JP6935042B1 - 温度センサおよび電動機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明における被覆体は、支持部から所定の距離だけ離れた位置において、当接部から突き出される。
本発明におけるハウジングは、好ましくは、折り返しおよび折り曲げに沿った、電線の収容室を備える。
本発明の温度センサは、好ましくは、電動機のステータに取り付けられる。
本発明に係る電動機は、ステータとロータを備える。ステータは、コアと、コアに巻線されるコイルと、を備える。ロータはステータに対して回転可能に設けられる。温度センサの被覆体はコアとコイルの間に形成される隙間に挿入されるとともに、ハウジングの当接部がコイルの端面に突き当たり、支持部がコアに支持される。
本実施形態に係る温度センサ1は、電動機を構成するステータの温度を検出するのに用いられる。図1に示される温度センサ1は、ステータ100のコイル101とコイル101の間の隙間(図6)に挿入されるセンサ要素10により当該コイルの温度を検出する。温度センサ1は、センサ要素10と、センサ要素10を保持するとともにその一部を収容する第1ハウジング30と、第1ハウジング30を覆う第2ハウジング40と、を備える。
温度センサ1は、図6および図7に示されるように、第1ハウジング30をステータ100のコア103に支持させることで、センサ要素10とコイル101の間に互いに押し合う力を発生させる。温度センサ1は、この力により、コイル101とコイル101の間の隙間から抜け出しにくくする。
センサ要素10は、図1および図2に示すように、素子11と、素子11に電気的に接続される一対の引出線15,15と、引出線15,15のそれぞれに電気的に接続される一対のリード線16,16と、を備えている。
なお、温度センサ1において、図1の両矢印で示される通りに幅方向X、高さ方向Yおよび前後方向Zが特定される。そして、前後方向Zは、図1センサ要素10が第1ハウジング30に保持された状態で、素子11が配置される側を温度センサ1の前Fと定義し、その逆の側を温度センサ1の後Bと定義する。この定義は、以下も同様である。
感熱体12は、例えば、サーミスタ(thermistor)のように電気抵抗に温度特性を有する素材から構成される。
封止ガラス13は、感熱体12を封止して気密状態に維持することによって、周囲の環境に基づいて化学的な変化および物理的な変化が感熱体12に生ずるのを避けるために設けられる。封止ガラス13には、非晶質ガラスおよび結晶質ガラスのいずれをも用いることができるし、所望の線膨張係数を有するように非晶質ガラスと結晶質ガラスとを混合して用いることもできる。
また、リード線16,16は、例えば、細い芯線を撚り合わせた撚線と、撚線を覆う電気絶縁性を有する被覆層とから構成される。リード線16,16は、必要に応じて他の電線を介して、図示を省略する温度計測回路に接続される。なお、被覆層は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などのフッ素樹脂から構成される。
互いに接続される引出線15とリード線16により、本願発明の電線が構成される。
内層21は、外層23の内側に配置され、素子11を直接的に被覆する。内層21は、素子11の先端からリード線16,16の途中までを気密に封止する。内層21は、一例として、フッ素樹脂であるPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)からなる。PTFEとPFAはフッ素樹脂であり優れた耐性を有している点では共通するが、PTFEの方がPFAよりも融点が高い。また、PTFEとPFAはいずれも透明性を有しており、特にPFAは高い透明性を有している。
外層23は、内層21とともに素子11に耐性を付与するものであるのに加えて、製造過程において溶融する内層21を保持する役割を担う。そのために、外層23は、内層21を形成するPFAよりも融点の高いPTFEで形成される。
次に、第1ハウジング30について説明する。
第1ハウジング30は、センサ要素10を保持する機能を有する。また、第1ハウジング30は、センサ要素10とステータ100のコイル101との間に押圧力を生じさせることにより、センサ要素10がコイル101から抜け出しにくくする機能を有する。この機能を以下では第1機能と略記することがある。さらに、第1ハウジング30は、センサ要素10がコイル101に挿入される深さを規制することにより、センサ要素10がコイル101を貫通して例えば電動機のロータに衝突するのを防ぐ機能を有する。この機能を以下では第2機能と略記することがある。以上のように、第1ハウジング30は少なくとも3つの機能を発揮する。
第1ハウジング30は、例えば、樹脂材料を射出成形することにより、一体的に形成される。
基準壁31の前端面は、当接部31Bを構成する。当接部31Bは、ステータ100に組み付けられた温度センサ1において、センサ要素10の被覆体20がコイル101に挿入される深さを規制する第2機能を担う。つまり、図7に示すように、当接部31Bがコイル101の端面CEに突き当たることで、センサ要素10は当接部31Bより突き出している寸法だけコイル101に挿入される。これにより、この突き出し寸法Dを予め定めておくことにより、センサ要素10の挿入深さを規制することができる。なお、本実施形態において当接部31Bの例として平面を例示したが、湾曲面、凹凸面など、任意の形態を採用できる。次に説明する支持部31Cについても同様である。
