JP4294944B2 - 床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法 - Google Patents

床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4294944B2
JP4294944B2 JP2002345113A JP2002345113A JP4294944B2 JP 4294944 B2 JP4294944 B2 JP 4294944B2 JP 2002345113 A JP2002345113 A JP 2002345113A JP 2002345113 A JP2002345113 A JP 2002345113A JP 4294944 B2 JP4294944 B2 JP 4294944B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
floor
curable composition
weight
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002345113A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004176442A (ja
Inventor
陽一 松尾
敦史 川上
俊郎 南部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2002345113A priority Critical patent/JP4294944B2/ja
Publication of JP2004176442A publication Critical patent/JP2004176442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4294944B2 publication Critical patent/JP4294944B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Floor Finish (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床用塗料用硬化性樹脂組成物に関するものである。例えばコンクリ−ト、木材、プラスチック系の床材及びその上にエポキシ系、ウレタン系、アクリル系の塗料が塗布されたものへの塗装に好適に使用し得る床用塗料硬化性組成物及び、当該床用塗料硬化性樹脂組成物を塗装した床用塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリ−ト、木材等の床材の塗料としては、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系の塗料が多く使用され、床に対して意匠性、耐溶剤性、耐薬品性、美観を付与している。しかし、近年、床用塗料を一部日光の当たる部位へ塗装する場合があり、耐候性向上の要求が出される様になって来ている。その場合、上記塗料中では、ウレタン塗料が比較的耐溶剤性、耐薬品性のバランスがとれているが、耐候性についての問題があった。耐候性の優れた塗料しては、アクリルシリコン塗料が挙げられ、樹脂固形分中の加水分解性シリル基が、SiO2換算で特定値を示す重合体、硬化剤、顔料、溶剤を含有し、形成される塗膜の水蒸気透過度、および顔料容積濃度を特定範囲に調整した塗料組成物を被塗面に直接塗装することで意匠性の向上や防塵性、ノンスリップ性、耐薬品性等の機能を付与することができ、工期短縮となる塗装方法が特許出願されているが、キシレン、トルエン系の溶剤を使用しており、臭気の点で問題があった(例えば特許文献1参照)。一方、本発明者らは、この臭気を改善するために、第3種有機溶剤を使用し、また水酸基および他官能イソシアネートを導入して、密着性をさらに向上させた出願を行なっているが、貯蔵安定性が不十分な場合があった(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−256612号公報(表1)
【0004】
【特許文献2】
特開2000−297242号公報(表6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような状況に鑑み鋭意検討した結果、床用塗料として要求される意匠性、耐溶剤性、耐薬品性、付着性、美観などを維持しつつ、加水分解性シリル基含有アクリル共重合体に、水酸基を導入し、他官能イソシアネートと反応させることで有機、無機下地への密着性をさらに向上させ、さらにまた、該塗料の分散安定性や十分な貯蔵安定性を確保することにある。
【0006】
【発明が解決しようとする手段】
本願発明は、次の組成物及び塗装物に係るものである。すなわち、主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に 一般式(I):
Figure 0004294944
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)成分100重量部、エポキシ化合物(B)成分0.01〜10重量部、顔料(C)、有機溶剤(D)を予め混合することを特徴とする床用塗料硬化性組成物(請求項1)。
【0007】
前記組成物に、一般式(II)
(R3O)4-b−Si−R4 b (II)
(式中、R3、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物及び/またはその部分加水分解縮合物(E)を、前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.1〜100重量部配合してなる請求項1記載の床用塗料硬化性組成物(請求項2)。
【0008】
前記組成物に架橋剤としてイソシアナート基を2個以上含有する化合物(F)成分を前記樹脂(A)成分100重量部に対して、1〜100重量部配合してなる請求項1〜2のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項3)。
【0009】
前記組成物に硬化触媒として有機金属化合物(G)成分を前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項4)。
【0010】
前記ビニル系重合体(A)に水酸基含有アクリル樹脂(H)成分を配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項5)。
【0011】
前記エポキシ化合物(B)成分がエポキシシラン化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項6)。
【0012】
前記組成物に用いる溶剤(D)成分が第3種有機溶剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項7)。
