JP5220249B2 - 塗料用硬化性樹脂組成物および該組成物を塗布してなる塗装物 - Google Patents

塗料用硬化性樹脂組成物および該組成物を塗布してなる塗装物 Download PDF

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Description

本発明は、実質的に芳香族成分を含まない溶剤に対しても好適に溶解しうる塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
高耐候性を有する塗料として、例えばフッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などが知られている。
また、近年環境問題が重視されるようになってから、従来の強溶剤タイプの溶剤の臭気や安全性が問題視され、弱溶剤タイプの溶剤にアクリルウレタン樹脂やアクリルシリコン樹脂を溶解させた塗料が開発されている。
たとえば、特開平11−228903公報や特開平11−279480公報には、溶剤に弱溶剤系を使用したアクリルシリコン樹脂が、特開2000−297242公報には、溶剤に弱溶剤系を使用したシリコン架橋とウレタン架橋を併用する樹脂が記載されている。
しかしながら、弱溶剤タイプの溶剤でも、芳香族成分を含んでいるものが殆どであり、溶剤の臭気や安全性に対しては、充分ではないという問題があった。
発明が解決しようとする課題
本発明は、実質的に芳香族成分を含まない溶剤にも好適に溶解しうる塗料用硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
発明が解決しようとする手段
【課題を解決するための手段】
本発明は、主鎖にウレタン結合および/またはシロキサン結合により形成されたセグメント、重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)、アルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)、アルコール性水酸基を含有する単量体(d)およびその他のビニル系単量体(e)以外の単量体に由来するセグメントとが、30重量%を越えない範囲で導入されたビニル系重合体からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
【化1】
Figure 0005220249
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有するとともに、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個含有し、さらにアルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体が全単量体の50重量%以上であるビニル系共重合体(A)と、溶剤として芳香族成分が1.0重量%以下の溶剤(B)のみとを含む塗料用硬化性樹脂組成物であって
該ビニル系共重合体(A)が単量体として含む該アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)が、イソブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレートおよび2−エチルヘキシルメタアクリレートであり、
イソブチルメタアクリレートが、ビニル系共重合体(A)の全単量体の17.0重量%以上、t−ブチルメタアクリレートが、ビニル系共重合体(A)の全単量体の20.0重量%以上、2−エチルヘキシルメタアクリレートが、ビニル系共重合体(A)の全単量体の27.0重量%以上、2−エチルヘキシルアクリレートが、ビニル系共重合体(A)の全単量体の10.0重量%以上である塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
また、溶剤(B)が、ナフテン系溶剤および/またはパラフィン系溶剤であることが好ましい。
また、ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式(II)
(R3O)4-b−Si−R4 b (II)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(C)0.1〜100重量部を含有してなることが好ましい。
また、塗料用硬化性樹脂組成物に更に架橋剤として、ポリイソシアナート化合物(D)が塗料用硬化性樹脂組成物の水酸基に対し、イソシアネート基が0.1〜1.5当量配合されてなることが好ましい。
また、塗料用硬化性樹脂組成物に更に硬化触媒(E)0.01〜10重量部が配合されてなることが好ましい。
本発明は、上記塗料用硬化性樹脂組成物を塗布してなる塗装物に関する。
本発明には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベース樹脂として加水分解性基と結合したシリル基を有するビニル系共重合体が含有される。
ビニル系共重合体は、その主鎖が実質的にビニル系単量体及び必要に応じてその他単量体を共重合した主鎖からなる。
ここで、「主鎖がビニル系共重合体鎖からなる」とは、ビニル基、ビニリデン基のように、重合性炭素炭素二重結合を化合物あるいは重合性二重結合を有する化合物と他の化合物との共重合体ブロックがビニル系共重合体の主鎖を構成していることを意味する。
上記加水分解性シリル基は、1分子中に少なくとも1個存在すればよいが、充分な硬化性を与え、また、内部応力を緩和するという観点から2〜10個存在することが好ましい。
前記ビニル系共重合体は、たとえば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報などに記載のヒドロシリル化法または反応性シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法によって製造することができるが、合成の容易さなどの点から反応性シリル基を含有する単量体を用い、ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することがとくに好ましい。
前記加水分解性基と結合したケイ素基の加水分解性基は、ハロゲン基、アルコキシ基等がある。その中で、反応の制御の簡便さからアルコキシ基が有用である。
前記ビニル系共重合体の数平均分子量は、2000〜30000が好ましい。より好ましくは、3000〜25000である。数平均分子量が2000未満であると、硬化性、耐候性が低下する傾向にあり、30000を超えると外観性、作業性が低下する傾向がある。
