JP7206519B2 - 含フッ素ポリマーを含有する組成物および成形品 - Google Patents

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Description

本開示は、含フッ素ポリマーを含有する組成物および成形品に関する。
含フッ素エラストマー等の含フッ素ポリマーからなる組成物は、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、耐燃料油性などに優れることから、O-リング、ホース、ステムシール、シャフトシール、ダイヤフラム等の成形品を製造するために、広く使用されている。このような組成物として、たとえば、特許文献1では、含窒素硬化部位を有するパーフルオロエラストマーと、第3級アミン1モルに対して一般式(1)または(2)で表される有機ジカルボン酸を0.4~2モルの割合で混合してなる触媒とを含むことを特徴とするパーフルオロエラストマー組成物が提案されている。
HOOC-COOH (1)
HOOC-A-COOH (2)
特開2010-275560号公報
本開示では、高温圧縮永久歪みが小さい成形品を得ることができる含フッ素ポリマーを含有する組成物であって、金型からの離型性に優れた組成物を提供することを目的とする。
本開示によれば、含フッ素ポリマー、一般式(A)で示されるジカルボン酸化合物、および、一般式(B)で示されるモノカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種のカルボン酸化合物、ならびに、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、無機窒化物、有機スズ化合物、パーオキサイド架橋剤、ポリオール架橋剤、ポリアミン架橋剤、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋用配合剤を含有する組成物(以下、「本開示の第1の組成物」ということがある)が提供される。
一般式(A):MA1OOC-(YA1-COOMA2
(式中、YA1は、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキレン基、炭素-炭素原子間に酸素原子もしくは環状構造を有する、置換もしくは非置換の炭素数2以上のアルキレン基、置換もしくは非置換の不飽和脂肪族基、または、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキレン基、MA1およびMA2は、同一または異なって、カチオンまたはアルキル基を表し、mは0または1を表す。)
一般式(B):CXB1B2=CXB3-(CH-COOMB1
(式中、XB1、XB2およびXB3は、同一または異なって、H、または、置換もしくは非置換のアルキル基、MB1は、同一または異なって、カチオンまたはアルキル基を表し、nは0~5の整数を表す。)
また、本開示によれば、含フッ素ポリマー、150~200℃で二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物、ならびに、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、無機窒化物、パーオキサイド架橋剤、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋用配合剤を含有する組成物(以下、「本開示の第2の組成物」ということがある)が提供される。
本開示の第1および第2の組成物において、前記カルボン酸化合物が、シュウ酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの塩およびこれらのエステルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の第1および第2の組成物において、前記カルボン酸化合物の含有量が、前記含フッ素ポリマー100質量部に対して、0.05~3.0質量部であることが好ましい。
本開示の第1および第2の組成物において、前記架橋用配合剤が、尿素、尿素誘導体、無機窒化物、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の第1および第2の組成物において、前記含フッ素ポリマーが、主鎖末端および/または側鎖にシアノ基を有する含フッ素エラストマーであることが好ましい。
また、本開示によれば、ヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素ポリマー、ならびに、一般式(A)で示されるジカルボン酸化合物、および、一般式(B)で示されるモノカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種のカルボン酸化合物を含有する組成物(以下、「本開示の第3の組成物」ということがある)が提供される。
一般式(A):MA1OOC-(YA1-COOMA2
(式中、YA1は、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキレン基、炭素-炭素原子間に酸素原子もしくは環状構造を有する、置換もしくは非置換の炭素数2以上のアルキレン基、置換もしくは非置換の不飽和脂肪族基、または、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキレン基、MA1およびMA2は、同一または異なって、カチオンまたはアルキル基を表し、mは0または1を表す。)
一般式(B):CXB1B2=CXB3-(CH-COOMB1
(式中、XB1、XB2およびXB3は、同一または異なって、H、または、置換もしくは非置換のアルキル基、MB1は、同一または異なって、カチオンまたはアルキル基を表し、nは0~5の整数を表す。)
また、本開示によれば、ヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素ポリマー、および、150~200℃で二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物を含有する組成物(以下、「本開示の第4の組成物」ということがある)が提供される。
本開示の第3および第4の組成物において、前記カルボン酸化合物が、シュウ酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの塩およびこれらのエステルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の第3および第4の組成物において、前記カルボン酸化合物の含有量が、前記含フッ素ポリマー100質量部に対して、0.05~3.0質量部であることが好ましい。
本開示の第3および第4の組成物は、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、無機窒化物、有機スズ化合物、パーオキサイド架橋剤、ポリオール架橋剤、ポリアミン架橋剤、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋用配合剤をさらに含有することが好ましい。
本開示の第3および第4の組成物において、前記架橋用配合剤が、パーオキサイド架橋剤であることが好ましい。
さらに、本開示によれば、本開示の第1、第2、第3および第4の組成物(以下、これらをあわせて「本開示の組成物」ということがある)から得られる成形品が提供される。
本開示によれば、高温圧縮永久歪みが小さい成形品を得ることができる含フッ素ポリマーを含有する組成物であって、金型からの離型性に優れた組成物を提供することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<本開示の第1および第2の組成物>
本開示の第1および第2の組成物は、含フッ素ポリマー、カルボン酸化合物、および、架橋用配合剤を含有する。
含フッ素エラストマーなどの含フッ素ポリマーを、金型を用いて成形する場合、含フッ素ポリマーが金型に付着し、外観が美麗な成形品が得られないことがある。特に、含フッ素エラストマーを含有する架橋性組成物を、複雑な形状を有する金型や、鋭角な形状を有する金型を用いて一次架橋させた後、金型から成形品を取り出す際には、離型不良が発生しやすい問題がある。しかしながら、従来から離型剤として知られているオイルやワックスなどの離型剤を添加した場合、仮に離型性が改善する場合であっても、含フッ素ポリマーに求められる高温での耐圧縮永久歪み性が悪化することがある。本発明者らは、この問題を解決する手段を鋭意検討した結果、特定のカルボン酸化合物を用いることによって、優れた高温での耐圧縮永久歪み性を損なうことなく、離型性を改善できることを見出した。
本開示の組成物は、含フッ素ポリマーを含有する。上記含フッ素ポリマーとしては、シール性、耐薬品性および耐熱性が優れることから、含フッ素エラストマーが好ましい。
本開示において、含フッ素エラストマーとは、非晶質含フッ素ポリマーである。「非晶質」とは、含フッ素ポリマーの示差走査熱量測定〔DSC〕(昇温速度10℃/分)あるいは示差熱分析〔DTA〕(昇温速度10℃/分)において現われた融解ピーク(ΔH)の大きさが4.5J/g以下であることをいう。含フッ素エラストマーは、架橋することにより、エラストマー特性を示す。エラストマー特性とは、ポリマーを延伸することができ、ポリマーを延伸するのに必要とされる力がもはや適用されなくなったときに、その元の長さを保持できる特性を意味する。
上記含フッ素エラストマーとしては、部分フッ素化エラストマーであってもよいし、パーフルオロエラストマーであってもよいが、耐薬品性、耐熱性がさらに優れている点よりパーフルオロエラストマーを用いることが好ましい。
本開示において、部分フッ素化エラストマーとは、フルオロモノマー単位を含み、全重合単位に対するパーフルオロモノマー単位の含有量が90モル%未満の含フッ素ポリマーであって、20℃以下のガラス転移温度を有し、4.5J/g以下の融解ピーク(ΔH)の大きさを有する含フッ素ポリマーである。
本開示において、パーフルオロエラストマーとは、全重合単位に対するパーフルオロモノマー単位の含有量が90モル%以上の含フッ素ポリマーであって、20℃以下のガラス転移温度を有し、4.5J/g以下の融解ピーク(ΔH)の大きさを有する含フッ素ポリマーであり、さらに、含フッ素ポリマーに含まれるフッ素原子の濃度が71質量%以上であるポリマーである。本開示において、含フッ素ポリマーに含まれるフッ素原子の濃度は、含フッ素ポリマーを構成する各モノマーの種類と含有量より、含フッ素ポリマーに含まれるフッ素原子の濃度(質量%)を計算により求めるものである。
本開示において、パーフルオロモノマーとは、分子中に炭素原子-水素原子結合を含まないモノマーである。上記パーフルオロモノマーは、炭素原子及びフッ素原子の他、炭素原子に結合しているフッ素原子のいくつかが塩素原子で置換されたモノマーであってもよく、炭素原子の他、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子を有するものであってもよい。上記パーフルオロモノマーとしては、全ての水素原子がフッ素原子に置換されたモノマーであることが好ましい。上記パーフルオロモノマーには、架橋部位を与えるモノマーは含まれない。
上記部分フッ素化エラストマーとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン(Pr)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム等が挙げられる。なかでも、ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムおよびテトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムは、ビニリデンフルオライド45~85モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマー55~15モル%とからなる共重合体であることが好ましい。好ましくは、ビニリデンフルオライド50~80モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマー50~20モル%とからなる共重合体である。
本開示において、含フッ素ポリマーを構成する各モノマーの含有量は、NMR、FT-IR、元素分析、蛍光X線分析をモノマーの種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