【0013】
単官能イソシアナ−ト化合物(I)成分を前記有機金属化合物(G)成分100重量部に対して1〜1000重量部配合してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項8)。
【0014】
有機金属化合物(G)成分として有機錫化合物を配合することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項9)。
【0015】
有機金属化合物(G)成分として分子内にS原子を含有する錫系化合物を配合することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項10)。
【0016】
水酸基含有アクリル樹脂(H)成分として非水分散型樹脂を配合することを特徴とする請求項1〜10のいずれに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項11)。
【0017】
前記(A)成分が炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体を単量体成分中1〜70重量%用いて得られることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物(請求項12)。
【0018】
請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を用いて形成された塗膜の水蒸気透過度が40〜200g/m2・24hであることを特徴とする床用塗膜の形成方法(請求項13)。
【0019】
請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を被塗物に直接塗装することを特徴とする床用塗膜の形成方法(請求項14)。
【0020】
請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を被塗物に塗装された塗膜上に塗装することを特徴とする記載の床用塗膜の形成方法(請求項15)。
【0021】
被塗物に塗装された塗膜がエポキシ系及びアクリル系であることを特徴とする請求項15に記載の床用塗膜の形成方法(請求項16)。
【0022】
請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を被塗物に直接塗装することを特徴とする請求項13記載の床用塗膜の形成方法(請求項17)。
【0023】
請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を被塗物に塗装された塗膜上に塗装することを特徴とする請求項13に記載の床用塗膜の形成方法(請求項18)。
【0024】
被塗物に塗装された塗膜がエポキシ系及びアクリル系であることを特徴とする請求項18に記載の床用塗膜の形成方法(請求項19)。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の床用塗料硬化性組成物に含有される上記各成分、およびその他の成分について順に説明する。
【0026】
本発明に用いられる(A)成分の形態としては、主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に一般式(I):
Figure 0004294944
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を1分子中に少なくとも1個有し、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体である。
【0027】
前記共重合体は、その主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなるため、得られる硬化性樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐候性、耐薬品性等が優れたものとなり、また、加水分解性シリル基が炭素原子に結合しているため、塗膜の耐水性、耐アルカリ性、耐酸性等も優れている。
【0028】
(A)成分において、上記一般式(I)で表される加水分解性シリル基は
分子中に1個以上あればよいが、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐溶剤性が優れるという点から、2〜10個あることが好ましい。
【0029】
上記一般式(I)において、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基である。かかるアルキル基の炭素数が10を超える場合には、加水分解性シリル基の反応性が低下する傾向にある。
【0030】
また、上記一般式(I)において、R2は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜25のアリール基、ベンジル基等の炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、これらの中では、得られる組成物が硬化性に優れるという点からアルキル基、特には炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、更には前記R1において具体例を示した炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0031】
ビニル系共重合体は例えば下記(i)〜(iv)等を含有する共重合成分を重合することによって製造することができる。
(i)加水分解性シリル基含有ビニル単量体(モノマー(a−1))、
(ii)水酸基含有ビニル系単量体(モノマー(a−2))、
(iii)炭素数4以上の(メタ)アクリル酸系単量体(モノマー(a−3))。
(iv)共重合可能なその他の単量体(モノマー(a−4))。
【0032】
上記モノマー(a−1)としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0033】
【化1】
Figure 0004294944
【0034】
などの一般式(III)
【0035】
【化2】
Figure 0004294944
【0036】
( 式中、R5は、水素原子またはメチル基を表し、R6は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基、または、炭素数7〜12のアラルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R7は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。cは、0〜2の整数を表すが0または1が好ましい。)で表される化合物;
【0037】
【化3】
Figure 0004294944
