JP2013144419A - 反射用積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、保護層が傷つき難く、撥水性、撥油性および滑り性が良好なため汚れにくい保護層を有する反射用積層体の提供を目的とする。
【解決手段】基材(A)と、接着層(B)と、反射層(C)と、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(a)と、ポリシロキサン鎖を有する単量体(b)と、架橋性官能基を含む単量体(c)とを含む単量体を共重合してなる重合体(L)とを含む保護層(D)を備えた反射用積層体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽光を反射する積層体に関する。
近年、石油や天然ガス等の化石燃料エネルギーの代替エネルギーとして、再生エネルギーの利用が検討されているが、その中でも太陽エネルギーは有力なエネルギーとして注目されている。そのため近年、太陽電池の研究・開発が盛んに行われており、太陽光の利用が進んでいる。しかし太陽光発電の発電コストは、他発電方法と比較して割高でありコストダウンが検討されている。
そこで、太陽光を利用する発電として、太陽電池セルを使用した太陽光発電の代わりに、太陽光のエネルギーを集光したに熱により、熱媒を加熱し、蒸気タービン等を用いて発電する太陽熱発電が提案されている。
この方式は、昼間に発電するのみならず、昼間に太陽光より得た熱を蓄熱しておくことにより、夜間でも発電が可能であるため、発電コストを太陽電池セルより低減できる可能性がある。そのため、国内外にて検討が行われている。
ここで、太陽光を集光するためには使用する反射鏡(反射ミラー)にはガラス基材を利用したガラスミラーが使用されている。ガラスミラーは環境耐性が高いという長所があるが、重量があるためにミラーを固定する構造物を頑丈にする必要があるために費用が割高である。また重量が重いため輸送コストがかかる等の短所がある。またガラス故ミラー自体が割れやすい等の問題もある。
そこで、ガラスミラーの代替として軽量化効果のある樹脂フィルムの積層体からなるフィルムミラーの検討が提案されている(特許文献1参照)。
特表2009−520174号公報
しかし、特許文献1の反射用積層体は、最表層にアクリルフィルム層を設けているため、硬度が不足し、屋外環境下では傷つきを防ぐことができない。さらに、特に撥水性、撥油性および滑り性が不足するため積層体が汚れることで、時間の経過とともに集光性が低下し、太陽熱発電の発電量が低下する問題があった。
本発明は、保護層が傷つき難く、撥水性、撥油性および滑り性が良好なため汚れにくい保護層を有する反射用積層体の提供を目的とする。
本発明は、基材(A)と、接着層(B)と、反射層(C)と、保護層(D)を備えた反射用積層体で、当該保護層(D)はフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(a)と、ポリシロキサン鎖を有する単量体(b)と、架橋性官能基を含む単量体(c)とを含む単量体を共重合してなる重合体(L)を含むものである。
本発明によれば、屋外環境に直接さらされる保護層(D)は、重合体(L)を含むため、屋外環境においても傷がつきにくい。さらにフルオロアルキル基およびポリオルガノシロキサン鎖の存在により撥水性、撥油性および滑り性が良好なため保護層(D)が汚れにくい。これら効果により、反射用積層体を使用した太陽熱発電システムは、時間が経過した場合であっても設置当初の発電量を維持しやすい。
本発明により、保護層が傷つき難く、撥水性、撥油性および滑り性が良好なため汚れにくい保護層を有する反射用積層体を提供できた。
本発明の反射用積層体は、基材(A)と、接着層(B)と、反射層(C)と、保護層(D)を備えた反射用積層体である。そして、保護層(D)はフルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(a)と、ポリシロキサン鎖を有する単量体(b)と、架橋性官能基を含む単量体(c)とを含む単量体を共重合してなる重合体(L)を含むことが好ましい。この反射用積層体は、最表面、すなわち屋外環境にさらされる面は保護層である必要がある。しかし、基材(A)、接着層(B)および反射層(C)が積層される順序は任意である。さらに前記の各層は複数使用することができる。また基材(A)、接着層(B)、反射層(C)および保護層(D)のほかに他の機能層を使用することもできる。
基材(A)は、従来公知の種々の樹脂フィルムを用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムなどのアクリル系フィルム等を挙げることができる。中でも、耐候性の観点よりポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム、アクリル系フィルムがより好ましい。
基材(A)の厚さは、フィルムの種類と、その目的、例えば支持基材として用いる場合、または後述する、銀から構成される反射層(D)を蒸着によって設ける場合など、目的等に応じて適切な厚さにすることが好ましい。例えば、一般的には、10〜300μmの範囲内であるが、好ましくは12〜200μmである。
接着層(B)は、基材(A)、反射層(C)および保護層(D)のような各層を貼り合わせるために使用する。そして、本発明において接着層(B)は、粘着剤またはラミネート接着剤を塗工し、乾燥して形成した層であることが好ましい。ここで粘着剤を使用する場合は、アクリル系粘着剤が好ましい。
ラミネート接着剤は、ポリエステル系接着剤が好ましく、以下に説明する接着剤組成物(X)がより好ましい。
接着剤組成物(X)は、数平均分子量が5,000〜50,000であり、且つガラス転移温度(Tg)が−85〜−35℃であるポリオール(E)、及び、1分子中に平均2.5〜7個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(F)、必要に応じて、ポリオレフィン構造を有するポリオール、及びフルオロオレフィン構造を有するポリオールからなる群から選ばれるポリオール(G)、エポキシ樹脂(H)、並びに、シランカップリング剤(I)を含むことが好ましい。
本発明ではポリオール(E)のガラス転移温度を、一般的な接着剤に使用されているポリオールよりも低く(−85〜−35℃)することにより、基材(A)が、ポリオール(E)を主成分とする接着剤組成物(X)からなる接着層(B)を介して相対する他方の積層体構成物とを接着する際に十分な接着力を得ることができる。これは、ポリオール(E)のガラス転移温度を、一般的な接着剤に使用されているポリオールよりも低くすることにより、ポリオール(E)の分子レベルでの運動が活発になり、基材への濡れや投錨効果が向上し接着力が上がるためと考えられる。更に、接着剤組成物(X)中のポリイソシアネート(F)が、ポリオール(E)を架橋することにより、十分な凝集力を得ることができる。
更に、ポリオール(E)の数平均分子量を、5,000以上にすることにより、初期凝集力が高くなり、50,000以下にすることにより、溶剤への溶解性が高く、接着剤組成物(X)の粘度も適度になる。ポリオール(E)の数平均分子量は、接着剤組成物(X)の塗工性(取り扱い性)及び初期接着力の観点から、8,000〜30,000が、より好ましい。8,000未満だと初期凝集力が不足する場合があり、ラミネート時にトンネリングを生じる場合がある。30,000を超えると、初期凝集力は十分であるが、塗工粘度が高くなり、塗装方法が限定される場合がある。
ポリオール(E)のガラス転移温度が、−85〜−35℃の時、分子レベルでの運動が活発で濡れと投錨効果が良く、ポリイソシアネート(F)による架橋による凝集力が十分に得られ、高い接着力と耐久性を示す。
<ポリオール(E)>
ポリオール(E)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算数平均分子量が、5,000〜50,000であり、且つ、ガラス転移温度(Tg)が、−85〜−35℃であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、又はアクリルポリオール等のポリオールが挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。
更に、前記ポリオールの1種又は2種以上のハイブリッドポリオールも挙げることができる。ハイブリッドポリオールとしては、数平均分子量が、5,000〜50,000であり、且つ、ガラス転移温度(Tg)が、−85〜−35℃であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、又はポリカーボネートポリエステルポリオール等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。
