JP2015196761A - 太陽電池モジュール用透明保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐候性を備えるポリカーボネート基材の太陽電池モジュール用の透明保護シートを提供する。【解決手段】太陽電池モジュールの表面側又は裏面側に配置される透明保護シートであって、ポリカーボネート樹脂を含有する基材層の表面に耐候層が形成されており、前記耐候層中には、紫外線吸収剤を含有し、主剤樹脂の水酸基価が18mg/g以上100mg/g以下であり、且つ、前記主剤樹脂のOH価に対する前記ポリイソシアネート化合物のNCO価の比であるNCO/OH比が0.5以上4.0以下であり、主溶剤のSP値が19.3以上20.3以下であり、補助溶剤のSP値は22.0以上であり、前記コーティング液の塗布量が3.0g/m2以上15.0g/m2以下である太陽電池モジュール用透明保護シートの製造方法である。発電に寄与する波長をカットせずにポリカーボネート樹脂の黄変を防止できる。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の透明保護シート、更に詳しくは裏面透明保護シート又は表面透明保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、たとえば受光面側から、透明前面基板、前面封止材、太陽電池素子、背面封止材及び透明保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記の太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
太陽電池モジュールは長期間にわたって屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたる過酷な環境での屋外使用に耐え得る耐久性が求められる。なかでも表面又は裏面に用いられる透明保護シートには、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐薬品性等に優れることが望まれている。なかでも透明保護シートは従来の裏面透明保護シートしても使用されるし、前面ガラスに代わる表面透明保護シートとしての利用も期待されている。
このような透明保護シートとして、耐衝撃性・耐熱性・難燃性等において、高い物性を示すポリカーボネート系樹脂を基材層とし、当該基材層上に無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の面に、該無機酸化物の蒸着膜を保護する保護樹脂層を設けた裏面保護シートが開示されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の裏面保護シートによれば、長期間にわたる過酷な環境での屋外使用に耐え得る耐久性を備えるポリカーボネート系封止材とすることができる。
特開2001−284610号公報
ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性・耐熱性・難燃性等において、高い物性を示すため、太陽電池モジュール用保護シートとして優れた特性を有する。しかし、ポリカーボネート樹脂は波長340nmから400nmの間の波長の紫外線を吸収するため、太陽光を長時間照射すると、太陽光に含まれる紫外線によって黄変するという問題がある。そのため、保護シートとしてポリカーボネート樹脂を用いた場合には、長時間の使用により意匠性の劣る保護シートとなってしまう。さらに保護シートを、フロントシート又は両面採光モジュール用透明裏面シート等の透明用途向け保護シートとして用いた場合には、黄変により保護シート内で可視光が吸収され、太陽電池素子に当たる可視光が減少する。そのため、太陽電池の発電効率が低下するという問題が生じる。
また、一般に、耐候層と基材層の接着性の向上と耐候層の耐溶剤性の向上とは、互いにトレードオフの関係にあるため、耐候層の基材層に対する接着性と耐溶剤性との両立は困難である。例えば、イソシア系の硬化剤を用いたら耐候層の場合、耐候層中のNCO/OH比を高めることにより耐溶剤性は向上するが、接着性は逆に低下してしまう。そのため、最外層に耐候性を強化するためのコーティングを施した太陽電池モジュール用透明保護シートであって、太陽電池モジュール用として、十分な接着性と耐溶剤性を兼ね備えつつ、かつ基材層としてポリカーボネート樹脂を用いた場合でも長時間の太陽光の照射による黄変によって発電効率が低下しない太陽電池モジュール用透明保護シートの開発が強く望まれていた。