【0038】
などの一般式(IV)
【0039】
【化4】
Figure 0004294944
【0040】
( 式中、R5、 R6、 R7、cは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す。)で表される化合物;
【0041】
【化5】
Figure 0004294944
【0042】
などの一般式(V):
【0043】
【化6】
Figure 0004294944
【0044】
(式中、R5, R6, R7,c,nは前記と同じ)で表される化合物化合物;
【0045】
【化7】
Figure 0004294944
【0046】
などの一般式(VI):
【0047】
【化8】
Figure 0004294944
【0048】
(式中、R5、R6、R7およびcは前記と同じ、mは1〜14の整数を示す)で表される化合物
【0049】
【化9】
Figure 0004294944
【0050】
(pは0〜20の整数を示す)などの一般式(VII)
【0051】
【化10】
Figure 0004294944
【0052】
(式中、R5、R6、R7およびcは前記と同じ、pは0〜20の整数を示す)で表される化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレ−トなどがあげられる。これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
【0053】
モノマー(a−1)の使用量は、単量体成分中1〜60重量%が好ましく、3〜50重量%であるのがさらに好ましい。かかるモノマー(a−1)の使用量が1重量%未満である場合には、得られる硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐酸性が不充分となる傾向にあり、60重量%を超える場合には、硬化性組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0054】
次に、上記モノマー(a−2)としては、例えば、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、4―ヒドロキシスチレン、東亜合成化学工業社製のアロニクス5700(商品名)、日本触媒化学工業社製のHE−10、HE―20、HP−10及びHP―20(いずれも商品名)(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂社製のブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAP400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE350(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、及びブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)(いずれも商品名)、水酸基含有ビニル系化合物とε―カプロラクトンとの反応によるε―カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物、ダイセル化学工業社製HEAC−1(商品名)等のポリカーボネート含有ビニル系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】
これらの中では、塗膜に優れた耐酸性及び耐水性を付与することができる点から、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0056】
前記モノマー(a−2)の使用量は、単量体成分中1〜50重量%が好ましく、2〜35重量%であることがさらに好ましい。かかるモノマー(a−2)の使用量が50重量%を超える場合には、硬化性組成物を用いて形成された塗膜の耐水性および耐酸性が低下する傾向にある。
【0057】
モノマー(a−3)としては、例えば、炭素数が4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体成分である。(a−3)成分の具体例としては、たとえばn−ブチル(メタ)アクリレ−ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ−ト、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、デカニル(メタ)アクリレ−ト、ウンデカニル(メタ)アクリレ−ト、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMA((メタ)アクリル酸のC12〜C18アルキルエステルの混合物;日本油脂(株)製)などが挙げられる。脂肪族系化合物を含む溶剤に対する溶解性を向上されるという点から、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ−ト、オクチル(メタ)アクリレ−ト、ノニル(メタ)アクリレ−ト、デカニル(メタ)アクリレ−ト、ウンデカニル(メタ)アクリレ−ト、ラウリルメチル(メタ)アクリレ−ト、パルミトイル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレ−ト、ブレンマ−SLMAが好ましい。
【0058】
これらの共重合可能モノマ−(a−3 )成分は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0059】
使用量としては、単量体成分中1〜70重量%が例示できる。重合時および希釈時の溶剤に対する溶解性よおび重合安定性の点から、5〜60重量%が好ましい。特に、10〜50重量%がさらに好ましい。
【0060】
前記共重合可能なモノマ−(a−4)成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレート、3,3,5,−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル誘導体が挙げられる。それ以外の共重合性のモノマ−としては、スチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。
【0061】
これらの共重合可能モノマ−(a−4)成分は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0062】
前記(a−2)、(a−3)と(a−4)成分の使用量の合計は、加水分解性シリル基含有ビニル系単量体(a−1)成分の種類および使用量に応じて適宜調整すればよいが、通常用いる単量体成分の40〜99重量%、さらには50〜97重量%、とくには60〜95重量%であるのが好ましい。
【0063】
