ構造欠陥発生率及び放熱特性を評価した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
Figure 2004119797
【0038】
表3から明らかなように、本発明の範囲に入る試料番号37〜39、42〜44、47〜49では、積層セラミックコンデンサの幅が20〜80mmの範囲においてNiを用いて構成された内部電極中に含まれるセラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲とされているため、構造欠陥を生じさせることなく、誘電損失を低減することができ、放熱特性も良好である。
【0039】
これに対して、積層セラミックコンデンサの幅が20mm未満である試料番号31〜35では、構造欠陥が全く生じていない。すなわち、積層セラミックコンデンサの幅が20mm未満と小さい場合には、もともと問題が生じておらず本発明の改善効果があまり見られない。そして、誘電損失・放熱特性については幅が15mmと比較的小さく長さ32mmに比べて半分以下であるため、放熱効率が悪く、セラミック部分の面積比率が増えると、さらに悪化している。
【0040】
また、積層セラミックコンデンサの幅が80mmより大きい試料番号51〜55では構造欠陥が生じており、本発明の効果は得られていない。
さらに、積層セラミックコンデンサの幅が20〜80mmの範囲においてセラミック部分の面積比率が15%を越える試料番号36、41、46では、放熱特性が悪く、誘電損失も悪い結果となっている。また、積層セラミックコンデンサの幅が20〜80mmの範囲においてセラミック部分の面積比率が5%未満である試料番号40、45、50では、放熱特性や誘電損失は良好なものの、構造欠陥が生じていることがわかる。これは表1,2における傾向と全く同じである。
【0041】
次に、上記実施例の積層セラミックコンデンサの製造方法と同様にして、但し、内部電極内のセラミック部分の面積比率が種々異ならされ、かつ内部電極の厚みが種々異ならされた下記試料番号56〜60の積層セラミックコンデンサを作製し、上記実施例と同様にして誘電損失を測定し、かつ構造欠陥発生率及び放熱特性を評価した。結果を表4に示す。なお、内部電極の厚みの変化に合わせて積層数も変化している。
【0042】
【表4】
Figure 2004119797
【0043】
表4から明らかなように、本発明の範囲に入る試料番号62〜64、67〜69、72〜74では、内部電極の厚みが2.0〜5.5μmの範囲においてNiを用いて構成された内部電極中に含まれるセラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲とされているため、構造欠陥を生じさせることなく、誘電損失を低減することができ、放熱特性も良好である。
【0044】
これに対して、内部電極の厚みが2.0μm未満である試料番号56〜60では、構造欠陥が全く生じていない。すなわち、内部電極の厚みが2.0μm未満と小さい場合には、もともと問題が生じておらず本発明の改善効果があまり見られない。なお、内部電極の厚みが5.5μmより大きい試料番号76〜80では、構造欠陥が生じており、本発明の効果は得られていない。
【0045】
さらに、内部電極の厚みが2.0〜5.5μmの範囲においてセラミック部分の面積比率が15%を越える試料番号61、67、71では、放熱特性が悪く、誘電損失も悪い結果となっている。また、内部電極の厚みが2.0〜5.5μmの範囲においてセラミック部分の面積比率が5%未満である試料番号65、70、75では、放熱特性や誘電損失は良好なものの、構造欠陥が生じていることがわかる。これは表1〜3における傾向と全く同じである。
【0046】
次に、上記実施例の積層セラミックコンデンサの製造方法と同様にして、但し、内部電極内のセラミック部分の面積比率が種々異ならされ、かつ積層セラミックコンデンサの厚みが種々異ならされた下記試料番号81〜105の積層セラミックコンデンサを作製し、上記実施例と同様にして誘電損失を測定し、かつ構造欠陥発生率及び放熱特性を評価した。結果を表5に示す。なお、積層セラミックコンデンサの厚みの変化に合わせて積層数も変化している。
【0047】
【表5】
Figure 2004119797
【0048】
表5から明らかなように、本発明の範囲に入る試料番号87〜89、92〜84、97〜99では、積層セラミックコンデンサの厚みが2.0〜6.0mmの範囲においてNiを用いて構成された内部電極中に含まれるセラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲とされているため、構造欠陥を生じさせることなく、誘電損失を低減することができ、放熱特性も良好である。
【0049】
これに対して、積層セラミックコンデンサの厚みが2.0mm未満である試料番号81〜85では、構造欠陥が全く生じていない。すなわち、積層セラミックコンデンサの内部電極の厚みが2.0mm未満と小さい場合には、もともと問題が生じておらず本発明の改善効果があまり見られない。なお、積層セラミックコンデンサの厚みが6.0mmより大きい試料番号101〜105では、構造欠陥が生じており、本発明の効果は得られていない。
【0050】
さらに、積層セラミックコンデンサの厚みが2.0〜6.0mmの範囲においてセラミック部分の面積比率が15%を越える試料番号86、91、96では、放熱特性が悪く、誘電損失も悪い結果となっている。また、積層セラミックコンデンサの厚みが2.0〜6.0mmの範囲においてセラミック部分の面積比率が5%未満である試料番号90、95、100では、放熱特性や誘電損失は良好なものの、構造欠陥が生じていることがわかる。これは表1〜3における傾向と全く同じである。