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、ポリカーボネート樹脂を基材樹脂とする太陽電池用モジュール用の透明保護シートであって、透明保護シートの黄変による発電効率低下への影響を最小限としつつ、優れた耐候性、耐溶剤性、基材との接着性を有する透明保護シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂を基材樹脂とする太陽電池モジュール用透明保護シートの製造方法について、ポリカーボネート樹脂からなる基材層上に波長340nmから400nmの間に吸収極大を有する紫外線吸収剤を備えたコーティング液を用い、紫外線吸収剤の量やコーティング層を形成する際に用いる溶剤の種類と物性等を本願独自の特定範囲のものに限定することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)ポリカーボネート基材の表面に耐候層が形成されている透明保護シートの製造方法であって、水酸基を有する主剤樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、波長340nmから400nmの間に吸収極大を有する紫外線吸収剤と、溶剤と、を含有してなるコーティング液を塗布後に硬化させて前記耐候層を前記ポリカーボネート基材上に形成する工程を備え、前記主剤樹脂の水酸基価が18mg/g以上100mg/g以下であり、且つ、前記主剤樹脂のOH価に対する前記ポリイソシアネート化合物のNCO価の比であるNCO/OH比が0.5以上4.0以下であり、前記紫外線吸収剤の含有量が、前記主剤樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であり、前記溶剤は、主溶剤、又は、前記主溶剤と補助溶剤との混合物であり、前記主溶剤は、SP値が19.3以上20.3以下であり、前記溶剤100質量部に対する含有量が50質量部以上100質量部以下であり、前記補助溶剤のSP値は22.0以上であり、前記溶剤100質量部に対する含有量が0質量部以上50質量部以下であり、前記コーティング液の塗布量が3.0g/m以上15.0g/m以下である、透明保護シートの製造方法。
(2)下記条件下における耐侯試験後の全光線透過率が75%以上である(1)に記載の透明保護シートの製造方法。
試験条件:A(照射):照度60±5 mW/cm、照射波長範囲295nmから780nm、63℃50%RHで20時間照射。その後、B(結露)30℃98%RHで4時間(Bの前後に25℃の水で10秒間シャワー)、その後、C(照射休止):30℃98%RHで0.01時間、をABC1サイクルとして1000時間行う。
(3)前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群より選択される一つ以上である(1)又は(2)に記載の透明保護シートの製造方法。
(4)太陽電池モジュールの最表面側及び/又は最裏面側に、前記耐侯層が露出する態様で(1)から(3)のいずれかに記載の透明保護シートが配置されている太陽電池モジュール。
本発明によれば、太陽電池モジュール用透明保護シートを、ポリカーボネート樹脂からなる基材層上にOH基(水酸基)を有する主剤樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、波長340nmから400nmの間に吸収波長を有する紫外線吸収剤と、溶剤とを含有してなるコーティング液を用いてポリカーボネート基材上に耐候層を形成する工程を備え、主剤樹脂のOH価、ポリイソシアネートの配合量、紫外線吸収剤の塗布量、溶剤の主溶剤、補助溶剤のSP値や溶剤量を限定することによって、黄変による発電効率低下への影響を最小限としつつ、優れた耐候性、耐溶剤性、及び基材層との接着性を有する太陽電池モジュール用透明保護シートを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュール用の透明保護シートを用いた太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の透明保護シートの層構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール用の透明保護シートの製造方法について説明する。先ず初めに本発明の製造方法によって製造することのできる透明保護シートの好ましい一実施形態について説明し、その後、本発明の製造方法の詳細について説明する。尚、本発明は、以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュールの基本構成>
前段として、透明保護シートを好ましく用いることができる太陽電池モジュールの構成について簡単に説明する。図1は、本発明の一実施形態である太陽電池モジュ−ル1について、その層構成の一例を示す断面図である。太陽電池モジュール1は、図1に示すように受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、透明保護シート6が順に積層された構成である。透明保護シートは、このように太陽電池モジュール1において最外層に配置されるものである。そのため高い耐候性、長期にわたる耐久性を備えることが必須となっている。なお、本発明における透明保護シートは、必ずしも裏面透明保護シートには限定されず、上述のように、たとえばガラスなどの透明前面基板2に代わる表面透明保護シートとしても利用できる。
<透明保護シート>
本発明の実施形態である透明保護シート6を、図2を用いて説明する。透明保護シート6は、基材層60と、本発明における耐候層61とを備える積層体である。耐候層61は、基材層60の両面のうち、太陽電池モジュール1として一体化された際に、最外層となる側の面に形成される。
