JP4007465B2 - 塗料用硬化性組成物及び塗装物 - Google Patents

塗料用硬化性組成物及び塗装物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上塗り塗料用硬化性組成物に関する。更に詳しくは、例えば、金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維等からなる建築物、家電用品、産業機器等の塗装に好適に使用しうるアクリルシリコーン系上塗り塗料用硬化性組成物、及び、当該上塗り塗料用硬化性組成物を塗装した塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】
窯業系成形物、コンクリートや鉄鋼等からなる建築物、建材等の産業製品等の表面を、例えば、フッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコーン樹脂塗料等の上塗り塗料で被覆することによって建築物等の外観をよくしたり、防食性や耐候性等を向上させたりすることが行われている。
【0003】
これらの上塗り塗料は、耐候性を向上させるため、また、基材との密着性をより向上させるため、更には、幾重にも積層してより機能を高める目的で塗り重ね性を向上させるため、種々の工夫がなされている。
【0004】
しかしながら、アクリルシリコーン樹脂塗料については、その他の塗料に比較して被塗物によっては密着性が不充分であり、塗り重ねによりちぢみを生じる不都合があった。また、近年環境問題が重視されるようになってから、従来の強溶剤型の塗料の臭気が問題視されるようになってきており、揮発性溶剤の少ない塗料が尊重されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、密着性、塗り重ね性に優れるとともに、塗布作業時の臭気を抑制することができるアクリルシリコーン系上塗り塗料用硬化性組成物を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記現状に鑑みて、鋭意研究を重ねた結果、特定の加水分解性シリル基を有し、かつ、アルキル基の炭素数が8以上20未満であるアルキル(メタ)アクリルレート及びアルキル基の炭素数が8以上のアルキル(メタ)アクリレートからなるアクリル系共重合体、全溶剤中飽和炭化水素及び/若しくは炭素数が9以上の芳香族炭化水素が50%以上を占める溶剤及び/又はテレピン油、顔料、加水分解性エステル化合物、並びに、硬化触媒を特定の割合で配合した組成物が、常温又は高温で硬化性を有し、該組成物からの塗膜が、従来のアクリルシリコーン樹脂塗料からの塗膜と同様の優れた耐候性を有するとともに、密着性、塗り重ね性及び低臭気を同時に有することを見出した。また、上記組成物に更にケイ素化合物(G)を配合すると、付随的に優れた耐汚染性を有する塗膜が得られることを見出した。即ち、本発明は、一般式(1)
【0007】
【化2】
Figure 0004007465
【0008】
(式中、R1 は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。R2 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の基を表す。R1 又はR2 が複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を少なくとも2個有するアクリル系共重合体であって、かつ、アルキル基の炭素数が8以上20未満であるアルキル(メタ)アクリレートを2〜50重量%含む単量体混合物を共重合して得られるアクリル系共重合体であるアクリル系共重合体(A)100重量部、
飽和炭化水素及び/若しくは炭素数が9以上の芳香族炭化水素50重量%以上とその他の有機溶剤とからなる溶剤、及び/又は、テレピン油(B)5〜150重量部、
顔料(C)5〜150重量部、
加水分解性エステル化合物(D)0.1〜150重量部、並びに、
硬化触媒(E)0.1〜20重量部
を含む上塗り塗料用硬化性組成物である。
【0009】
本発明は、また、上記上塗り塗料用硬化性組成物に、更に、顔料分散用として重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂(F)を含む上塗り塗料用硬化性組成物でもある。
【0010】
本発明は、更に、上記第一の態様の上塗り塗料用硬化性組成物又は上記第一の態様の上塗り塗料用硬化性組成物に成分(F)を配合した上記第二の態様の上塗り塗料用硬化性組成物に、更に、下記一般式(2);
(R3 O)4-b −Si−(R4 b (2)
(式中、R3 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の炭化水素基を表す。R4 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の炭化水素基を表す。R3 及び/又はR4 が複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。bは、0又は1を表す。)で表されるケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(G)を、アクリル系共重合体(A)100重量部に対して2〜70重量部含む上塗り塗料用硬化性組成物でもある。
【0011】
本発明は、更にまた、上記第一の態様の上塗り塗料用硬化性組成物、第二の態様の上塗り塗料用硬化性組成物又はこれらに更に成分(G)を配合した上記第三の態様の上塗り塗料用硬化性組成物に、更に、アミノシラン、エポキシシラン及びこれらの反応生成物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物からなるシランカップリング剤(H)を、アクリル系共重合体(A)100重量部に対して0.1〜300重量部含む上塗り塗料用硬化性組成物でもある。
【0012】
本発明は、更にまた、上記いずれかの態様の上塗り塗料用硬化性組成物を塗装してなる塗装物でもある。
以下、本発明を詳述する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の上塗り塗料用硬化性組成物には、湿分の存在下、室温で硬化性を有するベース樹脂として上記一般式(1)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を、少なくとも2個有するアクリル系共重合体であって、かつ、アルキル基の炭素数が8以上20未満であるアルキル(メタ)アクリレートを2〜50重量%含む単量体混合物を共重合して得られるものであるアクリル系共重合体(A)が含有される。
【0014】
上記アクリル系共重合体(A)は、実質的に、アクリル系単量体が共重合した主鎖からなるため、得られる本発明の上塗り塗料用硬化性組成物から形成される塗膜の耐候性、耐薬品性等が優れたものとなる。なお、上記アクリル系共重合体(A)が「実質的に、アクリル系単量体が共重合した主鎖からなる」とは、上記アクリル系共重合体(A)の主鎖を構成する単量体単位のうちの50%以上、好ましくは70%以上が、アクリル系単量体単位であることを意味する。
【0015】
また、上記アクリル系共重合体(A)は、加水分解性シリル基が炭素原子に結合した形式で含有されているため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性等が優れたものとなる。上記アクリル系共重合体(A)において、上記一般式(1)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基の数は、塗膜の耐候性、耐溶剤性等の耐久性等の観点から、アクリル系共重合体(A)1分子あたり2個以上である。より好ましくは3個以上である。
【0016】
上記一般式(1)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基は、アクリル系共重合体(A)の主鎖の末端に結合していてもよく、側鎖に結合していてもよく、主鎖の末端及び側鎖に結合していてもよい。
【0017】
上記一般式(1)において、R1 は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。上記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基等を挙げることができる。これらのうち、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基である。上記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、加水分解性シリル基の反応性が低下する。また、R1 が、例えば、フェニル基、ベンジル基等のアルキル基以外の基である場合にも、加水分解性シリル基の反応性が低下する。
