JP2015189877A - 止水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水を貯留する容器や水槽などの人工構造物の止水処理を、これらの人工構造物に水が入った状態で、簡便で安全に、かつ効果的に行うことができる止水方法を提供する。【解決手段】水を貯留する人工構造物の漏水箇所を、水が入った状態で止水する止水方法であって、吸水性樹脂粉末と、2液型の水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤とを混合して止水材を調製した後、該止水材を人工構造物の漏水箇所に投入し、該2液型の水中硬化型接着剤と水で膨潤させた該吸水性樹脂粉末とを一体化した状態で、水中で硬化させることを特徴とする止水方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水の存在下で、人工構造物の漏水箇所を止水する止水方法に関する。詳細には、水を貯留する容器や水槽などの人工構造物の漏水箇所の止水処理を、これらの人工構造物中の水を排出することなく、水が入った状態で簡便、安全かつ効果的に行う止水方法に関する。
漏水の見られる人工構造物内のクラックや空隙の補修などには、従来より、セメントペーストやモルタルなどのグラウト材や、水ガラス、有機系高分子化合物などの止水材が用いられてきた。これらの止水材は、漏水箇所のクラックや空隙の部分に塗布あるいは注入するなどの方法で用いられるが、水を貯留する容器や水槽あるいは排水などを流す床面など、絶えず水と接触する人工構造物の漏水箇所を止水する場合は、貯留水を排出したり、排水の流入を止めて、人工構造物内に水が存在しない状態にしてから止水処理を行うのが一般的である。
しかしながら、容器や水槽など人工構造物が狭小な場所に設置されているために充分な作業スペースを確保できない場合や、事故や災害などで漏水が生じたため緊急に止水処理を行わねばならない場合など、人工構造物内に貯留された水を排出したり、別の場所へ移すことが困難な状況では、容器や水槽などの人工構造物内に水が貯留された状態で止水処理を行うことが必要となる。また、水が貯留された状態では、確認が困難であるため、漏水箇所が不明確な場合がある。
人工構造物に水が入った状態でグラウト材を使用した場合には、注入したグラウト材が水中に散逸して漏水箇所に充分な量が充填されないことや、充填状態が不均一になり、漏水箇所を完全に塞ぐことができずに充分な止水効果が発揮されないことがある。また、グラウト材中のイオン成分が水に溶解して流出し、硬化後の強度が低下し、やはり十分な止水効果が発揮されない場合もある。
そのため、水中での使用により適するように改良したグラウト材として、例えば、特許文献1には、セメントにフライアッシュと特定の界面活性剤を配合したグラウト材が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されているグラウト材の使用方法は、ホースを用いて圧送するものであり、ホースのみならず圧送用ポンプの設置場所も必要とするので、狭小な場所や事故あるいは災害現場などの人工構造物など充分な広さの作業スペースを確保するのが困難な場合には、安全に作業を実施できない恐れがある。一方、圧送の場合のような大掛かりな装置を用いずに、手作業などで簡便に止水処理を行おうとした場合には、グラウト材はセメントやモルタルを主材とするため比重が大きく重いため作業性に劣るという問題点がある。
また、硬化後は全体が一つの塊となるが、グラウト材の硬化物は硬くて丈夫なため、小さく裁断して取り除くことは難しく、止水処理のやり直しや一時的に止水する目的での使用は困難であるといった課題もある。
有機系高分子化合物からなる止水材で、水の存在下でも徐々に硬化する、いわゆる水中硬化型の止水材が知られており、架橋反応を起こすモノマーやオリゴマーからなる主剤と架橋剤からなる硬化剤の2種類の材料を、止水作業の直前に混ぜ合わせる2液型のものが一般的に用いられている。こうした2液型の止水材として、例えば、特許文献2には、アミノ化合物から選ばれた硬化促進剤と比重が1以上の金属塩水溶液からなるA液と、ジイソシアネートトと2官能性ポリアルキレングリコールを反応させたウレタンプレポリマーを含有するB液との2液から構成された止水材が開示されている。
