JP7042961B1 - 二次電池用圧延銅箔、並びにそれを用いた二次電池負極及び二次電池 - Google Patents

二次電池用圧延銅箔、並びにそれを用いた二次電池負極及び二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理後にも高い強度を保つ耐熱性を有する二次電池用圧延銅箔を提供すること。【解決手段】Zrを0.05~0.15重量%、酸素を0.05重量%以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる二次電池用圧延銅箔であって、350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPa以上であり、前記熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率が15%以下である二次電池用圧延銅箔。【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池用圧延銅箔、並びにそれを用いた二次電池負極及び二次電池に関する。
二次電池、特にリチウムイオン二次電池はエネルギー密度が高く、比較的高い電圧を得ることができるという特徴を有し、ノートパソコン、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話等の小型電子機器に多用されている。また、リチウムイオン二次電池は、電気自動車や一般家庭の分散配置型電源といった大型機器の電源としても利用が始められており、他の二次電池と比較して軽量でエネルギー密度が高いことから、各種の電源を必要とする機器で広く使用されている。
リチウムイオン二次電池の電極体は一般に、巻回構造又は各電極が積層されたスタック構造を有している。リチウムイオン二次電池の正極は、アルミニウム箔製の集電体とその表面に設けられたLiCoO2、LiNiO2及びLiMn24等のリチウム複合酸化物を材料とする正極活物質から構成され、負極は銅箔製の集電体とその表面に設けられたカーボン等を材料とする負極活物質から構成されるのが一般的である。
例えば、特許文献1(特開2016-191139号公報)には、Ti及びZrの群から選ばれる1種以上を合計100~500重量ppm含有し、酸素濃度が50重量ppm以下であり、350℃で1時間の熱処理後のJIS-Z2241に従う圧延方向と平行な引張強度が350MPa以上で、かつ該熱処理後の導電率が90%IACS以上であり、熱処理の前後で、引張強度の変化率が10%以下であり、銅箔表面の1000μm2の範囲に長径1μm~5μmのZrまたはTiの介在物が10個以下であることを特徴とする二次電池用圧延銅箔が開示されている。この二次電池用圧延銅箔は、強度、耐熱性及び導電性に優れていると開示されている。
また、特許文献2(特開2019-077891号公報)には、圧延平行方向の引張強さが600MPa以上、破断伸びが2.0%以上、かつ、圧延直角方向の引張強さが640MPa以上、破断伸びが3.5%以上である二次電池用圧延銅箔が開示されている。この二次電池用圧延銅箔は、活物質の体積変化に伴う応力の発生などによる銅箔の破断を良好に抑制できると開示されている。
特開2016-191139号公報 特開2019-077891号公報
ところで、次世代のリチウムイオン二次電池として、Si系活物質の高濃度化が望まれており、用途によってはSi系活物質の濃度が現在のものよりも大幅に上昇するものが必要になる。Si系活物質は充放電時の体積変化率が大きいため、集電体銅箔と強く密着させるために、溶剤系バインダーを使用するのが一般的である。溶剤系バインダーの種類によっては、乾燥温度は最大で350℃にも達し、かつ2~3時間程度の長時間化となるケースがあるので、従来の二次電池用圧延銅箔では、耐熱性が足りないと、その強度を維持することができない。
そして、その結果として、二次電池用圧延銅箔の軟化や強度不足に起因して、充放電初期の電池外観のシワや膨れ、あるいは充放電サイクル後の特性劣化(形状寸法変化、Li析出に伴う電池容量劣化)が発生する問題がある。そのため、耐熱性を向上させることによって、二次電池用圧延銅箔の強度低下を抑制する必要がある。
本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、一実施形態において、熱処理後にも高い強度を保つ耐熱性を有する二次電池用圧延銅箔を提供することを課題とする。本発明は別の実施形態において、そのような二次電池用圧延銅箔を用いた二次電池負極及び二次電池を提供することを課題とする。
本発明者が鋭意検討した結果、Zrを従来技術より高濃度で添加することで、苛酷な熱処理条件で熱処理しても熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率の低い二次電池用圧延銅箔を得ることができることを見出した。本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下に例示される。
[1]
Zrを0.05~0.15重量%、酸素を0.05重量%以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる二次電池用圧延銅箔であって、