この中でも、接着力、耐久性、及び作業性の観点から、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリカーボネートポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、又はアクリルポリオールが好ましい。
又、特に、耐久性(特に耐湿熱性)の観点から、ポリオール(E)が、ポリカーボネート構造を有するポリオール、ポリエーテル構造を有するポリオール、及びアクリルポリオールからなる群から選ばれる1種以上のポリオール(E−1)を含むことが好ましい。
ポリオール(E−1)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、又はポリカーボネートポリウレタンポリオール等が挙げられる。
又、ポリオール(E)100重量%中の50重量%以上が、ポリオール(E−1)であることが好ましい。
本発明のポリオール(E)のガラス転移温度(Tg)は、ポリオール(E)の前駆体の選択により、−85〜−35℃に調整することができる。尚、本発明において、ガラス転移温度(Tg)は、DSC(示差走査熱量測定)により得られる値である。
ポリエステルポリオールは、前駆体として、ポリカルボン酸とポリオールとから、ポリウレタンポリオールは、前駆体として、ポリイソシアネートとポリオールとから合成される。
ポリエステルポリオールの前駆体である、ポリカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、若しくはセバシン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;
イタコン酸、若しくはマレイン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;
1、4−シクロヘキサンジカルボン酸等の環状脂肪族ジカルボン酸;
ダイマー酸、又は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレン酸ジカルボン酸、トリメリット酸、若しくはピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。例えば、前記飽和脂肪族ジカルボン酸の使用量を調整することで、ポリエステルポリオールのガラス転移温度を、−85〜−35℃にすることができる。
ポリウレタンポリオールの前駆体である、ポリイソシアネートとしては、後述するポリイソシアネート(F)と同じものが使用できるが、ポリウレタンポリオールのガラス転移温度を、−85〜−35℃に調節するには、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、又はビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン等の脂肪族ジイソシアネートを用いるのが好ましい。
ポリエステルポリオール又はポリウレタンポリオールの前駆体である、ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、若しくは2−メチル−1,8−オクタンジオール等の飽和脂肪族ジオール;
グリセリン、トリメチロールプロパン、若しくはペンタエリスリトール等の、3官能以上の飽和脂肪族ポリオール、1,4−シクロヘキサンジオール、若しくは1,4−シクロヘキサンジメタノール等の環状脂肪族ジオール、又は、ビスフェノールA、若しくはビスフェノールF等の芳香族ジオール等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。例えば、前記飽和脂肪族ジオールの使用量を調整することで、ポリエステルポリオールのガラス転移温度を、−85〜−35℃にすることができる。
又、ポリエステルポリオール又はポリウレタンポリオールの前駆体である、ポリオールとして、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、又はポリオレフィンポリオールを用いることにより、ポリカーボネートポリエステルポリオール、若しくはポリカーボネートポリウレタンポリオール、又は、ポリエーテルポリエステルポリオール、若しくはポリエーテルポリウレタンポリオールを得ることができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、又は2−メチル−1,8−オクタンジオール等のジオール1種又は2種以上をベースにしたポリカーボネートポリオールが挙げられ、市販品としては、例えば、宇部興産社製エタナコールUH−50、UH−100、UH−200、UH−300、UHC50−200、UHC50−100、若しくはUC−100、クラレ社製クラレポリオールC−2090、C−2090R、若しくはC−3090、ダイセル社製プラクセルCD205、CD205PL,CD205HL、CD210、CD210PL、CD220、CD220PL、又は、旭化成社製ポリカーボネートジオールT6002、T6001、T5651、T5650J、T4671、T4672、T4692、若しくはT4691等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。前記ポリカーネートポリオールの内、数平均分子量5,000〜50,000でガラス転移温度が−85〜−35℃のもの、又は、それを前駆体として得られる、上記数平均分子量およびガラス転移温度を有するポリカーボネートポリエステルポリオール、若しくはポリカーボネートポリウレタンポリオールは、ポリオール(E−1)の内、ポリカーボネート構造を有するポリオールとして、使用することができる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。耐久性(特に耐湿熱性)の観点からポリテトラメチレングリコールが好ましい。前記ポリエーテルポリオールの内、数平均分子量5,000〜50,000でガラス転移温度が−85〜−35℃のもの、又は、それを前駆体として得られる、上記数平均分子量及びガラス転移温度を有するポリエーテルポリエステルポリオール、若しくはポリエーテルポリウレタンポリオールは、ポリオール(E−1)の内、ポリエーテル構造を有するポリオールとして、使用することができる。
ポリオール(E)において、加水分解性が比較的高いエステル結合を少なくすることにより、即ち、ポリエステル構造を少なくすることにより、耐湿熱性を向上させることができる。又、飽和脂肪族ポリカーボネートポリオール、又は飽和脂肪族ポリエーテルポリオールを使用して、ガラス転移温度が低い飽和脂肪族ポリカーボネート構造、又は飽和脂肪族ポリエーテル構造を多くすることにより、耐湿熱性が向上するだけでなく、基材(A)が未処理フィルムの場合、その未処理面を接着層(B)を介して相対する他方の積層体構成物と接着した際に、十分な接着力を得ることができる。
ポリオールの水酸基と、ポリカルボン酸及び/又はポリイソシアネートのカルボキシル基及び/又はイソシアネート基との反応は、公知の方法、反応条件、反応触媒、及び反応溶剤等により行うことができる。
アクリルポリオールは、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と、水酸基を有しないエチレン性不飽和単量体とを、アクリル系単量体を主成分にして共重合することによって得ることができる。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイルオキシ」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル又はメタクリロイル」、「アクリル又はメタクリル」、「アクリル酸又はメタクリル酸」、「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリロイルオキシ又はメタクリロイルオキシ」、又は「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を表すものとする。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。
水酸基を有しないアクリル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
又、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体を用いることもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε−カプロラクトン付加アクリル酸、ε−カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等からなる群から1種又は2種以上を選択することができる。
