JP6863287B2 - ポリエステル組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1では、銅塩およびハロゲン化物の少なくとも1つを有する二軸延伸ポリエステルフィルムが開示され、銅塩やハロゲン化物を加えることで熱安定性が向上することが記載されている。
特許文献3では、微細凝集粒子の含有によるキズを抑制することが記載されている。
本発明の目的は以下の手段によって達成される。
(1)標準酸化還元電位が−1.70V以上であり、Cu、Pd、Pt、Au、Fe、Znの群から選ばれる金属元素を含む50nm以上1.5μm以下の粒子、およびアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有していることを特徴とするポリエステル組成物。
(2)金属元素の含有量がポリエステル組成物に対して、0.01mol/t以上30mol/t以下であることを特徴とする(1)に記載のポリエステル組成物。
(3)金属元素がCuであることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリエステル組成物。
(4)金属元素の含有量M1(mol/t)と、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素の含有量M2(mol/t)の比が、式(I)を満たすことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のポリエステル組成物。
(5)COOH末端基量が20eq/t以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリエステル組成物。
(6)ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のポリエステル組成物。
(7)ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルおよびジオールをエステル化反応またはエステル交換反応し、次いで重縮合反応してポリエステル組成物を製造するに際して、標準酸化還元電位が−1.70V以上であり、Cu、Pd、Pt、Au、Fe、Znの群から選ばれる金属元素を含む金属化合物、およびアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物を重縮合反応終了前に添加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
(8)標準酸化還元電位が−1.70V以上である金属元素の添加量がポリエステル組成物に対して、0.01mol/t以上30mol/t以下であることを特徴とする(7)に記載のポリエステル組成物の製造方法。
(9)金属化合物に含まれる金属元素の添加量M3(mol/t)と、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物の添加量M4(mol/t)の比が、式(II)を満たすことを特徴とする(7)または(8)に記載のポリエステル組成物の製造方法。
(10)エステル化反応またはエステル交換反応終了から、重縮合反応終了までの間に金属化合物とアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物を添加することを特徴とする(7)〜(9)のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
(11)アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物を溶媒に溶解した溶液として添加することを特徴とする(7)〜(10)のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
(12)金属化合物とアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液を混合して添加することを特徴とする(7)〜(11)のいずれか1項に記載のポリエステル組成物の製造方法。
なお、本発明でいう標準酸化還元電位が−1.70V以上である金属元素を含む50nm以上1.5μm以下の粒子、およびアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含むとは、ポリエステル組成物がこれらを含有していることであって、各金属元素の粒子中およびポリマー中での化学的な形態は問わない。
本発明のポリエステル組成物は、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有していることが必要である。塩基性化合物由来のアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有することがさらに好ましい。アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有することで、金属元素を粒子化させ、さらに形成した粒子の微粒子化も可能であるため、金属イオンなどによる着色を抑制することができ、良好な色調、透明性および成形品とした際にキズ抑制効果を発揮するポリエステル組成物を提供することが可能である。透明性の観点から、アルカリ金属元素が特に好ましい。
0.01≦M2/M1≦30 (I)
M2/M1を上記の数値範囲内にすることで、得られる組成物の色調および透明性、成形品とした際のキズ抑制効果がより良好となる。これは、標準酸化還元電位が−1.70V以上である金属元素およびアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を特定の比率で共存させたことによる特異的な効果である。M2/M1が0.01以上であれば、色調および透明性、成形品とした際のキズ抑制の改善効果が顕著となり、M2/M1が30以下の場合は、過剰なアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素による着色なども発生しない。また、M2/M1の下限としては、0.3以上であることがさらに好ましい。M2/M1の上限としては、10以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、ジカルボン酸成分またはそのエステルとジオール成分を主原料とし、次の2段階の工程からなる。すなわち、(A)エステル化反応、または(B)エステル交換反応からなる1段階目の工程と、それに続く(C)重縮合反応からなる2段階目の工程である。