上記ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマーとしては、TFE、HFP、フルオロアルキルビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、一般式(1):CH=CFRf(式中、Rfは炭素数1~12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマー、一般式(2):CH=CH-(CF-X(式中、XはHまたはFであり、nは3~10の整数である。)で表されるフルオロモノマー;架橋部位を与えるモノマー;エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル等の非フッ素化モノマーが挙げられる。これらをそれぞれ単独で、または、任意に組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、TFE、HFP、フルオロアルキルビニルエーテルおよびCTFEからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記フルオロアルキルビニルエーテルとしては、
一般式(3):CF=CF-ORf
(式中、Rfは、炭素数1~8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(4):CF=CFOCFORf
(式中、Rfは炭素数1~6の直鎖または分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5~6の環式パーフルオロアルキル基、1~3個の酸素原子を含む炭素数2~6の直鎖または分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるフルオロモノマー、および、
一般式(5):CF=CFO(CFCF(Y)O)(CF
(式中、Yはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を表す。mは1~4の整数である。nは1~4の整数である。)で表されるフルオロモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、一般式(3)で表されるフルオロモノマーがより好ましい。
ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムの具体例としては、VdF/HFP系ゴム、VdF/HFP/TFE系ゴム、VdF/CTFE系ゴム、VdF/CTFE/TFE系ゴム、VDF/一般式(1)で表されるフルオロモノマー系ゴム、VDF/一般式(1)で表されるフルオロモノマー/TFE系ゴム、VDF/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕系ゴム、VDF/PMVE/TFE系ゴム、VDF/PMVE/TFE/HFP系ゴム等が挙げられる。VDF/一般式(1)で表されるフルオロモノマー系ゴムとしては、VDF/CH=CFCF系ゴムが好ましく、VDF/一般式(1)で表されるフルオロモノマー/TFE系ゴムとしては、VDF/TFE/CH=CFCF系ゴムが好ましい。
上記VDF/CH=CFCF系ゴムは、VDF40~99.5モル%、および、CH=CFCF0.5~60モル%からなる共重合体であることが好ましく、VDF50~85モル%、および、CH=CFCF15~50モル%からなる共重合体であることがより好ましい。
上記テトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムは、テトラフルオロエチレン45~70モル%、プロピレン55~30モル%、および、架橋部位を与えるフルオロモノマー0~5モル%からなる共重合体であることが好ましい。
上記含フッ素エラストマーは、パーフルオロエラストマーであってもよい。上記パーフルオロエラストマーとしては、TFEを含むパーフルオロエラストマー、例えばTFE/一般式(3)、(4)または(5)で表されるフルオロモノマー共重合体、および、TFE/一般式(3)、(4)または(5)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
その組成は、TFE/PMVE共重合体の場合、好ましくは、45~90/10~55(モル%)であり、より好ましくは55~80/20~45であり、さらに好ましくは55~70/30~45である。
TFE/PMVE/架橋部位を与えるモノマー共重合体の場合、好ましくは45~89.9/10~54.9/0.01~4(モル%)であり、より好ましくは50~77.9/20~49.9/0.1~3.5であり、さらに好ましくは55~69.8/30~44.8/0.2~3である。
TFE/炭素数が4~12の一般式(3)、(4)または(5)で表されるフルオロモノマー共重合体の場合、好ましくは50~90/10~50(モル%)であり、より好ましくは60~88/12~40であり、さらに好ましくは65~85/15~35である。
TFE/炭素数が4~12の一般式(3)、(4)または(5)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体の場合、好ましくは50~89.9/10~49.9/0.01~4(モル%)であり、より好ましくは60~87.9/12~39.9/0.1~3.5であり、さらに好ましくは65~84.8/15~34.8/0.2~3である。
これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
上記パーフルオロエラストマーとしては、TFE/一般式(5)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体、TFE/一般式(5)で表されるフルオロモノマー共重合体、TFE/一般式(3)で表されるフルオロモノマー共重合体、および、TFE/一般式(3)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記パーフルオロエラストマーとしては、国際公開第97/24381号、特公昭61-57324号公報、特公平4-81608号公報、特公平5-13961号公報等に記載されているパーフルオロエラストマーも挙げることができる。
架橋部位を与えるモノマーとは、架橋剤(架橋用配合剤)により架橋を形成するための架橋部位を含フッ素ポリマーに与える架橋性基を有するモノマー(キュアサイトモノマー)である。
架橋部位を与えるモノマーとしては、
一般式(6):CX =CX-RfCHR
(式中、Xは、同一または異なって、水素原子、フッ素原子またはCH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基またはパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、Rは、水素原子またはCH、Xは、ヨウ素原子または臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(7):CX =CX-Rf
(式中、Xは、同一または異なって、水素原子、フッ素原子またはCH、Rfは、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基またはパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、Xは、ヨウ素原子または臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(8):CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF-X
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、または、-CHIである)で表されるフルオロモノマー、
一般式(9):CH=CFCFO(CF(CF)CFO)(CF(CF))-X
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、またはCHOHである)で表されるフルオロモノマー、および、
一般式(10):CR10 =CR10-Z-CR10=CR10
(式中、R10は、同一または異なって、水素原子または炭素数1~5のアルキル基である。Zは、直鎖または分岐状で酸素原子を有していてもよい、炭素数1~18のアルキレン基、炭素数3~18のシクロアルキレン基、少なくとも部分的にフッ素化している炭素数1~10のアルキレン基もしくはオキシアルキレン基、または、
-(Q)-CFO-(CFCFO)(CFO)-CF-(Q)
(式中、Qはアルキレン基またはオキシアルキレン基である。pは0または1である。m/nが0.2~5である。)で表され、分子量が500~10000である(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。)で表されるモノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
は、フッ素原子であることが好ましい。RfおよびRfは炭素数が1~5のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。Rは、水素原子であることが好ましい。Xは、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、または、-CHIであることが好ましい。Xは、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、または-CHOHであることが好ましい。
架橋部位を与えるモノマーとしては、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOH、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCHI、CF=CFOCFCFCHI、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CN、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOH、CH=CHCFCFI、CH=CH(CFCH=CH、CH=CH(CFCH=CH、および、CF=CFO(CFCNからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCNおよびCF=CFOCFCFCHIからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記含フッ素エラストマーは、高温における耐圧縮永久歪特性に優れる点から、ガラス転移温度が-70℃以上であることが好ましく、-60℃以上であることがより好ましく、-50℃以上であることがさらに好ましい。また、耐寒性が良好であるという点から、5℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、-3℃以下であることがさらに好ましい。
上記ガラス転移温度は、示差走査熱量計(メトラー・トレド社製、DSC822e)を用い、試料10mgを10℃/minで昇温することによりDSC曲線を得て、DSC曲線の二次転移前後のベースラインの延長線と、DSC曲線の変曲点における接線との2つの交点の中点を示す温度として求めることができる。
上記含フッ素エラストマーは、耐熱性が良好な点で、170℃におけるムーニー粘度ML(1+20)が30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることがさらに好ましい。また、加工性が良好な点で、150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、110以下であることがさらに好ましい。
上記ムーニー粘度は、ALPHA TECHNOLOGIES社製 ムーニー粘度計MV2000E型を用いて、170℃において、JIS K6300に従い測定することができる。
上述した部分フッ素化エラストマーおよびパーフルオロエラストマーは、常法により製造することができるが、得られる重合体の分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点、末端にヨウ素原子または臭素原子を導入することができる点から、連鎖移動剤としてヨウ素化合物または臭素化合物を使用することもできる。ヨウ素化合物または臭素化合物を使用して行う重合方法としては、例えば、実質的に無酸素状態で、ヨウ素化合物または臭素化合物の存在下に、加圧しながら水媒体中で乳化重合を行う方法が挙げられる(ヨウ素移動重合法)。使用するヨウ素化合物または臭素化合物の代表例としては、例えば、一般式:
11Br