【0018】
上記一般式(1)において、R2 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の基を表す。上記炭素数1〜10のアルキル基としては、上で例示した基等を挙げることができる。上記炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。上記炭素数7〜10のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基等を挙げることができる。これらの中では、本発明の組成物が硬化性に優れるという点から炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0019】
上記R1 及び/又はR2 が複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。
【0020】
上記一般式(1)において、aは、0〜2の整数を表す。すなわち、一般式(1)中、(R1 O)3-a の3−aが1以上3以下になるように選ばれるが、アクリル系共重合体(A)の硬化性が良好になるという点からは、aが0又は1であるのが好ましい。
【0021】
上記一般式(1)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基の具体例としては、例えば、後述する加水分解性シリル基を含有する単量体に含有される基が挙げられる。
【0022】
アクリル系共重合体(A)としては、合成の容易さの点から、一般式(1)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を含有する単量体単位を共重合したものが好ましい。なお、アクリル系共重合体(A)中の上記単量体単位の含有割合は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性が優れる、強度が大きくなるという点から、3〜90重量%、更には10〜70重量%、特には10〜50重量%であるのが好ましい。
【0023】
上記アクリル系共重合体(A)に含有される、一般式(1)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を含有する単量体単位以外の単量体単位としては、後述するアクリル系単量体由来の単量体単位、後述する必要により用いられるその他の単量体由来の単量体単位等であってよい。
【0024】
上記アクリル系共重合体(A)は、数平均分子量が、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性等の物性が優れるという点から、1000〜30000であることが好ましく、より好ましくは3000〜25000である。
【0025】
本発明においては、上記アクリル系共重合体(A)は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0026】
上記アクリル系共重合体(A)の製造は、例えば、重合性2重結合及び炭素原子に結合した加水分解シリル基を含有する単量体(以下、モノマー(A−1)という)、炭素数が8以上20未満であるアルキル基を有する(メタ)アクリレート(以下、長鎖アルキルエステル含有モノマーともいう)及び/又はその誘導体(以下、モノマー(A−2)という)、(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体(以下、モノマー(A−3)という)並びに必要により用いられるその他の単量体を重合することによって行うことができる。
【0027】
上記モノマー(A−1)の具体例としては、例えば、下記の(3−1)〜(3−11)の化合物;
【0028】
【化3】
Figure 0004007465
【0029】
等の下記一般式(3):
【0030】
【化4】
Figure 0004007465
【0031】
(式中、R1 、R2 、aは、上記と同じ。R5 は、水素原子又はメチル基を表す。)で表される化合物、
下記の(4−1)〜(4−9)の化合物;
【0032】
【化5】
Figure 0004007465
【0033】
等の下記一般式(4):
【0034】
【化6】
Figure 0004007465
【0035】
(式中、R1 、R2 、R5 、aは、上記と同じ。nは、1〜12の整数である。)で表される化合物、
下記の(5−1)〜(5−2)の化合物;
【0036】
【化7】
Figure 0004007465
【0037】
等の一般式(5):
【0038】
【化8】
Figure 0004007465
【0039】
(式中、R1 、R2 、R5 、a、nは、上記と同じ。)で表される化合物、
下記の(6−1)〜(6−2)の化合物;
【0040】
【化9】
Figure 0004007465
【0041】
等の一般式(6):
【0042】
【化10】
Figure 0004007465
【0043】
(式中、R1 、R2 、R5 、aは、上記と同じ。mは、1〜14の整数である。)で表される化合物、及び、
下記の(7−1)〜(7−2)の化合物;
【0044】
【化11】
Figure 0004007465
【0045】
等の一般式(7):
【0046】
【化12】
Figure 0004007465
【0047】
(式中、R1 、R2 、R5 、aは、上記と同じ。pは、0〜20の整数である。)で表される化合物や、炭素原子に結合した加水分解性シリル基をウレタン結合又はシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、共重合性及び重合安定性、並びに、得られる組成物の硬化性及び保存安定性が優れるという点から、上記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
【0048】
これらのモノマー(A−1)は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。上記モノマー(A−1)は、上述のように、得られるアクリル系共重合体(A)中に一般式(1)で表される加水分解性シリル基を含有する単量体単位が3〜90重量%、更には8〜70重量%、特には11〜50重量%含有されるように使用するのが好ましい。
【0049】
上記モノマー(A−2)の具体例としては、たとえば、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、パルミトイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデカノイル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、イコサノイル(メタ)アクリレート等の炭素数8〜20のアルキル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも耐候性、溶剤溶解性が良好な点から2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、パルミトイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが好ましい。特に好ましくは、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートである。上記モノマー(A−2)は、2種類以上併用してもよい。
【0050】