又、リン酸エステル基を有するエチレン性不飽和単量体を用いることもできる。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和単量体の水酸基にたとえば五酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応せしめることで得ることができる。
又、前記アクリル系単量体以外の単量体としては、例えば、スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、あるいは、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類が挙げられる。アクリル系単量体以外の前記単量体を、前記アクリル系単量体と併用することもできる。
本発明に好適なアクリルポリオールを得る方法としては、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。このうち、フリーラジカル重合又はリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、又は2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、又はジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
リビングラジカル重合法は一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、更には、重合の成長が均一に起こる為、容易にブロックポリマーや分子量の揃った樹脂を合成できる。
中でも、有機ハロゲン化物、又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法は、広範囲の単量体に適応できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1〜8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4) Macromolecules 1995,28,7901,Science,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421
(参考文献6)WO97/018247
(参考文献7)特開平9−208616号公報
(参考文献8)特開平8−41117号公報
ブロックポリマーは、予めある単量体だけを重合し、別途他の単量体だけを重合してそれぞれのポリマーのブロックを事前に準備し、それを反応させるブロック重合法により得られる。
上記重合には溶剤を用いることが好ましい。溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの重合溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に好適なアクリルポリオール中に存在する水酸基の量は、特に限定されるものではないが、接着力とその耐久性の観点から、水酸基価が、5〜20mgKOH/gが好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が−85〜−35℃のアクリルポリオールは、例えば、ブチルアクリレート、又は2−エチルヘキシルアクリレート等の、それ自身のホモポリマーのガラス転移温度が低いアクリル系単量体の量を調節して(増やして)共重合することによって調節することができる。
又、アクリルポリオールの分子量は、全単量体に対する開始剤量、重合温度、重合溶剤等によって、数平均分子量5,000〜50,000に調節することができる。
前記アクリルポリオールは、数平均分子量が、5,000〜50,000、且つ、ガラス転移温度が、−85〜−35℃なので、基材(A)の未処理面を接着層(B)を介して相対する他方の積層体構成物と接着した際に、十分な接着力を得ることができる。更に、他の樹脂系に比べて、耐候性にも優れるだけでなく、主鎖に加水分解性が高いエステル結合がないため、耐湿熱性に優れ、屋外で使用され、高い耐候性が必要とされる太陽光反射用積層体において、接着剤組成物(X)からなる接着層(B)を構成するにおいて好ましく、ポリオール(E−1)の内、アクリルポリオールとして、使用することができる。
ポリオール(E)は、2種類以上の異なるポリオールを反応させて用いることもできる。この場合、多種類のポリオールの異なるそれぞれの良好な特性を得られる可能性があり、より良好な特性を持つ接着剤組成物(X)を得ることができる。
ポリオール(E)100重量%中の50重量%以上が、前記ポリオール(E−1)であることによって、ポリオール(E)の主鎖中の加水分解性が高いエステル結合を少なくすることができ、優れた耐湿熱性を得ることができる。
尚、下記で説明するポリオレフィン構造を有するポリオール、及びフルオロオレフィン構造を有するポリオールからなる群から選ばれる1種類以上のポリオール(G)は、数平均分子量が5,000〜50,000であり、かつ、ガラス転移温度(Tg)が−85〜−35℃であっても、ポリオール(E)には含まれないものとする。
<ポリイソシアネート(F)>
ポリイソシアネート(F)は、以下に限定されるものではないが、周知のジイソシアネートから誘導された化合物を好ましく用いることができる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、若しくは水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートから誘導された化合物、即ち、前記ジイソシアネートヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体、ビウレット型、イソシアネート残基を有するプレポリマー(ジイソシアネートとポリオールから得られる低重合体)、イソシアネート残基を有するウレトジオン体、アロファネート体、若しくはこれらの複合体等が挙げられ、これらを単独で、あるいは2種以上で使用できる。中でも、屋外用途にも使用されるために、経時的な黄変を低減させる目的で、脂肪族若しくは脂環族イソシアネート、又はその誘導体を用いることが好ましい。又、その中でもイソホロンジイソシアネートの誘導体もしくは、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体を用いることが特に好ましく、更に初期凝集力を出すという観点から鑑みると、ヘキサメチレンジイソシアネートの誘導体を用いることが好ましい。
接着剤組成物(X)において、ポリイソシアネート(F)のイソシアネート基の数は、1分子中、平均して2.5〜7個であり、好ましくは2.7〜3.7個である。2.5個より少ないと、接着剤としての凝集力を得るために十分な架橋量を得ることができず、結果十分な接着力や長期耐久性を得ることができない。7個より多いと、接着剤の架橋密度が高くなりすぎ、ラミネート時の密着性が低下する。又、ポットライフが非常に短くなり使用が困難となる。
又、ポリイソシアネート(F)は、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記する。)、又は、HDI及びイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記する。)から誘導されたポリイソシアネートであることが望ましい。HDI又はIPDI以外では、キシリレンジイソシアネート(以下XDIと略記する。)、又はビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン(以下、H12MDIと略記する。)等があるがXDIは反応性が高すぎ、ポットライフが短くなり、H12MDIは皮膚刺激性に問題が発生する場合がある。芳香族系のイソシアネートは、屋外での黄変に問題が発生する場合がある。
又、ポリイソシアネート(F)中のイソシアネート基濃度が、10〜30重量%であることが好ましく、11〜25重量%であることがさらに好ましい。尚、ポリイソシアネート(F)中のイソシアネート基濃度は、滴定法により求めることができる。
又、ポリイソシアネート(F)の使用量は、ポリオール(E)100重量部に対して、7〜35重量部であることが好ましく、更に10〜25重量部であることが好ましい。7重量部未満だと、屋外暴露後の接着力が低下する場合がある。又、35重量部を超えると初期の接着力が低下する場合がある。
<ブロック化剤>