前記ビニル系共重合体は、たとえば重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)、アルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)、アルコール性水酸基を含有する単量体(d)、その他のビニル系単量体(e)を共重合することによって製造することができる。
上記反応性シリル基を含有するビニル系単量体(a)の具体例としては、例えば、
Figure 0005220249
などの一般式(III)
Figure 0005220249
(式中、R5は、水素原子またはメチル基を表し、R6は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数7〜10のアラルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R7は炭素数1〜10のアルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表される化合物;
Figure 0005220249
などの一般式(IV)
Figure 0005220249
(式中、R5、R6、R7、aは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す。)で表される化合物;
Figure 0005220249
などの一般式(V):
Figure 0005220249
(式中、R5、R6、R7、a、nは前記と同じ)で表される化合物;
Figure 0005220249
などの一般式(VI):
Figure 0005220249
(式中、R5、R6、R7およびaは前記と同じ、pは1〜14の整数を示す)で表される化合物
Figure 0005220249
などの一般式(VII)
Figure 0005220249
(武中、R5、R6、R7、aは前記と同じ、qは0〜22の整数を示す(化11も同じ))で表される化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アタリレートなどがあげられる。
これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
これらの単量体(a)は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。前記単量体(a)は、前記のように、得られるビニル系共重合体中に反応性シリル基を含有する単量体が1〜90重量%、さらには3〜70重量%、とくには3〜50重量%含有されるように使用するのが好ましい。
また、前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)の具体例としては、たとえば分岐構造および/または環構造を有するビニル系単量体であれば特に限定はしないが、イソブチル(メタ)アタリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−トが挙げられる。特に好ましくは、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−トである。
上記単量体(b)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
アルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)の具体例としては、たとえば、オクチル(メタ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデカノイル(メタ)アクリレ−ト、オレイル(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。中でも耐候性、溶剤への溶解性が良好という点からデシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。特に好ましくは、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレ−トである。
上記単量体(c)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/または(c)の合計使用量は50重量%、より好ましくは70重量%以上である。使用量が50重量%未満の場合には、ビニル系重合体の溶解性、希釈性が低下する。
さらに、前記アルコール性水酸基含有ビニル系単量体(d)としては特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、4−ヒドロキシスチレン、東亜合成化学工業社製のアロニクス5700(商品名)、日本触媒化学工業社製のHE−10、HE−20、HP−10及びHP−20(いずれも商品名)(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂社製のブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAP400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE350(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、及びブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)(いずれも商品名)、水酸基含有ビニル系化合物とε−カプロラクトンとの反応によるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物、ダイセル化学工業社製HEAC−1(商品名)等のポリカーボネート含有ビニル系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、塗膜に優れた耐酸性及び耐水性を付与することができる点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
アルコール性水酸基含有ビニル系単量体(d)の使用量は、好ましくは3〜30重量%、より好ましくは、5〜20重量%である。3重量%以下の場合には、塗膜硬度や密着性、耐候性が低下する傾向にあり、30重量%以上の場合にはリコート性が低下する傾向にある。
アルコール性水酸基含有ビニル系単量体(d)を共重合した場合には、硬化塗膜にウレタン結合を導入することができ、有機塗膜に対する密着性をより向上させることが可能となる。
