JP2017028107A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】基材に対して良好な密着性を示す遮光層が形成された遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シート等を提供すること。【解決手段】遮光層を備える太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、遮光層は、樹脂中に白色顔料が分散され、樹脂は、複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂と複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂との混合物が、ポリイソシアネート化合物により架橋され、フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、前記(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上、90質量%以下であり、(メタ)アクリル樹脂のTgが15℃以上65℃以下であり、(メタ)アクリル樹脂のOH価が6.5mg/g以上30mg/g以下であり、NCO/OH比が、1.0以上、2.0以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートである。【選択図】なし

Description

本発明は、遮光シートを備える太陽電池モジュール用裏面保護シートに関し、さらに詳しくは、積層体である太陽電池モジュール用裏面保護シートの一層を構成するために使用される遮光シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、表面側充填材シート、太陽電池セル、裏面側充填材シート、及び裏面保護シートの各部材が順に積層された構造であり、太陽光が上記太陽電池セルに入射することにより発電する機能を有している。
このような太陽電池モジュールは、屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたって屋外における過酷な環境に耐え得る特性が求められる。特に、上記部材の中で裏面保護シートは、太陽電池モジュールの外側で使用されるので、高いレベルの耐候性や耐光性等が求められる。
このような裏面保護シートの部材として、特許文献1では、耐加水分解性樹脂フィルムと金属酸化物被着樹脂フィルム及び白色樹脂フィルムとの3層積層体からなることを特徴とする太陽電池カバー材用裏面保護シートが提案されている。この白色樹脂フィルムは、樹脂に白色顔料を練りこんだものであり、裏面保護シートまで入射してきた光を反射させて太陽電池素子に戻し、電力変換効率を向上させるために使用される。そのため、この白色樹脂フィルムは、裏面保護シートの中で光入射側に最も近いところに配置される。
しかし、特許文献2に提案された裏面保護シートでは、遮光性を有する白色樹脂フィルムが裏面保護シートの中の光入射側(太陽電池セルに近い側)に最も近いところに配置されるので、裏面保護シートのうち、外部側に位置する層(太陽電池モジュールの裏面側の層)は、白色樹脂フィルムの遮光性による保護を受けることができない。このため、裏面保護シートの外部側を構成する層では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等といった、低コスト且つ加工性に優れるが耐光性の劣る素材を使用することができない。このような観点からは、裏面保護シートに遮光性を付与するための層は、裏面保護シートの中で最も外側の層に設けられることが望ましい。また、裏面保護シートに遮光性を付与するための層は、加工性の観点から、コーティング加工によって設けられることが望ましい。
そこで、特許文献2では、白色顔料と複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物とポリイソシアネート化合物とを含有するコーティング液を基材の表面に塗布して、当該コーティング液から形成された被膜である遮光層を基材の表面に形成させる場合、当該コーティング液中、白色顔料を上記樹脂化合物及びポリイソシアネート化合物の100質量部に対して70質量部以上とすることによって、遮光層である被膜と基材との密着性を向上させた太陽電池用裏面保護シートが提案されている。
特開2002−100788号公報 特開2011−210835号公報
近年、太陽電池モジュールに対する低コストの要求はさらに高まっている。特許文献2では、低コストでありながら、ポリエチレンテレフタレート(PET)等基材との密着性、白色顔料の分散性、光隠蔽性やガスバリア性の高い遮光シートが提示されているものの、硬化剤と主剤樹脂の配合比、主剤樹脂のOH価、及び主剤樹脂のガラス転移温度(Tg)等、遮光シートの耐久性や密着性の向上に関連すると考えられる最適なパラメータについては検討がされていない。
