JP6201498B2 - 太陽電池モジュール用の裏面保護シート - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュール用の裏面保護シートに関する。更に詳しくは、太陽電池モジュール用の裏面保護シートとしての好ましい物性と、表面外観のマット感に基づく優れた意匠性と、を兼ね備える太陽電池モジュール用の裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、前面封止材、太陽電池素子、背面封止材及び裏面保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記の太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
太陽電池モジュールは、長期間にわたって屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたって屋外における過酷な環境に耐え得る耐久性が求められる。それらの中でも、裏面保護シートには、特に、裏面側封止材シートとの間の高い密着性や密着耐久性が要求されている。
このような裏面保護シートとして、従来、フッ素系フィルムが広く用いられてきた。しかし、製造コスト削減や軽量化の要請への対応として、ポリエチレンテフタレート(PET)やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等からなる比較的安価で取得することができる基材シート表面に、耐候性を有するコーティング層となる樹脂組成物をコーティングすることにより、耐候性を高めた裏面保護シートが提案されている(特許文献1)。
一方、太陽電池モジュールの意匠性の向上を目的として、その表面の外観がマット感を有する裏面保護シートが求められるようになっている。裏面保護シートの表面にマット感を備えさせるための手段としては、一般には、上記のコーティング層にフィラーとしてシリカを大量に添加することによって、表面外観にマット感を付与する製造方法が広く知られている。
特表2010−519742号公報
特許文献1に記載の裏面保護シートのように、耐候性を高めるためのコーティング層を最外層側に形成する場合においては、耐候性を保ったままマット感を付与することは困難であった。上記のシリカの添加は、その沈降及び加水分解が耐候性低下につながる場合があるからである。よって、最外層に耐候性を強化するためのコーティング層を備える裏面保護シートであって、太陽電池モジュール用として、十分な耐候性とマット感のある外観に基づく優れた意匠性とを兼ね備えた裏面保護シートは未だ存在しなかった。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、優れた耐候性と外観のマット感に基づく優れた意匠性とを兼ね備える太陽電池用モジュール用の裏面保護シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、太陽電池モジュール用の裏面保護シートにおいて、裏面保護シートに耐候性を備えさせるために、その表面に形成するコーティング層に用いる材料として、無機粒子に加えて、互いに相溶し難く相分離可能な2種類の樹脂を用いることによって、無機粒子が特定の樹脂側の一部のみに偏在して凝集することにより、コーティング層の耐候性を保持したまま、コーティング層の表面外観に意匠上極めて好ましいマット感を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 基材層の表面にコーティング層が形成されてなる太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、前記コーティング層は、相分離可能な複数の樹脂と、無機フィラーと、を含有してなり、前記相分離可能な複数の樹脂のうちの少なくとも一の樹脂内に前記無機フィラーが凝集して存在しており、該凝集の有無によって前記コーティング層の表面に凹凸を形成していることを特徴とする裏面保護シート。
(2) 前記コーティング層の表面のJIS Z8741−1997によるグロス値(60°)が5以上10以下である(1)に記載の裏面保護シート。
(3) 前記相分離可能な複数の樹脂のうち少なくとも一の樹脂のSP値と、他の一の樹脂のSP値との差が1.0以上9.0未満である(1)又は(2)に記載の裏面保護シート。
(4) 前記相分離可能な複数の樹脂が、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂である(1)から(3)のいずれかに記載の裏面保護シート
(5) 前記コーティング層には、更に硬化剤が含まれる(1)から(4)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(6) 前記硬化剤が、ポリイソシアネート化合物である(5)に記載の裏面保護シート。
(7) 前記凹凸の形状の平均算術粗さ(Ra)が0.24μm以上3.0μmである(1)から(6)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(8) 前記コーティング層の表面に、透明樹脂からなる耐候層が積層されている(1)から(7)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(9) (1)から(8)のいずれかに記載の裏面保護シートの製造方法であって、前記基材層の表面に、ベース樹脂材料と、無機フィラーと、溶剤とを含有してなるコーティング液を塗布する工程を備え、前記ベース樹脂材料は、相分離可能な複数の樹脂を含有してなるものであり、前記ベース樹脂材料の相分離によって、前記相分離可能な複数の樹脂のうちの少なくとも一の樹脂内に前記無機フィラーが凝集することを特徴とする裏面保護シートの製造方法。
