JP2020132993A - アルミニウム合金箔およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電装置の製造工程および使用中において破断等の発生を低減できるアルミニウム合金箔の提供。【解決手段】アルミニウム合金箔は、以下(1)〜(5)の構成を有する。(1)Fe含有量が1.2質量%以上1.6質量%以下、Si含有量が0.5質量%以上0.9質量%以下、FeとSi含有量の合計が1.8質量%以上、Cu含有量が0.02質量%未満であって、残部がアルミニウムと不可避不純物からなる。(2)硬質時の引張強度が170N/mm2以上215N/mm2以下、伸びが4.0%以上である。(3)120℃で熱処理後の引張強度が150N/mm2以上、伸びが6.0%以上であり、160℃で熱処理後の引張強度が140N/mm2以上、200℃で熱処理後の引張強度が130N/mm2以上、伸びがともに7.0%以上である。(4)アルミニウム合金箔中に含まれるAl−Fe系、Al−Fe−Si系の金属間化合物の内、Al−Fe−Si系化合物の占める個数割合が80%以上である。(5)厚みが10μm以上20μm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は蓄電装置、特にリチウムイオン二次電池の正極集電体用として好適に使用されるアルミニウム合金箔およびその製造方法に関する。
以下、本明細書において、アルミニウム合金箔とはアルミニウム箔の内、成分中のアルミニウム濃度が99.00質量%未満のものをいう。
リチウムイオン二次電池は二次電池の中でもエネルギー密度が優れており、携帯電話やノートパソコンのバッテリーなど幅広い分野で使用されている。従来は安全性を問題視されることが多かった車載用電池といった用途においても、近年では適用されることが多くなっている。一般的にリチウムイオン二次電池の正極集電体にはアルミニウム箔、負極集電体には銅箔が使われる。各集電体表面上にはリチウム金属酸化物や炭素材料などの活物質が塗布され、上記活物質が電解液中で反応を起こし電池として動作する。
リチウムイオン二次電池の製造は一般的に下記の工程となる。まず集電体箔表面上に、活物質とバインダー樹脂と溶剤を混練したスラリーを塗工する。次に例えば100〜150℃程度で加熱し溶剤を揮発させ乾燥を行う。さらに活物質層の密度を上げるためプレス加工を施す。その後、例えば120〜200℃程度でさらに乾燥を行う場合もある。このようにして製造した電極材を所望の形状に裁断あるいは打ち抜き、正極材、セパレータ、負極材を積層したうえで捲回し、引き出し用タブ材等と接続した後、ケースまたはラミネートパック中に収納される。次に、ケースまたはラミネートパック中に電解液を注液し、封止した後、初回の充放電やエージングなどを行う。
上記の製造工程はあくまで一例であるが、集電体であるアルミニウム箔はプレスおよび捲回といった多様な加工及び熱履歴を経ることになる。また限られた体積の中で電池容量を増大させるために、活物質層については密度を高めること、集電体などその他の部品には省スペース性が求められる。現在、正極集電体に使用されるアルミニウム箔の厚さは20μm程度である。しかしながら、上記の理由により、アルミニウム箔には薄肉化が求められており、その様な厚さのアルミニウム箔は製造工程内で破断しやすいため、安定して製造する目的で箔特性の改善が数多く提案されている。
たとえば特許文献1には、Fe、Si、Cuを添加し、それらの固溶量を制御することで高強度・高導電率とし、さらに120〜160℃で熱処理後でも高強度を保つことができるアルミニウム合金箔が開示されている。
しかし、120〜160℃で熱処理後でも高強度が維持されること自体は開示されているものの、伸びに関する記載はない。
また、特許文献2には、Fe、Si、Cuを添加し、厚さ方向の結晶粒径を平均0.5μm以下にすることで、高強度・高伸びを有するアルミニウム合金箔が、特許文献3には、Fe、Siを添加し、鋳造時冷却速度を100℃/秒以上とすることで、高強度・高伸びに加え、高い耐折強度を有するアルミニウム合金箔が、それぞれ開示されている。
しかし、特許文献2および特許文献3のいずれにも、熱処理後の伸びに関する記載はない。