ブロック化剤は、塗工時の経時安定性を向上させるために、あるいは、基材(A)未処理面を接着層(B)を介して相対する他方の積層体構成物と接着した際に、初期すなわち屋内外暴露前の接着力、凝集力と、ブロック剤を外すための熱処理を施した後の屋外暴露耐性を両立させるために、ポリイソシアネート(F)の中のイソシアネート基の一部を変性するために使用する化合物である。変性する割合としては、ポリイソシアネート(F)100重量%中の20〜80重量%がブロック化剤で変性されていることが好ましく、30〜70重量%ブロック化剤で変性されているとより好ましく、35〜65重量%がブロック化剤で変性されていると更に好ましい。20重量%未満だと、熱処理を施した後の屋外暴露耐性が十分得られない場合がある。一方、80重量%より多いと、初期すなわち熱処理前の十分な接着力、凝集力が得られない場合がある。
ブロック化剤としては、ε−カプロラクタム、メチルエチルケトンオキシム、ピラゾール系化合物、マロン酸ジエステル、及びアセチル化されたケトン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を使用することが好ましいが、これらに限定されるものではなくポリイソシアネート(F)と反応し、且つその後熱処理することで乖離する物であれば良い。前記化合物は、基材(A)に用いる場合、熱処理によるフィルムの劣化を抑制するために好ましく使用される。ピラゾール系化合物としては、例えば、1,2−ピラゾール、1,2,4−トリアゾール、ジイソプロピルアミン、3,5−ジメチルピラゾール等が挙げられる。マロン酸ジエステルとしては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル等が挙げられる。アセチル化されたケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン等が挙げられる。
又、本発明の太陽光反射用積層体を製造する工程において、140℃程度の熱で15分から30分程度熱処理される工程が含まれる場合は、本熱処理条件でブロック剤が外れやすいメチルエチルケトンオキシム、1,2−ピラゾール、1,2,4−トリアゾール、ジイソプロピルアミン、3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール系化合物、マロン酸ジエチル、アセチルアセトンが特に好ましい。
<ポリオール(G)>
本発明の太陽光反射用積層体において、接着剤組成物(X)は、基材(A)がポリオレフィンフィルム、又はフッ素樹脂フィルムの様な、表面の極性が低い難接着性の基材を選択する場合の接着性の観点から、更に、ポリオレフィン構造を有するポリオール、及びフルオロオレフィン構造を有するポリオールからなる群から選ばれる1種類以上のポリオール(G)を含むことが好ましい。基材(A)がポリオレフィンフィルムの場合は、ポリオレフィン構造を有するポリオールを、又は、フッ素樹脂フィルムに対してはフルオロオレフィン構造を有するポリオールを含むことがより好ましい。
ポリオレフィン構造を有するポリオールとしては、ポリエチレン両末端ジオール、ポリプロピレン両末端ジオール、水素添加ポリブタジエン両末端ジオール、水素添加ポリイソプレン両末端ジオール、又はその他のポリオレフィンポリオールが挙げられる。
前記その他のポリオレフィンポリオールとしては、特に制限はないが、エチレン、プロピレン、炭素数4〜8個のα−オレフィン、又は炭素数2〜8個のアルキルビニルエーテル等のオレフィンと、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、又は6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテルとの共重合体等が挙げられる。
基材(A)がポリオレフィン構造を有するポリオールのポリオレフィンフィルムの場合、基材に対する接着性、ポリオール(E)との相溶性、及び溶剤への溶解性の観点から、水酸基価が20〜100KOHmg/gである、水素添加ポリブタジエン両末端ジオール、水素添加ポリイソプレン両末端ジオール、又は前記その他のポリオレフィンポリオールが好ましい。
水素添加ポリブタジエン両末端ジオールとしては、例えば、出光興産社製エポール、又は、日本曹達社製GI−1000、GI−2000、若しくはGI−3000等が挙げられ、あるいは、前記その他のポリオレフィンポリオールとしては、例えば、三井化学社製ユニストールP−801、若しくはP−901が挙げられる。
又、末端水酸基タイプのポリオレフィンジオールは、数平均分子量が小さいものが多いため、ポリール(E)の前駆体と同様に、ポリカルボン酸又はポリイソシアネート等を反応させ、高分子量化して使用することもできる。
フルオロオレフィン構造を有するポリオールとしては、例えば、フロロオレフィンと、ヒドロキシアルキルビニルエーテルと、アルキルビニルエーテルとの共重合体が挙げられる。
前記フルオロオレフィンとしては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、又は、トリフルオロメチル・トリフルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエチル・トリフルオロビニルエーテルもしくは、ヘプタフルオロプロピル・トリフルオロビニルエーテル等のパーフルオロアルキル・パーフルオロビニルエーテル等があげられるが、基材(A)が共重合体のフッ素系樹脂フィルムの場合の接着性、ポリオール(E)との相溶性、及び溶剤溶解性の観点から、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよび(パー)フルオロアルキルトリフルオロビニルエーテル(但し炭素数1〜18)が好ましい。
前記ヒドロキシアルキルビニルエーテルとしては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
前記アルキルビニルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等の置換基を有さないアルキルビニルエーテル、クロロメチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、若しくはフェニルエチルビニルエーテル等のヒドロキシ基以外の置換基を有するアルキルビニルエーテル類、又は、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、若しくはメチルシクロヘキシルビニルエーテル等の環状アルキルビニルエーテル類等が挙げられる。
基材(A)が共重合体のフッ素系樹脂フィルムの場合、接着性とポリオール(E)との相溶性、及び溶剤への溶解性の観点から、水酸基価 30〜120KOHmg/gである、フルオロオレフィンと、ヒドロキシアルキルビニルエーテル及びアルキルビニルエーテル等のビニルエーテルとの交互重合体が好ましい。
市販品としては、例えば、旭硝子社製ルミフロンLF200、LF302、LF400、LF600、LF600X、LF800、LF906N、LF910LM、LF916N、LF936、又はLE9010等が挙げられ、1種又は2種以上を使用することができる。
ポリオール(G)を含む接着剤組成物(X)は、基材(A)がポリオレフィンフィルム、又はフッ素樹脂フィルム等の難接着フィルム基材面に対して有効である。ポリオール(E)100重量部に対する、ポリオール(G)の添加量は、難接着性の基材(A)に対する接着性及び耐久性の観点から、5〜30重量部が好ましい。5重量部未満では、接着力が不十分である場合があり、30重量部を超えると、ポリオール(E)との相溶性が悪く、耐久性も悪くなる場合がある。
<エポキシ樹脂(H)>
接着剤組成物(X)は、接着性及び耐加水分解性の観点から、ポリオール(E)中のエステル結合が加水分解して生成するカルボキシル基と反応する樹脂として、エポキシ樹脂(H)を含有させることが好ましい。エポキシ樹脂(H)は、耐湿熱性を向上させる効果がある。
エポキシ樹脂(H)としては、以下に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスクレゾールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、1,6−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、プロピレンオキサド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、エピクロルヒドリン変性フタル酸、エピクロルヒドリン変性ヘキサヒドロフタル酸、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられ、これらの1種類、又は2種類以上を使用することができる。接着剤組成物(X)を2液型として用いる場合は、ポリオール(E)と一緒に、主剤として用いるのが好ましい。