なお、本発明における透明とは、全光線透過率が75%以上であることをいい、80%以上であることが好ましい。
[基材層]
基材層60は、ポリカーボネートを含有する第1主剤樹脂からなる樹脂シートであり、その一方の表面に、耐候層61が積層されることにより、本発明の透明保護シート6となる。基材層60の厚さは特に限定されないが15μm以上であれば機械強度の面で好ましく、300μm以下であれば加工適性の面で好ましい。
基材層60は、ポリカーボネートを主成分として含む樹脂である。ポリカーボネートは、その化学構造から、耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性に優れている他、透明性を有する。又、ガラス移転点(Tg)が約150℃と高く、加熱時の熱変形も少ない。そして、露出面側に設けられる耐候層61と組み合わせた積層体とすることで、ポリカーボネートの欠点である耐紫外線劣化性を付与することができる。
基材層60は、本発明の効果を害さない範囲内で、ポリカーボネート以外の他の樹脂を含有してもよい。又、例えば、加工性、耐熱性、耐光性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤、その他の樹脂等を添加することができる。これら添加剤等の添加量としては、特に限定されず、その目的に応じて、任意に添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、滑剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、着色用添加剤、顔料、改質用樹脂等を挙げることができる。
[耐候層]
耐候層61は、主剤樹脂と硬化剤と紫外線吸収剤と溶剤と、を含む混合物からなる耐候層61を形成するための溶液(以下、単に「コーティング液」とも言う)を、基材層60の一方の表面に塗布し、塗布されたコーティング液から皮膜を形成させたものである。又、耐候層61は、ポリイソシアネート化合物等の硬化剤によって主剤樹脂を架橋した架橋樹脂として形成されているものであることが好ましい。尚、本明細書の以下の説明では、硬化剤によって架橋されて硬化する前の樹脂化合物のことを「架橋性主剤樹脂(又は単に主剤樹脂)」と呼び、耐候層に含まれる樹脂、即ち硬化して耐候層を形成している架橋樹脂と区別する。
耐候層61の厚さは、特に限定されず、透明保護シート6が適用される条件に合わせて適宜決定すればよい。耐候層61の厚さとしては、0.1〜30μmが好ましく、0.5〜7μmがより好ましい。耐候層61の厚さが0.1μm未満であると、十分な耐候性を付与することができず、又、耐候層61の厚さが30μmを超えても、塗布するコーティング液の量が多く必要であり、コストが嵩むため好ましくない。
(主剤樹脂)
耐候性コーティング液の主剤樹脂としては、ポリイソシアネート化合物と反応するための水酸基を有する樹脂などを適宜用いることができる。具体的な例としては、架橋性置換基含有アクリル樹脂(以下、単に「アクリル樹脂」とも言う。)、架橋性置換含有フッ素樹脂、架橋性置換基含有ビニル樹脂、架橋性置換基含有オレフィン樹脂等を用いることができる。これらの中でも、架橋性置換基含有アクリル樹脂又は、アクリル樹脂とフッ素系樹脂からなる樹脂(以下、単に「アクリル/フッ素樹脂」とも言う。)を特に好ましく用いることができる。
主剤樹脂として特に好ましく用いることができるアクリル樹脂及びアクリル/フッ素樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための水酸基を複数有し、ポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。又、アクリル樹脂及びアクリル/フッ素樹脂は、いずれも、耐候性、耐薬品性が良好である点から、耐候層61の耐溶剤性を確保することができる。又、アクリル樹脂及びアクリル/フッ素樹脂は、それ自体は、基材層60を形成するポリカーボネート樹脂との接着性については必ずしも十分ではないが、後に説明する通り、本発明の透明保護シート6においては、主剤樹脂のOH価、イソシアネート化合物のNCO価の比、主溶剤及び補助溶剤のSP値と特定することによって各層間の接着性を十分に強固なものとしているため、耐溶剤性に優れるアクリル樹脂及びアクリル/フッ素樹脂を、透明保護シート6においては、主剤樹脂として特に好ましく用いることができる。
主剤樹脂の一例となる架橋性置換基含有アクリル樹脂について説明する。主剤樹脂として用いられるアクリル樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための架橋性置換基を複数有し、ポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。ここで、架橋性置換基としては、水酸基を用いる。主剤樹脂は、溶剤可溶性の樹脂又は溶剤に分散可能な樹脂から選択される。入手性及び架橋反応性の観点から、架橋性置換基は水酸基とする。また、主剤樹脂の水酸基価の範囲を18以上100以下とすることで、好ましい耐溶剤性と接着性を両立させることができる。
