JP6047083B2 - 駐車支援システム - Google Patents

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Description

この発明は、車両に搭載され且つ該車両を自動走行させる自動運転ユニットと、前記自動運転ユニットと相互に通信可能であって前記車両とは別に設けられた駐車支援制御装置とを備える駐車支援システムに関する。
近時、道路を安全・快適に走行させるべく、車両の走行状態や周辺環境等時々刻々変化する道路状況を克明に把握するため、各種のインフラストラクチャが整備されつつある。
特許文献1には、複数の車両が連なって走行している道路において、前記複数の車両の前方に障害物が検出された場合に、インフラ側の停止制御装置が、各車両の減速軌跡を作成し、それらの車両が減速軌跡に沿って停止制御を行う停止制御装置が開示されている。
特許文献2には、車両の走行計画を生成する目標算出部が、通信部が受信した光ビーコンからの危険度に基づいて走行計画を修正する。これにより、車両は予め当該危険度に基づいて修正された走行計画に従って走行することになり、車両の運転者は、横断歩行者の存在を報知される前に、より余裕を持って歩行者に対処することが可能となる走行制御装置が開示されている。
上記した停止制御装置及び走行制御装置は、いずれも車両側から車両情報を提供していないので、インフラストラクチャ側の制御装置等の処理負担が大きくなるという欠点がある。
これに対して、特許文献3に示すように、車両状態情報を送信してきた自動運転機能を備える車両に対して、管理センタが、駐車場内の空き駐車位置までの走行経路を自動的に決定し、前記自動運転機能を利用し前記車両を空き駐車位置まで誘導する駐車場管理装置が開発されている。
この特許文献3に係る駐車場管理装置では、車両と管理センタとの間で適時に通信を行うことで、車両を駐車場内の駐車位置に自動駐車させる装置及び方法が提案されている。特に、管理センタは、固定配置された複数のカメラ、いわゆる監視カメラ(インフラカメラともいう。)を用いて撮影された各画像から、駐車場の状況(空き駐車スペースの有無等)又は車両の状態(自動運転中、駐車位置停止中等)を認識する旨が記載されている。
特開2002−163779号公報([0006]) 特開2009−252024号公報([要約]) 特開2011−54116号公報([0021]、[0029])
ところで、駐車場管理装置の管理センタ側のみで自動運転車両の走行位置を認識し、障害物に衝突しないようにしながら、円滑に、入庫位置から駐車位置まで誘導する処理は、きわめて処理負担が大きい。
上記特許文献3に係る駐車支援システムにおいて、車両から管理センタの車両向け指示作成部に送信される前記車両状態情報は、入庫受付から出庫までの入庫受付完了、入庫時自動運転中、駐車位置停車中、出庫受付完了、出庫時自動運転中、乗車位置停車、及び出庫完了の状態を示す情報であり、特に、入庫時自動運転中、及び出庫時自動運転中の各状態において、車両が常に定められた方向をインフラカメラに見せているわけではなく、駐車施設の路面内のあらゆる方向を向く可能性があるため、車両として認識するための特徴点パターンを複数用意する。その上で、それら複数の特徴点のパターンマッチングを車両毎に全セット行うことで、はじめて(やっと)、当該車両の駐車施設内の位置(座標)を確定する処理が必要であるので、依然として、管理センタによる自動運転誘導及び自動停車誘導の処理負担が大きいという問題が解決されるに至っていない。
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、自動運転処理に係るインフラ側である駐車施設側が、自動運転車両に対して、当該自動運転車両の入庫位置から駐車位置までの誘導指示・管理を行いながら、自動運転処理に係る前記駐車施設側の車両誘導の処理負担、計算負荷を軽減することを可能とする駐車支援システムを提供することを目的とする。
この発明に係る駐車支援システムは、駐車施設に配置され、車両を撮影する少なくとも1つの固定カメラと、前記駐車施設側に配置され、前記固定カメラから送信される撮影画像を受信する駐車支援制御装置と、前記車両に搭載され、自車の車両位置を含む車両情報を順次取得する車両情報取得部と、取得した前記車両情報を前記駐車支援制御装置に順次送信すると共に前記車両を自動走行させる自動運転ユニットと、を有する車両と、を備え、前記駐車支援制御装置は、前記車両の入庫位置から駐車位置までの移動経路を作成して前記自動運転ユニットに送信し、前記自動運転ユニットは、受信した前記移動経路に基づき、前記車両を入庫位置から駐車位置まで自動走行させることを特徴とする。