350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPa以上であり、前記熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率が15%以下である二次電池用圧延銅箔。
[2]
前記熱処理後の圧延平行方向の引張強さが550MPa以上である、[1]に記載の二次電池用圧延銅箔。
[3]
銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径1μm~5μmのZrの介在物のZr濃度あたり個数が0.05/(5000μm2・重量ppm)以下である、[1]又は[2]に記載の二次電池用圧延銅箔。
[4]
銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径5μmを超えるZrの介在物のZr濃度あたり個数が0/(5000μm2・重量ppm)である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の二次電池用圧延銅箔。
[5]
厚みが10μm以下である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の二次電池用圧延銅箔。
[6]
前記熱処理後の導電率が60%IACS以上である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の二次電池用圧延銅箔。
[7]
[1]~[6]のいずれか一項に記載の二次電池用圧延銅箔を有する二次電池負極。
[8]
[1]~[6]のいずれか一項に記載の二次電池用圧延銅箔を有する二次電池。
本発明によれば、熱処理後にも高い強度を保つ耐熱性を有する二次電池用圧延銅箔、並びにそのような二次電池用圧延銅箔を用いた二次電池負極及び二次電池を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(二次電池用圧延銅箔の組成)
本実施形態の二次電池用圧延銅箔は、Zrを0.05~0.15重量%含有する。Zrの含有量が0.05重量%未満であると耐熱性が十分ではなく、後述の熱処理後の銅箔の引張強さの低下が顕著になる。この観点から、Zrの含有量は0.05重量%を超えることが好ましく、0.06重量%以上であることがより好ましく、0.07重量%以上であることがさらにより好ましく、0.08重量%以上であることがさらにより好ましい。
Zrの含有量が0.15重量%を超えると、Cu-Zr金属化合物と平衡状態になるため、析出物が粗大化しやすく、圧延工程においてピンホールが発生しやすく、製造性に懸念が生じる。この観点から、Zrの含有量は0.14重量%以下であることが好ましく、0.13重量%以下であることがより好ましく、0.12重量%以下であることがさらにより好ましく、0.11重量%以下であることがさらにより好ましい。
本発明の二次電池用圧延銅箔の材料、すなわちZrを含有させるベースの銅としては、JIS-H3100-C1100(2018)に規格するタフピッチ銅、又は、JIS-H3100-C1020(2018)に規格する無酸素銅が好ましい。これらの組成は純銅に近いため、銅箔の導電率が低下せず、集電体に適する。銅箔に含まれる酸素濃度は、タフピッチ銅の場合は0.05重量%(すなわち、500重量ppm)以下、無酸素銅の場合は0.001重量%(すなわち、10重量ppm)以下である。酸素含有量の下限は特に限定されないが、典型的には1重量ppm以上である。
本発明に係る銅箔は、工業的に使用される銅で形成されており、不可避的不純物を含んでいる。この不可避的不純物としてのP、Fe、Mg、S、Ge及びTiは、微少量存在していても、銅箔の曲げ変形によって結晶方位が回転し易くなり、剪断帯も入り易く、集電体が曲げ変形を繰返した時にクラックや破断が発生しやすくなるため好ましくない。このため、本発明に係る銅箔は、不可避的不純物としてのP、Fe、Mg、S、Ge及びTiからなる群から選択された1種又は2種以上を合計で0.002重量%以下に制御することが好ましい。
なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとし、「タフピッチ銅及び無酸素銅」を単独で用いたときにはタフピッチ銅及び無酸素銅をベースとした銅合金箔を含むものとする。
(二次電池用圧延銅箔の引張強さ)
本実施形態の二次電池用圧延銅箔の特徴の一つは、350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPa以上であり、熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率が15%以下であるということである。
