JP5445218B2 - 駐車支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、映像を利用して駐車支援を行う駐車支援システムに関するものである。
駐車支援を行うために、車両(自車両)の周囲状況を撮像した映像を車両に搭載された表示手段に表示させることが行われている。特許文献1には、車両に装備された制御部によって、車両に搭載された車載カメラで撮像された映像に対して駐車施設に装備された施設側カメラで撮像された映像を加味した駐車支援情報を生成して、この駐車支援情報を車両に装備された表示手段に表示させることが開示されている。
特許文献2には、車両に搭載された制御部によって、駐車施設に装備された施設側カメラでもって駐車場全体を上方から撮像した映像を得て、駐車場平面の作成と空き駐車スペースの検出を行って、車両の現在位置から空き駐車スペースまでの誘導経路を作成して、この誘導経路を車両に搭載された表示手段に表示することが開示されている。特許文献3には、自車両が後退するときに、自車両に搭載したカメラでは死角となる領域の映像を、他車両に搭載したカメラで撮像するようにして、この他車両で撮像された死角領域の映像を自車両に搭載された表示手段に表示することが開示されている。
特開2007−148472号公報 特開2005−182504号公報 特開2004−64696号公報
しかしながら、従来の駐車支援システムにあっては、車両に駐車支援用の映像を撮像するための撮像手段を搭載する他、この撮像手段で撮像された映像を含む駐車支援要の映像を生成するための特別の制御部(つまりプログラム)や駐車支援情報生成のための膨大な各種データを記憶しておく必要がある。このことは、車両側にとってみれば、開発コストや製造コストがアップしたり複雑な制御を実行しなければならない等の原因となる。
上述のような観点から、駐車施設に駐車スペースを上方から撮像する施設側撮像手段を設けて、この施設側撮像手段で撮像された車両およびその周囲の映像を含む駐車支援情報を駐車施設側で生成して、生成された駐車支援情報を双方向通信によって車両に提供することが考えられる。この場合、車両側では、提供された駐車支援情報を車両に搭載した表示手段に表示させる処理のみを行えばよく、車両側の負担が極めて小さくてすむこととなる。しかしながら、この場合、通信速度(ここでいう通信速度とは、ネットワークが物理的に伝送できる単位時間当たりの最大データ量をいうのではなく、どのくらいのデータを単位時間当たりに伝送することができるかというもので、いわゆる実行速度又はスループットといってよいものである)の関係や映像処理(映像の生成処理や生成された映像の圧縮と解凍の処理)にそれなりの時間が要することから、施設側撮像手段での撮像タイミングから、車両に搭載された表示手段に駐車支援情報が表示されるまでの間には、かなりの遅延時間を生じることになる。この遅延時間のため、車両に搭載された表示手段に表示される車両位置と実際の車両位置とにずれが生じることになり、このずれのために運転者は駐車のための車両操作にとまどいを感じやすいものとなる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、車両側の負担を極力少なくしつつ実際の車両位置に対応した信頼性の高い駐車支援用の映像を提供できるようにした駐車支援システムを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第1の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
駐車施設の駐車スペースを上方から撮像する施設側撮像手段と、
駐車施設に入場する車両に搭載された車載通信手段と双方向通信を行うための施設側通信手段と、
前記施設側撮像手段で撮像された車両およびその周囲の映像を含む駐車支援情報を生成して、該生成した駐車支援情報を前記双方向通信によって車両に提供する施設側制御部と、
を備え、