エポキシ樹脂(H)の中でも、接着力及び耐湿熱性の観点から、数平均分子量300〜5,000のエポキシ樹脂が、好ましい。数平均分子量300〜5000のエポキシ樹脂としては、例えば、市販品としては、以下に限定するものではないが、ジャパンエポキシレジン社製、エピコート825、827、828、834、1001、1002、1003、1055、1004、1007、806、807、若しくは4004シリーズ、東都化成(株)製、YD−127、YD−128、YD−115、YD−134、YD−011、YD−012、YD−013、YD−014、YD−017、YD−019、アデカ社製、アデカレジンEP−4100、4300、4340、4200、4400、4500、4510、4520、4530、4901、4930、4950、5100、4000、4005、1307、4004、4080、若しくは4092シリーズ、又は、DIC社製、エピクロン152、153、1121N、1123N、N−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−695、N−660、N−672、N−662、N−655、N−673、850、830、4032、7120、7015、若しくは7200シリーズ等が挙げられる。
接着剤組成物(X)において、エポキシ樹脂(H)の配合量は、接着力及び耐湿熱性の観点から、ポリオール(E)100重量部に対して、20〜50重量部が好ましい。更に好ましくは、20〜40重量部である。20重量部未満では耐湿熱性の向上効果が十分でなく、50重量部を超えると、接着剤が硬くなり、接着性が低下する場合がある。
<シランカップリング剤(I)>
接着剤組成物(X)は、金属箔、又は金属蒸着フィルム、シリカ、アルミナ等の無機蒸着フィルム等を基材(A)として使用する場合、接着強度を向上させる観点から、シランカップリング剤(I)を含有させることが好ましい。
シランカップリング剤(I)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、及びビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及びγ−(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類;
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びγ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;
N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;
並びに、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及びγ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて使用できる。尚、「(メタ)アクリロキシ」は、「アクリロキシ」又は「メタクリロキシ」を意味する。
シランカップリング剤(I)の添加量は、ポリオール(E)100重量部に対して、0.1〜5重量部であることが好ましく、1〜3重量部であることがより好ましい。0.1重量部未満では、シランカップリング剤を添加することによる前期基材(A)の接着強度向上効果に乏しく、5重量部以上添加しても、それ以上の性能の向上は認められない場合がある。
接着剤組成物(X)は、主剤と硬化剤とを使用時に混合する、いわゆる2液混合タイプの接着剤であってもよいし、主剤と硬化剤とが予め混合された1液タイプの接着剤であってもよい。更に、複数の主剤及び/又は複数の硬化剤を使用時に混合するタイプであってもよい。通常、主剤は、ポリオール(E)、必要に応じて、その他のポリオール、シランカップリング剤(I)、エポキシ樹脂(H)、有機溶剤、その他の添加剤を含み、硬化剤は、ポリイソシアネート(F)、必要に応じて、ブロック化剤によりブロック化されたポリイソシアネート、有機溶剤、その他の添加剤を含む。
必要に応じて、ポリオール(E)以外のその他のポリオールとして、ポリオール(E)の前駆体として挙げた上記ポリオールを使用することができる。
その他の添加剤としては、金属密着を向上させるために、リン酸系化合物、例えば、リン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸や、それらのエステル等を添加することができる。
その他、接着剤組成物(X)は、接着剤用として公知の添加剤を、主剤に配合することができ、例えば、反応促進剤を使用することができる。具体的には、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジマレート等金属系触媒;
1 ,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の3級アミン;
トリエタノールアミンのような反応性3級アミン等が挙げられ、これらの群から選ばれた1種又は2種以上の反応促進剤を使用できる。
ラミネート外観を向上させる目的で、公知のレベリング剤又は消泡剤を、主剤に配合することもできる。
レベリング剤としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、アラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル系共重合物、メタクリル系共重合物、ポリエーテル変性ポリメチルアルキルシロキサン、アクリル酸アルキルエステル共重合物、メタクリル酸アルキルエステル共重合物、レシチン、又はそれらの混合物等公知のものが挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、シリコーン溶液、アルキルビニルエーテルとアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルとの共重合物、又はそれらの混合物等の公知のものが挙げられる。
硬化剤としては、上記ポリイソシアネート(F)の他に、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意に、周知のオキサゾリン化合物、例えば、2,5−ジメチル−2−オキサゾリン、若しくは2,2−(1,4−ブチレン)−ビス(2−オキサゾリン)、又は、ヒドラジド化合物、例えば、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、若しくはアジピン酸ジヒドラジド等を含むことができる。
又、接着剤組成物(X)は、公知の有機溶剤を含有させ、有機溶剤溶液として使用することができる。有機溶剤としては、以下に限定されるものではなく、酢酸エチル、若しくは酢酸ブチル等のエステル系溶剤、又は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、若しくはシクロヘキサノン等のケトン系溶剤等が挙げられ、これらを単独又は2種以上混合して用いることができる。
本発明に係る接着剤組成物(X)を用いて反射用積層体を製造するには、通常用いられている方法を採用できる。例えば、一方の基材(A)の片面に、コンマコーターやドライラミネーターによって接着剤組成物(X)を塗布し、必要に応じて溶剤を揮散させた後、他方の反射用積層体の他構成物とを貼り合わせ、常温もしくは加温下で硬化させて、接着層(B)を形成する。基材およびまたは反射用積層体の他構成物表面に塗布される接着剤量はドライ換算で、1〜50g/m2程度であることが好ましい。反射用積層体を目的に応じて多層構成とする場合は、各層の貼り合わせの全て、又は一部に接着剤組成物(X)も用い、接着層(B)を形成することができる。
多層の反射用積層体を製造する際に、基材(A)として例えば、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、フッ素系フィルム等様々なフィルム基材の未処理面や、ポリプロピレン等のオレフィン基材等、一般の接着剤組成物では接着させることが極めて困難である基材面に塗工して使用する場合、接着剤組成物(X)およびそれからなる接着層(B)は高い接着性を有しているため好ましい。
反射層(C)は、太陽光を反射する機能を有することが必要である。そのため、金属を含むそうであることが好ましい。金属は、白金、金、銀、アルミニウム、銅、鉄またはニッケルなどの金属、またはその合金、並びにインジウムスズなどの合金が好ましい。これらに金属の中で、反射率の観点から銀が好ましい。
