JP3688524B2 - 陶磁器タイル面の改修方法 - Google Patents

陶磁器タイル面の改修方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物等の外装仕上げに用いられている陶磁器タイル面の改修方法に係るものである。
【0002】
【従来技術】
磁器質タイル、せっ器質タイル、半磁器質タイル、陶器質タイル等の陶磁器タイルによる仕上げは、一般に、耐久性や意匠性が良好であることから、建築物等の躯体の保護、あるいは美観性の向上のために好んで使用されている。
【0003】
しかしながら、建築物等の外装用として施工された陶磁器タイルの場合は、太陽光や風雨等の影響を受ける環境下で長期間曝露されることとなる。その結果、タイル部分の光沢低下、褪色、浸蝕、あるいは目地部の中性化や強度低下等に挙げられるような劣化が進行する。さらには、大気中の塵、排気ガス等の浮遊汚染物質、躯体内部からのエフロレッセンスや錆、シーリング材からの油分等により汚染が進行してしまう。このような陶磁器タイル面については、耐久性や意匠性等を回復させるために、改修の必要性が生じている。
【0004】
陶磁器タイル面を改修する方法としては、特開平6−33565号公報に、顔料を含まないクリヤー塗料を積層する方法が提案されている。該発明においては、クリヤー塗料を使用することで、既存陶磁器タイル面の意匠性を変更することなく、防水性を付与することができるとされている。
【0005】
該発明は、劣化や汚染の程度が軽微である陶磁器タイル面に対しては適用可能である。しかしながら、長期曝露によって、著しく劣化が進行し大きく褪色してしまった面や、著しく汚染が進行し洗浄を行っても汚染を完全に除去できないような面に対しては、美観性を向上させることができず、意匠性の問題を解消できない。
【0006】
劣化や汚染の問題に対処するためには、陶磁器タイル面に着色塗料を塗付する方法がある。しかし、陶磁器タイル面全体を同一色で塗装すると、目地部とタイル部とのコントラストが失われ、外観が単調になってしまう。また、タイル面全体を塗装した後に目地部をマスキングしてタイル部のみを塗装する方法等、目地部とタイル部とを異なる色調の塗料で塗付する方法もあるが、作業工程が煩雑となってしまい、また既存タイルが様々な模様を有する場合には、その模様を生かすことができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、劣化や汚染が進行したタイル部や目地部に対し、既存タイル面の意匠性を生かしつつ、簡便に、美観性を向上でき、さらには、耐汚染性、防水性、透湿性、耐候性等を付与することのできる改修方法を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、タイル部と目地部のコントラストを有する陶磁器タイル面の改修において、劣化や汚染が進行した陶磁器タイル面に対し、特定のエッチング工程を経た後に、結合材として、加水分解性シリル基を含有する特定平均分子量のアクリル系合成樹脂を含有し、かつ、粘度が一定範囲である透明塗料を塗装することによって、タイル部においては、加水分解性シリル基が強固な結合を形成し、優れた密着性を発揮することを見出した。また、目地部においては前述のアクリル系合成樹脂が浸透硬化し、この際に目地部が濡れたように変色し、目地部に形成される被膜の色が黒くなる、いわゆる濡れ色に仕上がるため、タイル部とのコントラストが明確になり、既存タイル面の意匠性を生かしつつ、簡便に、美観性を向上でき、耐汚染性、防水性、透湿性、耐候性等を付与できるものとなった。
【0009】
すなわち、本発明の陶磁器タイル面の改修方法は、以下の特徴を有するものである。
1.タイル部と目地部のコントラストを有する陶磁器タイル面の改修方法であって、フッ化アンモニウムを塗付し、前記タイル部および目地部の表面を陶磁器タイル面全体としてエッチングする第1の工程、結合材として、加水分解性シリル基を含有する平均分子量5000〜200000のアクリル系合成樹脂を含有し、かつ、塗装時の粘度が100〜50000mPa・s/20℃である透明塗料を塗装する第2の工程を含むことを特徴とする陶磁器タイル面の改修方法。
2.透明塗料が着色透明被膜を形成するものであることを特徴とする1.に記載の陶磁器タイル面の改修方法。
3.透明塗料が、加水分解性シリル基を含有するアクリル系合成樹脂と、該樹脂を溶解可能な、溶解性パラメータ6.5〜9.5の脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする溶剤を含有することを特徴とする1.または2.に記載の陶磁器タイル面の改修工法。
4.溶解性パラメータ6.5〜9.5の脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする溶剤に、加水分解性シリル基を含有するアクリル系合成樹脂を分散させた非水分散型樹脂組成物を含有する透明塗料を用いることを特徴とする1.または2.に記載の陶磁器タイル面の改修方法。