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、積層体である太陽電池モジュール用裏面保護シートの一層を構成するために使用され、基材に対して良好な密着性を示す遮光層がコーティングによって形成された遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シート等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂配合比、(メタ)アクリル樹脂のTg、(メタ)アクリル樹脂のOH価、硬化剤のNCO価と主剤樹脂のOH価との比であるNCO/OH比を最適化することによって、遮光層を形成するコーティング液の分散性、遮光層と基材との密着性、遮光層の耐久性を有するものとし、同時に耐久性の観点から好ましい硬度を有する遮光層を有する優れた太陽電池モジュール用裏面保護シートであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)基材の片面に厚さ1μm以上30μm以下のコーティングによる遮光層を有し、前記遮光層が太陽電池モジュールの裏面側の表面となるように最外層に配置される太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、前記遮光層は、樹脂中に白色顔料が分散されたものであり、前記樹脂は、複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂と複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂との混合物が、ポリイソシアネート化合物により架橋されたものであり、前記フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、前記(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上90質量%以下であり、前記(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度が15℃以上65℃以下であり、前記(メタ)アクリル樹脂のOH価が6.5mg/g以上30mg/g以下であり、前記樹脂のOH価に対する前記ポリイソシアネート化合物のNCO価の比であるNCO/OH比が、1.0以上2.0以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(2)前記白色顔料が前記樹脂100質量部に対して50質量部以上300質量部以下である(1)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(3)前記白色顔料が酸化チタンである(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートが使用された太陽電池モジュール。
本発明によれば、積層体である太陽電池モジュール用裏面保護シートの一層を構成するために使用され、基材に対して良好な密着性を示す遮光層がコーティングによって形成された遮光シート、及びそのような遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シート等が提供される。
本発明の具体的な実施形態について説明する。本実施形態は、基材の片面に遮光層を有し、積層体である太陽電池モジュール用裏面保護シートの一層を構成するために使用される遮光シート(以下、単に遮光シートと表記することがある)、その遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シート、及びその太陽電池モジュール用裏面保護シートが使用された太陽電池モジュールである。
<遮光シート>
本実施形態に関する遮光シートについて説明する。本実施形態に関する遮光シートは、基材の片面側の表面に遮光層を有する樹脂シートである。遮光層に含まれる樹脂は、フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上90質量%以下含まれており、(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は15℃以上65℃以下である。遮光層を形成するコーティング液に含まれる複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物は、ポリイソシアネート化合物によって架橋されてなる。つまり、遮光層に含まれる樹脂は、複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物とポリイソシアネート化合物との反応物である。また、この遮光層には、樹脂と白色顔料とが少なくとも含まれ、遮光層中、樹脂100質量部に対して白色顔料が50質量部以上300質量部以下分散されていることが望ましい。なお、本明細書の以下の説明では、複数の架橋性置換基を有する樹脂化合物、すなわちポリイソシアネート化合物で架橋されて硬化する前の樹脂化合物のことを「主剤樹脂」と呼び、遮光層に含まれる樹脂、すなわち硬化して遮光層を形成した樹脂と区別する。
本実施形態に関する遮光シートの基材の表面に遮光層を形成させるためのコーティング液について説明する。コーティング液は、複数の架橋性置換基を有する主剤樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、白色顔料と、溶剤と、を含み、必要に応じて各種の添加剤を含む。白色顔料は、コーティング液中に分散される。ここで、主剤樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応することで架橋され高分子量化する。このため、このコーティング液は、主剤樹脂と白色顔料とを含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とから構成され、使用の直前にこれらを混合する2液タイプであることが好ましい。なお、ポリイソシアネート化合物とは、1分子中に複数のイソシアネート基を含む化合物である。以下、各構成材料について説明する。
[主剤樹脂]