上記モノマー(A−3)の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリン、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−6(商品名)等の化合物(以上、東亜合成化学工業社製)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、4−ヒドロキシスチレンビニルトルエン、東亜合成化学工業社製のアロニクス5700(商品名)、4−ヒドロキシスチレン、日本触媒化学工業社製のHE−10、HE−20、HP−1及びHP−20(商品名)(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂社製のブレンマ−PPシリーズ(商品名)(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(商品名)(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(商品名)(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAP−400(商品名)(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE−350(商品名)(ポリエチレングリコールモノアクリレート)及びブレンマーGLM(商品名)(グリセロールモノメタクリレート)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類;水酸基含有化合物とε−カプロラクトンとの反応により得られるε−カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合体化合物であるPlaccel FA−1(商品名)、Placcel FA―4(商品名)、Placcel FM―1(商品名)、Placcel FM―4(商品名)(以上ダイセル化学工業社製)、TONE M−201(商品名)(UCC社製);ポリカーボネート含有ビニル系化合物(具体例としては、HEAC−1(商品名)(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸又はリン酸エステル類との縮合生成物等のリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマー(A−2)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0051】
なお、アクリル系共重合体(A)が、分子内に一般式(1)で表される炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体単位を3〜90重量%含有し、かつ、n−ブチルメタクリレート単位を含有する場合には、これらを含有する場合に得られるいずれの効果をも得ることができる。
【0052】
上記モノマー(A−2)と(A−3)の使用量の合計は、用いるモノマー(A−1)の種類及び使用量に応じて適宜調節すればよいが、通常、用いる重合成分全量の5〜90重量%、更には30〜85重量%、特に50〜85重量%であるのが好ましい。また、モノマー(A−1)の使用量としては重合成分全量の3〜50重量%、更に3〜40重量%、特には、5〜30重量%が好ましい。
【0053】
更に、モノマー(A−2)の使用量としては、重合成分全量の2〜50重量部である。モノマー(A−2)の使用量が2重量部未満であると飽和炭化水素及び/若しくは炭素数が9以上の芳香族炭化水素50重量%以上とその他の有機溶剤とからなる溶剤、及び/又は、テレピン油(B)に対する溶解性が不充分となり、50重量部を超えると得られる塗膜に粘着性が顕著に表れるので、上記範囲に限定される。好ましくは3〜40重量部、特に好ましくは5〜30重量部である。
【0054】
なお、モノマー(A−3)としてn−ブチルメタクリレートを用いる場合には、その使用量は用いる単量体の20〜50%であることが、後述する一般式(2)で表されるシリコーン化合及び/又はその加水分解縮合物(G)との相溶性に優れ、かつ、得られる硬化性組成物から形成される塗膜の各種特性のバランスが優れるという点から好ましい。
【0055】
また、本発明においては、得られる本発明の組成物から形成される塗膜の耐候性を更に向上させる目的で、例えば、ウレタン結合やシロキサン結合により主鎖に結合したセグメント;モノマー(A−1)、モノマー(A−2)、モノマー(A−3)以外の単量体に由来するセグメント等を、50重量%を超えない範囲でアクリル系共重合体(A)の製造時に導入してもよい。
【0056】
上記モノマー(A−1)、モノマー(A−2)、モノマー(A−3)以外の単量体の具体例としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン等の芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等の塩;無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖を有するアルコール又はアミンとのジエステル若しくはハーフエステル等の不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレート等のビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテル等のアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドン等のアミド基含有ビニル系化合物;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸等のその他ビニル系化合物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0057】
アクリル系共重合体(A)にはカルボキシル基又はアミノ基等の基が含まれていてもよく、その場合には、硬化性、密着性が向上する。しかし、重合体鎖に結合しているカルボキシル基やアミノ基の場合、活性が弱く、これらを硬化触媒のかわりに使用して硬化させようとしても良好な特性の硬化物が得られない。
【0058】
本発明の塗料用組成物において、更に、主成分であるアクリル系共重合体(A)には、後述する非水系ディスパージョン重合で得られるアクリル共重合体よりも低分子量のアルコキシシリル基含有共重合体を分散安定剤樹脂として用いてアクリル系共重合体(A)に使用される単量体を非水系ディスパージョン重合して得られる非水系重合体粒子(NAD)を添加することができる。この成分は、極少量の添加で塗料組成物の低粘度化、ハイソリッド化を達成でき、更に硬化塗膜の耐衝撃性を向上させることができる。
【0059】
次に、上記アクリル系共重合体(A)の製法の一例について説明する。
上記アクリル系共重合体(A)は、例えば、特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報等に記載のヒドロシリル化法や反応性シリル基を含有する単量体を用いた溶液重合法等によって製造することができるが、合成の容易さ等の点から、反応性シリル基を含有する単量体を用い、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造することが特に好ましい。
【0060】
上記溶液重合法に用いられる溶剤は、非水系のものであればとくに制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソロブ等のセロソルブ類;セロソルブアセテート等のエーテルエステル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類;メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノール等のアルコール類が挙げられる。
【0061】
また、上記溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3 O)3 Si−S−S−Si(OCH3 3 、(CH3 O)3 Si−S8 −Si(OCH3 3 等の連鎖移動剤を単独又は2種以上併用することにより、得られるアクリル系共重合体(A)の分子量を調節してもよい。特に、たとえばγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、アクリル系共重合体(A)の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる重合成分全量の0.05〜10重量%、なかんづく0.1〜8重量%であることが好ましい。
【0062】
