JP3811135B2 - 漏洩検査剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏れ部があると支障をきたす各種容器や配管、構造物などにおいて、その原因となる貫通欠陥を検出でき、同時に補修ができる漏洩検査剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から漏れの原因となる貫通欠陥を検出する検査方法には種々の方法がある。圧力をかけて気体の漏れを検出する方法としては、ヘリウム漏れ試験法、ハロゲン漏れ試験法、アンモニア漏れ試験法、発泡漏れ試験法等がある。しかしながら、これらの検査方法は、通常、検査容器内または検査部分を密閉加圧または減圧することが必要となり、作業上時間がかかるばかりか構造上実施が困難な場合も多い。
【0003】
それらに代わる簡便な方法としては、液体を用いて漏れを検出する方法がある。水や油が入った容器や配管などの漏れの検査では、漏れてきた水や油に対し、その液と反応して赤色や蛍光色の指示模様を形成させる白い粉末を表面に塗布するタイプの漏洩検査剤が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0004】
また、密閉ができない検査体を液体などで内部を満すことができない検査体などでは、浸透探傷試験の赤色や蛍光色の浸透液を検査体の表面に塗布し、漏れがあれば反対面に付着させた白色微粉末の現像剤で吸出してできる漏れ指示模様を観察することにより、貫通傷を検出する検査方法が一般に使用されている。この方法で検出された貫通欠陥は、検出された漏れ指示模様から判断され、構造強度的に問題がある大きな割れや孔などの場合は溶接などで補修され、また、強度的には問題が無く、漏れのみが止まれば良い程度の微細欠陥は、樹脂などで補修されることになる。なお、樹脂などで補修する補修作業では、事前に漏れ検査に用いた探傷液を溶解性の良い有機溶剤の洗浄剤などで除去する作業が必要であり、その作業にはかなりの労力が必要となっている。
【0005】
【特許文献1】
特許第3371541号明細書(第1頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現在は品質システムという観点からいえば、製品を製造した後、漏れ検査で貫通欠陥を検出し、その欠陥の程度により、廃棄、または適当な補修などを行い、漏れの無い品質を保証することとなっている。
しかしながら、これらの漏洩検査剤を用いた検査においても、微細な貫通傷では染み出る液の量が少なく、目視では検出できない限界があること、また、検出できたとしてもその量が微量であると見落としが多くなることは避けられない。このため、漏れ検査後、補修などの処置を施したにもかかわらず、微細な漏れが止まらないことがあった。
また、浸透探傷剤の浸透液は、欠陥内に残った場合、補修する樹脂が金属表面と強固接着することを阻害するため、浸透液を完全に除去し、さらに補修時において乾燥した状態としなければならない。その除去作業に手間を要し、十分に除去できないと補修剤と検査体との密着強度が得られないので、補修剤が簡単に剥がれて取れてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、貫通欠陥を検出できる一方で、微小漏れなどの原因となる微細な貫通傷を補修でき、樹脂充填補修の際の探傷剤の除去作業の軽減でき、補修後に発生しやすい補修剤のはがれを防止でき、及び、漏れ検査と補修作業に時間がかかるなどの問題点を解決できる漏洩検査剤の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは現在、一般に行われている、浸透探傷剤で検査し、次に検出された貫通欠陥を補修する方法では、微小漏れは次の理由で完全には止まらないとの結論に達した。浸透性、識別性の優れた浸透液を使用しても、液体が形成した白地に赤色、または暗所で蛍光の模様を人間の目で観察するには大きさの限度がある。特にこの簡便な検査法は、長くても放置時間は数時間〜1日であり加圧なしで実施されるが、実際の漏れはもっと長期間で起こり、また加圧条件で使用する場合もあるので、この場合は漏れやすい条件となっている。また、漏れの指示模様が2〜3ミリ以下の場合などは、検査員が見逃してしまうケースもある。このため、検出した貫通欠陥部を補修する方法では微小漏れは完全には止まらないこととなる。
本発明者らはそれらの課題を解決する手段としては、漏れ検出と微小漏れ部の補修の二つの機能を併せ持つ漏洩検査剤の開発が必要との結論に達し、研究を重ねた結果、本発明を完成した。
【0009】
以下に本発明を示す。
(1)赤色染料又は蛍光染料を有する漏洩検査剤を検査物の表面に塗布し、その反対表面の液体指示模様を観察することで検査物の貫通欠陥を検出する検査法に使用する漏洩検査剤であって、硬化型樹脂成分を含み、粘度が1.0〜200cSt/20℃であり、不揮発成分が50重量%以上であることを特徴とする漏洩検査剤。