(10) (1)から(8)のいずれかに記載の裏面保護シートと、封止材と、太陽電池素子とが積層されており、前記裏面保護シートの前記コーティング層又は前記耐候層が、太陽電池モジュールの一方の最外層に配置されている太陽電池モジュール。
(11) 前記封止材が、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂又はポリエチレン系樹脂である(10)に記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、基材層の表面にコーティング層が形成されてなる太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、優れた耐候性と外観のマット感に基づく優れた意匠性と、を兼ね備える太陽電池用モジュール用の裏面保護シートを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シート(実施例)の断面SEM写真であり、一の樹脂内に無機フィラーが凝集して存在していることによりシート表面に凹凸が形成されている態様を示すものである。 無機フィラーを含有するが、相分離可能な複数の樹脂は含まない、従来の無機フィラー太陽電池モジュール用の裏面保護シート(比較例3)の断面SEM写真であり、無機フィラーの凝集による凹凸がシート表面に未形成であることを示すものである。 本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シート(実施例)の表面SEM写真であり、シート表面に凹凸が形成されている態様を示すものである。 無機フィラーを含有するが、相分離可能な複数の樹脂は含まない、従来の無機フィラー太陽電池モジュール用の裏面保護シート(比較例3)の表面SEM写真であり、シート表面に凹凸が未形成であることを示すものである。
以下、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シートについて詳細に説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュールの基本構成>
先ず、本発明の裏面保護シートが使用される太陽電池モジュールの基本構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態である太陽電池モジュール1について、その層構成の一例を示す断面模式図である。太陽電池モジュール1は、図1に示すように受光面側から、透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、裏面保護シート6が順に積層された構成である。太陽電池モジュール用の裏面保護シートは、このように太陽電池モジュールにおいて最外層に配置されて使用されるものであるため、高い耐候性を備えることが必須となっている。本発明の裏面保護シート6は、このような耐候性を備えつつ、更に、外観のマット感に基づく優れた意匠性と、を兼ね備えるものである。太陽電池モジュール1の外観を構成する最外層に、本発明の裏面保護シート6を配置することによって、太陽電池モジュール1の意匠性を著しく向上させることができる。
<裏面保護シート>
本発明の実施形態である裏面保護シート6を、図2を用いて説明する。裏面保護シート6は、基材層60と、コーティング層61とを備える積層体である。コーティング層61は、基材層60の両面のうち、太陽電池モジュール1として一体化された際に、最外層となる側の面に形成される。
[基材層]
基材層60は、ポリエチレンテフタレート(PET)や、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート等、耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性、透明性、耐候性を、備える種々の樹脂シートを用いることができる。それらの中でも、加工性に優れ比較的安価で入手するPETを、好ましく用いることができる。この基材層60の一方の表面にコーティング層61が積層されて裏面保護シート6となる。基材層60の厚さは特に限定されない。但し、基材層60の厚さが15μm以上であれば機械強度の面で好ましく、300μm以下であれば加工適性の面で好ましい。
基材層60は、本発明の効果を害さない範囲内で、上記樹脂以外の成分を含有していてもよい。又、例えば、加工性、耐熱性、耐光性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤、その他の樹脂等を添加することができる。これら添加剤等の添加量としては、特に限定されず、その目的に応じて、任意に添加することができる。一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、滑剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、着色用添加剤、顔料、改質用樹脂等を挙げることができる。