また、本発明の製造方法は、バッチ重合、半連続重合、連続重合が適用できる。
アンチモン化合物としては、アンチモンの酸化物、アンチモンのカルボン酸塩、アンチモンアルコキシドなどが挙げられる。
チタン化合物としては、チタンキレート錯体、チタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物などが挙げられる。
この中でも、重合時間および色調の観点から、アンチモン化合物を重縮合反応触媒として用いることが好ましい。
本発明のポリエステル組成物の製造方法において、標準酸化還元電位が−1.70V以上である金属元素を含む金属化合物、およびアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物は前記(A)エステル化反応または(B)エステル交換反応工程、それに続く(C)重縮合反応工程のいずれの段階で添加してもよいが、重縮合反応終了前に添加することで、COOH末端基量が20eq/t以下にすることができ、かつ良好な透明性を有するポリエステル組成物を得ることができる。
本発明のアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物の添加態様、形式およびポリエステル組成物中での形態は問わない。アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物は塩基性化合物であることが好ましい。本発明の塩基性化合物とは、ルイス塩基またはアレニウス塩基の定義を満たす化合物のことである。水酸化物であることがより好ましく、アルカリ金属水酸化物であることがさらに好ましい。アルカリ金属水酸化物を用いると、より色調の優れるポリエステル組成物が得られる。その中でも、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムが特に好ましい。水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムを用いると、特に色調と透明性の優れるポリエステル組成物が得られる。これらは2種以上を併用することもできる。
本発明のポリエステル組成物の製造方法は、標準酸化還元電位が−1.70V以上の金属元素を含む金属化合物とアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物を併用することにより、ポリエステル組成物に優れた熱安定性、さらに良好な色調、透明性および成形品とした際のキズ抑制効果を付与できることを見出したものである。標準酸化還元電位が−1.70V以上の金属元素を含む金属化合物を特定量添加することによって、ポリエステル組成物に良好な熱安定性が付与できるが、成形品とした際のキズ抑制効果が付与できない。また、該金属由来のイオンにより、ポリエステル組成物に着色が発生し、さらに金属化合物の凝集などにより、ポリエステル組成物の透明性が低下する。本発明では、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物を添加することによって、ポリエステル組成物の原料であるジオール成分の一部を脱水反応させ、還元性のあるアルデヒド成分を生成させる。これにより色調悪化の原因となる金属イオンを還元し、着色のない金属の微粒子を形成させるため、良好な色調および高透明性を可能にしている。さらに、ポリエステル組成物中に金属微粒子の形成により、成型された際にキズ抑制効果を発揮する。アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物は塩基性化合物の場合、効果がさらに高まる。金属微粒子の形成は、金属元素の標準酸化還元電位の影響を受ける。すなわち、本発明の効果を果たすため、特定の金属化合物とアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物の併用は特に重要である。この特定の金属化合物とアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物の併用により、標準酸化還元電位が−1.70V以上の金属元素を含む50nm以上1.5μm以下の粒子をポリエステル組成物中に形成させることが可能である。
金属化合物に含まれる標準酸化還元電位が−1.70V以上である金属元素の添加量M3(mol/t)と、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素の添加量M4(mol/t)の比が、式(II)で表される関係を満たすことが好ましい。
0.01≦M4/M3≦30 (II)
M4/M3を上記の数値範囲内にすることで、色調、透明性および成形品とした際のキズ抑制効果がさらに良好となる。M4/M3の下限としては、0.3以上であることがさらに好ましい。また、M4/M3の上限としては、10以下であることがさらに好ましい。M4/M3が0.01以上であれば、色調、透明性および成形品とした際のキズ抑制効果が顕著となり、M4/M3が30以下の場合は、過剰なアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素による着色なども発生しない。