本発明の組成物においては、全溶剤中の飽和炭化水素及び/若しくは炭素数が9以上の芳香族炭化水素50%以上とその他の有機溶剤とからなる溶剤、並びに/又は、テレピン油(B)を含有する。従って、上記溶液重合法に用いられる溶剤についても、本発明の組成物がこの条件を充たすように使用する必要がある。上記飽和炭化水素としては、上記ヘキサン、シクロヘキサンに加えて、更に、例えば、ペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン等が挙げられる。これらの中では、塗装時の塗膜外観と塗り重ね性の観点から、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカンが好ましい。特に、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカンが好ましい。これらの飽和炭化水素系溶剤は単独で用いても良く、2種類以上併用しても良い。炭素数が9以上の芳香族炭化水素としては、プロピルベンゼン、o−エチルトルエン、m−エチルトルエン、p−エチルトルエン、ジエチルベンゼン等がある。これらのうち、プロピルベンゼン、ジエチルベンゼンが好ましい。上記その他の有機溶剤としては特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル等であってもよい。
【0063】
本発明において、顔料(C)としては、希望する色彩によって通常塗料に用いられる各種顔料を使用することができ、例えば、酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉等の無機顔料;アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機顔料等の顔料が挙げられる。
【0064】
本発明においては、上記加水分解性エステル化合物(D)としては特に限定されず、例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチル等の加水分解性エステル化合物;ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタン;エチルシリケート(テトラメトキシシラン)、メチルシリケート(テトラメトキシシラン)、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中、脱水効果の点から、オルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。上記加水分解性エステル化合物(D)は、本発明においては脱水剤として使用される。
【0065】
硬化触媒(E)としては特に限定されず、例えば、有機カルボンと有機アミンとの併用物、有機リン酸エステル、有機金属系化合物等を挙げることができる。上記有機カルボン酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸及びこれらの無水物等が挙げられる。上記有機アミンの具体例としては、ラウリルアミン等の一級アミン、トリエチルアミン、ジメチルラウリルアミン等の三級アミン、モルホリン等の環状アミン等が挙げられる。上記有機カルボン酸と上記有機アミンとの組み合わせとしては、硬化活性とポットライフのバランスを考慮して、例えば、酢酸/ジメチルラウリルアミン、ヘキサン酸/ラウリルアミン、2−エチルヘキサン酸/ジメチルラウリルアミン、2−エチルヘキサン酸/ラウリルアミンの組み合わせが好ましい。更に好ましくは、2−エチルヘキサン酸/ジメチルラウリルアミン、2−エチルヘキサン酸/ラウリルアミンの組み合わせである。
【0066】
上記有機リン酸エステルの具体例としては、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)ジホスフェート等がある。硬化活性とポットライフのバランスの観点から、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェートが好ましく、この有機リン酸エステルは単独でも良く、上記有機アミンと併用しても良い。この場合、好ましい組み合わせとしてはジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェート/ジメチルラウリルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェート/ラウリルアミンであり、更に好ましくは、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェート/ジメチルラウリルアミンである。上記組み合わせ物質は、1種類でも良く、2種類以上併用してもよい。
【0067】
上記有機金属系化合物としては、例えば、有機錫化合物、アルミキレート化合物等がある。上記有機錫化合物としては、例えば、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジオクチル錫オキサイド又はジブチル錫オキサイドとシリケートとの縮合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(エチルマレート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジブチル錫ビス(オレイルマレート)、スタナスオクトエート、ステアリン酸錫、ジ−n−ブチル錫ラウレートオキサイド等が挙げられる。また、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネート、ジオクチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネート、オクチルブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレート、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグルコレート、オクチルブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレート等の分子内にイオウ原子を有する有機錫化合物を挙げることができる。
【0068】
上記アルミキレート化合物としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトナート)、アルキルアセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。これらの中、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)とアルミニウムトリス(アセチルアセトナート)がイソシアナートと配合した場合の貯蔵安定性及び可使時間のバランスが良好で、塗膜の接触角が小さくなるという点から好ましい。
【0069】
上記硬化触媒(E)は単独でもよく、また、異なる種類のもの又は同じ種類に属するものを2種以上併用してもよい。
【0070】
本発明は、また、上記上塗り塗料用硬化性組成物に、更に、顔料分散用として重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂(F)が配合された組成物である。上記樹脂(F)のポリエステル部分としては、顔料分散に適した極性及び分子構造を有するものであればよく、アルキッドタイプの樹脂が一般的である。上記樹脂(F)は、重合性不飽和基を有するので、他の重合性不飽和単量体と共重合させることによりアクリル系共重合体(A)と相溶性の良好な樹脂を得ることができる。
【0071】
本発明は、更に、上記第一の態様の上塗り塗料用硬化性組成物又は上記第一の態様の上塗り塗料用硬化性組成物に重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂(F)が配合された上記第二の態様の上塗り塗料用硬化性組成物に、更に、下記一般式(2);
(R3 O)4-b −Si−(R4 b (2)
(式中、R3 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の炭化水素基を表す。R4 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の炭化水素基を表す。R3 及び/又はR4 が複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。bは、0又は1を表す。)で表されるケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(G)を配合したものである。上記成分(G)は、本発明の組成物から形成される塗膜の耐汚染性を向上させると共に、該塗膜と被塗物との密着性を向上させるための成分である。上記部分加水分解縮合物は、上記一般式(2)で表されるケイ素化合物をアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解して得られるものである。上記ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(G)をアクリル系共重合体(A)と混合させたものは常温硬化性及び加熱硬化性を有する組成物となり、該組成物を用いて形成される塗膜は優れた耐汚染性を有する。その理由は定かではないが、おそらく、アクリル系共重合体(A)と上記成分(G)との相対的硬化速度の違いと相溶性に起因し、表面硬度及び親水性が向上することが影響しているものと考えられる。
