JP5763021B2 - 太陽電池用ポリマーシート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池素子の太陽光入射側の反対側に設けられる太陽電池用ポリマーシート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、一般に、太陽光が入射するガラスまたはフロントシートの上に/封止剤/太陽電池素子/封止剤/バックシート(以下、BSとも言う)がこの順に積層された構造を有している。具体的には、太陽電池モジュールは一般に太陽電池素子をEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の樹脂(封止材)で包埋し、更にこの上に太陽電池用保護シートを貼り付けた構造に構成される。また、この太陽電池用保護シートとしては、従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PET)フィルムが使用されている。
しかし、一般的なPETフィルムは太陽電池用保護シート、その中でも特に最外層となる太陽電池用のバックシート(BS)として長期間使用した際に、太陽電池上で剥がれが発生しやすく、PETフィルム単層のBSでは、屋外等の風雨に曝されるような環境下に長期間置かれるとBSとEVA等の封止材との間で剥がれを生じやすい。この耐候性の問題に対し、従来、主として耐候性フィルムをPETなどの基材フィルムの最外層側に張り合わせた積層体タイプのBSが用いられていた。張り合わせ方式の積層体の中でも最も汎用されていたのは、ポリフッ化ビニルフィルム等のフッ素系ポリマーフィルムであった。
しかしながら、フッ素系ポリマーフィルムを積層体タイプの太陽電池用ポリマーシートとして用いた場合、ポリエステルフィルムとフッ素系ポリマーフィルムとの層間の密着性(接着性)が弱く、特に長期間使用すると層間剥離しやすい問題があった。これに対し、近年、フッ素系ポリマーを含む組成物をPET基材フィルム上に塗布した塗布型バックシートが開発されてきた(特許文献1〜5参照)。例えば、特許文献2等には、特定の厚みのポリエチレンテレフタレート支持体と、含フッ素ポリマー層である耐候性層を塗布により積層したポリマーシートが開示されている。
一方、耐候性層の他、太陽電池用ポリマーシートには、様々な他の機能層も積層されてきている。例えば、特許文献6にはバックシートに酸化チタン等の白色無機微粒子を添加し、光反射性能を持たせた白色層を積層し、セルを素通りした光を乱反射ししてセルに戻すことで発電効率を向上させる方法等が記載されている。更に、バックシートとEVA封止材との間の強固な接着を得るために、バックシートの最表層に易接着層などのポリマー層を設ける場合がある。この点について、白色のポリエチレンテレフタレートフィルムの上に熱接着層を設ける技術が特許文献6に記載されている。
このように多層化が進む傾向にある太陽電池用保護シートは、積層数が増すに連れて、ますます各層間の密着性の問題が生じやすくなってきているのが現状である。さらに近年では、太陽電池の発電効率をより高める観点や集積して設置してコストを低減させる観点などから、屋外などの過酷な場所で、長期間に亘って太陽電池を利用されていることから、各層間の密着性についてもその持続性が求められている。
一方、硬化性樹脂組成物における硬化性の向上等を図ることを目的として、特許文献7には、分子内に複数個の2−オキサゾリン基を有する化合物、分子内に複数個のカルボキシル基を有する化合物、及び触媒を含有する硬化性樹脂組成物が記載されている。
特開2010−95640号公報 特開2010−53317号公報 特開2007−35694号公報 国際公開第2008/143719号パンフレット 特開2010−053317号公報 特開2003−060218号公報 特開平05−25361号公報
しかしながら、特許文献1及び2等の前掲の先行技術文献に記載されるような従来の積層フィルムや積層構造の支持体では、近年太陽電池に求められる各層間の密着性の観点からは、未だ不十分である。更に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーなどのポリマーを含有するポリマー層を適用した場合における密着性の向上については、更なる改良が求められている。
また、特許文献7に記載される如き硬化性樹脂組成物は、カルボキシル基を有する化合物としてアクリル樹脂等の反応性の高い化合物を主バインダーとして用いている。このため、当該硬化性樹脂組成物を、耐候性が要求される太陽電池用途に適用することは困難である。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、ポリマー基材と該ポリマー基材上に設けられたポリマー層との密着性に優れ、且つ、製造適性に優れた太陽電池用ポリマーシート及びその製造方法、並びに安定した発電効率を有する太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> ポリマー基材の一方の面上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、前記バインダーポリマーを架橋するオキサゾリン基を有する架橋剤由来の構造部分を含み、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0.5以上1.0以下である第1のポリマー層と、前記第1のポリマー層の前記ポリマー基材側に設けられ、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、前記バインダーポリマーを架橋するオキサゾリン基を有する架橋剤由来の構造部分を含み、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0を超え1未満である第2のポリマー層と、を有し、
前記ポリマー基材の他方の面上に、易接着性層と、前記易接着性層の前記ポリマー基材側に設けられた反射層と、を有し、
前記第1のポリマー層が、太陽電池素子を含む素子構造部分に接触させた場合に、最外層となる層である太陽電池用ポリマーシートである。
<2> 第1のポリマー層が、オニウム化合物を含有する<1>に記載の太陽電池用ポリマーシートである。
<3> 第2のポリマー層が、オニウム化合物を含有する<1>又は<2>に記載の太陽電池用ポリマーシートである。
> 第1のポリマー層及び第2のポリマー層の少なくとも1層が、沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を含有する<1>から<>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシーである。
> ポリマー基材が、末端封止剤を含有する<1>から<>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートである。
> ポリマー基材が、カルボジイミド系末端封止剤を含有する<1>から<>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートである。
> ポリマー基材が、無機粒子又は有機粒子である微粒子を含有する<1>から<>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートである。
> ポリマー基材が、無機粒子又は有機粒子である微粒子の含有率の異なる2層以上を含む積層構成を有する<1>から<>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートである。
> 第1のポリマー層及び第2のポリマー層の少なくとも1層が、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、及びアセトンから選択される少なくとも1種の沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を含有する<1>から<>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートである。
<10> ポリマー基材の一方の面上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、オキサゾリン基を有する架橋剤を含有し、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0を超え1未満である塗布液を塗布、乾燥させた後、硬化させて、第2のポリマー層を形成する工程と、
前記第2のポリマー層上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、オキサゾリン基を有する架橋剤を含有し、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0.5以上1.0以下である塗布液を塗布、乾燥させて、第1のポリマー層を形成する工程と、
前記ポリマー基材の他方の面上に、反射層形成用塗布液を塗布、乾燥させて反射層を形成する工程と、
前記反射層上に、易接着性層形成用塗布液を塗布、乾燥させて易接着性層を形成する工程と、
を有し、前記第1のポリマー層が、太陽電池素子を含む素子構造部分に接触させた場合に、最外層となる層である太陽電池用ポリマーシートの製造方法である。
11> 第1のポリマー層を形成する工程に用いる塗布液が、オニウム化合物を含有する<10>に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法である。
12> 第2のポリマー層を形成する工程に用いる塗布液が、オニウム化合物を含有する<10>又は<11>に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法である。
13> 第1のポリマー層を形成する工程、及び、第2のポリマー層を形成する工程におけるポリマー層の硬化時間が、いずれも1分〜30分の範囲である<10>から<12>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法である。
14> 第1のポリマー層及び第2のポリマー層の少なくとも一方の層の形成に用いられる塗布液が、沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を、塗布液に含有されるバインダーポリマーの総質量に対して0.1質量%〜30質量%含有する水系塗布液である<10>から<13>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法である。
15> 第1のポリマー層及び第2のポリマー層の少なくとも1層の形成に用いられる塗布液が、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、及びアセトンから選択される少なくとも1種の沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を含有する<10>から<14>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法である。
16> <1>〜<>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート、又は<10>〜<15>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法により製造された太陽電池用ポリマーシートを備えた太陽電池モジュールである。
17> 太陽光が入射する透明性のフロント基板と、フロント基板の上に設けられ、太陽電池素子及び前記太陽電池素子を封止する封止材を有するセル構造部分と、
セル構造部分の前記フロント基板が位置する側と反対側に設けられ、封止材と隣接して配置された、<1>〜<>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート、又は<10>〜<15>のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法により製造された太陽電池用ポリマーシートと、を備えた太陽電池モジュールである。
本発明によれば、ポリマー基材と該ポリマー基材上に設けられたポリマー層との密着性に優れ、且つ、製造適性に優れた太陽電池用ポリマーシート及びその製造方法を提供することできる。
また、本発明によれば、安定した発電効率を有する太陽電池モジュールを提供することができる。
以下、本発明の太陽電池用ポリマーシート及びその製造方法、並びに太陽電池モジュールについて詳細に説明する。
本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
[太陽電池用ポリマーシート]
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、ポリマー基材上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する第1のポリマー層と、前記第1のポリマー層の前記ポリマー基材側に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、前記バインダーポリマーを架橋するオキサゾリン基を有する架橋剤由来の構造部分を含み、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0を超え1未満である第2のポリマー層と、を有する太陽電池用ポリマーシートである。
本発明においては、ポリマーシートの構成層である第1のポリマー層を、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する層とすること、更に、第2のポリマー層を、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、オキサゾリン基を有する架橋剤を用いて構成し、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]を、0を超え1未満の架橋剤の含有量が比較的少ない特定の範囲とした層とすることにより、ポリマー層とポリマー基材との間の優れた密着性が発揮される。また、本発明におけるポリマー層とポリマー基材との間の密着性は、その持続性にも優れる。
さらに、本発明の好適な態様においては、第1のポリマー層及び/又は第2のポリマー層がオニウム化合物を含有することにより、ポリマー層とポリマー基材との間の優れた密着性と共に、ポリマー層の耐溶剤性についても向上させることができる。
これにより、本発明の太陽電池用ポリマーシートを用いて太陽電池モジュールを構成したときには、良好な発電性能が得られると共に、長期に亘って発電効率を安定に保つことができる。
本発明における第1及び第2のポリマー層は、本発明の太陽電池用ポリマーシートを用いて太陽電池モジュールを構成した場合に、外部環境に暴露される耐候性層、つまりバック層であることが好ましい。第1のポリマー層は最外層であることが好ましい。
以下、本発明の太陽電池用ポリマーシートにおける各構成要素に関して、ポリマー基材、第1のポリマー層、第2のポリマー層、層構成、及び太陽電池用ポリマーシートの特性の順に、更に詳細に説明をする。
(ポリマー基材)
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、ポリマー基材を有する。
ポリマー基材としては、ポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、又はポリフッ化ビニルなどのフッ素系ポリマー等が挙げられる。これらの中では、コストや機械強度などの点から、ポリエステルが好ましい。
<ポリエステル>
本発明におけるポリマー基材(支持体)として用いられるポリエステルとしては、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどを挙げることができる。このうち、力学的物性やコストのバランスの点で、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。
前記ポリエステルは、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。更に、前記ポリエステルに他の種類の樹脂、例えばポリイミド等を少量ブレンドしたものであってもよい。
本発明におけるポリエステルを重合する際には、カルボキシル基含量を所定の範囲以下に抑える観点から、Sb系、Ge系、Ti系の化合物を触媒として用いることが好ましく、中でも特にTi系化合物が好ましい。Ti系化合物を用いる場合、Ti系化合物をTi元素換算値が1ppm以上30ppm以下、より好ましくは3ppm以上15ppm以下の範囲となるように触媒として用いることにより重合する態様が好ましい。Ti系化合物の使用量がTi元素換算で前記範囲内であると、末端カルボキシル基を下記範囲に調整することが可能であり、ポリマー基材の耐加水分解性を低く保つことができる。
Ti系化合物を用いたポリエステルの合成には、例えば、特公平8−301198号公報、特許第2543624号、特許第3335683号、特許第3717380号、特許第3897756号、特許第3962226号、特許第3979866号、特許第3996871号、特許第4000867号、特許第4053837号、特許第4127119号、特許第4134710号、特許第4159154号、特許第4269704号、特許第4313538号等に記載の方法を適用できる。
ポリエステル中のカルボキシル基含量は55当量/t(トン;以下同様)以下が好ましく、より好ましくは35当量/t以下である。カルボキシル基含量の下限は、ポリエステルに形成される層(例えば着色層)との間の接着性を保持する点で、2当量/tが望ましい。カルボキシル基含量が55当量/t以下であると、耐加水分解性を保持し、湿熱経時したときの強度低下を小さく抑制することができる。
なお、「当量/t」とは、1t当たりのモル当量を表す。
ポリエステル中のカルボキシル基含量は、重合触媒種、製膜条件(製膜温度や時間)により調整することが可能である。