さらに、特許文献4および5には、Fe、Siを主な添加元素とし、これらを特定の範囲の含有量にすることで低温熱処理後の伸び低下を抑制したアルミニウム合金箔が開示されている。
また、特許文献4のアルミニウム合金箔では、100〜200℃で熱処理後の伸びが3%以上であり、Fe含有量を0.7質量%以上にすると、圧延後の伸びは向上するものの加熱後の伸び低下が生じるとしている。特許文献5のアルミニウム合金箔では、100〜200℃で熱処理後の伸びが3.5%以上であり、Si含有量が0.5質量%を超えると、Al−Fe−Si系の晶出物粗大化や圧延性の悪化を懸念されるとしている。
しかし、特許文献4および5のいずれも、加熱温度は100℃、150℃、200℃の3条件でしか測定しておらず、その間の温度における伸びについてはなんら記載がない。
特許第5816285号公報 特開2017−110244号公報 特許第5275446号公報 特開2017−186629号公報 特開2017−186630号公報
リチウムイオン二次電池の集電体は省スペース性がより要求されるようになり、より厚さの薄い箔が求められるようになった。その薄箔化の要求に対応するため、高強度が求められてきた。しかし集電体であるアルミニウム箔は電池製造工程内で熱処理を施されることになり、上記熱処理により特性は大きく変化する可能性がある。製造工程の途中で強度、伸びが低下してしまうと、その後の工程不良や、電池の使用中に、集電体の破断等の不具合を引き起こす恐れがある。特にセル組み立て工程での捲回作業や、電池充放電中に起こる活物質の膨張・収縮に耐えるためには強度だけでなく、高い伸びが必要とされる。
正極集電体のアルミニウム箔には純Al系、Al−Fe系がよく使われるが、上記成分のアルミニウム箔は120〜200℃で伸びが低下しやすいという特徴がある。特に120℃では回復・再結晶が起こりにくく、またFe固溶量の低下や析出物の粗大化が懸念されることから、電池製造工程の熱処理温度の中でも伸び改善が困難な温度である。つまり、120℃加熱後のアルミニウム箔は伸びが大きく低下する場合があり、従来行われてきた100℃および150℃加熱後の伸びよりも低い場合がある。
近年、リチウムイオン二次電池の集電体に要求される熱処理後の伸びの値はさらに高くなってきており、製造工程中でのアルミニウム箔への負荷も厳しくなっていると予想される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、蓄電装置、特にリチウムイオン二次電池の正極集電体用に使用されるアルミニウム合金箔について、蓄電装置の製造工程および蓄電装置の使用中において破断等の不具合の発生し難い集電体用アルミニウム合金箔を提供することを目的とする。
本発明者はアルミニウム合金箔の組成を特定の範囲とし、硬質時の伸び、および熱処理後の伸び、特に120℃熱処理後の伸びを特定の値とすることで、蓄電装置の製造工程および蓄電装置の使用中において破断等の不具合の発生を低減できることを見出した。
すなわち、上記した課題を解決するため、発明にかかるアルミニウム合金箔を、以下(1)〜(3)の構成を有するものとしたのである。
(1)Fe(鉄)含有量が1.2質量%以上1.6質量%以下、Si(珪素)含有量が0.5質量%以上0.9質量%以下、FeとSi含有量の合計が1.8質量%以上、Cu(銅)含有量が0.02質量%未満であって、残部がAl(アルミニウム)と不可避不純物からなる。
(2)硬質時の引張強度が170N/mm以上215N/mm以下、伸びが4.0%以上である。
(3)120℃で熱処理後の引張強度が150N/mm以上、伸びが6.0%以上である。
発明にかかるアルミニウム合金箔は、160℃で熱処理後の引張強度が140N/mm以上、200℃で熱処理後の引張強度が130N/mm以上、伸びがともに7.0%以上の構成を有することが好ましい。
発明にかかるアルミニウム合金箔は、アルミニウム合金箔中に含まれるAl−Fe系の金属間化合物とAl−Fe−Si系の金属間化合物の内、Al−Fe−Si系化合物(アルミニウム、鉄、珪素の三元化合物)の占める個数割合が80%以上の構成を有することが好ましい。
発明にかかるアルミニウム合金箔は、厚みが10μm以上20μm以下である構成を有することが好ましい。