この発明によれば、駐車支援制御装置は、車両の車両情報取得部から順次送信されて受信した車両位置を含む車両情報と駐車支援施設側の固定カメラから送信されて受信した撮影画像とに基づき車両を入庫位置から駐車位置まで誘導するので、駐車支援制御装置側で車両位置(駐車施設内での車両の現在位置、座標)を確定するまでの計算が極めて少なくなり、その分、計算負荷を低減できる。
また、駐車支援制御装置側で作成した移動経路を自動運転ユニットに送信し、前記自動運転ユニットは、受信した前記移動経路に基づき前記車両を入庫位置から駐車位置まで自動走行させるように構成したので、自動運転処理に係るインフラ側である駐車施設側の駐車支援制御装置の自動運転処理に係る車両誘導の処理負担を軽減することができる。
この場合、前記車両の前記車両情報取得部は、前記車両情報として、前記車両位置の他に、前記車両の移動方向を順次取得するように構成することで、駐車支援制御装置の誘導処理負荷を一層軽減することができる。
また、前記駐車支援制御装置は、前記車両が前記入庫位置に位置したことを示す前記車両情報を受信したとき以降、前記固定カメラからの前記撮影画像から前記車両の特徴点パターンを認識し続け、前記車両の特徴点パターンにより前記車両を捕捉しながら、前記車両が前記入庫位置から前記駐車位置まで前記移動経路上に沿って自動走行することを監視することで、車両を入庫位置から駐車位置まで(処理負担を少なく)確実に監視することができる。
ここで、前記駐車支援制御装置は、前記車両が前記入庫位置から前記駐車位置への自動走行中に、前記車両位置及び前記移動方向を含む前記車両情報と前記撮影画像とに基づき、前記車両が前記移動経路に沿って移動するよう前記自動運転ユニットを通じてフィードバック制御することで、前記車両は前記移動経路に沿って正確に走行し駐車することができる。
さらに、前記駐車支援制御装置は、前記車両が前記移動経路に沿っての自動走行中に、前記固定カメラからの前記撮影画像により移動障害物が前記移動経路に進入する可能性を検知したとき、前記車両と前記移動障害物との干渉回避手法を計算して、前記自動運転ユニットに送信することで、自動運転ユニットを搭載する車両が、移動障害物との干渉の回避を円滑に行うことができる。
なお、前記車両は、さらに車載カメラを有し、前記自動運転ユニットは、前記車両を前記駐車位置に停止させる際、前記車載カメラによる撮影画像に基づき、前記車両を停止させるように構成することで、前記車両を前記駐車位置に極めて正確に停止させることができる。
この発明によれば、駐車支援制御装置は、車両の車両情報取得部から順次送信されて受信した車両位置を含む車両情報と駐車支援施設側の固定カメラから送信されて受信した撮影画像とに基づき車両を入庫位置から駐車位置まで誘導するので、駐車支援制御装置側で車両位置(駐車施設内での車両の現在位置、座標)を確定するまでの計算が極めて少なくなり、その分、計算負荷を低減できる。
また、駐車支援制御装置側で作成した移動経路を自動運転ユニットに送信し、前記自動運転ユニットは、受信した前記移動経路に基づき前記車両を入庫位置から駐車位置まで自動走行させるように構成したので、自動運転処理に係るインフラ側である駐車施設側の駐車支援制御装置の入庫位置から駐車位置までの自動運転処理に係る処理負担を軽減することができる。
特に、前記車両の特徴点パターンにより前記車両を捕捉しながら、前記車両が前記入庫位置から前記駐車位置まで前記移動経路上に沿って自動走行することを監視することで、車両を入庫位置から駐車位置まで確実に監視することができる。
そして、前記車両が前記入庫位置から前記駐車位置への前記移動経路に沿って移動するよう前記自動運転ユニットを通じてフィードバック制御することで、前記車両を前記移動経路に沿って正確に走行し駐車することができる。
この実施形態に係る駐車支援システムに用いられる自動運転可能な車両に取り付けられている各種センサの概略位置を示す概略平面図である。 この実施形態に係る駐車支援システムを示すブロック図である。 駐車施設の例を示す概略平面図である。 インフラカメラによる車両の認識模式図である。 図4の状態での各インフラカメラによる撮影画像の説明図である。 インフラカメラによる移動障害物の検出の説明図である。 駐車支援制御装置と車両の各処理を示すフローチャートである。 図7のフローチャート中、車両認識・追跡処理の詳細フローチャートである。 入庫位置から駐車位置への移動経路の説明図である。 走行軌跡上で車両が駐車位置に位置した状態を示す説明図である。 2台同時協調自動走行による駐車支援の説明図である。 2台同時協調自動走行による障害物回避支援を含む駐車支援の説明図である。