5.透明塗料中に、化2で示されるシリケートオリゴマーを含有することを特徴とする3.または4.に記載の陶磁器タイル面の改修工法。
【化2】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態に基づき詳細に説明する。本発明は、建築物外装等の陶磁器タイル面に対して適用するものである。陶磁器タイルの種類としては、磁器質タイル、せっ器質タイル、半磁器質タイル、陶器質タイル等があげられる。このような陶磁器タイルによって仕上げられた面であれば、本発明は適用できるが、特に、長期曝露によって劣化や汚染が著しく進行した陶磁器タイル面に対しても、タイル部と目地部をエッチングするため施工が可能である。
【0011】
エッチングの方法については、特に限定されるものではないが、硫酸の濃度5〜10%程度の溶液、塩酸の濃度2〜10%程度の溶液、リン酸の濃度10〜20%程度の溶液、クエン酸の濃度3%程度の溶液がエッチング剤として用いられる、また、フッ化水素アンモニウム、フッ化アンモニウム、珪フッ化アンモニム水溶液等は、ガラスのエッチング剤として使用できるものであるため、目地部のシリカ成分による汚染物質除去やタイル部の釉薬層をエッチングする場合に好適に用いられる。これらのエッチング剤は、タイル部および目地部に塗付し、一定時間の経過後に充分に洗浄を行い、劣化残さ、汚染物質、エッチング剤がタイル部目地部に残らないようにすることが必要である。
【0012】
本発明に用いる透明塗料は、加水分解性シリル基を含有する結合材を含有することが必要である。この官能基によって、各種のタイル部及び目地部に対し、優れた密着性が発現される。加水分解性シリル基を含有する化合物としては、加水分解性シリル基含有アクリル系単量体、シランカップリング剤等があげられる。
【0013】
加水分解性シリル基含有アクリル系単量体として、具体的には、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等があげられる。
【0014】
加水分解性シリル基含有アクリル系単量体は、該単量体と他の単量体との共重合によって、結合材として使用可能となる。加水分解性シリル基含有アクリル系単量体と共重合可能な他の単量体としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル基含有(メタ)アクリル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリル系単量体;アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリル系単量体等を例示できる。その他にも、スチレン、メチルスチレンなどの芳香族炭化水素系ビニル単量体;マレイン酸、イタコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;スチレンスルホン酸などのスルホン酸含有ビニル単量体;無水マレイン酸などの酸無水物;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有単量体;ヒドロキシエチルビニルエーテルなどの水酸基含有アルキルビニルエーテル;エチレングリコールモノアリルエーテルなどのアルキレングリコールモノアリルエーテル;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン;酢酸ビニルなどのビニルエステル;メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル;エチルアリルエーテルなどのアリルエーテル等が使用できる。
【0015】
シランカップリング剤は、各種の結合材に添加することによって使用できる。シランカップリング剤としては、具体的には、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等があげられる。
【0016】
本発明に用いる透明塗料は、結合材の平均分子量が5000〜200000、塗装時の塗料の粘度が100〜50000mPa・s/20℃であることが必要である。結合材の平均分子量が5000より低くなると、目地部への浸透性は良好となるが、タイル部に形成される被膜の耐汚染性、防水性、透湿性、耐候性等の塗膜物性が低下することになる。逆に結合材の平均分子量が200000より高くなると、目地部への浸透性が低下し、目地部表面に形成される被膜が、充分な濡れ色にならないため、タイル部とのコントラストが明瞭となり難い。一方、塗料の粘度については、100mPa・s/20℃より低くなると、陶磁器タイル面への塗装の際に垂れを生じ、塗装作業性の低下につながる。また、50000mPa・s/20℃より高くなると、溝状になっている目地部への塗料の塗付が不充分となり、一度の塗装でタイル部目地部を同時に仕上ることが困難になる。また、前述のように結合材の平均分子量が、規定範囲内であっても、目地部への透明塗料の浸透が充分でなくなり、結合材の分子量が範囲外となる場合同様に、目地部における濡れ色が充分に出ず、タイル部目地部のコントラストが明瞭となり難い。尚、本発明における透明塗料の粘度は、BH型回転粘度計で測定した、20rpmにおける粘度である。(4回転目の指針値)