[コーティング層]
コーティング層61は、コーティング層61を形成するためのコーティング液を、基材層60の一方の表面に塗布し、塗布されたコーティング液から皮膜を形成させたものである。コーティング液としては、相分離可能な第1主剤樹脂と第2主剤樹脂との混合樹脂を主剤樹脂とし、これに無機フィラーを添加した混合物を用いる。又、コーティング層61は、上記の主剤樹脂が、ポリイソシアネート化合物等の硬化剤によって架橋した架橋樹脂として形成されているものであることが好ましい。尚、本明細書の以下の説明では、硬化剤によって架橋されて硬化する前の樹脂化合物のことを「架橋性主剤樹脂(又は単に「主剤樹脂」)」と呼び、コーティング層に含まれる樹脂、即ち硬化してコーティング層を形成している架橋樹脂と区別する。
図3は、本発明の裏面保護シート(段落0075以下に記載の実施例)の断面SEM写真である。又、図5は、同裏面保護シートの表面SEM写真である。コーティング層61は、相分離可能な第1主剤樹脂と第2主剤樹脂からなる。図3から分かる通り、コーティング層61において、第1主剤樹脂と第2主剤樹脂は相分離しており、第1主剤樹脂は第1領域611を形成し、第2主剤樹脂は第2領域612を形成している。そして、第1領域611内に無機フィラーが偏在し、それらの無機フィラーが凝集して粗大粒子部7が形成されている。又、図5から分かる通りコーティング層の表面には、裏面保護シートの表面にマット感を付与する凹凸形状が形成されている。
尚、本明細書において、「相分離可能」とは、2つ以上の成分溶液や固溶体が、印刷前にはインキとして安定し、分離することなく塗工が可能であるが、塗工乾燥後に相が分離する態様であることを言うものとする。相分離可能な第1主剤樹脂と第2主剤樹脂とは、室温の温度条件下で印刷した場合に、第1主剤樹脂と第2主剤樹脂とが、互いに混淆することなく、相分離可能なものであることを言う。
図3、図5から分かる通り、裏面保護シート6のコーティング層61においては、第1領域611内に形成される粗大粒子部7の存在する部分上の表面のみが凸状に隆起することにより、コーティング層61の表面に凹凸が形成されている。
裏面保護シート6のコーティング層61の表面に形成されている上記の凹凸の形状の平均算術粗さ(Ra)が0.24μm以上3.0μmである。コーティング層61の表面の凹凸の形状の平均算術粗さ(Ra)が上記範囲であることにより、裏面保護シート6のコーティング層61の側の表面には、優れた意匠性を発揮するマット感が付与される。
このコーティング層61の表面の凹凸の形状は、単に一般的な耐候性を高めるためのコーティング層に、任意の無機フィラーを混淆させることのみによっては、形成することはできない。相分離可能な複数の樹脂と無機フィラーを必須の構成要件とする本願独自の構成によってのみ形成可能なものである。この凹凸によって、裏面保護シート6のコーティング層61の側の表面には、優れた意匠性を発揮するマット感が付与される。
又、そのような、表面の凹凸形状とすることにより、コーティング層61の表面のJIS Z8741−1997によるグロス値(60°)を、意匠性向上の観点からは、極めて好ましい範囲である0.5以上10以下とすることができる。
次に、上記の如き好ましいマット感を有するコーティング層61を成形するためのコーティング液の詳細について説明する。
(第1主剤樹脂と第2主剤樹脂)
コーティング層61を形成するためのコーティング液の主剤樹脂は、互いに相分離可能な第1主剤樹脂と第2主剤樹脂を用いる。
互いに相分離可能な樹脂であるか否かの具体的な基準は、必ずしも一義的に限定されない。但し、代表的な指標として、一の樹脂のSP値と、他の一の樹脂のSP値との差(以下、この差のことを、単に、「SP値差」とも言う。)を、指標とすることができる。より具体的には、SP値差が、1.0以上9.0未満である複数の樹脂を、互いに相分離可能な複数の樹脂として、本発明に係るコーティング液の第1及び第2の主剤樹脂として好ましく用いることができる。複数の樹脂において、このSP値差が1.0未満である場合には、上記のグロス値が10を超えて、コーティング層に十分なマット感が発現せず、一方、9.0を超えると、インキとして不安定となり、印刷前に分離してしまう。となってしまう。
本発明に係るコーティング液の主剤樹脂である第1主剤樹脂と第2主剤樹脂として、以上の要件を満たす代表的な組合せとして、第1主剤樹脂としてアクリル系樹脂を用い、第2主剤樹脂として、ウレタン系樹脂を用いる組合せをあげることができる。一例として、アクリル系樹脂であるポリメタクリル酸メチルのSP値は、9.1であり、ウレタン系樹脂であるポリカウレタンのSP値は、10.3である。よって、これらの樹脂のSP値差は概ね1.2であり、これらの樹脂を混合させた樹脂は、本発明に係るコーティング液の主剤樹脂として好ましく用いることができる。
上記のアクリル系樹脂としては、ポリイソシアネート化合物と反応するための水酸基を有する架橋性置換基含有アクリル樹脂を特に好ましく用いることができる。又、上記のウレタン系樹脂としては、架橋性置換基含有ウレタン樹脂を、特に好ましく用いることができる。