本実施形態に関する遮光シートの遮光層に含まれる主剤樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂(以下、単に「フッ素樹脂」とも呼ぶ。)及び架橋性置換基を複数有する(メタ)アクリル樹脂(以下、単に「(メタ)アクリル樹脂」とも呼ぶ。)が用いられ、これらがポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。また、これらは、フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂は60質量%以上90質量%以下含まれている。
本実施形態に関する遮光シートの遮光層を形成するコーティング液(以下、単にコーティング液と表記することがある)には主剤樹脂を溶解又は分散するための有機系の溶剤が含まれる。そして、塗布されたコーティング液から溶剤を乾燥させた後、コーティング液に含まれる主剤樹脂がポリイソシアネート化合物によって架橋されて遮光層である被膜を形成させる。塗布されたコーティング液は、コーティング液の溶剤を揮発させるために、例えば1〜5分間60〜200℃に加熱されることが望ましく、100℃〜150℃で加熱することがより望ましい。その後、架橋反応を十分に行なわせるためのエージング期間として、例えば40〜50℃で3〜4日間放置される。溶剤を乾燥させる温度及び時間、並びにエージングを行う際の温度及び時間は、使用する溶剤、主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物の種類に応じて適宜調節される。
本実施形態に関する遮光層は、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池モジュールの裏面側の表面となるように(すなわち、受光面側とは反対側)配置される。つまり、遮光層は、長期に亘る太陽電池モジュールの使用期間において、紫外線や風雨等といった苛酷な自然環境に晒されることになるので、高い耐光性や耐候性が求められる。このような観点から、遮光層を形成のために使用される主剤樹脂としては、フッ素樹脂、フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との混合物、が使用され、中でも入手性及び架橋反応性の観点からは、水酸基を複数有するフッ素樹脂と水酸基を複数有する(メタ)アクリル樹脂との混合物が使用される。
(フッ素樹脂)
本実施形態に関する遮光層(遮光層を形成するコーティング液)に含まれるフッ素樹脂について説明する。フッ素樹脂は、いわゆる変性フッ素樹脂であり、例えば、フルオロオレフィンと架橋性置換基を含むモノマーとの共重合体である。この共重合体を構成するモノマーとして、さらに、エチレン性不飽和結合を有するその他のモノマーを併用してもよい。このようなフッ素樹脂は、耐光性や耐候性を付与するフッ素原子を含み、遮光層に耐光性や耐候性等を付与する。架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂としては、樹脂中のフッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上90質量%以下含まれ、65質量%以上85質量%以下が好ましく、70質量部以上80質量%以下がより好ましい。(メタ)アクリル樹脂の量が90質量%を超えると、遮光層に良好な耐光性や耐候性等を付与することができない。また、樹脂中のフッ素原子の量が60質量%未満となると、白色顔料が十分に分散性を有することができない上、樹脂に溶解性や反応性等を付与するための官能基を十分に導入することができない。
このようなフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物、クロロトリフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物等が例示される。これらの中でも、クロロトリフルオロエチレンとヒドロキシル基含有ビニルエーテルとの共重合物が好適に使用される。このような樹脂の一例として、質量平均分子量1000以上30000以下、水酸基価5mg/g以上200mg/g以下のクロロトリフルオロエチレンとジエチレングリコールモノアリルエーテルと酪酸ビニルとの共重合物が挙げられる。
(フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との混合物)
次に、フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との混合物について説明する。これは、架橋性置換基を複数有するフッ素樹脂と、(メタ)アクリル樹脂とを混合させたものであり、フッ素樹脂による耐光性や耐候性等と、(メタ)アクリル樹脂による基材への密着性とを遮光層に付与することができる。フッ素樹脂としては、上記で説明したものを使用することができる。(メタ)アクリル樹脂としては、一種又は二種以上の(メタ)アクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーとを共重合させたものや、一種又は二種以上の(メタ)アクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーと、一種又は二種以上のエチレン性モノマーとを共重合させたものが使用される。ここで、(メタ)アクリル酸樹脂を得るために使用するモノマーとして、上記のモノマーに加えて、(メタ)アクリル酸樹脂に耐光性を付与するための置換基を有するモノマーを使用してもよい。なお、本明細書内において、「(メタ)アクリル」という用語は、「アクリル及び/又はメタクリル」という意味で使用される。