以下、この発明に係る駐車支援システムについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この実施形態に係る駐車支援システム14に用いられる自動運転可能な車両100に取り付けられている各種センサの概略位置を示す概略平面図である。図2は、この実施形態に係る駐車支援システム14を示すブロック図である。図3は、例としての駐車施設12を示す概略平面図である。
図1において、車両100の後面のテールゲート等の外面中央近傍に後方撮影用の車載カメラ(リアカメラ)20(撮影装置)が設置されている。車載カメラ20により車両後方の路面を含む車両周辺画像を広角撮影することができる。
車両100の重心近傍にヨーレートセンサ22が設置されている。ヨーレートセンサ22の出力(ヨーレート:角速度)を積分することにより車両100の向き、すなわち車両方向を検出することができる。このため、ヨーレートセンサ22は、車両方向センサとして機能する。車両方向センサとしては、ヨーレートセンサ22に代替して、地磁気センサや各種ジャイロを利用することができる。
車両100のステアリングシャフト(不図示)に操舵角センサ28が設置されている。操舵角センサ28により前輪30(右前輪30Rと左前輪30L)の(車両100の)舵角が検出される。
車両100の後輪24(右後輪24Rと左後輪24L)に近接して車輪速センサ26(右車輪速センサ26Rと左車輪速センサ26L)が設置されている。車輪速センサ26に基づき車速が検出されると共に、前後輪30、24の径を考慮して移動距離が検出される。従って、車輪速センサ26は、距離センサとしても機能する。
図示しないダッシュボード等にGPSセンサ32(位置検出センサ)が設置されている。GPSセンサ32により車両100の位置(緯度、経度、高さ)が検出される。GPSセンサ32は車両100の位置センサとして機能するが、位置センサとしては、GPSセンサ32に代替して、一定の距離あるいは一定の時間毎の走行距離と走行方位を車輪速センサ26とヨーレートセンサ22により検出して座標原点からの自車位置をいわゆる慣性航法により算出することもできる。なお、慣性航法の場合、スタート点位置、例えば、図3に示す入庫位置(入庫スペース、入庫空間)102(入庫位置102A、入庫位置102Bのいずれか)を前記座標原点に設定する。
また、車両100の図示しないシフトノブの近傍にはシフト位置センサ34(前進・後退検出センサ)が設置されている。シフト位置センサ34により車両100の前進又は後退を検出することができる。
図2に示すように、上記の各種センサをまとめてセンサ50という。この場合、慣性航法による自車位置は、車内LAN等の車内通信線54で相互に接続されている統括ECU52により計算され、慣性航法が実行される。車両全体を制御する制御装置である統括ECU52は、車載駐車支援制御装置(車載駐車支援制御部)として機能する。なお、ECUは、電子制御装置(Electronic Control Unit)であって、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリであるROM(EEPROMも含む。)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置、計時部としてのタイマ等を有しており、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、例えば制御部、演算部、及び処理部等として機能する。
統括ECU52は、自動運転ECU56に電気的に接続されると共に、車内通信線54を通じて、操舵制御ECU58、ブレーキECU60、及び駆動力ECU62に接続されている。統括ECU52と自動運転ECU56にて自動運転ユニット57が構成されるが、1つのECUにまとめてもよい。
操舵制御ECU58は、車両100の操舵機構(不図示)を駆動制御して、この実施形態では前輪30の舵角を制御する。ブレーキECU60は、前後輪30、24の全4輪をそれぞれ独立にブレーキ制御し、停止を含めた車両100の挙動を制御する。
駆動力ECU62は、エンジン及び(又は)モータを駆動制御してトランスミッションを通じて又は直接的に車両100の前輪30及び又は後輪24に回転駆動力を付与して車両100を走行させる制御を行う。
センサ50の情報は、統括ECU52、操舵制御ECU58、ブレーキECU60及び駆動力ECU62において、必要とされるものが共用される。
統括ECU52は、自動運転ECU56に電気的に接続されている。