架橋性置換基含有アクリル樹脂及び架橋性置換基含有ウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための水酸基を複数有し、ポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。又、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂は、耐候性、耐薬品性が良好である点から、コーティング層61の耐溶剤性を確保することができる。
架橋性置換基含有アクリル樹脂及び架橋性置換基含有ウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための架橋性置換基を複数有し、ポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。ここで、架橋性置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。主剤樹脂は、溶剤可溶性の樹脂又は溶剤に分散する樹脂から選択される。入手性及び架橋反応性の観点から、架橋性置換基は水酸基であることが好ましい。好ましい水酸基価の範囲は18以上100以下である。
架橋性置換基含有アクリル樹脂としては、一種又は二種以上のアクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーとを共重合させたものや、一種又は二種以上のアクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーと、一種又は二種以上のエチレン性モノマーとを共重合させたものが使用される。ここで、アクリル酸樹脂を得るために使用するモノマーとして、上記のモノマーに加えて、アクリル酸樹脂に耐光性を付与するための置換基を有するモノマーを使用してもよい。
架橋性置換基含有ウレタン樹脂としては、一種又は二種以上のウレタン化合物と架橋性置換基を有するモノマーとを共重合させたものや、一種又は二種以上のウレタン化合物と架橋性置換基を有するモノマーと、一種又は二種以上のエチレン性モノマーとを共重合させたものが使用される。
架橋性置換基含有ウレタン樹脂としては、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂等のうち、一種又は二種以上のウレタン化合物と架橋性置換基を有するモノマーとを共重合させたものや、一種又は二種以上のウレタン化合物と架橋性置換基を有するモノマーと、一種又は二種以上のエチレン性モノマーとを共重合させたものが使用される。
以上、例示した第1及び第2の主剤樹脂の水酸基価は18以上100以下であり、好ましくは、20以上90以下である。第1主剤樹脂及び第2主剤樹脂の水酸基価が18以上であることにより、充分に架橋が進行して、コーティング層61により好ましい耐溶剤性を付与することができる。第2主剤樹脂の水酸基価が100を超えると、第1主剤樹脂及び第2主剤樹脂の一部が未反応のままコーティング層61に残存して裏面保護シート6の耐候性が低下するため好ましくない。
コーティング液中の第1主剤樹脂及び第2主剤樹脂の含有量比は、30:70〜70:30であることが好ましく、それらの合計の含有量は10〜60質量%であることが好ましい。コーティング液における第1及び2の主剤樹脂の含有量比が上記範囲であり、且つ、合計の含有量が10質量%以上であることにより、グラビアコーターを使用して所望の膜厚を得ることができる。又、コーティング液における主剤樹脂の含有量が60質量%以下であることにより、コーティング液の塗布性が良好になる。
コーティング層61の厚さは、特に限定されず、裏面保護シート6が適用される条件に合わせて適宜決定すればよい。コーティング層61の厚さは、0.1μm以上30μm以下であることが好ましく、0.5μm以上7μm以下であることがより好ましい。コーティング層61の厚さが0.1μm未満であると、十分な耐候性を付与することができず、又、コーティング層61の厚さが30μmを超えても、塗布するコーティング液の量が多く必要であり、コストが嵩むため好ましくない。
(無機フィラー)
コーティング層61中に粗大粒子部7を形成させるために、第1主剤樹脂及び第2主剤樹脂を主たる成分とするコーティング液に無機フィラーを添加する。無機フィラーとしては、以下の無機系の顔料を好ましく用いることができる。例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、カーボンブラック、チタンブラックやCu−Mn系複合酸化物、Cu−Cr−Mn系複合酸化物、或いは、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタンイエロー、クロムグリーン、群青、アルミニウム粉、雲母、炭酸バリウム、タルク等を用いることができる。これらの中でも、耐候性に優れ、塗料化が容易であること及び価格を含め入手が安易であることから、白色顔料としては、酸化チタンを、黒色顔料としては、カーボンブラックを好ましく用いることができる。尚、これらの無機フィラーは、通常、紫外線遮断材としての効果も奏するものでもあるため、特断の意匠性向上の要請がない場合でも添加される場合が多いが、単に一般的なコーティング液へ添加することのみによっては、本願と同等の十分なマット感を安定的に発現させることはない。これらの無機フィラーは、本願独自のコーティング液の主剤樹脂の構成との組合せによってのみ、本願と同等の意匠性の向上にも寄与しうるものとなる。
