以下、実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
<第1実施形態>
まず、図1および図2を参照して、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムの概略について説明する。ここで、自動バレー駐車システムとは、たとえば白線などといった所定の区画線Lで区画された1以上の駐車領域Rを有する駐車場Pにおいて、以下に説明するような自動駐車および自動出庫を含む自動バレー駐車を実現するためのシステムである。
図1は、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムにおける自動駐車の一例を示した例示的かつ模式的な図であり、図2は、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムにおける自動出庫の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図1および図2に示されるように、自動バレー駐車においては、駐車場P内の所定の降車領域P1で車両Vから乗員Xが降車した後、所定の指示に応じて車両Vが降車領域P1から空きの駐車領域Rへ自動で移動して駐車する自動駐車(図1の矢印C1参照)と、当該自動駐車が完了した後、所定の呼び出しに応じて車両Vが駐車領域Rから出庫して所定の乗車領域P2へ自動で移動して停車する自動出庫(図2の矢印C2参照)と、が実行される。所定の指示および所定の呼び出しは、乗員Xによる端末装置Tの操作によって実現される。なお、降車領域P1は、「第1領域」の一例であり、乗車領域P2は、「第2領域」の一例である。
また、図1および図2に示されるように、自動バレー駐車システムは、駐車場Pに設けられた管制装置101と、車両Vに搭載された車両制御システム102と、を有している。管制装置101と車両制御システム102とは、無線通信によって互いに通信可能に構成されている。
ここで、管制装置101は、駐車場P内の状況を撮像する1以上の監視カメラ103から得られる画像データや、駐車場P内に設けられる各種のセンサ(不図示)などから出力されるデータを受け取ることで駐車場P内の状況を監視し、監視結果に基づいて、駐車領域Rを管理するように構成されている。以下では、駐車場P内の状況を監視するために管制装置101が受け取る情報を総称してセンサデータと記載することがある。
なお、第1実施形態において、駐車場Pにおける降車領域P1、乗車領域P2、および駐車領域Rの数や配置などは、図1および図2に示された例に制限されるものではない。第1実施形態の技術は、図1および図2に示された駐車場Pとは異なる様々な構成の駐車場に適用可能である。
次に、図3および図4を参照して、第1実施形態にかかる管制装置101および車両制御システム102の構成について説明する。なお、図3および図4に示される構成は、あくまで一例であり、第1実施形態にかかる管制装置101および車両制御システム102の構成は、種々に設定(変更)可能である。
まず、図3を参照して、第1実施形態にかかる管制装置101のハードウェア構成について説明する。
図3は、第1実施形態にかかる管制装置101のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。図3に示されるように、第1実施形態にかかる管制装置101は、PC(Personal Computer)などといった一般的な情報処理装置と同様のコンピュータ資源を有している。
図3に示される例において、管制装置101は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、通信インターフェース(I/F)304と、入出力インターフェース(I/F)305と、SSD(Solid State Drive)306と、を有している。これらのハードウェアは、データバス350を介して互いに接続されている。
CPU301は、管制装置101を統括的に制御するハードウェアプロセッサである。CPU301は、ROM302などに記憶された各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)を読み出し、当該各種の制御プログラムに規定されたインストラクションにしたがって各種の機能を実現する。
ROM302は、上述した各種の制御プログラムの実行に必要なパラメータなどを記憶する不揮発性の主記憶装置である。
RAM303は、CPU301の作業領域を提供する揮発性の主記憶装置である。
通信インターフェース304は、管制装置101と外部装置との間の通信を実現するインターフェースである。たとえば、通信インターフェース304は、管制装置101と車両V(車両制御システム102)との間の無線通信による信号の送受信を実現する。
入出力インターフェース305は、管制装置101と外部装置との接続を実現するインターフェースである。外部装置としては、たとえば、管制装置101のオペレータが使用する入出力デバイスなどが考えられる。
SSD306は、書き換え可能な不揮発性の補助記憶装置である。なお、第1実施形態にかかる管制装置101においては、補助記憶装置として、SSD306に替えて(またはSSD306に加えて)、HDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよい。
次に、図4を参照して、第1実施形態にかかる車両制御システム102のシステム構成について説明する。
図4は、第1実施形態にかかる車両制御システム102のシステム構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。図4に示されるように、車両制御システム102は、制動システム401と、加速システム402と、操舵システム403と、変速システム404と、障害物センサ405と、走行状態センサ406と、通信インターフェース(I/F)407と、車載カメラ408と、モニタ装置409と、車両制御装置410と、車載ネットワーク450と、を有している。