反射層(C)は、上記の金属を乾式法として真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの従来公知の製造方法で得ることができる。または、金属箔を使用することもできる。
反射層(C)の厚さは、特に制限はないが乾式法の場合は、通常20nm〜200nm程度が範囲から適宜選択される。厚さが20nm未満では反射率が悪く、一方200nmを超えても反射率の更なる向上はみられないからである。また金属箔の厚さは、1〜40μmが好ましい。
以下に反射層(C)の製造方法について1例を挙げて説明する。しかし、他の製造方法の使用を妨げるのもではない。
反射層(C)は、基材(A)に、必要に応じてアンカー層(J)を設け、銀を蒸着することで反射層(C)を得ることができる。
前記アンカー層(J)としては、高透明で高環境耐久性があり、反射率を向上させる樹脂であれば特に制限はないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などのいずれからなる塗料、例えば、アミノ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、アクリル−スチレン共重合体、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルブチラール、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート、ニトロセルロース、セルロースアセテート、アルキッド系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリアミド系樹脂などの単独、又はこれらの混合物からなる樹脂が用いられる。又上記樹脂は、可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、腐食防止剤、などの添加剤を含むものであってもよい。
前記アンカー層(J)は、前記した樹脂を溶剤にて希釈した組成物を前記基材(A)の片面にグラビアコーティング法、リバースロールコーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法などの通常のコーティング法により塗布、乾燥(硬化性樹脂の場合には硬化)して形成される。アンカー層(J)の厚さは、特に制限はないが通常0.01〜3μm程度の範囲から適宜選択され、厚さが0.01μm未満では前記基材(A)の表面を均一に被覆することができず、耐久性及び反射率向上を付与するといった効果が充分に発揮できないためアンカー層(J)を設けた効果が得られないために好ましくない。一方3μmを超えてもアンカー層(J)の乾燥速度が遅くなり非効率的でコスト的に好ましくない。
保護層(D)は、フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(a)と、ポリシロキサン鎖を有する単量体(b)と、架橋性官能基を含む単量体(c)とを含む単量体を共重合してなる重合体(L)を含む樹脂組成物(Y)を塗工し、乾燥することで形成することが好ましい。樹脂組成物(Y)は、さらに単量体(a)、単量体(b)および単量体(c)以外の単量体(d)を共重合してなる重合体(M)を含むことがより好ましい。
一般的に撥水、撥油、表面滑性に優れたフッ素化合物のコーティング組成物では、十分な機能を得るためには化合物のフッ素含有量を多くしなければならず、多量のフッ素を含有させた場合、フッ素が高価であるため材料のコストが上がってしまうという欠点があった。また、フッ素系の樹脂を用いた場合の多くは、加工性、基材との密着性などが非常に悪いという問題点があった。そのため反射用積層体においては、高度な耐候性、積層体構成物同士の接着性、さらには表面保護性の高次元での両立を必要とされるために、使用するにおける課題解決の難度が非常に高かった。
そこで、樹脂組成物(Y)を成膜してなる保護層(D)において、含フッ素重合体が塗膜の表面に局在化することを利用して、架橋性官能基を有する重合体に、架橋性の官能基、フルオロアルキル基、及びポリシロキサン鎖を有する共重合体を混合することにより、少ないフッ素含有量で撥水性、撥油性が高く、且つ、ポリシロキサン鎖を有する事により水の滑落性、滑り性、防汚性を有し、更に架橋剤として架橋性の官能基と反応可能な化合物を加え、架橋性官能基を熱架橋させることにより、保護層(D)と、反射用積層体の構成層、特に反射層(C)との高い密着性を発現し、強靱で且つ優れた耐候性発現とを両立する優れた保護層(D)を形成することに成功した。
樹脂組成物(Y)を構成する、重合体(L)成分で用いられる、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とフルオロアルキル基を有する単量体(a)の例として、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、1H,1H,11H−イコサフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレート類;
フルオロブチルエチレン、フルオロヘキシルエチレン、フルオロオクチルエチレン、フルオロデシルエチレン等のフルオロアルキル、アルキレン類等が挙げられる。本発明において、一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とフルオロアルキル基を有する単量体(a)は、撥水性、撥油性、防汚性等の表面特性を塗膜に付与する為に不可欠のものであり、要求性能に応じてこれらの内から1種類、あるいは2種類以上を混合して使用でき、20〜80重量%の共重合比率で用いるのが好ましく、十分な表面特性を得るためには40重量%以上共重合する事が望ましく、さらにハロゲン原子を含まない溶剤に溶解させるためには70重量%以下の共重合比率にすることが望ましい。
樹脂組成物(Y)を構成する、重合体(L)成分で用いられる一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とシロキサン鎖を有する単量体(b)の例として、チッソ(株)製のサイラプレーンFM−2231、FM−2241、FM−2242、FP−2231、FP−2241、FP−2242、東芝シリコーン(株)製のXF40−A1987、TSL9706、TSL9646、TSL9686などの両末端ビニル基含有ポリシロキサン化合物、2東芝シリコーン(株)製のTSL9705などの片末端ビニル基含有ポリシロキサン化合物、チッソ(株)製のサイラプレーンFM−0711、FM−0721、FM−0725などの片末端(メタ)アクリロキシ基含有ポリシロキサン化合物が挙げられる。一分子中に炭素炭素不飽和二重結合とシロキサン鎖を有する単量体(b)は撥水性、防汚性、滑り性等の表面特性を保護層(D)に付与する為に不可欠のものであり、要求性能に応じてこれらの内から1種類、あるいは2種類以上を混合して使用でき、1〜70重量%の共重合比率で用いられるが、十分な表面特性を得るためには5重量%以上共重合する事が望ましく、さらにハロゲン原子を含まない溶剤への溶解性、塗膜硬度、各表面特性のバランスを考慮すると50重量%以下の共重合比率にすることが望ましい。各要求特性に応じ共重合比は決定される。
樹脂組成物(Y)を構成する、重合体(L)成分、及び重合体(M)成分で用いられる炭素炭素不飽和二重結合と架橋性の官能基を有する単量体(c)は、塗工後に熱架橋させて成膜して保護層(D)とし、反射用積層体の構成層、すなわち反射層(C)との密着性、硬度、及び耐久性等の性能を付与するために用いられる。架橋性の官能基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イソシアノ基、エポキシ基が挙げられる。ヒドロキシル基を有する単量体(c)の例としては、2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4ーヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
また、カルボキシル基を有する単量体(c)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸などが挙げられる。また、イソシアノ基を有する単量体(c)の例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートなどの他、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ(メタ)アクリレートを、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、コロネートLなどのポリイシアネートと反応させて得られるものが挙げられる。また、エポキシ基を有する単量体(c)の例としては、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド、1、3−ブタジエンモノエポキサイドなどが挙げられる。