図3に示すように、駐車施設12は、例えば、数10m四方の路面104を有し、略四角形の路面104の四隅に、広角な固定カメラであるインフラカメラ(監視カメラ)106(106a、106b、106c、106d)が設置されている。
インフラカメラ106は、それぞれのインフラカメラ106a〜106dの視線が、略四角形の路面104の対角線上内側下方を向くように取り付けられ、それぞれのインフラカメラ106が路面104の略全域を撮影できるように構成され、設置調整されている。換言すれば、各インフラカメラ106a〜106dにより駐車施設12内の車両100を含む移動体を全て撮影(広角撮影)でき、後述するように監視することができるようになっている。
インフラカメラ106は、乗降端末等の駐車支援制御装置120に電気的に接続され(図2参照)、インフラカメラ106で撮影された撮影画像に対して、各種の画像処理等が、駐車支援制御装置120で実行される。
例えば、図4に示すように、駐車施設12の路面104上に配置された車両100を撮影したとき、図5に模式的に示すように、インフラカメラ106a、106b、106c、106dに対応して撮影画像(車両抽出画像ともいう。)108a、108b、108c、108dが抽出され、撮影画像108(108a〜108d)から駐車支援制御装置120の画像処理、ここでは、公知のフレーム間差分法等により、移動体である車両100を検出して車両100を切り出した撮影画像(車両画像)110(110a、110b、110c、110d)を取得することができる。なお、フレーム間差分法に限らず、予め、規定の光量下でインフラカメラ106により車両100等の移動体の存在しない路面104の撮影画像(基準撮影画像という。)を撮影しておき、移動体が進入した際の撮影画像108を光量補正した上で前記基準撮影画像との差分画像(差分法による画像)から移動体である車両100等を切り出す(検出する)こともできる。光量補正は、インフラカメラ106又は駐車支援制御装置120で実行することができる。
図5に示すように、インフラカメラ106aによる撮影画像110aでは、車両100の右前部と右側面を確認(追跡)することができ、この撮影画像110aから駐車支援制御装置120によりタイヤホイールの形状、前輪30と後輪24との間のホイールベース長、前後オーバーハング、及び前面のエムブレムから前輪30Rのタイヤホイールまでの距離等の車両100の特徴点パターン(特徴点又は特徴パターンともいう。)を抽出することができる。
インフラカメラ106bによる撮影画像110bでは、車両100の後部と後部上面を確認(追跡)することができ、この撮影画像110bから駐車支援制御装置120により後部バンパーに埋め込まれたリフレクタの形状、リフレクタ間の距離、リフレクタとエムブレム間の距離、及び後輪24R、24L間のトレッド幅等の車両100の特徴点パターンを抽出することができる。
インフラカメラ106cによる撮影画像110cでは、車両100の前部を確認することができ、この撮影画像110cから駐車支援制御装置120により前輪30R、30L間のトレッド幅、前面のエムブレムと前輪30までの距離、フロントランプの形状、及びエムブレムとナンバープレートとの間の距離等の車両100の特徴点パターンを抽出することができる。
インフラカメラ106dによる撮影画像110dでは、車両100の左前部と左側面を確認することができ、この撮影画像110dから駐車支援制御装置120によりタイヤホイールの形状、ホイールベース長、及び前面のエムブレムから前輪30Lのタイヤホイールまでの距離等の車両100の特徴点パターンを抽出することができる。
さらに、例えば、図6に示すように、駐車施設12の路面104内に、ボールや人等の予め記憶している車両100の外観形状と明らかに異なる、車両100に対する移動障害物112(本例では移動するボール)、移動障害物114(本例では、人)が入ってきた場合、インフラカメラ106の撮影画像108に基づき、上述した差分法等によりこれら移動障害物112、114を駐車支援制御装置120により検出(認識)することができる。
路面104上には、入庫位置(入庫区画又は入庫位置空間ともいう。)102(102A、102B)を示す四角形の白線の区画の他、駐車位置(駐車区画又は駐車位置空間ともいう。)121〜126を示す四角形の白線の区画、及びT字状の白線のガイドライン128が引かれており、これら区画やライン情報の位置情報(座標情報又は地図情報ともいう。)は、予め駐車支援制御装置120の記憶部118に記憶されている。