なお、モノマー(a−4)として、アミン、カルボン酸、スルホン酸、リン酸系の基を有する極性モノマーを用いる場合には、重合時の架橋反応を抑えるために、その使用量を単量体成分の5重量%以下となるようにすることが望ましい。
【0064】
本発明においては、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐候性、耐溶剤性、耐衝撃性等を向上させる目的で、ビニル系共重合体の50%を超えない範囲で、ウレタン結合やシロキサン結合により形成されたセグメントを、ビニル系共重合体主鎖中に含まれるように使用してもよい。
【0065】
本発明に用いられるビニル系共重合体は、前記モノマー(a−1)、モノマー(a−2)、モノマー(a−3)、モノマー(a−4)等を含有する共重合成分から、例えば特開昭54−36395号公報、特開昭57−55954号公報等に記載の方法によって製造することができるが、合成の容易さ等の点からアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法によって製造するのが好ましい。
【0066】
前記エポキシ化合物(B)としてはエポキシ基を含有する化合物であれば特に制限はないが、エポキシ樹脂、多価アルコールのグリシジルエーテル、エポキシシランがあげられ、具体例としては、エピクロルヒドリン−ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリン−ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、エピコート828等のエピコートシリーズ(油化シェルエポキシ(株))、エポライト40E等のエポライトシリーズ(共栄社油脂化学工業(株))、エピオールE−1000(日本油脂(株)製)等の各種アルキルグリシジルエーテルやβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の各種エポキシシラン類が挙げられる。
【0067】
中でも、数平均分子量が1500以下好ましくは1000以下、更には500以下のエポキシ化合物が好ましく、分子量が大きい場合には、上記ビニル系共重合体(A)への溶解性が低下し、外観を損ねる場合がある。 特に、エポキシシラン類が、付着性がさらに向上する点からより好ましい。
【0068】
また、グリシジル(メタ)アクリレート等のビニル基含有エポキシ化合物を用いれば、樹脂(A)中にエポキシ基を導入することができる。エポキシ基が導入された樹脂(A)を用いた場合は、(B)成分を更に用いないでも良いし、(A)成分より分子量の小さい(B)成分を用いても良い。
【0069】
エポキシ化合物(B)の配合量としては、ビニル系重合体(A)100重量部あたり0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。10重量部以上の場合には、耐水性、耐候性が低下する場合がある。
【0070】
エポキシ化合物を配合することにより、貯蔵安定性が改良され、また、貯蔵後の塗膜特性の低下の問題のないエナメルあるいは塗料を得ることが出来る。
【0071】
エポキシ化合物(B)の配合時期としては、架橋剤(F)およびまたは有機金属化合物(G)を配合する前がよく、好ましくは、顔料(C)を分散混合時あるいはその前がよい。それより後の混合では、安定性や保存後の塗膜外観が低下する場合がある。
【0072】
前記有機溶剤(D)は、非反応性のものであればよく、例えばトルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のエーテル類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類等が挙げられる。
【0073】
これらの溶剤のうち特に好ましい溶剤としては労働安全衛生法の第3種有機溶剤および第3種有機溶剤に相当する溶剤であり、脂肪族炭化水素を含有するものが挙げられる。具体的には、SWA#310(丸善石油(株)製)、HAWS(シェル化学(株)製)、Aソルベント(日本石油(株)製)、ペガソ−ルAN45(エクソン・モービル(株)製)、LAWS(シェル化学(株)製)、エクソンナフサNo.5、エクソンナフサNo.3(エクソン化学(株)製)、アイソパ−E、アイソパ−G(日本石油(株)製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028(出光石油(株)製)、エクソ−ルD40、エクソ−ルD80(エクソン化学(株)製)などが挙げられる。
【0074】
また、前記有機溶剤(D)を使用した溶液重合の際には、必要に応じて、たとえばN−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリエトキシシラン、(CH3O)3Si−S−S−Si(OCH33,(CH3O)3Si−S8−Si(OCH33などの連鎖移動剤を単独または2種以上併用することにより、得られる樹脂(A)成分の分子量を調整してもよい。特に、たとえばγーメルカプトプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基を分子中に有する連鎖移動剤を用いた場合には、樹脂(A)成分の末端に反応性シリル基を導入することができるので好ましい。かかる連鎖移動剤の使用量は、用いる単量体成分100重量部あたり0.05〜10重量部、なかんづく0.1〜8重量部であることが好ましい。
【0075】
このようにして得られた樹脂(A)成分は、本発明の組成物を用いて形成される塗膜の耐久性などの物性が優れるという点から、アクリル系共重合体部分の数平均分子量が、1000〜30000、なかんずく3000〜25000であることが好ましい。
【0076】
前記顔料(C)の具体例としては、通常塗料に用いられるたとえば酸化チタン、群青、紺青、亜鉛華、ベンガラ、黄鉛、鉛白、カーボンブラック、透明酸化鉄、アルミニウム粉などの無機顔料、アゾ系顔料、トリフェニルメタン系顔料、キノリン系顔料、アントラキノン系顔料、フタロシアニン系顔料などの有機顔料などが挙げられる。
【0077】
本発明に用いられる(E)成分である一般式(II)
(R3O)4-b−Si−R4 b (II)
で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物は、得られる硬化性組成物を用いて形成される塗膜の耐汚染性を向上させる成分である。
【0078】
上記一般式(II)において、R3、R4は、水素原子または炭素数1〜10、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれた1価の炭化水素基であり、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。また、bは0または1であり、同一分子内に(R3O)基が4〜3個存在するが、同一分子内に存在するそれぞれの(R3O)基は同じである必要はない。
【0079】