要求性能に応じてこれらの内から1種、または2種以上を混合して用いることができる。また、重合体(L)中で用いるものと、重合体(M)中で用いるものとは、必ずしも、同一である必要はない。単量体(c)は、重合体(L)中では、79〜10重量%の共重合比率で用いられる。10重量%より小さい場合は、保護層(D)の充分な硬度、反射用積層体の構成層、すなわち構成される反射層(C)との密着性が得られず、79重量%より大きい場合は、撥水性、撥油性、防汚性、水の滑落性等の保護層(D)の性能が低下する。また、重合体(M)中では、20〜100重量%の共重合比率で用いられる。20重量%より小さい場合は、充分な硬度、及び反射用積層体の構成層、すなわち反射層(C)との密着性が得られない。
本発明で用いられる(a)、(b)、(c)以外の炭素炭素不飽和二重結合を有する単量体(d)は、硬度、強靭性、柔軟性、加工性、耐擦傷性、光沢向上等の保護層(D)への物性付与のために用いられる。この単量体として(i)(メタ)アクリル酸誘導体、(ii)芳香族ビニル単量体、(iii)オレフィン系炭化水素単量体、(iv)ビニルエステル単量体、(v)ビニルハライド単量体、(vi)ビニルエーテル単量体等があげられる。
(i)(メタ)アクリル酸誘導体の例として、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸塩、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート等が上げられる。
(ii)芳香族ビニル単量体の例として、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、モノフルオロメチルスチレン、ジフルオロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレ等の一部の水素がフッ素置換されたスチレン類等が上げられる。
(iii)オレフィン系炭化水素単量体の例として、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1、4−ペンタジエン等が上げられる。
(iv)ビニルエステル単量体の例として、酢酸ビニル等が上げられる。
(v)ビニルハライド単量体の例として、塩化ビニル、塩化ビニリデン、モノフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン等が上げられる。
(vi)ビニルエーテル単量体の例として、ビニルメチルエーテル等が上げられる。
これらは、2種以上用いても良い。単量体(d)は、重合体(L)に対して、0〜30重量%で用いられる。また、重合体(M)に対して、0〜80重量%で用いる。80重量%より大きい場合は、保護層(D)と太陽光反射用積層体の構成層、例えば銀から構成される反射層(C)との十分な密着性が得られない。また、重合体(L)との相溶性が低下し、均一かつ良好な保護層(D)が得られない。
重合体(L)および重合体(M)は、公知の方法、例えば、溶液重合で得られる。用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの使用が可能である。溶媒は2種以上の混合物でもよい。合成時の単量体の仕込み濃度は、0〜80重量%が好ましい。
重合開始剤としては、通常の過酸化物またはアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルバレノニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペルオキシドなどが用いられ、重合温度は、50〜140℃、好ましくは70〜140℃である。得られる重合体の好ましい平均重量分子量は、重合体(L)、重合体(M)共に、2,000〜100,000である。
また本発明においては、樹脂組成物(Y)中の架橋性の官能基を架橋させるために、種々の架橋剤を用いる。代表的な架橋剤としては、ヘキサメチロール化メラミン、ヘキサメトキシメチル化メラミン、ヘキサブトキシメチル化メラミンなどのアルキロール基またはアルコキシ基を有するメラミン系化合物、シアヌール酸、アンメリド、メラミン、ベンゾグアナミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアミノピリジン、ベンゾグアナミン樹脂、メタノール変性メラミン樹脂、尿素樹脂などのアミノ樹脂、ヒドラジン、ADHなどのヒドラジン系化合物、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの直鎖状ジアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、m−キシレンジアミン、ポリシクロヘキシルポリアミン、ビス(アミノメチル)ビシクロ[2・2・1]ヘプタン、メチレンビス(フランメタンアミン)などの環状ジアミン1,6−ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチレントリアミンなどのポリアミン、
トルイレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート、あるいは、これらとグリコール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、コロネートLなどの多価イソシアネート、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ヘキサン二酸、クエン酸、マレイン酸、メチルナディク酸、ドデセニルコハク酸、セバシン酸、ピロメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などのジカルボン酸、及びこれらの酸無水物グリオキザル、テレフタルアルデヒドなどのジアルデヒド、グリシン、アラニンなどのアミノ酸および、そのラクタム、クエン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシペンタン酸などのヒドロキシカルボン酸およびそのラクトン、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、などのジオール、1,1,1−トリメチロールプロパンエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、ズルシトール、マンニトール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、グアヤコール、ヘキシルレゾルシン、ピロガロール、トリヒドロキシベンゼン、フロログルシン、ジメチロールフェノールなどの多価アルコール、または多価フェノール系化合物、またはこれらのアルコキシ変性物、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1、6ーヘキサンジオールジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステルなどのジエポキシ化合物、油化シェルエポキシ社製、商品名エピコート801、802,807,815,827,828,834,815X,815XA1、828EL,828XA、1001、1002、1003、1055、1004、1004AF、1007、1009、1010、1003F、1004F,1005F,1100L,834X90,1001B80,1001X70,1001X75,1001T75,5045B80,5046B80,5048B70,5049B70、5050T60、5050、5051、152、154、180S65,180H65,1031S,1032H60、604、157S70などのエポキシ樹脂、ピロりん酸、亜りん酸エチル、ビスフェノールA変性ポリりん酸、亜りん酸トリフェニルなどのりん化合物、りん酸ジクロリド化合物などが挙げられる。