特許文献2に記載されているような、有機系高分子化合物からなる止水材は、グラウト材に比べれば比重が小さく軽いため作業性の面では良好である。しかしながら、高分子化合物は架橋反応の進行とともに収縮する場合があり、硬化が完了した時点で、クラックや空隙などの漏水箇所が硬化物で完全に埋められた状態とならず隙間が生じ、経時とともに再び漏水が発生する恐れがある。また、硬化反応後に形成される硬化物は、簡単に裁断できるほど柔らかくはないので、やはり止水処理のやり直しや一時的に止水する目的での使用は困難であるといった課題もある。
特開2008−037727号公報 特開平7−097566号公報
本発明は、水を貯留する容器や水槽などの人工構造物の止水処理を、これらの人工構造物に水が入った状態で、簡便で安全に、かつ効果的に行うことができる止水方法を提供するものである。とりわけ、水を貯留する容器や水槽などの人工構造物が、狭小な場所に設置されている場合や、事故や災害などのために、充分な作業スペースを確保することができず、人工構造物中に貯留された水を排出し、あるいは別の場所へ移すことが困難な場合であっても、容器や水槽などの人工構造物内に水が入った状態で、しかも漏水箇所が不明確な場合でも、簡便で安全に、かつ効果的に止水処理を実施することができる止水方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者等は鋭意検討し、2液型の水中硬化型接着剤と吸水性樹脂とを用いることで、水の存在下で簡便で安全に、かつ効果的に漏水箇所を止水できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)水を貯留する人工構造物の漏水箇所を、水が入った状態で止水する止水方法であって、吸水性樹脂粉末と、2液型の水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤とを混合して止水材を調製した後、該止水材を人工構造物の漏水箇所に投入し、該2液型の水中硬化型接着剤と水で膨潤させた該吸水性樹脂粉末とを一体化した状態で水中で硬化させることにより、漏水箇所を止水することを特徴とする止水方法。
(2)前記人工構造物の漏水箇所に流れ込む流路の上流に前記止水材を流し込み、該止水材を前記人工構造物の漏水箇所に投入する、前記(1)に記載の止水方法。
(3)前記人工構造物の漏水箇所が不明な場合にあっては、漏水が予想される箇所に前記止水材を投入する、前記(1)または(2)に記載の止水方法。
(4)止水材を構成する2液型の水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤の合計量と、吸水性樹脂粉末との比率が、重量比で、15:1〜50:1の範囲である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の止水方法。
(5)2液型の水中硬化型接着剤の主剤を構成するベース樹脂が、エポキシ樹脂である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の止水方法。
(6)吸水性樹脂粉末が、架橋ポリアクリル酸ナトリウムである、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の止水方法。
本発明の止水方法では、止水材として、吸水性樹脂粉末と2液型の水中硬化型接着剤とを混合して止水材を調製し、調製した止水材を水中に投入するという簡便な操作で漏水箇所を止水することができる。また、止水箇所が不明な場合でも、漏水が予想される箇所に投入するだけでよい。
水中に投入された止水材は、2液型の水中硬化型接着剤を構成する主剤と硬化剤の反応がゆっくりと進行するので、吸水性樹脂粉末による水の吸収が先行して起こり、止水材全体が膨潤し体積が増大する。したがって、漏水箇所のクラックや空隙の中へ浸入した止水材が膨潤することにより、クラックや空隙は該組成物で完全に埋められた状態となる。その後2液型の水中硬化型接着剤が硬化し、漏水箇所のクラックや空隙は、水中硬化型接着剤と吸水性樹脂とが一体化した硬化物で完全に充填されることとなるので、効果的に止水することができる。
すなわち、本発明の止水方法によれば、有機系高分子化合物の主剤と硬化剤からなる2液型の水中硬化型接着剤の利点である、主剤および硬化剤が液状であるため混合が容易であることや、グラウト材に比べると軽くて扱い易いので作業性に優れるといった利点を保持しつつ、止水効果を高めることができる。