仕切壁34は、図2(a)に示すように、接続壁35と平行をなして、側壁33Aと側壁33Bを繋いで形成されている。仕切壁34は、図3(b)に示すように、前方Fは基準壁31に連なっているが、後方Bは側壁33Aと側壁33Bの後縁よりも前方Fで途切れている。
仕切壁34は収容室32に収容されるリード線16の折り返し18の間に配置される。したがって、リード線16は折り返し18の前後において仕切壁34を跨いでいる。
次に、第2ハウジング40について説明する。
第2ハウジング40は、第1ハウジング30とともにセンサ要素10を保持する。また、第2ハウジング40は、収容室32を覆うことによって、リード線16を保護する。さらに、第2ハウジング40は、第1ハウジング30と相互に組付けられることにより、折り返し18および折り曲げ19を備えるリード線16の屈曲形状に沿った収容室32を形成する。
第1側壁43は第1ハウジング30の接続壁35に対応しており、第2ハウジング40が第1ハウジング30に組み付けられると第1側壁43が接続壁35を覆う。このとき、接続壁35の係止突起35Bが第1側壁43の係止孔43Aに挿入されることで、第2ハウジング40が第1ハウジング30から離脱するのが防止される。
第2側壁44および第3側壁45は第1ハウジング30の開口36に対応しており、第2ハウジング40が第1ハウジング30に組み付けられると第2側壁44および第3側壁45が開口36を覆う。これにより、収容室32に収容されたリード線16は外部から遮蔽される。また、第3側壁45は、リード線16の折り返し18が広がるのを阻止する抵抗になる。
次に、図5を参照して、温度センサ1を組み立てる手順を説明する。
図5(a)に示すように、あらかじめ折り返し18および折り曲げ19が形成されているセンサ要素10が用意される。リード線16は当初は真っ直ぐであるが、所定位置で折り曲返しおよび折り曲げてくせをつけることで折り返し18および折り曲げ19を容易に形成することができる。
次に、図6および図7を参照して、ステータ100への温度センサ1の取り付けについて説明する。
温度センサ1は、コア103と、コア103に巻線されるコイル101と、を備えるステータ100に取り付けられ、コイル101の温度を検出する。温度センサ1は、コイル101の温度を検出するために、コイル101とコア103の間に形成される隙間105を利用する。隙間105は、温度検出のために意図的に設けられてもよいし、コイル101を巻き回すうえで必然的に形成されたものであってもよい。隙間105は、コア103の上端面107から高さ方向Yの所定範囲に設けられ、開口の形状が一例として山型を有している。温度センサ1は、この隙間105にセンサ要素10が挿入されることで、コイル101の温度を検知する。
L5≦L3+L4 … (1)
以上説明した温度センサ1が奏する効果を説明する。
[被覆体20とコイル101の密着]
温度センサ1は、基準壁31の支持部31Cがコイル101の上端面107に支持されながら、被覆体20が隙間105に挿入される。これにより、被覆体20に高さ方向Yのたわみを生じさせることで、被覆体20をコイル101に密着させることができるので、温度センサ1によれば被覆体20を隙間105から抜け出しにくくすることができる。しかも、被覆体20がコイル101に密着するので、温度センサ1によれば高い精度で温度を検出できる。
温度センサ1は、図7に示すように、当接部31Bがコイル101に突き当たることで、被覆体20が当接部31Bより突き出している寸法だけコイル101に挿入される。これにより、この突き出し寸法Dを予め定めておくことにより、センサ要素10の挿入深さを規制することができる。
例えば、仮に挿入深さを規制する部位が存在しなければ、被覆体20を隙間105に挿入する際に誤って深く挿入しすぎると、コイル101から被覆体20の先端が外部に露出してしまう。この外部に、例えば電動機のロータが設けられていると、被覆体20がロータに衝突するおそれがある。または、振動を受けた被覆体20が徐々に移動して、被覆体20の先端が外部に露出してしまうこともあり得る。
温度センサ1は、リード線16に折り返し18および折り曲げ19が設けられており、第1ハウジング30および第2ハウジング40から引き出されるリード線16は、被覆体20に対して直交している。いま、図3(b)において、第1ハウジング30および第2ハウジング40から引き出されるリード線16に引張力Tが加わったとする。ところが、折り曲げ19および折り返し18が存在しているため、リード線16には折り返し18が矢印Sで示すように広がる向きに力が作用するが、被覆体20が第1ハウジング30から抜け出る向きに作用する力はほとんどない。
以上の通りであり、温度センサ1によれば、折り返し18および折り曲げ19をリード線16に設けることにより、被覆体20の第1ハウジング30および第2ハウジング40から抜け出るのを防ぐ。
この距離L1が短ければ、コイル101の近くにリード線16があるので、コイル101にリード線16を這わせるように結束するのが容易である。また、ステータ100の周囲に他の部材を配設するのに障害になりにくい。つまり、上述したリード線16の引き回しの経路を採用することにより、スペース効率が高い温度センサ1が得られる。