これらの架橋剤の中で、ヒドロキシル基を有する単量体(c)を用いた場合は、アミノ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジイソシアネート、ジアルデヒド、ジエポキシ化合物、エポキシ樹脂、りん化合物、りん酸ジクロリド化合物などの使用が好ましい。また、カルボキシル基を有する単量体(c)を用いた場合は、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ジアミン、ポリアミン、ジイソシアネート、ジエポキシ化合物、エポキシ樹脂などの使用が好ましい。また、イソシアノ基を有する単量体(c)を用いた場合は、ヒドラジン系化合物、ジアミン類、ジカルボン酸およびその無水物、ジオール、多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、ジエポキシ化合物、エポキシ樹脂などの使用が好ましい。また、エポキシ基を有する単量体(c)を用いた場合は、ジカルボン酸およびその無水物、多価アルコールまたは多価フェノール系化合物、またはこれらのアルコキシ変性物、アミノ樹脂、ジイソシアネート、多価イソシアネート、アミノ酸および、そのラクタム、ヒドロキシカルボン酸およびそのラクトン、ジアミン、ポリアミンなどの使用が好ましい。これらの架橋剤は2種類以上使用してもよく、その総使用量は架橋剤を除く樹脂組成物100重量%に対して1〜500重量%、好ましくは10〜200重量%の範囲である。
また本発明においては、樹脂組成物(Y)中の架橋性の官能基の架橋反応、もしくは架橋性の官能基と架橋剤との架橋反応を促進させるために、それぞれの官能基に応じて、種々の架橋触媒を用いることができる。代表的な架橋触媒としては、アルミニウムトリアセチルアセトネート、鉄トリアセチルアセトネート、マンガンテトラアセチルアセトネート、ニッケルテトラアセチルアセトネート、クロムヘキサアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、コバルトテトラアセチルアセトネートなどの金属錯化合物、アルミニウムエトキシド、アルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンブトキシドなどの金属アルコキシド、酢酸ナトリウム、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)などの金属塩化合物、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、リン酸、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのリン酸エステル、モノアルキル亜リン酸、ジアルキル亜リン酸などの酸性化合物、p−トルエンスルホン酸、無水フタル酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸、イタコン酸、シュウ酸、マレイン酸などの酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩、水酸化ナトリウム、リチウムクロライド、ジエチル亜鉛、テトラ(n−ブトキシ)チタン、などの有機金属化合物、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルエチルアミンなどのアミン類などが挙げられる。
これらの架橋触媒の中で、ヒドロキシル基を有する単量体(c)を用いた場合は、酸性化合物、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩、などの使用が好ましい。また、カルボキシル基を有する単量体(c)を用いた場合は、酸及びそれらのアンモニウム塩、低級アミン塩、多価金属塩などの使用が好ましい。また、イソシアノ基を有する単量体(c)を用いた場合は、アミン類、金属塩化合物などの使用が好ましい。また、エポキシ基を有する単量体(c)を用いた場合は、有機金属化合物、アミン類などの使用が好ましい。これらの架橋触媒は2種類以上使用してもよく、その総使用量は架橋触媒を除いた樹脂組成物100重量%に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
本発明においては、必要に応じ本発明による効果を妨げない範囲で、充填剤、チクソトロピー付与剤、着色顔料、体質顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、硬化剤等の各種の添加剤を樹脂組成物(Y)に添加してもよい。
樹脂組成物(Y)は、重合体(L)、重合体(M)、架橋剤、必要に応じて架橋触媒、添加剤を溶剤に混合溶解して得られる。溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などの内から樹脂の組成に応じて使用する。溶剤は2種以上の用いてもよい。混合方法に特に限定はないが、通常は、重合時に使用した重合体溶液をそのまま混合し、攪拌羽根、振とう攪拌機、回転攪拌機などで攪拌すればよい。塗工性などの向上のために、さらに溶媒を追加したり、濃縮してもよい。また、重合体(L)と重合体(M)の混合比率は、含フッ素単量体(a)が、重合体(L)と重合体(M)の合計の0.1〜10重量%となるようにすることが好ましい。0.1重量%より小さい場合は、充分な撥水効果が得られず、10重量%より大きい場合は、コスト高となる。
こうして得られた樹脂組成物(Y)は、反射用積層体の構成層、すなわち反射層(C)等に塗布され、乾燥、硬化することにより成膜されて保護層(D)となり、密着性、高硬度による傷付き性向上、撥水性、撥油性、滑性等に優れた機能を発現する。塗布方法には特に限定はないが、浸漬塗装、吹き付け塗装、刷毛塗りなどで塗布ができる。塗装された樹脂組成物(Y)は、30〜350℃で数秒〜数週間加熱し架橋させることにより、強靱な保護層(D)を得ることができる。
本発明の反射用積層体は、前記した基材および各層の他に、目的に応じた基材およびまたは層を最適な構成の位置に設けて多層構成としてよい。
例えば、紫外線吸収機能を有する、基材やコーティング組成物から成る紫外線吸収層、酸化防止機能を有する、基材やコーティング組成物から成る酸化防止層、酸素、水蒸気の透過を防ぐ、基材やコーティング組成物から成るガスバリア層、銀の腐食を防止する、基材やコーティング組成物から成る腐食防止層があげられる。
本発明の反射用積層体は、太陽光入光側の反対面の最外面に、従来公知の粘着剤または接着剤組成物(接着剤組成物(X)は除く)からなる粘・接着層(K)を設け、他の機体へ貼付けて使用することができる。また、当然上記(K)の代わりに接着層(B)を介して、他機体へ貼付けて使用しても良い。
以下に、本発明の反射用積層体の構成例を例示するが、本例示のみに限定されるものではない。各種目的に応じた層構成とすることができる。
記号:基材(A)、接着層(B)、銀から構成される反射層(C)、保護層(D)、アンカー層(J)、粘・接着層(K)
構成(1) (K)/(A)/(B)/(A)/(J)/(C)/(D) 太陽光入光側
構成(2) (K)/(A)/(B)/(A)/(B)/(A)/(J)/(C)/(D) 太陽光入光側
構成(3) (B)/(A)/(B)/(A)/(J)/(C)/(D) 太陽光入光側
構成(4) (B)/(A)/(B)/(A)/(B)/(A)/(J)/(C)/(D) 太陽光入光側
構成(5) (B)/(A)/(J)/(C)/(D) 太陽光入光側
本発明に係る反射用積層体は、太陽熱発電システムや、集光型太陽電池システムに用いられるフィルム型の太陽光反射ミラーとして、これまでの課題であった耐候性、表面防汚性、傷付き性を飛躍的に改善した。すなわち高い接着強度を提供し、屋外暴露時の経時的な接着強度の低下を抑え、長期間にわたる強い接着強度の維持を可能とした。また太陽光入光側表面の保護層が撥水、撥油性に優れるため、反射面に汚れが付き難く反射率低下を大幅に防ぐことを可能とし、また高い表面硬度と滑性を有するために傷付き性にも優れ、砂塵による日々の傷付きを防止とするとともに、反射面の洗浄プロセス時の傷付きも防ぐため、メンテナンス性を大幅に向上することを可能とし、発電効率と反射ミラーの寿命を大幅に向上した。これらは前記した発電システムの普及に繋がり、国内外の再生可能エネルギー確保の観点からも環境保全に寄与することとなる。

Claims (3)

  1. 基材(A)と、接着層(B)と、反射層(C)と、
    フルオロアルキル基を有する含フッ素単量体(a)と、ポリシロキサン鎖を有する単量体(b)と、架橋性官能基を含む単量体(c)とを含む単量体を共重合してなる重合体(L)とを含む保護層(D)を備えた反射用積層体。
  2. 保護層(D)が、さらに、単量体(a)、単量体(b)および単量体(c)以外の単量体(d)を共重合してなる重合体(M)を含むことを特徴とする請求項1記載の反射用積層体。
  3. 接着層(B)が、数平均分子量が、5,000〜50,000であり、かつ、ガラス転移温度(Tg)が、−85〜−35℃であるポリオール(E)、及び、1分子中に平均2.5〜7個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(F)を含有する接着剤組成物(X)から形成してなることを特徴とする請求項1または2記載の反射用積層体。
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