さらに、本発明において、水中に投入された止水材は、全体が一体化した状態で硬化するが、水を吸収して膨潤し体積が増大した吸水性樹脂粉末を2液タイプの水中硬化型接着剤が接着する構造になっている。そのため、止水材から形成される硬化物は、グラウト材や主剤と硬化剤のみから構成される公知の有機系の2液型の水中硬化型接着剤から形成される硬化物と比較すると、柔らかい硬化物となり、簡単に回収することができるので、止水処理終了後の漏水箇所以外の硬化物の除去や再度の止水処理を容易に実施することが可能となる。
本発明の止水方法では、止水材は、吸水性樹脂粉末と、2液型の水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤とから構成される。吸水性樹脂粉末と2液型の水中硬化型接着剤(以下、「水中硬化型接着剤」と称する。)を混合する方法は、特に限定されるものではない。例えば、1)吸水性樹脂粉末に、水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤との混合物を添加し、これらを混合する方法、2)吸水性樹脂粉末に、主剤もしくは硬化剤のうちいずれか一方を添加し混合した後、残りの一方を添加し混合する方法、3)吸水性樹脂粉末に、主剤および硬化剤を分割して添加し混合する方法、あるいは4)水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤との混合物に、吸水性樹脂粉末を添加し、これらを混合する方法などがある。
なかでも、水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤とを予め混合した混合物を、吸水性樹脂粉末に添加した後、これらを速やかに混合する方法が好ましい。前記混合物の添加は、一括添加あるいは分割添加のどちらもよい。水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤をできるだけ均一に混合することで、より均一性の高い硬化膜を形成することができる。
水中硬化型接着剤と吸水性樹脂粉末の比率は、使用する水中硬化型接着剤および吸水性樹脂粉末の種類によって異なるため、特に限定されるものではないが、重量比で、15:1〜50:1の範囲が好ましく、より好ましくは20:1〜40:1の範囲である。吸水性樹脂粉末の比率が前記の範囲に満たない場合には、吸水性樹脂粉末が水を吸収して膨潤する効果が乏しいために、漏水箇所のクラックや空隙に侵入した止水材がクラックや空隙を密閉する止水効果を発現し難くなる。一方、吸水性樹脂粉末の比率が前記の範囲を超える場合には、吸水性樹脂粉末が水を吸収して膨潤した際に、水中硬化型接着剤の硬化膜の形成を阻害するため硬化膜の形成が不充分となり、止水効果を発現し難くなる。
水中硬化型接着剤の主剤を構成するベース樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂など公知のものを用いることができる。なかでも、水中での硬化反応にバラツキが少ないことからエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば、分子内に2個以上のエポキシ基を有する、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物のジグリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂などを挙げることができる。
水中硬化型接着剤の主剤の形態は特に限定されるものではなく、常温でパテ状でも液状でもよいが、混合容易性の点では液状が好ましい。市販品としては、パテ状のタイプでは、スリーボンドTB2083(スリーボンド社製)、ボンドE380(コニシ社製)などが挙げられ、低粘度タイプでは、エポフィックス冷間埋込樹脂(Struers社製)、シーカデュア53(日本シーカ社製)などが挙げられる。
水中硬化型接着剤の硬化剤としては、常温でパテ状もしくは液状である、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、脂環式アミン類、ポリアミド類、アミン変性ポリアミド類などから選ばれる1種あるいは2種以上の混合物が好ましい。