コーティング層61に含有される無機フィラーの量は、コーティング液中の無機フィラー/無機フィラー以外の固形分比(P/V比)で、0.3以上3.0以下であることが好ましく、0.5以上2.0以下であることが更に好ましい。特に、白色顔料として一般的に用いられる酸化チタン顔料の場合は、1.0以上2.0以下であることが好ましい。固形分比(P/V比)が高い方が塗布膜厚を薄くしても隠蔽性を保つことができるために好ましい。顔料の含有量が、0.3未満であると、耐候性を保つことができない場合があり、3.0を超えると接着性の低下につながる場合があり、又、塗膜が脆くなる場合がある。
(硬化剤)
第1主剤樹脂及び第2主剤樹脂の架橋反応を進行させる硬化剤としては、硬化剤として、ポリイソシアネート化合物を用いることができる。ポリイソシアネート化合物とは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物である。
ポリイソシアネート化合物は、第1主剤樹脂及び第2主剤樹脂を架橋して硬化(高分子量化)させ、コーティング層61に含まれる樹脂を形成させる。このとき、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂とともにコーティング層61に含まれる樹脂の一部となる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香族−脂肪族系等が挙げられるが、コーティング層が長期間に亘って外部環境に曝されることに伴う着色を抑制するという観点からは、脂肪族系、脂環式系のポリイソシアネート化合物が好ましく使用される。
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等といった炭素数3〜12の脂肪族イソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等といった炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ビューレット、イソシアヌレート変性物等)等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
これらのポリイソシアネート化合物のコーティング液への添加量については、第1及び第2主剤樹脂の合計100質量部に対するポリイソシアネート化合物のNCO基の質量が、0質量部以上16.0質量部以下、好ましくは2.1質量部以上14.3質量部以下となるように適宜調整する。又、コーティング液のNCO/OH比が0.5以上3.0以下となるように、適宜調整することが好ましい。これにより、コーティング層61に好ましい耐溶剤性を付与することができる。NCO/OH比が0.5未満であると、耐溶剤性が不十分となる。又、NCO/OH比が3.0を超えると、基材層60に対する接着性が不十分となる。
(溶剤)
コーティング液に使用される溶剤は、基材層60に対する塗布性をコーティング液に付与するために添加される。コーティング液が基材層60に塗布された後、塗布されたコーティング液に含まれる溶剤が揮発し、次いで生じる硬化反応により、基材層60の表面にコーティング層61が形成される。よって、溶剤は、コーティング層61を構成する第1及び第2の主剤樹脂、硬化剤等の成分を溶解又は分散させることができるものであること、及びコーティング液に含まれる硬化剤と反応しないものであればよい。
又、本発明における溶剤は、単一種類の有機系溶剤である主溶剤単体であってもよく、或いは、当該主溶剤に、その主溶剤以外の有機系溶剤である補助溶剤を添加してなる混合物であってもよい。
主溶剤は、特に限定されない。但し、基材層60としてポリカーボネートを用いる場合には、SP値が19.3以上20.3以下の溶剤を好ましく用いることができる。そして、この場合には、溶剤100質量部に対する主溶剤の含有量は、50質量部以上100質量部以下であることが好ましい。このような主溶剤の具体例としては、メチルイソブチルケトン(MIBK)をあげることができる。その他の用いることができるものの例として、シクロヘキサノンをあげることができる。
補助溶剤についても、特に限定されないが、上記同様、基材層60としてポリカーボネートを用いる場合には、SP値が22.0以上の溶剤を好ましく用いることができる。そして、溶剤100質量部に対する補助溶剤の含有量は、0質量部であってもよく、0質量部以上100質量部以下である。このような補助溶剤の好ましい具体例として、イソプロピルアルコール(IPA)をあげることができる。
上記組成からなる溶剤は、一般にSP値が概ね18程度とされているポリカーボネートの一部を、適切な程度範囲内で溶解する性質を持つものであることが推定される。このような溶剤をポリカーボネート樹脂に塗布した場合には、例えば、その樹脂表面から0.1μm〜5μm程度の範囲にある部分を適度に溶解させることによって、基材層60とコーティング層61との接着性の向上に寄与しうるものであると考えられる。
(その他の添加剤)
コーティング層61中には、その他、例えば、シートの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を必要に応じて添加することができる。その他の添加剤としては、分散剤、消泡剤、光安定化剤、熱安定剤、酸化防止剤等が例示される。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、コーティング液やコーティング層61に求められる性能に応じて、適宜選択される。