本発明におけるポリエステルは、重合後に固相重合されていることが好ましい。これにより、好ましいカルボキシル基含量を達成することができる。固相重合は、連続法(タワーの中に樹脂を充満させ、これを加熱しながらゆっくり所定の時間滞流させた後、送り出す方法)でもよいし、バッチ法(容器の中に樹脂を投入し、所定の時間加熱する方法)でもよい。具体的には、固相重合には、特許第2621563号、特許第3121876号、特許第3136774号、特許第3603585号、特許第3616522号、特許第3617340号、特許第3680523号、特許第3717392号、特許第4167159号等に記載の方法を適用することができる。
固相重合の温度は、170℃以上240℃以下が好ましく、より好ましくは180℃以上230℃以下であり、さらに好ましくは190℃以上220℃以下である。また、固相重合時間は、5時間以上100時間以下が好ましく、より好ましくは10時間以上75時間以下であり、さらに好ましくは15時間以上50時間以下である。固相重合は、真空中あるいは窒素雰囲気下で行なうことが好ましい。
本発明におけるポリエステル基材は、機械強度の点から二軸延伸フィルムであることが好ましい。
本発明におけるポリエステル基材は、例えば、上記のポリエステルをフィルム状に溶融押出を行なった後、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸した二軸延伸フィルムであることが好ましい。
さらに、必要に応じて180〜230℃で1〜60秒間の熱処理を行なったものでもよい。
ポリマー基材(特にポリエステル基材)の厚みは、25μm〜300μm程度が好ましい。厚みは、25μm以上であると力学強度が良好であり、300μm以下であるとコスト的に有利である。
特にポリエステル基材は、厚みが増すに伴なって耐加水分解性が悪化し、長期使用時の耐久性が低下する傾向にあり、本発明においては、厚みが120μm以上300μm以下であって、かつポリエステル中のカルボキシル基含量が2〜35当量/tである場合に、より湿熱耐久性の向上効果が奏される。
<末端封止剤>
ポリマー基材は、末端封止剤を1種又は2種以上含有してもよい。
ポリマー基材が末端封止剤を含有する場合の含有量としては、ポリマー基材に含まれるポリマーの全質量に対して0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましく0.2質量%〜5質量%、更に好ましくは0.3質量%〜2質量%であり得る。
ポリマーの加水分解は、末端カルボキシル基等から生じる水素イオンの触媒効果により加速されるため、耐加水分解性(耐候性)を向上させるには、末端カルボキシル基と反応する末端封止剤を添加することが有効であり得る。末端封止剤の含有量が上記範囲内であると、末端封止剤がポリマーに対し可塑剤として作用してポリマー基材の力学強度、耐熱性が低下することを回避し得る。
末端封止剤としてはエポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、カーボネート化合物等が挙げられる。ポリエステルなどのポリマー基材に好適なポリマーとの親和性が高く末端封止能の高いカルボジイミドが好ましい。
末端封止剤(特にカルボジイミド末端封止剤)は高分子量であると、溶融製膜中の揮散を低減できる。分子量は重量平均分子量で200〜10万が好ましく、より好ましくは2000〜8万、さらに好ましくは1万〜5万である。末端封止剤(特にカルボジイミド末端封止剤)の重量平均分子量が10万以下であるとポリマー中に均一分散し易く耐候性改良効果を充分に発現し得る。末端封止剤の重量平均分子量が200以上であると、押出及び/又は製膜中の揮散を抑制し得、耐候性向上効果を発現し得る。
〜カルボジイミド末端封止剤〜
カルボジイミド末端封止剤はカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物である。カルボジイミド化合物には一官能性カルボジイミドと多官能性カルボジイミドがある。一官能性カルボジイミドとしては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミドおよびジ−β−ナフチルカルボジイミドなどが挙げられる。好ましくは、ジシクロヘキシルカルボジイミドやジイソプロピルカルボジイミドである。
多官能性カルボジイミドとしては、重合度3〜15のカルボジイミドが好ましく用いられる。具体的には、1,5−ナフタレンカルボジイミド、4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド、4,4’−ジフェニルジメチルメタンカルボジイミド、1,3−フェニレンカルボジイミド、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンカルボジイミド、2,6−トリレンカルボジイミド、2,4−トリレンカルボジイミドと2,6−トリレンカルボジイミドの混合物、ヘキサメチレンカルボジイミド、シクロヘキサン−1,4−カルボジイミド、キシリレンカルボジイミド、イソホロンカルボジイミド、イソホロンカルボジイミド、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−カルボジイミド、メチルシクロヘキサンカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、又は1,3,5−トリイソプロピルベンゼン−2,4−カルボジイミドなどを例示することができる。
カルボジイミド化合物は、熱分解によりイソシアネート系ガスを発生するため、末端封止剤としては耐熱性の高いカルボジイミド化合物であることが好ましい。耐熱性を高めるためには、カルボジイミド化合物の分子量(重合度)は高いほど好ましく、またカルボジイミド化合物の末端が耐熱性の高い構造であることが好ましい。カルボジイミド化合物は一度熱分解を起こすとさらなる熱分解を起こし易くなるため、ポリマー基材の製造においてはポリマーの押出温度をなるべく低温下にするなどの工夫を行い得る。
ある実施形態において、末端封止剤として用いるカルボジイミド化合物は、環状構造を持つものが好ましい(例えば、特開2011−153209号公報に記載のもの)。これらは低分子量でも上記高分子量カルボジイミド同等の効果を発現し得る。これはポリマーの末端カルボキシル基と環状のカルボジイミドが開環反応し、一方がこの末端カルボキシル基と反応、開環した他方が他の末端カルボキシル基と反応し高分子量化するため、イソシアネート系ガスの発生を抑制し得るためである。
ある実施形態においては、環状構造を持つカルボジイミド化合物である末端封止剤は、カルボジイミド基の第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を含むものであることが好ましい。ある実施形態においては、末端封止剤は、芳香環に隣接したカルボジイミド基を少なくとも1個有し、前記芳香環に隣接したカルボジイミド基の第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている環状構造を含むカルボジイミド(芳香族環状カルボジイミドとも言う)であることが好ましい。
芳香族環状カルボジイミドは、環状構造を複数有していてもよい。
芳香族環状カルボジイミドは分子内に2つ以上のカルボジイミド基の第一窒素と第二窒素とが連結基により結合した環構造を有さない芳香族カルボジイミドであること、すなわち単環であるものも好ましく用いることができる。
環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有するが、例えば、スピロ環など、分子中に複数の環状構造を有する場合にはスピロ原子に結合するそれぞれの環状構造中に1個のカルボジイミド基を有していれば、化合物として複数のカルボジイミド基を有していてよい。環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に、10〜15が好ましい。
ここで、環状構造中の原子数とは、環状構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば原子数は8、50員環であれば原子数は50である。環状構造中の原子数が8以上であると、環状カルボジイミド化合物が安定性を維持し得、保管、使用に適し得る。反応性の観点からは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、合成上困難によるコスト上昇を抑制し得る観点からは、環状カルボジイミド化合物は50以下であることが好ましい。かかる観点より環状構造中の原子数の範囲は好ましくは、10〜30、より好ましくは10〜20、さらに好ましくは10〜15であり得る。
環状構造を持つカルボジイミド封止剤の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。但し、本発明は以下の具体例により限定されるものではない。
〜エポキシ末端封止剤〜
エポキシ末端封止剤はエポキシ化合物である。エポキシ化合物の好ましい例としては、グリシジルエステル化合物やグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。
グリシジルエステル化合物の具体例としては、安息香酸グリシジルエステル、t−Bu−安息香酸グリシジルエステル、P−トルイル酸グリシジルエステル、シクロヘキサンカルボン酸グリシジルエステル、ペラルゴン酸グリシジルエステル、ステアリン酸グリシジルエステル、ラウリン酸グリシジルエステル、パルミチン酸グリシジルエステル、ベヘン酸グリシジルエステル、バーサティク酸グリシジルエステル、オレイン酸グリシジルエステル、リノール酸グリシジルエステル、リノレイン酸グリシジルエステル、ベヘノール酸グリシジルエステル、ステアロール酸グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル、メチルテレフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、ドデカンジオン酸ジグリシジルエステル、オクタデカンジカルボン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシのジルエステル、又はピロメリット酸テトラグリシジルエステルなどが挙げられる。これらのエポキシ末端封止剤は、1種又は2種以上を用いることができる。
また、グリシジルエーテル化合物の具体例としては、フェニルグリシジルエ−テル、O−フェニルグリシジルエ−テル、1,4−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ブタン、1,6−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ヘキサン、1,4−ビス(β,γ−エポキシプロポキシ)ベンゼン、1−(β,γ−エポキシプロポキシ)−2−エトキシエタン、1−(β,γ−エポキシプロポキシ)−2−ベンジルオキシエタン、2,2−ビス−[р−(β,γ−エポキシプロポキシ)フェニル]プロパンおよび2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどのビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応で得られるビスグリシジルポリエーテルなどが挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。
〜オキサゾリン系末端封止剤〜
オキサゾリン系末端封止剤はオキサゾリン化合物である。オキサゾリン化合物としては、ビスオキサゾリン化合物が好ましく、具体的には、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4’−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−9,9’−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)および2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)等を例示することができる。これらの中では、ポリエステルとの反応性の観点から、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)が最も好ましく用いられる。さらに、上記で挙げたビスオキサゾリン化合物は本発明の目的を達成する限り、一種を単独で用いても、二種以上を併用してもどちらでもよい。
このような末端封止剤はポリマー基材に含まれるポリマー中に練り込む等の方法により、ポリマー基材に導入される。末端封止剤とポリマー分子とを直接接触させて反応させることにより上記効果を得うる。末端封止剤をポリマー基材上の塗布層に添加しても、ポリマーと末端封止剤は反応しない。
<無機粒子又は有機粒子である微粒子>
ポリマー基材を構成するポリマー中には、無機粒子又は有機粒子である微粒子を含有させることができる。これにより光の反射率(白色度)を向上させ太陽電池の発電効率を向上し得る。
微粒子の平均粒径は0.1μm〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜5μm、さらに好ましくは0.15μm〜1μmであり得、含有量はポリマー全質量に対して、0質量%〜50質量%、好ましくは1質量%〜10質量%、さらに好ましくは2質量%〜5質量%であり得る。微粒子の平均粒径が0.1μm〜10μmであると、ポリマー基材の白色度を50以上とし易い。粒子の含有量が1質量%以上であると、ポリマー基材白色度を50以上とし易い。微粒子の含有量が50質量%以下であるとポリマー基材の質量が大きくなり過ぎず、加工などにおいて取り扱い易い。なお、ここで言う平均粒径、含有量は、ポリマー基材が多層構造の場合、各層の平均値に基づく加重平均値を指す。即ち、平均粒径は、(各層の粒子径の平均値)×(各層の厚み/全層の厚み)を層ごとに算出し、総和としたものを指し、含有量は、(各層の粒子含有量の平均値)×(各層の厚み/全層の厚み)を層ごとに算出し、総和としたものを指す。
なお、微粒子の平均粒径は電顕法により求める。具体的には、以下の方法による。
微粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、微粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーする。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の微粒子について、各粒子の外周をトレースする。画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定する。測定値の平均を平均粒径とする。
微粒子は無機粒子又は有機粒子いずれか一方であってもよく、両者併用してもよい。これにより光の反射率を向上させ太陽電池の発電効率を向上し得る。
好適に使用される無機粒子としては、例えば、湿式及び乾式シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、珪酸アルミ、リン酸カルシウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、酸化チタン、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸鉛、硫化亜鉛、マイカ、雲母チタン、タルク、クレー、カオリン、フッ化リチウム、又はフッ化カルシウム等を挙げることができる、これらの無機粒子の中では、二酸化チタン、又は硫酸バリウムが好ましい。なお、酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型の何れでもよい。また、微粒子表面にアルミナやシリカ等を用いて無機表面処理を施してもよいし、シリコン系化合物あるいはアルコール等を用いて有機表面処理を施してもよい。
これらの微粒子の中でも、二酸化チタンが好ましく、ポリマー基材がこれを含有することによりポリマーシートは光照射下でも優れた耐久性を奏し得る。具体的には、63℃、50%Rh、照射強度100mW/cmで100時間UV照射した場合、破断伸び保持率が好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上であり得る。本実施形態のポリマーシートは光分解や劣化が抑制され得るため、屋外で用いられる太陽電池の裏面保護膜としてより好適である。
二酸化チタンには、ルチル型結晶構造をもつものとアナターゼ型結晶構造をもつものが存在する。ある実施形態において、ポリマー基材にはルチル型二酸化チタンを主体とする微粒子を添加することが好ましい。アナターゼ型は紫外線の分光反射率が非常に大きいのに対し、ルチル型は紫外線の吸収率が大きい(分光反射率が小さい)という特性を有している。本発明者は、二酸化チタンの結晶形態におけるこうした分光特性の違いに着目し、ルチル型二酸化チタンの紫外線吸収性能を利用することで、太陽電池裏面保護用ポリマーシートにおいて、耐光性を向上させることができることを見出した。本実施形態では、他の紫外線吸収剤を実質的に添加しなくても優れた光照射下でのフィルム耐久性を得うる。そのため、紫外線吸収剤のブリードアウトによる汚染や密着性の低下のような問題が生じ難い。
ここで微粒子が「ルチル型二酸化チタンを主体とする」とは、全二酸化チタン粒子質量に対する、全二酸化チタン粒子中のルチル型二酸化チタンの質量が、50質量%を超えていることを意味する。また、全二酸化チタン粒子質量に対する、全二酸化チタン粒子中のアナターゼ型二酸化チタン量が10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは0質量%以下である。アナターゼ型二酸化チタンの含有量が上記上限値以下であると、全二酸化チタン粒子中に占めるルチル型二酸化チタン量を確保し得るので、紫外線吸収性能を確保し得る。アナターゼ型二酸化チタンは光触媒作用が強いため、この作用によってもポリマーシートの耐光性を低下させる傾向にある。ルチル型二酸化チタンとアナターゼ型二酸化チタンとは、X線構造回折や分光吸収特性により区別することができる。