(2)硬化型樹脂成分がウレタン樹脂成分、エポキシ樹脂成分又はアクリル樹脂成分である前記(1)の漏洩検査剤。
(3) 検査時において微細貫通欠陥の補修機能を併せ持つ前記(1)又は(2)の漏洩検査剤。
【0010】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の漏洩検査剤は、硬化型樹脂成分を含む漏洩検査剤である。
本発明の漏洩検査剤は、検査終了時は液状で低粘度であり、検査終了後、樹脂成分が硬化する。具体的な硬化型樹脂成分としては、水酸基などの活性水素を2個以上有する化合物とイソシアヌル基を2個以上有する化合物との付加反応により硬化するウレタン樹脂成分、アミノ基やチオール基、水酸基などの活性水素を有する化合物とエポキシ環の開環付加反応により硬化するエポキシ樹脂成分、過酸化物などの重合開始剤により生じたラジカルと不飽和結合を有する化合物とによる付加反応により硬化するアクリル樹脂成分などが挙げられる。
【0011】
ウレタン樹脂成分において活性水素を2個以上有する化合物としては、ポリグリコールが挙げられる。より具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、多価アルコールなどにアルキレンオキシド(炭素数2〜4)の付加した化合物で室温で液状の化合物などが挙げられる。
イソシアヌル基を2個以上有する化合物としては、2,4−トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、必要に応じ、ポリグリコールなどにトリエチルアミンやナフテン酸亜鉛などの硬化促進剤を予め混合しても良い。
【0012】
エポキシ樹脂成分において活性水素を有する化合物としては、アミノ基やチオール基を有する化合物、より具体的にはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ビスアミノプロピルテトラオキサスピロウンデカン付加物、前記アミンにエポキシ化合物、アクリロニトリル、チオ尿素などを付加した化合物、トリオキサントリメチレンメルカプタン、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールなどの多価アルコールとチオグリコール酸のエステルなどが挙げられる。
【0013】
エポキシ環を有する化合物としてはビスフェノール類や一価および多価アルコール類などのグリシジルエーテル、多価カルボン酸のグリシジルエステルが挙げられる。より具体的には、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、ブタンジオールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどが挙げられる。
また、必要に応じ、検出感度を損わない範囲で三フッ化硼素やイミダゾール類などの硬化促進剤を混合して使用しても良い。検査後、検査対象物全体を加温することが可能であれば、ジシアンジアミドやアジピン酸ジヒラジドなどの微粉体を、活性水素を有する化合物に代えて用い、一液性のものとしても良い。
【0014】
アクリル樹脂成分において不飽和結合を有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸およびその一価または多価アルコールとのエステルや、アリルアルコールやメタリルアルコールなどと酢酸やフタル酸などカルボキシル基を有する有機酸とのエステルが挙げられ、具体的にはヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリ(重合度2〜20)アルキレン(炭素数2〜4)グリコールのモノもしくはジアクリレート、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
【0015】
また、重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどの過酸化物が挙げられ、具体的にはベンゾイルパーオキサイド、サクシニッックパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネートなどが挙げられる。
【0016】
また、必要に応じ、N,N−ジメチル−p−トルイジン、金属石けんなどの硬化促進剤を使用しても良い。また、検査対象物が金属製である場合、サッカリンや有機酸などを添加しておき、金属表面に金属イオンや金属石鹸などを生じさせ、硬化を促進させることもできる。硬化後の耐衝撃性などを向上させるために、不揮発性かつ硬化物中で可とう性を示すもの、例えば液状ゴムなどを検査液に予め0〜20%程度混合して使用しても良い。
