JP4627143B2 - 高耐候性の塗料用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐候性をはじめとし、特に上塗り塗料用バインダーとして優れた特性を有する塗料用樹脂組成物に関するものである。塗装用途としては、主として橋梁、その他の建築物、航空機、車両、その他の産業機器、家電製品などに供せられ、室温ないし若干の加温で硬化が可能であり、塗装条件に影響されずに所望の特性が発揮され、耐候性はもとより、付着性、耐変色性、高光沢、防食性などに優れた特性を発揮する。
従来、上記の分野に供せられる塗料用樹脂組成物の一つとして、主鎖が実質的に炭素・炭素結合で形成され、側鎖に水酸基を有するビニル樹脂と、イソシアネート化合物を組み合せた樹脂組成物が挙げられる。このものは、2液型として室温ないし若干の加温で硬化が可能であり、下塗り塗膜あるいは被塗物基材への付着性も有していることから、広く一般的に使用されて来た。しかしながら、上記樹脂組成物はその化学構造上のため耐候性が不充分であり、上塗り塗料に応用した場合には、塗装後の年月経過と共に、光沢低下、変色、チョーキングなどの問題を発生することから、長期間の光沢保持、美観の確保、防食性能の維持は困難である。
本発明者らは、上記の問題点を解決するための技術を既に特開2002−226768号公報(特許文献1)で提案している。すなわち、ビニル樹脂に関して、(1)主鎖の炭素・炭素結合において、α位水素原子をできるだけ少なくし、他方(2)側鎖には加水分解性シリル基および水酸基を含有させ、イソシアネート化合物との組合わせで、水分によるシリル基の加水分解反応を利用した架橋、および水酸基とイソシアネート基の架橋を併用するものである。本技術においては、樹脂の結合力が向上しており、その結果チョーキング等による塗膜の劣化は大幅に改良され、初期の光沢維持も確保されつつあるが、塗膜の汚れによる光沢低下、変色等はいまだ十分解決されてはいない。また近年使用する溶剤についても、塗り替え時において、旧塗膜の上に新規に塗装する場合、旧塗膜を侵しにくい溶剤、あるいは環境に対する影響が少ない溶剤が強く求められており、この面においても対応が必要である。
さらに特開平11−286648号公報(特許文献2)においては、製造例において溶剤として沸点150℃以下のキシレン、トルエンが例示されているだけであり、前述の従来使用の溶剤から生じる問題点を解決することはできない。
また特開2000−297242号公報(特許文献3)においては、加水分解性シリル基を含有するビニル共重合体(A)における共重合体の合成例において、珪素含有量は最大1.1%(共重合体A−1−1)のものが例示されているだけであり、また特開2002−338899号公報(特許文献4)における加水分解性シリル基を含有するビニル共重合体(A)においても、珪素含有量は最大1.5%が例示されているが(共重合体A−1)、このものはα位に水素原子を有する単量体(2−エチルヘキシルアクリレート)が24.3%も共重合されており、またその他の製造例では共重合体の珪素含有量0.9%に過ぎず、これら特許に例示されたビニル共重合体では前記のような要求される性能は達成されないという問題点がある。
特開2002−226768号公報 特開平11−286648号公報 特開2000−297242号公報 特開2002−338899号公報
そこで本発明は、室温ないし若干の加温で硬化が可能であり、各種の下塗り塗膜あるいは下塗り未塗装材など、下地の種類によらず、また、塗装条件、塗装後の環境条件に左右されず、あらゆる条件下において高い下地付着性を有する、上塗り塗料用の樹脂組成物を提供することを目的とする。また塗膜性能においては、特に耐候性を中心とした耐久性能に優れており、従って、資源の節約、塗装経費の節減につながり、メンテナンスフリーな塗料用樹脂組成物を提供することができる。
本発明者らは、上記課題を解決するため、塗料のバインダーとして、(1)ビニル共重合体からなる基剤樹脂、(2)組み合せる硬化剤、(3)添加剤としての珪素化合物、および(4)溶剤について鋭意検討した。すなわち、(A)重量%で80%以上の単量体が、α位に水素原子を持たないα,β−エチレン性不飽和単量体から構成され、側鎖あるいは分子末端に加水分解性シリル基および水酸基を含有し、珪素含有率が1.6〜3.5重量%、水酸基価が10〜70KOHmg/gであるビニル共重合体、(B)イソシネート化合物、(C)アルコキシシラン、その加水分解物および/またはその部分縮合物である珪素化合物、および(D)沸点が150℃以上の成分を70重量%以上含む炭化水素溶剤を含有する塗料用樹脂組成物により本発明を完成した。