また、本発明に関する(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、15℃以上65℃以下の(メタ)アクリル樹脂を用いる。(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)が15℃未満であると太陽電池モジュール用裏面保護シートの遮光層が耐溶剤性及び硬化性が悪化する。(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)が65℃超になると基材と遮光層との密着性が悪化する。なお、本発明に関する(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、15℃以上55℃以下が好ましく、25℃以上45℃以下がより好ましい。
また、本実施形態に係る遮光層にはフッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂は60質量%以上90質量%以下含まれており、(メタ)アクリル樹脂が主剤樹脂全体に対してリッチであることを特徴とする。60質量%未満であると遮光層中の白色顔料が十分に分散性を有することができなくなることから好ましくなく、90質量%超になると遮光層の耐候性が劣ることとなる点から好ましくない。なお、フッ素樹脂と(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂は65質量%以上85質量%以下が好ましく、70質量%以上80質量%以下がより好ましい。
このような(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル化合物と、(メタ)アクリル酸若しくはアルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等を有するアルキル(メタ)アクリレート系モノマーと、を共重合させたものであって、ガラス転移温度(Tg)が15℃以上65℃以下のものが挙げられる。また、共重合のために使用されるモノマーとして、さらに、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等が挙げられる)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のエチレン性不飽和結合を有する各種の化合物を使用してもよい。これらの中でも(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル酸ヒドロキシエチルとの共重合体であって、ガラス転移温度(Tg)が15℃以上65℃以下のものが好適に使用される。また、このような樹脂の好ましい質量平均分子量としては、1000以上300000以下が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂のOH価は、6.5mg/g以上30mg/g以下とする。6.5mg/g未満であると、遮光層の耐溶剤性及び硬化性が劣ることとなるため好ましくない。一方30mg/g以上であると基材と遮光層との密着性が劣ることとなるため好ましくない。
(その他樹脂)
また、上記フッ素樹脂や(メタ)アクリル樹脂の他にも本発明の範囲であれば、本発明の目的を達成できる範囲で、さらに別の樹脂等を適宜加えてもよい。例えばポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂又はポリオレフィン樹脂に例示される樹脂等を加えてもよい。
コーティング液における主剤樹脂の含有量は、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、40質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、42質量%以上46質量%以下であることがさらに好ましい。コーティング液における樹脂の含有量が10質量%以上であることにより、コーティング液に含まれる白色顔料を良好に分散させることができる。また、コーティング液における樹脂の含有量が60質量%以下であることにより、コーティング液の塗布性が良好になる。
(硬化剤)
本実施形態に関する硬化剤は、NCO基を有するポリイソシアネート化合物を用いる。ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物である。上記のように、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂を架橋して硬化(高分子量化)させ、遮光層に含まれる樹脂を形成させる。このとき、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂とともに遮光層に含まれる樹脂の一部となる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香族−脂肪族系等が挙げられるが、遮光層が長期間に亘って外部環境に曝されることに伴う着色を抑制するという観点からは、脂肪族系、脂環式系のポリイソシアネート化合物が好ましく使用される。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等といった炭素数3〜12の脂肪族イソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等といった炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ビューレット、イソシアヌレート変性物等)等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