温度センサ1は、被覆体20だけがコイル101の隙間105に挿入されるが、本発明の温度センサは被覆体20の他に隙間105に挿入される要素である固定子50を設けることができる。以下、図8および図9を参照してこの第1変形例に係る温度センサ2を説明する。なお、温度センサ2において、温度センサ1と同じ構成要素については、温度センサ1と同じ符号を付してその説明を省略する。
基部51は、互いに対向するおもて面52とうら面53を備えており、おもて面52とうら面53は、セレーション54が形成されているために、その表面は周期的な凹凸が長さ方向に繰り返して形成される。基部51は、幅Wが一定に形成されるとともに、セレーション54による凹凸があるものの、厚さTも一定である。
先端部57は、先端ほど厚さTが薄くなる。これは、コイル101の隙間106(図6)に固定子50を挿入しやすくするためである。被覆体20は、前述したように、隙間106の隣の隙間105(図6)に挿入される。したがって、被覆体20と固定子50との間隔は、隣接する隙間105と隙間106との間隔を考慮して定められる。
温度センサ2は被覆体20の他に固定子50を備えるが、固定子50の機能を被覆体20が備えてもよい。以下、図10および図11を参照してこの第2変形例に係る温度センサ3を説明する。なお、温度センサ3において、温度センサ1と同じ構成要素については、温度センサ1と同じ符号を付してその説明を省略する。
はじめに、上述した温度センサ1は、ステータ100のコア103に支持された状態で被覆体20が隙間105に挿入されるが、本発明の温度センサはコア103に支持される形態に限らない。例えば、ステータ100の近傍において温度センサ1を支持できる部材が存在しており、当該部材に支持されながら被覆体20がコイル101の隙間105に挿入されれば、本実施形態で言及したのと同様の効果を得ることができる。
10 センサ要素
11 素子
12 感熱体
13 封止ガラス
15 引出線
16 リード線
20 被覆体
22 おもて面
23 うら面
24 セレーション
30 第1ハウジング
31 基準壁
31A 保持孔
31B 当接部
31C 支持部
32 収容室
33A,33B 側壁
34 仕切壁
35 接続壁
35A 外周面
35B 係止突起
36 開口
40 第2ハウジング
41 正面壁
43 第1側壁
43A 係止孔
44 第2側壁
45 第3側壁
50 固定子
51 基部
52 おもて面
53 うら面
54 セレーション
57 先端部
100 ステータ
101 コイル
103 コア
105,106 隙間
107 上端面
109 ステータ要素
Claims (8)
- 電動機に取り付けられて用いられ、前記電動機のコアに巻線されるコイルの温度を検出するための温度センサであって、
感熱体と、前記感熱体に電気的に接続される一対の電線と、前記感熱体および一対の前記電線を覆う電気絶縁性の被覆体と、を有するセンサ要素と、
前記コイルに当接する当接部および前記当接部と向きが交差し、前記コアに支持される支持部を有し、前記センサ要素を保持するハウジングと、を備え、
前記被覆体は、
前記支持部から所定の距離だけ離れた位置において、前記当接部から突き出され、
一対の前記電線は、
前記ハウジングの内部で前記被覆体と交差する向きに向きを変えて前記ハウジングから引き出される、
ことを特徴とする温度センサ。
- 前記被覆体は柱状に形成され、一対の前記電線は前記被覆体の長手方向の端部から前記被覆体の外部であって、前記ハウジングの内部に引き出される、
請求項1に記載の温度センサ。
- 一対の前記電線は、
前記ハウジングの内部において、前記感熱体に向けた折り返しおよび前記被覆体と交差する向きへの折り曲げが設けられ、
前記折り曲げより先の部分が前記ハウジングから引き出される、
請求項1または請求項2に記載の温度センサ。
- 前記ハウジングは、
前記折り返しおよび前記折り曲げに沿った、前記電線の収容室を備える、
請求項3に記載の温度センサ。
- 前記ハウジングは、
前記当接部および前記支持部を備える第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに組み付けられ、前記第1ハウジングの開口を覆う第2ハウジングと、を備え、
前記第1ハウジングと前記第2ハウジングが相互に組み付けられることで、前記折り返しおよび前記折り曲げに沿った、前記電線の収容室が形成される、
請求項4に記載の温度センサ。
- 前記電動機のステータに取り付けられる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の温度センサ。
- 前記被覆体の表面、または、前記被覆体に併設される固定子の表面に、セレーションが設けられる、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の温度センサ。
- コアと、前記コアに巻線されるコイルとを備えるステータと、
前記ステータに対して回転可能に設けられるロータと、
前記コイルに取り付けられ、前記コイルの温度を測定する請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の温度センサと、を備え、
前記コアと前記コイルの間に形成される隙間に前記被覆体が挿入されるとともに、
前記当接部が前記コイルの端面に突き当たり、
前記支持部が前記コアに支持される、
ことを特徴とする電動機。
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