前記施設側制御部は、前記施設側撮像手段による撮像から前記駐車支援情報の映像が前記車両に搭載された表示手段に表示されるまでの遅延時間の間に車両が移動する位置を推定して、該推定した移動後の車両の外形を前記駐車支援情報中に含める処理を行う、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、駐車支援情報つまり駐車支援のための映像は、全て駐車施設側で生成するので、車両側は、双方向通信を介して提供された駐車支援情報を表示するだけでよく、車両側の負担が極めて小さくてすむことになる。また、施設側撮像手段での撮像タイミングから車両の表示手段に駐車支援情報が表示されるまでの間の遅延時間の問題については、遅延時間の間での推定された移動後の車両の外形が駐車支援情報中に表示されるので、運転者は的確な駐車操作を行うことができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記施設側制御部は、前記駐車支援情報中の平面視した状態の車両の移動軌跡と前記遅延時間とに基づいて該遅延時間の間に移動した車両の位置を推定すると共に、該推定された移動後の車両の平面視した外形をシルエット表示する処理を行う、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、遅延時間の間での移動後の車両位置の推定を簡単に行うことができ、また遅延時間の間での推定された移動後の車両位置を、シルエット表示によって他の表示と明確に識別することができる。
前記施設側制御部は、前記遅延時間の間の移動後の車両の外形表示を実際の車両の大きさよりも拡大して行う、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、車両がどの方向に進むかに関係なく、周辺の障害物との接触を避けることを優先した安全サイドでの駐車支援情報を提供することができる。
前記施設側制御部は、前記双方向通信の速度または前記施設側通信手段が同時に双方向通信している車両の数に応じて前記遅延時間の長さを設定する、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、遅延時間の長短の設定を駐車施設側で簡単に行うことができる。
本発明によれば、車両およびその周辺の映像を含む駐車支援情報を、車両側の負担を極力少なくして車両に提供することができる。また、駐車支援情報の提供に遅延時間を有することの問題も解消することができる。
駐車施設の一例を示す図。 駐車施設側と車両側とに装備されるシステムの一例を示す図。 表示される駐車支援情報の一例を示す図。 表示される駐車支援情報の別の例を示す図。 本発明の制御例を示すフローチャート。
図1において、Tは屋外に設置された駐車施設を示し、図中1は多数の駐車スペースであり、隣り合う駐車スペース1同士は区分線2で区画され、各駐車スペース1の後端(奥側)位置には車止め(用のブロックで縁石)3が設置されている。駐車施設Tの入口4には、開閉されるゲートバー5が設置され、車両Vは、入口4から開いたゲートバー5を通過して、走行路6を通って任意の駐車スペース1に到達できるようにされている。なお、駐車施設Tの出口は、図示を略すが入口4とは別の場所に設けられている。
入口4の脇には、管理棟7が設置され、この管理棟7内に、駐車施設側のコントローラUTが装備されている。また、駐車施設Tには、高い位置において、各駐車スペース1を上方から撮像する撮影手段としてのカメラC設けられている。なお、全駐車スペース1を上方から撮影するために1台のカメラCでは不十分な場合は、複数のカメラCを設けておけばよい。また、駐車施設Tには、センサ、カメラ、レーダ等の物体特に非定常物を検出するためのセンサ類19が設置され、このセンサ類19によって、検出された非定常物の大きさ(種類)や非定常物までの距離が検出可能とされている。なお、センサ類19は、図1では1つのみ示されているが、実際には、駐車施設T内の非定常物をくまなく検出できるように、駐車施設Tの隅々まで検出できるように複数(多数)設置されているものである。
カメラCで撮像された映像は、施設側コントローラUTに入力されて、施設側コントローラUTでもって、車両Vおよびその周辺の映像を含む駐車支援用の映像が生成される。そして、施設側コントローラUTでもって生成された駐車施設用の映像は、無線通信手段を介して車両Vに送信されて、車両Vに装備された表示手段に表示されるようになっている。
図2は、施設側コントローラUTと、車両Vに搭載された車両側コントローラUVのシステム構成例が示される。この図2において、施設側と車両側とで互いに無線によって双方向通信するために、施設側コントローラUTが無線通信部11を有する一方、車両側コントローラUVが無線通信部31を有する。