上記した課題を解決するため、発明にかかるアルミニウム合金箔の製造方法を、前記組成範囲になるようにアルミニウム母合金を調製し加熱してアルミニウム合金溶湯を作製する工程と、前記アルミニウム合金溶湯を鋳造して鋳塊を作製する工程と、前記鋳塊を、450〜600℃で均質化処理を施す工程と、前記均質化処理を施した鋳塊を圧延して箔にする工程と、を含む構成としたのである。
本発明によれば、蓄電装置、特にリチウムイオン二次電池の正極集電体用に使用されるアルミニウム合金箔について、蓄電装置の製造工程および蓄電装置の使用中において破断等の不具合の発生し難い集電体用アルミニウム合金箔を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
実施形態にかかるアルミニウム合金箔は、次の(1)〜(5)の構成を備える。
(1)Fe含有量が1.2質量%以上1.6質量%以下、Si含有量が0.5質量%以上0.9質量%以下、FeとSi含有量の合計が1.8質量%以上、Cu含有量が0.02質量%未満であって、残部がアルミニウムと不可避不純物からなる。
(2)硬質時の引張強度が170N/mm以上215N/mm以下、伸びが4.0%以上である。
(3)120℃で熱処理後の引張強度が150N/mm以上、伸びが6.0%以上であり、160℃で熱処理後の引張強度が140N/mm以上、200℃で熱処理後の引張強度が130N/mm以上、伸びがともに7.0%以上である。
(4)アルミニウム合金箔中に含まれるAl−Fe系の金属間化合物とAl−Fe−Si系の金属間化合物の内、Al−Fe−Si系化合物の占める個数割合が80%以上である。
(5)厚みが10μm以上20μm以下である。
実施形態のアルミニウム合金箔は、リチウムイオン二次電池の正極集電体用として好適に使用されるものであり、そのリチウムイオン二次電池の製造工程や使用中に、破断等の不具合の発生が防止されているものである。
以下、(1)〜(5)の構成について順に説明する。
(組成)
実施形態のアルミニウム合金箔に1.2質量%以上1.6質量%以下含まれるFeは、Alに添加することで、固溶強化または析出強化が得られる。また、Feは、圧延性や伸びを改善する元素であり、アルミニウム箔には一般に添加されている。
Feの含有量が1.2質量%より少なければ十分な伸びが得られない。また、Feの含有量が1.6質量%を超えると晶出物が粗大になること、初晶がAlからAl−Fe系化合物(アルミニウムと鉄の二元化合物)となる恐れがあり、これも伸びに悪影響を及ぼす。
実施形態のアルミニウム合金箔に0.5質量%以上0.9質量%以下含まれるSiは、Alに添加することで、析出強化により強度が向上する。添加量が少ないと硬質での強度、伸びともに低下する傾向にある。
Siの含有量が0.5質量%以上とすることで、120℃で熱処理後の箔の伸びが硬質時の伸びに比べて高い値を示すようになる。またSiの含有量が、0.9質量%を超えると鋳造時に引け巣が発生しやすく、安定した製造が困難となる。
実施形態のアルミニウム合金箔におけるFeとSi含有量の合計は1.8質量%以上である。合計の含有量を上記範囲とすることで硬質時の伸びと120℃で熱処理後の伸びの両方で高い値を示すようになる。
合計の含有量が1.8質量%を下回ると、Al-Fe-Si系化合物の晶析出量が少なく、硬質時の伸びと120℃熱処理後の伸びの向上が不十分である。
実施形態のアルミニウム合金箔に0.02質量%未満含まれるCuは、Alに添加することで、固溶強化に優れている。Cuの固溶は強度を向上させるが、伸びが低下する。Cu添加は強度向上に好適であるが、伸び低下を抑えるために0.02質量%未満とすることが好ましい。
実施形態のアルミニウム合金箔は、不可避不純物として、Mn(マンガン)、V(バナジウム)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)等の遷移元素、Mg(マグネシウム)、Zn(亜鉛)、B(ホウ素)、Ga(ガリウム)、Bi(ビスマス)等の元素を含有する。
これら各元素の含有量は、アルミニウム合金箔100質量%中に、それぞれ0.05質量%以下とすることが好ましい。
(強度および伸び)