前記シリコン化合物の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケート、テトラt−ブチルシリケート等のテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、メチルトリフェノキシシラン等のアルキルトリアリールオキシシラン等のトリアルコキシシランまたはトリアリールオキシシラン等が挙げられる。
【0080】
また、前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物としては、例えば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシラン、トリアリールオキシシラン等に水を添加し、部分加水分解させて縮合させたもの、または前記テトラアルキルシリケート、アルコール系溶剤中、酸性物質と水の存在下、加水分解したものが挙げられる。
【0081】
その具体例としては、例えばMS51、ESi40、ESi48、HAS−1、HAS−10(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56(三菱化学(株)製)、シリケート45、シリケート48(以上、多摩化学(株)製)等のテトラアルキルシリケート部分加水分解縮合物や、例えばAFP−1(信越化学工業(株)製)等のトリアルコキシシラン部分加水分解縮合物等が挙げられる。
【0082】
上記(E)成分は単独で用いてもよく2種以上併用してもよいが、(A)成分と(E)成分との相溶性、得られる組成物の硬化性および該組成物を用いて形成される塗膜の硬度が高いことにより汚染物質の定着を抑制するという点から、ESI28、MS51、MS56、HAS−1等のテトラアルキルシリケートおよび/またはテトラアルキルシリケートの部分加水分解縮合物が好ましい。
【0083】
(E)成分の使用量は(A)成分の固形分100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは10〜80重量部である。(E)成分が1重量部未満の場合には耐汚染性の効果が充分でなく、100重量部を超える場合には耐衝撃性が低下する。
【0084】
本発明の組成物には、(A)成分に対して架橋剤としてイソシアナ−ト基を2個以上有する化合物(F)成分が含有される。
【0085】
前記、イソシアナ−ト基を2個以上有する化合物としては、脂肪族系もしくは芳香族系のものが挙げられる。
【0086】
脂肪族系多官能性イソシアナ−トの具体例として、常温硬化用でヘキサメチレンジイソシアナ−ト、ジシクロヘキシルメタン4,4‘−イソシアナ−ト、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナ−ト、イソフォロンジイソシアナ−トがあり、構造としては単量体、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレ−ト型がある。
【0087】
加熱硬化用としてはブロックタイプのものがある。そのブロック剤としてはメチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、n−プロピルアルコ−ル、イソ−プロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、sec−ブチルアルコ−ル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、ベンジルアルコ−ル、フルフリルアルコ−ル、シクロヘキシルアルコ−ル、フェノ−ル、o−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、p―クレゾ−ル、p−tert−ブチルフェノ−ル、チモ−ル、p−ニトロフェノ−ル、β―ナフト−ルなどがある。また、芳香族多官能性イソシアナ−トとしては、2,4―トリレンジイソシアナ−ト、2,6―トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタン−4,4‘−ジイソシアナ−ト、キシレンジイソシアナ−ト、ポリメチレン−ポリフェニレル−ポリイソシアナ−ト、などがある。これにも、ビュレット型、ウレジオ型、イソシアヌレ−ト型がある。
【0088】
これらの化合物は、2種以上混合して用いることもできる。
【0089】
前記、イソシアナ−ト化合物(F)成分の使用量は、(A)および(H)成分中の水酸基に対してイソシアネート基が0.3〜2等量、好ましくは0.5〜1.5等量である。(F)成分が0.3等量の場合には、得られる組成物の初期硬化性や有機塗膜への付着性が低下するようになり、また2等量を超えると、該組成物を用いて得られた塗膜に未反応のイソシアナ−ト基が残存し、耐候性の低下や塗り重ね時にちぢみを生じる原因となる。
【0090】
有機金属化合物(G)の中では、錫系化合物の場合が塗膜の硬化性の点から好ましい。また、貯蔵安定性と硬化活性を考慮して分子内にS原子を有する化合物が更に好ましい。
【0091】
前記錫化合物の具体例としては、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジオクチル錫オキサイドまたはジブチル錫オキサイドとシリケ−トとの縮合物、ジブチル錫ジオクトエ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、ジブチル錫ジステアレ−ト、ジブチル錫ジアセチルアセトナ−ト、ジブチル錫ビス(エチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(ブチルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキシルマレ−ト)、ジブチル錫ビス(オレイルマレ−ト)、スタナスオクトエ−ト、ステアリン酸錫、ジ−n−ブチル錫ラルレ−トオキサイドがある。また、分子内にS原子有する錫化合物としては、ジブチル錫ビスイソノニル−3―メルカプトプロピオネ−ト、ジオクチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、オクチルブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプトプロピオネ−ト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−ト、ジオクチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−ト、オクチルブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トなどが挙げられる。
【0092】