【0072】
上記一般式(2)において、R3 は、炭素数1〜10のアルキル基、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;炭素数6〜10のアリール基、好ましくは、フェニル基等の炭素数6〜9のアリール基、及び、炭素数7〜10のアラルキル基、好ましくは、ベンジル基等の炭素数7〜9のアラルキル基からなる群から選ばれた1価の炭化水素基である。上記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、ケイ素化合物の部分加水分解縮合物(G)の反応性が低下する。また、R3 が上記アルキル基、アリール基、アラルキル基以外であると、同様に、ケイ素化合物の部分加水分解縮合物(G)の反応性が低下する。
【0073】
上記一般式(2)において、R4 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の炭化水素基を表す。上記アルキル基、アリール基、アラルキル基は、それぞれ、上記R3 について例示したものと同様のものであってよい。
【0074】
上記一般式(2)において、bは、0又は1を表す。従って、上記一般式(2)において、(R3 O)4-b は4−bの値が3以上になる。本発明の組成物から形成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、bが0であるのが好ましい。
上記R3 又はR4 が複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。
【0075】
上記一般式(2)で表されるケイ素化合物の具体例としては、例えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケート等のテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。
【0076】
また、上記一般式(2)で表されるケイ素化合物の部分加水分解分解縮合物の具体例としては、例えば、通常の方法で上記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させて得られるもの等が挙げられ、例えば、MSI51、MSI53、ESI28、ESI40、ESI48、HAS−1、HAS−10(以上、商品名)(コルコート社製);MS51、MS56、MS56S、MS51B15、MS56SB5(以上、商品名)(三菱化学社製);Mシリケート51、メチルシリケート56、シリケート40、シリケート45、シリケート48、ES48、FR−3(以上、商品名)(多摩化学社製)等のテトラアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物;AFP−1(商品名)(信越化学工業社製)等のトリアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物等が挙げられる。
【0077】
上記ケイ素化合物の部分加水分解分解縮合物のうちでは、アクリル系共重合体(A)との相溶性に優れ、かつ、得られる本発明の組成物の硬化性が良好で、該組成物を用いて形成される塗膜の硬度に優れ、汚染物質の付着を制御するという点から、MSI51、MS51、MS56、MS56S(テトラメトキシシランの部分加水分解分解縮合物)やESI40、シリケート45、シリケート48、ESI48、ES−48(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR−3(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物の一部メトキシ置換物)等のテトラアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物を用いるのが好ましく、特に、重量平均分子量が1000より大きいMS56S、シリケート48、ES−48、ESI48、FR−3のような化合物が、配合量を低減できる点から更に好ましい。これらのケイ素化合物の部分加水分解分解縮合物には、事前に脱水剤としてオルト酢酸メチルを加えておくことが、上記成分(A)と配合した後の貯蔵安定性等の点から好ましい。
【0078】
上記ケイ素化合物の部分加水分解分解縮合物は、上記一般式(2)で表されるケイ素化合物をアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解して得られる。上記アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのうちでは、メタノール、エタノール、イソプロパノールが安定性向上の点から好ましい。
【0079】
上記酸性条件下とは(1)酸性物質を添加する、(2)陽イオン交換樹脂で処理する等の条件をいう。
(1)酸性物質としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、亜硫酸、等の無機酸;モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェート等のリン酸エステル;ぎ酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、シュウ酸、コハク酸等のカルボン酸化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸化合物等が挙げられる。これらの中で、酸処理後に酸を除去しやすい点から、比較的沸点が低い塩酸、硝酸、亜硫酸、ぎ酸が好ましい。
(2)陽イオン交換樹脂による処理としては、例えば、アンバーリスト15(商品名)(ローム・アンド・ハース社製)、デュオライトC−433(商品名)(住友化学工業社製)等の陽イオン交換樹脂と水とで処理した後、濾過やデカンテーション等により陽イオン交換樹脂を除去する方法等が挙げられる。
上記成分(G)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0080】
本発明は、更にまた、上記第一の態様の上塗り塗料用硬化性組成物、第二の態様の上塗り塗料用硬化性組成物、又は、上記第一の態様の上塗り塗料用硬化性組成物若しくは上記第二の態様の上塗り塗料用硬化性組成物に更に上記成分(G)を配合したものである上記第三の態様の上塗り塗料用硬化性組成物に、更に、アミノシラン、エポキシシラン及びこれらの反応生成物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物からなるシランカップリング剤(H)を配合した上塗り塗料用硬化性組成物でもある。上記シランカップリング剤(H)は、エポキシ系中塗り剤等との下地との密着性を付与するために配合される。上記シランカップリング剤(H)としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシジルプロピルオキシトリメトキシシランと2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランとの2.2:1(モル比)の反応物、エピコート828(商品名)(油化シェルエポキシ社製)とγ−アミノプロピルトリエトキシシランとの1:2(モル比)の反応物等が挙げられる。
【0081】
上述の本発明において、硬化触媒(E)として、有機カルボン酸類若しくは有機リン酸類と有機アミンとの併用物、及び/又は、有機金属系化合物を使用する場合、上述の各態様の上塗り塗料用硬化性組成物に、更に、メルカプト基含有炭化水素及び/又はメルカプトシラン(I)を配合してもよい。上記メルカプト基含有炭化水素及び/又はメルカプトシラン(I)としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、α−メルカプトメチルペンタメチルジシロキサン、γ−メルカプトプロピルペンタメチルジシロキサン、γ−メルカプトプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、(CH3 O)3 Si−S−S−Si(OCH3 3 、(CH3 O)3 Si−S8 −Si(OCH3 3 等が挙げられるが、入手のし易さ、硬化触媒(E)の中の有機金属化合物と配合した場合の貯蔵安定性等の観点から、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましい。これらは、単独又は2種類以上併用することができる。上記混合物をアクリル共重合体(A)に配合した場合、可使時間を延長させることができる。