[その他の層]
本発明の裏面保護シート6には、本発明の効果を害さない範囲で、その他の層を設けてもよい。例えば、基材層60のコーティング層61の表面に、例えば、フッ素樹脂、EB硬化型樹脂等からなる意匠性に悪影響を及ぼさない透明な耐候層を設けてもよい。これにより、更に裏面保護シート6の耐候性を向上させることができる。又、コーティング層61が形成されていない側の面には、必要に応じて、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる接着強化層や、或いは、シランカップリング剤等の接着性向上剤を含有する樹脂混合物からなるプライマー層を設けてもよい。或いは、基材層60と接着強化層等との間に、例えば裏面保護シート6の強度を増すための他の補強層を設けてもよい。
<裏面保護シートの製造方法>
裏面保護シート6は、基材層60の一表面上に、上記において説明したコーティング液を用いて、コーティング層61を皮膜形成するコーティング工程を経ることによって製造することができる。
(コーティング液の製造方法)
コーティング液の製造方法は、特に限定されないが、以下に説明する製造方法を好適に用いることができる。
主剤樹脂と、必要に応じてその他の添加剤を混合することにより主剤液とすることができる。混合方法としては、主剤樹脂とその他の添加剤を均一に分散する工程を含む製造方法を挙げることができる。又、無機フィラーを分散する工程で分散剤を用いてもよい。この分散の工程には各種の分散機を使用することができる。例えば、ロールミル機、ビーズミル機、高速攪拌分散機、2軸押出し機、バンバリーミキサー、加圧式ニーダー等が挙げられる。コーティング液は、このようにして調整した主剤液とポリイソシアネート化合物を含有する溶液を硬化剤として使用直前に混合する2液タイプのものであることが好ましい。
コーティング液の樹脂濃度は重量基準で、通常は10〜100%であることが好ましく、20〜80%であることが更に好ましい。又、粘度は通常50〜500000cP/25℃であることが好ましく、100〜100000cP/25℃であることが更に好ましい。
尚、ポリイソシアネート化合物を含有する溶液を硬化剤として、2液タイプのコーティング液とする場合、硬化剤には、公知の有機溶剤が適宜選択されて使用される。
コーティング工程として、まず、基材層60の一表面上にコーティング液を塗布する。塗布方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような塗布方法として、印刷法、グラビアコーターによるコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、ベタコーティング法、はけ塗り法等を例として挙げることができる。
コーティング液の塗布量としては、耐候性、塗工性能、コストの観点から、0.1〜10g/m(乾燥質量)が好ましく、0.1〜8g/m(乾燥質量)がより好ましい。
次に、コーティング液中の溶剤を加熱処理により揮発させる。揮発方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような方法としては、加熱法、減圧乾燥法、熱風乾燥法、自然乾燥法等が例示されるが、特に限定されない。コーティング液に含まれる溶剤を揮発させる条件は、使用される溶剤に合わせて適宜設定すればよいが、加熱時間及び加熱温度については、ギヤオーブンを使用する場合には15秒〜5分間、60〜200℃の範囲であることが好ましく、30秒〜2分間、70℃〜120℃であることが更に好ましい。このように加熱することにより、好ましい耐溶剤性及び接着性が発現する。この溶剤揮発の過程において、コーティング液に含まれる主剤樹脂をポリイソシアネート化合物等の硬化剤によって架橋させることにより、コーティング層61を皮膜形成する。
コーティング液から溶剤が揮発除去されると、第1主剤樹脂、第2主剤樹脂、無機フィラー、硬化剤及びコーティング液に添加したその他の添加剤が基材層60の表面に残って膜を形成する。この膜が硬化してコーティング層61となる。
溶剤を揮発させた後、架橋反応を更に十分に進行させるために、裏面保護シート6を養生に付すことが好ましい。養生の条件は、使用される主剤樹脂及び硬化剤の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、40〜60℃で3〜7日間放置することが挙げられる。
又、上記の皮膜形成過程において、第1主剤樹脂と第2主剤樹脂は相分離する。そして、無機フィラーは、樹脂中に分散しているため、Tgが低い樹脂が流動して、主剤樹脂のいずれか一方(本実施例では、第2主剤樹脂であるポリカ系ウレタンとアクリルの共重合樹脂の側)にのみ偏在して凝集する。そして、凝集した無機フィラーが塊状の粗大粒子部7を形成する。そしてこの粗大粒子部7は、コーティング層61となる相分離可能な複数の樹脂の硬化収縮(重合収縮)に際して、単一の固体として作用する。このため、粗大粒子部7が存在する部分上の表面において、コーティング層61の一部が凸状に隆起することにより、凹凸が形成され、コーティング層61の外観に好ましいマット感を付与する。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材層3、太陽電池素子4、背面封止材層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃〜190℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜60分の範囲内が好ましく、特に8〜40分の範囲内が好ましい。このようにして、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュール1を製造することができる。