(式中、xおよびyはそれぞれ0~2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R11は炭素数1~16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1~3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物が挙げられる。ヨウ素化合物または臭素化合物を使用することによって、ヨウ素原子または臭素原子が重合体に導入され、架橋点として機能する。
ヨウ素化合物および臭素化合物としては、例えば1,3-ジヨードパーフルオロプロパン、2-ヨードパーフルオロプロパン、1,3-ジヨード-2-クロロパーフルオロプロパン、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,5-ジヨード-2,4-ジクロロパーフルオロペンタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8-ジヨードパーフルオロオクタン、1,12-ジヨードパーフルオロドデカン、1,16-ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジヨード-n-プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン、1-ブロモ-3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブタン、3-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、2-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨードモノブロモ置換体、ならびに(2-ヨードエチル)および(2-ブロモエチル)置換体等が挙げられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性等の点から、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、2-ヨードパーフルオロプロパンを用いるのが好ましい。
上記含フッ素ポリマーとしては、主鎖末端および/または側鎖にシアノ基(-CN基)を有する含フッ素エラストマーであることが好ましい。主鎖末端および/または側鎖にシアノ基(-CN基)を有する含フッ素エラストマーは、シアノ基が環化三量化によりトリアジン環を形成して架橋することができるものであり、成形品にすぐれた耐圧縮永久歪みおよび耐熱性を付与できる。
主鎖末端および/または側鎖にシアノ基(-CN基)を有する含フッ素エラストマーとしては、たとえば、パーフルオロエラストマーおよび部分フッ素化エラストマーがあげられる。
主鎖末端および/または側鎖にシアノ基(-CN基)を有するパーフルオロエラストマーとしては、上述した、TFE/一般式(3)、(4)または(5)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体のうち、架橋部位を与えるモノマーが、シアノ基(-CN基)を有するモノマーである共重合体が挙げられる。この場合、シアノ基(-CN基)を有するモノマー単位の含有量は、良好な架橋特性および耐熱性の観点から、TFE単位と一般式(3)、(4)および(5)で表されるフルオロモノマー単位との合計量に対して、0.1~5モル%であってよく、0.3~3モル%であってよい。さらに好適な組成は、上述したとおりである。
また、シアノ基(-CN基)を有するモノマーとしては、たとえば、
式:CY =CY(CF-CN
(式中、Yは、同一または異なって、水素原子またはフッ素原子、nは1~8の整数である)
式:CF=CFCFRf-CN
(式中、Rfは-(OCF-または-(OCF(CF))-であり、nは0~5の整数である)
式:CF=CFCF(OCF(CF)CF(OCHCFCFOCHCF-CN
(式中、mは0~5の整数、nは0~5の整数である)
式:CF=CFCF(OCHCFCF(OCF(CF)CFOCF(CF)-CN
(式中、mは0~5の整数、nは0~5の整数である)
式:CF=CF(OCFCF(CF))O(CF-CN
(式中、mは0~5の整数、nは1~8の整数である)
式:CF=CF(OCFCF(CF))-CN
(式中、mは1~5の整数)
式:CF=CFOCF(CF(CF)OCFCF(-CN)CF
(式中、nは1~4の整数)
式:CF=CFO(CFOCF(CF)-CN
(式中、nは2~5の整数)
式:CF=CFO(CF-(C)-CN
(式中、nは1~6の整数)
式:CF=CF(OCFCF(CF))OCFCF(CF)-CN
(式中、nは1~2の整数)
式:CH=CFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)-CN
(式中、nは0~5の整数)、
式:CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF-CN
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数である)
式:CH=CFCFOCF(CF)OCF(CF)-CN
式:CH=CFCFOCHCF-CN
式:CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCF(CF)-CN
(式中、mは0以上の整数である)
式:CF=CFOCF(CF)CFO(CF-CN
(式中、nは1以上の整数)
式:CF=CFOCFOCFCF(CF)OCF-CN
で表されるモノマーなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
上記の中でも、
式:CF=CF(OCFCF(CF))O(CF-CN
(式中、mは0~5の整数、nは1~8の整数である)で表されるモノマーが好ましく、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCNがより好ましい。
これらのモノマーがシアノ基を有するので、そのシアノ基が環化三量化反応してトリアジン架橋が進行する。
これらのパーフルオロエラストマーは、常法により製造することができる。
かかるパーフルオロエラストマーの具体例としては、国際公開第97/24381号、特公昭61-57324号公報、特公平4-81608号公報、特公平5-13961号公報などに記載されているフッ素ゴムなどがあげられる。
主鎖末端および/または側鎖にシアノ基(-CN基)を有する部分フッ素化エラストマーとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロエチレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本開示の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができる。
ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムとは、ビニリデンフルオライド45~85モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマー55~15モル%とからなる含フッ素共重合体をいう。好ましくは、ビニリデンフルオライド50~80モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマー50~20モル%とからなる含フッ素共重合体をいう。
ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマーとしては、たとえば、TFE、CTFE、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、フッ化ビニルなどのフルオロモノマー、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどの非フッ素化モノマーがあげられる。これらをそれぞれ単独で、または、任意に組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、TFE、HFP、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が好ましい。
具体的なゴムとしては、VdF-HFP系ゴム、VdF-HFP-TFE系ゴム、VdF-CTFE系ゴム、VdF-CTFE-TFE系ゴムなどがあげられる。
テトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムとは、テトラフルオロエチレン45~70モル%、プロピレン55~30モル%からなり、さらにテトラフルオロエチレンとプロピレンの合計量に対して、架橋部位を与えるモノマー0~5モル%含有する含フッ素共重合体をいう。
架橋部位を与えるモノマーとしては、特表平4-505345号公報、特表平5-500070号公報に記載されているようなシアノ基含有モノマーや、上述のシアノ基(-CN基)を有するモノマーなどがあげられる。
これらの部分フッ素化エラストマーは、常法により製造することができる。
また、含フッ素エラストマーとして、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントからなる熱可塑性フッ素ゴムを用いてもよい。
本開示の第1および第2の組成物、ならびに、これらが含有する含フッ素ポリマーは、原料として、実質的に金属化合物の不存在化で製造されたものが好ましい。本開示の第1および第2の組成物の金属含有量としては、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは50ppm以下であり、さらに好ましくは10ppm以下である。組成物の金属含有量が極めて少ないものであると、金属成分による汚染を回避すべき半導体製造プロセスや医薬製造プロセスにおいて使用可能な成形品が得られることから好ましい。上記金属含有量は、フレームレス原子吸光分析法または高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法により測定することができる。本開示における金属含有量は、Fe、Cr、Ni、Cu、Al、Na、Mg、Ca、Zn、Ba、およびKの合計の金属含有量である。本開示の第1および第2の組成物の金属含有量としては、これら金属と、これら金属以外の金属の含有量の合計が、上記の範囲内であってもよい。
本開示の第1の組成物は、一般式(A)で示されるジカルボン酸化合物、および、一般式(B)で示されるモノカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種のカルボン酸化合物を含有する。
ジカルボン酸化合物は、
一般式(A):MA1OOC-(YA1-COOMA2
(式中、YA1は、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキレン基、炭素-炭素原子間に酸素原子もしくは環状構造を有する、置換もしくは非置換の炭素数2以上のアルキレン基、置換もしくは非置換の不飽和脂肪族基、または、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキレン基、MA1およびMA2は、同一または異なって、カチオンまたはアルキル基を表し、mは0または1を表す。)で示される。
一般式(A)におけるMA1およびMA2のカチオンとしては、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオンなどが挙げられる。有機アンモニウムイオンとしては、一般式:NH(式中、Rは、アルキル基、アルコキシ基またはヒドロキシアルキル基を表す。)で示されるカチオンが挙げられる。
一般式(A)におけるMA1およびMA2のアルキル基としては、炭素数が1~12のアルキル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましい。一般式(A)で示されるカルボン酸化合物は、MA1およびMA2の一方がアルキル基であるモノエステル化合物であってもよいし、MA1およびMA2の両方がアルキル基であるジエステル化合物であってもよい。
一般式(A)におけるMA1およびMA2としては、金型からの離型性を一層改善することができることから、カチオンが好ましく、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアンモニウムイオンがより好ましく、金属汚染を回避可能なことから、水素イオンまたはアンモニウムイオンがさらに好ましく、水素イオンが特に好ましい。