ルチル型二酸化チタン微粒子の表面にはアルミナやシリカ等を用いて無機表面処理を施してもよいし、シリコン系化合物あるいはアルコール等を用いて有機表面処理を施してもよい。ルチル型二酸化チタンをポリエステル組成物に配合する前に、精製プロセスを用いて、粒径調整、粗大粒子除去等を行ってもよい。精製プロセスの工業的手段としては、例えばジェットミル、ボールミル等の粉砕手段、乾式もしくは湿式の遠心分離等の分級手段などが挙げられる。
ポリマー基材に含有し得る有機微粒子は、製膜中の熱に耐えるものが好ましい。例えば架橋型樹脂からなる微粒子、具体例としてはジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンからなる微粒子等が挙げられる。
ポリマー基材中へ微粒子を添加する方法として、従来から公知の各種の方法を用いることができる。その代表的な方法を以下に挙げる。
(1)ポリマー基材を構成するポリマーの合成時のエステル交換反応もしくはエステル化反応終了前に微粒子を添加、もしくは重縮合反応開始前に微粒子を添加する方法。
(2)ポリマーに微粒子を添加し、溶融混練する方法。
(3)上記(1)、(2)の方法において微粒子を多量に添加したマスターペレット(またはマスターバッチ(MB)とも言う)を製造し、これらと微粒子を含有しないポリマーにとを混練して、得られた産物中に所定量の微粒子を含有させる方法。
(4)上記(3)のマスターペレットをそのまま使用する方法。
ある実施形態では、事前にポリエステル樹脂と微粒子を押出機で混合しておくことを含むマスターバッチ法(MB法:上記(3))が好ましい。また、事前に乾燥させていないポリマーと微粒子を押出機に投入し、水分や空気などを脱気しながらMBを作製する方法を採用することもできる。また、好ましくは、事前に少しでも乾燥したポリマーを用いてMBを作製することにより、ポリマーの酸価上昇を抑えられる。このような方法としては、脱気しながら押出する方法や、十分乾燥したポリマーにより脱気をせずに押出する方法などが挙げられる。
例えば、MBを作製する場合は投入するポリマーは予め乾燥により水分率を低減させることが好ましい。乾燥条件としては、好ましくは100℃〜200℃、より好ましくは120℃〜180℃において、1時間以上、より好ましくは3時間以上、さらに好ましくは6時間以上乾燥する。これにより、ポリエステルなどのポリマーの水分量を好ましくは50ppm以下、より好ましくは30ppm以下になるように十分乾燥する。予備混合の方法は特に限定されず、バッチによる方法でもよいし、単軸もしくは二軸以上の混練押出機によってもよい。脱気しながらMBを作製する場合は、250℃〜300℃、好ましくは270℃〜280℃の温度でポリマーを融解し、予備混練機に一つ、好ましくは2以上の脱気口を設け、0.05MPa以上、より好ましくは0.1MPa以上の連続吸引脱気を行い、混合機内の減圧を維持すること等の方法を採用することが好ましい。
ある実施形態において、ポリマー基材は、内部に微細な空洞(ボイド)を多数含有してもよい。これにより、より高い白色度を好適に得ることができる。その場合の見かけ比重は0.7以上1.3以下、好ましくは0.9以上1.3以下、より好ましくは1.05以上1.2以下である。見かけ比重が0.7以上であると、ポリマーシートに腰が備わり太陽電池モジュール作製時の加工が容易となり得る。見かけ比重が1.3以下であるとポリマーシートの質量が小さいため太陽電池の軽量化に資し得る。
上記の微細な空洞は、前記微粒子および/又は後述のポリマー基材を構成するポリマーに非相溶の熱可塑性樹脂に由来して形成することができる。なお、微粒子もしくはポリマーに非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞とは前記微粒子もしくは前記熱可塑性樹脂のまわりに空洞が存在することを言い、例えばポリマー基材の電子顕微鏡による断面写真などで確認することができる。
空洞形成のためにポリマー基材中に添加し得る樹脂は、ポリマー基材を構成するポリマーと非相溶な樹脂が好ましく、これにより光を散乱させ光反射率を上げることができる。ポリマー基材を構成するポリマーがポリエステルである場合、好ましい非相溶な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系樹脂、およびフッ素系樹脂などが挙げられる。これらの非相溶樹脂は、単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上の非相溶樹脂を併用してもよい。これらの中でも、表面張力の小さなポリプロピレンやポリメチルペンテンのようなポリオレフィン樹脂やポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリメチルペンテンがさらに好ましい。ポリメチルペンテンは相対的にポリエステルとの表面張力差が大きく、かつ融点が高いため、ポリエステル製膜工程においてポリエステルとの親和性が低くボイド(空洞)を形成し易い。
ポリマー基材が非相溶樹脂を含有する場合は、その量は、ポリマー基材全体に対して0質量%〜30質量%であり、より好ましくは1質量%〜20質量%、さらに好ましくは2質量%〜15質量%の範囲である。含有量が30質量%以下であると、ポリマー基材全体の見かけ密度を確保し得るため、延伸時にフィルム破れ等が生じ難く、良好な生産性を得うる。
微粒子を添加する場合、微粒子の平均粒径は0.1μm〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1μm〜5μm、さらに好ましくは0.15μm〜1μmの微粒子である。平均粒径が0.1μm以上であると反射率(白色度)を確保し得、平均粒径が10μm以下であるとボイドによる力学強度低下を回避し得る。微粒子の含有量はポリマー基材全質量に対して、0〜50質量%、好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは2〜5質量%含まれる。含有量が50質量%以下であるとボイドによる力学強度低下を回避し得る。ポリマー基材を構成するポリマーがポリエステルである場合、好ましい微粒子としてポリエステルと親和性の低いものが挙げられ、具体的には硫酸バリウム等が挙げられる。
<ポリマー基材の層構成>
ポリマー基材は、単層であっても、2層以上の積層構成を有するものであってもよい。
ポリマー基材における積層構成の例としては、白色度の高い(ボイドや微粒子の多い層)と白色度の低い層(ボイドや微粒子の少ない層)を組み合わせることが好ましい。ボイドや微粒子の多い層で光の反射効率を高くできるが、ボイド、微粒子による力学強度の低下(脆化)が発生し易く、これを補うために白色度の低い層と組み合わせることが好ましい。このため白色度の高い層はポリマー基材の外層に用いることが好ましく、ポリマー基材の片面に使用してもよく、ポリマー基材の両面に使用してもよい。二酸化チタンを微粒子として用いた高白色層をポリマー基材の外層に用いると、二酸化チタンがUV吸収能を有することからポリマー基材の耐光性を向上する効果を得うる。
好適なポリマー基材の一つは、無機粒子又は有機粒子である微粒子の含有率の異なる2層以上を含む積層構成を有するポリマー基材である。
白色度の高い層は、微粒子含有によりなる層である場合、層全体の質量に対する微粒子の含有量が5質量%以上50質量%以下のものが好ましく、6質量%以上20質量%以下がより好ましい。白色度の高い層が空洞形成によりなる層である場合、白色度の高い層の見かけ比重は0.7以上1.2以下が好ましく、より好ましくは0.8以上1.1以下である。一方、白色度の低い層は、微粒子含有によりなる層である場合、層全体の質量に対する微粒子の含有量が0質量%以上5質量%未満のものが好ましく、より好ましくは1質量%以上4質量%以下がより好ましい。白色度の高い層が空洞形成によりなる層である場合、白色度の低い層は見かけ比重が0.9以上1.4以下でありかつ高白色層より高い見かけ比重を有することが好ましく、より好ましくは見かけ比重が1.0以上1.3以下でかつ高白色層より高い見かけ比重を有する。低白色層は微粒子や空洞を含まないものでも構わない。
白色ポリマー基材が有し得る好ましい積層構成として、高白色層/低白色層、高白色層/低白色層/高白色層、高白色層/低白色層/高白色層/低白色層、高白色層/低白色層/高白色層/低白色層/高白色層などが挙げられる。
積層構成中における各層の厚み比は特に限定されるものではないが、各層の厚みは全層厚みの1%以上99%以下が好ましく、より好ましくは2%以上95%以下である。この範囲以内であると、上記反射効率向上、耐光(UV)性付与の効果を得やすい。ポリマー基材の全層の厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、通常20μm〜500μm、好ましくは25μm〜300μmの範囲である。
積層構成を有するポリマー基材を製造するための積層方法としては、溶融押出機を2台または3台以上用いた、いわゆる共押出法が好ましく用いられる。
ある実施形態では、白色ポリマー基材の白色度を増すためにチオフェジイル等の蛍光増白剤を用いることも好ましい。好ましい添加量は白色ポリマー基材の全質量に対して0.01質量%以上1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以上0.3質量%以下である。0.01質量%以上であると光線反射率向上の効果が得易く、1質量%以下であると押出しでの熱分解による黄変で反射率が低下することを回避し得る。このような蛍光増白剤としては、例えばイーストマンコダック社製OB−1(商品名)等を用いることができる。
ある実施形態では、白色ポリマー基材は、照度:100mW/cm、温度:60℃、相対湿度:50%RH、照射時間:48時間で紫外線照射した後の黄色み変化量(Δb値)が5未満であることが好ましい。Δb値はより好ましくは4未満であり、さらに好ましくは3未満である。これにより太陽光の照射を長時間受けたとしても色変化を少なくできる点で有用である。このような効果は、ポリマーシートをバックシートとして太陽電池セルに積層した太陽電池モジュールにおいて、特にポリマーシート側から照射を受けた際に顕著に現れる。
<表面処理>
ポリマー基材は、コロナ処理、火炎処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、又は紫外線処理により表面処理が施された態様が好ましい。これらの表面処理を施すことで、湿熱環境下に曝された場合の密着性(接着性)をさらに高めることができる。中でも特に、コロナ処理を行なうことで、より優れた接着性の向上効果が得られる。
これらの表面処理は、ポリマー基材(例えばポリエステル基材)表面にカルボキシル基や水酸基が増加することにより接着性が高められるが、架橋剤(特にカルボキシル基と反応性の高いオキサゾリン系もしくはカルボジイミド系の架橋剤)を併用した場合により強力な接着性が得られる。これは、コロナ処理による場合により顕著である。
コロナ処理は、通常、誘導体を被膜した金属ロール(誘電体ロール)と絶縁された電極間に高周波、高電圧を印加して、電極間の空気の絶縁破壊を生じさせることにより、電極間の空気をイオン化させて、電極間にコロナ放電を発生させる。そして、このコロナ放電の間を、ポリマー基材を通過させることにより行う。
ある実施形態において、コロナ処理の条件は、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランス1〜3mm、周波数1〜100kHz、印加エネルギー0.2〜5kV・A・分/m程度であることが好ましい。
(第1のポリマー層)
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する第1のポリマー層を有する。
第1のポリマー層は、耐候性層として機能しうる層である。
<バインダーポリマー>
第1のポリマー層は、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー(以下、適宜「特定バインダー」と称する場合がある。)として含有する。第1のポリマー層において、特定バインダーは主バインダーとして含有される。ここで、第1のポリマー層における主バインダーとは、第1のポリマー層において含有量が最も多いバインダーである。
第1のポリマー層においては、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーを、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。また、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーを併用する場合においては、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーのいずれか一方から2種以上のポリマーを選択して併用してもよいし、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーの双方から1種又は2種以上を選択して併用してもよい。
〜フッ素ポリマー〜
第1のポリマー層が、特定バインダーとして含有しうるフッ素ポリマーとしては、−(CFX−CX)−で表される繰り返し単位を有するポリマーであれば特に制限はない(但し、X、X、Xは水素原子、フッ素原子、塩素原子又は炭素数1から3のパーフルオロアルキル基を示す。)。
フッ素ポリマーの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(以降、PTFEと表す場合がある。)、ポリフッ化ビニル(以降、PVFと表す場合がある。)、ポリフッ化ビニリデン(以降、PVDFと表す場合がある。)、ポリ塩化3フッ化エチレン(以降、PCTFEと表す場合がある)、ポリテトラフルオロプロピレン(以降、HFPと表す場合がある。)などがある。
これらのフッ素ポリマーは、単独のモノマーを重合したホモポリマーでもよいし、2種類以上を共重合したものでもよい。この例として、テトラフルオロエチレンとテトラフルオロプロピレンを共重合したコポリマー(P(TFE/HFP)と略記)、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンを共重合したコポリマー(P(TFE/VDF)と略記)等を挙げることができる。
さらに、第1のポリマー層に用いる特定バインダーとしては、−(CFX−CX)−で表されるフッ化炭素系モノマーと、それ以外のモノマー(非フッ素含有モノマー)を共重合したポリマーでもよい。フッ化炭素系モノマーの具体例としては、4フッ化エチレン、塩化3フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフロロプロピレン、フッ素含有アルキルビニルエーテル(例:パーフロロエチルビニルエーテル)、フッ素含有エステル等(パーフロロブチルメタクリレート等)がある。非フッ素含有モノマーの具体例としてはエチレン、アルキルビニルエーテル(例:エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル)、カルボン酸(例:アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシブチメビニルエーテル等)がある。フッ素ポリマーがフッ化炭素系モノマーと非フッ素含有モノマーとの)とを共重合したポリマーである場合、フッ素ポリマーの全質量に対するフッ素含有モノマーの含有量は30質量%〜98質量%が好ましく、より好ましくは40〜80質量%である。フッ素含有モノマーの割合が30質量%以上であると十分な耐久性を得うる。また重合の安定性の観点からは98質量%以下であることが好ましい。
フッ化炭素系モノマーと非フッ素含有モノマーとの)とを共重合したポリマーの例としてテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(P(TFE/E)と略記)、テトラフルオロエチレンとプロピレンの共重合体(P(TFE/P)と略記)、テトラフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(TFE/VE)と略記)、テトラフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(TFE/FVE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/VE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/FVE)と略記)、テトラフルオロエチレンとエチレンとアクリル酸とを共重合してなる共重合体、ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとを共重合してなる共重合体、ヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとエチレンとを共重合してなる共重合体、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロエチルビニルエーテルとを共重合してなる共重合体、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロエチルビニルエーテルとメタクリル酸とを共重合してなる共重合体、クロロトリフルオロエチレンとエチルビニルエーテルとを共重合してなる共重合体、クロロトリフルオロエチレンとエチルビニルエーテルとメタクリル酸とを共重合してなる共重合体、フッ化ビニリデンとメチルメタクリレートとメタクリル酸とを共重合してなる共重合体、フッ化ビニルとエチルアクリレートとアクリル酸とを共重合してなる共重合体、等を挙げることができる。
これらの中でも、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロエチルビニルエーテルとを共重合してなる共重合体、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロエチルビニルエーテルとメタクリル酸とを共重合してなる共重合体、クロロトリフルオロエチレンとエチルビニルエーテルとを共重合してなる共重合体、クロロトリフルオロエチレンとエチルビニルエーテルとメタクリル酸とを共重合してなる共重合体、フッ化ビニリデンとメチルメタクリレートと/メタクリル酸とを共重合してなる共重合体、及びフッ化ビニルとエチルアクリレートとアクリル酸とを共重合してなる共重合体が好ましい。