施設側コントローラUTは、映像処理部12、障害物検出手部13,車両挙動推定部14、支援プログラム配布部15,ネットワーク状態監視部16、トリガ発生部17を有する。また、施設側コントローラUTは、駐車施設を上方から見た詳細な地図データをデータベースとして記憶しているハードディスク等の記憶手段18を有する。記憶手段18に記憶されている地図データには、駐車施設T内に存在する各種の既知の固定物、例えば支柱、樹木、縁石、仕切壁、消火栓、建屋等々の大きさおよび位置が合わせて記憶されている。さらに、施設側コントローラUTには、前述した高所に設置されたカメラCで撮像された映像の他、センサ類19で検出された非定常物に関する情報が入力される。
障害物検出部13は、地図データを記憶した記憶手段18とセンサ類19とからの出力を受けて、検出された障害物としての非定常物と既知の固定物とに関する大きさ(種類)や位置を地図データ中に組み込んで、映像処理部12に出力する。
車両挙動推定部14は、後述するように車両側から送信されてくる車体の寸法に関する車体情報や舵角、車速、現在選択されている変速段(特に後退段)等の運転情報に基づいて、その後、車両Vが現在位置からどのような移動軌跡をたどるかの予測(推定)を行って、その予測結果を映像処理部12に出力する。映像処理部12で生成された映像は、圧縮処理された後、無線通信部11を介して車両V側に送信される。
映像処理部12は、基本的に、カメラCで撮像された映像つまり駐車施設を受ける車両Vおよびその周辺の映像を取り込む。また、映像処理部12は、カメラCで撮像された映像中に、障害物検出部13で検出された障害物(非定常物および既知の固定物)を組み込む処理(合成)と、車両挙動推定部で車両の移動軌跡に基づいて得られた所定時間後の車両Vの外形を組み込む処理を行う。この所定時間は、カメラCでの撮像タイミングから、駐車支援情報としての映像が車両に搭載された表示画面35aに表示されるまでの遅延時間に相当する時間とされる。
トリガ発生部17は、駐車支援開始の信号を発生するためのもので、実施形態では、入口4近くに設置したスイッチ9(図1参照)を車両Vの運転者が操作したときに駐車施設を受ける意思があるということで、駐車施設開始信号を出力するようになっている。支援プログラム配布部15は、車両Vでの制御に必要なプログラムを記憶していて(記憶手段)、トリガ発生部17から駐車支援開始の信号を受けたときに、記憶しているプログラムを車両Vに向けて送信する。なお、ネットワーク状態監視部16は、施設側コントローラUTが正常に作動しているか否かを監視するためのものであり、このネットワーク状態監視部16には、例えばGPSシステム等からの極めて正確な時刻情報が入力されるようになっている。
一方、車両側コントローラUVは、無線通信部31の他、映像処理部32,車両情報送信部33,車両状態管理部34、表示装置35を有する。映像処理部32は、無線通信部31で受信した駐車支援用の圧縮された映像(映像信号)を解凍して、車両Vに搭載された表示装置35に出力する。表示装置35は、表示画面(ディスプレイ)35aと表示画面35aへの表示制御等を行う制御部35bとを有する。勿論、表示画面35aは、運転者に目視し易い位置に設置されているものである(例えばナビゲーション用の表示画面を利用することができる)。なお、表示画面35aは1つに限らず複数であってもよく、例えば運転者が後方を向いたときに運転者によって目視可能なバックモニタを表示画面35aとして利用することもできる。
車両状態管理部34は、例えばGPS等からの正確な位置と時刻の情報が入力され、また各種車両情報が入力される。車両情報としては、実施形態では、車体の寸法(例えば全長、全幅、全高、ホイールベース等)に関する車体情報と、車速、舵角、変速段(特に後退段)等の運転情報との両方を含むものとされている。この車体情報と運転情報とは、車両Vが駐車する際に、現在位置から所定の遅延時間後での移動位置(距離と向き)を推定するために必要なデータとされる。そして、車両状態管理部34で入手された各種情報は、車両情報送信部33から無線通信部31を介して、施設側コントローラUT(の車両挙動推定部14)に送信される。
ここで、施設側コントローラUTにおける支援プログラム配布部15から車両側コントローラUVに対して配布されるプログラムは、車両側コントローラUVの映像処理部32での映像処理と車両情報送信部33での車両情報送信を行うために必要なプログラムとされる。具体的には、映像処理部32においては、施設側コントローラUTの映像処理部12から出力される映像が圧縮されていることから、この圧縮映像を解凍(復元)して、通常の表示画面で表示可能な映像信号とするために必要なプログラムとされる。また、車両情報送信部33においては、車両挙動推定部14での移動軌跡の予測に必要な情報を選択して、施設側コントローラUT側に送信するために必要なプログラムとされる。