上述の樹脂成分は硬化することよって、それぞれ、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂を形成することになる。本発明において、これらの樹脂は検査後において、完全に硬化し微細貫通欠陥を補修する。また、必要であればこれらの樹脂を除去しなくても、後の補修作業を行うことができる。
【0017】
本発明の漏洩検査剤を赤色に着色するための染料は、使用する樹脂成分化合物や溶剤に溶解し、濃い赤色を呈するものであれば問題はない。例としては、C.I.Solvent Red 1、C.I.Solvent Red 3、C.I.Solvent Red 8、C.I.Solvent Red 18、C.I.Solvent Red 24、C.I.Solvent Red 27、C.I.Solvent Red49、C.I.Solvent Red 109などが挙げられる。
また、暗所で紫外線照射灯の下で蛍光を発する漏洩検査剤に使用できる蛍光染料としては、C.I.Fluorescent Brightner 52、C.I.Solvent Yellow 43、C.I.Acid Yellow7、C.I.Basic Red 1、C.I.Basic Viiolet 10などが挙げられる。
【0018】
使用する染料の量としては、いずれも、0.05〜5重量%の範囲であれば漏洩検査剤としての性能を有し、指示模様は漏洩個所と漏洩箇所以外との識別が目視によって容易に確認できる。但し、発色の濃さから、特に0.5〜3重量%が好ましい。尚、0.05重量%未満では、発色が弱いため漏洩箇所を識別し難くなり、また、5重量%を超えたとき、添加量に見合う効果が得られずコスト高となり好ましくない。
【0019】
なお、染料、樹脂成分だけでは粘度が高すぎる場合は、本発明の漏洩検査剤に揮発性の有機溶剤を添加しても良い。添加する溶剤としては、樹脂の粘度を下げ、樹脂を溶解し、硬化反応を阻害することなく検査後は揮発してしまうものがよい。例えばヘプタン、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤や、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、エーテル、エステル類や1,1,1トリクロルエタン等の塩素系溶剤等、数多くの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤は単独又は混合のどちらで使用しても良い。
【0020】
本発明において漏洩検査剤の粘度は、貫通欠陥部への浸透性に大きく影響を与えるため、1.0〜200cSt/20℃の粘度範囲が好ましい。すなわち、200cSt/20℃以上の場合は、貫通傷への浸透性が悪く、貫通欠陥の検出性が低下し、また、1.0cSt/20℃より低粘度であると塗布時に立て向きなどでは液の付着性が小さいために液が流れてしまい、十分な量の液が貫通欠陥内に浸透できないため好ましくない。
【0021】
本発明において漏洩検査剤中の不揮発成分とは、漏洩検査剤が完全に硬化したときの不揮発性の固形成分を意味し、その割合は漏洩検査剤において50重量%以上であり、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。50重量%未満では、貫通欠陥内を充分に覆ぎきれず、漏れは止まれないことになる。
【0022】
本発明の漏洩検査剤は、硬化することにより貫通欠陥を補修する機能を有するものであるが、硬化温度は5〜40℃、硬化時間は、20分〜3日が作業上、好ましい。
【0023】
【発明の作用】
本発明の漏洩検査剤は低粘度であり、微細貫通欠陥内にも十分に浸入でき、その後、樹脂成分が硬化して欠陥内を塞ぎ、漏れを防ぐことができる。
また、本発明の漏れ検査剤は当然のこととして、構造強度が問題となる大きな貫通欠陥、本液だけでは埋めることのできない大きな孔などは、確実に検出できる検査剤としての性能を発揮するが、本発明の液は樹脂成分が硬化するため、補修時にこれを剥がすことなく樹脂系補修剤をその上から塗ることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の効果は次の通りである。
本発明の漏洩検査剤は、貫通欠陥を浸透探傷剤と同様に感度よく検出することができるとともに、検査後傷内の検査剤が硬化して漏れを止めることができる。したがって、従来の浸透探傷試験では微細過ぎて検出できなかった傷を見落としてしまうと傷がでるが、本発明の漏洩検査剤を使用するとそれらの検出限界以下の微小傷、見落とす微細傷などについても、漏れを止めることができる。
また、検査した後、パテなどで補修が必要な大きな傷については、以前は検査液を除去する作業が必要であったが、本漏洩検査剤では、硬化した検査剤の上からパテ剤などを塗布すれば、樹脂との密着性もよく補修が容易にできる。
したがって、、本発明の漏洩検査剤を使用すると強度的に問題となる大きな傷は確実に検出でき、強度的に問題が無いが漏れの原因となる貫通傷は、浸透探傷方法では見つからなかったような微細傷でも検査時に傷の内部に浸透し、残留した検査液が硬化し漏れを止めることができる。すなわち、本発明の漏洩検査剤は、貫通傷を検出する機能と、微細な漏れを完全に止めることの二つ機能を同時に持つものである。