本発明の塗料用樹脂組成物は、塗料に適用して常温乾燥あるいは加温による乾燥が可能であり、特に耐候性、下塗りあるいは素地への付着性に優れ、また機械特性、耐溶剤性、耐薬品性、作業性等においても優れた特性を有している。塗装用途については、橋梁、その他の建築物、航空機、車両、その他の産業機器、家電製品等幅広い応用が可能である。
以下に、本発明の塗料用樹脂組成物、その製法および塗装方法について詳細に説明する。
[(A)ビニル共重合体]
本発明に使用するビニル重合体は、重量%で80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは全ての繰り返し単位が、下記一般式で表されるように、α位の炭素原子に水素原子以外の置換基が結合した構造を有するビニル共重合体であり、このことが塗料のバインダーとして優れた耐候性を発揮する要因のひとつになっている。水素原子以外の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基等を例示することができる。
Figure 0004627143
ビニル共重合体においてα位の炭素原子に結合した水素原子は、他の位置に結合した水素原子よりも紫外線照射などにより容易に脱離し、そのためα位の炭素原子にラジカルが発生し易くなる。このラジカル部分が引き金となって、樹脂の主鎖切断が起こり、分子量が低下して樹脂の劣化に繋がる。
一方、α位の炭素原子が水素原子以外の置換基で置換された場合は、ラジカルの生成頻度が著しく低下し、従って樹脂の主鎖切断が起こりにくく樹脂の劣化も抑制され、塗料のバインダーに使用した場合、耐候性すなわち光沢の低下、色変化あるいは塗膜厚の減少などが大幅に改良される。
また、α位の炭素原子が水素原子以外の置換基で置換された場合、置換基の立体障害により主鎖の分子運動が抑制され、このことも耐久性の向上に寄与すると考えられる。
本発明に使用するビニル重合体は、側鎖あるいは分子末端に加水分解性シリル基を含有する。加水分解性シリル基は塗膜形成後、大気中の水分により加水分解反応を起こし、最終的にはシロキサン結合を形成するため、塗膜中に3次元架橋が形成され、性能向上に寄与する。シロキサン結合は、炭素・炭素あるいは炭素・水素結合よりも結合エネルギーが大きく、その分結合が切断されにくく、耐久性等の向上に効果が発揮されると考えられる。
加水分解性シリル基の必要量については、ビニル共重合中で珪素含有量が1.6〜3.5重量%である。1.6重量%より少ない場合は、塗膜の硬化性が不充分であり、耐候性の向上効果も不充分である。また下地密着性も低下する。一方3.5重量%より多い場合は、塗膜乾燥中に内部応力が増大して硬化収縮が顕著になり、ゆず肌、縮み肌等外観の平滑性が損なわれ、下地密着性も低下して問題である。また塗料のポットライフも低下する。またより好ましい範囲は1.7〜3.0重量%である。
加水分解性シリル基を導入する方法については、加水分解性シリル基含有単量体を共重合する方法が好ましい。このような単量体を例示すると、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等が好ましく、その他、ジビニルジメトキシシラン、ジビニル−β−ジメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−β−メトキシエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等も一部使用可能である。
本発明に使用するビニル重合体は水酸基を含有しており、イソシアネートとの組み合わせで架橋構造を形成し、上記のシロキサン結合による架橋構造の共存下に、優れた塗膜性能が発揮される。ビニル共重合体の水酸基価の好ましい範囲は10〜70KOHmg/gであり、さらに好ましくは20〜60KOHmg/gである。上記の範囲より水酸基価が少ない場合は、塗膜の硬化性が不充分になり、一方、多い場合は、ビニル重合体の製造において必要以上に高分子化したり、極端な場合はゲル化する危険性がある。また塗料のポットライフが不充分になる。
水酸基の導入については、水酸基含有単量体を共重合するのが好ましい。例示すると、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等および、これらのラクトン変性物、ポリプロピレングリコールのアクリル酸あるいはメタクリル酸エステル等が挙げらるが、その中で好ましい単量体はメタクリル酸エステル類である。
