JP5963651B2 - 太陽電池用ポリマーシート、太陽電池用バックシート、太陽電池用モジュールおよび太陽電池用ポリマーシートの製造方法 - Google Patents

太陽電池用ポリマーシート、太陽電池用バックシート、太陽電池用モジュールおよび太陽電池用ポリマーシートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池用ポリマーシート、太陽電池用バックシート、太陽電池用モジュールおよび太陽電池用ポリマーシートの製造方法に関する。
太陽電池は、発電時に二酸化炭素の排出がなく環境負荷が小さい発電方式であり、近年急速に普及が進んでいる。太陽電池モジュールは、一般に太陽光が入射するオモテ面側に配置されるフロント基材と、太陽光が入射するオモテ面側とは反対側(裏面側)に配置される、いわゆるバックシートとの間に、太陽電池素子が封止材で封止された太陽電池セルが挟まれた構造を有しており、フロント基材と太陽電池セルとの間および太陽電池セルとバックシートとの間は、それぞれEVA(エチレン−ビニルアセテート)樹脂などで封止されている。
太陽電池モジュールを構成するバックシートは、太陽電池モジュールの裏面からの水分の浸入を防止する働きを有するもので、従来はガラスやフッ素樹脂等が用いられていたが、近年ではコスト等の観点からポリエステルが適用されるに至っている。
ポリエステルを用いた太陽電池用バックシートとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を支持体として用い、これに他のポリマーシートを貼合する方法で形成されたものが開示されている。例えば、基材の一方の面の最外層にポリオレフィン系樹脂を主成分とする層を形成し、基材の他の面の最外層にフッ素系樹脂層を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−89632号公報
ここで、本発明者が特許文献1に記載の技術を検討したところ、ポリエステル支持シートの表裏面にポリオレフィン系樹脂を主成分とする層とフッ素系樹脂層とがそれぞれ最外層として積層された太陽電池用ポリマーシートには、ゴミが付着しやすいという問題があることがわかった。しかしながら、特許文献1にはこの問題を解決するための方策が何ら記載されておらず、ゴミの付着を軽減することは容易ではなかった。
ところで、ポリマーフィルム表面の光沢を調整することなどを目的として、昔からポリマーフィルムにマット剤を添加することが行われている。添加されたマット剤の一部は、フィルム表面から突出した状態でフィルム表面に保持される。このようなマット剤は、フィルム設置中や使用中に剥離することがある。このため、仮に太陽電池用ポリマーシートにマット剤を使用したとすると、剥離したマット剤が太陽電池用ポリマーシートにゴミとして付着することが懸念される。また、剥離したマット剤は、太陽電池モジュール内の欠陥を引き起こして商品価値を低下させてしまうことも懸念される。さらに、マット剤の剥離部分から水分が侵入することによって、太陽電池モジュールの寿命が低下してしまうおそれも考えられる。このように、太陽電池用ポリマーシートにマット剤を使用することは、種々の弊害を生み出すおそれがあって好ましくないと考えられていた。
このような状況の中で、本発明者らは、ポリエステル支持シートの表裏面にポリオレフィン系樹脂を主成分とする層とフッ素系樹脂層とがそれぞれ最外層として積層された太陽電池用ポリマーシートにおいて、ゴミが付着しやすいという課題を解決することを目的として鋭意検討を重ねた。
かかる状況のもと本願発明者が鋭意検討を行った結果、太陽電池用ポリマーシートを構成する層の少なくとも1層に、粒径および添加量を規定したマット剤を所定の条件を満たすように含有させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、以下の解決手段<1>により、好ましくは、<2>〜<13>により、上記課題は解決された。
<1>ポリエステル支持シートの一方の面とその反対面にそれぞれ少なくとも1層のポリマー層を有する太陽電池用ポリマーシートであって、前記一方の面に設けられたポリマー層のうち最外層のポリマー層は、フッ素系ポリマーをバインダーとして含有する第1のポリマー層であり、前記反対面に設けられたポリマー層のうち最外層のポリマー層は、ポリオレフィン系ポリマーをバインダーとして含有する第2のポリマー層であり、前記一方の面に設けられたポリマー層か前記反対面に設けられたポリマー層の少なくとも一方が、下記式(1)〜(3)の条件を満たすようにマット剤を含有することを特徴とする太陽電池用ポリマーシート。
0.06≦(A/B)≦0.8 (1)
5mg/m2≦C≦50mg/m2 (2)
(Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Bは、マット剤を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シートに近いポリマー層の膜厚と、その層よりも表面側に表面側ポリマー層が設けられている場合はその表面側ポリマー層の総厚との合計(単位:μm)を表し、Cは、マット剤の片面あたりの添加量を表す。また、前記表面側ポリマー層が少なくとも1層設けられている場合は、さらに下記式(3)の条件も満たす。)
0.1≦(A/D)≦1.1 (3)
(Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
<2>前記式(1)〜(3)の条件を満たすポリマー層が、マット剤を含有する最もポリエステル支持シートに近いポリマー層と、その層よりも表面側に形成されている表面側ポリマー層から構成されており、下記式(4)の条件をさらに満たすように前記マット剤を含有することを特徴とする<1>に記載の太陽電池用ポリマーシート。
0.1≦(A/D)≦0.8 (4)
(Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Dは、表面側ポリマー層の膜厚(単位:μm)を表す。)
<3>前記第1のポリマー層と前記ポリエステル支持シートとの間に、ポリマーをバインダーとして含有する第3のポリマー層をさらに有することを特徴とする<1>または<2>に記載の太陽電池用ポリマーシート。
<4>前記第3のポリマー層が、シリコーン系ポリマーをバインダーとして含有し、マット剤も含有することを特徴とする<3>に記載の太陽電池用ポリマーシート。
<5>前記第1のポリマー層または前記第2のポリマー層がマット剤を含有することを特徴とする<1>〜<3>のうちいずれかに記載の太陽電池用ポリマーシート。
<6>前記第1のポリマー層が有機溶剤を含有しており、その有機溶剤含有量が、該第1のポリマー層の全重量の0.01〜3質量%であることを特徴とする<1>〜<5>のうちいずれかに記載の太陽電池用ポリマーシート。
<7><1>〜<6>のうちいずれかに記載の太陽電池用ポリマーシートが複数枚積重されてなることを特徴とする太陽電池用ポリマーシートの積重体。
<8><1>〜<6>のうちいずれかに記載の太陽電池用ポリマーシートが帯状に形成されており、該太陽電池用ポリマーシートが長手方向に巻回されてなることを特徴とする太陽電池用ポリマーシートのロール体。
<9><1>〜<6>のうちいずれかに記載の太陽電池用ポリマーシートを用いた太陽電池用バックシート。
<10><9>に記載の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池用モジュール。
<11>ポリエステル支持シートの一方の面とその反対面にそれぞれ少なくとも1層のポリマー層を有する太陽電池用ポリマーシートの製造方法であって、前記ポリエステル支持シートの一方の面とその反対面にそれぞれ、フッ素系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第1の塗布液、ポリオレフィン系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第2の塗布液またはシリコーン系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第3の塗布液を塗布した後、乾燥することにより、前記一方の面の最外層に、フッ素系ポリマーをバインダーとして含有する第1のポリマー層を形成し、前記反対面の最外層に、ポリオレフィン系ポリマーをバインダーとして含有する第2のポリマー層を形成するポリマー層形成工程を含み、前記第1の塗布液、前記第2の塗布液および前記第3の塗布液のうち少なくとも1つには、マット剤が含有されており、前記一方の面に設けられたポリマー層か前記反対面に設けられたポリマー層の少なくとも一方が、下記式(1)〜(3)の条件を満たすように前記マット剤を含有させることを特徴とする太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
0.06≦(A/B)≦0.8 (1)
5mg/m2≦C≦50mg/m2 (2)
(Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Bは、マット剤を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シートに近いポリマー層の膜厚と、その層よりも表面側に表面側ポリマー層が設けられている場合はその表面側ポリマー層の総厚との合計(単位:μm)を表し、Cは、マット剤の片面あたりの添加量を表す。また、前記表面側ポリマー層が少なくとも1層設けられている場合は、さらに下記式(3)の条件も満たす。)
0.1≦(A/D)≦1.1 (3)
(Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
<12>前記ポリマー層形成工程は、前記ポリエステル支持シートの一方の面に、前記第1のポリマー層を形成する第1のポリマー層形成工程と、前記ポリエステル支持シートの反対面に、前記第2のポリマー層を形成する第2のポリマー層形成工程を含み、前記第1のポリマー層または前記第2のポリマー層に、前記式(1)および(2)の条件を満たすように前記マット剤を含有させることを特徴とする<11>に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
<13>前記ポリマー層形成工程は、前記ポリエステル支持シートの一方の面に、前記第3のポリマー層を形成する第3のポリマー層形成工程と、前記第3のポリマー層上に、前記第1のポリマー層を形成する第1のポリマー層形成工程と、前記ポリエステル支持シートの反対面に、前記第2のポリマー層を形成する第2のポリマー層形成工程を含み、前記式(1)〜(3)の条件を満たすポリマー層が、マット剤を含有する最もポリエステル支持シートに近いポリマー層と、その層よりも表面側に形成されている表面側ポリマー層から構成されており、下記式(4)の条件をさらに満たすように前記マット剤を含有させることを特徴とする<11>に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
0.1≦(A/D)≦0.8 (4)
(Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
本発明によれば、ゴミが付着しにくくて、マット剤が剥離しにくい太陽電池用ポリマーシートを提供することができる。また、本発明によれば、添加したマット剤が太陽電池用ポリマーシートから剥離されにくくなるため、剥離したマット剤が異物となって太陽電池モジュール内に欠陥が発生して商品価値が低下してしまうことを防止することができ、また、マット剤の剥離部分から水分が侵入することによる太陽電池モジュールの寿命の低下を防止することもできる。
本発明の太陽電池用ポリマーシートの第1の実施態様を示す断面図である。 本発明の太陽電池用ポリマーシートの第1の実施態様を示す断面図である。 本発明の太陽電池用ポリマーシートの第2の実施態様を示す断面図である。 本発明の太陽電池用ポリマーシートの第2の実施態様を示す断面図である。 本発明の太陽電池用ポリマーシートをバックシートとして用いた太陽電池モジュールの一例を示す断面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
[太陽電池用ポリマーシート]
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、ポリエステル支持シートの一方の面とその反対面にそれぞれ少なくとも1層のポリマー層を有するものである。本発明の太陽電池用ポリマーシートは、ポリエステル支持シートの一方の面に設けられたポリマー層のうち最外層のポリマー層が、フッ素系ポリマーをバインダーとして含有する第1のポリマー層であり、ポリエステル支持シートの反対面に設けられたポリマー層のうち最外層のポリマー層が、ポリオレフィン系ポリマーをバインダーとして含有する第2のポリマー層である。本発明の太陽電池用ポリマーシートは、ポリエステル支持シートの一方の面に設けられたポリマー層か、ポリエステル支持シートの反対面に設けられたポリマー層の少なくとも一方が、下記式(1)〜(3)の条件を満たすようにマット剤を含有する。
0.06≦(A/B)≦0.8 (1)
5mg/m2≦C≦50mg/m2 (2)
(Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Bは、マット剤を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シートに近いポリマー層の膜厚と、その層よりも表面側に表面側ポリマー層が設けられている場合はその表面側ポリマー層の総厚との合計(単位:μm)を表し、Cは、マット剤の片面あたりの添加量を表す。また、前記表面側ポリマー層が少なくとも1層設けられている場合は、さらに下記式(3)の条件も満たす。)
0.1≦(A/D)≦1.1 (3)
(Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
以下、本発明の太陽電池用ポリマーシートの好ましい実施の態様について説明する。