また、前記その他の共重合可能な単量体(e)の具体例としては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、デシル(メタ)アクリレ−ト、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデカノイル(メタ)アクリレ−ト、オレイル(メタ)アクリレ−ト、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物(以上、東亜合成化学工業(株)製)、PlaccelFA−1、Placcel FA−4、Placcel FM−1、Placcel FM−4、HEAC−1(以上、ダイセル化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートやスチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4ーヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物:マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2ーヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。
また、本発明においては、得られる本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性をさらに向上させる目的で、たとえば主鎖にウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメント、単量体(a)、単量体(b)、単量体(c)、単量体(d)、単量体(e)以外の単量体に由来するセグメントなどを、30重量%を超えない範囲でビニル系共重合体の製造時に導入してもよい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ビニル系共重合体にはカルボキシル基またはアミノ基などの基が含まれていてもよく、その場合には、硬化性、密着性が向上する。
前記実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)とは、有害性を考慮した場合、芳香族成分が1.0重量%以下、さらには0.7重量%以下、特には0.5重量%の溶剤が好ましい。また、その使用量についても、有害性やPRTR法等の規制を考慮した場合、80%以上使用することが好ましい。特に好ましくは、90%以上である。
その他使用できる溶剤としては、アルコール系、エステル系、ケトン系等が挙げられるが、アルコール系の場合は、イソシアネートとの反応が、またエステル系、ケトン系溶剤は下地を侵すことが考えられることから、その使用量は、可能な限り少ないことが好ましい。
前記実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)の具体例としては、エクソールD40、エクソールD80、アイソバーG(以上、エクソンモービル(株)製)、IPソルベント(出光石油化学(株)製)などのナフテンやパラフィン系の溶剤やMCH(新日鐵化学(株)製)などのキシレンあるいはその他芳香族を含む溶剤の水添物、さらにはヘキサンやヘプタンなどのいわゆる炭化水素系を主成分とする溶剤が挙げられる。
上記実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)は、重合溶剤に使用しても、希釈溶剤に使用してもよいが、臭気や有害性を考慮して両者に用いることが最も好ましい。また、上記溶剤(B)以外の溶剤で重合した後、一度該溶剤を除去し、再び芳香族成分を含まない溶剤(B)で希釈溶解してもよい。
前記シリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(C)(以後、シリコン化合物類(C)という)は、一般式(II)
(R3O)4-b−Si−R4 b(II)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表され、塗膜の耐汚染性を向上させることを主たる目的に配合される成分であり、上記ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部配合することが好ましく、より好ましくは、5〜80重量部、更に好ましくは10〜50重量部である。
上記シリコン化合物類(C)の配合量が0.1重量部未満であると、塗膜の耐汚染性が低下し、100重量部を超えると、クラックが発生したり、塗膜が脆くなったり、硬化性が低下する傾向がある。
前記一般式(II)において、R3は炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはたとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基、好ましくはたとえばベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
前記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、シリコン化合物類(C)の反応性が低下するようになる。また、R3が前記アルキル基、アリール基、アラルキル基以外の場合にも反応性が低下するようになる。
また、前記一般式(II)において、R4は炭素数1〜10、好ましくはR3と同様の炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはR3と同様の炭素数6〜9のアリール基、好ましくはR3と同様の炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素である。
前記一般式(II)において、(R3O)4-bは4−bが3以上になるように、すなわちaが0または1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、bが0であるのが好ましい。
一般式(II)中に存在する(R3O)4-bの数が2個以上の場合、2個以上含まれるR3は同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記シリコン化合物(II)の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。
また、前記シリコン化合物類(C)の具体例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させて得られるものがあげられ、たとえばMSi51、MSi53、ESi28、ESi40、HAS−1、HAS−10、EMS70/30やEMS60/40等のEMSシリーズ、EPSiシリーズ(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56、MS51B15、MS56S、MS56SB5(以上、三菱化学(株)製)、シリケート40、シリケート45、シリケート48、FR−3(以上、多摩化学(株)製)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物や、たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物などが挙げられる。