一般式(A)におけるYA1は、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキレン基、炭素-炭素原子間に酸素原子もしくは環状構造を有する、置換もしくは非置換の炭素数2以上のアルキレン基、置換もしくは非置換の不飽和脂肪族基、または、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキレン基を表す。YA1としては、単結合、置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキレン基、置換もしくは非置換のビニレン基、または、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキレン基が好ましい。置換基としては、-F、-Clなどが挙げられる。
モノカルボン酸化合物は、
一般式(B):CXB1B2=CXB3-(CH-COOMB1
(式中、XB1、XB2およびXB3は、同一または異なって、H、または、置換もしくは非置換のアルキル基、MB1は、同一または異なって、カチオンまたはアルキル基を表し、nは0~5の整数を表す。)で示される。
一般式(B)におけるMB1のカチオンとしては、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンなどが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオンなどが挙げられる。有機アンモニウムイオンとしては、一般式:NH(式中、Rは、アルキル基、アルコキシ基またはヒドロキシアルキル基を表す。)で示されるカチオンが挙げられる。
一般式(B)におけるMB1のアルキル基としては、炭素数が1~12のアルキル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましい。
一般式(B)におけるMB1としては、金型からの離型性を一層改善することができることから、カチオンが好ましく、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアンモニウムイオンがより好ましく、金属汚染を回避可能なことから、水素イオンまたはアンモニウムイオンがさらに好ましく、水素イオンが特に好ましい。
一般式(B)におけるXB1、XB2およびXB3は、同一または異なって、H、または、置換もしくは非置換のアルキル基を表す。アルキル基としては、置換もしくは非置換の炭素数1~3のアルキル基が好ましく、非置換の炭素数1~3のアルキル基がより好ましい。XB1、XB2およびXB3としては、HまたはCHが好ましい。
一般式(A)で示されるジカルボン酸化合物、および、一般式(B)で示されるモノカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの塩およびこれらのエステルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
本開示の第1の組成物において、一般式(A)で示されるジカルボン酸化合物、および、一般式(B)で示されるモノカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種のカルボン酸化合物の含有量は、さらに離型性を改善できることから、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.05~3.0質量部であり、より好ましくは0.1~2.0質量部であり、さらに好ましくは0.15~1.0質量部である。
本開示の第2の組成物は、40~230℃で二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物を含有する。40~230℃で二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物は、含フッ素エラストマーなどの含フッ素ポリマーの架橋温度で二酸化炭素を発生させることから、含フッ素ポリマーを含有する組成物の離型性を改善することができる。二酸化炭素の発生温度は、150~200℃が好ましい。
また、二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物としては、含フッ素ポリマーの一次架橋温度で二酸化炭素を発生させ、なおかつ、含フッ素ポリマーの二次架橋温度で分子が分解するものが好ましい。すなわち、二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物の分解温度は、含フッ素ポリマーの二次架橋温度以下であることが好ましい。また、二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物は、アンモニアを発生させない化合物であってもよい。
二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの塩およびこれらのエステルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
本開示の第2の組成物において、二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物の含有量は、さらに離型性を改善できることから、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.05~3.0質量部であり、より好ましくは0.1~2.0質量部であり、さらに好ましくは0.15~1.0質量部である。
本開示の第1および第2の組成物は、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、無機窒化物、有機スズ化合物、パーオキサイド架橋剤、ポリオール架橋剤、ポリアミン架橋剤、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋用配合剤を含有する。
本開示の第1および第2の組成物が含有する架橋用配合剤としては、尿素、尿素誘導体、無機窒化物、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。特に、本開示の第1および第2の組成物が、含フッ素ポリマーとして主鎖末端および/または側鎖にシアノ基(-CN基)を有する含フッ素エラストマーを含有する場合、架橋用配合剤としては、尿素、尿素誘導体、無機窒化物、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
架橋用配合剤には、いわゆる、架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤、架橋触媒などの含フッ素ポリマーの架橋に寄与する化合物が含まれる。本開示の第1および第2の組成物は、架橋用配合剤として第3級アミンを用いなくても、十分に架橋反応が進行し、また、本開示の第1および第2の組成物がより一層優れた耐スコーチ性を示すことから、本開示で用いる架橋用配合剤は、第3級アミンを含まないことが好ましい。
本開示において、第1級アミン化合物とは、-NHを有し、-NHR(Rは、有機基を表す)および-NR(Rは、有機基を表す)を有しない化合物を意味する。第2級アミン化合物とは、-NHR(Rは、有機基を表す)を有し、-NR(Rは、有機基を表す)を有しない化合物を意味する。第2級アミンは、-NHRに加えて、-NHを有していてもよい。第3級アミン化合物とは、-NR(Rは、有機基を表す)を有する化合物を意味する。第3級アミンは、-NRに加えて、-NHおよび-NHRを有していてもよい。
第1級アミン化合物としては、
一般式:L-(NH
(式中、Lは、ヘテロ原子を有していてもよい、環式もしくは非環式のn価の炭化水素基、nは1~5の整数である)で表される化合物が挙げられる。Lの炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても、不飽和炭化水素基であってもよく、また、水素原子が置換基により置換されていてもよい。
第1級アミン化合物としては、尿素、尿素塩酸塩、チオウレア、4,4’-ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメート、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)、2,2-ビス(3-アミノ-4-メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、テトラアミノベンゼン、ビス-3,4-ジアミノフェニルメタン、ビス-3,4-ジアミノフェニルエーテル、2,2-ビス(3,4-ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
第2級アミン化合物としては、
一般式:L-(NHR)
(式中、Lは、ヘテロ原子を有していてもよい、環式もしくは非環式のn価の炭化水素基、nは1~5の整数、Rは、有機基である)で表される化合物が挙げられる。Lの炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても、不飽和炭化水素基であってもよく、また、水素原子が置換基により置換されていてもよい。
第2級アミン化合物としては、ビウレア、ビウレット、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
尿素誘導体としては、ビウレア、チオウレア、尿素塩酸塩、ビウレット、アセチル尿素などのアシル尿素などがあげられる。
無機窒化物としては、特に限定されるものではないが、窒化ケイ素(Si)、窒化リチウム、窒化チタン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化バナジウム、窒化ジルコニウムなどがあげられる。これらの中でも、ナノサイズの微粒子が供給可能であることから、窒化ケイ素であることが好ましい。
有機スズ化合物としては、テトラフェニルスズ、トリフェニルスズなどがあげられる。
パーオキサイド架橋剤は、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生し得る有機過酸化物であればよく、具体的には、たとえば1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α-ビス(t-ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキシン-3、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどをあげることができる。一般に活性-O-O-の量、分解温度などを考慮して有機過酸化物の種類並びに使用量が選ばれる。
また、パーオキサイド架橋剤を用いる場合に用いることのできる架橋助剤としては、パーオキシラジカルとポリマーラジカルに対して反応活性を有する化合物であればよく、たとえば-CH=CH、-CHCH=CH、-CF=CF、-C(CF)=CF、-C(CH)=CF、-CF=CF(CF)、-CF=CF(CH)、-C(C)=CF、-CF=CF(C)、-CH=CF、-CF=CHF、-C(CF)=CHF、-CF=CH(CF)、-CH=CF(CF)などの官能基を有する多官能性化合物があげられる(各式中の「C」はフェニル基を表す)。具体的には、たとえばトリアリルトリメリテート、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート、亜リン酸トリアリル、1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサンなどがあげられる。
架橋剤、または、パーオキサイド架橋において用いる架橋剤とともに用いる架橋助剤としては、一般式(11):
Figure 0007206519000001
(式中、R11~R13は、独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、または、置換もしくは非置換のアリール基であり、R11~R13の少なくとも1つは、フッ素原子またはフッ素原子を含む基である。mは1~5の整数である。mが2以上である場合、m個のR11~R13は、それぞれ、同じであっても、異なっていてもよい。ベンゼン環の水素原子は、置換されていてもよい。)で表される構造を、少なくとも1つ有する化合物を挙げることもできる。mが1の場合は、該構造を2以上有することが好ましい。
一般式(11)で表される構造を有する化合物としては、一般式(12):
Figure 0007206519000002
(式中、R11~R13は、上記のとおり。pは0~2の整数であり、nは2~6の整数である。)で表される化合物、一般式(13):
Figure 0007206519000003
(式中、R11~R13は、上記のとおり。R14は、単結合手、-SO-、-O-、-S-、-CO-、ヘテロ原子含有基、置換もしくは非置換のアルキレン基、置換もしくは非置換のシクロアルキレン基または置換もしくは非置換のアリーレン基である。mは1~5の整数である。)で表される化合物などを挙げることができる。