制動システム401は、車両Vの減速を制御する。制動システム401は、制動部401aと、制動制御部401bと、制動部センサ401cと、を有している。
制動部401aは、たとえば、ブレーキペダルなどを含んだ、車両Vを減速させるための装置である。
制動制御部401bは、たとえば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECU(Electronic Control Unit)である。制動制御部401bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、制動部401aを作動させることで、車両Vの減速度合を制御する。
制動部センサ401cは、制動部401aの状態を検出するための装置である。たとえば、制動部401aがブレーキペダルを含む場合、制動部センサ401cは、制動部401aの状態として、ブレーキペダルの位置または当該ブレーキペダルに作用している圧力を検出する。制動部センサ401cは、検出した制動部401aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
加速システム402は、車両Vの加速を制御する。加速システム402は、加速部402aと、加速制御部402bと、加速部センサ402cと、を有している。
加速部402aは、たとえば、アクセルペダルなどを含んだ、車両Vを加速させるための装置である。
加速制御部402bは、たとえば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。加速制御部402bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、加速部402aを作動させることで、車両Vの加速度合を制御する。
加速部センサ402cは、加速部402aの状態を検出するための装置である。たとえば、加速部402aがアクセルペダルを含む場合、加速部センサ402cは、アクセルペダルの位置または当該アクセルペダルに作用している圧力を検出する。加速部センサ402cは、検出した加速部402aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
操舵システム403は、車両Vの進行方向を制御する。操舵システム403は、操舵部403aと、操舵制御部403bと、操舵部センサ403cと、を有している。
操舵部403aは、たとえば、ステアリングホイールやハンドルなどを含んだ、車両Vの転舵輪を転舵させる装置である。
操舵制御部403bは、たとえば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。操舵制御部403bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、操舵部403aを作動させることで、車両Vの進行方向を制御する。
操舵部センサ403cは、操舵部403aの状態を検出するための装置である。たとえば、操舵部403aがステアリングホイールを含む場合、操舵部センサ403cは、ステアリングホイールの位置または当該ステアリングホイールの回転角度を検出する。なお、操舵部403aがハンドルを含む場合、操舵部センサ403cは、ハンドルの位置または当該ハンドルに作用している圧力を検出してもよい。操舵部センサ403cは、検出した操舵部403aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
変速システム404は、車両Vの変速比を制御する。変速システム404は、変速部404aと、変速制御部404bと、変速部センサ404cと、を有している。
変速部404aは、たとえば、シフトレバーなどを含んだ、車両Vの変速比を変更するための装置である。
変速制御部404bは、たとえば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。変速制御部404bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、変速部404aを作動させることで、車両Vの変速比を制御する。
変速部センサ404cは、変速部404aの状態を検出するための装置である。たとえば、変速部404aがシフトレバーを含む場合、変速部センサ404cは、シフトレバーの位置または当該シフトレバーに作用している圧力を検出する。変速部センサ404cは、検出した変速部404aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
障害物センサ405は、車両Vの周囲に存在しうる障害物に関する情報を検出するための装置である。障害物センサ405は、たとえば、障害物までの距離を検出するソナーなどといった測距センサを含んでいる。障害物センサ405は、検出した情報を車載ネットワーク450に出力する。
走行状態センサ406は、車両Vの走行状態を検出するための装置である。走行状態センサ406は、たとえば、車両Vの車輪速を検出する車輪速センサや、車両Vの前後方向または左右方向の加速度を検出する加速度センサや、車両Vの旋回速度(角速度)を検出するジャイロセンサなどを含んでいる。走行状態センサ406は、検出した走行状態を車載ネットワーク450に出力する。
通信インターフェース407は、車両制御システム102と外部装置との間の通信を実現するインターフェースである。たとえば、通信インターフェース407は、車両制御システム102と管制装置101との間の無線通信による信号の送受信や、車両制御システム102と端末装置Tとの間の無線通信による信号の送受信などを実現する。