図3は、車両Vに搭載された表示画面35aに表示される駐車支援用の映像例を示すものである。すなわち、表示画面35aに表示される映像は、施設側コントローラUTの映像処理部12から出力される映像信号に対応していて、車両側コントローラUVの映像処理部32から表示画面35a(の制御部35b)へ出力される映像信号に対応しているものとなる。
図3の例では、複数の駐車スペース1を区別するために、個別に1a、1b、1c・・・の符合を付してある。車両Vは、駐車スペース1cに駐車しようとしているが、左右の隣りの駐車スペース1b、1dには他車両VX1あるいはVX2が既に駐車している。
図3に示す車両Vとその周辺の映像は、車両Vの現在位置が、駐車スペース1cや他車両VX1、VX2との関係で、上方から(俯瞰的に)見た映像として示されるので、車両Vを運転する運転者は、表示画面35aを目視しつつハンドル操作を行う等によって、障害物となる他車両VX1、VX2等を確実に把握して、これらの障害物を避けつつ駐車することができる(駐車支援を受ける)。
表示画面35aに表示される駐車支援情報としての映像は、カメラCで撮像されたタイミングから遅れたものとなる。この遅れとなる遅延時間は、主として、映像処理部12での駐車支援情報の生成処理と、生成された映像(映像信号)の圧縮処理と、車両Vにおける映像処理部32での映像(映像信号)の解凍処理となる。この他、無線通信部11と31との間での通信速度も、遅延時間発生の要因となる。特に、施設側コントローラUTが、数多くの車両Vについて同時に駐車支援する場合に、通信速度が大幅に低下して遅延時間が長く(大きく)なる。なお、ここでいう通信速度とは、ネットワークが物理的に伝送できる単位時間当たりの最大データ量をいうのではなく、どのくらいのデータを単位時間当たりに伝送することができるかというもので、いわゆる実行速度又はスループットといってよいものである。
遅延時間の設定(推定)に際しては、例えば、GPSから得られる極めて正確な時刻を利用することができる。具体的には、カメラCからの映像信号が映像処理部12に入力された時刻(時刻t1)を駐車支援情報中に組み込んでおき、この駐車支援情報を車両V側で表示画面35aに表示するタイミングのときのGPSからの時刻(時刻t2)を双方向通信によって施設側コントローラUTに送信することにより、遅延時間は「t2−t1」として施設側コントローラUTにおいて正確に把握することができる。勿論、遅延時間の推定は、上記の場合に限らず、あらかじめ実験的に求めておいた時間を用いつつ、測定(監視)している双方向通信の速度に応じて標準の遅延時間を補正するようにする等のこともでき、またこれ以外の適宜の手法によって行うことができる。
施設側コントローラUTの映像処理部12では、上記遅延時間を考慮して、この遅延時間の間で車両Vが移動した後の車両外形を駐車支援の映像中に含めるようにしてある。具体的には、図3破線で示すδ1あるいはδ2が、上記移動後の車両位置を示し、δ1は遅延時間が比較的短い場合を示し、δ2は遅延時間が比較的長い場合を示す。勿論、δ1とδ2とは、遅延時間の長短い応じていずれか1つが表示されるものである。
上記遅延時間の間での移動後の車両Vの位置(距離と方向)の推定は、例えば、次のようにして行うことができる。まず、図3において、一点鎖線は、現時点から前の時点での車両Vの位置を示すもので、γ2はγ1に比してより以前の時間での車両Vの位置を示す。この以前の車両Vの移動軌跡γ1,γ2に基づいて、遅延時間の間での移動後の車両Vの位置を推定することができる。なお、γ1,γ2は駐車支援情報としての映像中に表示してもよいが、表示しなくてもよい。また、別の推定手法として、車両V側から、車速と舵角等の運転情報と、車幅、全長、ホイールベース等の車体寸法に関する車体情報とを双方向通信によって入手して、この運転情報と車体情報とに基づいて遅延時間の間での移動後の車両Vの位置を推定することができる。さらに別の推定手法として、施設側コントローラUTが同時に駐車支援する車両Vの数に応じて行うことができる。具体的には、例えば、同時に駐車支援する車両の数毎に標準的な遅延時間を実験的に求めておき、実際に施設側コントローラUTが同時に駐車支援する際の車両Vの数に応じて、遅延時間を設定(推定)することもできる(同時に駐車支援する車両Vの数が多いほど遅延時間が長くされる)。勿論、遅延時間の間での移動後の車両Vの位置の推定手法は上記の場合に限らず、適宜の手法を採択することができる。