(本発明の太陽電池用ポリマーシートの第1の実施の態様)
例えば図1および図2に示すように、本発明の太陽電池用ポリマーシート10は、ポリエステル支持シート11の一方の面11aに第1のポリマー層12、反対面11bに第2のポリマー層13をそれぞれ最外層のポリマー層として有する。また、太陽電池用ポリマーシート10は、第1のポリマー層12が、上述した式(1)〜(3)の条件を満たすようにマット剤14を含有する。
第1の実施の態様では、上記の「表面側ポリマー層」が設けられていない。このため、上述した式(1)に関して、「マット剤を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シートに近いポリマー層」は、第1のポリマー層12となる。このため、第1のポリマー層12の膜厚をt1とすると、式(1)のBはt1となる。
<ポリエステル支持シート>
本発明におけるポリエステル支持シート11としては、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルが挙げられる。かかるポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのフィルムまたはシートを挙げることができる。このうち、力学的物性やコストのバランスの点で、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートが特に好ましい。
ポリエステル支持シート11は、単独重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。更に、前記ポリエステルに、他の種類の樹脂、例えばポリイミド等を少量ブレンドしたものであってもよい。
本発明におけるポリエステルを重合する際には、カルボキシル基含量を所定の範囲以下に抑える観点から、Sb系、Ge系、Ti系の化合物を触媒として用いることが好ましく、中でも特にTi系化合物が好ましい。Ti系化合物を用いる場合、Ti系化合物をTi元素換算値が1ppm以上30ppm以下、より好ましくは3ppm以上15ppm以下の範囲となるように触媒として用いることにより重合する態様が好ましい。Ti系化合物の使用量がTi元素換算で前記範囲内であると、末端カルボキシル基を下記範囲に調整することが可能であり、ポリエステル支持シート11の耐加水分解性を低く保つことができる。
Ti系化合物を用いたポリエステルの合成には、例えば、特公平8−301198号公報、特許第2543624号、特許第3335683号、特許第3717380号、特許第3897756号、特許第3962226号、特許第3979866号、特許第3996871号、特許第4000867号、特許第4053837号、特許第4127119号、特許第4134710号、特許第4159154号、特許第4269704号、特許第4313538号等に記載の方法を適用できる。
ポリエステル支持シート11中のカルボキシル基含量は、55当量/t(eq/t、当量/トン;以下同様)以下が好ましく、より好ましくは35当量/t以下であり、さらに好ましくは20当量/t以下であり、さらに特に好ましくは20当量/t以下である、よりさらに特に好ましくは13当量/t以下である。カルボキシル基含量の下限は、ポリエステルフィルムに形成される層との間の接着性を保持する点で、2当量/tが望ましい。カルボキシル基含量が55当量/t以下であると、耐加水分解性を保持し、湿熱経時したときの強度低下を小さく抑制することができる。
ポリエステル中のカルボキシル基含量は、重合触媒種、製膜条件(製膜温度や時間)により調整することが可能である。
カルボキシル基含量(AV)は、目的とするポリエステル支持シート11をベンジルアルコール/クロロホルム(=2/3;体積比)の混合溶液に完全溶解させ、指示薬としてフェノールレッドを用い、基準液(0.025N KOH−メタノール混合溶液)で滴定し、その適定量から算出される値である。
本発明におけるポリエステル支持シート11は、重合後に固相重合されたものが好ましい。これにより、好ましいカルボキシル基含量を達成することができる。固相重合は、連続法(タワーの中に樹脂を充満させ、これを加熱しながらゆっくり所定の時間滞流させた後、送り出す方法)でもよいし、バッチ法(容器の中に樹脂を投入し、所定の時間加熱する方法)でもよい。具体的には、固相重合には、特許第2621563号、特許第3121876号、特許第3136774号、特許第3603585号、特許第3616522号、特許第3617340号、特許第3680523号、特許第3717392号、特許第4167159号等に記載の方法を適用することができる。
固相重合の温度は、170℃以上240℃以下が好ましく、より好ましくは180℃以上230℃以下であり、さらに好ましくは190℃以上220℃以下である。また、固相重合時間は、5時間以上100時間以下が好ましく、より好ましくは10時間以上75時間以下であり、さらに好ましくは15時間以上50時間以下である。固相重合は、真空中あるいは窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
ポリエステル支持シート11は、例えば、上記のポリエステルをフィルム状に溶融押出を行なった後、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸した2軸延伸フィルムであることが好ましい。
さらに、必要に応じて180〜230℃で1〜60秒間の熱処理を行なったものでもよい。
ポリエステル支持シート11は、封止剤を添加すること、すなわち、末端封止剤を含有することが好ましい。本発明における末端封止剤は、ポリエステル支持シート11の末端カルボン酸と反応する化合物であり、ポリエステル支持シート11の耐加水分解を向上させる働きがある。ポリエステル支持シート11の加水分解は、末端カルボン酸等から生じるH+の触媒効果により加速されるため、封止剤によりH+の生成を抑制することにより耐加水分解を向上させていると考えられている。
末端封止剤の具体例としては、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、カーボネート化合物等が挙げられるが、PETと親和性が高く末端封止能の高いカルボジイミドが好ましい。
カルボジイミド化合物の場合、環状構造を持つものも好ましい(例えば、特開2011−153209に記載のもの)。これはポリエステルの末端カルボン酸と環状のカルボジイミドが開環反応し、一方がこのポリエステルと反応、開環した他方が他のポリエステルと反応し高分子量化するため、イソシアネート系ガスが発生することを抑制するためである。
カルボジイミド化合物の具体例としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、1,5−ナフタレンカルボジイミド、4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド、4,4’−ジフェニルジメチルメタンカルボジイミド、特開2011−153209に記載の環状構造のカルボジイミド等がある。
末端封止剤の分子量は、200〜10万が好ましく、より好ましくは2000〜8万、さらに好ましくは1万〜5万が好ましい。封止剤の分子量が10万以上であるとポリエステル中に均一分散しにくく耐候性改良効果を充分に発現し難い。一方、200未満では、押出し、製膜中に揮散し易く耐候性向上効果を発現し難く好ましくない。
末端封止剤の好ましい添加量は、ポリエステルに対して0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%、さらに好ましくは0.3〜2質量%である。添加量が0.1質量%未満の場合は充分な耐候性向上効果が得られない場合があり、10質量%を超えるとポリエステル支持シート11の製造工程で凝集物が発生する場合がある。
ポリエステル支持シート11の厚みは、25〜300μm程度が好ましい。厚みは、25μm以上であると力学強度が良好であり、300μm以下であるとコスト的に有利である。
特にポリエステル支持シート11は、厚みが120μm以上300μm以下であって、かつポリエステル中のカルボキシル基含量が2〜20当量/tである場合に、より湿熱耐久性の向上効果が奏される。
ポリエステル支持シート11は、コロナ処理、火炎処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、または紫外線処理により表面処理が施された態様が好ましい。これらの表面処理を施すことで、湿熱環境下に曝された場合の接着性をさらに高めることができる。中でも特に、コロナ処理を行うことで、より優れた接着性の向上効果が得られる。
これらの表面処理は、ポリエステル支持シート11表面にカルボキシル基や水酸基が増加することにより接着性が高められるが、架橋剤(特にカルボキシル基と反応性の高いオキサゾリン系もしくはカルボジイミド系の架橋剤)を併用した場合により強力な接着性が得られる。これは、コロナ処理による場合により顕著である。したがって、特にポリエステル支持シート11のポリマー層が形成される側の表面がコロナ処理されていることが好ましい。
<第1のポリマー層>
太陽電池用ポリマーシート10は、ポリエステル支持シート11の一方の面11aに設けられたポリマー層のうち最外層のポリマー層として、フッ素系ポリマーをバインダーとして含有する第1のポリマー層12を有する。太陽電池用ポリマーシート10は、第1のポリマー層12を最外層として有することにより、耐久性の向上、軽量化、薄型化、低コスト化などを実現することができる。
第1のポリマー層12は、フッ素系ポリマーを主バインダーとして構成されることが好ましい。本願明細書において、主バインダーとは、ポリマー層において含有量が最も多いバインダーのことをいう。第1のポリマー層12が、例えば、フッ素系ポリマーを主バインダーとして構成される塗料を塗布してなる塗膜であることにより、フッ素樹脂を含有する樹脂シートを第1のポリマー層12として用いる場合に比べて、太陽電池用ポリマーシート10を軽量化することができ、また、第1のポリマー層12をより薄くすることができる。
第1のポリマー層12に用いるフッ素系ポリマーとしては、−(CFX1−CX23)−で表される繰り返し単位を有するポリマーであれば特に制限はない(ただし、X1、X2、X3は水素原子、フッ素原子、塩素原子または炭素数1から3のパーフルオロアルキル基を示す。)。具体的なポリマーの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(以降、PTFEと表す場合がある)、ポリフッ化ビニル(以降、PVFと表す場合がある)、ポリフッ化ビニリデン(以降、PVDFと表す場合がある)、ポリ塩化3フッ化エチレン(以降、PCTFEと表す場合がある)、ポリテトラフルオロプロピレン(以降、HFPと表す場合がある)などがある。
これらのポリマーは、単独のモノマーを重合したホモポリマーでも良いし、2種類以上を共重合したものでもよい。この例として、テトラフルオロエチレンとテトラフルオロプロピレンを共重合したコポリマー(P(TFE/HFP)と略記)、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンを共重合したコポリマー(P(TFE/VDF)と略記)等を挙げることができる。
さらに、第1のポリマー層12に用いるフッ素系ポリマーとしては、−(CFX1−CX23)−で表されるフッ素系モノマーと、それ以外のモノマーを共重合したポリマーでもよい。これらの例として、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(P(TFE/E)と略記)、テトラフルオロエチレンとプロピレンの共重合体(P(TFE/P)と略記)、テトラフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(TFE/VE)と略記)、テトラフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(TFE/FVE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/VE)と略記)、クロロトリフルオロエチレンとパーフロロビニルエーテルの共重合体(P(CTFE/FVE)と略記)等を挙げることができる。
具体的には、塩化3フッ化エチレン/パーフロロエチルビニルエーテル共重合体、塩化3フッ化エチレン/パーフロロエチルビニルエーテル/メタクリル酸共重合体、塩化3フッ化エチレン/エチルビニルエーテル共重合体、塩化3フッ化エチレン/エチルビニルエーテル/メタクリル酸共重合体、フッ化ビニリデン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、フッ化ビニル/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体が好ましく、この中で塩化3フッ化エチレン/パーフロロエチルビニルエーテル/メタクリル酸共重合体、塩化3フッ化エチレン/エチルビニルエーテル共重合体が特に好ましい。
これらのフッ素系ポリマーとしては、ポリマーを有機溶剤に溶解して用いるものでも、ポリマー微粒子を水に分散して用いるものでもよい。環境負荷が小さい点から、ポリマー微粒子を水に分散して用いるものが好ましい。フッ素系ポリマーの水分散物については、例えば特開2003−231722号公報、特開2002−20409号公報、特開平9−194538号公報等に記載されており、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、フッ素系ポリマーは、商業的に入手してもよく、例えば、ルミフロンLF200(旭硝子(株)製)、ゼッフルGK−570(ダイキン工業(株)製)、オブリガートSW0011F(フッ素系バインダー、AGCコーテック(株)製)などを好ましく用いることができる。
その他、フッ素系ポリマーの具体例としては、例えば、特開2012−89632号公報の段落番号0061〜0066に記載のものが挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