車載カメラ408は、車両Vの周辺の状況を撮像するための装置である。たとえば、車載カメラ408は、車両Vの前方、後方、および側方(左右両方)の路面を含む領域を撮像するように複数設けられる。車載カメラ408によって得られた画像データは、車両Vの周辺の状況の監視(障害物の検出も含む)に使用される。車載カメラ408は、得られた画像データを車両制御装置410に出力する。なお、以下では、車載カメラ408から得られる画像データと、車両制御システム102に設けられる上述した各種のセンサから得られるデータと、を総称してセンサデータと記載することがある。
モニタ装置409は、車両Vの車室内のダッシュボードなどに設けられる。モニタ装置409は、表示部409aと、音声出力部409bと、操作入力部409cと、を有している。
表示部409aは、車両制御装置410の指示に応じて画像を表示するための装置である。表示部409aは、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescent Display)などによって構成される。
音声出力部409bは、車両制御装置410の指示に応じて音声を出力するための装置である。音声出力部409bは、たとえば、スピーカによって構成される。
操作入力部409cは、車両V内の乗員の入力を受け付けるための装置である。操作入力部409cは、たとえば、表示部409aの表示画面に設けられるタッチパネルや、物理的な操作スイッチなどによって構成される。操作入力部409cは、受け付けた入力を車載ネットワーク450に出力する。
車両制御装置410は、車両制御システム102を統括的に制御するための装置である。車両制御装置410は、CPU410aや、ROM410b、RAM410cなどといったコンピュータ資源を有したECUである。
より具体的に、車両制御装置410は、CPU410aと、ROM410bと、RAM410cと、SSD410dと、表示制御部410eと、音声制御部410fと、を有している。
CPU410aは、車両制御装置410を統括的に制御するハードウェアプロセッサである。CPU410aは、ROM410bなどに記憶された各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)を読み出し、当該各種の制御プログラムに規定されたインストラクションにしたがって各種の機能を実現する。
ROM410bは、上述した各種の制御プログラムの実行に必要なパラメータなどを記憶する不揮発性の主記憶装置である。
RAM410cは、CPU410aの作業領域を提供する揮発性の主記憶装置である。
SSD410dは、書き換え可能な不揮発性の補助記憶装置である。なお、第1実施形態にかかる車両制御装置410においては、補助記憶装置として、SSD410dに替えて(またはSSD410dに加えて)、HDDが設けられてもよい。
表示制御部410eは、車両制御装置410で実行される各種の処理のうち、主として、車載カメラ408から得られた画像データに対する画像処理や、モニタ装置409の表示部409aに出力する画像データの生成などを司る。
音声制御部410fは、車両制御装置410で実行される各種の処理のうち、主として、モニタ装置409の音声出力部409bに出力する音声データの生成などを司る。
車載ネットワーク450は、制動システム401と、加速システム402と、操舵システム403と、変速システム404と、障害物センサ405と、走行状態センサ406と、通信インターフェース407と、モニタ装置409の操作入力部409cと、車両制御装置410と、を通信可能に接続する。
ところで、上記のような自動出庫を実現するためには、自動出庫の起点となる駐車領域Rの位置を把握することが重要となる。この点に関して、自動出庫の前に実行された自動駐車によってある駐車領域Rへの車両Vの駐車が完了した後、車両Vが再び移動することがなければ、自動駐車の完了時に車両Vが位置している駐車領域Rを何らかの手段で記憶しておくだけで、その後の自動出庫の起点となる駐車領域Rの位置を把握することが可能である。
しかしながら、自動駐車によって駐車領域Rが一旦確定した後であっても、駐車場Pの管理上の都合(たとえばメンテナンスなど)により、自動駐車が完了することでエンジン(および電源)がオフになった車両Vが、駐車場Pの管理者などの手動によって再び起動して移動する状況が発生しうる。この状況においては、自動駐車の完了時に車両Vが位置している駐車領域Rと、自動出庫の開始時に車両Vが位置している駐車領域Rとが異なるため、自動駐車の完了時に車両Vが位置している駐車領域Rを記憶しておくだけでは、適切な自動出庫を実現することができない。
そこで、第1実施形態では、車両制御装置410に以下のような機能を持たせることで、自動駐車の完了後に車両Vの移動が発生した場合であっても、その後の自動出庫の起点となる駐車領域Rの位置を正確に把握することを実現する。
図5は、第1実施形態にかかる管制装置101および車両制御装置410の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。この図5に示される機能は、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現される。つまり、図5に示される例において、管制装置101の機能は、CPU301がROM302などに記憶された所定の制御プログラムを読み出して実行した結果として実現され、車両制御装置410の機能は、CPU410aがROM410bなどに記憶された所定の制御プログラムを読み出して実行した結果として実現される。なお、第1実施形態では、図5に示される管制装置101および車両制御装置410の一部または全部が専用のハードウェア(回路)のみによって実現されてもよい。
図5に示されるように、実施形態にかかる管制装置101は、機能的構成として、通信制御部511と、センサデータ取得部512と、駐車場データ管理部513と、誘導経路生成部514と、を有している。
通信制御部511は、車両制御装置410との間で実行される無線通信を制御する。たとえば、通信制御部511は、車両制御装置410との間で所定のデータを送受信することで車両制御装置410の認証を行ったり、自動駐車および自動出庫が完了した際に車両制御装置410から出力される所定の完了通知を受信したり、後述する駐車場Pの地図データや誘導経路などを必要に応じて車両制御装置410に送信したりする。