中でもクロロトリフルオロエチレンとエチルビニルエーテルとを共重合してなる共重合体、及びクロロトリフルオロエチレンとエチルビニルエーテルとメタクリル酸とを共重合してなる共重合体がさらに好ましい。
これらのフッ素ポリマーとしてはポリマーを有機溶剤に溶解して用いるものでも、ポリマー微粒子を水に分散して用いるものでもよい。環境負荷が小さい点から後者が好ましい。フッ素ポリマーの水分散物については、例えば特開2003−231722号公報、特開2002−20409号公報、特開平9−194538号公報等に記載されている。
また、フッ素ポリマーとして、上市されている市販品を用いてもよい。市販品の具体例としては、ルミフロン(登録商標)LF200(旭硝子株式会社製)、ゼッフル(登録商標)GK570(ダイキン工業株式会社製)、オブリガードSW0011F(商品名、AGCコーテック株式会社製)等がある。
フッ素系ポリマーの分子量はポリスチレン換算重量平均分子量で2000〜1000000程度であり得、3000〜300000程度が好ましい。
〜シリコーンポリマー〜
第1のポリマー層が含有しうるシリコーンポリマーは、分子中に(ポリ)シロキサン構造を有するポリマーである。ここで「シロキサン構造」とは少なくとも1つのシロキサン結合を含む構造を意味する。「ポリシロキサン構造」とは複数のシロキサン結合が連続してなる構造を意味する。「(ポリ)シロキサン構造」との語はシロキサン構造とポリシロキサン構造をその範囲に包含する。「ポリマーが分子中にシロキサン構造を有する」および「ポリマーが分子中に(ポリ)シロキサン構造を有する」との表現は、ポリマーがその分子内にシロキサン構造またはポリシロキサン構造を含むことを意味する。
ある好適な態様においてシリコーンポリマーは、(ポリ)シロキサン構造として、(ポリ)シロキサン構造として、下記一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位を有する。
前記一般式(1)において、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。ここで、RとRとは同一でも異なってもよく、複数のR及びRは各々、互いに同一でも異なってもよい。nは、1以上の整数を表す。
ポリマー中の(ポリ)シロキサンセグメントである「−(Si(R) (R)−O)−」の部分(一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位)において、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。
「−(Si(R)(R)−O)−」は、線状、分岐状あるいは環状の構造を有する各種の(ポリ)シロキサンに由来する(ポリ)シロキサンセグメントである。
及びRで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
及びRで表される「1価の有機基」は、Si原子と共有結合可能な基であり、無置換でも置換基を有してもよい。前記1価の有機基は、例えば、アルキル基(例:メチル基、エチル基など)、アリール基(例:フェニル基など)、アラルキル基(例:ベンジル基、フェニルエチルなど)、アルコキシ基(例:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、アリールオキシ基(例;フェノキシ基など)、メルカプト基、アミノ基(例:アミノ基、ジエチルアミノ基など)、アミド基等が挙げられる。
中でも、隣接層との接着性及び湿熱環境下での耐久性の点で、R、Rとしては各々独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、無置換の又は置換された炭素数1〜4のアルキル基(特にメチル基、エチル基)、無置換の又は置換されたフェニル基、無置換の又は置換されたアルコキシ基、メルカプト基、無置換のアミノ基、アミド基が好ましく、より好ましくは、湿熱環境下での耐久性の点で、無置換の又は置換されたアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)である。
前記nは、1〜5000であることが好ましく、1〜1000であることがより好ましい。
シリコーンポリマー中における「−(Si(R)(R)−O)−」の部分(一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位)の具体例としてはジメチルジメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/ビニルトリメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/2−ヒドロキシエチルトリメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/ジフェニル/ジメトキシシランγ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物等がある。これらの中ではジメチルジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/ジフェニル/ジメトキシシランγ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物が好ましい。
ポリマー中における「−(Si(R) (R)−O)−」の部分(一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位)の比率は、ポリマーの全質量に対して、15〜85質量%であることが好ましく、中でも、第1のポリマー層表面の強度向上を図り、引っ掻きや擦過等による傷の発生を防ぐと共に、隣接層との接着性及び湿熱環境下での耐久性により優れる観点から、20〜80質量%の範囲がより好ましい。(ポリ)シロキサン構造単位の比率は、15質量%以上であると、第1のポリマー層表面の強度が向上し、引っ掻きや擦過、飛来した小石等の衝突で生じる傷の発生が防止され得、また第2のポリマー層などの隣接材料との接着性に優れ得る。傷の発生抑止により耐候性が向上し、熱や水分が与えられて劣化しやすい剥離耐性、形状安定性、並びに湿熱環境下に曝されたときの接着耐久性が効果的に高められる。また、(ポリ)シロキサン構造単位の比率が85質量%以下であると、液を安定に保つことができる。これらの効果は、(ポリ)シロキサン構造単位の含有量が20質量%〜80質量%の範囲にある場合に、より顕著となり得る。
本発明におけるシリコーンポリマーが、(ポリ)シロキサン構造単位と他の構造単位とを有する共重合ポリマーである場合、分子鎖中に前記一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位を質量比率で15〜85質量%と、非シロキサン系構造単位を質量比率で85〜15質量%とを含んでいる場合が好ましい。このような共重合ポリマーを含有することにより、第1のポリマー層の膜強度が向上し、引っ掻きや擦過等による傷の発生を防ぎ、支持体をなすポリマー基材との接着性、すなわち熱や水分が与えられて劣化しやすい剥離耐性、形状安定性、並びに湿熱環境下での耐久性を、従来に比べて飛躍的に向上させることができる。
シリコーンポリマーが、(ポリ)シロキサン構造単位と他の構造単位とを有する共重合ポリマーである場合、シリコーンポリマー中における「−(Si(R)(R)−O)−」の部分(一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位)の分子量はポリスチレン換算重量平均分子量で30000〜1000000程度であり、50000〜300000程度が好ましい。
前記共重合ポリマーとしては、シロキサン化合物(ポリシロキサンをその範囲に含む)と、非シロキサン系モノマー又は非シロキサン系ポリマーから選ばれる化合物とが共重合し、前記一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位と非シロキサン系の構造単位とを有するブロック共重合体であることが好ましい。この場合、シロキサン化合物及び共重合される非シロキサン系モノマー又は非シロキサン系ポリマーは、一種単独でもよく、二種以上であってもよい。
前記(ポリ)シロキサン構造単位と共重合する非シロキサン系構造単位(非シロキサン系モノマー又は非シロキサン系ポリマーに由来)は、シロキサン構造を有していないこと以外は特に制限されるものではなく、任意のポリマーに由来のポリマーセグメントのいずれであってもよい。ポリマーセグメントの前駆体である重合体(前駆ポリマー)としては、例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体等の各種の重合体等が挙げられる。
中でも、調製が容易なこと及び耐加水分解性に優れる点から、ビニル系重合体及びポリウレタン系重合体が好ましく、ビニル系重合体が特に好ましい。
前記ビニル系重合体の代表的な例としては、アクリル系重合体、カルボン酸ビニルエステル系重合体、芳香族ビニル系重合体、フルオロオレフィン系重合体等の各種の重合体が挙げられる。中でも、設計の自由度の観点から、アクリル系重合体が特に好ましい。アクリル系重合体を構成するモノマーとしてはアクリル酸のエステル(例:エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等)又はメタクリル酸のエステル(例:メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等)から成るポリマーを挙げることができる。さらに、モノマーとしてアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのカルボン酸、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられ、中でもエチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートメチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、又はメタクリル酸が好ましい。
アクリル系重合体の具体例としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−ビドロキシエチルメタアクリレート/メタクリル酸共重合体、メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/2−ビドロキシエチルメタアクリレート/メタクリル酸/γ−メタクリロキシトリメトキシシラン共重合体、又はメチルメタクリレート/エチルアクリレート/グリシジルメタクリレート/アクリル酸共重合体が挙げられる。
非シロキサン系構造単位を構成する重合体は、一種単独でもよいし、2種以上の併用であってもよい。さらに個々のポリマーはホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
非シロキサン系構造単位を構成するポリマーセグメントの前駆体である重合体の分子量はポリスチレン換算重量平均分子量で3000〜1000000程度であり、5000〜300000程度がより好ましい。
非シロキサン系構造単位をなす前駆ポリマーは、酸基及び中和された酸基の少なくとも1つ並びに/又は加水分解性シリル基を含有するものが好ましい。このような前駆ポリマーのうち、ビニル系重合体は、例えば、(a)酸基を含むビニル系単量体と加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を含むビニル系単量体とを、これらと共重合可能な単量体と共重合させる方法、(2)予め調製した水酸基並びに加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を含むビニル系重合体にポリカルボン酸無水物を反応させる方法、(3)予め調製した酸無水基並びに加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を含むビニル系重合体を、活性水素を有する化合物(水、アルコール、アミン等)と反応させる方法などの各種方法を利用して調製することができる。
前駆ポリマーは、例えば、特開2009−52011号公報の段落番号0021〜0078に記載の方法を利用して製造、入手することができる。
シリコーンポリマーは単独で用いてもよいし、他のポリマーと併用してもよい。他のポリマーを併用する場合、本発明における(ポリ)シロキサン構造を含むポリマーの含有比率は、全バインダー量の30質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上である。(ポリ)シロキサン構造を含むポリマーの含有比率が30質量%以上であることで、層表面の強度向上を図り、引っ掻きや擦過等による傷の発生が防止されると共に、ポリマー基材との接着性及び湿熱環境下での耐久性により優れる。
シリコーンポリマーの分子量としては、5,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。
シリコーンポリマーの調製には、(i)前駆ポリマーと、前記一般式(1)で表される構造単位を有するポリシロキサンとを反応させる方法、(ii)前駆ポリマーの存在下に、前記R及び/又は前記Rが加水分解性基である前記一般式(1)で表される構造単位を有するシラン化合物を加水分解縮合させる方法、等の方法を利用することができる。
前記(ii)の方法で用いられるシラン化合物としては、各種シラン化合物が挙げられるが、アルコキシシラン化合物が特に好ましい。
前記(i)の方法によりシリコーンポリマーを調製する場合、例えば、前駆ポリマーとポリシロキサンの混合物に、必要に応じて水と触媒を加え、20〜150℃程度の温度で30分〜30時間程度(好ましくは50〜130℃で1〜20時間)反応させることにより調製することができる。触媒としては、酸性化合物、塩基性化合物、金属含有化合物等の各種のシラノール縮合触媒を添加することができる。
また、前記(ii)の方法によりシリコーンポリマーを調製する場合、例えば、前駆ポリマーとアルコキシシラン化合物の混合物に、水とシラノール縮合触媒を添加して、20〜150℃程度の温度で30分〜30時間程度(好ましくは50〜130℃で1〜20時間)加水分解縮合を行なうことにより調製することができる。
シリコーンポリマーの好ましい例としては、(ポリ)シロキサン構造単位がジメチルジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物、ジメチルジメトキシシラン/ジフェニル/ジメトキシシランγ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物のいずれかからなり、(ポリ)シロキサン構造単位と共重合するポリマー構造部分がエチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートメチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれるモノマー成分からなるアクリルポリマーである複合ポリマーが挙げられ、より好ましい例としては(ポリ)シロキサン構造単位がジメチルジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物を含有する加水分解縮合物とメチルメタクリレート、エチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれるモノマー成分からなるアクリルポリマーである複合ポリマーが挙げられる。
また、シリコーンポリマーとして、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、DIC(株)製のセラネートシリーズ〔例えば、セラネートWSA1070(ポリシロキサン構造単位の含有比:30質量%のアクリル/シリコーン系樹脂)、同WSA1060(ポリシロキサン構造単位の含有比:75質量%)等〕、旭化成ケミカルズ(株)製のH7600シリーズ(H7650,H7630,H7620等)、JSR(株)製の無機・アクリル複合エマルジョンなどを使用することができる。
−その他のバインダー−
また、第1のポリマー層には、全バインダーの50質量%を超えない範囲で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂などの特定バインダー以外の他のバインダーポリマーを併用してもよい。
第1のポリマー層における特定バインダーを含むバインダーポリマーの総含有量は、60〜95質量%が好ましく、75〜95質量%が更に好ましく、80〜93質量%が特に好ましい。
<架橋剤>
本発明における第1のポリマー層は、前記特定バインダー間を架橋する架橋剤由来の構造部分を有することが好ましい。つまり、第1のポリマー層は、バインダーポリマー間を架橋しうる架橋剤を用いて構成することができる。架橋剤で架橋されることにより、湿熱経時後の接着性、具体的には湿熱環境下に曝された場合のポリマー基材に対する接着、及び層間の接着をより向上させることができる。
第1のポリマー層に適用される架橋剤としては、オキサゾリン基を有する化合物が好ましい。オキサゾリン基を有する化合物の具体例としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2’−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2’−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。さらに、これらの化合物の(共)重合体も好ましく用いられる。