第1のポリマー層12のバインダーとしては、上述したフッ素系ポリマーを単独で用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。また、全バインダーの50質量%を超えない範囲でアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂などのフッ素系ポリマー以外の樹脂を併用してもよい。ただし、フッ素系ポリマー以外の樹脂が50質量%を超えるとバックシートに用いた場合に耐候性が低下する場合がある。
第1のポリマー層12中におけるフッ素系ポリマーの含有比率としては、50〜95%の範囲とすることが好ましい。フッ素系ポリマーの含有比率を50%以上とすることにより、耐候性を改善することができる。また、フッ素系ポリマーの含有比率を95%以下にすることにより、フッ素系ポリマーの比率が多過ぎず、第1のポリマー層12の接着性が十分となる。フッ素系ポリマーの含有比率は、第1のポリマー層12の表面強度の観点から、60〜93%の範囲が好ましく、70〜90%の範囲がより好ましい。
(その他の添加剤)
第1のポリマー層12には、必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、触媒、有機系滑剤、シランカップリング剤などを添加することができる。
(架橋剤)
第1のポリマー層12に架橋剤を添加することで架橋剤に由来する架橋構造が得られる。第1のポリマー層12に用いられる架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。カルボジイミド系架橋剤としては、例えばカルボジライトV−02−L2(日清紡績(株)製)、オキサゾリン系架橋剤としては、例えばエポクロスWS−700、エポクロスK−2020E(いずれも日本触媒(株)製)などがある。イソシアネート系の架橋剤としては、ブロックイソシアネートが好ましく、ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートがより好ましく、3,5−ジメチルピラゾールでブロックされたイソシアネートが特に好ましい。本発明に好ましく用いられるイソシアネート系の架橋剤としては、例えばBaxenden社製のTrixeneシリーズのDP9C/214や、同じくBaxenden社製のBI7986などを挙げることができる。
(界面活性剤)
第1のポリマー層12に用いられる界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系等の公知の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤を添加する場合、その添加量は0〜15mg/m2が好ましく、より好ましくは0.5〜5mg/m2である。界面活性剤の添加量を0.1mg/m2以上にすることにより、ハジキの発生を抑えて良好な層形成をすることができる。界面活性剤の添加量を15mg/m2以下にすることにより、接着を良好に行うことができる。
(紫外線吸収剤)
第1のポリマー層12に用いられる紫外線吸収剤は、紫外光を吸収して熱エネルギーに変換する化合物、フィルム等が紫外光を吸収、分解した際に発生したラジカルを捕捉し分解連鎖反応を抑制する材料などが挙げられる。これらの紫外線吸収剤を含有することで、長期間継続的に曝光下におかれた場合でも、強度劣化や剥離、色調変化等を防止することができる。
紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、有機系、無機系のいずれの紫外線吸収剤を用いてもよく、これらを併用してもよい。紫外線吸収剤は、好ましくは耐湿熱性に優れておりポリマー層中に均一分散可能であることが望ましい。
紫外線吸収剤の例としては、有機系の紫外線吸収剤として、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系等の紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系等の紫外線安定剤などが挙げられる。
具体的には、例えば、サリチル酸系の紫外線吸収剤として、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤として、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられる。
シアノアクリレート系の紫外線吸収剤として、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)等が挙げられる。
トリアジン系の紫外線吸収剤として、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等が挙げられる。
ヒンダードアミン系の紫外線安定剤として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等が挙げられる。
そのほか、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、および2,4−ジ・t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ・t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどを挙げることができる。
また、無機系の紫外線吸収剤として、例えば、二酸化チタン、酸化セリウム等の微粒子を挙げることができる。
上記のうち、繰り返し紫外線吸収に対する耐性が高いという点で、トリアジン系紫外線吸収剤がより好ましい。なお、これらの紫外線吸収剤や紫外線安定剤は、単体で第1のポリマー層12に含ませてもよいし、有機系導電性材料や非水溶性樹脂に紫外線吸収能を有するモノマーを共重合させた形態で導入してもよい。
第1のポリマー層12中における紫外線吸収剤の含有量は、第1のポリマー層12の全バインダーに対して、2体積%以上100体積%以下が好ましく、より好ましくは10体積%以上60体積%以下である。
紫外線吸収剤の含有量が第1のポリマー層12の全バインダーに対して2体積%以上であると、長期経時による劣化に伴う支持シートのひび割れや塗布形成等された層の剥離などを抑止でき、例えば塗布形成された塗布層等の密着力低下を抑止することができる。また、紫外線吸収剤の含有量が第1のポリマー層12の全バインダーに対して100体積%以下であると、塗布面状や湿熱経時後の接着性の点で有利である。
本発明の太陽電池用ポリマーシート10は、第1のポリマー層12の有機溶剤含有量が、第1のポリマー層12の全重量の0.01〜3質量%であることが好ましい。本願明細書中、第1のポリマー層12に含まれる有機溶媒とは、沸点50℃以上であり、室温で液体である有機化合物のことをいう。第1のポリマー層12に含まれる有機溶媒は、沸点が50〜210℃であることが好ましく、60〜160℃であることがより好ましい。また、第1のポリマー層12に含まれる有機溶媒は、分子量が55〜140であることが好ましく、60〜130であることがより好ましい。
なお、本願明細書中において、第1のポリマー層12中の残留溶剤量(残留有機溶剤量を意味する)は下記の方法で測定する。
第1のポリマー層12を塗布した試料を10cm×10cmの大きさに裁断し、これをメチルアルコール(溶媒にメチルアルコールを使用している場合はエチルアルコール)に浸漬して残留溶剤を抽出する。抽出した残留溶剤を、ガスクロマトグラフィ法を用いて定量する。
ガスクロマトグラフ:島津製作所製GC−2010
カラム:アジレント・テクノロジー社製 DBワックス
別途、同一試料を10cm×10cmの大きさに裁断し、25℃、相対湿度60%の条件で24時間調湿した後重量W1を測定する。その後塗布溶剤を用いて第1のポリマー層12を除去する。
この試料を25℃、相対湿度60%の条件で24時間調湿した後重量W2を測定する。
W1とW2の差を第1のポリマー層12100cm2の重量とする。
ガスクロマトグラフィ法で測定した残留溶剤量と第1のポリマー層12の重量から残留溶剤量を求めることができる。
なお、塗布溶剤を2種類以上用いている場合は、この合計を試料の残留溶剤量とする。
第1のポリマー層12中の残留溶剤量は0.08〜2.5質量%であることが好ましく、0.1〜2.0質量%がより好ましい。
第1のポリマー層12は、上述した例以外に、フッ素含有樹脂を有するシート(以下、フッ素含有樹脂シートという。)で構成してもよい。
フッ素含有樹脂シートとしては、例えば、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)またはエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)を主成分とする樹脂をシート状に加工したものが用いられる。PVFを主成分とする樹脂としては、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Company社製の「Tedlar」(商品名)が挙げられる。ECTFEを主成分とする樹脂としては、例えば、Solvay Solexis社製の「Halar」(商品名)が挙げられる。ETFEを主成分とする樹脂としては、例えば、旭硝子社製の「Fluon」(商品名)が挙げられる。
第1のポリマー層12がフッ素含有樹脂シートである場合、接着層を介して、ポリエステル支持シート11に第1のポリマー層12が積層される。接着層は、ポリエステル支持シート11およびフッ素含有樹脂シートに対して接着性を有する接着剤から構成される。かかる接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリエステルポリウレタン系接着剤などが用いられる。これらの接着剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1のポリマー層12の厚みは、1〜15μmであることが好ましく、2〜12μmであることがより好ましい。第1のポリマー層12の厚みを上述した範囲内にすることによって、太陽電池用ポリマーシート10の最外層としての耐久性および接着性や、低コストを両立することができる。
<第2のポリマー層>
太陽電池用ポリマーシート10は、ポリエステル支持シート11の反対面11bに設けられたポリマー層のうち最外層のポリマー層として、ポリオレフィン系ポリマーをバインダーとして含有する第2のポリマー層13を有する。
ポリオレフィン系ポリマーに用いられるオレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレンなどを重合したものを用いることができる。例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE,密度:880g/m3以上、910g/m3未満)、低密度ポリエチレン(LDPE,密度:910g/m3以上、915g/m3未満)、中密度ポリエチレン(MDPE,密度:915g/m3以上、942g/m3未満)、高密度ポリエチレン(HDPE,密度:942g/m3以上)などのポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン−ポリプロピレン重合体、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体(EBA)、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが挙げられ、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、上記オレフィン系樹脂の中でも、単量体単位としてエチレンを60〜100質量%、特に70〜99.5質量%含有するポリエチレン系樹脂が好ましい。かかるポリエチレン系樹脂は、加工適性に優れるとともに、太陽電池モジュールの封止材、特に同じエチレン系であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる封止材に対して親和性が高く、接着性に非常に優れる。さらには、加熱溶融状態から冷却したときにも収縮率の小さい超低密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレンが好ましく、特に超低密度ポリエチレンが好ましい。
上記オレフィン系樹脂は、密度が875〜920g/m3であることが好ましく、880〜915g/m3であることが特に好ましく、示差走査熱量計によって得られる融解熱量△Hが100.0J/g以下であることが好ましく、95J/g以下であることが特に好ましい。密度は、JIS K7112に準じて測定して得られる値とする。
上記のように低密度または超低密度で、かつ融解熱量が低い、すなわち結晶性の低いオレフィン系樹脂は、加熱溶融状態から冷却したときにも収縮率が非常に小さいため、太陽電池用ポリマーシート10のカール量がより小さいものとなる。
なお、オレフィン系樹脂の密度が875g/m3未満であると、第2のポリマー層13にタックが生じて、巻き取った太陽電池用ポリマーシート10にブロッキングが発生し、太陽電池用ポリマーシート10にブロッキング跡が付いたり、巻き取った太陽電池用ポリマーシート10を巻き出すことができなくなったりするおそれがある。
第2のポリマー層13は、オレフィン系樹脂を主成分として含有していればよく、具体的には、オレフィン系樹脂を60質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することがさらに好ましく、90質量%以上含有することが特に好ましい。第2のポリマー層13は、オレフィン系樹脂のみからなるものであってもよい。
オレフィン系樹脂の入手方法についても特に制限はなく、商業的に入手してもよく、合成してもよい。