センサデータ取得部512は、駐車場P内に設けられる監視カメラ103や各種のセンサ(不図示)などから上述したセンサデータを取得する。センサデータ取得部512により取得されるセンサデータ(特に監視カメラ103から得られる画像データ)は、たとえば、自動駐車の完了後に車両Vの移動が発生して駐車領域Rが変更された場合における変更後の駐車領域Rの特定に使用することが可能である。
駐車場データ管理部513は、駐車場Pに関するデータ(情報)を管理する。たとえば、駐車場データ管理部513は、駐車場Pの地図データや、駐車領域Rの空き状況などを管理する。たとえば、駐車場データ管理部513は、自動駐車が行われる際、空いている駐車領域Rの中から1つの駐車領域Rを選択し、選択した1つの駐車領域Rを、自動駐車における車両Vの到達目標である目標駐車領域として指定する。また、駐車場データ管理部513は、自動駐車が完了した後に車両Vが再び移動して駐車領域Rが変更された場合、センサデータ取得部512から取得されるセンサデータに基づいて、変更後の駐車領域Rを特定する。
誘導経路生成部514は、自動駐車および自動出庫が行われる際に車両制御装置410に指示する誘導経路を生成する。より具体的に、誘導経路生成部514は、自動駐車が行われる際においては、降車領域P1から目標駐車領域へ至る概略的な経路を誘導経路として生成し、自動出庫が行われる際においては、目標駐車領域(自動駐車後に車両Vが移動している場合には車両Vが現在駐車している駐車領域R)から乗車領域P2へ至る概略的な経路を誘導経路として生成する。
一方、図5に示されるように、実施形態にかかる車両制御装置410は、機能的構成として、通信制御部521と、センサデータ取得部522と、走行制御部523と、記憶処理部524と、出庫位置推定部525と、を有している。
通信制御部521は、管制装置101との間で実行される無線通信を制御する。たとえば、通信制御部521は、管制装置101との間で所定のデータを送受信することで車両制御装置410の認証を行ったり、自動駐車および自動出庫が完了した際に所定の完了通知を管制装置101に送信したり、駐車場Pの地図データや誘導経路などを必要に応じて管制装置101から受信したりする。
センサデータ取得部522は、車載カメラ408によって得られる画像データを取得する画像データ取得部の一例であり、当該画像データと、車両制御システム102に設けられる各種のセンサから出力されるデータと、を含むセンサデータを取得する。センサデータ取得部522により取得されるセンサデータは、たとえば、管制装置101から受信された誘導経路を基にした実際の走行経路(駐車経路および出庫経路を含む)の生成や、当該走行経路に沿って実際に走行する際に必要となる各種のパラメータ(車速や舵角、進行方向など)の設定など、次の走行制御部523により実行される車両Vの各種の走行制御に使用することが可能である。
走行制御部523は、制動システム401や加速システム402、操舵システム403、変速システム404などを制御することで、降車領域P1からの発進制御や、降車領域P1から駐車領域Rへの走行制御(駐車制御を含む)、駐車領域Rから乗車領域P2への走行制御(出庫制御を含む)、乗車領域P2への停車制御などといった、自動駐車および自動出庫を実現するための各種の走行制御を実行するように、車両Vの走行状態を制御する。
記憶処理部524は、自動駐車が完了することでエンジン(および電源)がオフになった車両Vが駐車場Pの管理者などの手動によって再び起動して移動することで駐車領域Rが変更された場合に、変更後の駐車領域Rを不揮発性の記憶装置(たとえばSSD410d)に記憶する。すなわち、記憶処理部524は、駐車領域Rでの駐車が完了した後に車両Vが再び移動して駐車領域Rが変更された場合に、管制装置101と通信を行うことで、変更後の駐車領域Rを管制装置101から取得し、取得した駐車領域RをSSD410dに記憶する。
出庫位置推定部525は、自動出庫の開始時に、車両Vが現在位置している駐車領域RをSSD410dから取得し、取得した駐車領域Rに基づいて、自動出庫の起点となる出庫位置を推定する。ここで言及している出庫位置は、駐車領域R単位で表される概略的な位置ではなく、駐車領域R内での詳細な位置を表している。
すなわち、出庫位置推定部525は、所定の呼び出しに応じた駐車領域Rからの出庫時に、車載カメラ408によって得られる画像データをさらに取得し、取得した画像データに基づいて、駐車領域R内における車両Vの現在位置を特定し、特定した現在位置を出庫位置として推定する。
たとえば、出庫位置推定部525は、以下に説明するように、車載カメラ408によって得られる画像データに基づいて、駐車領域Rの周辺の予め決められた位置に設けられた標識に関する標識データを検出し、検出した標識データと、駐車場Pの地図データと、に基づいて、駐車領域R内における車両Vの現在位置を特定し、特定した現在位置を出庫位置として特定する。
図6は、第1実施形態にかかる車両制御装置410の出庫位置推定部525により実施されうる出庫位置の推定方法の一例を説明するための例示的かつ模式的な図である。なお、図6に示される例では、駐車領域Rの例として、隣接する3つの駐車領域R0〜R2が設けられ、真ん中の駐車領域R0に車両Vが駐車している。この図6に示される例では、上述した標識として、駐車領域R0〜R2の境界に設けられる区画線Lの端部Eが用いられる。
図6に示されるように、車両Vが駐車領域R0に位置している場合、車両Vの側部(たとえばサイドミラー)に設けられる車載カメラ408の撮像範囲(一点鎖線参照)には、通常、駐車領域R0の(駐車領域R1およびR2との)境界に位置する区画線Lの端部(先端部)Eが入っている。したがって、出庫位置推定部525は、画像認識により、車両Vの側部に設けられる車載カメラ408から得られる画像データから、標識データとして、車両Vの両サイドに位置する区画線Lの端部Eの位置や、当該区画線Lが延びる方向などを検出する。