本発明のビニル共重合体に使用するα位に水素原子を持たない他の単量体については、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート等のメタクリル酸のアルキルエステル、α−メチルスチレン、メタクリロニトリル等のビニル単量体、メタクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、メトキシメチルメタクリルアミド、n−ブトキシメチルメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド等のアミド系単量体が挙げられる。
また、上記以外のα位に水素原子を持つ単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルメアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等のビニル単量体、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、n−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド系単量体等が挙げられる。
これらの単量体および先に例示したシ加水分解性シリル基含有単量体、水酸基含有単量体の中の適宜な単量体を主成分として共重合を行い、重量%で80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは全ての繰り返し単位が、α位の炭素原子に水素原子以外の置換基が結合した構造を有するビニル共重合体を得る。
またその他に、紫外線吸収基含有単量体、ヒンダードアミン基含有単量体を用いて共重合し、耐候性をさらに高めることも可能である。
ビニル共重合体の重量平均分子量は、塗装作業性の面、溶剤低減の面から5,000〜20,000が好ましい。加水分解性シリル基の架橋反応により、比較的低分子量でも充分な塗膜耐久性が得られるのが本発明のビニル共重合体の特徴であり、塗装作業性を損なわず、樹脂液として固形分70%程度の高濃度化が可能である。
上述したようなビニル共重合体は、前記の各単量体を溶液重合、非水性分散重合、塊状重合、エマルジョン重合、懸濁重合等の公知の方法で重合することによって得られるが、特に溶液重合が好ましく、反応温度としては通常40〜200℃が選ばれる。
反応溶剤としては、後述する沸点が150℃以上の炭化水素溶剤を使用するのが好ましいが、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等アルコール系溶剤、その他エステル系、アルコールエーテル系溶剤を使用することも可能である。また、重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、公知のものを用いることができる。
[(B)イソシアネート化合物]
イソシアネート化合物としては、特に耐候性の面から、脂肪族(脂環式を含む)ポリイソシアネートが好ましい。例示すると、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタン−4,4' −ジイソシアネート、1, 3あるいは1,4−ビス−(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタン−4,4' −ジイソシアネート、ビス−(イソシネートメチル)−ノルボルナン、3あるいは4−イソシアネートメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、さらには上記イソシアネートのビュレット変性体あるいはイソシアヌレート変性体、あるいは上記イソシアネートのイソシアネート基の一部を、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール等の低分子ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリラクトンジオール等のオリゴマージオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールで連結したポリイソシアネートを挙げることができる。
また一部2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートおよびこれらの混合物、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4' −ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、m−あるいはp−キシリレンジイソシアネート、m−あるいはp−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネートの併用も可能である。