主剤と硬化剤の比率は、水中硬化型接着剤として通常使用される量で充分であり、主剤のエポキシ樹脂のエポキシ基に対して、アミノ基の活性水素当量が0.5〜2.5当量になるように用いることが好ましい。
吸水性樹脂粉末としては、水を吸水して膨潤する樹脂粉末であれば、特に限定されるものではないが、例えば、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、デンプンとアクリル酸ナトリウムのグラフト共重合体の架橋物、デンプンとアクリロニトリルのグラフト共重合体のケン化物、架橋ポリアルキレンオキサイドなどが挙げられる。なかでも、吸水量に優れることより架橋ポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。
吸水性樹脂粉末は、粒子径が100μm〜1,000μmのものが好ましく、特に100〜500μmの微粉末で構成されているものが好ましい。粒子径が小さすぎる場合は、ダマになるなど、水中硬化型接着剤と均一に混合し難くなり、粒子径が大きすぎる場合は、微細な空隙や孔に入りにくいため、止水効果が低減する傾向がある。500μm以下であれば、吸水して膨潤し体積が増大した吸水性樹脂により水中硬化型接着剤が形成する硬化膜が破壊され難くなるため、止水効果を高めることができる。また、空隙や孔の形状に合わせて大きさを適宜調整してもよい。
調製した止水材は、水中硬化型接着剤の硬化が進行して止水効果が発現され難くなるのを防止するため、調製後、速やかに人工構造物の漏水箇所に投入することが望ましいが、硬化剤の種類、量により、硬化時間を調整することができる。
本発明の止水方法において、止水材を水中に投入する形態は、止水材の粘性に応じて適宜選択することができる。例えば、止水材の粘度が比較的低く流動性を有している場合には、水中に流し込む方法で投入することが好ましい。止水材の粘度が高くパテ状を呈するなど流動性を示さない場合は、適当量の止水材を千切り取り、団子状などに成形したものを水中に投入することが好ましい。
また止水材を投入する方法は、人工構造物の構造に応じて適宜選択することができる。例えば、漏水箇所が有る容器や水槽などの人工構造物であって、当該人工構造物に水を入れることが可能な流路やパイプなどを備えている人工構造物の場合は、当該流路やパイプの上流に本発明の止水材を流し込むことで、止水材を人工構造物中に投入することができる。その際、流路やパイプに水を流して、水とともに本発明の止水材を人工構造物中に投入してもよい。また、上部に蓋を有する構造の人工構造物で、蓋を開けて作業を行えるスペースを確保できる場合であれば、蓋を開けて、本発明の止水材を投入すればよい。さらに、漏水箇所の上流に止水材を流し込むことにより、流し込んだ止水材が人工構造物の中で拡がる。そのため、漏水箇所が不明(特定が困難)な場合であっても、流し込んだ止水材の一部が、漏水箇所を含む範囲において硬化することによって、漏水箇所を止水することができる。
止水材が高粘度で流動性を示さない場合には、適当な流動性を示す状態まで溶剤を添加して止水材を希釈した後、上記の方法にて、水中に流し込むこともできる。希釈に用いる溶剤としては、水中硬化型接着剤の主剤が溶解する溶剤であれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを用いることができる。
止水材は、必要に応じて、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カーボンブラックなどの充填剤や着色顔料などが添加されてもよい。
以下、本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
2液型水中硬化型接着剤として、エポキシ樹脂系の主剤とポリアミドアミン系の硬化剤からなる商品名「スリーボンドTB2083」(スリーボンド社製)を使用した。
吸水性樹脂として、粒子径500μm程度の市販の粉末状架橋ポリアクリル酸ナトリウム(吸水性樹脂1g当たりの吸水量は350g)を使用した。
2液型水中硬化型接着剤の主剤15gと硬化剤15gを混合した後、吸水性樹脂粉末0.855gに添加して混ぜ合わせ、パテ状の止水材を調製した。
直径約5cmのアクリル製の筒の下端部に、直径約5mmの穴を開けたゴム栓(高さ約2cm)を挿入し、ゴム栓の穴の下部1cm程度の部分に別のゴム栓を挿入して穴を密閉してから水道水1Lを入れた筒状の容器を準備しておき、前記のパテ状の止水材を全量、水道水中に投入した。止水材は水中を徐々に落下した。