前記錫化合物のうちでは、分子内にS原子を有する化合物が、イソシアナ−トを配合した場合の貯蔵安定性および可使時間が良好であることから好ましく、特に、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メルカプト、ジブチル錫ビスイソオクチルチオグルコレ−トが硬化性と貯蔵安定性、可使時間のバランスの点から好ましい。
【0093】
前記硬化触媒(G)成分は単独でもよく、また、2種類以上併用してもよい。
【0094】
前記(G)成分の使用量は、(A)成分100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは、0.1〜8重量部、より好ましくは0.3〜5重量部である。さらに、有機金属化合物(G)成分の量が10重量部を超えると、該組成物を用いて形成した塗膜の表面光沢など外観性の低下傾向が認められるので好ましくない。
【0095】
また、前記ビニル系共重合体には、水酸基含有アクリル樹脂(H)を配合することができる。
【0096】
水酸基含有アクリル樹脂(H)の具体例としては特に制限はなく、ポリウレタン技術分野において一般的に使用されるアクリルポリオールを意味し、硬化剤であるポリイソシアネートと反応するものであればよい。
【0097】
特に、非水分散型の樹脂を使用すれば、垂れ性等の作業性が向上するという点で好ましい。
【0098】
前記の安定剤として配合される単官能イソシア−ト化合物(I)成分としては、イソシアン酸、メチルイソシアナ−ト、エチルイソシアナ−ト、イソプロピルイソシアナ−ト、ヘキシルイソシアナ−ト、ビニルイソシアナ−ト、イソプロペニルイソシアナ−ト、フェニルイソシアナ−ト、トリルイソシアナ−ト、ニトロフェニルイソシアナ−ト、ナフチルイソシアナ−ト、トシルイソシアナ−トなどが挙げられるが、脱水能力および化合物自体の安定性の点からヘキシルイソシアナ−ト、トリルイソシアナ−ト、トシルイソシアナ−トが好ましい。中でも脱水効果の持続性の点からトシルイソシアナ−トが特に好ましい。これらは、単独または2種類以上併用することができる。それによって、硬化剤が脱水され、ポリイソシアナ−ト、有機金属化合物、単官能イソシアナ−ト化合物を混合した場合の貯蔵安定性が飛躍的に向上する。
【0099】
前記単官能イソシアナ−ト化合物(I)成分の配合量としては有機金属化合物(G)100重量部に対して1〜1000重量部が好ましく、10〜500重量部がより好ましく、50〜200重量部がさらに好ましい。
【0100】
前記樹脂(A)成分およびシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(E)成分には、さらに脱水剤を配合することによって、組成物の保存安定性を長期間にわたって優れたものにすることができる。
【0101】
前記脱水剤の具体例としては、たとえばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸トリメチル、オルトプロピオン酸トリエチル、オルトイソプロピオン酸トリメチル、オルトイソプロピオン酸トリエチル、オルト酪酸トリメチル、オルト酪酸トリエチル、オルトイソ酪酸トリメチル、オルトイソ酪酸トリエチルなどの加水分解性エステル化合物;または、ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシブタンなどが挙げられる。この中では、脱水効果の点から、オルト酢酸メチルが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0102】
前記脱水剤は、(A)成分と(E)成分の合計100重量部に対して100重量部以下好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下で好ましく使用される。
【0103】
また、樹脂(A)成分を重合する前の成分に加えてもよく、樹脂(A)成分の重合中に加えてもよく、また、得られた樹脂(A)成分とそのほかの成分との混合時に加えてもよく特に制限はない。
【0104】
また、本発明の床用塗料硬化性組成物には、通常塗料に用いられる希釈剤、紫外線吸収剤、光安定剤、タレ防止剤、レベリング剤などの添加剤;ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
【0105】
本発明の床用塗料硬化性組成物は、たとえば、ローラー、吹き付け、刷毛、などを用いて塗装するものであり、通常、常温でそのまま硬化せしめる。
本発明は、床用塗料硬化性組成物は、たとえば、コンクリ−ト、木材、プラスチック系の床材及びその上にエポキシ系、ウレタン系、アクリル系の塗料が塗布されたものへの塗装に好適に使用される。
【0106】
次に、本発明の床用塗料硬化性組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例 ビニル系重合体の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロ−トを備えた反応器に表1の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、表1の(ア)成分の混合物を滴下ロ−トから5時間かけて等速滴下した(単量体成分は重量%を示す。他の成分は単量体成分100重量部あたりの重量部を示す。)。次に、(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き、110℃で2時間攪拌した後に、室温まで冷却した。最後に表1の(エ)成分続いて(オ)成分を加えて攪拌した。
【0107】
得られた水酸基および加水分解性シリル基含有ビニル系重合体(A−1〜5)の固形分濃度、GPCで測定した数平均分子量を表1に示した。
製造例 硬化剤の製造
表2の溶剤(D)成分に(G)成分を添加攪拌混合した。続いて、(I)成分を攪拌混合した後30分間静置し系中の脱水を行った。最後に、(F)成分を攪拌混合して硬化剤(G−1〜3)を作成した。(配合量は重量部を示す。)
硬化性樹脂を用いた白エナメルした処方
表1で得られた塗料用樹脂(A−1〜5)(固形分濃度は50重量%に調整)に表3に示すミルベース成分を順次添加し、ガラスビ−ズを用いてサンドミルで60℃で2時間分散させた。次に、カットバック成分を添加し、開放下、1500回転で30分間攪拌し、表3に示す白エナメル(AW−1〜AW−11)を得た。(配合量は重量部を示す。)
エナメル貯蔵安定性
得られた白エナメル(AW−1〜AW−11)を塗料缶に詰め、密閉での貯蔵安定性を50℃雰囲気下2週間保存後で評価した。評価は、粘度変化で実施し、測定は23℃条件下ストーマー粘度計で測定した。結果を表4示した。
塗膜物性
得られた白エナメル(AW−1〜AW−9)に硬化剤(G)成分を表5に示すように配合し(重量部)、さらにシンナ−を20重量部添加して攪拌機を用いて5分間攪拌して塗料を得た。比較には、市販の床用ウレタン塗料を用いた。
(イ)水蒸気透過性試験
23℃×50%で14日、30日養生時の塗膜を用いて、JISK5400記載の方法に従って測定を実施した。試験結果を表5に記載した。