区画線Lの端部Eの位置や、当該区画線Lが延びる方向などは、予め決められているため、上記の画像データから検出される標識データの比較対象となる正規の標識データは、管制装置101で管理される駐車場Pの地図データに含めることが可能である。したがって、出庫位置推定部525は、管制装置101から駐車場Pの地図データを取得し、取得した地図データと、区画線L(端部E)に関する上記の画像データから検出された標識データと、を照合することで、駐車領域R0内における車両Vの(向きを含む)詳細な現在位置を特定し、特定した現在位置を出庫位置として推定することが可能である。
なお、図6に示される例では、端部Eが丸いU字状に構成された区画線Lが例示されている。しかしながら、第1実施形態では、端部Eが矩形状に構成された区画線Lが用いられてもよい。また、第1実施形態では、区画線L(端部E)の検出に、車両Vの側部に設けられる車載カメラ408のみならず、車両Vの前部(たとえばフロントバンパ)に設けられる車載カメラ408が用いられてもよい。
また、第1実施形態では、区画線Lの少なくとも一部であれば、区画線Lの端部E以外の部分が、出庫位置の推定に用いられてもよい。ただし、この場合、区画線Lの少なくとも一部が、地図データなどとの関係で位置を特定可能であることが前提となる。
さらに、第1実施形態では、次に説明するように、出庫位置を推定するための標識として、区画線L以外の標識が用いられてもよい。
図7は、第1実施形態にかかる車両制御装置410の出庫位置推定部525により実施されうる出庫位置の推定方法の図6とは異なる一例を説明するための例示的かつ模式的な図である。図7に示される例においても、図6に示される例と同様に、駐車領域Rの例として、隣接する3つの駐車領域R0〜R2が設けられ、真ん中の駐車領域R0に車両Vが駐車している。この図7に示される例では、上述した標識として、駐車領域R0〜R2にそれぞれ対応するように設けられるマーカM0〜M2が用いられる。なお、マーカM0〜M2の形状は、図7に示される例に制限されるものではない。
図7に示されるように、車両Vが駐車領域R0に位置している場合、車両Vの側部に設けられる車載カメラ408の撮像範囲(一点鎖線参照)には、通常、隣接する駐車領域R1およびR2に対応したマーカM1およびM2が入っている。したがって、出庫位置推定部525は、車両Vの側部に設けられる車載カメラ408から得られる画像データから、マーカM1およびM2の位置などを検出する。
マーカM1およびM2の位置に関する情報は、管制装置101で管理される駐車場Pの地図データに含めることが可能である。したがって、出庫位置推定部525は、駐車場Pの地図データを管制装置101から取得し、取得した地図データと、マーカM1およびM2に関する上記の画像データに基づく検出結果と、を照合することで、駐車領域R0内における車両Vの詳細な現在位置を特定し、特定した現在位置を出庫位置として推定することが可能である。
次に、図8〜図11を参照して、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムで実行される処理について説明する。
図8は、第1実施形態において自動駐車が実行される場合に管制装置101および車両制御装置410が実行する処理の流れを示した例示的かつ模式的なシーケンス図である。この図8に示される処理シーケンスは、乗員Xが降車領域P1で端末装置Tを操作することで自動駐車のトリガとなる所定の指示を行った場合に開始する。
図8に示される処理シーケンスでは、まず、S801において、管制装置101と車両制御装置410とが通信を確立する。このS801においては、識別情報(ID)の送受信による認証や、管制装置101の監視下での自動走行を実現するための運行権限の譲受などが実行される。
S801で通信が確立すると、管制装置101は、S802において、駐車場Pの地図データを車両制御装置410に送信する。
そして、管制装置101は、S803において、駐車領域Rの空きを確認し、空いている1つの駐車領域Rを、車両Vに与える目標駐車領域として指定する。
そして、管制装置101は、S804において、降車領域P1からS803で指定した目標駐車領域への(概略的な)誘導経路を生成する。
そして、管制装置101は、S805において、S804で生成された誘導経路を車両制御装置410に送信する。
一方、車両制御装置410は、S802で管制装置101から送信された地図データを受信した後のS806において、降車領域P1内における初期位置を推定する。初期位置とは、降車領域Pからの発進の起点となる、降車領域P1内における車両Vの現在位置である。初期位置の推定には、上述した出庫位置の推定と同様の手法が用いられうる。なお、図8に示される例では、S806の処理がS805の処理の前に実行されているが、S806の処理は、S805の処理の後に実行されてもよい。
S806で初期位置を推定し、かつ、S805で管制装置101から送信された誘導経路を受信すると、車両制御装置410は、S807において、実際の自動駐車の際に辿るべき、誘導経路よりも精度の高い走行経路を生成する。
そして、車両制御装置410は、S808において、降車領域P1からの発進制御を実行する。
そして、車両制御装置410は、S809において、S807で生成された走行経路に沿った走行制御を実行する。
そして、車両制御装置410は、S810において、目標駐車領域への駐車制御を実行する。
そして、S810における駐車制御が完了すると、車両制御装置410は、S811において、駐車完了の通知を管制装置101に送信する。
以上のようにして、自動バレー駐車における自動駐車が実現される。