【0082】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を得るには、上記アクリル系共重合体(A)、飽和炭化水素及び/若しくは炭素数が9以上の芳香族炭化水素50重量%以上とその他の有機溶剤とからなる溶剤、及び/又は、テレピン油(B)、顔料(C)、加水分解性エステル化合物(D)、並びに、硬化触媒(E)と、更に、所望により顔料分散用として重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂(F)とを攪拌機等により混合すればよい。また、上記配合に加えて、更に、上記一般式(2)で表されるケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(G)、シランカップリング剤(H)、メルカプト基含有炭化水素及び/又はメルカプトシラン(I)を配合することより、本発明の他の態様の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0083】
これらの成分の配合割合は、以下のとおりである。以下の配合割合は、アクリル系共重合体(A)100重量部に対する値である。上記成分(B)は、5〜150重量部である。上記範囲外であると、塗装粘度を満足することができない。上記顔料(C)は、5〜150重量部である。5重量部未満であると着色効果を充分に得られず、150重量部を超えると、塗膜の外観が低下する。上記範囲内で、所望の着色効果を得ることができる量を適宜配合できる。
【0084】
脱水剤として配合される加水分解性エステル化合物(D)は、0.1〜150重量部である。0.1重量部未満であると脱水効果が不充分であり、150重量部を超えると、塗膜仕上がり外観が悪くなる。上記範囲内で配合される顔料に応じて、脱水効果が発揮されるに必要な量を適宜配合されるが、成分(A)と成分(G)の合計100重量部に対して、通常、200重量部以下、より好ましくは100部以下、更に好ましくは50部以下で使用する。また、アクリル系共重合体(A)を重合する前の成分に加えてもよく、アクリル系共重合体(A)の重合中に加えてもよく、また、得られたアクリル系共重合体(A)とそのほかの成分との混合時に加えてもよい。
【0085】
上記脱水剤は、ケイ素化合物又はケイ素化合物の部分加水分解縮合物をアルコール系溶剤中、酸性条件下で加水分解した後に、加えておくことが好ましい。この場合、上記脱水剤の配合量には特に限定はないが、通常、ケイ素化合物の部分加水分解縮合物の樹脂固形分100重量部に対して、脱水剤及びアルキルアルコールの合計量が0.5〜20部程度、なかんづく2〜10部程度であるのが好ましい。
【0086】
上記硬化触媒(E)は、0.1〜20重量部配合される。硬化触媒(E)が0.1重量部未満の場合には得られた塗膜の硬化性が不充分で耐候性が発揮されない。20重量部を超えると、該組成物を用いて形成した塗膜の表面光沢等外観性の低下傾向が認められるので好ましくない。好ましくは0.2〜13重量部であり、更に好ましくは0.5〜10重量部である。
【0087】
上記成分(F)は、5〜150重量部配合される。上記成分(F)の量が5部未満の場合には、顔料分散性が不充分であり、150重量部を超えると塗膜の耐候性が低下する。好ましくは5〜100重量部、更に好ましくは10〜50重量部である。
【0088】
上記成分(G)は、2〜70重量部配合される。上記成分(G)の使用量が2重量部未満の場合には、得られる組成物を用いて形成した塗膜の硬化性や耐汚染性の改良効果が不充分になり、また、70重量部を超えると塗膜の表面光沢等の外観性が低下したり、クラック等が発生したりするようになる。好ましくは2〜50重量部、更に好ましくは2〜30重量部である。上記成分(G)は、上記成分(A)との相溶性を向上させるため、上記成分(A)の重合時に加えることができ、更に、上記成分(A)にホットブレンドすることができる。
【0089】
上記成分(H)は、0.1〜300重量部配合される。上記成分(H)の量が0.1重量部未満の場合には、下地、中塗り、下塗りとの密着性が不充分である。また、300重量部を超える場合には、塗膜外観不良、割れ等の不具合いを生じる。好ましくは0.2〜100重量部、更に好ましくは0.5〜50重量部である。
【0090】
上記成分(I)は、通常、0.1〜20重量部添加されることが好ましい。より好ましくは、0.1〜10重量部、更に好ましくは0.2〜5重量部である。
【0091】
また、本発明の上記組成物には、希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤等の添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等の繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサン等の樹脂等を適宜加えてもよい。
【0092】
本発明の上塗り塗料用硬化性樹脂組成物は、例えば、浸漬、吹き付け、刷毛等を用いた塗布等の通常の方法によって被塗物に塗布され、通常、常温でそのまま、又は、30℃程度以上で焼き付けて硬化せしめる。
【0093】
本発明の上塗り塗料用硬化性組成物は、複層膜で使用されるのが一般的である。その際、下塗りとして浸透性エポキシシーラー、アクリルゴム系の防水塗料、アクリルエマルジョン、無機フィラー含有反応性エポキシエマルジョン等が使用される。更に、このような下塗りや基材との密着性の向上、耐衝撃性の向上及び下塗りに対する追従性の向上による耐久性(割れ等の防止)の確保等を目的として、上塗りとして通常使用されるアクリル塗料、ウレタン塗料、フッ素樹脂塗料等を、中塗り及び/又は下塗りとして使用することができる。また、これらの塗料は、これまで述べたシリケート成分を配合した低汚染タイプのものも使用することができる。
【0094】
本発明の上塗り塗料用硬化性組成物は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維等からなる建築物、家電用品、産業機器等の上塗り用の塗料として好適に使用される。
【0095】
【実施例】
本発明の上塗り塗料用硬化性組成物を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。なお、以下、特に断らないかぎり、部は、重量部を表す。
【0096】
比較製造例1 アクリル共重合体(A)−1の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備えた反応器にキシレンを20部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン12部、メチルメタクリレート57部、n−ブチルアクリレート30部、n−メチロールアクリルアミド1部、キシレン10部及びAIBN(和光純薬社製)0.9部からなる混合物を滴下ロートにより5時間かけて等速滴下した。滴下終了後、AIBN0.1部、キシレン4部及びトルエン12部を1時間かけて等速滴下した後、110℃で2時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にキシレンを加えて樹脂固形分濃度が50%のアクリル共重合体(A)−1を得た。得られたアクリル共重合体(A)−1の平均分子量は15000であった。
【0097】
製造例1 アクリル共重合体(A)−2の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備えた反応器にソルベッソ−100(エクソンケミカル社製)を25部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した。その後、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部、ステアリルメタクリレート10部、メチルメタクリレート30部、n−ブチルメタクリレート30部、n−ブチルアクリレート5部、スチレン15部、ソルベッソ−100を10部及びV−59(和光純薬社製)0.56部からなる混合物を滴下ロートにより4時間かけて等速滴下した。滴下終了後、V−59を0.1部及びソルベッソ−100を4部、シェルゾールSを12部(シェルジャパン社製)、30分かけて等速滴下した後、110℃で1.5時間熟成してから冷却し、樹脂溶液にソルベッソ−100を加えて樹脂固形分濃度が50%のアクリル共重合体(A)−2を得た。得られたアクリル共重合体(A)−2の平均分子量は20000であった。