アクリル樹脂としては、一種又は二種以上のアクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーとを共重合させたものや、一種又は二種以上のアクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーと、一種又は二種以上のエチレン性モノマーとを共重合させたものが使用される。ここで、アクリル酸樹脂を得るために使用するモノマーとして、上記のモノマーに加えて、アクリル酸樹脂に耐光性を付与するための置換基を有するモノマーを使用してもよい。
このようなアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル化合物と、(メタ)アクリル酸若しくはアルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等を有するアルキル(メタ)アクリレート系モノマーと、を共重合させたものが挙げられる。又、共重合のために使用されるモノマーとして、更に、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等が挙げられる)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のエチレン性不飽和結合を有する各種の化合物を使用してもよい。これらの中でも(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、少なくとも(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルと水酸基含有(メタ)アクリレートからなる共重合体が好適に使用される。又、このような樹脂の好ましい質量平均分子量としては、1000〜300000が挙げられる。
主剤樹脂の他の一例として、上記のアクリル樹脂に、更に、フッ素系の樹脂を添加したアクリル/フッ素樹脂について説明する。アクリル樹脂に更に添加するフッ素系の樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等、及びこれらの混合物を用いることができる。アクリル樹脂にこれらのフッ素系樹脂を添加することによって、耐候性がより向上するため、これらのアクリル/フッ素樹脂を主剤樹脂として好ましく用いることができる。
以上、例示した主剤樹脂の水酸基価は18以上100以下であり、好ましくは、20以上90以下である。主剤樹脂の水酸基価が18以上であることにより、充分に架橋が進行して、耐候層61により好ましい耐溶剤性を付与することができる。主剤樹脂の水酸基価が100を超えると、主剤樹脂の一部が未反応のまま耐候層61に残存して透明保護シート6の耐候性が低下するため好ましくない。
(硬化剤)
主剤樹脂の架橋反応を進行させる硬化剤としては、硬化剤として、ポリイソシアネート化合物を用いることができる。ポリイソシアネート化合物とは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物である。
ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂を架橋して硬化(高分子量化)させ、耐候層61に含まれる樹脂を形成させる。このとき、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂とともに耐候層61に含まれる樹脂の一部となる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香族−脂肪族系等が挙げられるが、耐候層が長期間に亘って外部環境に曝されることに伴う着色を抑制するという観点からは、脂肪族系、脂環式系のポリイソシアネート化合物が好ましく使用される。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等といった炭素数3〜12の脂肪族イソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等といった炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ビューレット、イソシアヌレート変性物等)等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。又、架橋樹脂が架橋ウレタン樹脂の場合には末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであってもよい。
また、主剤樹脂のOH価に対するポリイソシアネート化合物のNCO価の比であるNCO/OH比を0.5以上、4.0以下とする。NCO/OH比が0.5未満であると、耐候層の耐溶剤性が劣ることとなるため好ましくない。また、NCO/OH比が4.0を超えると耐候層の接着性が劣ることとなるため好ましくない。
(溶剤)