図9は、第1実施形態において自動出庫が実行される場合に管制装置101および車両制御装置410が実行する処理の流れを示した例示的かつ模式的なシーケンス図である。この図9に示される処理シーケンスは、乗員Xが乗車領域P2で端末装置Tを操作することで自動出庫のトリガとなる所定の呼び出しを行った場合に開始する。
図9に示される処理シーケンスでは、まず、S901において、管制装置101と車両制御装置410とが通信を確立する。このS901においては、上述した図8のS801と同様に、識別情報(ID)の送受信による認証や、管制装置101の監視下での自動走行を実現するための運行権限の譲受などが実行される。
S901で通信が確立すると、管制装置101は、S902において、駐車場Pの地図データを車両制御装置410に送信する。
そして、管制装置101は、S903において、通信相手の車両制御装置410を搭載した車両Vが現在位置している駐車領域Rを確認する。第1実施形態では、このS903の処理が、監視カメラ103によって得られる画像データなどに基づいて実行される。
そして、管制装置101は、S904において、S903で確認された駐車領域Rから乗車領域P2への(概略的な)誘導経路を生成する。
そして、管制装置101は、S905において、S904で生成された誘導経路を車両制御装置410に送信する。
一方、車両制御装置410は、S902で管制装置101から送信された地図データを受信した後のS906において、車両Vが現在位置している駐車領域P内における出庫位置を推定する。出庫位置とは、駐車領域Rからの出庫の起点となる、駐車領域R内における車両Vの現在位置である。このS906の処理については後でより詳細に説明するため、ここではこれ以上の説明を省略する。なお、図9に示される例では、S906の処理がS905の処理の前に実行されているが、S906の処理は、S905の処理の後に実行されてもよい。
S906で出庫位置を推定し、かつ、S905で管制装置101から送信された誘導経路を受信すると、車両制御装置410は、S907において、実際の自動出庫の際に辿るべき、誘導経路よりも精度の高い走行経路を生成する。
そして、車両制御装置410は、S908において、駐車領域Rからの出庫制御を実行する。
そして、車両制御装置410は、S909において、S907で生成された走行経路に沿った走行制御を実行する。
そして、車両制御装置410は、S910において、乗車場P2への停車制御を実行する。
そして、S910における停車制御が完了すると、車両制御装置410は、S911において、出庫完了の通知を管制装置101に送信する。
以上のようにして、自動バレー駐車における自動出庫が実現される。
ところで、第1実施形態では、前述したように、自動駐車と自動出庫との間に、駐車場Pの管理者などの手動によって車両Vが移動し、当該車両Vが位置する駐車領域Rが変更される場合がある。この場合、第1実施形態にかかる自動バレー駐車システムでは、次のような処理が実行される。
図10は、第1実施形態において自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rが変更された場合に管制装置101および車両制御装置410が実行する処理の流れを示した例示的かつ模式的なシーケンス図である。この図10に示される処理フローは、自動駐車と自動出庫との間のタイミングであれば、たとえば、車両Vの出庫時に実行されてもよいし、駐車領域Rの変更後に駐車場Pの管理者などにより行われる何らかの操作をトリガとして実行されてもよい。
図10に示される処理シーケンスでは、まず、S1001において、管制装置101と車両制御装置410とが通信を確立する。このS1001においては、上述した認証などの他、車両制御装置410から管制装置101に向けた、変更後の駐車領域Rの確認の要求などが実行されうる。
S1001で通信が確立すると、管制装置101は、S1002において、通信相手の車両制御装置410を搭載した車両Vが現在位置している駐車領域R(変更後の駐車領域R)を確認する。このS1002の処理は、監視カメラ103によって得られる画像データなどに基づいて実行される。
そして、管制装置101は、S1003において、S1002で確認した変更後の駐車領域Rを車両制御装置410に送信する。
そして、S1003で管制装置101から送信された変更後の駐車領域Rを受信すると、車両制御装置410は、S1004において、受信した変更後の駐車領域Rを、車両制御装置410に設けられる不揮発性の記憶装置(たとえばSSD410d)に記憶する。
以上のようにして、自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rの変更が発生した場合でも、車両制御装置410は、今後実行される自動出庫に備えて、車両Vが位置している最新の駐車領域Rを記憶しておくことが可能である。
図11は、第1実施形態において出庫位置の推定が実行される場合に車両制御装置410が実行する処理の流れを示した例示的かつ模式的なフローチャートである。この図11に示される処理フローは、上述した図9に示される処理シーケンスのS906の処理をより詳細に表したものである。
図11に示される処理フローでは、まず、S1101において、車両制御装置410は、不揮発性の記憶装置(たとえばSSD410d)から、車両Vが位置している最新の駐車領域Rを取得する。
そして、S1102において、車両制御装置410は、車載カメラ408から画像データを取得する。なお、この時、車両制御装置410は、画像データ以外のセンサデータ、より具体的には車両制御システム102に設けられる各種のセンサからのデータも同時に取得し、取得したデータを以降の処理に利用してもよい。
S1103において、車両制御装置410は、S1102で取得された画像データから、駐車領域Rの周辺の予め決められた位置に設けられた標識(たとえば図6に示された区画線Lの端部Eや図7に示されたマーカM1およびM2など)に関する標識データを検出する。
そして、S1104において、車両制御装置410は、S1103での検出結果に基づいて、駐車領域R内における車両Vの現在位置を特定し、特定した現在位置を出庫位置として推定する。