255℃にて溶解したビスヒドロキシエチルテレフタレート(以降BHTと呼ぶ)が仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸とエチレングリコール(テレフタル酸に対し1.15倍モル)のスラリーを徐々に添加し、エステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245〜250℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とする。
なお、物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
また、実施例20は参考例と読み替える。
オルソクロロフェノール(以降OCPと呼ぶ)を溶媒として用い、25℃で測定した。
Mauriceの方法によって測定した(文献 M.J.Maurice,F.Huizinga,Anal.Chem.Acta、22、363(1960))。
0.1μm〜0.2μmの厚みを有するポリエステル組成物の薄膜を作成し、透過型電子顕微鏡(日立製、H−7650)を用いて、粒子および粒子径の確認を行った。粒子径とは、粒子におけるもっとも長い直径のことである。粒子確認後、その薄膜サンプルをEDX(堀場製作所製、SuperXerophyS−779XI)に移し、エネルギー分散型X線分光法にて測定し、金属元素の確認を行った。
粒子径が50nm以上1.5μm以下の標準酸化還元電位が−1.70V以上である金属元素を含む粒子を含有する場合は○、含有しない場合は×とした。
原子吸光分析法(日立製作所:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレーム:アセチレン−空気)にて定量を行い、ポリエステル組成物1t中の量に換算した。
理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用いて定量を行い、ポリエステル組成物1t中の量に換算した。
ポリステル組成物を凍結粉砕機(Sprex CertiPerp社製)にて粉砕し、ステンレスビーカーに0.5g秤量した。真空乾燥機を用いて、50℃で2時間真空乾燥した後、空気と窒素の混合気体で酸素濃度1%とし、試料含有容器に酸素濃度1%の混合気体を配管より通し十分に置換された後に、該容器を300℃のオイルバスに浸し、酸素濃度1%の窒素流通下(流量0.5L/分)6時間加熱処理を行った。これを、20mlのOCPで、160℃で1時間溶解し、放冷した。
この溶液を、ガラスフィルター(柴田科学社製、3GP40)を使用しろ過、ジクロロメタンにてガラスフィルターを洗浄した。ガラスフィルターを130℃で2時間乾燥し、ろ過前後のろ過器の重量の増分より、フィルターに残留したOCP不溶物(ゲル)の重量を算出し、OCP不溶物のポリエステル重量(0.5g)に対する重量分率を求め、ゲル化率(%)とした。
チップ状のポリエステル組成物を測定用セル(φ=50mm、高さ20mm)に充填し、色差計(スガ試験機社製、SMカラーコンピュータ型式SM−T45)を用いて、a値を測定した。色調の判定基準は、a値が10以下であれば合格とし、10を超える場合を不合格とした。
測定する試料約2gをOCP20mLに溶解させ、ヘイズメーター(スガ試験機社製)HGM−2DP型を用い、積分球式光電光度法にて測定を行った。透明性の判定基準は、
溶液ヘイズが10%以下であれば合格とし、10%を超える場合を不合格とした。
チップ状のポリエステル組成物8gを300℃で溶融しプレスすることで、120mm×120mm×0.4mm(横×縦×厚み)のフィルムを作成した。超薄膜スクラッチ試験機(レスカ製、CSR5000)で、5μmの端子を用いて、上記フィルムに20mNの負荷をかけてフィルム表面にキズをつけた(励振振幅10μm、励振周波数45Hz、試料温度25℃)。形成したキズを形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス製、VK−X200)で観察し、キズの断面積を計算した。面積を6回測定して、平均を取った。キズの断面積は130μm2を超えると不合格とした。
250℃にて溶解したBHT105重量部が仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部(テレフタル酸に対し1.15倍モル)からなるスラリーを徐々に添加し、エステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245〜250℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とし、BHTを得た。
得られたポリエステル組成物は、粒子径が0.1μm〜1.3μmのCu元素を含有する粒子を確認し、熱安定性、色調、透明性のいずれも良好であった。なお、作成したフィルムのキズの断面積は118.4μm2となり、合格であった。
金属化合物またはアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含む化合物の種類、および添加量を変更した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物の特性を表1〜表4に示す。
実施例2〜8で得られたポリエステル組成物は、粒子径が50nm〜1.5μmのCu元素を含有する粒子を確認し、熱安定性、色調、透明性およびキズ抑制いずれも合格レベルであった。
実施例10で得られたポリエステル組成物は、M2/M1の値が大きく、緑みも見られたが、合格であった。
実施例11で得られたポリエステル組成物は、酢酸銅(II)一水和物の代わりに硫酸銅(II)を使用し、熱安定性、色調、透明性およびキズ抑制は良好であり、溶液ヘイズは増加傾向ではあるが合格であった。
実施例12で得られたポリエステル組成物は、酢酸銅(II)一水和物の代わりにヨウ化銅(I)を使用し、熱安定性、色調、透明性およびキズ抑制は合格レベルであった。
実施例13、14で得られたポリエステル組成物は、水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウムを使用した。熱安定性、色調、透明性およびキズ抑制は良好であり、溶液ヘイズは増加傾向であるが合格であった。