商業的に入手できる、第2のポリマー層13に用いられるオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体をアミン中和した水分散体であるアローベースSE−1010、SE−1013N、SD−1010(いずれもユニチカ(株)製)、プロピレン−アクリル酸共重合体をアミン中和した水分散体であるTC−4010、TD−4010、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体をアンモニア中和した水分散体であるハイテックS3148、S3121、S8512(いずれも東邦化学(株)製)、エチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマーの水分散体であるケミパールS−120、S−75N、V100、EV210H(ともに三井化学(株)製)、などを挙げることができる。その中でも、本発明ではアローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製を用いることが好ましい。なお、アローベースSE−1013Nの融点は約91℃であり、オレフィンユニットと酸性ユニットの共重合比率(モル比)は99:1である。
また、ハイテックS3121のオレフィンユニットと酸性ユニットの共重合比率(モル比)は95:5である。
第2のポリマー層13は、上記主成分とする樹脂以外にも、必要に応じて、顔料、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
第2のポリマー層13の厚みは、1〜4μmであることが好ましく、2〜3μmであることがより好ましい。第2のポリマー層13の厚みを上述した範囲内にすることによって、太陽電池用ポリマーシート10の最外層としての耐久性および接着性や、低コストを両立することができる。
<マット剤>
太陽電池用ポリマーシート10は、ポリエステル支持シート11の一方の面11a上に形成された第1のポリマー層12が、上述した式(1)および(2)の条件を満たすマット剤14を含有する。
本願発明者は、マット剤14の平均粒径と、マット剤14を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シート11に近いポリマー層の膜厚と、その層よりも表面側に形成されている表面側ポリマー層の総厚との合計が、上述した式(1)の条件を満たすようにするとともに、マット剤14の添加量が上述した式(2)の条件を満たすようにすることによって、太陽電池用ポリマーシート10にゴミが付着することを防止することができ、かつ、添加したマット剤14が太陽電池用ポリマーシート10から剥離することを防止することができることを見出した。また、本願発明者は、添加したマット剤14が太陽電池用ポリマーシート10から剥離しにくくなるため、剥離したマット剤14が異物となって太陽電池モジュール内に欠陥が発生することによる商品価値の低下を防止することができ、また、マット剤14の剥離部分から水分が侵入することによる太陽電池モジュールの寿命の低下を防止することができることを見出した。
上述した式(1)の条件、すなわち、(マット剤の平均粒径(単位:μm)/(マット剤を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シートに近いポリマー層の膜厚と、その層よりも表面側に形成されている表面側ポリマー層の膜厚との合計(単位:μm))は、0.06〜0.6であり、0.125〜0.375であることが好ましい。
マット剤14の平均粒径は、太陽電池用ポリマーシート10における最外層のポリマー層、すなわち、第1のポリマー層12の膜厚にもよるが、0.3〜4.5μmであることが好ましく、0.5〜4.0μmであることがより好ましい。マット剤14の平均粒径をこのような範囲にすることによって、太陽電池用ポリマーシート10にゴミが付着することをより効果的に防止することができ、かつ、マット剤14が太陽電池用ポリマーシート10から剥離されることをより効果的に防止することができる。
ここで、マット剤14の平均粒径とは、走査型電子顕微鏡で多数のマット剤粒子を撮影して50個の粒子の直径を測定して、測定した50個の粒子の直径を平均したものである。なお、マット剤14が球形でない場合は、各々のマット剤粒子の最も長い径と最も短い径の平均をその粒子の粒径とする。マット剤14の粒径分布は、特に限定されるものではないが、狭い方が好ましい。
また、マット剤14の添加量は、上述した式(2)の条件に示すように、5〜50mg/m2であり、6〜50mg/m2であることが好ましく、15〜30mg/m2であることがより好ましい。マット剤14の添加量をこのような範囲とすることによって、太陽電池用ポリマーシート10にゴミが付着することをより効果的に防止することができ、かつ、マット剤14が太陽電池用ポリマーシート10から剥離されることをより効果的に防止することができる。
マット剤14としては、有機材料または無機材料、例えば、無機微粒子やポリマー微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子としては、例えば、硫酸バリウム、二酸化チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素(シリカ)などの無機物の微粉末を用いることが好ましい。ポリマー微粒子としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンカーボネート、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂などの有機物の微粉末が挙げられる。これらのマット剤14の中では、二酸化ケイ素(シリカ)微粒子、ベンゾグアナミン微粒子およびアクリル樹脂が特に好ましい。
マット剤14の形状は、特に限定されるものではなく、球形、楕円体、立方体、不定形などの形状のものを用いることができ、特に球形のものが好ましい。
マット剤14としては、市販のものや、合成したものを用いてもよい。市販のものとしては、例えば、シーホスターKE−Pシリーズ((株)日本触媒製シリカ微粒子)、エポスターM−05、M−30((株)日本触媒製ベンゾグアナミン系樹脂微粒子)、MXシリーズ(綜研化学(株)アクリル樹脂微粒子)などを用いることができる。
(本発明の太陽電池用ポリマーシートの第2の実施の態様)
本発明の第2の実施の態様である太陽電池用ポリマーシートは、上述した太陽電池用ポリマーシート10と同様に、ポリエステル支持シート11の一方の面11aに設けられたポリマー層か反対面11bに設けられたポリマー層の少なくとも一方が、上述した式(1)〜(3)の条件を満たすようにマット剤14を含有するものである。
本発明の第2の実施の態様である太陽電池用ポリマーシートは、上述した式(1)〜(3)の条件を満たすポリマー層が、マット剤14を含有する最もポリエステル支持シート11に近いポリマー層と、その層よりも表面側に形成されている表面側ポリマー層から構成されており、下記式(4)の条件をさらに満たすようにマット剤14を含有することが好ましい。
0.1≦(A/D)≦0.8 (4)
(Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
本発明の第2の実施の態様である太陽電池用ポリマーシート20を図3および図4に示す。太陽電池用ポリマーシート20は、第1のポリマー層12とポリエステル支持シート11との間に、ポリマーをバインダーとして含有する第3のポリマー層21をさらに有している。また、太陽電池用ポリマーシート20は、第2のポリマー層13とポリエステル支持シート11との間に、ポリマーをバインダーとして含有する第4のポリマー層22をさらに有している。太陽電池用ポリマーシート20は、第3のポリマー層21が、マット剤14を含有する。
上述した式(1)に関して、図4に示す太陽電池用ポリマーシート20における、マット剤を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シートに近いポリマー層は、第3のポリマー層21であり、その膜厚はt1(単位:μm)である。また、太陽電池用ポリマーシート20における、最もポリエステル支持シートに近いポリマー層よりも表面側に形成されている表面側ポリマー層は、第1のポリマー層12であり、その膜厚はt2(単位:μm)である。また、上述した最もポリエステル支持シートに近いポリマー層の膜厚と、上述した表面側ポリマー層の膜厚との合計は(t1+t2)(単位:μm)である。また、太陽電池用ポリマーシート20は、表面側ポリマー層として第1のポリマー層12が設けられているため、上述した式(3)の条件も満たす必要がある。
太陽電池用ポリマーシート20において、上述した式(3)の条件、すなわち、(マット剤の平均粒径(単位:μm)/表面側ポリマー層の膜厚(単位:μm))は、0.1〜1.1であることが好ましく、0.1〜0.8であることがより好ましく、0.15〜0.50であることがさらに好ましい。太陽電池用ポリマーシート20において、上述した式(3)の条件を満たすことによって、太陽電池用ポリマーシート10にゴミが付着することをより効果的に防止することができ、かつ、マット剤14が太陽電池用ポリマーシート10から剥離されることをより効果的に防止することができる。
以下、太陽電池用ポリマーシート20について、上述した太陽電池用ポリマーシート10と同一の構成、すなわち、ポリエステル支持シート11、第1のポリマー層12、第2のポリマー層13については、詳細な説明を省略する。
(第3のポリマー層)
太陽電池用ポリマーシート20は、第1のポリマー層12とポリエステル支持シート11との間に第3のポリマー層21を有する。第3のポリマー層21は、例えば、シリコーン系ポリマーや、ポリオレフィン系ポリマーを主バインダーとして構成され、特に、シリコーン系ポリマーを主バインダーとして構成されていることが好ましい。太陽電池用ポリマーシート20では、第3のポリマー層21がシリコーン系ポリマーを主バインダーとして構成されていることで、第3のポリマー層21と第1のポリマー層12との湿熱経時後の接着性を改善することができる。
第3のポリマー層21は、場合に応じて更に他の成分を用いて構成することができ、適用する用途によりその構成成分が異なる。第3のポリマー層21は、太陽光の反射機能や外観意匠性の付与などを担う着色層などを兼ねる構成であってもよい。
第3のポリマー層21を例えば、太陽光をその入射側に反射させる光反射層として構成する場合、第3のポリマー層21は、シリコーン系ポリマー成分に加えて、白色顔料等の着色剤を更に用いて構成することができる。以下、第3のポリマー層21層を構成する各成分について詳述する。
シリコーン系ポリマー
シリコーン系ポリマーとは、分子鎖中に(ポリ)シロキサン構造を有するポリマーの少なくとも一種を含有するものをいう。第3のポリマー層21がシリコーン系ポリマーを含有することにより、ポリエステル支持シート11や第1のポリマー層12などの隣接材料との湿熱経時後の接着性を良好にすることができる。
本発明におけるシリコーン系ポリマーは、分子鎖中に(ポリ)シロキサン構造を有している限り特に制限されるものではなく、(ポリ)シロキサン構造単位を有する化合物の単独重合体(モノポリマー)、または(ポリ)シロキサン構造単位を有する化合物と他の化合物との共重合体、すなわち(ポリ)シロキサン構造単位と他の構造単位とを有する共重合ポリマーが好ましい。他の化合物は、非シロキサン系のモノマーもしくはポリマーであり、また他の構造単位は、非シロキサン系構造単位である。
本発明におけるシリコーン系ポリマーは、(ポリ)シロキサン構造として、下記一般式で表される(ポリ)シロキサン構造単位を有するものが好ましい。
Figure 0005963651
一般式において、R1およびR2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、または1価の有機基を表す。ここで、R1とR2とは同一でも異なってもよく、複数のR1およびR2は各々、互いに同一でも異なってもよい。nは、1以上の整数を表す。
シリコーン系ポリマー中の(ポリ)シロキサンセグメントである「−(Si(R1)(R2)−O)n−」の部分(一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位)において、R1およびR2は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、または1価の有機基を表す。
「−(Si(R1)(R2)−O)n−」は、線状、分岐状あるいは環状の構造を有する各種の(ポリ)シロキサンに由来する(ポリ)シロキサンセグメントである。
1およびR2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
1およびR2で表される「1価の有機基」は、Si原子と共有結合可能な基であり、無置換でも置換基を有してもよい。1価の有機基は、例えば、アルキル基(例:メチル基、エチル基など)、アリール基(例:フェニル基など)、アラルキル基(例:ベンジル基、フェニルエチルなど)、アルコキシ基(例:メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など)、アリールオキシ基(例;フェノキシ基など)、メルカプト基、アミノ基(例:アミノ基、ジエチルアミノ基など)、アミド基等が挙げられる。
中でも、ポリマー支持シートや含フッ素系ポリマー層などの隣接材料との接着性および湿熱環境下での耐久性の点で、R1、R2としては各々独立に、水素原子、塩素原子、臭素原子、無置換のまたは置換された炭素数1〜4のアルキル基(特にメチル基、エチル基)、無置換のまたは置換されたフェニル基、無置換のまたは置換されたアルコキシ基、メルカプト基、無置換のアミノ基、アミド基が好ましく、より好ましくは、湿熱環境下での耐久性の点で、無置換のまたは置換されたアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)である。
一般式におけるnは、1〜5000であることが好ましく、1〜1000であることがより好ましい。