さらに、駐車支援制御装置120の記憶部118には、入庫位置102A、102Bに入庫した車両100の種別{(軽自動車か、普通自動車か、セダンタイプか、ミニバンタイプか、ワンボックスタイプか、SUVタイプか等を識別する各タイプの)特徴点・大きさ(全長と、全幅と、全高)・ホイールベース長・トレッド幅}に応じた各移動経路が予め作成され記憶されている。また、最小回転半径は、ホイールベース長とトレッド幅に基づき予め設定(記憶)し、又は計算(予測)できるようにしている。なお、記憶部118は、駐車支援制御装置120の記憶部118ではなく、通信回線で駐車支援制御装置120に接続される外部サーバ(外部配信部)の記憶部とし、この記憶部に記憶しておいて読み出すようにしてもよい。
駐車支援制御装置120は、インフラカメラ106の撮影画像108に基づき入庫位置102に位置する車両100等、路面104内のいずれの位置に存在する車両100の外接直方体の大きさ(全長と、全幅と、全高)及び車両100の種類を前記特徴点パターンと比較する(いわゆるパターンマッチングする)ことにより当該車両100を検出(追跡)することができる。
駐車施設12の駐車支援制御装置120と車両100の自動運転ECU56とは、DSRC方式(狭域無線通信方式)等の双方向無線通信により情報の伝送を行うようになっている。
この実施形態に係る駐車支援システム14は、基本的に以上のように構成乃至作用するものであり、次に、上述の実施形態の駐車施設12における入庫位置102から駐車位置121〜126への自動走行駐車動作等について、図7に示すフローチャートに基づいて詳しく説明する。
ステップS1にて、インフラカメラ106からの撮影画像108に基づき、駐車支援制御装置120により、車両100が入庫位置102に入ったか(位置したか)否かが判定され、車両100が、例えば、図3に示すように、入庫位置102Aに入ったことが検出されると(ステップS1:YES)、ステップS2にて、インフラカメラ106からの撮影画像108に基づき、駐車支援制御装置120により、撮影画像110から車両100の特徴点パターン及び大きさが抽出されると共に、車両100の向き(後進向きか前進向きか)が検出される。
次いで、ステップS3にて、駐車支援制御装置120に設置されている自動駐車開始ボタン(不図示)が車両100から降車した運転者等により押された等の操作結果により発生する駐車支援開始信号を受信したか否かが駐車支援制御装置120により判定される。
駐車支援開始信号を受信していないときには(ステップS3:NO)、ステップS1に戻り、駐車支援開始信号を受信したとき(ステップS3:YES)、ステップS4にて、駐車支援制御装置120は、駐車位置121〜126の形状、面積から車両100の種類・大きさに応じた空き駐車位置を選択し、選択した空き駐車位置(ここでは、駐車位置122とする。)までの移動経路を、入庫位置102Aに入庫している車両100の種別に基づき、作成乃至選択する。
ここでは、例えば、図9に示すように、移動経路130が作成される。移動経路130は、基本的には、車両100のステアリングの舵角(直進では0[deg])と、この舵角を維持した車両100の走行距離との組み合わせの積算値として計算される。
次いで、ステップS5にて、駐車支援制御装置120から車両100の自動運転ECU56に対して自動走行開始指示及び移動経路130の情報(前記積算値)が送信される。
車両100側の自動運転ECU56及び統括ECU52を含む自動運転ユニット57は、ステップS31にて、自動走行開始指示待ちの状態とされており、自動走行開始指示を受信したとき(ステップS31:YES)、ステップS32にて自動走行制御及び車両位置・方向検出処理を順次(所定走行距離毎あるいは所定時間毎)行う。
すなわち、ステップS32にて、車両位置は、操舵角センサ28と車輪速センサ26とヨーレートセンサ22の各出力に基づく慣性航法による走行の結果又はGPSセンサ32の順次受信位置により検出乃至算出する。慣性航法による走行軌跡の算出は、統括ECU52により実行され、算出結果が自動運転ECU56を介して駐車支援制御装置120に順次送信される。車両方向は、シフト位置センサ34によるシフト位置(前進位置、後進位置)により統括ECU52により検出される。
次いで、ステップS33にて、検出結果に基づく車両100の方向(前進位置に対応する前向き走行方向か、後進位置に対応する後ろ向き走行方向)と、車両位置が順次自動運転ECU56を介して駐車支援制御装置120に送信される。
送信後、ステップS34にて、自動運転ECU56は、駐車支援制御装置120から自動走行終了指示を受信したか否かを判定し、受信していない場合には(ステップS34:NO)、ステップS32に戻り、ステップS32の処理を続行する。