実施例21で得られたポリエステル組成物は、水酸化カリウムの代わりに水酸化マグネシウムを使用した。水酸化マグネシウムのエチレングリコールへの溶解性は低く、スラリーの状態であった。赤みが見られ、溶液ヘイズは増加傾向であるが、合格レベルであった。
比較例2〜5で得られたポリエステル組成物は、銅化合物を添加したが、塩基性化合物を添加していないため、色調および/または透明性が低下し、キズ抑制が不合格であった。また、Cu元素を含有する粒子を確認したが、その粒径が1.8μm以上であった。
250℃にて溶解したBHT105重量部が仕込まれたエステル化反応器に、テレフタル酸86重量部とエチレングリコール37重量部(テレフタル酸に対し1.15倍モル)からなるスラリーを徐々に添加し、エステル化反応を進行させる。反応系内の温度は245〜250℃になるようにコントロールし、反応率が95%に到達した段階でエステル化反応を終了とし、BHTを得た。
エステル化反応器から105重量部のBHTを重合装置へ溶融状態で仕込み、温度を255℃とした。その後、得られるポリエステル樹脂に対して、1.43mol/t相当のリン酸トリメチルと、0.145mol/t相当の三酸化アンチモンを添加し、反応を開始した。290℃で所定の攪拌トルクの80%を示すまで重合反応させた後、重合装置内を常圧に戻し、0.26mol/t相当の酢酸銅(II)一水和物と3.33mol/t相当の水酸化カリウムのエチレングリコール混合溶液を添加した。添加後、重合装置内の圧力を常圧から250Pa以下まで再度減圧し、所定の攪拌トルクを示すまで重合反応させた。得られたポリエステル組成物の特性を表5に示す。
得られたポリエステル組成物は、熱安定性、色調、透明性およびキズ抑制いずれも良好であったが、溶液ヘイズは実施例1より若干高かった。
酢酸銅(II)一水和物と水酸化カリウムを混合溶液にせず、固体状態で別々で添加した以外、実施例1と同様に実施した。得られたポリエステル組成物の特性を表5に示す。
得られたポリエステル組成物は、実施例1と比べ、色調・透明性およびキズ抑制が低下したが、合格レベルであった。
酢酸銅(II)一水和物と水酸化カリウムのエチレングリコール溶液を混合せず、別々で添加した以外、実施例1と同様に実施した。得られたポリエステル組成物の特性を表5に示す。
得られたポリエステル組成物は、熱安定性、色調、透明性およびキズ抑制いずれも良好であったが、実施例1より色調が低下する傾向であった。
Claims (12)
- 標準酸化還元電位が−1.70V以上であり、Cu、Pd、Pt、Au、Fe、Znの群から選ばれる金属元素を含む50nm以上1.5μm以下の粒子、およびアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素を含有していることを特徴とするポリエステル組成物。
- 金属元素の含有量がポリエステル組成物に対して、0.01mol/t以上30mol/t以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物。
- 金属元素がCuであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物。
- 金属元素の含有量M1(mol/t)と、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属元素の含有量M2(mol/t)の比が、式(I)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物。
0.01≦M2/M1≦30 (I) - COOH末端基量が20eq/t以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物。
- ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル組成物。
- ジカルボン酸またはジカルボン酸エステルおよびジオールをエステル化反応またはエステル交換反応し、次いで重縮合反応してポリエステル組成物を製造するに際して、標準酸化還元電位が−1.70V以上であり、Cu、Pd、Pt、Au、Fe、Znの群から選ばれる金属元素を含む金属化合物、およびアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物を重縮合反応終了前に添加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
- 標準酸化還元電位が−1.70V以上である金属元素の添加量がポリエステル組成物に対して、0.01mol/t以上30mol/t以下であることを特徴とする請求項7に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- 金属化合物に含まれる金属元素の添加量M3(mol/t)と、アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物の添加量M4(mol/t)の比が、式(II)を満たすことを特徴とする請求項7に記載のポリエステル組成物の製造方法。
0.01≦M4/M3≦30 (II) - エステル化反応またはエステル交換反応終了から、重縮合反応終了までの間に金属化合物とアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物を添加することを特徴とする請求項7に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- アルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物を溶媒に溶解した溶液として添加することを特徴とする請求項7に記載のポリエステル組成物の製造方法。
- 金属化合物とアルカリ金属元素および/またはアルカリ土類金属水酸化物溶液を混合して添加することを特徴とする請求項7に記載のポリエステル組成物の製造方法。
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