共重合体であるオキサゾリン基を有する化合物の具体例としては、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとメタアクリル酸メトキシポリエチレングリコールとアクリル酸メチルからなる共重合体、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとメタアクリル酸メトキシポリエチレングリコールとメタアクリル酸メチルからなる共重合体、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとメタアクリル酸メトキシポリエチレングリコールとアクリル酸エチルからなる共重合体、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンとメタアクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物とメタアクリル酸メチルからなる共重合体、2−イソプロペニル−4−オキサゾリンとメタアクリル酸メトキシポリエチレングリコールとメタアクリル酸メチルからなる共重合体、2−イソプロペニル−4−オキサゾリンとアクリル酸メトキシポリエチレングリコールとメタアクリル酸メチルからなる共重合体を挙げることができる。これらの共重合体は、第1のポリマー層に適用される架橋剤として特に好適に用い得る。
また、オキサゾリン基を有する化合物の市販品として、エポクロスK2010E、同K2020E、同K2030E、同WS−500、同WS−700(いずれも日本触媒化学工業(株)製)等も利用できる。
第1のポリマー層におけるオキサゾリン基を有する化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、本発明の効果を損ねない範囲において、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系等の架橋剤を併用してもよい。
第1のポリマー層が架橋剤による架橋構造を含む場合、第1のポリマー層が含有する特定バインダーに対して0.5〜50質量%の架橋剤由来の構造部分を含むことが好ましく、3〜30質量%の架橋剤由来の構造部分を含むことが更に好ましく、5〜20質量%の架橋剤由来の構造部分を含むことが特に好ましい。
架橋剤の添加量は、0.5質量%以上であると、第1のポリマー層の強度及び接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、50質量%以下であると、塗布液のポットライフを長く保てる。
<オニウム化合物>
第1のポリマー層は、耐溶剤性向上の観点から、オニウム化合物を含有することが好ましい。
オニウム化合物としては、アンモニウム塩、スルホニウム塩、オキソニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ニトロニウム塩、ニトロソニウム塩、ジアゾニウム塩等が挙げられる。
オニウム化合物の具体例としては、例えば、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、p−トルエンスルホン酸アンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、イミドジスルホン酸アンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、四フッ化ホウ素テトラブチルアンモニウム、六フッ化燐テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム等のアンモニウム塩;ヨウ化トリメチルスルホニウム、四フッ化ホウ素トリメチルスルホニウム、四フッ化ホウ素ジフェニルメチルスルホニウム、四フッ化ホウ素ベンジルテトラメチレンスルホニウム、六フッ化アンチモン2−ブテニルテトラメチレンスルホニウム、六フッ化アンチモン3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルホニウム等のスルホニウム塩;四フッ化ホウ素トリメチルオキソニウム等のオキソニウム塩;塩化ジフェニルヨードニウム、四フッ化ホウ素ジフェニルヨードニウム等のヨードニウム塩;六フッ化アンチモンシアノメチルトリブチルホスホニウム、四フッ化ホウ素エトキシカルボニルメチルトリブチルホスホニウム等のホスホニウム塩;四フッ化ホウ素ニトロニウム等のニトロニウム塩;四フッ化ホウ素ニトロソニウム等のニトロソニウム塩;塩化4−メトキシベンゼンジアゾニウム等のジアゾニウム塩等が挙げられる。
これらのオニウム化合物の中でも、安全性、pH、及び価格の観点からリン酸アンモニウム、塩化ベンジルアンモニウム等のアンモニウム塩がより好ましい。
第1のポリマー層におけるオニウム化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1のポリマー層におけるオニウム化合物の含有量は、第1のポリマー層に含有されるバインダーポリマーの総量に対し、0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜5質量%であることがより好ましい。
<沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤>
第1のポリマー層は、沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤の少なくとも一種を含有してもよい。低沸点の有機溶剤を含有することにより、第1のポリマー層に含有される特定バインダーを含むポリマーとオキサゾリン基を有する化合物との架橋反応が促進され、耐溶剤性がより向上する。
水混和性とは、水溶性を有することをいい、水と任意に混合する性質をいう。
沸点が99℃以下であることは、水系塗布液として好適に調製される塗布液中の主溶媒である水に比べより除去されやすいことを意味し、水よりも系外に出やすい溶媒成分を含むことで架橋反応が良好になると推定される。
沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤としては、沸点以外は特に制限されるものではなく、例えば、アルコール系溶剤(一価アルコール及び二価以上の多価アルコール)、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤などを挙げることができる。
前記アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール(b.p:65℃)、エチルアルコール(b.p:78℃)、n−プロピルアルコール(b.p:97℃)、i−プロピルアルコール(b.p:82℃)、t−ブチルアルコール(b.p:82℃)等が挙げられ、炭素数1〜3の一価アルコール等が好適に挙げられる。
前記ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン(b.p:56℃)、メチルエチルケトン(b.p:80℃)、2−ブタノン(b.p:79.5℃)等の炭素数3〜5のケトン系化合物が挙げられる。
前記エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル(b.p:35℃)、テトラヒドロフラン(b.p:66℃)などが挙げられる。
前記エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル(b.p:70℃)、酢酸イソプロピル(b.p:88〜91℃)などが挙げられる。
なお、前記「b.p」は、沸点(boiling point)を示す。
上記の中では、水混和性有機溶剤としては、ポリマーとオキサゾリン系架橋剤の間の架橋反応性、ひいては耐溶剤性の向上の観点から、炭素数1〜3の一価アルコール及び炭素数3〜5のケトン系化合物から選ばれる溶剤が好ましく、更には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、又はアセトンがより好ましい。
第1のポリマー層が沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を含有する場合、1種のみであってもよいし、2種以上を併用してもよい。
第1のポリマー層が水混和性有機溶剤を含有する場合、ポリマー層中に含有される水混和性有機溶剤の含有量は、第1のポリマー層に含有される特定バインダーを含むバインダーポリマーの総質量に対して、0.0001質量%〜30質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
水混和性有機溶剤は揮発するため、保存環境は、室温下、1週間以内、密閉容器内が望ましい。
第1のポリマー層には、必要に応じて、更に、界面活性剤、フィラー等を添加してもよい。
<界面活性剤>
第1のポリマー層に用いることができる界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる。
第1のポリマー層に界面活性剤を添加する場合、その添加量は0.1〜15mg/mが好ましく、より好ましくは0.5〜5mg/mである。界面活性剤の添加量は、0.1mg/m以上であると、ハジキの発生を抑えて良好な層形成が得られ、15mg/m以下であると、接着を良好に行なうことができる。
〜フィラー〜
第1のポリマー層には、更に、フィラーを添加してもよい。フィラーとしてはコロイダルシリカ、二酸化チタンなどの公知のフィラーを用いることができる。フィラーの添加量は、第1のポリマー層に含有されるバインダーに対して20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下である。フィラーの添加量が20質量%以下であると、第1のポリマー層の面状がより良好に保てる。
〜厚み〜
本発明における第1のポリマー層の厚みは0.8μm〜12μmの範囲が好ましく、1.0μm〜10μm程度の範囲が特に好ましい。
〜位置〜
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、第1のポリマー層の上にさらに別の層を積層してもよいが、保護シートの耐久性の向上、軽量化、薄型化、低コスト化などの観点から、第1のポリマー層が本発明の太陽電池用ポリマーシートの最外層であることが好ましい。
(第2のポリマー層)
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、前記バインダーポリマーを架橋するオキサゾリン基を有する架橋剤由来の構造部分を含み、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0を超え1未満である第2のポリマー層を有する。第2のポリマー層は、第1のポリマー層と共に、耐候性層として機能しうる層である。
第2のポリマー層は、場合に応じて更に他の成分を用いて構成することができ、適用する用途によりその構成成分が異なる。第1のポリマー層は、下塗り層、太陽光の反射機能や外観意匠性の付与などを担う着色層などを構成することができる。
第2のポリマー層は、例えば、ポリマー基材と、前記第1のポリマー層との接着性を高める層、即ち、いわゆる下塗り層として機能する層としてもよい。
また、第2のポリマー層は、例えば、太陽光をその入射側に反射させる反射層として構成することができる。その場合、第2のポリマー層は、白色顔料等の着色剤を更に用いて構成することができる。
<バインダーポリマー>
第2のポリマー層は、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含む。
第2のポリマー層が含有するフッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーは、前記第1のポリマー層が主バインダーとして含有する特定バインダーと同義であり、その詳細も同様である。また、特定バインンダーポリマーの含有量の詳細は、「第1のポリマー層」を「第2のポリマー層」と読み替える以外は第1のポリマー層の場合と同様である。具体的な特定バインダーとしては、第1のポリマー層が含有しうる特定バインダーと同様のものを好適に適用することができる。なお、第2のポリマー層が含有する特定バインダーは、第1のポリマー層が含有する特定バインダーと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2のポリマー層における特定バインダーを含むバインダーポリマーの総含有量は、60〜95質量%が好ましく、75〜95質量%が更に好ましく、80〜93質量%が特に好ましい。
<架橋剤>
本発明における第2のポリマー層は、前記特定バインダー間を架橋する架橋剤由来の構造部分を有する。つまり、第2のポリマー層は、バインダーポリマー間を架橋しうる架橋剤を用いて構成することができる。架橋剤で架橋されることにより、湿熱経時後の接着性、具体的には湿熱環境下に曝された場合のポリマー基材に対する接着、及び層間の接着をより向上させることができる。
第2のポリマー層には、架橋剤として、オキサゾリン基を有する化合物が適用される。
第2のポリマー層におけるオキサゾリン基を有する化合物としては、第1のポリマー層におけるオキサゾリン基を有する化合物と同様のものを好適に適用することができる。
第2のポリマー層におけるオキサゾリン基を有する化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されてもよい。
第2のポリマー層における特定バインダーに対するオキサゾリン基の当量[meq/g]は、0を超え1未満であり、0.45以上1未満であることが好ましい。
特定バインダーに対するオキサゾリン基の当量[meq/g]が上記の範囲であることで、ポリマー基材とその上に設けられたポリマー層間の密着性を特異的に向上させることができる。
また、本発明の効果を損ねない範囲において、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系等の架橋剤を併用してもよい。
前記第2のポリマー層は、第2のポリマー層の特定バインダー(主バインダー)に対して0.5〜50質量%の架橋剤由来の構造部分を含むことが好ましく、3〜30質量%の架橋剤由来の構造部分を含むことが更に好ましく、5〜20質量%の架橋剤由来の構造部分を含むことが特に好ましい。架橋剤の添加量は、前記第2のポリマー層の特定バインダー(主バインダー)に対して0.5質量%以上であると、第2のポリマー層の強度及び接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、50質量%以下であると、塗布液のポットライフを長く保てる。
<オニウム化合物>
第2のポリマー層は、耐溶剤性向上の観点から、オニウム化合物を含有することが好ましい。
第2のポリマー層に適用しうるオニウム化合物としては、第1のポリマー層に適用しうるオニウム化合物と同様のものが挙げられる。
第2のポリマー層におけるオニウム化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上を併用してもよい。
第2のポリマー層におけるオニウム化合物の含有量は、第2のポリマー層に含有されるバインダーポリマーの総量に対し、0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、1質量%〜5質量%であることがより好ましい。
<沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤>
第2のポリマー層は、沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤の少なくとも一種を含有してもよい。低沸点の有機溶剤を含有することにより、第2のポリマー層に含有される特定バインダーを含むバインダーポリマーとオキサゾリン基を有する化合物との架橋反応が促進され、耐溶剤性がより向上する。
第2のポリマー層が含有し得る沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤は、前記第1のポリマー層が含有し得る沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤と同義であり、その詳細も同様である。また、沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤の含有量の詳細は、「第1のポリマー層」を「第2のポリマー層」と読み替える以外は第1のポリマー層の場合と同様である。具体的な沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤としては、第1のポリマー層が含有しうる特定バインダーと同様のものを好適に適用することができる。なお、第2のポリマー層が含有する沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤は、第1のポリマー層が含有する特定バインダーと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
<その他の添加剤>
第2のポリマー層には、必要に応じて、界面活性剤、フィラー等を添加してもよい。
〜界面活性剤〜
界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤を添加する場合、その添加量は0.1〜10mg/mが好ましく、より好ましくは0.5〜3mg/mである。界面活性剤の添加量は、0.1mg/m以上であると、ハジキの発生を抑えて良好な層形成が得られ、10mg/m以下であると、ポリマー基材及び第1のポリマー層等の他の層との接着を良好に行なうことができる。
〜フィラー〜
第2のポリマー層には、更に、フィラーを添加してもよい。フィラーとしてはコロイダルシリカ、二酸化チタンなどの公知のフィラーを用いることができる。フィラーの添加量は、第2のポリマー層に含有されるバインダー当たり20質量%以下が好ましく、より好ましくは15質量%以下である。フィラーの添加量が20質量%以下であると、第2のポリマー層の面状がより良好に保てる。
〜厚み〜
第2のポリマー層の厚みは0.05μm〜10μmであることが好ましい。第2のポリマー層の厚みが0.05μm以上であれば耐久性が十分となり、前記ポリマー基材と前記第1のポリマー層との接着力を十分に確保できる。一方、第2のポリマー層の厚みが10μm以下であると面状が悪化し難く、前記第1のポリマー層などの他の層との接着力も十分となる。前記第2のポリマー層の厚みが0.05μm〜10μmの範囲にあると第2のポリマー層の耐久性と面状を両立し、ポリマー基材と第1のポリマー層との接着性を高めることができ、特に1.0μm〜10μm程度の範囲が好ましい。