図4は、遅延時間を考慮した駐車支援情報としての映像の別の表示例を示すものである。図4の場合は、車両Vの表示を、実際の車両寸法に対応して表示された実線で示す場合よりも、破線ε1で示すように拡大して示すようにしてある(例えば1.1倍)。そして、遅延時間が長いほど、拡大倍率を高めるようにしてある。図4の場合、拡大表示によって、車両Vがどの方向に移動しても対応できる表示となる。
遅延時間の間での移動後の車両Vの外形表示に際しては、平面視(上方かた見た状態)において、車両Vの全体の外形を示すように行うようにしてもよいが、外形の一部(特に進行方向の端部)のみを表示するようにしてもよい。また、遅延時間の間での移動後の車両Vの外形表示をシルエット的に表示するようにして、遅延時間を考慮した表示であることを運転者に認識させるようにすることもできる。
図5は、前述した図3あるいは図4に示すような映像表示を車両Vの表示画面35aに行わせるための制御例を示すものである。以下、図5について説明するが、以下の説明でSはステップを示す。また、図中、左側のステップS1〜S12は施設側コントローラUTの制御内容を示し、右側のステップS21〜S25は車両側コントローラUVの制御内容を示す。図4に示すような表示態様は、車両V側の表示用プログラムで対応できない場合でも、施設側コントローラUT側から送信されるプログラムを利用して、車両Vの表示画面35aに表示させることが可能である。
まず、S1において、管理棟7に装備された車両センサ8によって、車両Vが入口4に到達したか否かが判別される(車両センサ8については図1参照)。このS1の判別でYESのときは、S2において、駐車支援を受けるか否かの問い合わせ、および駐車支援を希望する場合にはスイッチ9を操作する旨の案内が、車両V(の運転者)に対してなされる(例えば音声案内)。この後、S3において、入口4にある車両Vの運転者が操作可能な位置に設けられた駐車支援確認スイッチ9が操作されたか否かが判別される。すなわち、駐車支援を受ける意思があるか否かの問い合わせを受けた車両BVの運転者がスイッチ9を操作することによって、S3の判別がYESとなって、駐車支援の制御が開始される。上記S1〜S3の処理が、図2におけるトリガ発生部17での制御内容に相当する。
S3の判別でYESのときは、S4において、無線通信部11を用いた双方向通信が開始される(車両側ではS21が対応)。この後、S5において、駐車支援のためのプログラムが、双方向通信によって、施設側コントローラUTから車両側コントローラUVに送信される。S5での処理に対応して、車両側ではS22で駐車支援用プログラムが受信されて、起動される。この後、車両側コントローラUVでは、S23において、車両情報(車体寸法に関する車体情報と、車速、舵角、選択されている変速段等に関する運転情報)が、施設側コントローラUTに向けて送信され、これに対応して、施設側コントローラUTでは、S8において、車両情報を受信する。
施設側コントローラUTでは、S5の後、S6において、通信トラフィックの判定つまり遅延時間の推定が行われる。このS6の後、S7において、推定された遅延時間が所定時間よりも小さいか否かが判別される。このS7の判別でYESのときは、駐車支援情報としての映像が、駐車支援として十分活用できる状態であるとして、S8以降の処理が実行される。すなわち、前述のようにS8において車両情報が受信された後、S9において、図3あるいは図4に示すような駐車支援用の映像が生成される。なお、図5の例では、遅延時間の間での移動後の車両Vの位置は、S8で入手した車両情報に基づいて推定するようにしてある。
S9の後、S10において、カメラCで撮像された映像を含む駐車支援情報が生成される(例えば図3、図4に示すような駐車支援の映像の生成)。生成された駐車支援の映像は、S10において、車両側コントローラUVに送信される。車両側コントローラUVでは、S24において、駐車支援用の映像を受信して、表示画面35aに表示させる。
S10の後、S11において、車両Vの駐車が完了したか否かが判別される。この判別は、例えば、カメラCで撮像された車両Vの映像が、ある駐車スペース1内に存在し、かつ所定時間以上不動状態であることが確認されたときに、駐車完了であると判断することができる。このS11の判別でNOのときは、S6に戻って、前述した処理が繰り返される。また、S11の判別でYESのときは、S12において、駐車支援を打ち切る(終了する)旨の信号が、車両側コントローラUVに向けて送信されて、施設側コントローラUTでの制御が終了される。車両側コントローラUVでは、駐車支援が打ち切る旨の信号を受信すると、車両側コントローラUV側での駐車支援に関する制御が終了される(駐車支援終了を音声案内してもよい)。