ポリイソシアネート化合物の使用量は、NCO/OH比(硬化剤のNCO価/主剤樹脂のOH価の比)が1.0以上2.0以下となる量にし、1.0以上1.5以下となる量とすることが好ましい。NCO/OH比が上記の範囲であれば、基材と遮光層との密着性を良好なものとし、且つ、遮光層の耐溶剤性を好ましいものとすることができる。NCO/OH比が1.0未満になると遮光層の耐溶剤性が悪化し、2.0を超えると基材と遮光層との密着性が悪化するため好ましくない。ポリイソシアネート化合物の使用量は、主剤樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(白色顔料)
次に、本実施形態に関する遮光層に分散される白色顔料について説明する。白色顔料は、コーティング液を塗布し硬化させて作製された遮光層に遮光性及び密着性を付与するために添加される。
白色顔料としては、酸化チタン、タルク、シリカ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム等が例示される。これらの中でも、白色顔料として、酸化チタンが好ましく使用される。なお、酸化チタンには、その結晶構造がルチル型のものと、アナターゼ型のものとが存在するが、アナターゼ型の酸化チタンには酸化触媒作用を呈するものもあるので、ルチル型の酸化チタンを使用することが好ましい。
本実施形態に関する遮光層を形成するコーティング液中の白色顔料の添加量は、上記主剤樹脂100質量部に対して50質量部以上300質量部以下であることが好ましい。そして、コーティング液に添加された白色顔料は、分散状態でコーティング液中に存在する。また、既に説明したように、主剤樹脂とポリイソシアネート化合物とが反応し硬化して遮光層に含まれる樹脂となる。これらのことにより、このコーティング液を塗布し硬化させて形成させた遮光層は、樹脂の100質量部に対して白色顔料を50質量部以上300質量部以下分散させることが好ましく、100質量部以上250質量部以上とすることがより好ましい。被膜に含まれる樹脂100質量部に対して白色顔料を50質量部未満とすると基材上に形成させた被膜と基材との間の密着性が低下し、また可視光における隠蔽性も低下するので好ましくない。また、白色顔料を300質量以上とすると白色顔料の分散性や塗工性が低下するため好ましくない。
(溶剤)
次に、本実施形態に関するコーティング液に使用される溶剤について説明する。溶剤は、基材に対する塗布性をコーティング液に付与し、白色顔料をコーティング液中に分散させるために添加される。コーティング液が基材に塗布された後、塗布されたコーティング液に含まれる溶剤が揮発し、次いで生じる硬化反応により、基材の表面に遮光層が形成される。そのため、遮光層における樹脂成分と白色顔料との比率は、コーティング液中における樹脂成分と白色顔料との比率と同一になる。
本実施形態に関する溶剤としては、主剤樹脂、ポリイソシアネート化合物等の成分を溶解又は分散させることができ、コーティング液に含まれるポリイソシアネート化合物と反応するものでなければ、特に制限されない。このような溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルベンゼン等のような非水溶性の溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のような水溶性の溶剤等が例示される。溶剤は、コーティング液に使用される樹脂成分に合わせて適宜選択され、単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。また、塗工の際に乾燥速度を調整するため、トリプロピレングリコールジメチルエーテルのような高沸点溶剤を添加してもよい。
次に、本実施形態に関するコーティング液に使用される添加剤について説明する。添加剤は、遮光層に対して、耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、難燃性等を付与するために必要に応じて添加される。また、添加剤は、コーティング液の安定性、塗工性、乾燥性、ブロッキング性等を向上させるためにも必要に応じて添加される。
添加剤としては、分散剤、消泡剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤等が例示される。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、コーティング液や遮光層に求められる性能に応じて、適宜選択される。
コーティング液は、主剤樹脂、白色顔料、溶剤、及び必要に応じて添加剤を混合し、白色顔料を分散させることにより調製される。コーティング液中で白色顔料を分散させる方法については、公知の方法を特に制限なく使用することができる。例えば、主剤樹脂、白色顔料、溶剤、及び必要に応じて添加剤を混合して混合液を作製し、その後、撹拌装置を使用してその混合液を撹拌する方法が挙げられる。なお、コーティング液に含まれる成分のうち、ポリイソシアネート化合物については、既に述べたように、保存時に主剤樹脂成分と反応することを避けるために、主剤樹脂及び白色顔料を含む主剤とは別の溶液である硬化剤としておくことが好ましい。この場合、主剤と硬化剤とは、使用の直前に混合されてコーティング液となる。
本実施形態に関するコーティング液の粘度は、コーティング液の塗布方法に応じて適宜設定すればよい。コーティング液の粘度の一例として、好ましくは10〜100cPs、より好ましくは50〜80cPsが挙げられる。コーティング液の粘度は、コーティング液に添加する溶剤の量を加減することにより調整すればよい。
[基材]
次に、本実施形態に関する遮光シートを構成する基材について説明する。基材は、その表面に上述の遮光層が形成されることにより、遮光シートとなる。