【0017】
透明塗料の媒体形態は特に限定されず、強溶剤系、弱溶剤系、水性系の形態が使用可能であるが、陶磁器タイル面への密着性、作業性、環境衛生性等を考慮すると、脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする弱溶剤系が好ましい。
【0018】
このような弱溶剤系塗料としては、前述の加水分解性シリル基を含有するアクリル系単量体と、炭素数4〜12個の脂肪族または脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキル単量体、および、その他のラジカル重合性二重結合を含有する単量体から形成される重合体が、溶解性パラメータ6.5〜9.5の脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする溶剤に溶解した弱溶剤可溶タイプや、前述の加水分解性シリル基を含有するアクリル系単量体を重合して得られた重合物を溶解しない、溶解性パラメータ6.5〜9.5の脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする溶剤中で、該溶剤に溶解する樹脂系分散安定剤の存在下に、分散せしめた非水分散型樹脂組成物があげられる。このとき非水分散型樹脂組成物は、その樹脂系分散安定剤の分子量が前述の平均分子量の範囲に入っていれば、目地部での浸透による濡れ色を形成し、形成される被膜全体としては、耐候性、防水性に優れたものとなる。
【0019】
特に、前述の弱溶剤可溶タイプや非水分散型樹脂組成物では、さらにその組成中に化3で示されるシリケートオリゴマーを含有することにより、耐汚染性により優れた表面を形成可能となる。
【化3】
【0020】
本発明に用いる透明塗料は、既存の陶磁器タイル表面の意匠を利用することが目的であることから、無色透明であることが望ましいが、既存陶磁器タイル表面の意匠を完全に隠蔽しない程度に着色されていることを妨げるものではない。特に、着色の程度によっては陶磁器タイルの意匠とあいまって、既存陶磁器タイルより優れた意匠を表す場合もある。この際用いられる顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、クロム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機顔料が使用できる。また、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土、マイカ等の体質顔料や、二色性を有する干渉チタンマイカを使用することも可能である。
【0021】
また、透明塗料には、可塑剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を単独あるいは併用して配合することができる。
【0022】
透明塗料の塗装方法としては、特に限定されず、刷毛塗り、スプレー塗装、ローラー塗装等、公知の塗装方法を用いることができる。
【0023】
透明塗料を塗装する際の塗付量は、塗装する材料や基材の種類等により適宜設定すればよいが、通常、0.1kg/m〜0.3kg/m程度の塗付量で塗装を行うことが望ましい。このような塗付量で塗装することにより、既存タイル面の意匠性を生かしつつ、美麗な外観を得ることができるからである。
【0024】
本発明は、第一工程のエッチングによって、目地部の表面が多孔質状態となる。これは本来、陶磁器タイル施工時には、目地モルタル表面が多孔質であるが、改修時には汚染物質の沈着によってその多孔部分が失われてしまっているのを、エッチングにより目地モルタルの表面部分が除去されるため、多孔質表面が復活するからである。このような多孔質表面は、続いて塗付する加水分解性シリル基を含有する特定のアクリル系合成樹脂の、目地部への浸透を促し、アクリル系合成樹脂の特定物性ともあいまって、目地部が濡れ色となる。一方、タイル部は、エッチングによって表面が、適当に荒らされた状態となっており、特定のアクリル系合成樹脂との密着性を向上させる効果がある。
【0025】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0026】
(実施例1)
目地部セメント色のモルタル、タイル部茶系色の磁器質タイルからなり、施工後5年経過したタイル面を基材とした。この基材に対し、フッ化アンモニウム5%水溶液をスポンジにて擦りながら塗付し、陶磁器タイル面全体をエッチングした後、水洗し、乾燥後に表1に示した原料を使用し、表2の配合によって調製した透明塗料をウールローラーにて塗付量0.2kg/mで塗装した。
【0027】
(実施例2〜5)
実施例1と同一の基材に対し、同様にして表1に示した原料を使用し、表2の配合によって調製した着色透明塗料をウールローラーにて塗付量0.2kg/mで塗装した。
【0028】
(比較例1)
実施例1と同一の基材に対し、陶磁器タイル面全体を水洗した後、表1に示した原料を使用し、表2の配合によって調製した透明塗料をウールローラーにて塗付量0.2kg/mで塗装した。