【0025】
【実施例】
以下実施例及び比較例により具体的に説明する。
但し、例中の部は重量部を示す。
なお、実施例において、不揮発成分は、10gの漏洩検査剤をシャーレに入れ、50℃の恒温室に3日間放置し、硬化後の重量を測定して、算出した。
【0026】
実施例1
1Lの容器の中に下記のA液及びB液をA液:B液の比率を75:25重量%として混合し、漏洩検査剤を作製した。作製した漏洩検査剤の粘度は60cSt/20℃であり、不揮発分84%であった。
A液:
ポリプロピレングリコール(商品名:ユニオールD‐400、日本油脂(株)製)77部とトルエン(関東化学(株)製)20部とナフテン酸亜鉛(関東化学(株)製)1部とを入れ混合した後、油溶性染料としてC.I.SolventRed 27であるオリエントオイルレッド5B(オリエント化学工業(株)製)2部を入れて溶解した混合液
B液:
ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:HMDI、関東化学(株)製)
(漏洩試験結果)
次に、溶接部の漏洩箇所の大きさが直径10μm(2箇所)と直径30μm(1箇所)の孔の開いた大きさ(直径250mm×長さ250mm×厚さ1mm)の10Lステンレス容器の内側に上記の漏洩検査剤を塗布し、反対側から浸透探傷剤の現像剤(商品名:カラーチェックFD‐S(エアゾールタイプ)、株式会社タセト製)を塗布し、白色光の下で観察した。
30分後、反対側から観察して孔部が白地に明瞭な赤色の指示模様で検出できることを確認した。2日間、室温にて放置し漏洩検査剤が完全に硬化した後、その容器に9Lの水を入れ、2kg/cm2の水圧をかけて水漏れが生じるかを実験した結果、水漏れはなかった。
【0027】
実施例2
実施例1で使用したA液において、赤色染料の代わりに蛍光染料としてC.I.Fluorescent Brightner 52である蛍光増白剤(商品名:ホワイトフローB、住化カラー(株)製)を入れ、これを溶解した。A液に実施例1で使用したB液を実施例1と同様にして、75:25重量%の比率で混合し、漏洩検査剤を作製した。作製した漏洩検査剤の粘度は60cSt/20℃であり、不揮発分は84%であった。
(漏洩試験結果)
次に得られた漏洩検査剤を用いて、実施例1と同様に溶接部に漏洩箇所のある10Lのステンレス容器の内側に塗布し、反対側から暗所で紫外線照射灯を照射して観察した。30分後、反対側から観察して孔部が明瞭な青白い蛍光色の指示模様で検出できることを確認した。2日間、室温にて放置し漏洩検査剤が完全に硬化した後、その容器に9Lの水を入れ、2kg/cm2の水圧をかけて水漏れが生じるかを実験した結果、水漏れはなかった。
【0028】
実施例3
1Lの容器の中に下記のA液及びB液をA液:B液の比率を30:70重量%として混合し、漏洩検査剤を作製した。作製した漏洩検査剤の粘度は150cSt/20℃であり、不揮発分95%であった。
A液:
市販のジエチレントリアミン(商品名:EDTA)97部、C.I.Solvent Red 27であるオリエントオイルレッド5B(オリエント化学工業(株)製)3部を入れて溶解した混合液
B液:
ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(商品名:エピオールNPG−100、日本油脂(株)製)
(漏洩試験結果)
次に得られた漏洩検査剤を用いて、実施例1と同様に溶接部に漏洩箇所のある10Lのステンレス容器の内側に塗布し、反対側から浸透探傷剤の現像剤(商品名:カラーチェックFD‐S(エアゾールタイプ)、株式会社タセト製)を塗布し、白色光の下で観察した。30分後、反対側から観察して孔部が白地に明瞭な赤色の指示模様で検出できることを確認した。
2日間、室温にて放置し漏洩検査剤が完全に硬化した後、その容器に9Lの水を入れ、2kg/cm2の水圧をかけて水漏れが生じるかを実験した結果、水漏れはなかった。
【0029】
実施例4
1Lの容器の中に下記のA液及びB液をA液:B液の比率を10:90重量%として混合し、漏洩検査剤を作製した。作製した漏洩検査剤の粘度は6.2cSt/20℃であり、不揮発分97%であった。
A液:
N,N−ジメチルーp−トルイジン(関東化学(株)製)10部と2エチルヘキサン酸(関東化学(株)製)87部を混合した後、蛍光染料としてC.I.Solvent Yellow 43であるFluorescent Brillianto Yellow R(Holliday Dyes&Chemicals Ltd)製)3部を入れて溶解させた混合液
B液:
ヒドロキシプロピルメタクリレート(商品名:HPMA、日本触媒(株)製)99部とジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド(商品名:パークミルP、日本油脂(株)製)1部の混合液