耐候性コーティング液に使用される溶剤は、基材層60に対する塗布性を耐候性コーティング液に付与するために添加される。耐候性コーティング液が基材層60に塗布された後、塗布された耐候性コーティング液に含まれる溶剤が揮発し、次いで生じる硬化反応により、基材層60の表面に耐候層61が形成される。よって、溶剤は、耐候層61を構成する主剤樹脂、硬化剤等の成分を溶解又は分散させることができるものであること、及びコーティング液に含まれる硬化剤と反応しないものであればよい。
又、本発明における溶剤は、所定のSP値等範囲等、本願特有の所定の条件を満たすものである限り、単一種類の有機系溶剤である主溶剤単体であってもよく、或いは、当該主溶剤に、その主溶剤以外の有機系溶剤である補助溶剤を添加してなる混合物であってもよい。
又、本発明におけるコーティング液の塗布量(3.0g/m以上15.0g/m)における溶剤の量は好ましくは、固形分が20〜60%が好ましいため、1.2g/m以上12.0g/m以下にする。溶剤の塗布量が12.0g/m以上であると全光線透過率が低下し、太陽電池の発電効率が低下する観点から好ましくなく、溶剤の塗布量が1.2g/m以下であるとUV遮蔽性が不足し、耐候性が悪くなる観点から好ましくない。
主溶剤は、SP値が19.3以上20.3以下の溶剤である。そして、溶剤100質量部に対する主溶剤の含有量は、50質量部以上100質量部以下である。このような主溶剤の好ましい具体例として、メチルイソブチルケトン(MIBK)等を挙げることができる。その他の用いることができるものの例として、シクロヘキサノンを挙げることができる。
そして、補助溶剤は、SP値が22.0以上の溶剤である。そして、溶剤100質量部に対する補助溶剤の含有量は、溶剤100質量部に対して0質量部であってもよく、0質量部以上50質量部以下である。このような補助溶剤の好ましい具体例として、イソプロピルアルコール(IPA)等を挙げることができる。
更に、本発明における溶剤は、上記の主溶剤と補助溶剤の他、SP値が19.2以下で、酢酸ブチルの蒸発速度を基準値1としたときの相対的な蒸発速度(本明細書における「蒸発速度」とは、この速度のことを言うものとする。)が6.0以上である速乾性溶剤を更に含むものであってもよい。但し、速乾性溶剤の溶剤中の含有量は、溶剤100質量部に対して50質量部以下である。主溶剤、補助溶剤よりも相対的にSP値の小さいこの溶剤を更に添加することによって、溶剤の基剤への過度の浸透を抑制することができるが、一方、蒸発速度の大きな速乾性溶剤の溶剤中の含有量が、溶剤100質量部に対して50質量部を超えると、製造適性が低下するために好ましくない。具体的には、保存中や使用中における溶剤の不規則な成分蒸発に対する適切な粘度調整や維持が困難となるためである。このような速乾性溶剤の好ましい具体例として、メチルエチルケトン(MEK)を挙げることができる。その他の用いることができるものの例として、酢酸エチル、アセトン、トルエン等をあげることができる。このように蒸発速度の異なる溶剤を適切に混合することによって、溶剤の塗工の際に、その乾燥速度を調整して耐候性コーティング層61の形成に係る製造適性を向上させることができる。
上記組成からなる本発明に係る溶剤は、一般にSP値が概ね18程度とされているポリカーボネートの一部を、適切な程度範囲内で溶解する性質を持つものであることが推定される。このような溶剤をポリカーボネート樹脂に塗布した場合には、例えば、その樹脂表面から0.1μm〜5μm程度の範囲にある部分を適度に溶解させることによって、基材層60と耐候性耐候層61との接着性の向上に寄与しうるものであると考えられる。本発明に係る溶剤について、製造方法に関わる詳細は、追って本発明の透明保護シートの製造方法の説明とともに後述する。
(紫外線吸収剤)
耐候層61中には、紫外線吸収剤を含有する。紫外線吸収剤は、太陽電池モジュールの裏面側より入射した紫外線から、耐紫外線性が不十分である基材層60を保護するために設けられる。つまり、紫外線吸収剤は、透明保護シート6において、紫外線吸収剤よりも太陽電池モジュールの内部側に存在する各層を紫外線から保護するために設けられる。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収するための有機系の紫外線吸収剤であり、具体的には、波長340nmから400nmの間に吸収極大を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はトリアジン系紫外線吸収剤を用いる。これによって、400nmを超える光線を有効に取り込めるので発電量を低下させることなく、ポリカーボネートの紫外線吸収による劣化(黄化)を抑制できる。好ましくは、波長350nmから400nmの間に吸収極大を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はトリアジン系紫外線吸収剤である。このようなベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はトリアジン系紫外線吸収剤として、具体的には、いずれも商品名で、TINUVIN(登録商標)326(最大吸収波長353nm)、TINUVIN(登録商標)234(最大吸収波長343nm)、TINUVIN(登録商標)329(最大吸収波長343nm)、TINUVIN(登録商標)479、TINUVIN(登録商標)1577又は、KEMISORB(登録商標)102が好ましく用いられ、なかでもTINUVIN(登録商標)326(最大吸収波長353nm)が特に好ましく用いられる。