(ロ)付着試験
コンクリートモルタル平板、アクリル板、エポキシ板上に各種塗料を塗布し、23℃×50%で7日養生後、下地への密着性を確認した。
【0108】
付着性の確認は、JISK5400記載の方法に従って25マスをカッタ−にて切り込み、ガムテ−プによるピ−リング性を評価した。試験結果を表5に記載した。
(ハ)塗膜外観
50℃雰囲気下2週間保存前後の白エナメルに硬化剤および一部の比較例にはエポキシ化合物を配合した各種塗料をガラス板上に塗布し、23℃×50%で7日養生後、60°光沢を測定した。結果を表6に記載した。(配合量は重量部を示す。)表6の結果から、エナメル作成時あるいはそれ以前からエポキシ化合物を配合した塗料用樹脂組成物を用いると、保存後でも塗膜特性の低下あるいは変化の少ない塗料が得られることが判る。
【0109】
【表1】
Figure 0004294944
【0110】
【表2】
Figure 0004294944
【0111】
【表3】
Figure 0004294944
【0112】
【表4】
Figure 0004294944
【0113】
【表5】
Figure 0004294944
【0114】
【表6】
Figure 0004294944
【0115】
発明の効果
加水分解性シリル基および水酸基を含有するアクリル共重合体と、多官能性イソシアナ−トと反応性させ、シロキサン結合とウレタン結合を有する複合塗膜を形成させることで、、床用塗料として要求される意匠性、耐溶剤性、耐薬品性、付着性、美観などを維持しつつ、有機、無機下地への密着性をさらに向上させ、また、エポキシ化合物を含有させることで、長期の貯蔵安定性を確保することに成功した。

Claims (19)

  1. 主鎖が実質的にビニル系共重合体鎖からなり、主鎖末端および/または側鎖に 一般式(I):
    Figure 0004294944
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、Rは水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0〜2の整数を示す)で表される炭素原子に結合した加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個有すると共に、かつ、主鎖末端および/または側鎖にアルコール性水酸基を少なくとも1個有するビニル系共重合体(A)成分100重量部、エポキシ化合物(B)成分0.01〜10重量部、顔料(C)、有機溶剤(D)を予め主剤として混合することを特徴とする床用塗料硬化性組成物。
  2. 前記組成物に、一般式(II)
    (RO)4−b−Si−R (II)
    (式中、Rは、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜10のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表されるシリコン化合物及び/またはその部分加水分解縮合物(E)を、前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.1〜100重量部配合してなる請求項1記載の床用塗料硬化性組成物。
  3. 前記組成物に架橋剤としてイソシアナート基を2個以上含有する化合物(F)成分を前記樹脂(A)成分100重量部に対して、1〜100重量部配合してなる請求項1〜2のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  4. 前記組成物に硬化触媒として有機金属化合物(G)成分を前記樹脂(A)成分100重量部に対して、0.01〜10重量部配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  5. 前記ビニル系重合体(A)に水酸基含有アクリル樹脂(H)成分を配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  6. 前記エポキシ化合物(B)成分がエポキシシラン化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  7. 前記組成物に用いる溶剤(D)成分が第3種有機溶剤であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  8. 単官能イソシアナ−ト化合物(I)成分を前記有機金属化合物(G)成分100重量部に対して1〜1000重量部配合してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  9. 有機金属化合物(G)成分として有機錫化合物を配合することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  10. 有機金属化合物(G)成分として分子内にS原子を含有する錫系化合物を配合することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  11. 水酸基含有アクリル樹脂(H)成分として非水分散型樹脂を配合することを特徴とする請求項1〜10のいずれに記載の床用塗料硬化性組成物。
  12. 前記(A)成分が炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体を単量体成分中1〜70重量%用いて得られることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を用い、塗膜の水蒸気透過度が40〜200g/m・24hであることを特徴とする床用塗膜の形成方法。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を被塗物に直接塗装することを特徴とする床用塗膜の形成方法。
  15. 請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を被塗物に塗装された塗膜上に塗装することを特徴とする記載の床用塗膜の形成方法。
  16. 被塗物に塗装された塗膜がエポキシ系及びアクリル系であることを特徴とする請求項15に記載の床用塗膜の形成方法。
  17. 請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を被塗物に直接塗装することを特徴とする請求項13記載の床用塗膜の形成方法。
  18. 請求項1〜12のいずれかに記載の床用塗料硬化性組成物を被塗物に塗装された塗膜上に塗装することを特徴とする請求項13に記載の床用塗膜の形成方法。
  19. 被塗物に塗装された塗膜がエポキシ系及びアクリル系であることを特徴とする請求項18に記載の床用塗膜の形成方法。