【0029】
(比較例2〜5)
実施例1と同一の基材に対し、フッ化アンモニウム5%水溶液をスポンジにて擦りながら塗付し、陶磁器タイル面全体をエッチングした後、水洗し、乾燥後に、表1に示した原料を使用し、表2の配合によって調製した透明塗料をウールローラーにて塗付量0.2kg/mで塗装した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
塗装後、1週間養生の後、陶磁器タイル面の外観を評価した。また、塗装後、6カ月暴露後の陶磁器タイル面の外観も評価した。なお、評価は以下の通りとした。結果を表3に示した。
(1)汚染回復性(1週間後)
○:汚染が回復される
△:汚染がやや回復される
×:汚染が回復されない
(2)コントラスト(1週間後、6ヶ月後)
◎:タイル部と目地部とのコントラストが非常に明確
○:タイル部と目地部とのコントラストが明確
△:タイル部と目地部とのコントラストがやや不明瞭
×:タイル部と目地部とのコントラストが不明瞭
(3)仕上り性(1週間後、6ヶ月後)
◎:タイル部において、鮮映性、平滑性が非常に優れる。
○:タイル部において、鮮映性、平滑性が良好である。
△:タイル部において、鮮映性、平滑性が若干劣る。
×:タイル部において、鮮映性、平滑性が非常に劣り、場合によりたれを生じる。
(4)耐候性(6ヶ月後)
○:タイル部と目地部において、塗膜の膨れ、剥がれ、変色がない。
△:タイル部もしくは目地部において、塗膜の膨れ、剥がれ、変色の何れかが若干発生。
×:タイル部もしくは目地部において、塗膜の膨れ、剥がれ、変色の何れかが顕著に発生。
(5)耐汚染性(6ヶ月後)
◎:タイル部および目地部において、汚染が見られない。
○:タイル部においては、汚染が見られない。
△:タイル部および目地部において、若干汚染が見られる。
×:タイル部および目地部において、著しく汚染が見られる。
【0033】
【表3】
【0034】
(結果)
表3より、実施例は何れの試験も良好な結果であった。特に実施例3〜5は、タイル部と目地部のコントラストに優れ、仕上り性においても、鮮映性、平滑性が非常に優れるものであった。また、実施例5は、6ヶ月後におけるタイル部および目地部の耐汚染性にも優れるものであった。一方、比較例1は、エッチング工程がないため、目地部において透明塗料の浸透性が悪く、濡れ色の程度が低いため、コントラストに劣る結果であった。また、陶磁器タイル表面への付着性も不充分であった。比較例2は、透明塗料の分子量が高いため、目地部への浸透が悪く、比較例1同様にコントラストや、付着性に劣る結果となった。比較例3は、アクリルウレタン樹脂のため、陶磁器タイル表面への付着性が不充分であった。比較例4は、透明塗料の粘度が高いため、目地部における浸透性が悪く、比較例1同様にコントラストや、付着性に劣る結果となった。比較例5は、透明塗料の粘度が低いため、塗装時にたれを生じ、結果として仕上り性に非常に劣る結果となった。
【0035】
【発明の効果】
本発明では、劣化や汚染が進行した陶磁器タイル面に対し、既存タイル面の意匠性を生かしつつ、一層の塗膜によって、簡便に、美観性を向上でき、さらには、耐汚染性、防水性、透湿性、耐候性等を付与し、改修タイル面の目地部とタイル部とのコントラストをより明確にすることができる。

Claims (5)

  1. タイル部と目地部のコントラストを有する陶磁器タイル面の改修方法であって、フッ化アンモニウムを塗付し、前記タイル部および目地部の表面を陶磁器タイル面全体としてエッチングする第1の工程、結合材として、加水分解性シリル基を含有する平均分子量5000〜200000のアクリル系合成樹脂を含有し、かつ、塗装時の粘度が100〜50000mPa・s/20℃である透明塗料を塗装する第2の工程を含むことを特徴とする陶磁器タイル面の改修方法。
  2. 透明塗料が、着色透明被膜を形成するものであることを特徴とする請求項1に記載の陶磁器タイル面の改修方法。
  3. 透明塗料が、加水分解性シリル基を含有するアクリル系合成樹脂と、該樹脂を溶解可能な、溶解性パラメータ6.5〜9.5の脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする溶剤を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の陶磁器タイル面の改修方法。
  4. 溶解性パラメータ6.5〜9.5の脂肪族炭化水素系溶剤を主成分とする溶剤に、加水分解性シリル基を含有するアクリル系合成樹脂を分散させた非水分散型樹脂組成物を含有する透明塗料を用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の陶磁器タイル面の改修工法。
  5. 透明塗料中に、化1で示されるシリケートオリゴマーを含有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の陶磁器タイル面の改修工法。
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