一方、車両位置・方向の情報の受信により、車両100の自動走行(自動駐車のための走行)を検出した駐車支援制御装置120は、ステップS6の車両認識・追跡処理を行う。
図8は、ステップS6の車両認識・追跡処理の詳細フローチャートである。
ステップS6aにて、駐車支援制御装置120は、自動運転ECU56からの車両位置・方向の情報を受信(取得)すると、次のステップS6bにて、インフラカメラ106からの撮影画像(上述した図5に示した撮影画像110a、110b、110c、110d等)に基づき、車両100の相対的な姿勢(各インフラカメラ106から見た車両100の見え方)を確定する。
次いで、ステップS6cにて、ステップS6bで確定した姿勢から車両100の側面が見える撮影画像110があるか否かを判定し、側面が見える撮影画像110がある場合には(ステップS6c:YES)、ステップS6dにて、基本的には存在する筈である側面が見える撮影画像110から上述した側面に係る特徴点パターン(タイヤホイールの形状、ホイールベース長等)を抽出し、ステップS6eにて、抽出した特徴点パターンが前回抽出した特徴点パターンと一致するか否かをパターンマッチングにより判定し、一致しないときには(ステップS6e:NO)、ステップS6fにて自動運転を中断させる。なお、ステップS6fにて、自動運転を中断させたときには、駐車支援制御装置120は、メンテナンス要員等にその旨を連絡する。この場合、メンテナンス要員によるいわゆるオフライン処理にて、故障原因を調査し、復旧させる。なお、実際上、ステップS6cの判定は、車両100が駐車施設12の路面104上のどの場所に位置していても4つのインフラカメラ106のいずれかの撮影画像108、110によって検出される筈であるので、通常、このステップS6cの判定は肯定的になる(成立する)。
一方、ステップS6eにて、今回抽出した特徴点パターンが前回抽出した特徴点パターンと一致しているときには、ステップS6gにて、駐車支援制御装置120は、自己の駐車施設12の地図を参照し、パターンマッチングに供した今回の撮影画像108、110に基づき、車両100の路面104上の現在位置(現在位置座標)を検出する。
次いで、図7のフローチャートに戻り、そのステップS7にて、現在位置が駐車位置122であるか否かを判定し、駐車位置122ではない場合には(ステップS7:NO)、ステップS8にて、ステップS6gにて検出した現在位置を自動運転ECU56に送信する。なお、このとき、現在位置ではなく、あるいは現在位置と一緒に、指示した移動経路130に対する現在位置の位置ずれ量(偏差)を送信するようにしてもよい。
一方、図8のステップS6cにて、側面が見えなかったときには(ステップS6c:NO)、ステップS6hにて、車両100の前面が見える撮影画像108、110があるか否かを判定し、前面が見える撮影画像108、110がある場合には(ステップS6h:YES)、ステップS6iにて、ステップS6dの処理と同様に、撮影画像108、110から前面に係る特徴点パターン(エムブレムと前輪30との間の距離、エムブレムとナンバープレートを含む外接多角形の形状等)を抽出し、ステップS6eにて、抽出した特徴点パターンが前回抽出した特徴点パターンと一致するか否かをパターンマッチングにより判定し、以降、ステップS8(図7)での位置送信処理を行う。
ステップS6hにて、前面が見えなかったときには(ステップS6h:NO)、後面が見える筈であるので、ステップS6jにて、ステップS6dの処理と同様に、インフラカメラ106の撮影画像110から後面に係る特徴点パターン(リフレクタ間の距離とリフレクタ形状等)を抽出し、ステップS6eにて、抽出した特徴点パターンが前回抽出した特徴点パターンと一致するか否かをパターンマッチングにより判定し、以降、ステップS8での位置送信処理を行う。
次いで、駐車支援制御装置120から自動運転ECU56を介して現在の車両位置又は車両位置のずれ量(偏差)を受領した統括ECU52は、再び、ステップS32にて、上述した自動走行制御及び車両位置・方向検知処理を順次(所定走行距離毎あるいは所定時間毎)行う。
ただし、ステップS32の2回目以降の処理において、移動経路130と現在位置との間の位置ずれ量(偏差)を補正する距離補正処理及び舵角補正処理を行う。
以下、ステップS33にて車両位置・方向の送信処理を行い、ステップS6で車両認識・追跡処理を行う。
このようにして、ステップS7の判定、すなわち走行軌跡上で現在位置が駐車位置122になった(位置した)場合、図10に示すように、ステップS9にて、駐車支援制御装置120は、自動走行終了指示を送信する。