以上のようにして、図9に示される処理シーケンスのS906における出庫位置の推定が実現される。
以上説明したように、第1実施形態にかかる車両制御装置410は、降車領域P1と乗車領域P2と駐車領域Rとを含む駐車場Pにおいて、降車領域P1で車両Vから乗員Xが降車した後、所定の指示に応じて車両Vが降車領域P1から駐車領域Rへ自動で移動して駐車する自動駐車と、当該自動駐車が完了した後、所定の呼び出しに応じて車両Vが駐車領域Rから出庫して乗車領域P2へ自動で移動して停車する自動出庫と、を含む自動バレー駐車を実現するように車両Vの走行状態を制御する走行制御部523を有している。また、車両制御装置410は、自動駐車と自動出庫との間に車両Vが移動して駐車領域Rが変更された場合に、変更後の駐車領域Rを不揮発性の記憶装置(たとえばSSD410d)に記憶する記憶処理部524と、自動出庫における駐車領域Rからの出庫時に、不揮発性の記憶装置から駐車領域Rを取得し、取得した駐車領域Rに基づいて、出庫の起点となる出庫位置を推定する出庫位置推定部525と、を有している。
第1実施形態によれば、上記の構成に基づいて、自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rが変更された場合でも、変更後の最新の駐車領域Rが不揮発性の記憶装置に記憶される。したがって、第1実施形態によれば、自動駐車の完了後に車両Vの移動が発生した場合であっても、不揮発性の記憶装置を参照することで、その後の自動出庫の起点となる駐車領域Rの位置を正確に把握することができる。
また、第1実施形態において、車両制御装置410は、車両Vの周辺の状況を撮像する車載カメラ408によって得られる画像データを取得するセンサデータ取得部522を有しており、出庫位置推定部525は、自動出庫における駐車領域Rからの出庫時に、センサデータ取得部522により取得される画像データに基づいて、駐車領域R内における車両Vの現在位置を特定し、特定した現在位置を出庫位置として推定する。この構成によれば、車載カメラ408によって得られる画像データに基づいて、駐車領域R単位の概略的な出庫位置ではなく、駐車領域R内でのより詳細な出庫位置を推定することができる。
また、第1実施形態において、出庫位置推定部525は、上記の画像データに基づいて、駐車領域Rの周辺の予め決められた位置に設けられた標識に関する標識データ(たとえば駐車領域Rの境界に設けられた区画線Lの端部Eの位置や当該区画線Lが延びる方向に関するデータ)を検出し、検出した標識データと、駐車場Pの地図データと、に基づいて、車両Vの現在位置を特定する。ここで、駐車場Pの地図データは、標識に関する情報として、標識データと照合されうる正規の情報(たとえば区画線Lの端部Eの位置や区画線Lが延びる方向などを示す正規のデータ)を含んでいる。したがって、この構成によれば、画像データから標識データを検出し、検出した標識データと、地図データに含まれる、標識に関する正規のデータと、を照合することで、車両Vの現在位置を容易に特定することができる。また、駐車領域Vの境界を示す手段として一般的に設けられている区画線Lを利用して、車両Vの現在位置を容易に特定することができる。
また、第1実施形態において、記憶処理部524は、自動駐車と自動出庫との間に車両Vが移動して駐車領域Rが変更された場合に、車両制御装置410と通信可能に構成されて駐車領域Rを管理する管制装置101と通信を行うことで、変更後の駐車領域Rを取得し、取得した駐車領域Rを不揮発性の記憶装置(たとえばSSD410d)に記憶する。この構成によれば、変更後の駐車領域Rを車両制御装置410自身で特定することなく、駐車領域Rを管理する管制装置101を利用して、変更後の駐車領域Rを容易に取得することができる。
なお、第1実施形態では、自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rの変更が発生した場合、変更後の最新の駐車領域Rを管制装置101から取得する構成に替えて、車載カメラ408から得られる画像データに対する画像認識などを利用して、管制装置101に頼ることなく、変更後の駐車領域を車両制御装置410自身で取得する構成を採用することも考えられる。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rの変更が発生した場合、変更後の駐車領域Rを車両制御装置410側に記憶する構成を例示した。しかしながら、以下に説明する第2実施形態のように、変更後の駐車領域Rは、管制装置101a側に記憶されてもよい。なお、以下では、第1実施形態と第2実施形態とで実質的に同様の構成については共通の符号が付され、重複する説明が省略される。
図12は、第2実施形態にかかる管制装置101aおよび車両制御装置410aが有する機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
図12に示されるように、第2実施形態にかかる管制装置101aは、通信処理部511と、センサデータ取得部512と、駐車場データ管理部513と、誘導経路生成部514と、記憶処理部1211と、を有している。また、第2実施形態にかかる車両制御装置410aは、通信処理部521と、センサデータ取得部522と、走行制御部523と、出庫位置推定部1221と、を有している。
第2実施形態では、自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rが変更された場合、変更後の駐車領域Rが、管制装置101aの記憶処理部1211によって、管制装置101a側で記憶される。そして、自動出庫が行われる際、車両制御装置410aの出庫位置推定部1221は、車両Vが現在駐車している駐車領域Rを管制装置101aから通信により取得し、取得した駐車領域Rに基づいて出庫位置を推定する。なお、出庫位置の推定方法については、上述した第1実施形態(図6および図7参照)と同様の方法を用いることが可能である。