ポリオール架橋剤としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAFなどの多価アルコール化合物があげられる。
ポリアミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、4,4’-ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメートなどの多価アミン化合物があげられる。
オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤としては、たとえば一般式(30):
Figure 0007206519000004
(式中、R31は-SO-、-O-、-CO-、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数1~10のパーフルオロアルキレン基または単結合手、または、
Figure 0007206519000005
で示される基であり、R32およびR33は一方が-NHであり他方が-NHR34、-NH、-OHまたは-SHであり、R34は水素原子、フッ素原子または一価の有機基であり、好ましくはR32が-NHでありR33が-NHR34である。炭素数1~6のアルキレン基の好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などをあげることができ、炭素数1~10のパーフルオロアルキレン基としては、
Figure 0007206519000006
などがあげられる。なお、これらの化合物は、特公平2-59177号公報、特開平8-120146号公報などで、ビスジアミノフェニル化合物の例示として知られているものである)で示されるビスジアミノフェニル系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤、一般式(31):
Figure 0007206519000007
(R31は、上記のとおり、R35は、独立に、以下の基である。)
Figure 0007206519000008
で示されるビスアミドラゾン系架橋剤、一般式(32):
Figure 0007206519000009
(式中、Rf31は炭素数1~10のパーフルオロアルキレン基である)で示されるビスアミドラゾン系化合物などがあげられる。これらのビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤またはビスジアミノフェニル系架橋剤などは従来シアノ基を架橋点とする架橋系に使用していたものであるが、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基とも反応し、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を形成し、架橋物を与える。
とくに好ましい架橋剤としては、複数個の3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル基、または3-アミノ-4-メルカプトフェニル基を有する化合物、もしくは一般式(34):
Figure 0007206519000010
(式中、R31、R32およびR33は上記のとおり。)で示される化合物があげられ、具体的には、たとえば2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)、2,2-ビス(3-アミノ-4-メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、テトラアミノベンゼン、ビス-3,4-ジアミノフェニルメタン、ビス-3,4-ジアミノフェニルエーテル、2,2-ビス(3,4-ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどである。
これらの中でも、架橋剤としては耐熱性、耐スチーム性、耐アミン性、良好な架橋性の点から、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが好ましい。
上記架橋用配合剤の含有量は、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.05~10質量部であり、より好ましくは0.1~5質量部である。
本開示の第1および第2の組成物は、第3級アミンを含まないことが好ましい。本開示の第1および第2の組成物は、第3級アミンを含まない場合であっても、十分に架橋反応が進行するとともに、十分な耐スコーチ性を有する。
<本開示の第3および第4の組成物>
本開示の第3および第4の組成物は、ヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素ポリマー、および、カルボン酸化合物を含有する。
含フッ素エラストマーなどの含フッ素ポリマーを、金型を用いて成形する場合、含フッ素ポリマーが金型に付着し、外観が美麗な成形品が得られないことがある。特に、含フッ素エラストマーを含有する架橋性組成物を、複雑な形状を有する金型や、鋭角な形状を有する金型を用いて一次架橋させた後、金型から成形品を取り出す際には、離型不良が発生しやすい問題がある。しかしながら、従来から離型剤として知られているオイルやワックスなどの離型剤を添加した場合、仮に離型性が改善する場合であっても、含フッ素ポリマーに求められる高温での耐圧縮永久歪み性が悪化することがある。本発明者らは、この問題を解決する手段を鋭意検討した結果、特定のカルボン酸化合物を用いることによって、優れた高温での耐圧縮永久歪み性を損なうことなく、離型性を改善できることを見出した。
本開示の第3および第4の組成物が含有する含フッ素ポリマーのモノマー組成としては、ヨウ素原子または臭素原子を必ず有する以外は、本開示の第1および第2の組成物が含有する含フッ素ポリマーと同様のモノマー組成を挙げることができる。
上記含フッ素ポリマーとしては、シール性、耐薬品性および耐熱性が優れることから、含フッ素エラストマーが好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、ヨウ素原子および臭素原子の含有量が0.001~10質量%であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
上記含フッ素ポリマーとしては、主鎖末端および/または側鎖にヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素エラストマーであることが好ましい。主鎖末端および/または側鎖にヨウ素原子(-I)または臭素原子(-Br)を有する含フッ素エラストマーは、パーオキサイド架橋によって架橋することができるものであり、耐固着性に優れた成形品を得ることができる。
本開示の第3および第4の組成物が含有する含フッ素エラストマーのモノマー組成としては、ヨウ素原子または臭素原子を必ず有する以外は、本開示の第1および第2の組成物が含有する含フッ素エラストマーと同様のモノマー組成を挙げることができる。
主鎖末端および/または側鎖にヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素エラストマーは、常法により製造することができるが、得られる重合体の分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点、末端にヨウ素原子または臭素原子を導入することができる点から、連鎖移動剤としてヨウ素化合物または臭素化合物を使用することもできる。ヨウ素化合物または臭素化合物を使用して行う重合方法としては、例えば、実質的に無酸素状態で、ヨウ素化合物または臭素化合物の存在下に、加圧しながら水媒体中で乳化重合を行う方法が挙げられる(ヨウ素移動重合法)。使用するヨウ素化合物または臭素化合物の代表例としては、例えば、一般式:
11Br
(式中、xおよびyはそれぞれ0~2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R11は炭素数1~16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1~3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物が挙げられる。ヨウ素化合物または臭素化合物を使用することによって、ヨウ素原子または臭素原子が重合体に導入され、架橋点として機能する。
ヨウ素化合物および臭素化合物としては、例えば1,3-ジヨードパーフルオロプロパン、2-ヨードパーフルオロプロパン、1,3-ジヨード-2-クロロパーフルオロプロパン、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,5-ジヨード-2,4-ジクロロパーフルオロペンタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8-ジヨードパーフルオロオクタン、1,12-ジヨードパーフルオロドデカン、1,16-ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジヨード-n-プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン、1-ブロモ-3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブタン、3-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、2-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨードモノブロモ置換体、ならびに(2-ヨードエチル)および(2-ブロモエチル)置換体等が挙げられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性等の点から、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、2-ヨードパーフルオロプロパンを用いるのが好ましい。
主鎖末端および/または側鎖にヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素エラストマーとしては、たとえば、パーフルオロエラストマーおよび部分フッ素化エラストマーがあげられるが、耐薬品性、耐熱性がさらに優れている点よりパーフルオロエラストマーが好ましい。
主鎖末端および/または側鎖にヨウ素原子または臭素原子を有するパーフルオロエラストマーとしては、上述した、TFE/一般式(3)、(4)または(5)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体のうち、架橋部位を与えるモノマーが、ヨウ素原子(-I)または臭素原子(-Br)を有するモノマーである共重合体が挙げられる。この場合、ヨウ素原子(-I)または臭素原子(-Br)を有するモノマー単位の含有量は、良好な架橋特性および耐熱性の観点から、TFE単位と一般式(3)、(4)および(5)で表されるフルオロモノマー単位との合計量に対して、0.1~5モル%であってよく、0.3~3モル%であってよい。
また、ヨウ素原子(-I)または臭素原子(-Br)を有するモノマーとしては、たとえば、
式:CY =CY(CF-Y
(式中、Yは、同一または異なって、水素原子またはフッ素原子、nは1~8の整数である)
式:CF=CFCFRf-Y
(式中、Rfは-(OCF-または-(OCF(CF))-Yであり、nは0~5の整数である)
式:CF=CFCF(OCF(CF)CF(OCHCFCFOCHCF-Y
(式中、mは0~5の整数、nは0~5の整数である)
式:CF=CFCF(OCHCFCF(OCF(CF)CFOCF(CF)-Y
(式中、mは0~5の整数、nは0~5の整数である)
式:CF=CF(OCFCF(CF))O(CF-Y
(式中、mは0~5の整数、nは1~8の整数である)
式:CF=CF(OCFCF(CF))-Y
(式中、mは1~5の整数)
式:CF=CFOCF(CF(CF)OCFCF(-Y)CF
(式中、nは1~4の整数)
式:CF=CFO(CFOCF(CF)-Y
(式中、nは2~5の整数)
式:CF=CFO(CF-(C)-Y
(式中、nは1~6の整数)
式:CF=CF(OCFCF(CF))OCFCF(CF)-Y
(式中、nは1~2の整数)
式:CH=CFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)-Y
(式中、nは0~5の整数)、
式:CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF-Y
(式中、mは0~5の整数、nは1~3の整数である)
式:CH=CFCFOCF(CF)OCF(CF)-Y
式:CH=CFCFOCHCF-Y
式:CF=CFO(CFCF(CF)O)CFCF(CF)-Y