ステップS34にて自動走行指示を受信した自動運転ECU56は、ステップS35にて統括ECU52を通じて自動走行を終了させ、駐車支援制御装置120に自動走行を終了した旨を送信してイグニッションスイッチ等のメインスイッチをオフ状態にする。
なお、この実施形態に係る駐車支援システム14では、駐車施設12の路面104上の全ての移動体を検出することが可能であるので、図11に示すように、入庫位置102A、102Bから同時に2台の車両100、100´を移動経路130、132に沿って駐車位置122、125に自動走行(2台同時協調自動走行)させて駐車させることができる。
また、図12に示すように、駐車位置122、125から入庫位置102A、102Bまで車両100、100´を出庫するときにおいて、移動経路134、136が交錯した場合においても、駐車支援制御装置120が車両100、100´の現在位置と移動経路134、136を把握しているので、衝突判定(同一時刻に同一位置で車両100、100´が一部でも重なる可能性がある場合には、重なる可能性がない状態になるまで一方の車両(車両100又は車両100´)を停止させて他方の車両(車両100´又は車両100)のみを移動させ、重なる可能性がなくなった状態にて、停止させた一方の車両を再走行させる。)を行うことで、干渉を回避することができる。
この場合、ボール等の移動障害物142の位置や移動方向141及び移動速度を検出した場合には、移動障害物142の移動予測経路と移動経路134、136との干渉回避処理を行うようにすることもできる(2台同時協調自動走行による障害物回避支援制御。)。
以上説明したように上述した実施形態に係る駐車支援システム14は、駐車施設12に配置され、車両100を撮影する少なくとも1つの固定カメラとしてのインフラカメラ106と、駐車施設12側に配置され、前記インフラカメラ106から送信される撮影画像108を受信する駐車支援制御装置120と、車両100に搭載され、自車の車両位置を含む車両情報を順次取得する車両情報取得部としてのセンサ50と、取得した前記車両情報を駐車支援制御装置120に順次送信すると共に車両100を自動走行させる自動運転ユニット57と、を有する車両100と、を備える。
駐車支援制御装置120は、車両100の入庫位置102Aから駐車位置122までの移動経路130を作成して自動運転ユニット57に送信し、自動運転ユニット57は、受信した移動経路130に基づき、車両100を入庫位置102Aから駐車位置122まで自動走行させる。
この実施形態によれば、駐車支援制御装置120は、車両100の車両情報取得部としてのセンサ50から自動運転ユニット57を通じて順次送信されて受信した車両位置を含む車両情報と駐車支援制御装置120側のインフラカメラ106から送信されて受信した撮影画像108とに基づき車両100を入庫位置102Aから駐車位置122まで誘導するので、駐車支援制御装置120側で車両位置(駐車施設12内での車両100の現在位置、座標)を確定するまでの計算が極めて少なくなり、その分、計算負荷を低減できる。
また、駐車支援制御装置120側で作成した移動経路130を自動運転ユニット57に送信し、自動運転ユニット57は、受信した移動経路130に基づき車両100を入庫位置102Aから駐車位置122まで自動走行させるように構成したので、自動運転処理に係るインフラ側である駐車施設側の駐車支援制御装置120の自動運転処理に係る車両誘導の処理負担を軽減することができる。
この場合、車両100の車両情報取得部としてのセンサ50は、前記車両情報として、前記車両位置の他に、前記車両の移動方向を順次取得するように構成したので、駐車支援制御装置120の誘導処理負荷を一層軽減することができる。
また、駐車支援制御装置120は、車両100が入庫位置102Aに位置したことを示す前記車両情報を受信したとき以降、インフラカメラ106からの前記撮影画像から車両100の特徴点パターンを認識し続け、車両100の特徴点パターンにより車両100を捕捉しながら、車両100が入庫位置102Aから駐車位置122まで移動経路130上に沿って自動走行することを監視することで、車両100を入庫位置102Aから駐車位置122まで処理負担を少なく確実に監視することができる。つまり、センサ50の情報から統括ECU52(自動運転ユニット57)で計算した車両100の座標や向いている方向・方位等を駐車支援制御装置120に送信しているので、駐車支援制御装置120では、インフラカメラ106から観測(撮影)されるべき車両100の姿勢(「車両右側面を向けている」、「車両前部を向けている」等)が想定できるので、画像認識上の特徴点(特徴点パターン)としてパターンマッチングさせるべきパターンのパーツ形状(部品形状)(タイヤホイール等の形とサイズ等)を効率的に絞り込める。