基材としては、樹脂をシート状に成型した樹脂シートが使用される。このような樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを使用することができる。これらの樹脂シートの中でも、特に、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンナフタレートが好ましく使用される。中でも、耐加水分解ポリエチレンテフタレート(HR−PET)のフィルム又はシートが特に好ましい。さらに、耐加水分解ポリエチレンテフタレート(HR−PET)の主鎖の末端をカルボキシイミド(例えば、四川東材社製DX10A)で封止した耐加水分解ポリエチレンテフタレート(HR−PET)が特に好ましい。本実施形態に関する遮光層との密着性及び耐久密着性を特に好ましいものとすることができるためである。なお、本明細書では、これらの樹脂をシート状に加工したものの名称として樹脂シートという用語を使用するが、この用語は、樹脂フィルムも含む概念として使用される。
既に述べたように、基材の表面のうち、太陽電池モジュールにおいて外側となる表面には、遮光層が設けられる。したがって、コストの観点から、幾分耐光性の低い樹脂シートを基材として使用することも可能である。このような樹脂シートとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等が例示されるが、限定されない。
基材の厚さは、遮光シートが使用される太陽電池モジュール用裏面保護シートに要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、基材の厚さとしては、10〜300μmが挙げられるが、特に限定されない。
次に、基材の表面に、上記コーティング液を塗布して、遮光層を形成させる方法を説明する。本実施形態に関する遮光層は、基材の表面に上記コーティング液を塗布してコーティング塗膜を形成させ、このコーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発後、コーティング塗膜に含まれる主剤樹脂とポリイソシアネート化合物とを架橋反応させて硬化させることによって形成される。
基材の表面に上記コーティング液を塗布する方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような塗布方法としては、印刷法、グラビアコーターによるコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコティング法、ディップコーティング法、ベタコーティング法、はけ塗り法等が例示される。
コーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発させる方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような蒸発方法としては、加熱法、減圧乾燥法、熱風乾燥法、自然乾燥法等が例示されるが、特に限定されない。コーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発させる条件は、使用される溶剤に合わせて適宜設定すればよいが、例えば、1〜5分間60〜200℃に加熱することが挙げられる。溶剤を蒸発させたコーティング塗膜は、架橋反応を十分に行わせるためのエージングに付される。エージングの条件は、使用される主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、40℃以上50℃以下で3〜4日間放置することが挙げられる。
コーティング塗膜から溶剤が蒸発除去されると、主剤樹脂、白色顔料、ポリイソシアネート化合物及びコーティング液に添加した添加剤が基材の表面に残って膜を形成する。この膜が硬化して遮光層となる。遮光層の厚さは、特に限定されず、遮光シートが適用される条件に合わせて適宜決定すればよい。遮光層の厚さとしては、1μm以上30μm以下とし、10μm以上20μm以下が好ましく挙げられる。遮光層の厚さが1μmを下回ると十分な遮光性を付与することができず、また、耐傷性、耐溶剤性も劣るものとなるため好ましくない。遮光層の厚さが30μmを超えるとコストが上がってしまうため生産性の面から好ましくない。
[太陽電池モジュール用裏面保護シート]
次に、上記遮光シートが使用された本実施形態の太陽電池モジュール用裏面保護シートについて説明する。この太陽電池モジュール用裏面保護シートは、積層体であり、上記遮光シートが最外層に存在する。そして、この太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、上記遮光シートは、その遮光層が最外層に配置される。これにより、太陽電池モジュール用裏面保護シートが太陽電池モジュールに適用された際に、遮光シートの遮光層が太陽電池モジュールの裏面側の表面となる。
上記遮光シートを太陽電池モジュール用裏面保護シートの最外層に積層させる方法は、特に限定されない。一例として、遮光シートの基材側表面に、例えばウレタン系の接着剤を塗布して接着剤面を形成し、この接着剤面を太陽電池モジュール用裏面保護シートに接合させるドライラミネート加工が挙げられる。
[太陽電池モジュール]
次に、上記太陽電池モジュール用裏面保護シートが使用された太陽電池モジュールについて説明する。
太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの裏面側から、太陽電池モジュール用裏面保護シート、第1封止材、太陽電池素子、第2封止材及び透明前面基板の順に積層されて構成される。太陽電池モジュール用裏面保護シートは、上記遮光層とは反対側の表面が第1封止材に接合される。したがって、太陽電池モジュールの裏面と、太陽電池モジュール用裏面保護シートの遮光層側の表面とは一致する。