〜バック層〜
本発明における第1及び第2のポリマー層をバック層(耐候性層)として構成することが好ましい。電池側基板(=太陽光が入射する側の透明性の基板(ガラス基板等)/太陽電池素子を含む素子構造部分)/太陽電池用ポリマーシートの積層構造を有する太陽電池において、バック層は支持体であるポリマー基材の前記電池側基板と対向する側と反対側に配される裏面保護層である。本発明においては、第1及び第2のポリマー層が特定バインダーを含むことで、ポリマー基材に対する接着や、ポリマー層間における接着が良化するとともに、更には湿熱環境下での劣化耐性が得られる。そのため、本発明における第1のポリマー層が、ポリマー基材から最も離れた最外層として配置された形態が好ましい。
バック層中に含むことができる他の成分としては、前述した界面活性剤、フィラー等の他、着色層に用いられる顔料を含んでもよい。これらの他の成分及び顔料の詳細、好ましい態様については、後述する。
〜着色層〜
本発明における第1のポリマー層は着色層(好ましくは反射層)であってもよい。この場合、第1のポリマー層はさらに顔料を含有する。第2のポリマー層は着色層(好ましくは反射層)であってもよい。この場合、第2のポリマー層はさらに顔料を含有する。着色層は、必要に応じて、さらに各種添加剤などの他の成分を含んで形成されてもよい。以下、第1のポリマー層が着色層である場合を第1の着色層、第2のポリマー層が着色層である場合を第2の着色層と称する場合がある。第1のポリマー層及び第2のポリマー層のどちらか一方のみが着色層であってもよいし、両方が着色層であってもよい。以下の説明は、第1と第2の着色層に共通する説明である。
着色層の機能としては、第1に、入射光のうち太陽電池セルを通過して発電に使用されずにバックシートに到達した光を反射させて太陽電池セルに戻すことにより、太陽電池モジュールの発電効率を上げること、第2に、太陽電池モジュールを太陽光が入射する側(オモテ面側)から見た場合の外観の装飾性を向上すること、等が挙げられる。一般に太陽電池モジュールをオモテ面側から見ると、太陽電池セルの周囲にバックシートが見えており、バックシートに着色層を設けることにより装飾性を向上させて見栄えを改善することができる。
−顔料−
本発明における着色層は、顔料の少なくとも一種を含有することができる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、群青、紺青、カーボンブラック等の無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料を、適宜選択して含有することができる。
顔料のうち、ポリマー層を、太陽電池に入射して太陽電池セルを通過した光を反射して太陽電池セルに戻す反射層として形成する場合、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク等が好ましい。
顔料の着色層中における含有量は、2.5g/m〜8.5g/mの範囲が好ましい。顔料の含有量が2.5g/m以上であると、必要な着色が得られ、反射率や装飾性を効果的に与えることができる。また、顔料の着色層中における含量が8.5g/m以下であると、着色層の面状を良好に維持しやすく、膜強度により優れる。中でも、顔料の含有量は、4.5g/m〜8.0g/mの範囲がより好ましい。
顔料の平均粒径としては、体積平均粒径で0.03μm〜0.8μmが好ましく、より好ましくは0.15μm〜0.5μm程度である。平均粒径が前記範囲内であると、光の反射効率が高い。平均粒径は、レーザー解析/散乱式粒子径分布測定装置LA950〔(株)堀場製作所製〕により測定される値である。
第1の着色層及び第2の着色層のいずれの場合も、バインダー成分(前記特定バインダーを含む)の含有量は、顔料に対して、15〜200質量%の範囲が好ましく、17〜100質量%の範囲がより好ましい。バインダーの含有量は、15質量%以上であると、着色層の強度が充分に得られ、また200質量%以下であると、反射率や装飾性を良好に保つことができる。
〜物性〜
着色層に顔料として白色顔料を添加して反射層とする場合、着色層及び後述する易接着性層が設けられている側の表面における550nmの光反射率は、75%以上であることが好ましい。なお、光反射率とは、易接着性層の表面から入射した光が反射層で反射して再び易接着性層から出射した光量の入射光量に対する比率である。ここでは、代表波長光として、波長550nmの光が用いられる。
光反射率が75%以上であると、セルを素通りして内部に入射した光を効果的にセルに戻すことができ、発電効率の向上効果が大きい。着色剤の含有量を2.5〜30g/mの範囲で制御することにより、光反射率を75%以上に調整することができる。
(他の機能層)
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、ポリマー基材、第1及び第2のポリマー層以外に、他の機能層を有していてもよい。他の機能層として、下塗り層、易接着層を設けることができる。
[下塗り層]
本発明の太陽電池用ポリマーシートには、前記ポリマー基材(支持体)と前記第2のポリマー層との間に下塗り層を設けてもよい。下塗り層の厚みは、厚み2μm以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.05μm〜2μmであり、更に好ましくは0.1μm〜1.5μmである。厚みが2μm以下であると、面状を良好に保つことができる。また、厚みが0.05μm以上であることにより、必要な接着性を確保しやすい。
下塗り層は、バインダーを含有することができる。バインダーとしては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリオレフィン等を用いることができる。また、下塗り層には、バインダー以外に、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤、アニオン系やノニオン系等の界面活性剤、シリカ等のフィラーなどを添加してもよい。
下塗り層を塗布するための方法や用いる塗布液の溶媒には、特に制限はない。
塗布方法としては、例えばグラビアコーターやバーコーターを利用することができる。
塗布液に用いる溶媒は、水でもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
また、塗布は、2軸延伸した後のポリマー基材に塗布してもよいし、1軸延伸後のポリマー基材に塗布した後に初めの延伸と異なる方向に延伸する方法でもよい。さらに、延伸前の基材に塗布した後に2方向に延伸してもよい。
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、太陽電池素子が封止材で封止された電池側基板の前記封止剤と接触させて、第1のポリマー層側を配設できる方法であれば適宜選択して製造することができる。中でも、第1及び第2のポリマー層の形成は、後述する本発明の太陽電池用ポリマーシートの製造方法により最も好適に行なえる。
[着色層]
本発明の太陽電池用ポリマーシートには、第1及び第2のポリマー層の他に、前記特定バインダーを実質的に含まない着色層(好ましくは反射層)がさらに設けられてもよい。この場合の着色層(以下、第3の着色層と呼ぶことがある)は、前記特定バインダー以外のポリマー成分と顔料とを少なくとも含み、必要に応じて、さらに各種添加剤などの他の成分を用いて構成することができる。なお、顔料及び各種添加剤の詳細については、第1又は第2のポリマー層が着色層として形成される場合について既述した通りである。特定バインダー以外のポリマー成分については、特に制限はなく適宜目的等に応じて選択することができる。
前記「実質的に含まない」とは、着色層中に特定バインダーを積極的に含有しないことを意味し、具体的には、着色層中における特定バインダーの含有量が15質量%以下であることをいい、好ましくは特定バインダーを含有しない(含有量が0(ゼロ)質量%である)場合が好ましい。
[易接着性層]
本発明の太陽電池用ポリマーシートには、さらに易接着性層が設けられていることも好ましい。易接着性層は、特に着色層の上に設けられることが好ましい。易接着性層は、太陽電池ポリマーシートを電池側基板(電池本体)の太陽電池素子(以下、発電素子ともいう)を封止する封止材(好ましくはEVA)と強固に接着するための層である。
易接着性層は、バインダー、無機微粒子を用いて構成することができ、必要に応じて、さらに添加剤などの他の成分を含んで構成されてもよい。易接着性層は、電池側基板の発電素子を封止するエチレン−ビニルアセテート(EVA;エチレン−酢酸ビニル共重合体)系封止材に対して、10N/cm以上(好ましくは20N/cm以上)の接着力を有するように構成されていることが好ましい。接着力が10N/cm以上であると、接着性を維持し得る湿熱耐性が得られやすい。
なお、接着力は、易接着性層中のバインダー及び無機微粒子の量を調節する方法、バックシートの封止材と接着する面にコロナ処理を施す方法などにより調整が可能である。
−バインダー−
易接着性層は、バインダーの少なくとも一種を含有することができる。
易接着性層に好適なバインダーとしては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリオレフィン等が挙げられ、中でも耐久性の観点から、アクリル樹脂、ポリオレフィンが好ましい。また、アクリル樹脂として、アクリルとシリコーンとの複合樹脂も好ましい。
好ましいバインダーの例としては、ポリオレフィンの具体例としてケミパールS−120、S−75N(ともに三井化学(株)製)、アクリル樹脂の具体例としてジュリマーET−410、SEK−301(ともに日本純薬(株)製)、アクリルとシリコーンとの複合樹脂の具体例としてセラネートWSA1060、WSA1070(ともにDIC(株)製)とH7620、H7630、H7650(ともに旭化成ケミカルズ(株)製)などを挙げることができる。
バインダーの易接着性層中における含有量は、0.05〜5g/mの範囲とすることが好ましい。中でも、0.08〜3g/mの範囲がより好ましい。バインダーの含有量は、0.05g/m以上であると所望とする接着力が得られやすく、5g/m以下であるとより良好な面状が得られる。
−微粒子−
易接着性層は、無機微粒子の少なくとも一種を含有することができる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化錫等が挙げられる。中でも、湿熱雰囲気に曝されたときの接着性の低下が小さい点で、酸化錫、シリカの微粒子が好ましい。
無機微粒子の粒径は、体積平均粒径で10〜700nm程度が好ましく、より好ましくは20〜300nm程度である。粒径がこの範囲内であると、より良好な易接着性を得ることができる。粒径は、レーザー解析/散乱式粒子径分布測定装置LA950〔(株)堀場製作所製〕により測定される値である。
無機微粒子の形状には、特に制限はなく、球形、不定形、針状形等のいずれのものを用いることができる。
無機微粒子の含有量は、易接着性層中のバインダーに対して、5〜400質量%の範囲とする。無機微粒子の含有量は、5質量%以上であると、湿熱雰囲気に曝されたときに良好な接着性が保持でき、400質量%以下であると、易接着性層の面状がより良好になる。
中でも、無機微粒子の含有量は、50〜300質量%の範囲が好ましい。
−架橋剤−
易接着性層には、架橋剤の少なくとも一種を含有することができる。
易接着性層に好適な架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。中でも、湿熱経時後の接着性を確保する観点から、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましい。オキサゾリン系架橋剤の具体例については、既述のポリマー層の項で説明した具体例と同様のものが挙げられる。
架橋剤の易接着性層中における含有量としては、易接着性層中のバインダーに対して、5〜50質量%が好ましく、中でもより好ましくは20〜40質量%である。架橋剤の含有量は、5質量%以上であると、良好な架橋効果が得られ、着色層の強度や接着性を保持することができ、50質量%以下であると、塗布液のポットライフを長く保つことができる。
−添加剤−
易接着性層には、必要に応じて、更に、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカ等の公知のマット剤、アニオン系やノニオン系などの公知の界面活性剤などを添加してもよい。
〜易接着性層の形成方法〜
易接着性層の形成は、易接着性を有するポリマーシートを基材に貼合する方法や、塗布による方法が挙げられる。中でも、塗布による方法は、簡便であると共に、均一性で薄膜での形成が可能である点で好ましい。塗布方法としては、例えば、グラビアコーターやバーコーターなどの公知の塗布法を利用することができる。塗布液の調製に用いる塗布溶媒は、水でもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等の有機溶媒でもよい。塗布溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
易接着性層の厚みには、特に制限はないが、通常は0.05〜8μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmの範囲である。易接着性層の厚みは、0.05μm以上であると必要な易接着性を好適に得ることができ、8μm以下であると面状がより良好になる。
また、易接着性層は、着色層の効果を低減させないために、透明であることが必要である。
〜物性〜
また、本発明の太陽電池用ポリマーシートは、120℃、100%RHの雰囲気下に48時間保存した後の封止材との接着力が、保存前の封止材との接着力に対し、75%以上であることが好ましい。本発明の太陽電池用ポリマーシートは、既述の通り、所定量のバインダーと該バインダーに対して所定量の無機微粒子とを含み、EVA系封止材に対して10N/cm以上の接着力を持つ易接着層を有することにより、前記保存後にも保存前の75%以上の接着力が得られる。これにより、作製された太陽電池モジュールは、バックシートの剥がれやそれに伴なう発電性能の低下が抑制され、長期耐久性がより向上する。
[太陽電池用ポリマーシートの製造方法]
本発明の太陽電池用ポリマーシートを製造する方法は特に限定されるものではないが、以下の本発明の太陽電池用ポリマーシートの製造方法により、好適に製造することができる。
即ち、本発明の太陽電池用ポリマーシートの製造方法は、ポリマー基材上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、オキサゾリン基を有する架橋剤を含有し、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0を超え1未満である塗布液を塗布、乾燥させた後、硬化させて、第2のポリマー層を形成する工程(第2のポリマー層形成工程)と、前記第2のポリマー層上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマーを含有する塗布液を塗布、乾燥させて、第1のポリマー層を形成する工程(第1のポリマー層形成工程)と、を有する。
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、上記のように、ポリマー基材の上に本発明における第1及び第2のポリマー層と、必要に応じて易接着性層とを形成することができる方法であればいずれの方法により作製されてもよい。
なお、第1及び第2のポリマー層用塗布液は、既述の必須成分及び任意成分を含有する塗布液である。ポリマー基材、及び各塗布液を構成する成分などの詳細については、既述の通りである。
第1及び第2のポリマー層用塗布液の好適な塗布法としては、例えば、グラビアコーターやバーコーターを利用することができる。また、本発明においては、ポリマー基材の表面に直にあるいは厚み2μm以下の下塗り層を介して、ポリマー層用塗布液を塗布し、ポリマー基材上にポリマー層(例えば着色層(好ましくは反射層)やバック層)を形成することができる。
第1及び第2のポリマー層の形成は、ポリマーシートをポリマー基材に貼合する方法、ポリマー基材形成時にポリマー層を共押出しする方法、塗布による方法等により行なえる。中でも、塗布による方法は、簡便であると共に、均一性で薄膜での形成が可能である点で好ましい。塗布による場合、塗布方法としては、例えば、グラビアコーター、バーコーターなどの公知の塗布方法を利用することができる。
ポリマー層用塗布液は、塗布溶媒として水を用いた水系でもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等の有機溶媒を用いた溶剤系でもよい。中でも、環境負荷の観点から、水を溶媒とすることが好ましい。塗布溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
ポリマー層用塗布液としては、これに含まれる溶媒中の50質量%以上、好ましくは60質量%以上が水である水系塗布液であることが好ましい。水系塗布液は、環境負荷の点で好ましく、また水の割合が50質量%以上であることにより、環境負荷が特に小さくなる点で有利である。ポリマー層用塗布液中の水の割合は、環境負荷の観点からは、さらに多い方が望ましく、水が全溶媒の90質量%以上含まれる場合がより好ましい。
また、ポリマー層用塗布液が、有機溶剤として後記する「沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤」を含むときには、「沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤」の量は、既述の「沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤」の含有量の範囲を満足する量に調整して用いられる。