以上の構成により、第2実施形態では、自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rが変更された場合、上述した第1実施形態(図10)と異なる次のような処理が管制装置101aによって実行される。
図13は、第2実施形態において自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rが変更された場合に管制装置101aが実行する処理の流れを示した例示的かつ模式的なフローチャートである。この図13に示される処理フローは、自動駐車と自動出庫との間のタイミングであれば、たとえば、車両Vの出庫時に実行されてもよいし、駐車領域Rの変更後に駐車場Pの管理者などにより行われる何らかの操作をトリガとして実行されてもよい。
図13に示される処理フローでは、まず、S1301において、管制装置101aは、駐車領域Rの状態を確認する。このS1301の処理は、監視カメラ103によって得られる画像データなどに基づいて実行される。このS1301の処理によれば、駐車領域Rが変更された車両Vが存在する場合、当該車両Vの変更後の駐車領域Rを把握することが可能である。
そして、S1302において、管制装置101aは、S1301で確認された駐車領域Rの最新の状態を記憶する。このS1302によれば、駐車領域Rの変更が発生した場合でも、車両Vが位置している最新の駐車領域Rを管制装置101a側で記憶しておくことが可能である。
また、第2実施形態では、出庫位置の推定の際に、上述した第1実施形態(図11参照)とは異なる次のような処理が車両制御装置410aによって実行される。
図14は、第2実施形態において出庫位置の推定が実行される場合に車両制御装置410aが実行する処理の流れを示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
図14に示される処理フローでは、まず、S1401において、車両制御装置410aは、管制装置101aから、車両Vが位置している最新の駐車領域Rを通信により取得する。
そして、S1402において、車両制御装置410aは、車載カメラ408から画像データを取得し、S1403において、S1402で取得された画像データから標識データを検出し、S1404において、S1403での検出結果に基づいて、駐車領域R内における車両Vの現在位置を特定する。これらのS1402〜S1404の処理については、上述した図11に示される処理フローのS1102〜S1104の処理と実質的に同様であるため、ここではこれ以上の説明を省略する。
なお、第2実施形態にかかる自動駐車および自動出庫の際に管制装置101aおよび車両制御装置410aが実行する処理の流れについては、上述した第1実施形態(図8および図9)と実質的に同様であるため、ここでは説明を省略する。ただし、第2実施形態では、車両Vが位置している最新の駐車領域Rが管制装置101a側に記憶されるため、図9に示される処理シーケンスのS903の処理において、監視カメラ103によって得られる画像データの確認などが不要となりうる。
上述した図13に示される処理フローは、図8に示される処理シーケンスが終了した後、図9に示されるシーケンスが開始する前に実施されるものであり、上述した図14に示される処理フローは、図9に示される処理シーケンスにおけるS906として実行されるものである。
以上説明したように、第2実施形態では、管制装置101aが、自動駐車と自動出庫との間に車両Vが移動して駐車領域Rが変更された場合に、変更後の駐車領域Rを記憶する記憶処理部1211を有しており、車両制御装置410aが、自動出庫における駐車領域Rからの出庫時に、通信により管制装置101aから駐車領域Rを取得し、取得した駐車領域Rに基づいて、出庫の起点となる出庫位置を推定する出庫位置推定部1221を有している。この構成によれば、自動駐車と自動出庫との間に駐車領域Rが変更された場合でも、変更後の最新の駐車領域Rが管制装置101aに記憶される。したがって、第2実施形態によれば、自動駐車の完了後に車両Vの移動が発生した場合であっても、通信により管制装置101aに問い合わせることで、上述した第1実施形態と同様の効果(結果)を得ることができる。
<変形例>
上述した第1および第2実施形態では、本発明の技術が自動バレー駐車システムに適用される場合を例示した。しかしながら、本発明の技術は、第1領域と第2領域と駐車領域とを含む駐車場において、第1領域に停車した車両が所定の指示に応じて駐車領域へ自動で移動して駐車する自動駐車と、当該自動駐車が完了した後、所定の呼び出しに応じて車両が駐車領域から出庫して第2領域へ自動で移動して停車する自動出庫と、が実現される駐車システムであれば、自動バレー駐車システム以外の駐車システムにも適用可能である。
また、上述した第1および第2実施形態では、管制装置によって駐車領域の状態が適宜確認されることで、変更後の駐車領域が(車両制御装置または管制装置の)記憶装置に記憶される構成を例示した。しかしながら、変形例として、駐車領域の変更(車両の移動)を行った駐車場の管理者などが自ら変更後の駐車領域を管制装置などに入力することで、変更後の駐車領域を記憶装置に記憶する構成も考えられる。
さらに、上述した第1実施形態では、変更後の駐車領域が、車両制御装置に設けられる不揮発性の記憶装置に記憶される構成を例示した。しかしながら、変更後の駐車領域が記憶されてから自動出庫が開始するまでの間に車両の電源がオフにならないのであれば、変更後の駐車領域は、揮発性の記憶装置に記憶されてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態および変形例を説明したが、上述した実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態および変形例は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。