太陽電池モジュールは、例えば、上記の各層を形成する部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
また、太陽電池モジュールは、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、例えば、Tダイ押出成形等により、太陽電池素子の表面側及び裏面側のそれぞれに、第1充填材及び第2充填材を溶融積層して、太陽電池素子を第1充填材及び第2充填材でサンドし、次いで、透明前面基板及び太陽電池モジュール用裏面保護シートを順次積層し、次いで、これらを真空吸引等により一体化して加熱圧着する方法で製造してもよい。
既に説明したように、上記遮光シートでは、遮光シートの基材と遮光層との間の密着性が低下したとしても、遮光層が基材から剥がれる部分を最小限に抑えることができる。このため、上記太陽電池モジュール用裏面保護シートを太陽電池モジュールにおいて使用することにより、太陽電池モジュール用裏面保護シートに使用された遮光シートの遮光層の部分破壊が発生した場合であっても、その影響が当該遮光層の全体に及ぶことを抑制できる。したがって、上記太陽電池モジュール用裏面保護シートを太陽電池モジュールに使用することによって、太陽電池モジュールの発電性能を長期に亘って維持することができる。このような太陽電池モジュールの発電性能を長期に亘って維持する方法もまた、本発明の一つである。
以下、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<コーティング液の作製>
複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂としてゼッフル(ダイキン社製、製品名:GK−570)を、複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂(質量平均分子量50,000、Tg−10〜80℃、水酸基価8.9mg/g)を、白色顔料として酸化チタン(堺化学工業株式会社製、製品名R−5N:平均粒径0.25μm、アルミナ処理)を、溶剤として酢酸エチル:酢酸ブチル=1:1の混合液をそれぞれ使用した。これらを表1〜3に記載した配合にて各コーティング液の主剤を調製した。なお、主剤の固形分濃度は、43〜45質量%とした。各主剤の調製では、表1〜3に記載した成分及び溶剤を組み合わせて混合物を作製した後、この混合物に対して、ペイントシェーカーを使用して60分間の撹拌を行った。また、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート(IPDI)を表1〜3に示すようにNCO/OH比を調整し、これを各コーティング液における硬化剤とした。これら主剤及び硬化剤は、使用(塗布)の直前に、ポリイソシアネート化合物の配合量が表1〜3に記載した量となるように混合し、コーティング液とした。
[インキ分散性試験]
下記遮光シートに用いられる上記コーティング液のインキ分散性試験を行った。具体的には、各種のコーティング液製造直後の分散性、及び各種のコーティング液を45℃336時間の環境下で静置し、静置後のコーティング液の分散性を保管安定性としてそれぞれ目視にて確認した。下記遮光シートに用いられる上記コーティング液のインキ分散性試験結果を、実施例及び比較例の遮光シートの評価結果として表1に示す(表1中、インキ分散性と表記)。なお、インキ分散性試験の評価は、以下の評価基準により行った。
[評価基準]
◎:非常に良好
○:コーティング液製造直後の分散性は良好であるが静置後の分散性(保管安定性)が良好ではない
△:コーティング液製造直後の分散性が良好ではない
×:樹脂が分離し、インキとして用いることができない
<遮光シートの作製>
耐加水分解ポリエチレンテレフタレート(四川東材社製HR−PET DX10A)のシートを基材とし、この基材の表面に、上記のように調製した各コーティング液をバーコーターにて塗工し、塗工されたコーティング液を110℃で2分間乾燥させた後、40℃で3日間エージングして遮光層(厚さ5μm)を形成し、実施例及び比較例の遮光シートをそれぞれ作製した。
[耐候性試験]
実施例1及び比較例1〜4の遮光シートについて、下記条件により、MW(メタルウェザー)試験を行い、同試験後の各遮光シートについて、接着性試験を行い、下記の評価基準で耐久接着性を評価し、結果を耐候性の評価結果として表1に示した。
(MW試験)
メタルハライドランプ方式試験機JTM G 01 2000 日本試験機工業会規格 JTM STANDARD Metalhalide Lamp type apparatus
装置名称:ダイプラ・メタルウェザー(ダイプラ・ウィンテス株式会社製)
型式:KU−R5CI−A
光源ランプ:MW−60W
フィルター:KF−1(照射範囲295nmから780nm)
照度:60±5mW/cm2(ウシオ電機(株)製照度計使用)
試験条件:Lite(照射)63℃50%RH 20時間、Dew(結露)30℃98%RH4時間、Rest(休止):30℃、98%RH、0.01時間、Dew前後に10sシャワーを1サイクルとして250時間試験実施。
尚、シャワーには25℃、導電率2μS/cm以下の純水を用いた。
[評価基準]
◎:遮光層の剥離なし
○:10%未満の遮光層の剥離があった
△:10以上20%未満の遮光層の剥離があった
×:20%以上の遮光層の剥離があった
[基材密着性試験]