ポリマー層用塗布液の好適な態様の一つは、沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を、該塗布液に含有されるバインダーポリマーの総質量に対して0.1質量%〜30質量%含有する水系塗布液である。第1のポリマー層及び第2のポリマー層の少なくとも一方の層は、該水系塗布液を用いて形成されることが好ましい。ポリマー層形成用塗布液における水混和性有機溶剤の含有量が30質量%以下であると、析出、ろ過性、溶剤環境の点で有利である。ポリマー層形成用塗布液中における水混和性有機溶剤の含有量は、バインダーポリマーに対して、0.1質量%〜30質量%であり、0.1質量%〜10質量%がより好ましく、更に好ましくは0.1質量%〜5質量%である。水混和性有機溶剤の含有量が0.1質量%以上であることは、水混和性有機溶剤を積極的に含有していることを意味し、形成された層中に残留させ易い。ポリマー層形成用塗布液中における水混和性有機溶剤の含有量の好適な範囲は、第1のポリマー層及び第2のポリマー層のいずれの層を形成する塗布液についても同じである。
沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤の具体例については、既述のポリマー層の項で説明した具体例と同様のものが挙げられる。
架橋剤としてオキサゾリン基を有する化合物が含有されるポリマー層用塗布液においては、水混和性有機溶剤の含有により、ポリマーとオキサゾリン基を有する化合物との間の架橋反応がより良好に進行し、より優れた耐溶剤性が得られる。
第2のポリマー層は、ポリマー層用塗布液の塗布後、所望の条件で乾燥を行なった後、更に、乾燥後の塗膜を硬化させる。第1のポリマー層についても、所望の条件で乾燥を行なった後、更に、乾燥後の塗膜を硬化させることが好ましい。
ポリマー層を硬化させる方法としては、加熱する方法が好適である。加熱温度しては、特に限定されないが、50℃〜200℃が好ましく、150℃〜200℃がより好ましい。第1又は第2のポリマー層を硬化させる際の硬化時間としては、1分〜30分が好ましく、製造適性としては、1分〜2分がより好ましい。
第1のポリマー層及び第2のポリマー層を本発明における第1のポリマー層及び第2のポリマー層の好適な形成態様においては、第1のポリマー層及び第2のポリマー層を形成するに際して、ポリマー基材上に第2のポリマー層を形成し、これに引き続いて、該第2のポリマー層上に第1のポリマー層を形成する態様が挙げられる。
また、本発明においては、第1のポリマー層及び第2のポリマー層を形成する際における硬化時間を、いずれも1分〜2分とすることができる。即ち、本発明においては、硬化時間を上記の如く比較的短時間に設定した場合においても、十分な密着性を有するポリマー層が形成できる。また、第1のポリマー層及び第2のポリマー層が、更に、オニウム化合物を含有する場合においては、十分な密着性と共に耐溶剤性についても向上させることができる。このように、本発明の太陽電池用ポリマーシートは、優れた製造適性を有するものである。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池モジュールは、既述の本発明の太陽電池用ポリマーシート、又は既述の太陽電池用ポリマーシートの製造方法により製造された太陽電池用ポリマーシートを設けて構成されている。本発明の好ましい形態として、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子を、太陽光が入射する透明性のフロント基板と既述の本発明の太陽電池用ポリマーシートとの間に配置し、該フロント基板とバックシートとの間で太陽電池素子をエチレン−ビニルアセテート系等の封止材で封止、接着して構成されている。すなわち、フロント基板とバックシートとの間に、太陽電池素子及び前記太陽電池素子を封止する封止材を有するセル構造部分が設けられている。
太陽電池モジュール、太陽電池セル、バックシート以外の部材については、例えば、「太陽光発電システム構成材料」(杉本栄一監修、(株)工業調査会、2008年発行)に詳細に記載されている。
透明性の基板は、太陽光が透過し得る光透過性を有していればよく、光を透過する基材から適宜選択することができる。発電効率の観点からは、光の透過率が高いものほど好ましく、このような基板として、例えば、ガラス基板、アクリル樹脂などの透明樹脂などを好適に用いることができる。
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、質量基準である。
また、以下において、体積平均粒子径は、レーザー解析/散乱式粒子径分布測定装置LA950〔(株)堀場製作所製〕を用いて測定した。
<ポリマー基材の作製>
実施例及び比較例に用いるポリマー基材として、PET−1、PET−2、PET−3、PET−4、及びPET−5を以下の通り作製した。
〜PET−1の作製〜
[工程1]−エステル化−
高純度テレフタル酸(三井化学(株)製)100kgとエチレングリコール(日本触媒化学工業(株)製)45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×10Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給しエステル化反応を行い、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行なった。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
[工程2]−ポリマーペレットの作製
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3質量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト及び酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマー中においてコバルト元素換算値、マンガン元素換算値がそれぞれ30ppm、15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマー中においてチタン元素換算値が5ppmとなるように添加し、低重合体を得た。その5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマー中においてリン元素換算値が5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。そして、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリマーのペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
但し、前記チタンアルコキシド化合物には、特開2005−340616号公報の段落番号[0083]の実施例1で合成しているチタンアルコキシド化合物(Ti含有量=4.44質量%)を用いた。
[工程3]−固相重合−
上記で得られたペレットを、40Paに保たれた真空容器中、220℃の温度で30時間保持して、固相重合を行なった。
[工程4]−フィルム状ポリマー基材(支持体)の作製−
以上のように固相重合を経た後のペレットを、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ2.5mmの未延伸ベースを作製した。その後、90℃で縦方向に3倍に延伸し、更に120℃で横方向に3.3倍に延伸した。こうして、厚み300μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体(以下、「PET−1」と称する。)を得た。
PET−1のカルボキシル基含量は、14eq/tであった。なお、ポリエチレンテレフタレート支持体のカルボキシル基含量は以下の方法で求めた。
<<カルボキシル基含量の測定>>
支持体約0.1gの重量w[g]を測定し、これを5mLのベンジルアルコールの入った丸底フラスコに入れて、栓をした状態で温度205℃の雰囲気下で24時間保持した。その後、内容物を15mLのクロロホルムに添加した。この液に少量のフェノールレッド指示薬を加えたものを、濃度0.01N/Lの水酸化カリウムのベンジルアルコール溶液で滴定した。滴定に要した水酸化カリウム溶液の量をymLとして、次の式(A)で2軸延伸PET支持体のカルボキシル基含量(COOH基含量)を求めた。なお、後述するPET−2〜5におけるカルボキシル基含量ついても、PET−1と同様して求めた。
カルボキシル基含量(eq/t)=0.01×y/w ・・・式(A)
〜PET−2の作製〜
−末端封止剤含有マスターバッチペレット(MB−I)の作製−
PET−1の作製にて得られた固相重合済みのペレット 9kgを、予め120℃、10−3torr(0.1333Pa)の雰囲気下で8時間乾燥した。
乾燥後のペレットに、下記末端封止剤Aを1kg添加し、ベント式二軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、末端封止剤Aを10質量%含有するマスターバッチペレット(MB−I)(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。
・末端封止剤A:
N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、Mw=206、カルボジイミド系末端封止剤
−支持体の作製−
PET−1の得られた固相重合済みのペレット 96質量%と、マスターバッチペレットMB−I 4質量%とを混合した混合ペレットを用いて、PET−1の作製における工程4と同様にして、厚み250μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体(PET−2)を得た。PET−2のカルボキシル基含量は8eq/tであった。
〜PET−3の作製〜
−末端封止剤含有マスターバッチペレット(MB−II)の作製−
PET−2の作製にて用いた末端封止剤Aに代えて、下記末端封止剤Bを用いた以外は、PET−2の作製と同様にして末端封止剤含有マスターバッチペレット(MB−II)を得た。
・末端封止剤B:
特開2011−153209号公報段落番号[0174]及び[0175]に記載の方法により製造した下記構造を有する環状カルボジイミド化合物、Mw=516。
−支持体の作製−
PET−1の得られた固相重合済みのペレット 92質量%と、マスターバッチペレット(MB−II) 8質量%とを混合した混合ペレットを用いて、PET−1の作製における工程4と同様にして、厚み250μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体(PET−3)を得た。PET−3のカルボキシル基含量は8eq/tであった。
〜PET−4の作製〜
−二酸化チタン含有マスターバッチペレット(MB−III)の作製−
PET−1の作製にて得られた固相重合済みのペレット 50kgを、予め120℃、10−3torr(0.1333Pa)の雰囲気下で8時間乾燥した。
乾燥後のペレットに平均粒径0.3μm(電顕法)のルチル型二酸化チタン50kgを混合したものをベント式二軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、酸化チタンを50質量%含有するマスターバッチペレット(MB−III)(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。このマスターバッチペレットのカルボキシル基含量は15eq/tであった。なお、二酸化チタン微粒子の平均粒径は下記の方法で測定した。
<<二酸化チタン微粒子の平均粒径の測定>>
二酸化チタン微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーする。次いで、ランダムに選んだ少なくとも100個の微粒子について、各粒子の長径と短径を測定する。長径と短径の平均値をその粒子の粒径とする。各粒子の粒径を求め、100個の粒子の平均値を二酸化チタン微粒子の平均粒径とする。
−支持体の作製−
PET−1の得られた固相重合済みのペレット 80質量%と、マスターバッチペレット(MB−III) 20質量%とを混合した混合ペレットを用いて、PET−1の作製における工程4と同様にして、厚み250μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体(PET−4)を得た。PET−4のカルボキシル基含量は14eq/tであった。
〜PET−5の作製〜
下記に示すように、PET−1の作製で得られた固相重合済みのペレットと、PET−4の作製で得られたマスターバッチペレット(MB−III)とをそれぞれ用いて、A層、B層及びC層を共押出した以外は、PET−1の作製における工程4と同様にして、A層、B層及びC層の積層構成を有する厚み250μmの二延伸ポリエチレンテレフタレート支持体(PET−5)を得た。A層、B層及びC層の厚さは、以下に示す通りである。また、PET−5のカルボキシル基含量は15eq/tであった。
(A層)
ペレット: PET−1の作製で得られた固相重合済みのペレットを単独で使用。
厚さ: 約50μm
(B層)
ペレット: PET−1の作製で得られた固相重合済みのペレット 64質量%と、マスターバッチペレット(MB−III)を36質量%とを混合した混合ペレットを使用。
厚さ: 約150μm
(C層)
ペレット: PET−1の作製で得られた固相重合済みのペレットを単独で使用。
厚さ: 約50μm
以上により得られたPET−1〜PET−5を用いて、実施例及び比較例の各ポリマーシートを以下の通り作製した。
[実施例1−1]
上記にて得られたPET−1に、反射層、易接着性層、第1及び第2のポリマー層を以下の通り形成して、実施例1−1のポリマーシートを作製した。
<反射層の形成>
−顔料分散物の調製−
下記組成中の成分を混合し、その混合物をダイノミル型分散機により1時間、分散処理を施した。
<顔料分散物の組成>
・二酸化チタン(体積平均粒子径=0.42μm)・・・39.9質量%
(タイペークR−780−2、石原産業(株)製、固形分100質量%)
・ポリビニルアルコール ・・・8.0質量%
(PVA−105、(株)クラレ製、固形分:10質量%)
・界面活性剤 ・・・0.5質量%
(デモールEP、花王(株)製、固形分:25質量%)
・蒸留水 ・・・51.6質量%
−反射層用塗布液1の調製−
下記組成中の成分を混合し、反射層用塗布液1を調製した。
<塗布液1の組成>
・上記の顔料分散物 ・・・80.0部
・ポリアクリル樹脂水分散液 ・・・19.2部
(バインダー:ジュリマーET410、日本純薬(株)製、固形分:30質量%)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・3.0部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤、H−1) ・・・2.0部
(エポクロスWS−700、日本触媒化学工業(株)製、固形分:25質量%)
・蒸留水 ・・・7.8部
−反射層の形成−
得られた反射層用塗布液1を、上記のPET−1上に塗布し、180℃で1分間乾燥させて、顔料層として、二酸化チタン量が6.5g/mの白色層(反射層)を形成した。
<易接着性層>
−易接着性層塗布液の調製−
下記組成中の成分を混合し、易接着性層用塗布液を調製した。
<塗布液の組成>
・ポリオレフィン樹脂水分散液 ・・・5.2部
(バインダー:ケミパールS−75N、三井化学(株)製、固形分:24質量%)
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・7.8部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤、H−1) ・・・0.8部
(エポクロスWS−700、日本触媒化学工業(株)製、固形分:25質量%)
・シリカ微粒子水分散物 ・・・2.9部
(アエロジルOX−50、日本アエロジル(株)製、体積平均粒子径=0.15μm、固形分:10質量%)
・蒸留水 ・・・83.3部
−易接着性層の形成−
得られた塗布液を、バインダー量が0.09g/mになるように反射層の上に塗布し、180℃で1分間乾燥させて、易接着性層を形成した。
<表面処理(コロナ処理)>
PET−1における反射層及び易接着層が形成されていない側に、下記の条件によりコロナ処理を行った。
<コロナ処理>
・装置:ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデル
・電極と誘電体ロールとのギャップクリアランス:1.6mm
・処理周波数:9.6kHz
・処理速度:10m/分
・処理強度:0.75kV・A・分/m
<第1及び第2のポリマー層>
〜第1及び第2のポリマー層の形成〜
PET−1におけるコロナ処理を行った側に、下記より得た第2のポリマー層用塗布液Aをバインダー量がウェット塗布量で5.1g/mになるように塗布し、150℃で2分間乾燥し、硬化させて、乾燥厚み8.5μmの第2のポリマー層を形成した。次いで、第2のポリマー層上に、下記より得た第1のポリマー層用塗布液Bをバインダー量がウェット塗布量で1.3g/mになるように塗布し、150℃で2分間乾燥し、硬化させて乾燥、厚み1.6μmの第1のポリマー層を形成した。
[第2のポリマー層用塗布液Aの調製]
下記組成中の成分を混合し、第2のポリマー層用塗布液Aを調製した。
<塗布液Aの組成>
・シリコーンポリマー水分散物(セラネートWSA1070、DIC(株)製、固形分濃度37.4質量%) ・・・45.9部
・オキサゾリン基を有する架橋剤(エポクロスWS−700、日本触媒化学工業(株)製、固形分:25質量%) ・・・7.7部
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・2.0部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・下記の顔料分散物 ・・・33.0部
・蒸留水 ・・・11.4部
〜顔料分散物の調製〜
下記成分を混合後、その混合物をダイノミル型分散機により1時間、分散処理した。
<組成>
・二酸化チタン(体積平均粒子径=0.42μm) ・・・39.9質量%
(タイペークR−780−2、石原産業(株)製、固形分100質量%)
・ポリビニルアルコール ・・・8.0質量%
(PVA−105、(株)クラレ製、固形分:10質量%)
・界面活性剤 ・・・0.5質量%