本発明において、引張強さとは、常温(23℃)において、IPC-TM-650 Test Method 2.4.18(2012)に基づく引張強さ試験を圧延平行方向において実施した場合の値を意味する。350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さとは、350℃で3時間の加熱後、常温(23℃)まで空冷してからIPC-TM-650 Test Method 2.4.18(2012)に基づく引張強さ試験を圧延平行方向において実施した場合の値を意味する。熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率とは、熱処理前の圧延平行方向の引張強さに対する、熱処理後の圧延平行方向の引張強さの変化量の絶対値の比率を意味する。通常、ある一定以上の熱処理により圧延平行方向の引張強さは低下する。
本実施形態の二次電池用圧延銅箔は、350℃×3時間という過酷な条件で熱処理された後でも、圧延平行方向において500MPa以上の引張強さを示す。また、熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率が15%以下である。これにより、Si系活物質を多く含む二次電池において、溶剤系バインダーの乾燥などにより熱履歴を受けても、高い引張強さを維持することができ、初期充放電時のシワや変形、充放電サイクル後のLi析出、電池容量劣化、形状寸法変化などの問題の発生を抑制することができる。この観点から、二次電池用圧延銅箔の350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さは510MPa以上であることが好ましく、520MPa以上であることがより好ましく、530MPa以上であることがさらにより好ましく、540MPa以上であることがさらにより好ましく、550MPa以上であることがさらにより好ましい。
同様の観点から、二次電池用圧延銅箔は、熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率が14%以下であることが好ましく、13%以下であることがより好ましく、12%以下であることがさらにより好ましく、11%以下であることがさらにより好ましい。
(Zrの介在物の個数)
本実施形態の二次電池用圧延銅箔は、銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径1μm~5μmのZrの介在物のZr濃度あたり個数が0.05/(5000μm2・重量ppm)以下であることが好ましい。Zrの介在物は、通常は酸化物である。上記介在物が多いと、圧延工程においてピンホールや銅箔の破断が発生するリスクが上昇し、高加工度での圧延が困難となり、高強度化の観点から好ましくない。また、上記介在物が多いと、電極活物質を塗着して電池を組み立てた後に介在物が脱落して電池の動作に不具合を生じる恐れがある。
以上の観点から、銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径1μm~5μmのZrの介在物のZr濃度あたり個数が0.04/(5000μm2・重量ppm)以下であることがより好ましく、0.03/(5000μm2・重量ppm)以下であることがさらにより好ましい。
また、本実施形態の二次電池用圧延銅箔は、銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径5μmを超えるZrの介在物のZr濃度あたり個数が0/(5000μm2・重量ppm)であることが好ましい。粗大な介在物の個数を極力減らすことにより、高加工度での圧延が可能となり、高強度化を実現しやすくなる。
二次電池用圧延銅箔の銅箔表面のZrの介在物を低減させる方法は特に限定されないが、例えば、二次電池用圧延銅箔の原料である銅合金インゴット中の酸素濃度を低減させる方法、アルゴンなどの不活性雰囲気下でインゴットを溶解鋳造する方法、溶解中に生じた介在物を分離させて除去する方法などを採用することができる。分離方法は特に限定されないが、必要とされる介在物のレベルに応じて、遠心分離、浮上分離、吸着剤分離などの公知の手段の1つまたは複数以上を採用することができる。
Zrの介在物の個数は、350℃×3時間の熱処理の前後で変化し得るので、熱処理前に測定したものとする。なお、Zrの介在物の長径の測定方法は後述する。
(二次電池用圧延銅箔の厚み)
本実施形態の二次電池用圧延銅箔は、厚みが10μm以下であることが好ましい。厚みを10μm以下とすることにより、電池の単位重量あたりのエネルギー密度を高めることができる。二次電池用圧延銅箔の厚みに特に下限は無いが、例えば5μm以上とすることで、ハンドリング性をよくすることができる。
(二次電池用圧延銅箔の導電率)
本実施形態の二次電池用圧延銅箔は、350℃×3時間の熱処理後の導電率が60%IACS(International Annealed Copper Standard)以上であることが好ましい。これにより、二次電池用圧延銅箔を電子材料として有効に用いることができる。二次電池用圧延銅箔の350℃×3時間の熱処理後の導電率は、70%IACS以上であることがより好ましく、80%IACS以上であることがさらにより好ましい。なお、導電率はJIS H0505(2018)に準拠して測定することができる。
(二次電池用圧延銅箔の製造方法)
本実施形態の二次電池用圧延銅箔の製造方法は特に限定されないが、一般的に圧延銅箔はインゴットを鋳造後、熱間圧延し、次に焼鈍と冷間圧延とを適宜繰り返し、最終冷間圧延して製造される。各工程の間または各工程中に適宜酸洗を挟む場合もある。