(式中、mは0以上の整数である)
式:CF=CFOCF(CF)CFO(CF-Y
(式中、nは1以上の整数)
式:CF=CFOCFOCFCF(CF)OCF-Y
で表されるモノマーなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。なお、上記の各式におけるYは、-I、-Br、-CHIまたは-CHBrを表す。
上記の中でも、
式:CF=CF(OCFCF(CF))O(CF-Y
(式中、mは0~5の整数、nは1~8の整数であり、Yは、-I、-Br、-CHIまたは-CHBrを表す。)で表されるモノマーが好ましい。
これらのパーフルオロエラストマーは、常法により製造することができる。
かかるパーフルオロエラストマーの具体例としては、国際公開第97/24381号、特公昭61-57324号公報、特公平4-81608号公報、特公平5-13961号公報などに記載されているフッ素ゴムなどがあげられる。
主鎖末端および/または側鎖にヨウ素原子または臭素原子を有する部分フッ素化エラストマーとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロエチレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本開示の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができる。
ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムとは、ビニリデンフルオライド45~85モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマー55~15モル%とからなる含フッ素共重合体をいう。好ましくは、ビニリデンフルオライド50~80モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマー50~20モル%とからなる含フッ素共重合体をいう。
ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマーとしては、たとえば、TFE、CTFE、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、フッ化ビニルなどのフルオロモノマー、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどの非フッ素化モノマーがあげられる。これらをそれぞれ単独で、または、任意に組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、TFE、HFP、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)が好ましい。
具体的なゴムとしては、VdF-HFP系ゴム、VdF-HFP-TFE系ゴム、VdF-CTFE系ゴム、VdF-CTFE-TFE系ゴムなどがあげられる。
テトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムとは、テトラフルオロエチレン45~70モル%、プロピレン55~30モル%からなり、さらにテトラフルオロエチレンとプロピレンの合計量に対して、ヨウ素原子または臭素原子を有するモノマー0~5モル%含有する含フッ素共重合体をいう。
これらの部分フッ素化エラストマーは、常法により製造することができる。
また、含フッ素エラストマーとして、エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメントからなる熱可塑性フッ素ゴムを用いてもよい。
本開示の第3および第4の組成物、ならびに、これらが含有する含フッ素ポリマーは、原料として、実質的に金属化合物の不存在化で製造されたものが好ましい。本開示の第3および第4の組成物の金属含有量としては、好ましくは100ppm以下であり、より好ましくは50ppm以下であり、さらに好ましくは10ppm以下である。組成物の金属含有量が極めて少ないものであると、金属成分による汚染を回避すべき半導体製造プロセスや医薬製造プロセスにおいて使用可能な成形品が得られることから好ましい。上記金属含有量は、フレームレス原子吸光分析法または高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法により測定することができる。本開示における金属含有量は、Fe、Cr、Ni、Cu、Al、Na、Mg、Ca、Zn、Ba、およびKの合計の金属含有量である。本開示の第3および第4の組成物の金属含有量としては、これら金属と、これら金属以外の金属の含有量の合計が、上記の範囲内であってもよい。
本開示の第3の組成物が含有するカルボン酸化合物は、一般式(A)で示されるジカルボン酸化合物、および、一般式(B)で示されるモノカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種である。本開示の第3の組成物が含有するカルボン酸化合物としては、本開示の第1の組成物が含有するカルボン酸化合物と同様のものを挙げることができ、本開示の第3の組成物にとっての好適なカルボン酸化合物も、本開示の第1の組成物にとっての好適なカルボン酸化合物と同様である。
本開示の第3の組成物において、一般式(A)で示されるジカルボン酸化合物、および、一般式(B)で示されるモノカルボン酸化合物からなる群より選択される少なくとも1種のカルボン酸化合物の含有量は、さらに離型性を改善できることから、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.05~3.0質量部であり、より好ましくは0.1~2.0質量部であり、さらに好ましくは0.15~1.0質量部である。
本開示の第4の組成物が含有するカルボン酸化合物は、40~230℃で二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物である。本開示の第4の組成物が含有するカルボン酸化合物としては、本開示の第2の組成物が含有するカルボン酸化合物と同様のものを挙げることができ、本開示の第4の組成物にとっての好適なカルボン酸化合物も、本開示の第2の組成物にとっての好適なカルボン酸化合物と同様である。
本開示の第4の組成物において、二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物の含有量は、さらに離型性を改善できることから、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.05~3.0質量部であり、より好ましくは0.1~2.0質量部であり、さらに好ましくは0.15~1.0質量部である。
本開示の第3および第4の組成物は、架橋用配合剤を含有することが好ましい。架橋用配合剤としては、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、無機窒化物、有機スズ化合物、パーオキサイド架橋剤、ポリオール架橋剤、ポリアミン架橋剤、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素ポリマーを円滑に架橋させられることから、パーオキサイド架橋剤がより好ましい。
本開示の第3および第4の組成物が含むことができる第1級アミン化合物および第2級アミン化合物は、本開示の第1および第2の組成物が含むものと同様のものを挙げることができる。また、本開示の第3および第4の組成物は、架橋用配合剤として、8-ベンジル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、トリイソシアヌレート(TAIC)などの第3級アミンを含むことができる。
パーオキサイド架橋剤は、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生し得る有機過酸化物であればよく、具体的には、たとえば1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α-ビス(t-ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキシン-3、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどをあげることができる。一般に活性-O-O-の量、分解温度などを考慮して有機過酸化物の種類並びに使用量が選ばれる。
また、この場合に用いることのできる架橋助剤としては、パーオキシラジカルとポリマーラジカルに対して反応活性を有する化合物であればよく、たとえば-CH=CH、-CHCH=CH、-CF=CF、-C(CF)=CF、-C(CH)=CF、-CF=CF(CF)、-CF=CF(CH)、-C(C)=CF、-CF=CF(C)、-CH=CF、-CF=CHF、-C(CF)=CHF、-CF=CH(CF)、-CH=CF(CF)などの官能基を有する多官能性化合物があげられる(各式中の「C」はフェニル基を表す)。具体的には、たとえばトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’-n-フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5-トリス(2,3,3-トリフルオロ-2-プロペニル)-1,3,5-トリアジン2,4,6-トリオン)、トリス(ジアリルアミン)-S-トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N-ジアリルアクリルアミド、1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサンなどがあげられる。
架橋剤、または、パーオキサイド架橋剤とともに用いる架橋助剤としては、一般式(11):
Figure 0007206519000011
(式中、R11~R13は、独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、または、置換もしくは非置換のアリール基であり、R11~R13の少なくとも1つは、フッ素原子またはフッ素原子を含む基である。mは1~5の整数である。mが2以上である場合、m個のR11~R13は、それぞれ、同じであっても、異なっていてもよい。ベンゼン環の水素原子は、置換されていてもよい。)で表される構造を、少なくとも1つ有する化合物を挙げることもできる。mが1の場合は、該構造を2以上有することが好ましい。
一般式(11)で表される構造を有する化合物としては、一般式(12):
Figure 0007206519000012
(式中、R11~R13は、上記のとおり。pは0~2の整数であり、nは2~6の整数である。)で表される化合物、一般式(13):
Figure 0007206519000013
(式中、R11~R13は、上記のとおり。R14は、単結合手、-SO-、-O-、-S-、-CO-、ヘテロ原子含有基、置換もしくは非置換のアルキレン基、置換もしくは非置換のシクロアルキレン基または置換もしくは非置換のアリーレン基である。mは1~5の整数である。)で表される化合物などを挙げることができる。
ポリオール架橋剤としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAFなどの多価アルコール化合物があげられる。
ポリアミン架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサンジアミン、4,4’-ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメートなどの多価アミン化合物があげられる。
有機スズ化合物としては、テトラフェニルスズ、トリフェニルスズなどがあげられる。
オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤、チアゾール架橋剤としては、たとえば一般式(40):
Figure 0007206519000014
(式中、R41は-SO-、-O-、-CO-、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数1~10のパーフルオロアルキレン基または単結合手、または、
Figure 0007206519000015
で示される基であり、R42およびR43は一方が-NHであり他方が-NHR44、-NH、-OHまたは-SHであり、R44は水素原子、フッ素原子または一価の有機基であり、好ましくはR42が-NHでありR43が-NHR44である。炭素数1~6のアルキレン基の好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などをあげることができ、炭素数1~10のパーフルオロアルキレン基としては、