実施形態のアルミニウム合金箔は、硬質時の引張強度が170N/mm以上215N/mm以下、伸びが4.0%以上であることで、活物質スラリー塗工時の箔切れの抑制に効果がある。
また、120℃で熱処理後の引張強度が150N/mm以上、伸びが6.0%以上であることで、ロールプレス工程や電極材の捲回工程での箔切れの抑制に効果がある。
また、160℃で熱処理後の引張強度が140N/mm以上、伸びが7.0%以上であることで、電極材の捲回工程や電池充放電での活物質の膨張・収縮による箔切れの抑制に効果がある。
さらに、200℃で熱処理後の引張強度が130N/mm以上、伸びが7.0%以上であることで、電極材の捲回工程や電池充放電での活物質の膨張・収縮による箔切れの抑制に効果がある。
(晶析出物)
実施形態のアルミニウム合金箔は、晶析出物であるAl−Fe系の金属間化合物とAl−Fe−Si系の金属間化合物の内、Al−Fe−Si系化合物の占める個数割合が80%以上となることで、熱処理後に優れた伸びが得られやすい。低温熱処理時の回復、再結晶にAl−Fe−Si系化合物が寄与している可能性がある。
(厚み)
実施形態のアルミニウム合金箔は、厚みが10μm以上20μm以下であることで、強度と電池容量とを両立させている。
厚みが10μm未満では強度が低く、破断等の不具合を起こしやすい。また厚みが20μmを超えると、蓄電装置の集電体として用いた際に体積あたりの電池容量が低下する。
(製造方法)
実施形態のアルミニウム合金箔の製造方法は特に限定されないが、一例として以下のような製造方法が挙げられる。
まず、上記組成範囲になるようにアルミニウム地金、各種添加金属元素、またはそれらを含んだアルミニウム母合金を調製し、680〜1000℃で加熱しアルミニウム合金溶湯にする。
つぎに、その溶湯を鋳造し、鋳塊を作製する。鋳造方法は限定されないが、代表的にはDC鋳造(Direct Chill Casting)が挙げられる。
さらに、得られた鋳塊を、好ましくは450〜600℃で所定時間の均質化処理を施した後、熱間圧延と冷間圧延を実施して所定厚みの箔にする。圧延のしやすさ、効率を上げるために冷間圧延工程の途中で中間焼鈍することも可能である。
均質化処理については、処理温度が450℃以上600℃以下であると、アルミニウム合金中のミクロ偏析を解消し、また、Al-Fe-Si系化合物のサイズおよび個数割合を好適な範囲とする事ができ、硬質および加熱後の強度および伸びを向上させることができる。
処理温度が450℃より低いと、組織のミクロ偏析が十分に解消されないので、アルミニウム合金箔が圧延中にピンホールが発生しやすくなり、蓄電装置に用いた場合製造工程中で破断しやすい。
また処理温度が600℃より高くなると、晶出物を粗大化させてしまう恐れがあり、アルミニウム合金箔の伸びが低下し、蓄電装置に用いた場合製造工程中で破断しやすくなる。
均質化処理の時間については、2〜48時間が好ましく、特には5〜10時間であるとより好ましい。
処理時間が48時間を上回ると生産性が悪化する。また、処理時間が2時間を下回るとアルミニウム合金鋳塊内の組織が不均一なままとなり、アルミニウム合金箔とした際に特性に悪影響を及ぼす。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明の内容を一層明確にする。
次の表1に示す各組成からなるアルミニウム合金を溶解し、その溶湯を脱ガス・脱介在物処理した後にDC鋳造で鋳塊を得た。得られた鋳塊を450℃かつ10時間で均質化処理を施し、その後、厚さ7mmまで熱間圧延を行った。さらに冷間圧延を行い、表1に示す厚みを有する実施例および比較例にかかるアルミニウム合金箔を得た。
(金属間化合物の個数割合)
各実施例および比較例につき、金属間化合物の個数割合の判定について、まずFE−SEM(日立ハイテクノロジーズ製、機種名SU8020)でアルミニウム合金箔中の金属間化合物を4000倍の倍率、反射電子像で観察し、長径が1μm以上の化合物を特定した。特定した化合物をEDXで成分分析しマッピングを行い、Feが検出されるものの内、Siが同位置で検出されるものの割合を求めた。上記の割合はFeが検出された化合物を50個以上観察して計算した。試験結果を表1に示す。なお、表中「Bal.」の表示は残部を示す。