(漏洩試験結果)
次に得られた漏洩検査剤を用いて、実施例1と同様に溶接部に漏洩箇所のある10Lのステンレス容器の内側に塗布し、反対側から暗所で紫外線照射灯を照射して観察した。30分後、反対側から観察して孔部が明瞭な黄色い蛍光色の指示模様で検出できることを確認した。1日間、室温にて放置し漏洩検査剤が完全に硬化した後、その容器に9Lの水を入れ、2kg/cm2の水圧をかけて水漏れが生じるかを実験した結果、水漏れはなかった。
【0030】
実施例5
1Lの容器の中に下記のA液及びB液をA液:B液の比率を65:35重量%として混合し、漏洩検査剤を作製した。作製した漏洩検査剤の粘度は50cSt/20℃であり、不揮発分80%であった。
A液:
エポキシ樹脂成分(商品名:アデカレジンEP−4950、旭電化工業(株)製)78部にキシレン20部を混合後、蛍光染料としてC.I .Fluorescent Brightner 52である蛍光増白剤(商品名:ホワイトフローB、住化カラー(株)製)2部入れ溶解させた混合液
B液:
エポキシ樹脂硬化剤(商品名:アデカハードナーEH233B、旭電化工業(株)製)
(漏洩試験結果)
次に得られた漏洩検査剤を用いて、実施例1と同様に溶接部に漏洩箇所のある10Lのステンレス容器の内側に塗布し、反対側から暗所で紫外線照射灯を照射して観察した。30分後、反対側から観察して孔部が明瞭な青白色い蛍光色の指示模様で検出できることを確認した。1日間、室温にて放置し漏洩検査剤が完全に硬化した後、その容器に9Lの水を入れ、2kg/cm2の水圧をかけて水漏れが生じるかを実験した結果、水漏れはなかった。
【0031】
比較例1
1Lの容器の中に下記のA液及びB液をA液:B液の比率を75:25重量%として混合し、漏洩検査剤を作製した。作製した漏洩検査剤の粘度は5.0cSt/20℃であり、不揮発分26.5%であった。
A液:
ポリプロピレングリコール(商品名:ユニオールD‐400、日本油脂(株)製)20部とトルエン(関東化学(株)製)77部とナフテン酸亜鉛(関東化学(株)製)1部とを入れ混合した後、油溶性染料としてC.I. Solvent Red 27であるオリエントオイルレッド5B(オリエント化学工業(株)製)2部を入れて溶解させた混合液
B液:
ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:HMDI、関東化学(株)製)
(漏洩試験結果)
次に得られた漏洩検査剤を用いて、実施例1と同様に溶接部に漏洩箇所のある10Lのステンレス容器の内側に漏洩検査剤を塗布し、反対側から浸透探傷剤の現像剤(商品名:カラーチェックFD(S・エアゾールタイプ)、株式会社タセト製)を塗布し、白色光の下で観察した。
30分後、反対側から観察して孔部が白地に明瞭な赤色の指示模様で検出できることを確認した。2日間、室温にて放置した後、その容器に9Lの水を入れ、2kg/cm2の水圧をかけて水漏れが生じるかを実験した結果、貫通欠陥内を塞ぐことができなかった。
【0032】
比較例2
1Lの容器の中に下記のA液及びB液をA液:B液の比率を65:35重量%として混合し、漏洩検査剤を作製した。作製した漏洩検査剤の粘度は800cSt/20℃であり、不揮発分95%であった。
A液:
エポキシ樹脂成分(商品名:エピコート828、ジャパンエポキシレジン(株)製)98部に蛍光染料としてC.I.Fluorescent Brightner 52である蛍光増白剤(商品名:ホワイトフローB、住化カラー(株)製)2部入れ溶解させた混合液
B液:
エポキシ樹脂硬化剤(商品名:エピメートB001、ジャパンエポキシレジン(株)製)
(漏洩試験結果)
次に得られた漏洩検査剤を用いて、実施例1と同様に溶接部に漏洩箇所のある10Lのステンレス容器の内側にを塗布し、反対側から暗所で紫外線照射灯を照射して観察した。30分後、反対側から観察したが漏洩検査剤は粘度が高いため表面に付着しているだけで、貫通欠陥に十分に浸透せず漏れ箇所は全く確認できなかった。2日間、室温にて放置し漏洩検査剤が完全に硬化した後、その容器に9Lの水を入れ、2kg/cm2の水圧をかけて水漏れが生じるかを実験した結果、水漏れはなかった。

Claims (3)

  1. 赤色染料又は蛍光染料を有する漏洩検査剤を検査物の表面に塗布し、その反対表面の液体指示模様を観察することで検査物の貫通欠陥を検出する検査法に使用する漏洩検査剤であって、硬化型樹脂成分を含み、粘度が1.0〜200cSt/20℃であり、不揮発成分が50重量%以上であることを特徴とする漏洩検査剤。
  2. 硬化型樹脂成分がウレタン樹脂成分、エポキシ樹脂成分又はアクリル樹脂成分である請求項1記載の漏洩検査剤。
  3. 漏洩検査時に微細貫通欠陥の補修機能を併せ持つ請求項1又は2記載の漏洩検査剤。
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