前記シリコン化合物類(C)のうちでは、ビニル系樹脂(A)とを用いて形成される塗膜の汚染物質の付着を制御するという点から、MSi51、MS51、MS56、MS51B15、MS56S、MS56SB5(テトラメトキシシランの部分加水分解分解縮合物)やESi40、シリケート40、シリケート45、シリケート48、ESi48(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR−3、EMSシリーズ(テトラメトキシシランとテトラエトキシシランの共部分加水分解縮合物)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物を用いるのが好ましい。
さらに、前記シリコン化合物類(C)のなかでは、縮合度の高いMS56やMS56S、シリケート45、シリケート48ESi48、FR−3、EMSシリーズなどが初期から塗膜の汚染物質の付着を制御するという点から好ましい。
前記実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)とは、有害性を考慮した場合、芳香族成分が1.0重量%以下、さらには0.7重量%以下、特には0.5重量%の溶剤が好ましい。また、その使用量についても、有害性やPRTR法等の規制を考慮した場合、50%以上使用することが好ましい。特に好ましくは、80%以上である。
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、架橋剤として、ポリイソシアナート化合物(D)が配合される。
上記ポリイソシアネート化合物(D)としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物を挙げることができ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系;水素添加キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族系;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系等のものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ブロックポリイソシアネート化合物も使用することができ、具体的には、上記ポリイソシアネート化合物を、例えばε−カプロラクタム等のラクタム系ブロック化剤;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系ブロック化剤;アセトキシム等のオキシム系ブロック化剤等でブロックしたもの等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アルコール性水酸基含有ビニル系共重合体と上記ポリイソシアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物との配合割合は、上記アルコール性水酸基含有ビニル系共重合体の水酸基に対し、上記ポリイソシアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が0.5〜1.5当量になるようにするのが好ましい。より好ましくは、0.8〜1.2当量である。0.5当量未満であると、塗膜の耐候性、耐水性等が低下し、1.5当量を超えると、外観性、耐候性等が低下する傾向にある。
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、さらに、硬化触媒(E)が配合できる。
硬化触媒(E)の具体例としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、オクチル酸スズ、ジブチルスズビス(メルカプト酸エステル)等の有機スズ化合物;エチルアセトアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−ト、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネ−トビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセチルアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−トなどの有機アルミ化合物;有機チタネート化合物;有機亜鉛化合物等の有機金属化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化触媒(E)の具体例としてさらに、酸触媒が挙げられる。酸触媒としては、リン酸エステル系、スルホン酸系触媒、リン酸に有機アミン配合した系、スルホン酸と有機アミンを配合した系、有機カルボン酸に有機アミンを配合した系がある。
これらは、加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体(A)成分に対して0.1〜10重量部配合することができる。配合量としては0.2〜8重量部が好ましく、0.5〜5重量部が特に好ましい。
また、上記硬化触媒は、単独および2種類以上併用することができる。
有機リン酸エステル系の具体例としては、リン酸、モノメチルホスフェ−ト、モノエチルホスフェ−ト、モノブチルホスフェ−ト、モノオクチルホスフェ−ト、モノデシルホスフェ−ト、ジメチルホスフェ−ト、ジエチルホスフェ−ト、ジドデシルホスフェ−トなどのリン酸またはリン酸エステルがある。スルホン酸系では、ドデシルベンゼンスルホン酸が代表的である。
これらのなかでは、実質的に芳香族成分を含まない溶剤への溶解性から、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエートなどが好ましい。
また、前記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33,(CH3O)3Si−S8−Si(OCH33などの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られるビニル系共重合体の分子量を調整してもよい。とくに、たとえばγーメルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、ビニル系共重合体の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10重量%、特には0.1〜8重量%であることが好ましい。