Figure 2020132993
(機械的特性)
各実施例および比較例について、硬質の試料と、120℃、160℃および200℃の各温度で1時間の空気中熱処理を行い、室温まで冷却したものを評価に供した。
機械的特性(引張強度と伸び)は、JIS Z 2241(2011年版)に準拠して行った。試験片の形状はJIS5号とし、引張試験機は株式会社東洋精機製作所製のストログラフVES5Dを使い、引張速度5mm/minで試験した。試験は3回実施し、その平均値を算出した。試験結果を表2に示す。
Figure 2020132993
実施例1〜8ではFeとSiの含有量が多く、晶析出物の主体がAl−Fe−Si系化合物であることから、硬質の強度、伸びおよび加熱後の強度、伸びに優れることがわかった。
これに対して、比較例1〜9は硬質の強度、伸びに優れるものの、加熱後伸びが不足し製造工程中で破断しやすいという不具合があった。
また、比較例4はFeの含有量が多く、晶析出物の主体であるAl−Fe―Si系化合物が粗大となった。そのため、硬質および加熱後の強度に優れるが、硬質および加熱後の伸びが不足し製造工程中で破断しやすいという不具合があった。
比較例5は、Cuの含有量が多く固溶硬化したため、硬質および加熱後の強度に優れるが、硬質および加熱後の伸びが不足し製造工程中で破断しやすいという不具合があった。
比較例6ではFeの含有量が少なくAl−Fe−Si系化合物の個数割合が低いため硬質の伸びと加熱後の強度および伸びが不足した。比較例8では硬質の伸びと加熱後の強度および伸びが不足した。比較例9では硬質の伸びと加熱後の伸びが不足した。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
実施形態では、アルミニウム合金箔の引張強度および伸びを、160℃で熱処理後の引張強度が140N/mm以上、200℃で熱処理後の引張強度が130N/mm以上、伸びがともに7.0%以上としているが、これに限定されない。
実施形態では、アルミニウム合金箔中に含まれるAl−Fe系、Al−Fe−Si系の金属間化合物の内、Al−Fe−Si系化合物の占める個数割合を80%以上としているが、これに限定されない。
実施形態では、アルミニウム合金箔の厚みを10μm以上20μmとしているが、これに限定されない。
実施形態のアルミニウム合金箔は、集電体以外の用途にも使用可能である。

Claims (5)

  1. Fe含有量が1.2質量%以上1.6質量%以下、Si含有量が0.5質量%以上0.9質量%以下、FeとSi含有量の合計が1.8質量%以上、Cu含有量が0.02質量%未満であって、残部がAlと不可避不純物からなり、
    硬質時の引張強度が170N/mm以上215N/mm以下、伸びが4.0%以上であり、
    120℃で熱処理後の引張強度が150N/mm以上、伸びが6.0%以上である、
    アルミニウム合金箔。
  2. 160℃で熱処理後の引張強度が140N/mm以上、200℃で熱処理後の引張強度が130N/mm以上、伸びがともに7.0%以上である請求項1に記載のアルミニウム合金箔。
  3. アルミニウム合金箔中に含まれるAl−Fe系の金属間化合物とAl−Fe−Si系の金属間化合物の内、Al−Fe−Si系化合物の占める個数割合が80%以上である、請求項1または2に記載のアルミニウム合金箔。
  4. 厚みが10μm以上20μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のアルミニウム合金箔。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金箔の製造方法であって、
    前記組成範囲になるようにアルミニウム母合金を調製し加熱してアルミニウム合金溶湯を作製する工程と、
    前記アルミニウム合金溶湯を鋳造して鋳塊を作製する工程と、
    前記鋳塊を、450〜600℃で均質化処理を施す工程と、
    前記均質化処理を施した鋳塊を圧延して箔にする工程と、
    を含むアルミニウム合金箔の製造方法。
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