シリコーン系ポリマー中における「−(Si(R1)(R2)−O)n−」の部分(一般式(1)で表される(ポリ)シロキサン構造単位)の比率は、シリコーン系ポリマーの全質量に対して、15〜99質量%であることが好ましく、25〜85質量%であることがより好ましく、25〜50%であることが特に好ましく、25〜35%であることがより特に好ましい。(ポリ)シロキサン構造単位の比率は、15質量%以上であると、ポリマー層表面の被膜強度が向上し、引っ掻きや擦過、飛来した小石等の衝突で生じる傷の発生がより防止され、またポリフェニレンエーテルまたはポリオレフィンを主成分とする支持シートとの接着性に優れる。傷の発生抑止により耐候性が向上し、熱や水分が与えられて劣化しやすい剥離耐性、形状安定性、並びに湿熱環境下に曝されたときの接着耐久性が効果的に高められる。また、(ポリ)シロキサン構造単位の比率が85質量%以下であると、含シリコーン系ポリマー層を塗布により形成するときに塗布液を安定に保つことができ、得られるシリコーン系ポリマー層の面状が良好となる。(ポリ)シロキサン構造単位の比率が50質量%以下であることが、製造コストの観点から好ましい。
本発明におけるシリコーン系ポリマーが(ポリ)シロキサン構造単位と他の構造単位とを有する共重合ポリマーである場合、分子鎖中に前記一般式で表される(ポリ)シロキサン構造単位を質量比率で15〜99質量%と、非シロキサン系構造単位を質量比率で85〜1質量%とを含んでいる場合が好ましい。このような共重合ポリマーを含有することにより、ポリマー層の膜強度が向上し、引っ掻きや擦過等による傷の発生を防ぎ、支持シートをなすポリマー支持シートや含フッ素系ポリマー層との接着性、すなわち熱や水分が与えられて劣化しやすい剥離耐性、形状安定性、並びに湿熱環境下での耐久性を、従来に比べて飛躍的に向上させることができる。
前記共重合ポリマーとしては、シロキサン化合物(ポリシロキサンを含む)と、非シロキサン系モノマーまたは非シロキサン系ポリマーから選ばれる化合物とが共重合し、前記一般式で表される(ポリ)シロキサン構造単位と非シロキサン系の構造単位とを有するブロック共重合体であることが好ましい。この場合、シロキサン化合物および共重合される非シロキサン系モノマーまたは非シロキサン系ポリマーは、一種単独でもよく、二種以上であってもよい。
前記(ポリ)シロキサン構造単位と共重合する非シロキサン系構造単位(非シロキサン系モノマーまたは非シロキサン系ポリマーに由来)は、シロキサン構造を有していないこと以外は特に制限されるものではなく、任意のポリマーに由来のポリマーセグメントのいずれであってもよい。ポリマーセグメントの前駆体である重合体(前駆ポリマー)としては、例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体等の各種の重合体等が挙げられる。
中でも、調製が容易なことおよび耐加水分解性に優れる点から、ビニル系重合体およびポリウレタン系重合体が好ましく、ビニル系重合体が特に好ましい。
前記ビニル系重合体の代表的な例としては、アクリル系重合体、カルボン酸ビニルエステル系重合体、芳香族ビニル系重合体、フルオロオレフィン系重合体等の各種の重合体が挙げられる。中でも、設計の自由度の観点から、アクリル系重合体が特に好ましい。
なお、非シロキサン系構造単位を構成する重合体は、一種単独でもよいし、2種以上の併用であってもよい。
また、非シロキサン系構造単位をなす前駆ポリマーは、酸基および中和された酸基の少なくとも1つおよび/または加水分解性シリル基を含有するものが好ましい。このような前駆ポリマーのうち、ビニル系重合体は、例えば、(a)酸基を含むビニル系単量体と加水分解性シリル基および/またはシラノール基を含むビニル系単量体とを、これらと共重合可能な単量体と共重合させる方法、(2)予め調製した水酸基並びに加水分解性シリル基および/またはシラノール基を含むビニル系重合体にポリカルボン酸無水物を反応させる方法、(3)予め調製した酸無水基並びに加水分解性シリル基および/またはシラノール基を含むビニル系重合体を、活性水素を有する化合物(水、アルコール、アミン等)と反応させる方法などの各種方法を利用して調製することができる。
前記前駆ポリマーは、例えば、特開2009−52011号公報の段落番号0021〜0078に記載の方法を利用して製造、入手することができる。
本発明における第3のポリマー層21は、バインダーとして、シリコーン系ポリマーを単独で用いてもよいし、他のポリマーと併用してもよい。他のポリマーを併用する場合、本発明における(ポリ)シロキサン構造を含むシリコーン系ポリマーの含有比率は、全バインダー量の30質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上である。(ポリ)シロキサン構造を含むポリマーの含有比率が30質量%以上であることで、ポリマー支持シートや含フッ素系ポリマー層との接着性および湿熱環境下での耐久性により優れる。
シリコーン系ポリマーの分子量としては、5,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。
前記シリコーン系ポリマーの調製には、(i)前駆ポリマーと、前記一般式で表される構造単位を有するポリシロキサンとを反応させる方法、(ii)前駆ポリマーの存在下に、前記R1および/または前記R2が加水分解性基である前記一般式(1)で表される構造単位を有するシラン化合物を加水分解縮合させる方法、等の方法を利用することができる。前記(ii)の方法で用いられるシラン化合物としては、各種シラン化合物が挙げられるが、アルコキシシラン化合物が特に好ましい。
前記(i)の方法により前記シリコーン系ポリマーを調製する場合、例えば、前駆ポリマーとポリシロキサンの混合物に、必要に応じて水と触媒を加え、20〜150℃程度の温度で30分〜30時間程度(好ましくは50〜130℃で1〜20時間)反応させることにより調製することができる。触媒としては、酸性化合物、塩基性化合物、金属含有化合物等の各種のシラノール縮合触媒を添加することができる。
また、前記(ii)の方法によりシリコーン系ポリマーを調製する場合、例えば、前駆ポリマーとアルコキシシラン化合物の混合物に、水とシラノール縮合触媒を添加して、20〜150℃程度の温度で30分〜30時間程度(好ましくは50〜130℃で1〜20時間)加水分解縮合を行うことにより調製することができる。
(ポリ)シロキサン構造を有するシリコーン系ポリマーとしては、ポリシロキサンセグメントがジメチルジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物またはジメチルジメトキシシラン/ジフェニルジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物のいずれかからなり、ポリシロキサンセグメントと共重合するポリマー構造部分がエチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートメチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれるモノマー成分からなるアクリルポリマーである複合ポリマーが好ましく、ポリシロキサンセグメントがジメチルジメトキシシラン/γ−メタクリロキシトリメトキシシランの加水分解縮合物とメチルメタクリレート、エチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸から選ばれるモノマー成分からなるアクリルポリマーである複合ポリマーが特に好ましい。
また、(ポリ)シロキサン構造を有するシリコーン系ポリマーは、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、DIC(株)製のセラネートシリーズ(例えば、セラネートWSA1070、同WSA1060等)、旭化成ケミカルズ(株)製のH7600シリーズ(H7650、H7630、H7620等)、JSR(株)製の無機・アクリル複合エマルジョンなどを使用することができる。
第3のポリマー層21中における(ポリ)シロキサン構造を有するシリコーン系ポリマーの含有比率としては、0.2g/m2超15g/m2以下の範囲とすることが好ましい。ポリマーの含有比率が0.2g/m2以上であると、シリコーン系ポリマーの比率が十分となり、耐傷性を改善することができる。また、シリコーン系ポリマーの含有比率が15g/m2以下であると、シリコーン系ポリマーの比率が多過ぎず、第3のポリマー層21の硬化が十分となる。特に、シリコーン系ポリマーの含有比率としては、第3のポリマー層21の表面強度の観点から、0.5g/m2〜10.0g/m2の範囲が好ましく、1.0g/m2〜5.0g/m2の範囲がより好ましい。
第3のポリマー層21には、上記主成分とする樹脂以外にも、必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、マット剤14、有機系滑剤なども添加することができる。
第3のポリマー層21の厚みは、1〜5μmであることが好ましく、2〜4μmであることがより好ましい。
(第4のポリマー層)
太陽電池用ポリマーシート20は、第2のポリマー層13とポリエステル支持シート11との間にポリマーをバインダーとして含有する第4のポリマー層22を有する。第4のポリマー層22を構成する材料は、特に限定されず、例えば、第2のポリマー層13のようなポリオレフィン系ポリマーや、第3のポリマー層21のようなシリコーン系ポリマーを主バインダーとして構成することができ、特に、ポリオレフィン系ポリマーを主バインダーとして構成されていることが好ましい。
第4のポリマー層22には、上記主成分とする樹脂以外にも、必要に応じて、架橋剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、マット剤14、有機系滑剤なども添加することができる。
第4のポリマー層22の厚みは、1〜5μmであることが好ましく、2〜4μmであることがより好ましい。
なお、本発明の太陽電池用ポリマーシートは、上述した実施態様以外の構成であってもよい。例えば、太陽電池用ポリマーシート10において、第1のポリマー層12のみにマット剤14が含有されているものとしたが、第2のポリマー層13のみにマット剤14が含有されていてもよく、また、第1のポリマー層12および第2のポリマー層13にマット剤14が含有されていてもよい。
また、太陽電池用ポリマーシート20において、マット剤14が第3のポリマー層21のみに含有されているものとしたが、マット剤14が第3のポリマー層21ではなく、第1のポリマー層12、第2のポリマー層13または第4のポリマー層22のうち少なくとも1層に含有されていてもよい。また、太陽電池用ポリマーシート20において、ポリエステル支持シート11と第3のポリマー層21との間、第3のポリマー層21と第1のポリマー層12との間、ポリエステル支持シート11と第4のポリマー層22との間または第4のポリマー層22と第2のポリマー層13との間に、別のポリマー層をさらに有していてもよい。
(太陽電池用ポリマーシートの形態)
上述した本発明の太陽電池用ポリマーシートは、その形態について特に限定されず、例えば、1枚のシート状であってもよく、複数枚積重されてなる太陽電池用ポリマーシートの積重体であってもよく、帯状に形成された太陽電池用ポリマーシートが長手方向に巻回されてなる太陽電池用ポリマーシートのロール体であってもよい。
[太陽電池用ポリマーシートの製造方法]
本発明の太陽電池用ポリマーシートの製造方法(以下、本発明のポリマーシートの製造方法ともいう)は、ポリエステル支持シート11の一方の面11aとその反対面11bにそれぞれ、フッ素系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第1の塗布液、ポリオレフィン系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第2の塗布液またはシリコーン系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第3の塗布液を塗布した後、乾燥することにより、一方の面11aの最外層に、第1のポリマー層12を形成し、反対面11bの最外層に、第2のポリマー層13を形成するポリマー層形成工程を含むものである。
また、本発明のポリマーシートの製造方法においては、第1の塗布液、第2の塗布液および第3の塗布液のうち少なくとも1つには、マット剤14が含有されており、ポリエステル支持シート11の一方の面11aに設けられたポリマー層か反対面11bに設けられたポリマー層の少なくとも一方が、上述した式(1)〜(3)の条件を満たすようにマット剤14を含有させることを特徴とする。
例えば、図1および図2に示す太陽電池用ポリマーシート10の製造方法においては、ポリマー層形成工程は、ポリエステル支持シート11の一方の面11aに、第1のポリマー層12を形成する第1のポリマー層形成工程と、反対面11bに、第2のポリマー層13を形成する第2のポリマー層形成工程を含む。また、第1の塗布液および/または第2の塗布液には、マット剤14が含有されており、第1のポリマー層12または第2のポリマー層13に、上述した式(1)および(2)の条件を満たすようにマット剤14を含有させることが好ましい。
また、図3および図4に示す太陽電池用ポリマーシート20の製造方法においては、ポリマー層形成工程は、ポリエステル支持シート11の一方の面11aに、第3のポリマー層21を形成する第3のポリマー層形成工程と、第3のポリマー層21上に、第1のポリマー層12を形成する第1のポリマー層形成工程と、反対面11bに、第4のポリマー層22を形成する第4のポリマー層形成工程と、第4のポリマー層22上に第2のポリマー層13を形成する第2のポリマー層形成工程を含む。また、太陽電池用ポリマーシート20の製造方法においては、上述した式(1)および(2)の条件を満たすポリマー層が、マット剤14を含有する最もポリエステル支持シート11に近い第3のポリマー層21と、その層よりも表面側に形成されている第1のポリマー層12(表面側ポリマー層)から構成されており、上述した式(4)の条件をさらに満たすようにマット剤14を含有させることが好ましい。