以下、実施例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<コーティング液の製造>
先ず、本発明の裏面保護シートに使用するコーティング液を製造した。コーティング液については、以下に説明する主剤樹脂と硬化剤を所定量配合して製造した。具体的製造方法を以下に説明する。
[実施例]
実施例のコーティング液を下記の通り作成した。
(第1主剤樹脂)
ポリカ系ウレタンとアクリルの共重合樹脂。水酸基価0。
(第2主剤樹脂)
水酸基価81、Tg91℃のアクリル樹脂Aと水酸基価283、Tg25℃からなるアクリル樹脂Bを50/50で混合したアクリル樹脂。以下の[]内の成分からなる。
[メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ビニル(微量検出)、(メタクリル酸)、(エチレングリコールジメタクリリレート)、アゾビスイソブチロニトリル]
上記第1主剤樹脂と第2主剤樹脂とを1:1の割合で混合したものを実施例の主剤樹脂とした。
(無機フィラー)
酸化チタン(「Ti−Pure(登録商標)R−105」(DuPont社製))。主剤樹脂100質量部に対して100質量部の割合でコーティング液中に添加した。
(硬化剤)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系のポリイソシアネート化合物を用いた。各ポリイソシアネート化合物中のNCO基の割合(質量%)は、23.0%とした。主剤樹脂100質量部に対して6.8質量部の割合でコーティング液中に添加した。
(溶剤)
溶剤:MEK、MIBK、IPAを混合(混合比は5:3:2)したものを使用した。尚、コーティング液の樹脂濃度は重量基準で、13.7%(固形分濃度は31.5%)となるようにそれぞれ調整した。
上記の実施例の主剤樹脂、無機フィラー、硬化剤を、上記配合比(質量部)で含有する製造例のコーティング液を調整した。尚、実施例のコーティング液について、主剤樹脂100質量部に対するポリイソシアネート化合物のNCO基の質量測定したところ、6.8であった。尚、実施例のコーティング液のP/V比は、1.0とした。
[比較例1]
比較例のコーティング液を下記の通り作成した。比較例1については、上記実施例に用いた第2主剤樹脂(アクリル樹脂)を主剤樹脂とした。その他の無機フィラー、硬化剤、溶剤の配合比と調整方法は、実施例と同じくして、比較例1のコーティング液を調整した。
[比較例2]
比較例2については、アクリルポリオール樹脂に紫外線吸収剤(UVA)とヒンダードアミン系光安定剤(HALS)とを共重合させた樹脂(日本触媒社製「ハルスハイブリッドポリマー」)を主剤樹脂(主剤樹脂3)とした。その他の無機フィラー、硬化剤、溶剤の配合比と調整方法は、実施例と同じくして、比較例1のコーティング液を調整した。
[比較例3]
比較例3については、比較例2に用いた主剤樹脂3を主剤樹脂とし、無機フィラーの添加量を、+20%程度増量したもの。
尚、比較例1〜3のコーティング液について、主剤樹脂100質量部に対するポリイソシアネート化合物のNCO基の質量測定したところ、それぞれ、5.1(比較例1)、8.0(比較例2)、8.0(比較例3)であった。尚、比較例1〜3の各コーティング液のP/V比は、2.0とした。
<裏面保護シートの製造>
上記の通り製造した実施例及び比較例1〜3のコーティング液を、下記に示す裏面保護シート用基材の一方の面に塗布し、続いて塗布されたコーティング液から溶剤成分を蒸発させることによって、コーティング層を形成し、実施例及び比較例1〜3の裏面保護シートを製造した。コーティング液の塗布量は、いずれも9g/mとし、塗布はミヤバー法により行い、2分間、100℃のオーブンによる乾燥で溶剤を蒸発させ、更に、40℃で7日間放置して養生した。
裏面保護シート用基材
:ポリエチレンテレフタレート(PET)基材:厚さ188μm(商品名「ルミラーS10」、東レ社製)
<裏面保護シートの接着性評価>
[接着性試験]
上記の通り作成した実施例及び比較例1〜3の裏面保護シートについて、ASTM D3359、JIS 5400に準じた接着性試験を行い、各層間の接着性を以下の基準で評価した。評価結果については、「接着性」として、下記表1に示す。
A:0%のコーティング剥離
B:5%未満のコーティング剥離
C:5%以上50%未満のコーティング剥離
D:50以上100%以下のコーティング剥離
<裏面保護シートの耐溶剤性評価>
[耐溶剤性試験]
実施例及び比較例1〜3の裏面保護シートについて、下記の耐溶剤性試験を行い、耐溶剤性を評価した。各裏面保護シートのコーティング層側の表面に、ASTM D5402−06に準じた耐溶剤試験を実施した。溶剤にはアセトンを染み込ませたコットンを用い、1500gの力で約1秒間に1回の速度で25往復擦り、表面を観察、以下の評価基準により評価した。評価結果については、「耐溶剤性」として、下記表1に示す。
A:コーティング層の剥離無し、外観変化無し
B:コーティング層の剥離無し、外観変化有り