なお、上記の紫外線吸収剤は、必要に応じて2種以上混合して用いても良い。
紫外線吸収剤の含有量が、前記主剤樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下、好ましくは1質量部以上10質量部以下含有することで、太陽光のうちポリカーボネートの黄変に影響を与える340nmから400nmの間の波長の紫外線を有効に遮断することが可能となり、耐候層の透明度を確保し、透明保護シートの黄変による発電効率低下への影響を最小限にするという本発明の目的を達成することができる。
(その他の添加剤)
耐候層61中には、その他、例えば、シートの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を必要に応じて添加することができる。その他の添加剤としては、分散剤、消泡剤、光安定化剤、熱安定剤、酸化防止剤等が例示される。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、コーティング液や耐候層61に求められる性能に応じて、適宜選択される。
[その他の層]
本発明の透明保護シート6には、本発明の効果を害さない範囲で、その他の層を設けてもよい。例えば、基材層60の耐候層61が形成されていない側の面には、必要に応じて、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる接着強化層や、或いは、シランカップリング剤等の接着性向上剤を含有する樹脂混合物からなるプライマー層を設けてもよい。或いは、基材層60と接着強化層等との間に、例えば透明保護シート6の強度を増すための他の補強層を設けてもよい。
<透明保護シートの製造方法>
次に本発明の透明保護シートの製造方法について説明する。透明保護シート6は、基材層60の一表面上に、上記のコーティング液を用いて、耐候層61を皮膜形成するコーティング工程を経ることによって製造することができる。
コーティング液の固形分量は20%以上60%以下となるように適宜溶剤にて調整される。又、粘度は通常50cP/25℃以上500000cP/25℃以下であることが好ましく、100cP/25℃以上100000cP/25℃以下であることが更に好ましい。
コーティングは従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような塗布方法として、印刷法、グラビアコーターによるコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、ベタコーティング法、はけ塗り法等を例として挙げることができる。
コーティング液の塗布量としては、耐候性、塗工性能、コストの観点から、乾燥質量で、3.0g/m以上15.0g/m(乾燥質量)以下が好ましく、5.0g/m以上10.0g/m以下であることが、より好ましい。
塗布後の乾燥は、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような方法としては、加熱法、減圧乾燥法、熱風乾燥法、自然乾燥法等が例示されるが、特に限定されない。溶剤を揮発させた後、架橋反応を更に十分に進行させるために、透明保護シート6を養生に付すことが好ましい。養生の条件は、使用される主剤樹脂及び硬化剤の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、40℃以上60℃以下で3〜7日間放置することが挙げられる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び透明保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃以上190℃以下の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜60分の範囲内が好ましく、特に8〜40分の範囲内が好ましい。このようにして、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュ−ル1を製造することができる。
以下、実施例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<耐候性コーティング液の製造>
(製造例1〜20)
まず最初に、製造例1〜20として、本発明の透明保護シートに使用する耐候性コーティング液を製造した。耐候性コーティング液については、以下に説明する主剤樹脂とポリイソシアネート化合物を所定量配合して製造した。具体的製造方法を以下に説明する。
[主剤樹脂]
表1に示す通り、各製造例毎に、主剤樹脂として、以下の主剤樹脂1〜4を用いた。
主剤樹脂1:アクリルポリオール樹脂、水酸基価81
主剤樹脂2:アクリルポリオール樹脂、水酸基価30
主剤樹脂3:アクリルポリオール樹脂、水酸基価20