(デモールEP、花王(株)製、固形分:25質量%)
・蒸留水 ・・・51.6質量%
[第1のポリマー層用塗布液Bの調製]
下記組成中の成分を混合し、第1のポリマー層用塗布液Bを調製した。
<塗布液の組成>
・フッ素ポリマー水分散物(オブリガードSW0011F、AGCコーテック(株)、固形分濃度36.1質量%) ・・・45.9部
・オキサゾリン基を有する架橋剤(エポクロスWS−700、日本触媒化学工業(株)製、固形分:25質量%) ・・・7.7部
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル ・・・2.0部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固 形分:1質量%)
・上記の顔料分散物 ・・・33.0部
・蒸留水 ・・・11.4部
[実施例1−2〜1−3、比較例1−1〜1−6]
実施例1−1において、第2のポリマー層及び第1のポリマー層におけるバインダーに対するオキサゾリン基の当量(meq/g)が、表1に記載される値となるように、特定バインダー及びオキサゾリン基を有する架橋剤の使用量を変更した以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜1−3、比較例1−1〜1−6のポリマーシートを作製した。
[実施例2−1〜2−3、比較例2−1〜2−6]
実施例1−1〜1−3、及び比較例1−1〜1−6において、第1のポリマー層に用いたフッ素ポリマー水分散物を、シリコーンポリマー水分散物(セラネートWSA1070、DIC(株)製、固形分濃度37.4質量%)に変更した以外は、実施例1−1〜1−3、及び比較例1−1〜1−6と同様にして、実施例2−1〜2−3、及び比較例2−1〜2−6のポリマーシートを作製した。
(評価)
実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3、比較例1−1〜1−6、及び、比較例2−1〜2−6で作製された各ポリマーシートについて、下記の評価を行なった評価結果を表1に示す。
(1)密着性の評価
実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3、比較例1−1〜1−6、及び、比較例2−1〜2−6で得られた各ポリマーシートの第1及び第2のポリマー層が形成されている側の表面に、片刃のカミソリで縦横それぞれ6本ずつの傷をつけ、25マスのマス目を形成した。この上にマイラーテープ(ポリエステルテープ)を貼り付け、手動で試料表面に沿って180°方向に引っ張って剥離した。このとき、剥離されたマス目の数によって、バック層の接着力を下記の評価基準にしたがってランク分けした。評価ランク3〜5が、実用上許容可能な範囲である。
<評価基準>
5:全く剥離が起こらない
4:剥離したマス目はゼロであるが、キズ部分が僅かに剥離している。
3:剥離したマス目が1マス未満であった。
2:剥離したマス目が1マス以上5マス未満であった。
1:剥離したマス目が5マス以上であった。
実用上許容されるのは、評価ランク3〜5に分類されるものである。
表1に示すように、実施例1−1〜1−3、及び、実施例2−1〜2−3の各ポリマーシートは、比較例との対比において、いずれについても密着性に優れたポリマーシートであることが分かる。また、各実施例のポリマーシートは、製産適性についても優れていることが分かる。
[実施例3−1〜3−13]
実施例1−2に用いた第2のポリマー層用塗布液A及び第1のポリマー層用塗布液Bに対し、更に、表2に記載のオニウム化合物を、表2に記載の対バインダー比(質量%)になるように加えた以外は、実施例1−2と同様にして、実施例3−1〜3−13のポリマーシートを作製した。
[実施例4−1〜4−11]
実施例2−2に用いた第2のポリマー層用塗布液A及び第1のポリマー層用塗布液Bに対し、更に、表2に記載のオニウム化合物を、表2に記載の対バインダー比(質量%)になるように加えた以外は、実施例2−2と同様にして、実施例4−1〜4−11のポリマーシートを作製した。
[実施例5−1〜5−5]
実施例4−3に用いた第1のポリマー層用塗布液に対し、バインダーに対するオキサゾリン基の当量(meq/g)が、表3に記載される値となるように、特定バインダー、及びオキサゾリン基を有する架橋剤を使用し、オニウム化合物は使用せず、第2のポリマー層用塗布液に対し、エタノール(沸点99℃以下の水混和性有機溶剤)を、表3に記載の対バインダー比(質量%)になるように加えた以外は、実施例4−3と同様にして、実施例5−1〜5−5のポリマーシートを作製した。
[実施例5−6〜5−9]
実施例4−3に用いた第1のポリマー層用塗布液に対し、バインダーに対するオキサゾリン基の当量(meq/g)が表3に記載される値となるように、特定バインダー、オキサゾリン基を有する架橋剤、及びオニウム化合物を使用し、更に、エタノール(沸点99℃以下の水混和性有機溶剤)を、表3に記載の対バインダー比(質量%)になるように加えたこと、及び膜厚を表3に記載の通り変更したこと以外は、実施例4−3と同様にして、実施例5−6〜5−9のポリマーシートを作製した。
[実施例5−10〜5−13]
実施例5−6〜5−9に用いた第1のポリマー層用塗布液に対し、更に、エタノール(沸点99℃以下の水混和性有機溶剤)を、表3に記載の対バインダー比(質量%)になるように加えた以外は、実施例5−6〜5−9と同様にして、実施例5−10〜5−13のポリマーシートを作製した。
[実施例5−14〜5−15]
実施例5−10〜5−11に用いた第1のポリマー層用塗布液に対し、蒸留水量を調整することで、表3に記載の液濃度(質量%)となるようにした以外は、実施例5−10〜5−11と同様にして、実施例5−14〜5−15のポリマーシートを作製した。
[実施例5−16〜5−19]
実施例5−11に用いたポリマー基材(PET−1)を、表3に記載のポリマー基材に変更した以外は、実施例5−11と同様にして、実施例5−16〜5−17のポリマーシートを作製した。実施例5−11に用いたポリマー基材(PET−1)を、表3に記載のポリマー基材に変更し、更に第2のポリマー層におけるTi含有量を表3に記載の通りに変更した以外は、実施例5−11と同様にして、実施例5−18〜5−19のポリマーシートを作製した。
(評価)
実施例3−1〜3−11、実施例4−1〜4−11、実施例5−1〜5−19で調製された第1及び第2のポリマー層用塗布液の各々について、並びに、これらの実施例にて作製された各ポリマーシートについて、下記の評価を行なった。評価結果を表2及び表3に示す。
(1)密着性の評価
<1a>湿熱経時前の密着性
実施例1−1で作製したポリマーシートに対して行った密着性の評価と同様にして、実施例3−1〜3−11、実施例4−1〜4−11、及び、実施例5−1〜5−19で作製された各ポリマーシートについて、湿熱経時前の密着性の評価を行った。評価結果を表2及び表3に示す。
<1b>湿熱経時後の密着性
実施例3−1〜3−11、実施例4−1〜4−11、及び、実施例5−1〜5−19で作製された各ポリマーシートを、120℃、100%RHの環境条件下で48時間保持した後、25℃、60%RHの環境下において1時間調湿した後、前記「(1a)湿熱経時前の密着性」の評価と同様の方法で、密着性を評価した。評価結果を表2及び表3に示す。
(2)耐溶剤性の評価
実施例3−1〜3−11、実施例4−1〜4−11、及び、実施例5−1〜5−19で作製された各ポリマーシートの第1及び第2のポリマー層が形成されている側の表面(最表層をなす第1のポリマー層の表面)を、エタノールを染みこませた綿棒にて擦った。耐溶剤性は、ポリマー層の溶解(剥離)が生じた擦り回数に基づき、下記の評価基準にしたがってランク分けした。評価ランク3〜5が、実用上許容可能な範囲である。評価結果を表2及び表3に示す。
<評価基準>
5:100以上であるか、又は、全く溶解しない(剥離が生じない)
4:50回以上100回未満
3:30回以上超え50回未満
2:11回以上30回未満
1:10回以下
実用上許容されるのは、評価ランク3〜5に分類されるものである。
(3)塗布液のろ過性の評価
評価対象の塗布液を、50mL/minで送液し、ポール(株)製のろ過フィルム(孔径1.0μmのフィルター)を入れてろ過したときの圧力を下記の評価基準にしたがって評価した。評価ランク3〜5が、実用上許容可能な範囲である。評価結果を、下記表2及び表3に示す。
<評価基準>
5:圧力上昇なし(0.1kgf/cm未満/2L通液)
4:圧力上昇(0.1kgf/ccm以上0.5kgf/cm未満/2L通液)
3:圧力上昇(0.5kgf/cm以上1.0kgf/cm2未満/2L通液)
2:圧力上昇(1.0kgf/cm以上2.0kgf/cm未満/2L通液)
1:圧力上昇(2.0kgf/cm以上/2L通液)
表2及び表3に示すように、第1及び第2のポリマー層に更にオニウム化合物を含有する実施例3−1〜3−13、実施例4−1〜4−11、及び、実施例5−1〜5−19の各ポリマーシートは、耐溶剤性に優れると共に、密着性に優れたものであることが分かる。また、各実施例のポリマーシートは製産適性についても優れていることが分かる
(実施例6−1)
厚さ3mmの強化ガラスと、EVAシート(三井化学ファブロ(株)製のSC50B)と、結晶系太陽電池セルと、EVAシート(三井化学ファブロ(株)製のSC50B)と、実施例1−1で作製したポリマーシートとをこの順に重ね合わせ、真空ラミネータ(日清紡(株)製、真空ラミネート機)を用いてホットプレスすることにより、EVAと接着させた。このとき、実施例1−1で作製したポリマーシートを、その易接着性層がEVAシートと接触するように配置した。また、接着方法は、以下の通りである。
このようにして、結晶系の太陽電池モジュールを作製した。作製した太陽電池モジュールを発電運転したところ、太陽電池として良好な発電性能を示した。
<接着方法>
真空ラミネータを用いて、128℃で3分間の真空引き後、2分間加圧して仮接着した。その後、ドライオーブンにて150℃で30分間、本接着処理を施した。
(実施例6−2〜6−46)
実施例6−1において、ポリマーシートを、実施例1−2〜1−3、実施例2−1〜2−3、実施例3−1〜3−11、実施例4−1〜4−11、及び実施例5−1〜5−19で作製したポリマーシートに代えたこと以外は、実施例5−1と同様にして、実施例6−2〜6−46結晶系の太陽電池モジュールを作製した。
得られた太陽電池モジュールを用いて発電運転したところ、いずれも太陽電池として良好な発電性能を示した。

Claims (17)

  1. ポリマー基材の一方の面上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、前記バインダーポリマーを架橋するオキサゾリン基を有する架橋剤由来の構造部分を含み、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0.5以上1.0以下である第1のポリマー層と、前記第1のポリマー層の前記ポリマー基材側に設けられ、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、前記バインダーポリマーを架橋するオキサゾリン基を有する架橋剤由来の構造部分を含み、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0を超え1未満である第2のポリマー層と、を有し、
    前記ポリマー基材の他方の面上に、易接着性層と、前記易接着性層の前記ポリマー基材側に設けられた反射層と、を有し、
    前記第1のポリマー層が、太陽電池素子を含む素子構造部分に接触させた場合に、最外層となる層である太陽電池用ポリマーシート。
  2. 前記第1のポリマー層が、オニウム化合物を含有する請求項1に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  3. 前記第2のポリマー層が、オニウム化合物を含有する請求項1又は請求項2に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  4. 前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層の少なくとも1層が、沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を含有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  5. 前記ポリマー基材が、末端封止剤を含有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  6. 前記ポリマー基材が、カルボジイミド系末端封止剤を含有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  7. 前記ポリマー基材が、無機粒子又は有機粒子である微粒子を含有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  8. 前記ポリマー基材が、無機粒子又は有機粒子である微粒子の含有率の異なる2層以上を含む積層構成を有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  9. 前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層の少なくとも1層が、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、及びアセトンから選択される少なくとも1種の沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を含有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  10. ポリマー基材の一方の面上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、オキサゾリン基を有する架橋剤を含有し、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0を超え1未満である塗布液を塗布、乾燥させた後、硬化させて、第2のポリマー層を形成する工程と、
    前記第2のポリマー層上に、フッ素ポリマー及びシリコーンポリマーから選択される少なくとも1種のバインダーポリマー、及び、オキサゾリン基を有する架橋剤を含有し、且つ、前記バインダーポリマーに対する前記オキサゾリン基の当量[meq/g]が、0.5以上1.0以下である塗布液を塗布、乾燥させて、第1のポリマー層を形成する工程と、
    前記ポリマー基材の他方の面上に、反射層形成用塗布液を塗布、乾燥させて反射層を形成する工程と、
    前記反射層上に、易接着性層形成用塗布液を塗布、乾燥させて易接着性層を形成する工程と、
    を有し、前記第1のポリマー層が、太陽電池素子を含む素子構造部分に接触させた場合に、最外層となる層である太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
  11. 前記第1のポリマー層を形成する工程に用いる塗布液が、オニウム化合物を含有する請求項10に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
  12. 前記第2のポリマー層を形成する工程に用いる塗布液が、オニウム化合物を含有する請求項10又は請求項11に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
  13. 前記第1のポリマー層を形成する工程、及び、前記第2のポリマー層を形成する工程におけるポリマー層の硬化時間が、いずれも1分〜30分の範囲である請求項10から請求項12のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
  14. 前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層の少なくとも一方の層の形成に用いられる塗布液が、沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を、該塗布液に含有されるバインダーポリマーの総質量に対して0.1質量%〜30質量%含有する水系塗布液である請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
  15. 前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層の少なくとも1層の形成に用いられる塗布液が、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、及びアセトンから選択される少なくとも1種の沸点が99℃以下の水混和性有機溶剤を含有する請求項10から請求項14のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法
  16. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート、又は請求項10〜請求項15のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法により製造された太陽電池用ポリマーシートを備えた太陽電池モジュール。
  17. 太陽光が入射する透明性のフロント基板と、
    前記フロント基板の上に設けられ、太陽電池素子及び前記太陽電池素子を封止する封止材を有するセル構造部分と、
    前記セル構造部分の前記フロント基板が位置する側と反対側に設けられ、前記封止材と隣接して配置された、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート、又は請求項10〜請求項15のいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法により製造された太陽電池用ポリマーシートと、
    を備えた太陽電池モジュール。
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