また、ビニル系重合体が湿分硬化性であるため、安定性を保持する目的で、脱水剤を使用することが好ましい。脱水剤としては、加水分解性エステル化合物などが挙げられる。その具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;メチルシリケート、エチルシリケート、メチルトリメトキシシランなどである。この中では、脱水効果の点からオルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
また、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物には、通常塗料に用いられるたとえば希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;アミノシランなどのシランカップリング剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂や顔料などを適宜加えてもよい。
顔料は特に限定はなく、また、その使用量についても特に制限はない。通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などの顔料が選ばれる。
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば浸漬、吹き付け、刷毛、スプレ−などを用いた塗布などの通常の方法によって被塗物に塗布され、通常、常温でそのまま、または30℃以上で焼き付けて硬化せしめる。
次に、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例 ビニル系重合体の製造
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器に表1の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、表1の(ア)成分の混合物を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。次に(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き110℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。最後に表1の(エ)成分を加えて攪拌した。
得られた加水分解性シリル基及び水酸基含有ビニル系重合体(A−1〜A−8)、加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体(A−9)の各ビニル系共重合体の固形分濃度、GPCで測定した数平均分子量を表1に示した。
Figure 0005220249
なお、表中の成分は以下のものを示す。
溶剤
エクソールD40;エクソン−モービル化学株式会社製
IP1620;出光石油化学株式会社製
MCH(メチルシクロヘキサン);新日鐵化学株式会社製
ペガソールAN45(芳香族成分を約30%含有);エクソン−モービル化学株式会社製
実施例
溶剤希釈性
えられたビニル系重合体(A)の樹脂固形分100重量部に対し、シリコン化合物類(C)としてESi48(コルコート(株)製のテトラエチルシリケートの部分加水分解縮合物)を20重量部加えた後、重合溶剤を用いて固形分濃度が50重量%になるように希釈した。その後、ビニル系重合体(A)100重量部に対して、20℃と5℃の雰囲気下、実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)として、エクソールD40をある一定の割合加えていき白濁を生じるまでの希釈性を確認した。
Figure 0005220249
白エナメルの作製
製造例1でえられたビニル系共重合体(A)−1の樹脂固形分100重量部に対し、シリコン化合物類(C)としてMS56S(三菱化学(株)製のテトラメチルシリケートの部分加水分解縮合物)を15重量部加えた混合液に、顔料として酸化チタン(CR−95、石原産業(株)製)40重量部を添加し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナーで2時間分散させ、固形分濃度が60重量%の白エナメルをえた。
えられた白エナメルの樹脂固形分100重量部に対して、ポリイソシアナート(D)としてTSE100(旭化成工業(株)製)をビニル重合体の水酸基に対し、イソシアネート基が1.0当量部と硬化触媒(E)としてU−20(日東化成(株)製)を0.4重量部、硬化調整成分(F)さらに、シンナーとしてエクソールD40を添加して撹拌し、固形分濃度が45重量%の組成物をえた。
表3に示す配合に従い、以下同様にして、固形分濃度45重量%の組成物を得た。
えられた組成物を直ちにアルミニウム板(A5052P)上に乾燥膜厚が約30μmになるようにエアースプレーで塗装し、23℃で7日間養生(硬化)させ塗膜を得た。結果を表3に示す。
Figure 0005220249
得られた塗膜の表面状態、光沢、接触角、密着性、上塗りリコ−ト時のちぢみ、耐汚染性、耐候性については以下の方法に従って評価した。
(イ)表面状態
塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:表面状態が良好である。
B:部分的に曇りや斑点がみられる。
C:全体に曇りや斑点が認められる。
(ロ)光沢
塗膜表面の光沢をJIS K 5400に準拠してGM268光沢計(ミノルタ製)を用いて測定した。(60°光沢)
(ハ)接触角
形成後7日目の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA―S150型)で測定した。
(ニ)密着性
得られた組成物を、スレ−ト板に複層塗材RE(イサムタイルW;イサム塗料(株)製)、下地調整塗材E(水性ソフトサーフSG;エスケー化研(株)製)を1.4〜1.6Kg/m2になるように塗装し、23℃で1日養生したものに、実施例に示す白エナメル組成物を乾燥膜厚20〜30μmで塗装してサンプルとした。23℃、55%RH条件下で7日間養生後、JISK5400に準拠して1mm碁盤目密着性試験を実施した。
さらに、アルミニウム板(A5052P)上に弱溶剤型エポキシ(マイルドボーセイ;エスケー化研(株))を乾燥膜厚が30μとなるように塗装し、屋外で2週間曝した。その後、塗膜表面の汚れを軽く拭き取り、実施例に示す白エナメル組成物を乾燥膜厚20〜30μmで塗装してサンプルとした。
23℃、55%RH条件下で7日間養生後、50℃の温水に7日間浸し、JISK5400に準拠して1mm碁盤目密着性試験を実施した。
また、ガラス板にクリアー樹脂組成物を乾燥膜厚が20〜30μmになるように塗装し(但し、ポリイソシアナート(D)としてTSE100(旭化成工業(株)製)をビニル重合体の水酸基に対し、イソシアネート基が1.0当量部と硬化触媒(E)としてU−20(日東化成(株)製)を樹脂固形分に対して0.4部)、同様に23℃、55%RH条件下で7日間養生後、JISK5400に準拠して1mm碁盤目密着性試験を実施した。