C:15往復擦りでコーティング層の剥離
D:5往復擦りでコーティング層の剥離
<裏面保護シートの意匠性評価1>
実施例及び比較例1〜3の裏面保護シートの表面のグロス値(60°)をJISZ8741−1997に準拠して、村上色彩技術研究所製GM−26PROを用いて測定した。結果については、「グロス値」として表1に示す。
<裏面保護シートの意匠性評価2>
実施例及び比較例1〜3の裏面保護シートの表面の凹凸の形状の平均算術粗さ(Ra)を、下記の方法により測定した。
(測定方法)JIS B0601−1994に従い、カットオフ値λc=0.8mm、評価長さ1n=4mmとして測定した。結果については、「Ra」として表1に示す。
<裏面保護シートの意匠性評価3>
実施例及び比較例1〜3の裏面保護シートの表面のマット感の有無を観察、以下の評価基準により評価した。評価結果については、「マット感」として、表1に示す。
A:明瞭なマット感あり
B:不明瞭だがマット感あり
C:マット感なし。
<裏面保護シートの意匠性評価4>
比較例3の裏面保護シートについて、実施例と同条件で断面及び表面のSEM写真(図4、図6)を撮影し、の実施例の同写真(図3、図5)と比較した。図4の断面図より、無機フィラーを含有するが、相分離可能な複数の樹脂は含まない、比較例3の裏面保護シートには、実施例のように、無機フィラーが凝集して粗大粒子部を形成してはいないこと。又、図4の断面図及び図6の正面図より、比較例3の裏面保護シートには、シート表面にマット感を付与する凹凸が形成されていないことが分かる。又、実施例における意匠性において好ましいマット感の発現と、比較例1から3におけるそのようなマット感の未発現は目視によっても確認されている。
表1より、本発明の裏面保護シートは、接着性、耐溶剤性において優れたものであり、太陽電池モジュール用の裏面保護シートに、好ましい意匠性(マット感)を付与することができるものであることが分かる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材層
4 太陽電池素子
5 背面封止材層
6 裏面保護シート
60 基材層
61 コーティング層
611 第1領域
612 第2領域
7 粗大粒子部

Claims (10)

  1. 基材層の表面にコーティング層が形成されてなる太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
    前記コーティング層は、相分離可能な複数の樹脂と、無機フィラーと、を含有してなり、
    前記相分離可能な複数の樹脂のうち少なくとも一の樹脂のSP値と、他の一の樹脂のSP値との差が1.0以上9.0未満であって、
    前記相分離可能な複数の樹脂のうちの少なくとも一の樹脂内に前記無機フィラーが凝集して存在しており、該凝集の有無によって前記コーティング層の表面に凹凸を形成していることを特徴とする裏面保護シート。
  2. 基材層の表面にコーティング層が形成されてなる太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
    前記コーティング層は、相分離可能な複数の樹脂と、無機フィラーと、を含有してなり、
    前記相分離可能な複数の樹脂が、アクリル系樹脂及びウレタン系樹脂であって、
    前記相分離可能な複数の樹脂のうちの少なくとも一の樹脂内に前記無機フィラーが凝集して存在しており、該凝集の有無によって前記コーティング層の表面に凹凸を形成していることを特徴とする裏面保護シート。
  3. 前記コーティング層の表面のJIS Z8741−1997によるグロス値(60°)が5以上10以下である請求項1又は2に記載の裏面保護シート。
  4. 前記コーティング層には、更に硬化剤が含まれる請求項1からのいずれかに記載の裏面保護シート。
  5. 前記硬化剤が、ポリイソシアネート化合物である請求項に記載の裏面保護シート。
  6. 前記凹凸の形状の平均算術粗さ(Ra)が0.24μm以上3.0μmである請求項1からのいずれかに記載の裏面保護シート。
  7. 前記コーティング層の表面に、透明樹脂からなる耐候層が積層されている請求項1からのいずれかに記載の裏面保護シート。
  8. 請求項1からのいずれかに記載の裏面保護シートの製造方法であって、
    前記基材層の表面に、ベース樹脂材料と、無機フィラーと、溶剤とを含有してなるコーティング液を塗布する工程を備え、
    前記ベース樹脂材料は、相分離可能な複数の樹脂を含有してなるものであり、
    前記ベース樹脂材料の相分離によって、前記相分離可能な複数の樹脂のうちの少なくとも一の樹脂内に前記無機フィラーが凝集することを特徴とする裏面保護シートの製造方法。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の裏面保護シートと、封止材と、太陽電池素子とが積層されており、
    前記裏面保護シートの前記コーティング層又は前記耐候層が、太陽電池モジュールの一方の最外層に配置されている太陽電池モジュール。
  10. 前記封止材が、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂又はポリエチレン系樹脂である請求項に記載の太陽電池モジュール。
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