第1のポリマー層12、第2のポリマー層13、第3のポリマー層21および第4のポリマー層22の形成に用いる塗布による方法は、簡便であると共に、均一性で薄膜での形成が可能である点で好ましい。塗布による場合、例えば、グラビアコーター、バーコーターなどの公知の塗布方法を利用することができる。
第1のポリマー層12は、有機溶媒または水を塗布溶媒とする塗布液を塗布し、塗布膜を乾燥することにより形成されてなることが好ましい。乾燥後、加熱するなどして硬化させてもよい。塗布方法や塗布液の溶媒には、特に制限はない。第1の塗布液に用いる溶媒は、水でもよいし、トルエンやメチルエチルケトン等の有機溶媒でもよいが、少なくとも1種類の有機溶媒を含むことが好ましい。溶媒は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。塗布方法としては、例えばグラビアコーターやバーコーターを利用することができる。
第1の塗布液は、塗布溶媒の全質量に対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは100%が有機溶剤である有機溶剤系塗布液であることが好ましい。
また、第1のポリマー層が有機溶剤を塗布溶媒として含有する塗布液によって形成されてなることは、太陽電池用ポリマーシートの第1のポリマー層全体に対する残留溶剤量が0.01質量%以上であることにより確認することができる。
第2のポリマー層13、第3のポリマー層21および第4のポリマー層22は、水を塗布溶媒として含有することが好ましい。例えば、第3のポリマー層21は、分子鎖中に(ポリ)シロキサン構造を有するポリマーの水分散物と架橋剤とを混合して、(ポリ)シロキサン構造を持つポリマー粒子が水中に分散含有された水分散液を調製し、この水分散液を第3のポリマー層形成工程で水系塗布液として所望のポリエステル支持シート上に塗布する態様が好ましい。
第2の塗布液、第3の塗布液および第4の塗布液としては、これに含まれる塗布溶媒の全質量に対して50質量%以上、好ましくは60質量%以上が水である水系塗布液であることが好ましい。水系塗布液は、環境負荷の点で好ましく、また水の割合が50質量%以上であることで環境負荷が特に軽減される。塗布液中に占める水の割合は、環境負荷の観点からはさらに多い方が望ましく、水が全溶媒の90質量%以上を占める場合が特に好ましい。
また、第2のポリマー層13、第3のポリマー層21または第4のポリマー層22が水を塗布溶媒として含有する塗布液によって形成されてなることは、例えば、太陽電池用ポリマーシート20の第3のポリマー層21全体に対する残留溶剤量が0.01質量%未満であることにより確認することができる。
なお、ポリエステル支持シート11および第1〜第4の塗布液を構成するポリマーおよびそれ以外の他の成分の詳細については、上述した本発明の太陽電池用ポリマーシートと同様である。
第1〜第4の塗布液を塗布した後は、所望の条件で塗膜の乾燥を行う乾燥工程が設けられる。乾燥時の乾燥温度については、塗布液の組成や塗布量などの場合に応じて適宜選択すればよい。
[太陽電池用バックシート]
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、太陽電池用バックシートとして好ましく用いることができる。
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、太陽光が入射する側に配置された透明性の基材(ガラス基板等のフロント基材)と、素子構造部分(太陽電池素子およびこれを封止する封止材を含む)と、太陽電池用バックシートとが積層された「透明性のフロント基材/素子構造部分/バックシート」の積層構造を有する太陽電池において、フロント基材とバックシートとのいずれに適用されてもよい。ここで、バックシートは、電池側基板の素子構造部分からみてフロント基材が位置していない側に配置された裏面保護シートである。
本願明細書中において、太陽光が入射する側に配置された透明性の基材の上に素子構造部分が配置された「透明性のフロント基材/素子構造部分」の積層構造を有する電池部分を「電池側基板」という。
本発明の太陽電池用ポリマーシートは、第1のポリマー層12が熱や水分等の湿熱環境下での耐久性に優れている点から、太陽電池用バックシートとして太陽電池モジュールに用いられた場合に外部環境に暴露される最外層、すなわち、裏面側の最表層(バック層)として機能することが特に好ましい。
[太陽電池用モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、上述した本発明の太陽電池用ポリマーシートを太陽電池用バックシートとして設けて構成される。本発明の太陽電池モジュールは、上述した本発明の太陽電池用ポリマーシートを備えることにより、優れた耐候性能を示し、長期に亘り安定した発電性能を発揮する。
具体的には、本発明の太陽電池モジュールは、太陽光が入射する透明性の支持体(ガラス基板等のフロント支持体)と、この支持体上に設けられ、太陽電池素子およびこの太陽電池素子を封止する封止材を有する素子構造部分と、前記素子構造部分の前記基板が位置する側と反対側に配置された上述した本発明の太陽電池用バックシートとを備えており、「透明性のフロント支持体/素子構造部分/バックシート」の積層構造を有している。具体的には、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子が配された素子構造部分を、太陽光が直接入射する側に配置された透明性のフロント支持体と、上述した本発明の太陽電池用バックシートとの間に配置し、フロント支持体とバックシートとの間において、太陽電池素子を含む素子構造部分(例えば太陽電池セル)をエチレン−ビニルアセテート(EVA)系等の封止材を用いて封止、接着した構成になっている。
本発明の太陽電池モジュール30は、例えば図5に示すように、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子31を、太陽光が入射する透明性の基板33と、本発明の太陽電池用ポリマーシート10(20)との間に配置し、透明性の基板33と太陽電池用ポリマーシート10(20)との間をエチレン−ビニルアセテート系の封止材32で封止して構成されている。
太陽電池モジュール30、太陽電池素子31、太陽電池用ポリマーシート10(20)以外の部材については、例えば、「太陽光発電システム構成材料」(杉本栄一監修、(株)工業調査会、2008年発行)に詳細に記載されている。
太陽電池素子31としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
透明性の基板33は、太陽光が透過し得る光透過性を有していればよく、光を透過する基材から適宜選択することができる。発電効率の観点からは、光の透過率が高いものほど好ましく、このような基板として、例えば、ガラス基板、アクリル樹脂などの透明樹脂などを好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
実施例−1、4、5、7、8、10〜15、18、19、21〜24、27、28、30〜37は参考例である。
<ポリエステル支持シートの作製>
[製造例1]
(支持シート1の作成)
−ポリエステルの合成−
高純度テレフタル酸(三井化学(株)製)100kgとエチレングリコール(日本触媒化学工業(株)製)45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行った。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3質量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルトおよび酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してそれぞれ30ppm、15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。そして、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリマーのペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
但し、前記チタンアルコキシド化合物には、特開2005−340616号公報の段落番号[0083]の実施例1で合成しているチタンアルコキシド化合物(Ti含有量=4.44質量%)を用いた。
続いて、得られたポリマーのペレットに、下記の固相重合処理を行った。
−固相重合処理−
得られたペレットを、40Paに保たれた真空容器中、220℃の温度で30時間保持して、固相重合を行った。
−ベース形成−
以上のように固相重合を経た後のペレットを、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ約2.5mmの未延伸ベースを作成した。その後、90℃で縦方向に3倍に延伸し、更に120℃で横方向に3.3倍に延伸した。さらに195℃で4分間熱処理を行った。こうして、厚み250μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持シート(支持シート1)を得た。支持シート1のカルボキシル基含量は14eq/tであった。
なお、各ポリエステル支持シートのカルボキシル基含量は以下の方法で求めた。
−カルボキシル基含量(AV値)の測定−
各ポリエステル支持シートの約0.1gの重量w[g]を測定し、これを5mLのベンジルアルコールの入った丸底フラスコに入れて、栓をした状態で温度205℃の雰囲気下で24時間保持した。その後、内容物を15mLのクロロホルムに添加した。この液に少量のフェノールレッド指示薬を加えたものを、濃度0.01N/Lの水酸化カリウムのベンジルアルコール溶液で滴定した。滴定に要した水酸化カリウム溶液の量をymLとして、次の式で2軸延伸PETのカルボキシル基量(COOH基量)を求めた。
カルボキシル基含量(当量/t)=0.01×y/w
[製造例2]
(支持シート2の作製)
−末端封止剤含有マスターバッチの作製−
支持シートの製造例1で得られた固相重合済みのペレット9Kgを予め120℃、10-3torrの雰囲気下で8時間乾燥した。
これに下記末端封止剤Aを1Kg添加し、混合したものをベント式2軸押し出し機に供給して、混練りして脱気しながら275℃で押出し、末端封止剤Aを10質量%含有するマスターバッチペレット(MB−I)(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。
・末端封止剤A:環状カルボジイミド系:特開2011−153209号公報[0174]および[0175]に記載の環状カルボジイミド化合物(2)、Mw=516
−ベース形成−
支持シートの製造例1で得られた固相重合済みのペレット92質量%と、先に作製したマスターバッチペレットMB−Iを8質量%とを混合した混合ペレットを用いた以外は支持シートの製造例1と同様にして、厚み250μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持シート(支持シート2)を得た。支持シート2のカルボキシル基含量は8eq/tであった。
[実施例−1]
<第1のポリマー層(以下、ポリマー層1ともいう)の形成>
−ポリマー層1形成用塗布液(第1の塗布液)の調製−
−二酸化チタン分散物の調製−
下記組成中の各成分を混合し、その混合物をダイノミル型分散機により1時間、分散処理を施した。
(顔料分散物の組成)
・二酸化チタン(体積平均粒子径=0.28μm) ・・・40質量%
(タイペークCR95、石原産業(株)製、固形分100質量%)
・ポリビニルアルコール水溶液(10質量%) ・・・20.0質量%
(PVA−105、(株)クラレ製)
・界面活性剤 ・・・0.5質量%
(デモールEP、花王(株)製、固形分:25質量%)
・蒸留水 ・・・39.5質量%
(ポリマー層1形成用塗布液の組成)
・フッ素系バインダー(P−1) ・・・362.3質量部
(オブリガートSWF、AGCコーテック(株)製、固形分:40質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤) ・・・58.0質量部
(エポクロスWS700、日本触媒(株)製、固形分:25質量%)
・界面活性剤 ・・・97.0質量部
(ナトリウム−ビス(3、3、4、4、5、5、6、6−ナノフルオロ)−2−スルホナイトオキシスクシナート、固形分:0.1質量%)
・前記二酸化チタン分散物 ・・・157.0質量部
・マット剤 ・・・0.53質量部
(シーホスターKE−P100、日本触媒(株)製、固形分:100質量%)
・蒸留水 ・・・325.2質量部
−コロナ処理−
製造例−1で得られたポリエチレンテレフタレート支持シート(支持シート1)の一方の面に、下記の条件でコロナ処理を施した。
装置:ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデル
電極と誘電体ロ−ルギャップクリアランス:1.6mm
処理周波数:9.6kHz
処理速度:10m/分
処理強度:0.75kV・A・分/m2
−ポリマー層1形成用塗布液の塗布−
次いで、ポリマー層1形成用塗布液を支持シート1のコロナ処理面に、バインダー塗布量が約1.7g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層1を形成した。
<第2のポリマー層(以下、ポリマー層2ともいう)の形成>
−ポリマー層2形成用塗布液(第2の塗布液)の調製−
下記の成分を混合し、ポリマー層2形成用塗布液を調製した。
(ポリマー層2形成用塗布液の組成)
・ポリオレフィンバインダー ・・・568.7質量部
(アローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製、濃度20質量%)