【0098】
製造例2 アクリル共重合体(A)−3の製造
製造例1において、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部を15部に、ステアリルメタクリレートは10部のまま、メチルメタクリレート30部を35部に、n−ブチルアクリレート30部を25部に変更し、n−ブチルメタクリレート5部を10部に、スチレン15部を5部に、V−59を0.9部に変更する以外は製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50%のアクリル系共重合体(A)−3を得た。得られたアクリル系共重合体(A)−3の数平均分子量は10000であった。
【0099】
製造例3 アクリル系共重合体(A)−4の製造
製造例1において、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部を13部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部に、ステアリルメタクリレート10部を7部、メチルメタクリレート30部を25部に、n−ブチルメタクリレート30部を43部に、n−ブチルアクリレート5部を10部に、アゾビスイソブチロニトリル0.56部を1部に変更し、製造例1と同様にして樹脂固形分濃度が50%のアクリル系共重合体(A)−4を得た。得られたアクリル系共重合体(A)−4の数平均分子量10000であった。
【0100】
製造例4 アクリル系共重合体(A)−5の製造
製造例2において、初期に仕込む溶剤に加えて、シリケート化合物であるFR−3(多摩化学社製)(G)−1を仕込み、他は同様の方法で重合し、固形分濃度50%のアクリル系共重合体(A)−5を得た。得られたアクリル系共重合体(A)−5の数平均分子量は、12000であった。
【0101】
製造例5 ポリエステル樹脂(F)−1の製造
はじめにキシレンを20部仕込み、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシランを8部、スチレンを10部、メチルメタクリレートを40部、n−ブチルメタクリレートを30部、重合性不飽和基含有ポリエステル樹脂を12部、AIBNを1.3部、トルエンを5部配合してなる混合物を5時間かけて滴下した。滴下終了後、AIBN0.14部、キシレン10部からなる混合物を1時間かけて等速滴下した。その後、同温度で2時間熟成した。得られた反応物をキシレンで樹脂固形分50%に希釈した。得られたポリエステル樹脂(F)−1の数平均分子量は10000であった。
【0102】
製造例6 ポリエステル樹脂(F)−2の製造
はじめにソルベッソ−100を20部仕込み、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン8部、スチレン10部、メチルメタクリレート25部、n−ブチルアクリレート10部、n−ブチルメタクリレート30部、ステアリルメタクリレート5部、重合性不飽和基含有ポリエステル樹脂12部、V−59を1.3部、ソルベッソ−100を5部配合してなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、V−59を0.14部、ソルベッソ−100を10部、シェルゾールを10部配合してなる混合物を30分かけて等速滴下した。その後、同温度で1.5時間熟成した。得られた反応物をソルベッソ−100/シェルゾールS=1/1で樹脂固形分50%に希釈した。得られたポリエステル樹脂(F)−2の数平均分子量は10000であった。
【0103】
実施例1
顔料(C)−1として酸化チタンCR−95(石原産業社製)95部と全樹脂固形分に対して5重量%になるように加水分解エステル化合物(D)−1を添加し、製造例6で得られたポリエステル樹脂(F)−2を30部使用し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナーで2時間分散させたペーストに、製造例1で得られたアクリル系共重合体(A)−2の樹脂固形分100部に対しケイ素化合物(G)−1としてFR−3(多摩化学社製のテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)20部を加えた混合液を添加し、溶剤(B)−2で希釈して、固形分濃度が60%の白エナメルを得た。得られた白エナメルに、硬化触媒(E)としてジブチル錫ビスブチルマレート(E)−2とシランカプリング剤(H)としてγ−アミノプロピルトリエトキシシランとエピコート828との2:1(モル比)の反応物(H)−1、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(H)−3を、アクリル共重合体(A)−1とポリエステル樹脂(F)合計100部に対して、各々、2部、1部を、(E)−1と(H)−1と(H)−3とを予め混合しておいて、添加した。更に、溶剤(B)−2を添加して攪拌機を用いて5分間攪拌して、固形分濃度が45%の組成物を得た。
【0104】
得られた組成物を、スレート板にE仕様下塗り(イサムタイルA;イサム塗料社製)を1.4〜1.6kg/m2 になるように塗装したものの上に、1day1coatで乾燥膜厚20〜30μmで塗装してサンプルとした。このサンプルにカッターで基材にまで達する傷を入れ、上塗り塗装後1日、2日、3日、6日、10日、14日目に刷毛で上塗り塗料を塗装し、各期間での塗膜の状態を観察、ちぢみ等の有無を観察した。
【0105】
得られた塗膜の表面状態、光沢、耐汚染性、耐候性、接触角、密着性、上塗りリコート時のちぢみについては、以下の方法に従って評価した。結果をまとめて表2に示す。
(イ)表面状態
塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:ひび割れが全く認められず、表面状態が良好である。
B:部分的に微小のひび割れが認められる。
C:全体にひび割れが認められる。
(ロ)光沢
塗膜表面の光沢をJIS K 5400に準拠してGM268光沢計(ミノルタ社製)を用いて測定した(60°光沢)。
(ハ)耐汚染性(ΔL値)
形成直後の塗膜表面及び大阪府摂津市の屋外で3ケ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩をCR−300色差計(ミノルタ社製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)からその差(ΔL値)を求めた。
(ニ)耐候性(光沢保持率)
サンシャインウェザオメーターを用い、形成直後の塗膜表面及び2000時間経過後の塗膜表面の光沢をそれぞれ測定し、2000時間経過後の光沢保持率(%)を求めた。
(ホ)接触角
形成直後の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA−S150型)で測定した。
【0106】
(へ)密着性
スレート板に市販のE仕様下塗り(イサム塗料社製)を塗装し、翌日に上塗り塗料を塗装した。室温(23℃、湿度55%)で1日養生後の密着性をJIS K
5400に準拠して碁盤目密着性を測定することにより評価した。
(評価結果)
10:100/100
8:80/100
6:60/100
4:40/100
2:20/100
0: 0/100
(ト)ちぢみ
上塗りリコート時のちぢみについては、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:塗膜に異常が見られない
△:カッティングを入れた部分のみにちぢみが発生
×:リコート部全面にちぢみが発生
(チ)臭気
該組成物をスプレート又はローラ塗装した場合の臭気を以下の基準で評価した。(評価基準)
○:鼻をつくような臭気が感じられず、長時間塗装にも耐えられる。
×:臭気が強く、長時間の塗装には耐えられない。
【0107】
実施例2〜12及び比較例1〜3
組成を表1に示した他は実施例1と同様にして固形分濃度60%の白エナメルを調製し、この白エナメルから固形分濃度45%の組成物を得た。
【0108】