15時間経過後、ゴム栓の穴の下部に挿入したゴム栓を取り外したが、アクリル製の筒の中の水道水の漏出は全く認められず、ゴム栓の穴の部分が濡れることもなかった。さらに水道水を筒の上部から流し込んだが水道水の漏出は認められなかった。また、投入した止水材は、ゴム栓の穴の形状に硬化していた。
(実施例2〜6)
実施例1で使用した2液型水中硬化型接着剤および吸水性樹脂粉末を用い、主剤15gと硬化剤15gを混合した。表1に示すように、添加する吸水性樹脂粉末の量を変えて、実施例1と同様の操作にてパテ状の止水材を調製した。
次いで、実施例1と同様にして、水道水を入れたアクリル製の筒の中にパテ状の止水材を投入し、15時間経過後、ゴム栓の穴の下部に挿入したゴム栓を取り外し、水道水を筒の上部からさらに流し込み漏水の状態を観察し、止水効果を以下の基準に従って判定した。
○;水道水が全く漏れなかった。
△;水道水が滲みだしゴム栓が濡れるのが認められた。
以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2015189877
(実施例7)
2液型水中硬化型接着剤としてスリーボンドTB2083(スリーボンド社製)を使用した。吸水性樹脂として、粒子径500μm程度の市販の粉末状架橋ポリアクリル酸ナトリウム(吸水性樹脂1g当たりの吸水量は350g)を使用した。
2液型水中硬化型接着剤の主剤15gと硬化剤15gを混合した後、吸水性樹脂粉末0.855gに添加して混ぜ合わせ、パテ状の止水材を調製した。
パテ状止水材を、0.7リットルの水道水を入れたアクリル製容器に、全量投入し、15時間放置した。その結果、容器内は止水材で完全に満たされた状態となった。止水材は均一に分散していた。
(実施例8)
低粘度タイプの2液型水中硬化型接着剤として、エポキシ樹脂系の主剤と硬化剤からなる商品名「エポフィックス」(Struers社製)を使用した。吸水性樹脂は、実施例7と同様のものを使用し、実施例7と同様の比率でペースト状止水材を調製した。
ペースト状止水材を、0.7リットルの水道水を入れたアクリル製容器に、全量投入し、15時間放置した。その結果、容器内は止水材で完全に満たされた状態となった。止水材は均一に分散していた。
(実施例9)
実施例8において、水道水のかわりに人工海水を使用した以外は、実施例8と同様の方法で実験を行った。その結果、投入した止水材の吸水性は低下したが、吸水性樹脂粉末の粒同士が接着していた。
本発明の止水方法によれば、水を貯留した状態の容器や水槽などの人工構造物の止水処理を簡便に実施できるので、狭小な場所に設置された人工構造物の止水処理や、事故や災害時の人工構造物の止水処理に好適である。

Claims (6)

  1. 水を貯留する人工構造物の漏水箇所を、水が入った状態で止水する止水方法であって、吸水性樹脂粉末と、2液型の水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤とを混合して止水材を調製した後、該止水材を人工構造物の漏水箇所に投入し、該2液型の水中硬化型接着剤と水で膨潤させた該吸水性樹脂粉末とを一体化した状態で水中で硬化させることにより、漏水箇所を止水することを特徴とする止水方法。
  2. 前記人工構造物の漏水箇所に流れ込む流路の上流に前記止水材を流し込み、該止水材を前記人工構造物の漏水箇所に投入する、請求項1に記載の止水方法。
  3. 前記人工構造物の漏水箇所が不明な場合にあっては、漏水が予想される箇所に前記止水材を投入する、請求項1または2に記載の止水方法。
  4. 止水材を構成する2液型の水中硬化型接着剤の主剤と硬化剤の合計量と、吸水性樹脂粉末との比率が、重量比で、15:1〜50:1の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の止水方法。
  5. 2液型の水中硬化型接着剤の主剤を構成するベース樹脂が、エポキシ樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の止水方法。
  6. 吸水性樹脂粉末が、架橋ポリアクリル酸ナトリウムである、請求項1〜5のいずれかに記載の止水方法。
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