Figure 0007206519000016
などがあげられる。なお、これらの化合物は、特公平2-59177号公報、特開平8-120146号公報などで、ビスジアミノフェニル化合物の例示として知られているものである)で示されるビスジアミノフェニル系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤、一般式(41):
Figure 0007206519000017
(R41は、上記のとおり、R45は、独立に、以下の基のいずれかである。)
Figure 0007206519000018
で示されるビスアミドラゾン系架橋剤、一般式(42):
Figure 0007206519000019
(式中、Rf41は炭素数1~10のパーフルオロアルキレン基である)で示されるビスアミドラゾン系化合物、または一般式(43):
Figure 0007206519000020
(式中、nは1~10の整数である)で示されるビスアミドオキシム系架橋剤などがあげられる。
とくに好ましい架橋剤としては、複数個の3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル基、または3-アミノ-4-メルカプトフェニル基を有する化合物、もしくは一般式(44):
Figure 0007206519000021
(式中、R41、R42およびR43は上記のとおり。)で示される化合物があげられ、具体的には、たとえば2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)、2,2-ビス(3-アミノ-4-メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、テトラアミノベンゼン、ビス-3,4-ジアミノフェニルメタン、ビス-3,4-ジアミノフェニルエーテル、2,2-ビス(3,4-ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどである。
これらの中でも、架橋剤としては耐熱性、耐スチーム性、耐アミン性、良好な架橋性の点から、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが好ましい。
上記架橋用配合剤の含有量は、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.05~10質量部であり、より好ましくは0.1~5質量部である。
本開示の第3および第4の組成物がポリオール架橋剤を含有する場合、本開示の第3および第4の組成物は架橋促進剤をさらに含むことが好ましい。架橋促進剤は、フッ素ゴム主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の生成と、生成した二重結合へのポリオール架橋剤の付加を促進する。
架橋促進剤としては、オニウム化合物が挙げられ、オニウム化合物のなかでも、第4級アンモニウム塩等のアンモニウム化合物、第4級ホスホニウム塩等のホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物、環状アミンおよび1官能性アミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
第4級アンモニウム塩としては特に限定されず、たとえば、8-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド、8-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムアイオダイド、8-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムハイドロキサイド、8-メチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムメチルスルフェート、8-エチル-1,8―ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムブロミド、8-プロピル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムブロミド、8-ドデシル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド、8-ドデシル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムハイドロキサイド、8-エイコシル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド、8-テトラコシル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド、8-ベンジル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライド(以下、DBU-Bとする)、8-ベンジル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムハイドロキサイド、8-フェネチル-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7―ウンデセニウムクロライド、8-(3-フェニルプロピル)-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性及びフッ素ゴム成形品の物性が優れる点から、DBU-Bが好ましい。
また、第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、たとえば、テトラブチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(以下、BTPPCとする)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチル-2-メトキシプロピルホスホニウムクロライド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロライドなどを挙げることができ、これらの中でも、架橋性及びフッ素ゴム成形品の物性が優れる点から、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)が好ましい。
架橋促進剤の含有量は、耐圧縮永久歪みおよび伸びに一層優れた成形品が得られることから、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.05~5質量部であり、より好ましくは0.10~3質量部である。
本開示の組成物は、一般的な充填剤を含有してもよい。
上記一般的な充填剤としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド構造を有するイミド系フィラー、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリオキシベンゾエートなどのエンジニアリングプラスチック製の有機物フィラー、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウムなどの金属酸化物フィラー、炭化ケイ素、炭化アルミニウムなどの金属炭化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物フィラー、フッ化アルミニウム、フッ化カーボン、硫酸バリウム、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルクなどの無機物フィラーがあげられる。
これらの中でも、各種プラズマの遮蔽効果の点から、カーボンブラック、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、ポリイミド、フッ化カーボンが好ましい。
また、上記無機物フィラー、有機物フィラーを単独で、または2種以上を組み合わせて配合してもよい。
上記一般的な充填剤の配合量は、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.5~100質量部、より好ましくは5~50質量部である。
とくに高純度かつ非汚染性が要求されない分野では、必要に応じて含フッ素ポリマー組成物に配合される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤などを配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋助剤を1種またはそれ以上配合してもよい。
本開示の組成物は、上記の各成分を、通常のポリマー用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法によっても調製することができる。上記組成物は、成形して成形品を得るための成形材料として好適に使用でき、また、架橋成形して成形品を得るための成形材料としても好適に使用できる。
本開示の組成物を成形材料として予備成形体を得る方法は通常の方法でよく、金型にて加熱圧縮する方法、加熱された金型に圧入する方法、押出機で押出す方法など公知の方法で行なうことができる。ホースや電線などの押出製品の場合は押出後にスチームなどによる加熱架橋を行なうことで、成形品を得ることができる。
上記組成物から成形品を得る方法は通常の方法でよく、予備成形体を得た後、一次架橋、最後に二次架橋の順で成形品を得ることができる。一次架橋は、150~200℃で5~120分間行うことが好ましく、170~190℃で5~60分間行うことがより好ましい。架橋手段としては、公知の架橋手段を用いればよく、例えば、プレス架橋などをあげることができる。
二次架橋は、180~320℃で2~24時間行うことが好ましく、200~310℃で5~20時間行うことがより好ましい。架橋手段としては、公知の架橋手段を用いればよく、例えば、オーブン架橋などをあげることができる。
本開示の成形品は、上記組成物から得られる。
本開示の成形品は、特に耐熱性が要求される半導体製造装置、特に高密度プラズマ照射が行なわれる半導体製造装置のシール材として好適に使用できる。上記シール材としては、O-リング、角-リング、ガスケット、パッキン、オイルシール、ベアリングシール、リップシール等が挙げられる。
そのほか、半導体製造装置に使用される各種のポリマー製品、例えばダイヤフラム、チューブ、ホース、各種ゴムロール、ベルト等としても使用できる。また、コーティング用材料、ライニング用材料としても使用できる。
なお、本開示でいう半導体製造装置は、特に半導体を製造するための装置に限られるものではなく、広く、液晶パネルやプラズマパネルを製造するための装置等、高度なクリーン度が要求される半導体分野において用いられる製造装置全般を含むものであり、例えば次のようなものを挙げることができる。
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置
プラズマエッチング装置
反応性イオンエッチング装置
反応性イオンビームエッチング装置
スパッタエッチング装置
イオンビームエッチング装置
ウェットエッチング装置
アッシング装置
(2)洗浄装置乾式エッチング洗浄装置
UV/O洗浄装置
イオンビーム洗浄装置
レーザービーム洗浄装置
プラズマ洗浄装置
ガスエッチング洗浄装置
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置
高温高圧抽出洗浄装置
マイクロウェーブ抽出洗浄装置
超臨界抽出洗浄装置
(3)露光装置
ステッパー
コータ・デベロッパー
(4)研磨装置
CMP装置
(5)成膜装置
CVD装置
スパッタリング装置
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置
イオン注入装置
本開示の成形品は、例えば、CVD装置、プラズマエッチング装置、反応性イオンエッチング装置、アッシング装置またはエキシマレーザー露光機のシール材として優れた性能を発揮する。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
つぎに本開示の実施形態について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
(圧縮永久歪みの測定)
実施例および比較例で行った圧縮永久歪の測定は、実施例および比較例で得られた二次架橋後のO-リングを、JIS-K6262に準じて測定した。具体的には、実施例および比較例で得られた二次架橋後のO-リングを、25%加圧圧縮下に、300℃で72時間、または、300℃で168時間保持したのち開放し、25℃の恒温室内に30分間放置した試料を測定した。
(二酸化炭素の発生温度の測定)