そして、最終冷間圧延工程のトータル加工度を高くすることが、二次電池用圧延銅箔の高強度化に有利である。また、最終冷間圧延工程のトータル加工度を高くすることにより熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率の低減及び導電率の向上の効果を高めることができる。本発明の一実施形態において、最終冷間圧延工程のトータル加工度ηは6.0以上であることが好ましく、最終冷間圧延工程のトータル加工度ηは6.5以上であることがより好ましい。
最終冷間圧延工程のトータル加工度ηは、下記式で示される。
η=ln(T0/T1
式中、T0:最終冷間圧延工程前における材料の厚さ、T1:最終冷間圧延工程終了時点における材料の厚さ。
(二次電池負極及び二次電池)
本実施形態の二次電池用圧延銅箔は、集電体として、二次電池負極に好適に使用することができる。したがって、本発明は別の側面において、本発明の二次電池用圧延銅箔を含む二次電池負極又は二次電池である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、ここでの説明は単なる例示を目的とするものであり、それに限定されることを意図するものではない。
表1の実施例1及び比較例1~5に示される組成を有するインゴットを用いて銅箔を製造した。最終冷間圧延工程におけるトータル加工度は表1に示される加工度ηとした。なお、比較例4は熱間圧延後の段階で大量のZr介在物が観察されたため、最終冷間圧延工程を実施しなかった。
なお、実施例1と比較例1及び比較例2は、インゴット製造時に上述した溶解中に生じた介在物を分離させる方法を適用するものであり、実施例2、3、及び比較例6は実施例1及び比較例1~5をもとにした推定例である。これらの推定例は表1及び表2の下部に記載される。
Figure 0007042961000001
このようにして得られた各試験片に対し、以下の特性評価を行った。その結果を表2に示す。
<引張強さ>
長手方向100mm、幅方向12.7mmの試験片を作製し、IPC-TM-650 Test Method 2.4.18(2012)に準拠して、引張試験機により圧延方向と平行に引張試験を行い、引張強さの測定を実施した。引張強さの数値はN=5のうち、最大値・最小値を除く3つの平均値とした。また、各例の試験片に対し、350℃×3時間の熱処理前後の両方について引張強さの測定を実施し、引張強さの数値は同様に算出した。熱処理は熱風乾燥炉にて実施した。炉内が350℃に予熱された状態で試験片を入れ、3時間経過後、直ちに炉内から試験片を取り出して空冷した。常温まで冷却後、各種評価を実施した。
<導電率>
試験片の長手方向が圧延方向と平行になるように試験片を採取し、JIS H0505(2018)に準拠し、4端子法で導電率(EC:%IACS)を測定した。各例の試験片に対し、350℃×3時間の熱処理前後の両方について導電率の測定を実施した。
<Zrの介在物の個数>
熱間圧延工程の後、及び最終冷間圧延工程の後において、Zrの介在物の個数を調査した。熱間圧延板は、圧延面を機械研磨してから電解研磨によって銅を溶出させ介在物を現出させた。最終冷間圧延工程後の銅箔は、銅箔表面を電解研磨によって銅を溶出させ介在物を現出させた。機械研磨は、#150、#600、#1200、#2400研磨紙及び3μm、1μmダイヤモンドペーストを順次使用して湿式研磨を実施した。各研磨紙、ダイヤモンドペーストでの研磨はより粗い目で実施した研磨跡が消えてなくなるまで行った。電解研磨は、専用の混合液(蒸留水250ml、エタノール125ml、リン酸125ml、プロパノール25ml、尿素2.5g)を用いて、常温、電圧10Vで10秒間実施した。その後、電界放出型走査電子顕微鏡(日本電子社製JSM-IT500HR)で観察倍率1000倍、観察視野1000μm2で反射電子像を観察し、銅箔マトリックスと色調の異なる部位を画像解析して抽出し、抽出した各部位の外周に接する平行な二直線の間隔の内、最大の値を長径とした。上記観察視野内の各粒子についてそれぞれ長径を測定し、長径1~5μmのもの、及び長径が5μmを超えるものの個数を計上した。観察は二次電子像と反射電子像のいずれで行ってもよいが、介在物を識別しやすい反射電子像での観察が好ましい。
Figure 0007042961000002
(考察)
表2から分かるように、Zrを0.05~0.15重量%含有し、最終冷間圧延工程のトータル加工度ηを6.5以上とすることにより、350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPa以上であり、熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率が15%以下である二次電池用圧延銅箔を得ることができた。