ASTM D3359−09、JIS5600に準じて、実施例及び比較例の遮光シートが使用された太陽電池モジュール用裏面保護シートのそれぞれについて、遮光シートの被膜及び基材にカッターで100マス目(100マスの全体の大きさは10mm×10mm)に傷をつけ、12mm幅のセロハンテープ(ニチバン株式会社製CT405AP−12)をこすり、60度の角度で、引き離した後、残っている部分の面積を、下記の評価基準で耐久接着性を評価し、結果を基材密着性の評価結果として表1〜表3に示した。
[評価基準]
◎:剥がれない
○:残っている部分が90%以上100%未満である
△:残っている部分が80%以上90%未満である
×:残っている部分が80%未満である
Figure 2017028107
((メタ)アクリル樹脂のTgは全て40℃)
表1に示す通り、フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上90質量%以下の実施例1のコーティング液はインキ分散性に優れ、且つ当該コーティング液により製造された実施例1の遮光シートは、良好な耐候性及び基材密着性を得られていることが分かる。
[耐溶剤性試験]
実施例2〜5及び比較例5〜7遮光シートの遮光層側の表面に、ASTMD5402−06に準じた耐溶剤試験を実施した。溶剤にはアセトンを染み込ませたコットンを用い、1500gの力で約1秒間に1回の速度で25回擦り、表面を観察、以下の評価基準により評価した。評価結果については、「耐溶剤性」として、下記表2に示した。
[評価基準]
◎:遮光層の剥離無し
○:15回擦りで遮光層の剥離
△:10回擦りで遮光層の剥離
×:5回擦りで遮光層の完全剥離
[湿熱試験]
実施例1〜8及び比較例5〜10の遮光シートについて、株式会社平山製作所製HASTEST(MODEL PC−R8D)にて、120℃、85%RH、1.65atmの環境下にて96時間保管した。その後、上記基材密着性試験を以下の評価基準により評価した。評価結果については、「湿熱密着性」として、下記表2に示した。
[評価基準]
◎:残っている部分が90%以上100%以下である
○:残っている部分が80%以上90%未満である
△:残っている部分が70%以上80%未満である
×:残っている部分が70%未満である
Figure 2017028107
((メタ)アクリル樹脂のTgは全て40℃)
表2に示す通り、ポリイソシアネート化合物の使用量は、NCO/OH比(硬化剤のNCO価/主剤樹脂のOH価の比)が1.0以上2.0以下である実施例2〜5の遮光シートは、比較例5〜7の遮光シートと比べ、良好な耐溶剤性、基材密着性及び湿熱密着性を得られていることが分かる。
[鉛筆硬度試験]
実施例1、6〜9及び比較例8〜10について鉛筆硬度試験を行った。具体的には、硬度(2B〜4H)の異なる鉛筆の芯が柔らかい順から試料表面に押付けて動かして、傷付きが確認された芯の硬さを表3に示す(表3中、硬度と表記)。
Figure 2017028107
表3に示す通り、遮光シートの遮光層に含まれる(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度が15℃以上65℃以下である実施例1、6〜8の遮光シートは、比較例8〜10の遮光シートと比べ、良好な基材密着性、湿熱密着性及び湿熱密着性を有しており、耐久性の観点から好ましい硬度の遮光層を有する遮光シートが得られていることが分かる。
表1〜3の試験結果から、(メタ)アクリル樹脂の量、(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)、及び硬化剤のNCO価と主剤樹脂のOH価との比であるNCO/OH比を最適化した遮光層が最外層に配置された本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートは、基材に対して良好な密着性を有し且つ耐久性を有する遮光シートを備える太陽電池モジュール用裏面保護シートであることが分かる。

Claims (4)

  1. 基材の片面に厚さ1μm以上30μm以下のコーティングによる遮光層を有し、前記遮光層が太陽電池モジュールの裏面側の表面となるように最外層に配置される太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、
    前記遮光層は、樹脂中に白色顔料が分散されたものであり、
    前記樹脂は、複数の架橋性置換基を有するフッ素樹脂と複数の架橋性置換基を有する(メタ)アクリル樹脂との混合物が、ポリイソシアネート化合物により架橋されたものであり、
    前記フッ素樹脂と前記(メタ)アクリル樹脂との合計質量に対して、前記(メタ)アクリル樹脂が60質量%以上90質量%以下であり、
    前記(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度が15℃以上65℃以下であり、
    前記(メタ)アクリル樹脂のOH価が6.5mg/g以上30mg/g以下であり、
    前記樹脂のOH価に対する前記ポリイソシアネート化合物のNCO価の比であるNCO/OH比が、1.0以上2.0以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  2. 前記白色顔料が前記樹脂100質量部に対して50質量部以上300質量部以下である請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  3. 前記白色顔料が酸化チタンである請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートが使用された太陽電池モジュール。
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