主剤樹脂4:アクリルポリオール樹脂、水酸基価17.5
[硬化剤]
表1に示す通り、各製造例毎に硬化剤1又は2のいずれかの、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系のポリイソシアネート化合物を用いた。
硬化剤1:株式会社昭和インク工業所製HDIビゥレットタイプ硬化剤。固形分100%
硬化剤2:製品名「FG700」(株式会社DNPファインケミカル社製)。固形分80%
[紫外線吸収剤]
表1に示す通り、各製造例毎に紫外線吸収剤1〜3のいずれかの、波長350nmから400nmの間に吸収極大を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及び紫外線吸収剤4の290nmに吸収極大を有するトリジアン系紫外線吸収剤を用いた。
紫外線吸収剤1:TINUVIN(登録商標)326(最大吸収波長353nm)
紫外線吸収剤2:TINUVIN(登録商標)234(最大吸収波長343nm)
紫外線吸収剤3:TINUVIN(登録商標)329(最大吸収波長343nm)
紫外線吸収剤4:TINUVIN(登録商標)479(最大吸収波長290nm)
[溶剤]
各製造例毎に、下記の主溶剤、補助溶剤、速乾性溶剤をそれぞれ表1に示す割合で混合した溶剤を用いた。主溶剤、補助溶剤、速乾性溶剤それぞれのSP値と蒸発速度については、表1に示す通りである。溶剤の各溶剤耐候性コーティング液の樹脂濃度は重量基準で、5〜11%となるようにそれぞれ調整した。
主溶剤:MIBK(製品名「MIBK」、三協化学社製)
補助溶剤:IPA(製品名「IPA」、三協化学社製)
速乾性溶剤:MEK(製品名「MEK」、三協化学社製)
上記それぞれの主剤樹脂、硬化剤及び紫外線吸収剤を、下記表1の配合比(質量部)で含有する製造例1〜20の耐候性コーティング液を調整した。尚、製造例1〜20の耐候性コーティング液について、主剤樹脂100質量部に対するポリイソシアネート化合物のNCO基の質量を、測定した。その結果を表1中において、「NCO量」として示した。
Figure 2015196761
<透明保護シートの製造>
上記の通り製造した製造例1〜20の各耐候性コーティング液を、表2に記載の通りに、透明保護シートの基材層の一方の面に、塗布し、続いて塗布された耐候性コーティング液から溶剤成分を蒸発させることによって、耐候性コーティング層を形成し、実施例1〜11及び比較例1〜11の透明保護シートを製造した。尚、透明保護シートの基材層としては、下記に示した基材シート1又は2を用いた。耐候性コーティング液の塗布量は、10〜20g/mとし、塗布はミヤバー法により行い、2分間、100℃のオーブンによる乾燥で溶剤を蒸発させ、更に、40℃で7日間放置して養生した。
透明保護シート用基材:下記の基材シート1又は2を透明保護シート用の基材層として用い、後述する試験方法により接着性を評価した
基材シート1:ポリカーボネートシート:厚さ200μm(三菱ガス化学株式会社製)
基材シート2:ポリエチレンテレフタレート(PET)基材:厚さ188μm(商品名「ルミラーS10」、東レ社製)
<透明保護シートの評価>
[接着性試験]
上記の通り作成した実施例及び比較例の透明保護シートについて、ASTM D3359、JIS 5400に準じた接着性試験を行い、各層間の接着性を以下の基準で評価した。結果については、「接着性」として、下記表2に示す。
5B:0%のコーティング剥離
4B:5%未満のコーティング剥離
3B:5%以上15%未満のコーティング剥離
2B:15%以上35%未満のコーティング剥離
1B:35%以上65%未満のコーティング剥離
0B:65%以上のコーティング剥離
[変形性確認試験]
上記の通り作成した実施例及び比較例の透明保護シートについて、25℃×30分で溶剤を完全に揮発させた状態におけるカール状の変形の有無を目視にて観察した。各透明保護シートのカール変形性について以下の基準で評価した。結果については、「カール変形」として、下記表2に示す。
A:カール変形なし。
B:端部が浮いた状態
C:端部の側面が上を向いた状態
D:端部が丸まっている状態
[耐溶剤性試験]
実施例及び比較例の透明保護シートの耐候性コーティング層側の表面に、ASTM D5402−06に準じた耐溶剤試験を実施した。溶剤にはアセトンを染み込ませたコットンを用い、1500gの力で約1秒間に1回の速度で30往復擦り、表面を観察、以下の評価基準により評価した。評価結果については、「耐溶剤性」として、下記表2に示した。
A:コーティング層の剥離無し、外観変化無し
B:コーティング層の剥離無し、外観変化有り
C:15往復擦りでコーティング層の剥離
D:5往復擦りでコーティング層の剥離
[製造適性試験]
実施例及び比較例の透明保護シートについて、製造適性の評価を行った。評価は、テストコーターにおいて、ラインスピードを20m/minまで上げた時の面質及びブロッキング性で評価した。以下の評価基準により評価した評価結果について、「製造適性」として、下記表2に示した。
A:塗工ムラがなく、乾燥後ブロッキングがなきこと
D:塗工ムラ若しくは、乾燥後ブロッキングする
[黄変性評価試験]
下記試験条件にて光照射試験を行った。