二酸化炭素の発生温度として、沸点を二酸化炭素の発生温度とした。沸点が不明確な物質は、熱重量分析(株式会社日立ハイテクサイエンス TG/DTA7200)を用いて、N雰囲気中、25℃から10℃/minにて昇温し測定した。
製造例1
着火源をもたない内容積6リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水2.3リットル、乳化剤(COCF(CF)CFOCF(CF)COONH)23g、pH調整剤として炭酸アンモニウム0.2gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、内圧が0.8MPaになるようにテトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)をTFE/PMVE=24/76(モル比)で仕込んだ。ついで、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN(CNVE)0.8gを窒素圧にて圧入した。過硫酸アンモニウム(APS)の1.2g/mLの濃度の水溶液10mLを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、0.7MPaまで降下した時点でTFEを12gおよびPMVE 13gをそれぞれ自圧にて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、0.7~0.9MPaのあいだで、昇圧、降圧を繰り返すと共に、TFEとPMVEの追加量が80gごとにCNVE 1.5gを窒素圧で圧入した。
TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、680gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度22質量%の水性分散体3110gを得た。
この水性分散体3110gを水3730gで希釈し、4.8質量%硝酸水溶液3450g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後30分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーを水洗したのち、真空乾燥させ、680gの含フッ素エラストマーを得た。
19F-NMR分析の結果、得られた含フッ素エラストマーのモノマー単位組成は、TFE/PMVE/CNVE=59.3/39.9/0.8(モル%)であった。赤外分光分析により測定したところ、カルボキシル基の特性吸収が1774.9cm-1、1808.6cm-1付近に、OH基の特性吸収が、3557.5cm-1および3095.2cm-1付近に認められた。
また、得られた含フッ素エラストマーの金属含有量を、国際公開第94/28394号に記載の測定方法を用いて測定した。具体的には、定量すべき金属を含む所定量のサンプルをキュベット内で約1000℃の灰化温度で約240秒間の灰化時間を含む灰化条件で灰化した後、そのままフレームレス原子吸光分光光度計で吸光度を測定した。得られた含フッ素エラストマーの金属含有量は、10ppm以下であった。
実施例1
製造例1で得られたシアノ基を有する含フッ素エラストマーと、カーボンブラック(平均粒子径0.3μm)と、窒化珪素(Si、平均粒子径30nm)と、シュウ酸(分解温度189℃、二酸化炭素の発生温度40~195℃)を質量比100/23/0.25/0.25で混合し、オープンロールにて混練して、組成物を調製した。
金型離型性は、次のようにして評価した。一度に65個の小孔径サイズのO-リング(内径6.5mm、線径1.5mm)を作成できるキャビティを備える金型を用いて、得られた組成物を成型し、180℃で20分間の条件で一次架橋させた。金型開放後、O-リングを金型キャビティからバリを掴んで取り出し、キャビティに残ったO-リングの数(上型、下型に残った数の合計)を数えて、65個に対する割合(金型残存率)を算出した。結果を表1に示す。
金型残存率が低いことは、組成物が一次架橋後の離型性に優れており、金型からO-リングが容易に取り出せたことを意味する。一方、金型残存率が高いことは、組成物が一次架橋後の離型性に劣っており、O-リングが金型に固着して、取り出しにくかったことを意味する。(O-リングを金型から剥がす時に、キャビティとゴムの固着力が、バリが切れる力よりも勝り、離型性が悪いと、バリが切れて、O-リングが金型に残る。)
また、金型離形時の感触を最良、良、やや良、悪いの4段階で区分した。結果を表1に示す。
さらに、AS-214サイズの金型を用いて、得られた組成物を成型し、180℃で20分間の条件で一次架橋させた後、金型から取り出し、オーブン中で、順に、200℃×12時間、250℃×3時間、290℃×3時間のステップ架橋(二次架橋)を行い、圧縮永久歪み測定用のO-リングを作成した。得られたO-リングについて、上記した方法で圧縮永久歪みを測定した。結果を表1に示す。
実施例2
シュウ酸量を0.5質量部に変更した以外は実施例1と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表1に示す。
実施例3
シュウ酸の代わりにマレイン酸(二酸化炭素の発生温度140~180℃)を用いた以外は実施例1と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表1に示す。
実施例4
シュウ酸の代わりにアクリル酸(二酸化炭素の発生温度141℃)を用いた以外は実施例1と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表1に示す。
実施例5
シュウ酸の代わりにメタクリル酸(二酸化炭素の発生温度159℃)を用いた以外は実施例1同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表1に示す。
実施例6
シュウ酸の代わりにマロン酸(二酸化炭素の発生温度155℃)を用いた以外は実施例1同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表1に示す。
実施例7
シュウ酸の代わりにグルタル酸(二酸化炭素の発生温度170℃)を用いた以外は実施例1同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表1に示す。
比較例1
製造例1で得られたシアノ基を有する含フッ素エラストマーと、カーボンブラック(平均粒子径0.3μm)と、窒化珪素(Si、平均粒子径30nm)を質量比100/23/0.25で混合し、オープンロールにて混練して、組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
比較例2
カルナバ(植物性油脂)1号(融点80℃)を0.5質量部添加した以外は比較例1と同様にして、オープンロールにて混練して、組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
比較例3
窒化珪素の代わりに尿素を用いた以外は比較例1と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
比較例4
窒化珪素の代わりに、2,2-ビス[3-アミノ-4-(N-フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(NphAF)を用いた以外は比較例1と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
ただし、圧縮永久歪み測定用のO-リングを作成する際の二次架橋条件を、オーブン中290℃×18時間に変更した。
比較例5
カルナバ(植物性油脂)1号(融点80℃)を0.5質量部添加した以外は比較例4と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
比較例6
エルカ酸アマイド(融点80℃)を0.5質量部添加した以外は比較例4と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
比較例7
ステアリルアミン(融点53℃)を0.5質量部添加した以外は比較例4と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
比較例8
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点212℃)を1.0質量部添加した以外は比較例4と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
比較例9
パーオキサイド(パーヘキサ25B 日油社製)を1.0質量部添加した以外は比較例4と同じ方法で組成物を調製し、金型離型性を評価し、圧縮永久歪みを測定した。結果を表2に示す。
Figure 0007206519000022
Figure 0007206519000023

Claims (11)

  1. 含フッ素ポリマー、
    150~200℃で二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物、ならびに、
    第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、無機窒化物、パーオキサイド架橋剤、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋用配合剤
    を含有する組成物。
  2. 前記カルボン酸化合物が、シュウ酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの塩およびこれらのエステルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記カルボン酸化合物の含有量が、前記含フッ素ポリマー100質量部に対して、0.05~3.0質量部である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記架橋用配合剤が、尿素、尿素誘導体、無機窒化物、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記含フッ素ポリマーが、主鎖末端および/または側鎖にシアノ基を有する含フッ素エラストマーである請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
  6. ヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素ポリマー、および、カルボン酸化合物
    ならびに、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、無機窒化物、有機スズ化合物、パーオキサイド架橋剤、ポリオール架橋剤、ポリアミン架橋剤、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋用配合剤
    を含有する組成物であって、
    前記カルボン酸化合物が、シュウ酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マロン酸、およびグルタル酸より選択される少なくとも1種である組成物。
  7. ヨウ素原子または臭素原子を有する含フッ素ポリマー、および、
    150~200℃で二酸化炭素を発生させるカルボン酸化合物
    ならびに、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、無機窒化物、有機スズ化合物、パーオキサイド架橋剤、ポリオール架橋剤、ポリアミン架橋剤、オキサゾール架橋剤、イミダゾール架橋剤およびチアゾール架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋用配合剤
    を含有する組成物。
  8. 前記カルボン酸化合物が、シュウ酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、これらの塩およびこれらのエステルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項に記載の組成物。
  9. 前記カルボン酸化合物の含有量が、前記含フッ素ポリマー100質量部に対して、0.05~3.0質量部である請求項6~8のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記架橋用配合剤が、パーオキサイド架橋剤である請求項6~9のいずれかに記載の組成物。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の組成物から得られる成形品。
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