実施例2は、実施例1に対してZr含有量を0.05重量%とした推定例である。Zr含有量の減少によって引張強さは低下し、導電率は増加する。しかしながら、最終冷間圧延工程のトータル加工度ηが高いことにより熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率は15%以下となり、熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPaを十分担保できると推定される。また、銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径1μm~5μmのZrの介在物のZr濃度あたり個数は変化しないと推定される。
実施例3は、実施例1に対してZr含有量を0.15重量%とした推定例である。Zr含有量の増加によって引張強さは増加し、導電率は低下する。しかしながら、最終冷間圧延工程のトータル加工度ηが高いことにより熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率は15%以下となり、熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPaを十分担保できると推定される。また、銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径1μm~5μmのZrの介在物のZr濃度あたり個数は変化しないと推定される。
比較例1及び2は、最終冷間圧延工程のトータル加工度ηが不十分であったため、350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPa未満となった。
比較例3は、Zrの含有量が少なく、最終冷間圧延工程のトータル加工度ηも不十分であったため、350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPa未満となった。また、上述の介在物除去手段を使用していないので、比較例3ではZrの介在物の個数が多かった。
比較例4は、熱間圧延後に大量のZr介在物が発生し、最終冷間圧延工程を実施しなかった。
比較例5は、最終冷間圧延工程のトータル加工度ηが十分であったが、ZrではなくSnを含むため、耐熱性が十分ではなく、350℃×3時間の熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率が15%を超えた。
比較例6は、実施例1に対してZr含有量を0.20重量%とした推定例である。Zr含有量の増加によって引張強さは増加し、導電率は低下する。また、銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径1μm~5μmのZrの介在物のZr濃度あたり個数は変化しないと推定される。一方で介在物が粗大化しやすくなるため、銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径5μmを超えるZrの介在物のZr濃度あたりの個数は著しく増加すると推定される。
実施例1の銅箔試料を用いたリチウムイオン電池では、実使用を模擬した充放電サイクル試験において、試験後の電池セルの外観及び活物質の外観を目視で確認したところ、電池セルの膨張や活物質上に白い模様のLi析出は確認されなかった。
一方で、比較例1、及び比較例2の銅箔試料を用いたリチウムイオン電池では、充放電サイクル試験後に電池セルが膨張した箇所が複数あり、活物質上に白い模様のLi析出が確認された。

Claims (8)

  1. Zrを0.05~0.15重量%、酸素を0.05重量%以下含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる二次電池用圧延銅箔であって、
    350℃×3時間の熱処理後の圧延平行方向の引張強さが500MPa以上であり、前記熱処理前後の圧延平行方向の引張強さの変化率が15%以下である二次電池用圧延銅箔。
  2. 前記熱処理後の圧延平行方向の引張強さが550MPa以上である、請求項1に記載の二次電池用圧延銅箔。
  3. 銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径1μm~5μmのZrの介在物のZr濃度あたり個数が0.05/(5000μm2・重量ppm)以下である、請求項1又は2に記載の二次電池用圧延銅箔。
  4. 銅箔表面の5000μm2の範囲あたりにおける、長径5μmを超えるZrの介在物のZr濃度あたり個数が0/(5000μm2・重量ppm)である、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次電池用圧延銅箔。
  5. 厚みが10μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の二次電池用圧延銅箔。
  6. 前記熱処理後の導電率が60%IACS以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の二次電池用圧延銅箔。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の二次電池用圧延銅箔を集電体の原材料として二次電池負極を製造する方法
  8. 請求項1~6のいずれか一項に記載の二次電池用圧延銅箔を集電体の原材料として二次電池を製造する方法
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