・ノニオン界面活性剤 ・・・23.4質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、濃度1質量%)
・オキサゾリン系架橋剤 ・・・58.4質量部
(エポクロスWS−700、日本触媒(株)製、濃度25質量%)
・蒸留水 ・・・349.5質量部
−コロナ処理−
支持シート1のポリマー層1を設けた面の反対面に、前述の条件でコロナ処理を施した。
−ポリマー層2形成用塗布液の塗布−
次いで、ポリマー層2形成用塗布液を支持シート1のポリマー層1を設けた面の反対面(コロナ処理面)に、バインダー塗布量が約1.8g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層2を形成した。
このようにして得られた、ポリマー層1、支持シート1、およびポリマー層2の順に積層されたシートを実施例−1の太陽電池用ポリマーシートとした。得られた実施例−1の太陽電池用ポリマーシート試料についてゴミ付、マット剤の剥落を評価した。得られた結果を下記表に示す。
[実施例−2〜4、比較例−1〜3]
マット剤添加量を表のように変更する以外は実施例−1と同様にして実施例−2〜4、比較例−1〜3を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−5]
<ポリマー層1の形成>
−ポリマー層1形成用塗布液の調製−
下記組成中の各成分を混合し、ポリマー層1形成用塗布液を調製した。
(ポリマー層1形成用塗布液の組成)
・フッ素系バインダー(P−2) ・・・241.5質量部
(ルミフロンLF200、旭硝子(株)製、固形分60質量%のキシレン溶液)
・イソシアネート化合物(架橋剤) ・・・21.7質量部
(スミジュールN3300、バイエル社製、固形分:100質量%)
・触媒 ・・・0.20質量部
(ジブチル錫ジラウリエート、0.001質量%のMEK溶液)
・二酸化チタン(紫外線吸収剤) ・・・72.5質量部
(タイペークCR93、石原産業(株)製、体積平均粒子径=0.28μm、固形分100質量%)
・マット剤 ・・・1.4質量部
(シーホスターKE−P10、日本触媒(株)製、固形分:100質量%)
・MEK(沸点79.5℃、分子量72.11)・・・662.8質量部
これらの混合液をディゾルバーで4000回転/分の回転速度で10分間分散してポリマー層1形成用塗布液とした。
−ポリマー層1形成用塗布液の塗布−
製造例2で得られたポリエチレンテレフタレート支持シート(支持シート2)の一方の面に、前述の条件でコロナ処理を施し、次いでこの面に上記ポリマー層1形成用塗布液をバインダー塗布量が約1.6g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層1を形成した。
<ポリマー層2の形成>
ポリマー層1の反対面に実施例−1と同じ方法でポリマー層2を形成して、ポリマー層1、支持シート2、およびポリマー層2がこの順に積層された実施例−5の太陽電池用ポリマーシートを得た。このポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
[実施例−6〜21、比較例−4〜16]
ポリマー層1の厚みとマット剤の粒径、添加量とポリマー層2のマット剤の粒径、添加量を下記表のように変更する以外は実施例−5と同様にして実施例−6〜21、比較例−4〜16を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−22]
ポリマー層1のマット剤種、添加量を下記表のように変更する以外は実施例−1と同様にして実施例−22を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−23]
ポリマー層1のマット剤種を下記表のように変更する以外は実施例−11と同様にして実施例−23を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−24]
<第3のポリマー層(以下、ポリマー層3ともいう)の形成>
下記組成中の各成分を混合し、ポリマー層3形成用塗布液を調製した。
(ポリマー層3形成用塗布液の組成)
・シリコーン系バインダー(P−3) ・・・362.3質量部
(セラネートWSA1070(DIC(株)製シリコーン系バインダー、固形分:40質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤) ・・・87.0質量部
(エポクロスWS700、日本触媒(株)製、固形分:25質量%)
・マット剤 ・・・0.4質量部
(シーホスターKE−P100、日本触媒(株)製、固形分:100質量%)
・界面活性剤 ・・・50.0質量部
(ナトリウム−ビス(3、3、4、4、5、5、6、6−ナノフルオロ)−2−スルホナイトオキシスクシナート、固形分:0.1質量%)
・前記二酸化チタン分散物(紫外線吸収剤) ・・・157.0質量部
・蒸留水 ・・・343.3質量部
−ポリマー層3形成用塗布液の塗布−
製造例−1で得られたポリエチレンテレフタレート支持シート(支持シート1)の一方の面に、上記の条件でコロナ処理を施し、次いでこの面に上記ポリマー層1形成用塗布液をバインダー塗布量が約2.4g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが3.0μmのポリマー層3を形成した。
<ポリマー層1の形成>
−ポリマー層1形成用塗布液の塗布−
下記組成中の各成分を混合し、ポリマー層1形成用塗布液を調製した。
(ポリマー層1形成用塗布液の組成)
・フッ素系バインダー(P−1) ・・・362.3質量部
(オブリガートSWF、AGCコーテック(株)製、固形分:40質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤) ・・・58.0質量部
(エポクロスWS700、日本触媒(株)製、固形分:25質量%)
・界面活性剤 ・・・97.0質量部
(ナトリウム−ビス(3、3、4、4、5、5、6、6−ナノフルオロ)−2−スルホナイトオキシスクシナート、固形分:0.1質量%)
・蒸留水 ・・・482.7質量部
−ポリマー層1形成用塗布液の塗布−
試料のポリマー層3の上に前述のコロナ処理を施し、次いで上記ポリマー層1形成用塗布液をバインダー塗布量が約2.0g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層1を形成した。
<ポリマー層2の形成>
実施例−1と同様のポリマー層2をポリマー層1、3の反体面に形成して、ポリマー層1、ポリマー層3、支持シート1、およびポリマー層2がこの順に積層された実施例−24の太陽電池用ポリマーシートを得た。このポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
[実施例−25〜27、比較例−17〜19]
ポリマー層1のマット剤添加量を下記表のように変更する以外は実施例−24と同様にして実施例−25〜27、比較例−17〜19を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−28]
<ポリマー層3の形成>
−ポリマー層3形成用塗布液(第3の塗布液)の調製−
(ポリマー層3形成用塗布液の組成)
・ポリオレフィンバインダー ・・・568.7質量部
(アローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製、濃度20質量%)
・ノニオン界面活性剤 ・・・23.4質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、濃度1質量%)
・オキサゾリン系架橋剤 ・・・58.4質量部
(エポクロスWS−700、日本触媒(株)製、濃度25質量%)
・マット剤 ・・・1.0質量部
(シーホスターKE−P30、日本触媒(株)製、固形分:100質量%)
・蒸留水 ・・・348.5質量部
−ポリマー層3形成用塗布液の塗布−
製造例2で得られたポリエチレンテレフタレート支持シート(支持シート2)の一方の面に、上記の条件でコロナ処理を施し、次いでこの面に上記ポリマー層3形成用塗布液をバインダー塗布量が約1.8g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層3を形成した。
<ポリマー層1の形成>
−ポリマー層1形成用塗布液の調製−
(ポリマー層2形成用塗布液の組成)
・フッ素系バインダー(P−2) ・・・241.5質量部
(ルミフロンLF200、旭硝子(株)製、固形分60質量%のキシレン溶液)
・イソシアネート化合物(架橋剤) ・・・21.7質量部
(スミジュールN3300、バイエル社製、固形分:100質量%)
・触媒 ・・・0.20質量部
(ジブチル錫ジラウリエート、0.001質量%のMEK溶液)
・二酸化チタン(紫外線吸収剤) ・・・72.5質量部
(タイペークCR93、石原産業(株)製、体積平均粒子径=0.28μm、固形分100質量%)
・MEK(沸点79.5℃、分子量72.11) ・・・664.1質量部
−ポリマー層1形成用塗布液の塗布−
試料のポリマー層3の上に前述のコロナ処理を施し、次いで上記ポリマー層1形成用塗布液をバインダー塗布量が約1.7g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層1を形成した。
<ポリマー層2の形成>
実施例−1と同様のポリマー層2をポリマー層1、3の反体面に形成して、ポリマー層1、ポリマー層3、支持シート2、およびポリマー層2がこの順に積層された実施例−26の太陽電池用ポリマーシートを得た。このポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
[実施例−29、30、比較例−20、21]
ポリマー層3のマット剤粒径を下記表のように変更する以外は実施例−26と同様にして実施例−29、30、比較例−20、21を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−31]
<ポリマー層3の形成>
−ポリマー層3形成用塗布液の調製−
(ポリマー層3形成用塗布液の組成)
・ポリオレフィンバインダー ・・・568.7質量部
(アローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製、濃度20質量%)
・ノニオン界面活性剤 ・・・23.4質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、濃度1質量%)
・オキサゾリン系架橋剤 ・・・58.4質量部
(エポクロスWS−700、日本触媒(株)製、濃度25質量%)
・蒸留水 ・・・349.5質量部
−ポリマー層3形成用塗布液の塗布−
製造例−2で得られたポリエチレンテレフタレート支持シート(支持シート2)の一方の面に、前述の条件でコロナ処理を施し、次いでこの面に上記ポリマー層3形成用塗布液をバインダー塗布量が約1.8g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層3を形成した。
<ポリマー層1の形成>
−ポリマー層1形成用塗布液の調製−
(ポリマー層2形成用塗布液の組成)
・フッ素系バインダー(P−2) ・・・241.5質量部
(ルミフロンLF200、旭硝子(株)製、固形分60質量%のキシレン溶液)
・イソシアネート化合物(架橋剤) ・・・21.7質量部
(スミジュールN3300、バイエル社製、固形分:100質量%)
・触媒 ・・・0.20質量部
(ジブチル錫ジラウリエート、0.001質量%のMEK溶液)
・二酸化チタン(紫外線吸収剤) ・・・72.5質量部
(タイペークCR93、石原産業(株)製、体積平均粒子径=0.28μm、固形分100質量%)
・MEK(沸点79.5℃、分子量72.11) ・・・664.1質量部
−ポリマー層1形成用塗布液の塗布−
試料のポリマー層3の上に前述のコロナ処理を施し、次いで上記ポリマー層1形成用塗布液をバインダー塗布量が約4.7g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが6.0μmのポリマー層1を形成した。
<第4のポリマー層(以下、ポリマー層4ともいう)の形成>
−ポリマー層4形成用塗布液(第4の塗布液)の調製−
(ポリマー層4形成用塗布液の組成)
・ポリオレフィンバインダー ・・・568.7質量部
(アローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製、濃度20質量%)
・ノニオン界面活性剤 ・・・23.4質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、濃度1質量%)
・オキサゾリン系架橋剤 ・・・58.4質量部
(エポクロスWS−700、日本触媒(株)製、濃度25質量%)
・マット剤 ・・・1.0質量部
(シーホスターKE−P30、日本触媒(株)製、固形分:100質量%)
・蒸留水 ・・・347.6質量部
−ポリマー層4形成用塗布液の塗布−
ポリエチレンテレフタレート支持シートのポリマー層3と1が設けられた面の反対面に、前述の条件でコロナ処理を施し、次いでこの面に上記ポリマー層4形成用塗布液をバインダー塗布量が約1.8g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層4を形成した。
<ポリマー層2の形成>
−ポリマー層2形成用塗布液の調製−
(ポリマー層2形成用塗布液の組成)
・ポリオレフィンバインダー ・・・568.7質量部
(アローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製、濃度20質量%)
・ノニオン界面活性剤 ・・・23.4質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、濃度1質量%)
・オキサゾリン系架橋剤 ・・・58.4質量部
(エポクロスWS−700、日本触媒(株)製、濃度25質量%)
・蒸留水 ・・・349.5質量部