【0051】
次に、上記実施例の積層セラミックコンデンサの製造方法と同様にして、但し、内部電極内のセラミック部分の面積比率が種々異ならされ、かつ積層セラミックコンデンサの厚みが種々異ならされた下記試料番号106〜111の積層セラミックコンデンサを作製し、上記実施例と同様にして誘電損失を測定し、かつ構造欠陥発生率及び放熱特性を評価した。結果を表6に示す。なお、セラミック層の厚みの変化に合わせて積層数も変化している。
【0052】
【表6】
Figure 2004119797
【0053】
表6から明らかなように、本発明の範囲に入る試料番号107〜110では、セラミックの厚みが8〜60μmの範囲においてNiを用いて構成された内部電極中に含まれるセラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲とされているため、構造欠陥を生じさせることなく、誘電損失を低減することができ、放熱特性も良好である。
【0054】
これに対して、セラミック層の厚みが8μm未満である試料番号106では、構造欠陥が生じている。また、セラミック層の厚みが60μmより大きい試料番号101〜105では、放熱特性が悪くなっている。
【0055】
以上のように、長さが16〜64mm、幅が20〜80mm及び厚みが2.0〜6.0mmの外形寸法を有するセラミック焼結体内に、厚みが8〜60μmのセラミック層と厚みが2.0〜6.0μmの複数の内部電極とが配置されており、内部電極内にセラミック部分が設けられた積層セラミックコンデンサにおいて、内部電極面積に対する該セラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲とすれば、誘電損失・放熱特性を良好にすることができ、構造欠陥を抑制し得ることがわかる。
【0056】
なお、上記実施例においては、内部電極としてNiを用いているが、これに限らず、Cu等の卑金属や、Ag、Pd等の貴金属を内部電極として用いても同様に効果が得られるものである。但し、本発明は、Niのように比抵抗の高い金属を内部電極として用いた場合に特に有効である。
【0057】
【発明の効果】
本発明に係る積層セラミックコンデンサでは、長さが16〜64mm、幅が20〜80mm及び厚みが2.0〜6.0mmの外形寸法を有するセラミック焼結体内に、厚みが8.0〜60μmのセラミック層と厚みが2.0〜6.0μmの複数の内部電極とが配置されており、内部電極内にセラミック部分が設けられており、内部電極面積に対する該セラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲とされているため、内部電極が十分低い電気抵抗を有し、しかもセラミック部分の面積比率が15%以下と低いので、十分な放熱性を有する。また、セラミック部分の面積比率が5%以上であるため、内部電極とセラミック層との密着性も高められている。従って、大電力用途に適しており、放熱効果に優れかつ構造欠陥の少ない積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【0058】
また、本発明に係る積層セラミックコンデンサでは、外形寸法において長さ<幅の関係とした場合には、低損失にして発熱を抑制し、さらに効率よく放熱を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例の積層セラミックコンデンサの模式的正面断面図及び内部電極構造を説明するための部分切欠正面断面図。
【符号の説明】
1…積層セラミックコンデンサ
2…セラミック焼結体
2a,2b…端面
2c…セラミック層
3…内部電極
3a…セラミック部分
4,5…外部電極

Claims (6)

  1. 長さが16〜64mm、幅が20〜80mm、厚みが2.0〜6.0mmであるセラミック焼結体と、
    前記セラミック焼結体内において、セラミック層を介して重なり合うように配置されており、厚みが2.0〜6.0μmである複数の内部電極とを備え、
    前記内部電極間に挟まれたセラミック層の厚みが8〜60μmであり、
    前記セラミック焼結体の長さ方向両端に形成されておりかついずれかの内部電極に電気的に接続された第1,第2の外部電極をさらに備え、
    前記内部電極内にセラミック部分が設けられており、内部電極面積に対する該セラミック部分の面積比率が5〜15%の範囲にあることを特徴とする、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記セラミック焼結体の幅が長さよりも大きい、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記内部電極がNiまたはNiの合金を用いて構成されている、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記内部電極中のセラミック部分が、前記セラミック焼結体を構成しているセラミックスと同一である、請求項1または2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 静電容量が10μF以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 単位体積当たり1.5Arms/cm以上のリプル電流が負荷される用途に使われる、請求項1〜5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
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