イソシアネート基と水酸基の量的な関係については、イソシアネート基が水酸基に対して、当量ないし10%過剰程度が好ましいが、イソシアネート基10%以上の過剰量、あるいは逆に水酸基過剰量いずれの条件でも可能である。
[(C)珪素化合物]
珪素化合物はとしては、アルコキシシラン、その加水分解物および/またはその部分縮合物が用いられるが、目的は主として塗膜の汚れを防止するためである。アルコキシシランを例示すると、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、さらには上記化合物のアルコキシ基がメトキシ基およびエトキシ基である(1分子中に両方の基が共存)、複合型のアルコキシシラン等を挙げることができる。中でも塗膜の汚れ防止には複合型が好ましい。使用量については(A)成分に対して、重量%で1〜10%が好ましい。
[(D)溶剤]
本発明においては、主成分として沸点が150℃以上の炭化水素溶剤が使用される。沸点が150℃以上の炭化水素溶剤を例示すると、LAWS(シェルケミカルスジャパン(株))、HAWS(シェルケミカルスジャパン(株))、ソルベッソ100(エクソンモービル化学有限会社)、ソルベッソ150(エクソンモービル化学有限会社)、イプゾール100(出光石油化学(株))、イプゾール150、(出光石油化学(株))、等が挙げられる。塗り替え時において、旧塗膜の上に塗装して旧塗膜を犯しにくい溶剤、あるいは環境に対する影響が少ない溶剤という面から、沸点が150℃以上の炭化水素溶剤を必須成分として使用するが、溶剤全体の30重量%未満の範囲で、その他の溶剤を併用することも可能である。
アルコキシシリル基の加水分解/縮合反応、あるいはイソシネート化合物と水酸基の反応については、無触媒でも可能であるが、反応速度を高めるためには、触媒の使用が好ましく、この場合、錫含有の化合物が適当である。例示すると、オクチル酸錫、ステアリン酸錫、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジステアレート、ブチル錫トリオクテート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグリコレート、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネート等があるが、これらに限定されない。
本発明の塗料用樹脂組成物を用いるに際して、チタン白、カーボンブラック、黒色酸化鉄、赤色酸化鉄、モリブデンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムチタンイエロー、コバルトグリーン、酸化クロムグリーン、群青、コバルトブルー等の無機顔料、アゾ系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キナクリドン系、イソインドリン系、フタロシアニン系、ジオキサジン系等の有機顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、タレ止め剤、脱水剤、分散剤、界面活性剤等の添加剤を併用することができる。
本発明の塗料用樹脂組成物の塗装については、スプレー、刷毛塗り、浸漬など、通常の方法で行うことができ、塗装後は室温ないし若干の加温(たとえば50℃)により、硬化塗膜を得ることができる。被塗物としては、金属、セラミックス、ガラス、窯業建材、プラスチック等幅広く展開が可能であり、塗装用途としては、橋梁、その他の建築物、航空機、車両、その他の産業機器、家電製品などに供せられる。
次に、本発明について実施例を挙げ、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、表中の配合量は特別な記載のない限り、重量部を表す。
[樹脂 1〜9の作製]
撹拌装置、温度計、還流冷却管および窒素導入管を備えた反応容器に、表1に示す(1)ソルベッソ100(エクソンモービル化学社製)と(2)オルソ酢酸トリメチルを仕込み窒素雰囲気下で還流させた。次いで、(3)から(9)の不飽和単量体に(10)アゾビスイソブチロニトリルを混合溶解して、還流下で5時間かけて滴下した。滴下終了後、還流下にさらに1時間保持し、(11)ソルベッソ100に溶解した(12)2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を約10分程度滴下しさらに50分還流保持した。それぞれの原料の使用量および得られた樹脂の特性は表1に示す。
Figure 0004627143
[塗料の主剤 1〜11の作製]