メタルハライドランプ方式試験機 JTM G 01 2000 日本試験機工業会規格 JTM STANDARD Metalhalide Lamp type apparatus
装置名称:ダイプラ・メタルウェザー(ダイプラ・ウィンテス株式会社製)
型式:KU−R5CI−A
光源ランプ:MW−60W
フィルター:KF−1(照射範囲295nmから780nm)
照度:60±5 mW/cm2(ウシオ電機(株)製照度計使用)
試験条件:Lite(照射)63℃50%RH 20時間、Dew(結露)30℃98%RH 4時間、Rest(休止):30℃、98%RH、0.01時間、Dew前後に10sシャワー を1サイクルとして1000時間。シャワーには25℃、導電率2μS/cm以下の純水を使用。
その後、基材層の黄変の程度を評価するために、イエローインデックス(YI)を測定した。YIの測定は、スガ試験機株式会社製のSMカラーコンピュータ(モデルSM−7 Ver3.11L、測定条件:C光源、視野角2度、反射、d−8(正反射光除く))を使用して行った。このYIの測定を下記湿熱又は耐光試験の前後で行い、その変化量ΔYI=YI(試験後)−YI(試験前)を算出した。YIを評価した。評価結果については、「黄変性」として、下記表2に示した。
[評価基準]
◎:ΔYIが0.5未満である
○:ΔYIが0.5以上1.0未満である
△:ΔYIが1.0以上2.0未満である
×:ΔYIが2.0以上である
[透明性評価試験]
基材の透明性を評価する為に、島津製作所製UV3100を使用し、JIS K7361−1:1997に準じて全光線透過率を測定を行った。
[評価基準]
◎:全光線透過率が80%以上である
○:全光線透過率が75%以上である
×:全光線透過率が75%未満である
Figure 2015196761
表2より、本発明の透明保護シートは、発電量、耐紫外線劣化性において優れたものであり、太陽電池モジュール用の透明保護シートに、好ましい透明性と耐候性とを付与することができるものであることが分かる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 透明保護シート
60 基材層
61 耐候層

Claims (4)

  1. ポリカーボネート基材の表面に耐候層が形成されている透明保護シートの製造方法であって、
    水酸基を有する主剤樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、波長340nmから400nmの間に吸収極大を有する紫外線吸収剤と、溶剤と、を含有してなるコーティング液を塗布後に硬化させて前記耐候層を前記ポリカーボネート基材上に形成する工程を備え、
    前記主剤樹脂の水酸基価が18mg/g以上100mg/g以下であり、且つ、前記主剤樹脂のOH価に対する前記ポリイソシアネート化合物のNCO価の比であるNCO/OH比が0.5以上4.0以下であり、
    前記紫外線吸収剤の含有量が、前記主剤樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であり、
    前記溶剤は、主溶剤、又は、前記主溶剤と補助溶剤との混合物であり、
    前記主溶剤は、SP値が19.3以上20.3以下であり、前記溶剤100質量部に対する含有量が50質量部以上100質量部以下であり、
    前記補助溶剤のSP値は22.0以上であり、前記溶剤100質量部に対する含有量が0質量部以上50質量部以下であり、
    前記コーティング液の塗布量が3.0g/m以上15.0g/m以下である、透明保護シートの製造方法。
  2. 下記条件下における耐侯試験後の全光線透過率が75%以上である請求項1に記載の透明保護シートの製造方法。
    試験条件:A(照射):照度60±5 mW/cm、照射波長範囲295nmから780nm、63℃50%RHで20時間照射。その後、B(結露)30℃98%RHで4時間(Bの前後に25℃の水で10秒間シャワー)、その後、C(照射休止):30℃98%RHで0.01時間、をABC1サイクルとして1000時間行う。
  3. 前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群より選択される一つ以上である請求項1又は2に記載の透明保護シートの製造方法。
  4. 太陽電池モジュールの最表面側及び/又は最裏面側に、前記耐侯層が露出する態様で請求項1から3のいずれかに記載の透明保護シートが配置されている太陽電池モジュール。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018180260A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 富士フイルム株式会社 太陽電池用フロントシート及びその製造方法並びに太陽電池モジュール
WO2023190536A1 (ja) * 2022-03-28 2023-10-05 大日本印刷株式会社 化粧シート及び化粧材

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