−ポリマー層2形成用塗布液の塗布−
ポリエチレンテレフタレート支持シートポリマー層4上に前述の条件でコロナ処理を施し、次いでこの上に上記ポリマー層2形成用塗布液をバインダー塗布量が約1.8g/m2になるように塗布し、180℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが2.0μmのポリマー層2を形成した。
このようにしてポリマー層1、ポリマー層3、支持シート2、ポリマー層4、およびポリマー層2がこの順に積層された実施例−31の太陽電池用ポリマーシートを得た。このポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
[実施例−32、33、比較例−22、23]
ポリマー層4のマット剤粒径を表−1のように変更する以外は実施例−31と同様にして実施例−32、33、比較例−22、23を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−34、35]
ポリマー層1とポリマー層3の膜厚とマット剤粒径、添加量を下記表のように変更する以外は実施例−28と同様にして実施例−34、35を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−36]
ポリマー層3のマット剤種を下記表のように変更する以外は実施例−30と同様にして実施例−36を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
[実施例−37]
ポリマー層4のマット剤種を下記表のように変更する以外は実施例−33と同様にして実施例−37を実施した。得られた太陽電池用ポリマーシート試料について実施例−1と同様の評価をした結果を下記表に示す。
<評価>
−ゴミ付着の評価方法−
2枚の試料A、Bをそれぞれ3cm×15cmに裁断した。この試料とタバコ灰を25℃/相対湿度30%の雰囲気で24時間調湿した。次いで、この雰囲気下で試料Aのポリマー層1が設けられた面と試料Bのポリマー層2が設けられた面が接触する状態で300g/(3cm×3cm)の荷重をかけて60cm/分の速度で5往復擦り合わせた。この後、2枚の試料を剥がして、試料Aのポリマー層1をタバコ灰に軽く押し付けた。その後、試料Aをタバコ灰から離して、軽く振った。この時、試料Aのポリマー層1の表面に付着したタバコ灰の量により次のようにランク付けした。
ランク5:タバコ灰が全く付着しない。
ランク4:タバコ灰が極僅かしか付着しない。(擦った部分の面積の5%未満)
ランク3:タバコ灰が付着しているのは擦った部分の面積の5%以上30%未満。
ランク2:タバコ灰が付着しているのは擦った部分の面積の30%以上75%未満。
ランク1:タバコ灰が擦った部分の面積の75%以上に付着。
−マット剤の剥落の評価方法−
ゴミ付着の評価に用いた試料の、マット剤が塗布されている面を光学顕微鏡で観察してマット剤の剥落痕を数えた。この数を100μm×100μmあたりに換算して次のようにランク付けした。
ランク5:剥落が0.1個未満。
ランク4:剥落は0.1個以上1個未満。
ランク3:剥落は1個以上5個未満。
ランク2:剥落は5個以上10個未満。
ランク1:剥落は10個以上。
Figure 0005963651
Figure 0005963651
表1に記載した、各実施例および比較例で使用したバインダー、マット剤は以下のものである。
(バインダー)
P−1:オブリガートSWF(AGCコーテック(株)製フッ素系バインダー、固形分40質量%)
P−2:ルミフロンLF200(旭硝子(株)製フッ素バインダー、固形分60質量%)
P−3:セラネートWSA1070(DIC(株)製シリコーン系バインダー、固形分40質量%)
P−101:アローベースSE−1013N(ユニチカ(株)ポリオレフィン系バインダー)
(マット剤)
M−0.1:シーホスターKE−P10(日本触媒(株)製シリカマット剤、平均粒径0.1μm)
M−0.3:シーホスターKE−P30(日本触媒(株)製シリカマット剤、平均粒径0.3μm)
M−0.5:シーホスターKE−P50(日本触媒(株)製シリカマット剤、平均粒径0.5μm)
M−1.0:シーホスターKE−P100(日本触媒(株)製シリカマット剤、平均粒径1.0μm)
M−1.5:シーホスターKE−P150(日本触媒(株)製シリカマット剤、平均粒径1.5μm)
M−2.5:シーホスターKE−P250(日本触媒(株)製シリカマット剤、平均粒径2.5μm)
M−3.0:エポスターM30(日本触媒(株)製ベンゾグアナミン系マット剤、平均粒径3μm)
M−5.0:エポスターM05(日本触媒(株)製ベンゾグアナミン系マット剤、平均粒径5μm)
M−1.5−2:綜研化学MX(1.5μm)(綜研化学(株)製アクリル系マット剤、平均粒径1.5μm)
表の結果から明らかな通り、実施例−1〜37で得られた本発明の太陽電池用ポリマーシートは、ゴミが付着しにくく、マット剤が剥離されにくかった。
一方、比較例−1〜23で得られた太陽電池用ポリマーシートは、ポリエステル支持シートの一方の面に設けられたポリマー層かポリエステル支持シートの反対面に設けられたポリマー層の少なくとも一方が、上述した式(1)〜(3)の条件を満たすようにマット剤を含有していない、すなわち、ポリマー層1、ポリマー層2、ポリマー層3またはポリマー層4が、上述した式(1)〜(3)の条件を満たすようにマット剤を含有していないため、ゴミの付着評価およびマット剤の剥落評価が良好ではなかった。
10 太陽電池用ポリマーシート、11 ポリエステル支持シート、12 第1のポリマー層、13 第2のポリマー層、14 マット剤、20 太陽電池用ポリマーシート、21 第3のポリマー層、22 第4のポリマー層、30 太陽電池モジュール、31 太陽電池素子、32 封止材、33 透明性の基板

Claims (13)

  1. ポリエステル支持シートの一方の面とその反対面にそれぞれ少なくとも1層のポリマー層を有する太陽電池用ポリマーシートであって、
    前記一方の面に設けられたポリマー層のうち最外層のポリマー層は、フッ素系ポリマーをバインダーとして含有する第1のポリマー層であり、
    前記反対面に設けられたポリマー層のうち最外層のポリマー層は、ポリオレフィン系ポリマーをバインダーとして含有する第2のポリマー層であり、
    前記一方の面に設けられたポリマー層か前記反対面に設けられたポリマー層の少なくとも一方が、下記式(1)〜(3)の条件を満たすようにマット剤を含有し、
    前記マット剤の平均粒径が0.5〜1.0μmであり、
    前記マット剤が無機微粒子であり、
    前記ポリエステル支持シートおよび前記第2のポリマー層が直接接することを特徴とする太陽電池用ポリマーシート。
    0.06≦(A/B)≦0.8 (1)
    15mg/m2≦C≦30mg/m2 (2)
    (Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Bは、マット剤を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シートに近いポリマー層の膜厚と、その層よりも表面側に表面側ポリマー層が設けられている場合はその表面側ポリマー層の総厚との合計(単位:μm)を表し、Cは、マット剤の片面あたりの添加量を表す。また、前記表面側ポリマー層が少なくとも1層設けられている場合は、さらに下記式(3)の条件も満たす。)
    0.1≦(A/D)≦1.1 (3)
    (Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
  2. 前記式(1)〜(3)の条件を満たすポリマー層が、マット剤を含有する最もポリエステル支持シートに近いポリマー層と、その層よりも表面側に形成されている表面側ポリマー層から構成されており、下記式(4)の条件をさらに満たすように前記マット剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用ポリマーシート。
    0.1≦(A/D)≦0.8 (4)
    (Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
  3. 前記第1のポリマー層と前記ポリエステル支持シートとの間に、ポリマーをバインダーとして含有する第3のポリマー層をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  4. 前記第3のポリマー層が、シリコーン系ポリマーをバインダーとして含有し、マット剤も含有することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  5. 前記第1のポリマー層または前記第2のポリマー層がマット剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  6. 前記第1のポリマー層が有機溶剤を含有しており、その有機溶剤含有量が、該第1のポリマー層の全重量の0.01〜3質量%であることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシート。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートが複数枚積重されてなることを特徴とする太陽電池用ポリマーシートの積重体。
  8. 請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートが帯状に形成されており、該太陽電池用ポリマーシートが長手方向に巻回されてなることを特徴とする太陽電池用ポリマーシートのロール体。
  9. 請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の太陽電池用ポリマーシートを用いた太陽電池用バックシート。
  10. 請求項9に記載の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池用モジュール。
  11. ポリエステル支持シートの一方の面とその反対面にそれぞれ少なくとも1層のポリマー層を有する太陽電池用ポリマーシートの製造方法であって、
    前記ポリエステル支持シートの一方の面とその反対面にそれぞれ、フッ素系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第1の塗布液、ポリオレフィン系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第2の塗布液を塗布した後、乾燥することにより、前記一方の面の最外層に、フッ素系ポリマーをバインダーとして含有する第1のポリマー層を形成し、前記反対面の最外層に、ポリオレフィン系ポリマーをバインダーとして含有する第2のポリマー層を形成するポリマー層形成工程を含み、
    前記第1の塗布液、および前記第2の塗布液のうち少なくとも1つには、マット剤が含有されており、前記一方の面に設けられたポリマー層か前記反対面に設けられたポリマー層の少なくとも一方が、下記式(1)〜(3)の条件を満たすように前記マット剤を含有させ
    前記マット剤の平均粒径が0.5〜1.0μmであり、
    前記マット剤が無機微粒子であり、
    前記ポリエステル支持シートおよび前記第2のポリマー層が直接接することを特徴とする太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
    0.06≦(A/B)≦0.8 (1)
    15mg/m2≦C≦30mg/m2 (2)
    (Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Bは、マット剤を含有するポリマー層のうち最もポリエステル支持シートに近いポリマー層の膜厚と、その層よりも表面側に表面側ポリマー層が設けられている場合はその表面側ポリマー層の総厚との合計(単位:μm)を表し、Cは、マット剤の片面あたりの添加量を表す。また、前記表面側ポリマー層が少なくとも1層設けられている場合は、さらに下記式(3)の条件も満たす。)
    0.1≦(A/D)≦1.1 (3)
    (Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
  12. 前記ポリマー層形成工程は、
    前記ポリエステル支持シートの一方の面に、前記第1のポリマー層を形成する第1のポリマー層形成工程と、
    前記ポリエステル支持シートの反対面に、前記第2のポリマー層を形成する第2のポリマー層形成工程を含み、
    前記第1のポリマー層または前記第2のポリマー層に、前記式(1)および(2)の条件を満たすように前記マット剤を含有させることを特徴とする請求項11に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
  13. 前記ポリマー層形成工程は、
    前記ポリエステル支持シートの一方の面に、シリコーン系ポリマーを有機溶剤に溶解または分散した第3の塗布液を塗布した後、乾燥することにより第3のポリマー層を形成する第3のポリマー層形成工程と、
    前記第3のポリマー層上に、前記第1のポリマー層を形成する第1のポリマー層形成工程と、
    前記ポリエステル支持シートの反対面に、前記第2のポリマー層を形成する第2のポリマー層形成工程を含み、
    前記式(1)〜(3)の条件を満たすポリマー層が、マット剤を含有する最もポリエステル支持シートに近いポリマー層と、その層よりも表面側に形成されている表面側ポリマー層から構成されており、下記式(4)の条件をさらに満たすように前記マット剤を含有させることを特徴とする請求項11に記載の太陽電池用ポリマーシートの製造方法。
    0.1≦(A/D)≦0.8 (4)
    (Aは、マット剤の平均粒径(単位:μm)を表し、Dは、表面側ポリマー層の総厚(単位:μm)を表す。)
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