表1で合成したそれぞれの樹脂1〜11 135部に、酸化チタンCR−97(石原産業(株)製)105部、溶剤としてソルベッソ100(エクソンモービル化学社製)9.0部を加え混合した。このものにさらにガラスビーズ340部を加えパールミルを用いて、粒ゲージで分散度が10μm以下になるまで分散しミルベースを作製した。分散後、表1で合成したそれぞれの樹脂1〜11 4.5部、ソルベッソ100 6.2部、ジシクロヘキシルフタレート6.0部、EMS−485(コルコート(株)製)4.9部を添加混合して、塗料の主剤1〜11を作製した。
EMS−485:メトキシ基およびエトキシ基含有の複合シリケート
[塗料の作製(実施例1〜6と比較例1〜5)]
上記の主剤1〜11に、表2の実施例1〜6および比較例1〜5の配合に示すように、硬化剤としてデュラネートTSA−100(旭化成(株)製)及び触媒としてネオスタンU−360(日東化成工業(株)製)、ソルベッソ100を添加混合し塗料を調整した。
Figure 0004627143
[塗膜性能評価]
付着性以外については、表2に示した塗料配合の実施例および比較例の上塗り塗料組成物を用いて、脱脂処理した70×150×0.8mmのダル鋼板に平均膜厚50μmになるように直接スプレー塗装し、23℃、相対湿度50%で10日間乾燥して試験を実施した。また付着性については、ダル鋼板にアミン硬化系エポキシプライマー塗料「テンガードプライマー」(神東塗料(株)製)を平均膜厚100μmになるよう塗装して、5℃で相対湿度90〜95%の条件で10日間乾燥した試験板上に、表2に示した塗料配合の実施例および比較例の上塗り塗料組成物を用いて、上記と同様の塗装、乾燥を行い試験を実施した。結果を表3に示す。
Figure 0004627143
表3における試験方法は以下の通りである。
光沢値(初期光沢値):60°反射率
付着性:2mm碁盤目付着性、テープ剥離
(100/100:剥がれなし 0/100:全部剥れ)
硬度:鉛筆硬度(JIS−K=5600 破れ判定)
耐衝撃性:500g荷重、1/2インチ
耐酸性:5%硫酸、240時間浸漬
○:外観異常なし △:艶引けあり ×:膨れ発生
耐アルカリ性:5%水酸化ナトリウム、240時間浸漬
○:外観異常なし △:艶引けあり ×:膨れ発生
促進耐候性1:サンシャインウエザオメーター 5000時間後の光沢を初期光沢で割った数値(光沢保持率 %)
促進耐候性2:アイスーパーUVテスター 500時間後の光沢を初期光沢で割った数値(光沢保持率 %)
ポットライフ:表2の塗料配合にソルベッソ100を8%混合し、20℃、8時間後の塗料状態を確認する
○:粘度上昇少 △:粘度上昇大 ×:ゲル化
本発明の塗料用樹脂組成物を適用することにより、耐候性、下塗りあるいは素地密着性、機械特性、耐溶剤性、耐薬品性、作業性等に優れた常温乾燥型の上塗り塗料を得ることができる(加温による乾燥も可能)。また塗装部位については、塗橋梁、その他の建築物、航空機、車両、その他の産業機器、家電製品等幅広い応用が可能である。

Claims (6)

  1. (A)重量%で80%以上の単量体が、α位に水素原子を持たないα,β−エチレン性不飽和単量体から構成され、側鎖あるいは分子末端に加水分解性シリル基および水酸基を含有し、珪素含有率が1.6〜3.5重量%、水酸基価が10〜70KOHmg/gであるビニル共重合体、(B)イソシネート化合物、(C)アルコキシシラン、その加水分解物および/またはその部分縮合物である珪素化合物、および(D)沸点が150℃以上の成分を70重量%以上含む炭化水素溶剤を含有する塗料用樹脂組成物。
  2. ビニル共重合体(A)が、重量%で90%以上がα位に水素原子を持たないα,β−エチレン性不飽和単量体から構成される、請求項1記載の塗料用樹脂組成物。
  3. ビニル共重合体(A)が、全てのα位に水素原子を持たないα,β−エチレン性不飽和単量体から構成される、請求項1記載の塗料用樹脂組成物。
  4. 溶剤(D)の全てが、沸点150℃以上の成分である請求項1、2、あるいは3のいずれか一項記載の塗料用樹脂組成物。
  5. アルコキシシラン、その加水分解物および/またはその部分縮合物である珪素化合物(C)の量が、(A)成分に対して重量%で1〜10%である、請求項1、2、3、あるいは4のいずれか一項記載の塗料用樹脂組成物。
  6. アルコキシシラン、その加水分解物および/またはその部分縮合物である珪素化合物(C)が、メトキシ基およびエトキシ基の両方を含有する複合型である、請求項1、2、3、4、あるいは5のいずれか一項記載の塗料用樹脂組成物。
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