(評価結果)
10:100/100
8:80/100
6:60/100
4:40/100
2:20/100
0: 0/100
(ホ)臭気
該組成物をスプレ−トまたはロ−ラ塗装した場合の臭気を以下の基準で評価した。
(評価基準)
○;鼻をつくような臭気が感じられず、長時間塗装にも耐えられる。
△;やや臭気が感じられる。
×;臭気が強く、長時間の塗装には耐えられない。
(へ)耐汚染性(ΔL値)
養生7日後の塗膜表面および大阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩をCR−300色差計(ミノルタ製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)からその差(ΔL値)を求めた。
(ト)耐候性(光沢保持率)
サンシャインウェザオメ−タ−を用い、養生7日後の塗膜表面および2000時間経過後の塗膜表面の光沢をそれぞれ測定し、2000時間経過後の光沢保持率(%)を求めた。結果をまとめて表3に示す。なお、比較例2については、養生7日後の光沢値が著しく低いので、光沢保持率は記載していない。
なお、表中の成分は以下のものを示す。
シリコン化合物類(C)
MS56S;三菱化学株式会社製
ESi48;コルコート株式会社製
EMS(70/30);コルコート株式会社製
ポリイソシアネート(D)
TSE100;旭化成工業株式会社製
TSS100;旭化成工業株式会社製
TSA100;旭化成工業株式会社製
硬化触媒(E)
U−15;日東化成株式会社製 有機錫化合物
U−20;日東化成株式会社製 有機錫化合物
U−350;日東化成株式会社製 有機錫化合物
硬化調整成分(F)
F−1;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
F−2;n−ドデシルメルカプタン
発明の効果
本発明は、主鎖が実質的にビニル系重合体からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
Figure 0005220249
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有するとともに、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個含有し、さらにアルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体が全単量体の50重量%以上であるビニル系共重合体(A)と実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)を含有してなることにより、充分な溶剤溶解性を有し、且つ臭気や有害性を抑えた塗料用硬化性樹脂組成物を得ることができ、また該塗料用硬化性樹脂組成物を用いて特性の良好な塗膜を得ることが出来る。

Claims (6)

  1. 主鎖にウレタン結合および/またはシロキサン結合により形成されたセグメント、重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)、アルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)、アルコール性水酸基を含有する単量体(d)およびその他のビニル系単量体(e)以外の単量体に由来するセグメントとが、30重量%を越えない範囲で導入されたビニル系重合体からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
    【化1】
    Figure 0005220249
    (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、R2は炭素数1〜10のアルキル基、aは0〜2の整数を示す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有するとともに、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個含有し、さらにアルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が全単量体の50重量%以上であるビニル系共重合体(A)と、溶剤として芳香族成分が1.0重量%以下の溶剤(B)のみとを含む塗料用硬化性樹脂組成物であって
    該ビニル系共重合体(A)が単量体として含む該アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)が、イソブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートであり、
    イソブチルメタアクリレートが、ビニル系共重合体(A)の全単量体の17.0重量%以上、t−ブチルメタアクリレートが、ビニル系共重合体(A)の全単量体の20.0重量%以上、2−エチルヘキシルメタアクリレートが、ビニル系共重合体(A)の全単量体の27.0重量%以上、2−エチルヘキシルアクリレートが、ビニル系共重合体(A)の全単量体の10.0重量%以上である塗料用硬化性樹脂組成物。
  2. 溶剤(B)が、ナフテン系溶剤および/またはパラフィン系溶剤である請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  3. ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式(II)
    (R3O)4-b−Si−R4 b (II)
    (式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(C)0.1〜100重量部を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  4. 塗料用硬化性樹脂組成物に更に架橋剤として、ポリイソシアナート化合物(D)が塗料用硬化性樹脂組成物の水酸基に対し、イソシアネート基が0.1〜1.5当量配合されてなる請求項1〜いずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  5. 塗料用硬化性樹脂組成物に更に硬化触媒(E)0.01〜10重量部が配合されてなる請求項1〜いずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物を塗布してなる塗装物。
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