実施例2〜12及び比較例1〜3で得られた組成物を、スレート板にE仕様下塗り(イサムタイルA;イサム塗料社製)を施した上に、乾燥膜厚が20〜30μmになるようにエアースプレーで塗装し、表1に示す硬化条件で養生させて塗膜を形成した。また、比較例1、2には、ちぢみを比較する目的でビスフェノールA型2官能エポキシ化合物(エピコート828;油化シェルエポキシ社製)とγ−アミノプロピルトリエトキシシランの1:2(モル比)の反応物(H)−1及びアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(H)−4をアクリル共重合体(A)の樹脂固形分100部に対してそれぞれ2部、0.8部配合した。
【0109】
実施例1に示す評価法と同様にして塗膜の評価を行った。その結果を表2にまとめて示した。
【0110】
【表1(その1)】
Figure 0004007465
【0111】
【表1(その2)】
Figure 0004007465
【0112】
【表2】
Figure 0004007465
【0113】
実施例1〜12及び比較例1〜3で配合した組成物は以下の通りである。
溶剤(B)
(B)−1;キシレン
(B)−2;ソルベッソ−100/シェルゾール−S=1/1(重量比)
(B)−3;テレピン油
顔料(C)
(C)−1;CR−95(白;酸化チタン)
(C)−2;酸化鉄(赤)
(C)−3;フタロシアニンブルー
加水分解性エステル(D)
(D)−1;オルト酢酸メチル
(D)−2;オルトぎ酸メチル
硬化触媒(E)
(E)−1;ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレート)
(E)−2;ジブチル錫ビスブチルマレート
(E)−3;ジブチル錫ビスオレイルマレート
(E)−4;2−エチルヘキサン酸/ジメチルドデシルアミンを酸/塩基当量が1/1.03になるように配合した混合物
【0114】
シリケート化合物(G)
(G)−1;FR−3(多摩化学社製)
(G)−2;シリケート48(多摩化学社製)
(G)−3;ES−48(多摩化学社製)
(G)−4;エチルシリケート48(コルコート社製)
シランカップリング剤(H)
(H)−1;ビスフェノールA型2官能エポキシ化合物(エピコート828;油化シェルエポキシ社製)とγ−アミノプロピルトリエトキシシランの1:2(モル比)の反応物
(H)−2;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの1:2.2(モル比)反応物
(H)−3;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(H)−4;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン
メルカプト基含有炭化水素及び/又はメルカプトシラン(I)
(I)−1;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
(I)−2;γ−ドデシルメルカプタン
【0115】
表2に示すように、実施例1〜12で得られた硬化塗膜は、優れた塗り重ね性を有し、ケイ素化合物(G)を配合した場合に表面の接触角が小さく、優れた耐汚染性を示すことがわかる。
【0116】
【発明の効果】
本発明の塗料用硬化性組成物は、各種基材及び下塗りに対して優れた塗り重ね性を示すとともに、臭気が少ない塗料を供する。更に、ケイ素化合物(G)を配合した場合に該塗膜の接触角が小さく、耐汚染性に優れるものである。また、本発明の塗料用硬化性組成物を塗布してなる塗装物は、塗膜の密着性に優れ、耐汚染性に優れるものである。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1);
    Figure 0004007465
    (式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。Rは、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の基を表す。R又はRが複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。aは、0〜2の整数を表す。)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を少なくとも2個有するアクリル系共重合体であって、かつ、アルキル基の炭素数が8以上20未満であるアルキル(メタ)アクリレートを2〜50重量%含む単量体混合物を共重合して得られるアクリル系共重合体であるアクリル系共重合体(A)100重量部、
    飽和炭化水素及び炭素数が9以上の芳香族炭化水素50重量%以上とその他の有機溶剤とからなる溶剤、又は、テレピン油(B)5〜150重量部、
    顔料(C)5〜150重量部、
    加水分解性エステル化合物(D)0.1〜150重量部、
    硬化触媒(E)0.1〜20重量部、並びに、
    顔料分散用として重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂(F)5〜150重量部
    を含む上塗り塗料用硬化性組成物の製造方法であって、
    顔料(C)及び加水分解性エステル化合物(D)を、重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂(F)を使用して分散させて得たペーストに、アクリル系共重合体(A)を添加し、溶剤(B)で希釈した後、硬化触媒(E)を添加し、さらに溶剤(B)で希釈することを特徴とする、上塗り塗料用硬化性組成物の製造方法。
  2. 上塗り塗料用硬化性組成物が、更に、下記一般式(2);
    (RO)4−b−Si−(R(2)
    (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の炭化水素基を表す。Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基及び炭素数7〜10のアラルキル基からなる群より選択された1価の炭化水素基を表す。R及び/又はRが複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。bは、0又は1を表す。)で表されるケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(G)を、アクリル系共重合体(A)100重量部に対して2〜70重量部含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法
  3. アクリル系共重合体(A)が、一般式(1)で表される加水分解性シリル基を含有する単量体を3〜90重量%含む単量体混合物を共重合して得られることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法
  4. 上塗り塗料用硬化性組成物が、更に、アミノシラン、エポキシシラン及びこれらの反応生成物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物からなるシランカップリング剤(H)を、アクリル系共重合体(A)100重量部に対して0.1〜300重量部含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法
  5. 硬化触媒(E)は、有機カルボン酸類又は有機リン酸類と有機アミンとの併用物、及び/又は、有機金属系化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
  6. 上塗り塗料用硬化性組成物が、更に、メルカプト基含有炭化水素及び/又はメルカプトシラン(I)を含むことを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. 重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂(F)は、重合性不飽和単量体と共重合させたものである請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 重合性不飽和基を有するポリエステル樹脂(F)は、重合性不飽和単量体の1種としてγ−メタクロキシプロピルトリメトキシシランを用いて共重合させたものである請求項7記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法により得られた上塗り塗料用硬化性組成物を塗装してなることを特徴とする塗装物。
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