ここで、駐車支援制御装置120は、車両100が入庫位置102Aから駐車位置122への自動走行中に、前記車両位置及び前記移動方向を含む前記車両情報と前記撮影画像とに基づき、車両100が移動経路130に沿って移動するよう自動運転ユニット57を通じてフィードバック制御することで、車両100は移動経路130に沿って正確に走行し駐車することができる。
さらに、駐車支援制御装置120は、車両100、車両100´が移動経路134、136に沿っての自動走行中に、前記撮影画像により移動障害物142及び(車両100にとっての車両100´、又は車両100´にとっての車両100)が移動経路134、136に進入する可能性を検知したとき、車両100、100´と移動障害物142(100´、100)との干渉回避手法を計算して、自動運転ユニット57に送信することで、自動運転ユニット57を搭載する車両100、100´が、移動障害物142(100´、100)との干渉の回避、例えば、停車してやりすごす等の回避処理を円滑に行うことができる。
なお、車両100は、さらに車載カメラ20を有し、自動運転ユニット57は、車両100を駐車位置122に停止させる際、車載カメラ20による撮影画像108、110に基づき、車両100を停止させるように構成することで、車両100を駐車位置122に極めて正確に停止させることができる。
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
12…駐車施設 14…駐車支援システム
50…センサ 52…統括ECU
56…自動運転ECU 57…自動運転ユニット
100、100´…車両 102、102A、102B…入庫位置
104…路面
106、106a〜106d…インフラカメラ
108、110…撮影画像 120…駐車支援制御装置
121〜126…駐車位置
130、132、134、136…移動経路

Claims (4)

  1. 駐車施設に配置され、車両を撮影する少なくとも1つの固定カメラと、
    前記駐車施設側に配置され、前記固定カメラから送信される撮影画像を受信する駐車支援制御装置と、
    前記車両に搭載され、自車の車両位置及び自車の移動方向を含む車両情報を順次取得する車両情報取得部と、取得した前記車両情報を前記駐車支援制御装置に順次送信すると共に前記車両を自動走行させる自動運転ユニットと、を有する車両と、
    を備え、
    前記駐車支援制御装置は、前記車両の入庫位置から駐車位置までの移動経路を作成して前記自動運転ユニットに送信し、
    前記自動運転ユニットは、受信した前記移動経路に基づき、前記車両を入庫位置から駐車位置まで自動走行させ
    前記駐車支援制御装置は、
    前記固定カメラから受信した前記撮影画像から前記車両を検出し、
    前記車両が前記入庫位置から前記駐車位置への自動走行中に、前記車両位置及び前記移動方向を含む前記車両情報と前記撮影画像とに基づき、前記車両が前記移動経路に沿って移動するよう前記自動運転ユニットを通じてフィードバック制御する
    ことを特徴とする駐車支援システム。
  2. 請求項に記載の駐車支援システムにおいて、
    前記駐車支援制御装置は、
    前記車両が前記入庫位置に位置したことを示す前記車両情報を受信したとき以降、前記固定カメラから受信した前記撮影画像から前記車両の特徴点パターンを抽出し続け、前記車両を捕捉しながら自動走行を監視する
    ことを特徴とする駐車支援システム。
  3. 請求項1又は2に記載の駐車支援システムにおいて、
    前記駐車支援制御装置は、
    前記車両が前記入庫位置から前記駐車位置への自動走行中に、前記固定カメラから受信した前記撮影画像により移動障害物が前記移動経路に進入する可能性を検知したとき、前記車両と前記移動障害物との干渉回避手法を計算して、前記自動運転ユニットに送信する
    ことを特徴とする駐車支援システム。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の駐車支援システムにおいて、
    前記車両は、さらに車載カメラを有し、
    前記自動運転ユニットは、
    前記車両を前記駐車位置に停止させる際、前記車載カメラによる撮影画像に基づき、前記車両を停止させる
    ことを特徴とする駐車支援システム。
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