前記S7の判別でNOのときは、遅延時間があまりも遅すぎて駐車支援には不適当ということで、S12へ移行される(駐車支援の終了)。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。図5のS1〜S3の処理は、施設側コントローラUTとは別の施設側コントローラで行って、駐車支援開始スイッチ9がON操作されたときに、別の施設側コントローラから施設側コントローラUTに対して駐車支援開始のトリガ情報を送信して、このトリガ情報を受信したことを条件として、施設側コントローラUTでS4の制御から開始するようにすることもできる。図5のS1S3の処理を行うに際して、車両Vが入口4に到達した時点で駐車支援プログラムを車両Vに送信して、このプログラムの実行に基づいて、駐車支援を受けるか否かの問い合わせと、その応答(車両Vの運転者からの応答)を車両V側から施設側コントローラUTに対して送信させるようにすることもできる。さらに、入口4に到達した車両Vに対して、無条件に駐車支援を行うようにしてもよい。
カメラCが斜めから駐車施設Tを撮像する場合に、真上から見た映像に変換する処理を行うのが好ましいものである(複数台のカメラCを用いて撮像する場合も同じ)。駐車する可能性が低いと考えられる場合(例えば所定車速以上で直進しているときや、車両Vが駐車スペースの近くに位置しない場合等)は、例えば、駐車施設の地図データ上に車両Vの現在位置や既に駐車済みの駐車スペースを表示させて、駐車支援用の映像とすることもできる(駐車スペースの案内表示)。勿論、発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、車両の駐車支援を行うことができる。
T:駐車施設
V:車両(駐車希望する車両)
VX1、VX2:他車両
C:カメラ(撮像手段)
UT:施設側コントローラ
UV:車両側コントローラ
1:駐車スペース
2:区分線
3:車止め
4:入口
5:ゲートバー
6:走行路
7:管理棟
8:車両センサ
9:スイッチ(駐車支援要請用)
11:無線通信部
12:映像処理部
13:障害物検出部
14:車両挙動推定部
15:支援プログラム配布部
17:トリガ発生部
19:センサ類(非定常物検出)
31:無線通信部
32:映像処理部
33:車両情報送信部
34:車両状態管理部
35:表示装置
35a:表示画面
35b:制御部(表示画面制御用)

Claims (4)

  1. 駐車施設の駐車スペースを上方から撮像する施設側撮像手段と、
    駐車施設に入場する車両に搭載された車載通信手段と双方向通信を行うための施設側通信手段と、
    前記施設側撮像手段で撮像された車両およびその周囲の映像を含む駐車支援情報を生成して、該生成した駐車支援情報を前記双方向通信によって車両に提供する施設側制御部と、
    を備え、
    前記施設側制御部は、前記施設側撮像手段による撮像から前記駐車支援情報の映像が前記車両に搭載された表示手段に表示されるまでの遅延時間の間に車両が移動する距離と向きを推定して、該推定した移動後の車両の外形を前記駐車支援情報中に含める処理を行う、
    ことを特徴とする駐車支援システム。
  2. 請求項1において、
    前記施設側制御部は、前記駐車支援情報中の平面視した状態の車両の移動軌跡と前記遅延時間とに基づいて該遅延時間の間に移動した車両の位置を推定すると共に、該推定された移動後の車両の平面視した外形をシルエット表示する処理を行う、ことを特徴とする駐車支援システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記施設側制御部は、前記遅延時間の間の移動後の車両の外形表示を実際の車両の大きさよりも拡大して行う、ことを特徴とする駐車支援システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記施設側制御部は、前記双方向通信の速度または前記施設側通信手段が同時に双方向通信している車両の数に応じて前記遅延時間の長さを設定する、ことを特徴とする駐車支援システム。
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