JP2002345113A 2002-11-28 2002-11-28 床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法 Expired - Fee Related JP4294944B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002345113A JP4294944B2 (ja) 2002-11-28 2002-11-28 床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002345113A JP4294944B2 (ja) 2002-11-28 2002-11-28 床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004176442A JP2004176442A (ja) 2004-06-24
JP4294944B2 true JP4294944B2 (ja) 2009-07-15

Family

ID=32706372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002345113A Expired - Fee Related JP4294944B2 (ja) 2002-11-28 2002-11-28 床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4294944B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050896A (ja) * 2006-08-28 2008-03-06 Matsushita Electric Works Ltd 溝加工床材およびその加工方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04202478A (ja) * 1990-11-30 1992-07-23 Nippon Oil & Fats Co Ltd 1液型硬化組成物
JP3633345B2 (ja) * 1999-03-11 2005-03-30 エスケー化研株式会社 床仕上方法
JP4943572B2 (ja) * 1999-04-14 2012-05-30 株式会社カネカ 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP4695749B2 (ja) * 2000-10-25 2011-06-08 株式会社カネカ 床用塗料硬化性組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP2003268323A (ja) * 2002-03-14 2003-09-25 Kansai Paint Co Ltd 建築外壁用粘着シート
JP4334206B2 (ja) * 2002-11-28 2009-09-30 株式会社カネカ 塗料用硬化性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004176442A (ja) 2004-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4943572B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP4943571B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP5376741B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP3954721B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP4688258B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP4334188B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物。
JP4334206B2 (ja) 塗料用硬化性樹脂組成物
JP4294944B2 (ja) 床用塗料硬化性組成物および床用塗膜の形成方法
JP5047670B2 (ja) 硬化性樹脂組成物および該硬化性樹脂組成物を塗布してなる塗装物
US6383648B1 (en) Curable composition for topcoating and articles coated therewith
JP3702381B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性組成物及びそれを塗布してなる塗装物
JP4772937B2 (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP3703966B2 (ja) 塗料調製方法
JP2001131463A (ja) 塗料用硬化性樹脂組成物
JP4647765B2 (ja) 顔料分散用樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP4256608B2 (ja) 顔料分散用樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP2008169398A (ja) 床用塗料硬化性組成物およびそれを用いた床用塗膜の形成方法
JP5220249B2 (ja) 塗料用硬化性樹脂組成物および該組成物を塗布してなる塗装物
JP4790140B2 (ja) 塗料用硬化性組成物及び塗装物
JP4807904B2 (ja) フィルム塗装物
JP2008144178A (ja) 上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物
JP2002226789A (ja) 耐汚染性塗料組成物
JP5225538B2 (ja) 弱溶剤型塗料用樹脂組成物および顔料分散方法
JP2004002611A (ja) 弾性上塗り塗料用硬化性樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物。
JP4659794B2 (ja) 顔料分散用樹脂組成物およびそれを塗布してなる塗装物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080704

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090409

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4294944

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140417

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees