1.第1実施形態
1−1.防災システム1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る防災システム1の構成の一例を示す図である。防災システム1は、自動火災報知設備2(以下、「自火報設備2」)と表示システム3とを備える。
<自火報設備2の構成>
自火報設備2は、防火対象物である施設に設置される。ここで施設とは、駅やデパートやショッピングセンター等の商業施設や、空港等の公共施設や、病院等の医療施設や、大学等の教育施設である。自火報設備2は、施設の各所に設置される火災感知器4と、施設の防災センタに設置される火災受信機5とを備える。火災感知器4と火災受信機5は信号線を介して接続される。火災受信機5は、通信回線8を介して表示制御サーバ7とも接続される。ここで通信回線8は、例えば、インターネットや無線LAN等の通信ネットワークである。自火報設備2は、P型システムであってもR型システムであってもよい。以下の説明において、自火報設備2はR型システムであるとする。
<火災感知器4の構成>
火災感知器4は火災感知手段の一例であり、例えば光電式の煙感知器である。火災感知器4は、図示を省略するが、火災時に発生する煙を検知して火災を検出する火災検出部と、火災検出部が火災を検出すると自己の識別情報であるアドレスを含む火災感知信号を火災受信機5に送信する信号送信部とを備える。なお変形例として火災感知器4は、熱感知器や炎感知器等の他の種類の感知器であってもよい。
<火災受信機5の構成>
図2は、火災受信機5の構成の一例を示す図である。火災受信機5は、制御部51と、記憶部52と、表示部53と、操作入力部54と、第1通信部55と、第2通信部56とを備える。
制御部51は、CPU等の演算処理装置とRAM等の揮発性メモリとを備え、記憶部52に記憶されるプログラムを実行する。記憶部52は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶装置であり、制御部51により実行されるプログラムと、感知器データベース521とを記憶する。図3は、感知器データベース521の一例を示す図である。感知器データベース521は、火災感知器4のアドレスと対応付けて、当該感知器の設置場所の地区番号及び地区名称等を格納する。なお変形例として、記憶部52は外部記憶装置であってもよい。表示部53は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置であり、その他に各種の状態を代表的に示すLED等による表示灯が含まれていてもよい。操作入力部54は、操作ボタンやタッチパネル等の入力装置である。第1通信部55は、火災感知器4と信号線を介して通信を行うための通信インタフェースである。第2通信部56は、表示制御サーバ7と通信回線8を介して通信を行うための通信インタフェースである。
火災受信機5の制御部51は、記憶部52に記憶されるプログラムを実行することにより、第1信号受信部511と、火災判定部512と、信号送信部513という機能を実現する。
第1信号受信部511は、火災感知器4から火災感知信号を受信する。火災感知信号を受信すると、感知器データベース521を参照して、当該信号に含まれるアドレスに対応する設置場所を特定する。また、第1信号受信部511は、図示せぬ発信機から信号線を介して火災信号を受信する。
火災判定部512は、第1信号受信部511により受信された信号に基づいて火災の発生を判定する。具体的には、2台目の火災感知器4から火災感知信号が受信された場合と、1台目の火災感知器4から火災感知信号が受信されてから一定時間が経過した場合と、発信機から火災信号が受信された場合に、火災の発生を判定する。また、火災判定部512は、操作入力部54を用いて火災確定操作がなされた場合にも火災の発生を判定する。
信号送信部513は、表示制御サーバ7に対して火災情報信号を送信する。具体的には、第1信号受信部511により火災感知信号が受信されると、当該感知器が作動したことを通知する感知器発報信号を表示制御サーバ7に送信する。この感知器発報信号には、作動した火災感知器4のアドレスと設置場所情報とが含まれる。また、信号送信部513は、火災判定部512により火災の発生が判定されると、火災の確定を通知する火災確定信号を表示制御サーバ7に送信する。また、信号送信部513は、操作入力部54を用いて復旧操作がなされると、非火災信号を表示制御サーバ7に送信する。
なお詳細に説明しないが、火災受信機5は、火災発生時に主音響及び地区音響の火災警報を行う機能を有し、地区音響としては、地区ベルの音響制御を行ったり、非常放送設備を利用して音声警報制御を行ったりし、必要なフロアや施設全体等を対象に火災警報動作を行う。
<表示システム3の構成>
表示システム3は、防火対象物である各種の施設で日常的に用いられるものであり、施設の目的に応じて必要な各所に設置される表示装置6と、表示制御サーバ7とを備える。表示装置6と表示制御サーバ7は通信回線8を介して接続される。
<表示装置6の構成>
図4は、表示装置6の構成の一例を示す図である。表示装置6はデジタルサイネージである。ここでデジタルサイネージとは、電子的な表示装置を備え、広告やフロアガイド、ニュース等の情報を表示する電子看板である。デジタルサイネージに表示される情報は、当該装置に記憶される情報を更新することで変更することができ、表示情報を一定時間ごとに表示を切り替えることもできる。デジタルサイネージは、主に屋外や店頭に設置される。この表示装置6は、制御部61と、記憶部62と、表示部63と、通信部64とを備える。
制御部61は、CPU等の演算処理装置とRAM等の揮発性メモリとを備え、記憶部62に記憶されるプログラムを実行する。記憶部62は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶装置であり、制御部61により実行されるプログラムと、広告やフロアガイド等の非防災情報と、非防災情報の表示スケジュールと、自己の識別情報である表示装置アドレスを記憶する。表示部63は、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイやプロジェクタ等の表示装置である。表示部63は、通常、制御部61による制御の下、記憶部62に記憶される非防災情報を表示スケジュールに従って表示する。通信部64は、表示制御サーバ7と通信回線8を介して通信を行うための通信インタフェースである。
表示装置6の制御部61は、記憶部62に記憶されるプログラムを実行することにより、表示指示受信部611と、表示制御部612という機能を実現する。
表示指示受信部611は、表示制御サーバ7から表示指示を受信する。
表示制御部612は、表示指示受信部611により表示指示が受信されると、当該表示指示に従って表示部63に防災情報を表示させる。具体的には、感知器発報画面の表示を指示されると、表示部63の表示を非防災情報から感知器発報画面に切り替える。火災画面の表示を指示されると、表示部63の表示を非防災情報又は感知器発報画面から火災画面に切り替える。火災画面がすでに表示されている場合には、火災画面を更新する。非火災画面の表示を指示されると、表示部63の表示を感知器発報画面から非火災画面に切り替える。防災情報を表示させる際、表示制御部612は、当該防災情報を構成する各々異なる言語で表現された複数の防災情報を、受信された表示指示により示される表示順序で表示させる。
<表示制御サーバ7の構成>
図5は、表示制御サーバ7の構成の一例を示す図である。表示制御サーバ7は、火災受信機5から送信される火災情報信号に基づいて表示装置6に防災情報を表示させるコンピュータ装置である。この表示制御サーバ7は、制御部71と、記憶部72と、通信部73とを備える。
制御部71は、CPU等の演算処理装置とRAM等の揮発性メモリとを備え、記憶部72に記憶されるプログラムを実行する。記憶部72は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶装置であり、制御部71により実行されるプログラムと、表示装置6に表示させる防災情報とを記憶する。ここで防災情報とは、具体的には、防災情報を通知する防災画面の情報である。より具体的には、火災感知器4が作動したことを通知する感知器発報画面(感知器発報の場所と表示装置6の閲覧者の現在位置を示す感知器発報地図を含めてもよいし、感知器発報地図画面を別に設けて交互に表示する画面としてもよい)と、火災の確定を通知するとともに火災の発生場所と表示装置6の閲覧者の現在位置を通知する火災画面(火災確定の通知のみを火災画面とし、火災の発生場所と表示装置6の閲覧者の現在位置を示す火災地図画面を別に設けて交互に表示する画面としてもよい)と、火災の不発生が確認されたことを通知する非火災画面(表示装置6の閲覧者の現在位置を示す非火災地図を含めてもよいし、非火災地図画面を別に設けて交互に表示する画面としてもよい)の情報である。各防災画面は、各々異なる言語で表現された複数の防災画面により構成される。具体的には、日本語、英語、中国語及び韓国語で各々表現された複数の防災画面により構成される。なお、言語の数と種類は、想定される閲覧者の使用言語に応じて変更されてよい。
また、記憶部72は、信号データベース721と、表示装置データベース722と、連動データベース723とを記憶する。図6(a)は、信号データベース721の一例を示す図である。信号データベース721は、火災受信機5から受信される各火災情報信号について、信号の受信日時と、信号の種類と、信号に含まれる火災感知器4のアドレスとを対応付けて格納する。図6(b)は、表示装置データベース722の一例を示す図である。表示装置データベース722は、施設の各所に設置される表示装置6のアドレスと対応付けて、当該装置の設置場所の地区番号及び地区名称と、防災画面の表示順序とを格納する。ここで防災画面の表示順序とは、防災画面を構成する各々異なる言語で表現された複数の画面が表示される順序のことである。各表示装置6の表示順序は、他の表示装置6との配置関係に基づいて予め決定される。具体的には、隣接または近接する表示装置6の表示順序が各々異なるように予め決定される。これは、隣接または近接する表示装置6に異なる言語が同時に順次表示されるようにして、表示装置6の閲覧者が、自身が理解できる言語で表現された防災情報が表示されるまで待たされる時間を短縮するためである。図6(c)は、連動データベース723の一例を示す図である。連動データベース723は、火災感知器4が作動した際に、当該事象を表示させるべき表示装置6を特定するために参照されるデータベースである。連動データベース723は、火災感知器4のアドレスと表示装置6のアドレスとを対応付けて格納する。図6(c)は一例であり、火災感知器4のアドレスに複数の表示装置6のアドレスを対応付けてもよい。なお変形例として、記憶部72は外部記憶装置であってもよい。
通信部73は、火災受信機5及び表示装置6と通信回線8を介して通信を行うための通信インタフェースである。
表示制御サーバ7の制御部71は、記憶部72に記憶されるプログラムを実行することにより、第2信号受信部711と、表示先特定部712と、情報生成部713と、表示順序特定部714と、表示制御部715という機能を実現する。
第2信号受信部711は、火災受信機5の信号送信部513により送信された火災情報信号を受信する。具体的には、感知器発報信号、火災確定信号又は非火災信号を受信する。火災情報信号を受信すると、当該信号の情報を受信日時と対応付けて信号データベース721に登録する。
表示先特定部712は、第2信号受信部711により火災情報信号が受信されると、防災情報を表示すべき表示装置6を特定する。具体的には、感知器発報信号又は非火災信号が受信されると、信号データベース721と連動データベース723とを参照して表示装置6を特定する。より具体的には、信号データベース721を参照して、それまでに作動した火災感知器4を特定し、次に連動データベース723を参照して、特定した火災感知器4に対応付けられている表示装置6を特定する。一方、火災確定信号が受信されると、表示装置データベース722を参照してすべての表示装置6を特定する。すなわち、表示先特定部712により特定される表示装置6の数は、第2信号受信部711により受信された火災情報信号の数に応じて増加する。
情報生成部713は、第2信号受信部711により火災情報信号が受信されると、受信された火災情報信号に対応する防災情報を取得又は生成する。具体的には、第1報の感知器発報を示す感知器発報信号が受信されると、感知器発報画面情報を記憶部72から取得する(感知器発報画面と合わせて感知器発報地図画面の情報を生成してもよい)。第2報以降の感知器発報を示す感知器発報信号か又は火災確定信号が受信されると、火災画面情報を記憶部72から取得する。そして、信号データベース721を参照して、それまでに作動した火災感知器4の場所(すなわち火災発生場所)を、火災画面に示される施設の地図上にプロットする。また、表示装置データベース722を参照して、表示先特定部712により特定された表示装置6の設置場所(すなわち閲覧者の現在位置)を、火災画面に示される施設の地図上にプロットして、表示装置6に送信する火災画面情報を生成する(火災確定の通知を火災画面とし、通知画面と火災地図画面とに分けて情報を生成してもよい)。非火災信号が受信された場合には、非火災画面情報を記憶部72から取得する(非火災画面と合わせて非火災地図画面の情報を生成してもよい)。
表示順序特定部714は、表示先特定部712により特定された表示装置6において防災情報が表示される際に、当該防災情報を構成する各々異なる言語で表現された複数の防災情報が表示される表示順序を特定する。その際、表示順序特定部714は、表示装置データベース722を参照して表示順序を特定する。
表示制御部715は、表示先特定部712により特定された表示装置6に対して、情報生成部713により当該装置のために取得又は生成された防災画面情報と、表示順序特定部714により当該装置のために特定された表示順序を示す表示順序情報とを含む表示指示を送信する。すなわち、表示制御部715は、当該特定された表示装置6に、当該取得又は生成された防災情報を構成する各々異なる言語で表現された複数の防災情報を、当該特定された表示順序で表示させる。
1−2.防災システム1の動作
表示制御サーバ7により実行される表示制御動作について説明する。図7は、表示制御動作の一例を示すフローチャートである。この表示制御動作は、表示制御サーバ7が火災受信機5から火災情報信号を受信すると実行される。
表示制御サーバ7の第2信号受信部711により受信された火災情報信号が感知器発報信号である場合(Sa1の「感知器発報信号」)、情報生成部713は、信号データベース721を参照して、当該信号が示す発報が第1報であるか否かを判定する(Sa2)。この判定の結果、第1報でない場合には(Sa2のNO)、ステップSa4が実行される。一方、第1報である場合には(Sa2のYES)、表示装置6に感知器発報画面を表示させるための処理が実行される(Sa3)。図8は、この処理の一例を示すフローチャートである。
まず、情報生成部713は、記憶部72から感知器発報画面情報を取得する(Sa31)。画面情報が取得されると、表示先特定部712は、信号データベース721と連動データベース723とを参照して、感知器発報画面を表示させる表示装置6を特定する(Sa32)。表示装置6が特定されると、表示順序特定部714は、特定された表示装置6について、表示装置データベース722を参照して表示順序を特定する(Sa33)。表示順序が特定されると、表示制御部715は、特定された表示順序を示す表示順序情報とステップSa31で取得された感知器発報画面情報とを含む表示指示を、ステップSa32で特定された表示装置6に対して送信する(Sa34)。表示指示の送信後、ステップSa32で複数の表示装置6が特定されて、それらすべての表示装置6に対して表示指示が送信されていない場合には(Sa35のNO)、表示指示が送信されていない別の表示装置6についてステップSa33及びSa34が実行される。一方、ステップSa32で特定されたすべての表示装置6に対して表示指示が送信された場合には(Sa35のYES)、本表示制御動作は終了する。
表示制御サーバ7により送信された表示指示が表示装置6の表示指示受信部611により受信されると、当該装置の表示制御部612は、当該表示指示に従って表示部63の表示を非防災情報から感知器発報画面に切り替える(感知器発報地図画面が別に設けられる場合は、感知器発報画面と感知器発報地図画面を交互に切り替えて表示していく)。図9(a)は、感知器発報画面の一例を示す図である。当該画面は、日本語で表現された感知器発報画面である。
上記のステップSa1の判定において、表示制御サーバ7により受信された火災情報信号が火災確定信号である場合には(Sa1の「火災確定信号」)、表示装置6に火災画面を表示させるための処理が実行される(Sa4)。図10は、この処理の一例を示すフローチャートである。
まず、表示先特定部712は、表示装置データベース722を参照して、火災画面を表示させる表示装置6を特定する(Sa41)。表示装置6が特定されると、特定された表示装置6について、表示順序特定部714は表示装置データベース722を参照して表示順序を特定する(Sa42)。表示順序が特定されると、情報生成部713は、ステップSa41で特定された表示装置6について、信号データベース721と表示装置データベース722とを参照して火災画面情報を生成する(Sa43)。画面情報が生成されると、表示制御部715は、生成された火災画面情報とステップSa42で特定された表示順序を示す表示順序情報とを含む表示指示を表示装置6に対して送信する(Sa44)。表示指示の送信後、ステップSa41で複数の表示装置6が特定されて、それらすべての表示装置6に対して表示指示が送信されていない場合には(Sa45のNO)、表示指示が送信されていない別の表示装置6についてステップSa42乃至Sa44が実行される。一方、すべての表示装置6に対して表示指示が送信された場合には(Sa45のYES)、本表示制御動作は終了する。
表示制御サーバ7により送信された表示指示が表示装置6の表示指示受信部611により受信されると、当該装置の表示制御部612は、当該表示指示に従って表示部63の表示を非防災情報又は感知器発報画面から火災画面に切り替える(火災確定の通知のみを火災画面とする場合は、火災画面と火災地図画面とを交互に切り替えて表示していく)。図9(b)は、火災画面の一例を示す図である。当該画面は特に、表示制御サーバ7が火災確定信号を受信したときに表示装置6に表示される火災画面の一例である。当該画面は、日本語で表現された火災画面である。当該画面には、避難口と、作動した火災感知器4の設置場所(すなわち火災発生場所)と、表示装置6の設置場所(すなわち閲覧者の現在位置)が地図表示されている。図9(c)は、火災画面の別の例を示す図である。当該画面は特に、表示制御サーバ7が火災確定信号を受信した後にさらに感知器発報信号を受信したときに表示装置6に表示される火災画面の一例である。当該画面は、日本語で表現された火災画面である。当該画面は図9(b)に例示される画面と比較して、作動した火災感知器4の設置場所(すなわち火災発生場所)が増加している。
上記のステップSa1の判定において、表示制御サーバ7により受信された火災情報信号が非火災信号である場合には(Sa1の「非火災信号」)、表示装置6に非火災画面を表示させるための処理が実行される(Sa5)。図11は、この処理の一例を示すフローチャートである。
まず、情報生成部713は、記憶部72から非火災画面情報を取得する(Sa51)。画面情報が取得されると、表示先特定部712は、信号データベース721と連動データベース723とを参照して、非火災画面を表示させる表示装置6を特定する(Sa52)。表示装置6が特定されると、表示順序特定部714は、特定された表示装置6について、表示装置データベース722を参照して表示順序を特定する(Sa53)。表示順序が特定されると、表示制御部715は、特定された表示順序を示す表示順序情報とステップSa51で取得された非火災画面情報とを含む表示指示を、表示順序が特定された表示装置6に対して送信する(Sa54)。表示指示の送信後、ステップSa52で複数の表示装置6が特定されて、それらすべての表示装置6に対して表示指示が送信されていない場合には(Sa55のNO)、表示指示が送信されていない別の表示装置6についてステップSa53及びSa54が実行される。一方、すべての表示装置6に対して表示指示が送信された場合には(Sa55のYES)、本表示制御動作は終了する。
表示制御サーバ7により送信された表示指示が表示装置6の表示指示受信部611により受信されると、当該装置の表示制御部612は、当該表示指示に従って表示部63の表示を非防災情報又は感知器発報画面から非火災画面に切り替える(非火災地図画面が別に設けられる場合は、非火災画面と非火災地図画面を交互に切り替えて表示していく)。図9(d)は、非火災画面の一例を示す図である。当該画面は、日本語で表現された非火災画面である。
このように、感知器発報画面、火災画面及び非火災画面は、火災画面にのみ地図を表示したが、全てに地図を含めて表示してもよく、デジタルサイネージでは画面を順次切り替えて表示できるので、各画面を各通知画面と地図画面を別の画面として用意して、切り替えて表示するように制御してもよい。また、表示装置6の選択については、該当する場所を選択せず、全ての表示装置6に各画面を表示させるようにしてもよい。また、全ての表示装置6を対象に火災画面等に切り替える場合、施設内にいる多数の人が一斉に避難を開始すると、避難口が混み合って危険が生じたり、パニックを起こしたりするおそれがあるので、各表示装置6の画面を切り替えるタイミングとして、火災の場所を中心として、その中心に近い表示装置6から順に切り替えるように、表示制御部715が制御してもよい。また、火災を検出した火災感知器4の数に合わせて、火災場所を中心として、近い順に火災画面等に切り替える表示装置6の数を増やしていくようにしてもよい。また、火災受信機5は、1つの火災感知器4からのみ火災感知信号を受信した状態で、別の火災感知器4から2報目の火災感知信号を受信すると、火災の発生を判定して火災確定信号も表示制御サーバ7に送信するが、2報目の火災感知信号の受信で火災確定信号を表示制御サーバ7に送信しなくてもよい。本実施形態において火災受信機5は、2報目の火災感知信号の受信で2報目の火災感知信号に加えて火災確定信号を送信し、表示制御サーバ7で2報目の火災感知信号または火災確定信号のいずれかに基づき火災画面表示制御を行うように二重かしているが、2報目の火災感知信号のみであっても火災画面表示制御を行うことができる。
以上説明した防災システム1によれば、表示制御サーバ7が火災受信機5から火災情報信号を受信するごとに、表示装置6に表示させる防災情報を切り替えることができる。言い換えると、火災の拡大に合わせて、表示装置6に表示させる防災情報を切り替えることができる。また、感知器発報時には、作動した火災感知器4に対応する表示装置6のみに防災情報を表示させる一方で、火災確定後にはすべての表示装置6に防災情報を表示させることができる。言い換えると、火災の拡大に合わせて、防災情報を表示させる表示装置6の数を増加させることができる。また、隣接または近接する表示装置6において各種言語の防災情報が異なる順序で表示されるため、表示装置6の閲覧者にとっては自身が理解できる防災情報が表示されるまで待たされる時間が短縮される。
2.第2実施形態
第1実施形態に係る防災システム1では表示制御サーバ7により火災情報信号が受信されるごとに表示装置6の表示が切り替えられているが、表示制御サーバ7により一度火災情報信号が受信された後は、所定時間の経過ごとに表示装置6の表示を切り替えるようにしてもよい。また、表示を切り替えるまでの所定時間を延長したり、経過時間の計時を一時停止したりしてもよい。例えば、1つの火災感知器4が火災を検出したときに、表示装置6に感知器発報画面を表示させ、別の火災感知器4が火災を検出しなくとも所定時間経過したときに火災が発生した(火災確定)と判定し、火災画面を表示させて施設内の人に避難させることができる。そして、火災を検出した場所に向かい火災を確認する場合に時間がかかるときなどに所定時間を延長したり、経過時間の計時を一時停止したりすることができる。また、火災確定から所定時間後に火災画面を表示させる表示装置6の数を増やしたり、より強く避難を促す表示に切り替えたりすることができる。以下、このような動作を実現する防災システム1Aについて説明する。
2−1.防災システム1Aの構成
防災システム1Aの構成は、火災受信機5に代えて火災受信機5Aを備え、表示制御サーバ7に代えて表示制御サーバ7Aを備える点を除いては防災システム1と同様である。したがって、以下の説明では、火災受信機5Aと表示制御サーバ7Aの構成についてのみ説明する。
<火災受信機5Aの構成>
図12は、火災受信機5Aの構成の一例を示す図である。同図に示すように火災受信機5Aは、制御部51が記憶部52に記憶されるプログラムを実行することにより、信号送信部513に代えて信号送信部513Aという機能を実現し、遅延指示受付部514と停止指示受付部515と再開指示受付部516いう機能をさらに実現する点において、第1実施形態に係る火災受信機5と相違している。
遅延指示受付部514は、操作入力部54を用いて表示装置6の表示の切り替えの遅延が指示されると、当該遅延指示を受け付ける。遅延の指示がなされる際には、遅延時間が指定される。
停止指示受付部515は、操作入力部54を用いて表示装置6の表示の切り替えの停止が指示されると、当該停止指示を受け付ける。
再開指示受付部516は、表示装置6の表示の切り替えが停止された後に、操作入力部54を用いて表示装置6の表示の切り替えの再開が指示されると、当該再開指示を受け付ける。
信号送信部513Aは、火災情報信号に加えて、遅延指示受付部514により受け付けられた遅延信号と、停止指示受付部515により受け付けられた停止信号と、再開指示受付部516により受け付けられた再開信号とをさらに表示制御サーバ7に送信する点において、第1実施形態に係る信号送信部513と相違している。
<表示制御サーバ7Aの構成>
図13は、表示制御サーバ7Aの構成の一例を示す図である。同図に示すように表示制御サーバ7Aは、信号データベース721に代えて信号データベース721Aを記憶し、制御部71が記憶部72に記憶されるプログラムを実行することにより、第2信号受信部711、表示先特定部712及び情報生成部713に代えて、第2信号受信部711A、表示先特定部712A及び情報生成部713Aという機能を実現し、計時部716と、時間経過判定部717と、信号監視部718と、所定時間変更部719という機能をさらに実現する点において、第1実施形態に係る表示制御サーバ7と相違している。
信号データベース721Aは、火災受信機5Aから受信される火災情報信号に加えて、同機から受信される遅延信号、停止信号及び再開信号について、信号の受信日時と、信号の種類と、遅延時間とを対応付けて格納する点において、第1実施形態に係る信号データベース721と相違している。
第2信号受信部711Aは、火災受信機5Aの信号送信部513Aにより送信される火災情報信号に加えて、同部により送信される遅延信号、停止信号及び再開信号を受信して、受信した信号の情報を受信日時と対応付けて信号データベース721Aに登録する点において、第1実施形態に係る第2信号受信部711と相違している。
表示先特定部712Aは、第2信号受信部711Aにより火災情報信号が受信されるか、又は火災情報信号が受信されてから所定時間が経過すると、防災情報を表示すべき表示装置6を特定する。具体的には、感知器発報信号又は非火災信号が受信されると、信号データベース721Aと連動データベース723とを参照して表示装置6を特定する。より具体的には、信号データベース721Aを参照して、それまでに作動した火災感知器4を特定し、次に連動データベース723を参照して、特定した火災感知器4に対応付けられている表示装置6を特定する。一方、火災確定信号が受信されるか、感知器発報信号が受信されてから第1所定時間(例えば3分)が経過するか、第1所定時間が経過してからさらに第2所定時間(例えば10分)が経過するか、又は火災確定信号が受信されてから第2所定時間が経過すると、表示装置データベース722を参照してすべての表示装置6を特定する。ここで、第1所定時間及び第2所定時間は、記憶部72に予め記憶される。すなわち、表示先特定部712により特定される表示装置6の数は、第2信号受信部711Aにより受信された火災情報信号の数、又は第2信号受信部711Aにより火災情報信号が受信されてから経過した時間に応じて増加する。
情報生成部713Aは、第2信号受信部711Aにより火災情報信号が受信されるか、又は火災情報信号が受信されてから所定時間が経過すると、受信された火災情報信号か、又は火災情報信号が受信されてから経過した時間に対応する防災情報を取得又は生成する。火災情報信号が受信されてから所定時間が経過して防災情報が生成された場合には、表示制御部715は、第2信号受信部711Aにより火災情報信号が受信されてから所定時間が経過した後に、当該経過時間に対応する防災情報を表示装置6に表示させる。情報生成部713Aは、具体的には、感知器発報信号が受信されると、感知器発報画面情報を記憶部72から取得する。火災確定信号が受信されるか、感知器発報信号が受信されてから第1所定時間が経過するか、第1所定時間が経過してからさらに第2所定時間が経過するか、又は火災確定信号が受信されてから第2所定時間が経過すると、火災画面情報を記憶部72から取得する。そして、信号データベース721Aを参照して、それまでに作動した火災感知器4の場所(すなわち火災発生場所)を、火災画面に示される施設の地図上にプロットする。また、表示装置データベース722を参照して、表示先特定部712Aにより特定された表示装置6の設置場所(すなわち閲覧者の現在位置)を、火災画面に示される施設の地図上にプロットして、表示装置6に送信する火災画面情報を生成する。非火災信号が受信された場合には、非火災画面情報を記憶部72から取得する。
計時部716は、第2信号受信部711Aにより火災情報信号が受信されると、計時を開始する。計時開始後、第1所定時間又は第2所定時間が経過するか若しくは火災確定信号が受信されると、計時をリセットして再開する。計時開始後、第2信号受信部711Aにより停止信号が受信されると、計時を停止し、続いて再開信号が受信されると、計時を途中から再開する。
時間経過判定部717は、表示装置6に防災画面を表示させるための処理が実行されると、計時部716により計時された経過時間と、記憶部72から制御部71のRAMに読み出された所定時間とを参照して、所定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、感知器発報画面を表示させるための処理が実行されると、第1所定時間が経過したか否かを判定し、火災画面を表示させるための処理が実行されると、第2所定時間が経過したか否かを判定する。
信号監視部718は、表示装置6に感知器発報画面又は火災画面を表示させるための処理が実行されると、信号データベース721Aを参照して、火災情報信号、遅延信号、停止信号又は再開信号が新たに受信されているか否かを判定する。遅延信号が新たに受信されると、表示制御部715は、当該遅延信号に応じて表示装置6の表示の切り替えを遅延させることになる。停止信号が新たに受信されると、表示制御部715は、当該停止信号に応じて表示装置6の表示の切り替えを停止させることになる。
所定時間変更部719は、第2信号受信部711Aにより遅延信号が受信されると、当該遅延信号により示される遅延時間を、記憶部72から制御部71のRAMに読み出された所定時間に加算する。具体的には、第1所定時間の経過の判定中に遅延信号が受信されると、当該遅延信号により示される遅延時間を第1所定時間に加算する。一方、第2所定時間の経過の判定中に遅延信号が受信されると、当該遅延信号により示される遅延時間を第2所定時間に加算する。
2−2.表示制御サーバ7Aの動作
表示制御サーバ7Aにより実行される表示制御動作について説明する。図14は、表示制御動作の一例を示すフローチャートである。この表示制御動作は、表示制御サーバ7Aが火災受信機5から火災情報信号(特に、感知器発報信号又は火災確定信号)を受信すると実行される。なお、当該動作の開始後、記憶部72に記憶される第1所定時間と第2所定時間とは制御部71のRAMに読み出される。
表示制御サーバ7Aにより火災情報信号が受信されると、計時部716は計時を開始する(Sb1)。その後、受信された火災情報信号が感知器発報信号である場合には(Sb2の「感知器発報信号」)、表示装置6に感知器発報画面を表示させるための処理が実行される(Sb3)。当該処理の手順は、図8に示すステップSa31が情報生成部713Aにより実行され、ステップSa32が表示先特定部712Aにより実行される点を除いては上記のステップSa3と同様であるため、その説明を省略する。感知器発報画面の一例は、図9(a)に示す通りである。
ステップSb3の実行後、時間経過判定部717は、計時部716により計時された経過時間と、制御部71のRAMに記憶される第1所定時間とを参照して、第1所定時間が経過したか否かを判定する(Sb4)。この判定の結果、第1所定時間が経過した場合には(Sb4のYES)、計時部716は計時をリセットしてから再開し(Sb5)、その後、ステップSb16が実行される。なお、その際、RAMに記憶される第1所定時間が、後述するステップSb7により遅延時間が加算されたものであるときには、遅延時間が加算される前のものにリセットされる。一方、第1所定時間が経過していない場合には(Sb4のNO)、信号監視部718は、信号データベース721Aを参照して、遅延信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sb6)。この判定の結果、遅延信号が新たに受信されていない場合には(Sb6のNO)、ステップSb7は省略されてステップSb8が実行される。一方、この判定の結果、遅延信号が新たに受信されている場合には(Sb6のYES)、所定時間変更部719は、当該遅延信号により示される遅延時間を、制御部71のRAMに記憶される第1所定時間に加算する(Sb7)。
ステップSb7の実行後、信号監視部718は、信号データベース721Aを参照して、停止信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sb8)。この判定の結果、停止信号が新たに受信されていない場合には(Sb8のNO)、ステップSb9乃至Sb11は省略されてステップSb12が実行される。一方、この判定の結果、停止信号が新たに受信されている場合には(Sb8のYES)、計時部716は計時を停止する(Sb9)。その後、信号監視部718は、信号データベース721Aを参照して、再開信号が新たに受信されているか否かを判定し(Sb10)。再開信号が新たに受信されると(Sb10のYES)、計時部716は計時を途中から再開する(Sb11)。
ステップSb11の実行後、信号監視部718は、信号データベース721Aを参照して、火災確定信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sb12)。この判定の結果、火災確定信号が新たに受信されている場合には(Sb12のYES)、計時部716は計時をリセットしてから再開し(Sb13)、その後、ステップSb16が実行される。一方、この判定の結果、火災確定信号が新たに受信されていない場合には(Sb12のNO)、信号監視部718は、信号データベース721Aを参照して、非火災信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sb14)。この判定の結果、非火災信号が新たに受信されている場合には(Sb14のYES)、表示装置6に非火災画面を表示させるための処理が実行される(Sb15)。当該処理の手順は、図11のステップSa51が情報生成部713Aにより実行され、ステップSa52が表示先特定部712Aにより実行される点を除いては上記のステップSa5と同様であるため、その説明を省略する。非火災画面の一例は、図9(d)に示す通りである。ステップSb15の実行後、本表示制御動作は終了する。一方、ステップSb14の判定の結果、非火災信号が新たに受信されていない場合には(Sb14のNO)、ステップSb4が再び実行される。
上記のステップSb2の判定において、表示制御サーバ7Aにより受信された火災情報信号が火災確定信号である場合には(Sb2の「火災確定信号」)、表示装置6に火災画面を表示させるための処理が実行される(Sb16)。当該処理の手順は、図10のステップSa41が表示先特定部712Aにより実行され、ステップSa43が情報生成部713Aにより実行される点を除いては上記のステップSa4と同様であるため、その説明を省略する。火災画面の一例は、図9(b)又は図9(c)に示す通りである。
ステップSb16の実行後、時間経過判定部717は、計時部716により計時された経過時間と、制御部71のRAMに記憶される第2所定時間とを参照して、第2所定時間が経過したか否かを判定する(Sb17)。この判定の結果、第2所定時間が経過した場合には(Sb17のYES)、計時部716は計時をリセットしてから再開し(Sb18)、その後、ステップSb16が再び実行される。なお、その際、RAMに記憶される第2所定時間が、後述するステップSb20により遅延時間が加算されたものであるときには、遅延時間が加算される前のものにリセットされる。一方、第2所定時間が経過していない場合には(Sb17のNO)、信号監視部718は、信号データベース721Aを参照して、遅延信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sb19)。この判定の結果、遅延信号が新たに受信されていない場合には(Sb19のNO)、ステップSb20は省略されてステップSb21が実行される。一方、この判定の結果、遅延信号が新たに受信されている場合には(Sb19のYES)、所定時間変更部719は、当該遅延信号により示される遅延時間を、制御部71のRAMに記憶される第2所定時間に加算する(Sb20)。
ステップSb20の実行後、信号監視部718は、信号データベース721Aを参照して、停止信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sb21)。この判定の結果、停止信号が新たに受信されていない場合には(Sb21のNO)、ステップSb22乃至Sb24は省略されてステップSb25が実行される。一方、この判定の結果、停止信号が新たに受信されている場合には(Sb21のYES)、計時部716は計時を停止する(Sb22)。その後、信号監視部718は、信号データベース721Aを参照して、再開信号が新たに受信されているか否かを判定し(Sb23)。再開信号が新たに受信されると(Sb22のYES)、計時部716は計時を途中から再開する(Sb24)。
ステップSb24の実行後、表示制御サーバ7Aの図示せぬ操作入力部を用いて動作終了指示がなされたか否かが判定され(Sb25)、動作終了指示がなされていない場合には(Sb25のNO)、ステップSb17が再び実行され、動作終了指示がなされた場合には(Sb25のYES)、本表示制御動作は終了する。
なお、1回目のステップSb16の実行時に全ての表示装置16を対象に火災画面に切り替えるのではなく、2回目、3回目とステップSb16の実行回数に合わせて火災場所を中心として、近い順に火災画面に切り替える表示装置6の数を増やすようにしてもよい。また、ステップSb16の実行回数に合わせて、より強く避難を促すメッセージの火災画面を表示するようにしてもよい。
以上説明した防災システム1Aによれば、表示制御サーバ7Aが火災受信機5Aから火災情報信号を受信後、所定時間が経過するごとに、表示装置6に表示させる防災情報を切り替えることができる。言い換えると、火災の拡大に合わせて、表示装置6に表示させる防災情報を切り替えることができる。特に、表示制御サーバ7Aが感知器発報信号を受信してから所定時間経過するまでに非火災信号を受信しなければ、表示装置6に火災画面を表示して施設内の人に避難を促すことができ、より安全である。また、感知器発報後の現場確認に時間がかかる等の事情によっては、表示装置6の表示の切り替えを遅延又は停止することができる。また、感知器発報時には、作動した火災感知器4に対応する表示装置6のみに防災情報を表示させる一方で、火災確定後にはすべての表示装置6に防災情報を表示させることができる。言い換えると、火災の拡大に合わせて、防災情報を表示させる表示装置6の数を増加させることができる。また、隣接する表示装置6において各種言語の防災情報が異なる順序で表示されるため、表示装置6の閲覧者にとっては自身が理解できる防災情報が表示されるまで待たされる時間が短縮される。
3.変形例
上記の第1及び第2実施形態は下記のように変形してもよい。下記の変形例のうち2以上の変形例を互いに組み合わせてもよい。
3−1.変形例1
防火対象物である施設にスプリンクラが設置されている場合には、スプリンクラを火災感知手段として利用してもよい。その場合、火災受信機5又は5Aの第1信号受信部511は、作動したスプリンクラの識別情報であるアドレスを含む火災感知信号を受信し、図示せぬスプリンクラデータベースを参照して、当該アドレスに対応する当該スプリンクラの設置場所を特定する。信号送信部513又は513Aは、第1信号受信部511により火災感知信号が受信されると、スプリンクラが作動したことを通知するスプリンクラ作動信号を、感知器発報信号の代わりに表示制御サーバ7に送信する。このスプリンクラ作動信号には、作動したスプリンクラのアドレスと設置場所情報とが含まれる。
3−2.変形例2
表示制御サーバ7又は7Aに記憶される防災情報と表示装置6の設置場所情報及び表示順序情報とは、各表示装置6に予め記憶されていてもよい。本変形によれば、表示制御サーバ7又は7Aは、信号データベース721又は721Aを参照して特定される作動した火災感知器4の設置場所(すなわち火災発生場所)さえ表示装置6に通知すれば、上記の第1又は第2実施形態と同様に、表示装置6に防災画面を表示させることができる。
3−3.変形例3
上記の第2実施形態に係る遅延指示受付部514と停止指示受付部515と再開指示受付部516は、火災受信機5に代えて又は加えて、表示制御サーバ7Aに設けられてもよい。その場合、表示制御サーバ7Aに設けられた当該各部は、当該サーバに設けられた図示せぬ操作入力部を用いて行われる指示を受け付ける。また、表示制御サーバ7Aから有線又は無線により延設され施設内の各所に設けられてもよい。
3−4.変形例4
上記の第1実施形態に係る表示装置6は、通信回線8に代えて、火災受信機5から延びる信号線に接続されて、火災受信機5から火災情報信号を受信して防災情報を表示するようにしてもよい。図15は、このような動作を実現する表示装置6Aの構成の一例を示す図である。同図に示すように表示装置6Aは、記憶部62及び通信部64に代えて記憶部62A及び第2信号受信部613を備え、制御部61が記憶部62Aに記憶されるプログラムを実行することにより、第2信号受信部613、情報生成部614、表示順序特定部615及び表示制御部612Aという機能を実現する点において、第1実施形態に係る表示装置6と相違している。なお、表示装置6Aは、火災受信機5から延びる信号線に図示せぬ中継器を介して接続し、火災受信機5から火災情報信号を中継器で受信して、その火災情報信号を中継器から表示装置6Aに入力して防災情報を表示するようにしてもよい。また、信号線は火災感知器4が接続されるものと共通でもよいし、別に配線したものでもよい。
記憶部62Aは、第1実施形態に係る表示制御サーバ7の記憶部72に記憶される防災情報と信号データベース721と自装置の設置場所情報と表示順序情報とをさらに記憶する点において、第1実施形態に係る記憶部62と相違している。
第2信号受信部613は、火災受信機5の信号送信部513により送信された火災情報信号を受信する。具体的には、感知器発報信号、火災確定信号又は非火災信号を受信する。火災情報信号を受信すると、当該信号の情報を受信日時と対応付けて信号データベース721に登録する。
情報生成部614は、第2信号受信部613により火災情報信号が受信されると、受信された火災情報信号に対応する防災情報を取得又は生成する。具体的には、第1報の感知器発報を示す感知器発報信号が受信されると、感知器発報画面情報を記憶部62Aから取得する。第2報以降の感知器発報を示す感知器発報信号か又は火災確定信号が受信されると、火災画面情報を記憶部62Aから取得する。そして、信号データベース721を参照して、それまでに作動した火災感知器4の場所(すなわち火災発生場所)を、火災画面に示される施設の地図上にプロットする。また、自装置の設置場所(すなわち閲覧者の現在位置)を、火災画面に示される施設の地図上にプロットして、火災画面情報を生成する。非火災信号が受信された場合には、非火災画面情報を記憶部62Aから取得する。
表示順序特定部615は、記憶部62Aに記憶される表示順序情報を参照して表示順序を特定する。
表示制御部612Aは、情報生成部614により防災情報が取得又は生成されると、当該防災情報を表示部63に表示させる。その際、表示制御部612Aは、防災情報を構成する各々異なる言語で表現された複数の防災情報を、表示順序特定部615により特定された表示順序で表示させる。
図16は、表示装置6Aにより実行される表示制御動作の一例を示すフローチャートである。この表示制御動作は、表示装置6Aが火災受信機5から火災情報信号を受信すると実行される。
表示装置6Aにより受信された火災情報信号が感知器発報信号である場合(Sc1の「感知器発報信号」)、第2信号受信部613は、信号データベース721を参照して、当該信号が示す発報が第1報であるか否かを判定する(Sc2)。この判定の結果、第1報でない場合には(Sc2のNO)、ステップSc4が実行される。一方、第1報である場合には(Sc2のYES)、表示部63に感知器発報画面を表示させるための処理が実行される(Sc3)。図17は、この処理の一例を示すフローチャートである。
まず、情報生成部614は、記憶部62Aから感知器発報画面情報を取得する(Sc31)。画面情報が取得されると、表示順序特定部615は、記憶部62Aに記憶される表示順序情報を参照して表示順序を取得する(Sc32)。表示順序が特定されると、ステップSc31で取得された感知器発報画面を構成する各々異なる言語で表現された複数の画面を、ステップSc32で特定された表示順序で表示部63に表示させる(Sc33)。感知器発報画面の一例は、図9(a)に示す通りである。感知器発報画面が表示されると、本表示制御動作は終了する。
上記のステップSc1の判定において、表示装置6Aにより受信された火災情報信号が火災確定信号である場合には(Sc1の「火災確定信号」)、表示部63に火災画面を表示させるための処理が実行される(Sc4)。図18は、この処理の一例を示すフローチャートである。
まず、情報生成部614は、信号データベース721と記憶部62Aに記憶される自装置の設置場所情報とを参照して火災画面情報を生成する(Sc41)。画面情報が生成されると、表示順序特定部615は、記憶部62Aに記憶される表示順序情報を参照して表示順序を取得する(Sc42)。表示順序が特定されると、ステップSc41で生成された火災画面を構成する各々異なる言語で表現された複数の画面を、ステップSc42で特定された表示順序で表示部63に表示させる(Sc43)。火災画面の一例は、図9(b)又は図9(c)に示す通りである。火災画面が表示されると、本表示制御動作は終了する。
上記のステップSc1の判定において、表示装置6Aにより受信された火災情報信号が非火災信号である場合には(Sc1の「非火災信号」)、表示部63に非火災画面を表示させるための処理が実行される(Sc5)。図19は、この処理の一例を示すフローチャートである。
まず、情報生成部614は、記憶部62Aから非火災画面情報を取得する(Sc51)。画面情報が取得されると、表示順序特定部615は、記憶部62Aに記憶される表示順序情報を参照して表示順序を取得する(Sc52)。表示順序が特定されると、ステップSc51で取得された非火災画面を構成する各々異なる言語で表現された複数の画面を、ステップSc52で特定された表示順序で表示部63に表示させる(Sc53)。非火災画面の一例は、図9(d)に示す通りである。非火災画面が表示されると、本表示制御動作は終了する。
以上説明した表示装置6Aによれば、火災受信機5から火災情報信号を受信するごとに、表示部63に表示させる防災情報を切り替えることができる。言い換えると、火災の拡大に合わせて、表示部63に表示させる防災情報を切り替えることができる。この変形例では、表示制御サーバ7を介さず、表示装置6Aが防災情報を表示することができ、通信回線8がダウンしていても機能するとともに、各表示装置6Aに蓄電池等を備えて電源供給遮断時の対策をしておくことにより、地震等の震災により商用電源がダウンしても表示装置6Aに必要な表示を行わせることができる。ここで、一般的に火災受信機5は、蓄電池が接続されていて、電源ダウン後も所用の動作が可能となっている。なお、火災受信機5に情報生成部614や表示順序特定部615の機能のいずれか又はその両方を設け火災受信機5からの制御により表示を切り替えるようにしてもよい。
3−5.変形例5
上記の第2実施形態に係る表示装置6は、通信回線8に代えて、火災受信機5Aから延びる信号線に接続されて、火災受信機5Aから火災情報信号を受信して防災情報を表示するようにしてもよい。図20は、このような動作を実現する表示装置6Bの構成の一例を示す図である。同図に示すように表示装置6Bは、信号データベース721に代えて表示制御サーバ7Aに記憶される信号データベース721Aを記憶し、制御部61が記憶部62Aに記憶されるプログラムを実行することにより、第2信号受信部613及び情報生成部614に代えて、第2信号受信部613A及び情報生成部614Aという機能を実現し、計時部616と、時間経過判定部617と、信号監視部618と、所定時間変更部619という機能をさらに実現する点において、変形例4に係る表示装置6Aと相違している。なお、変形例4と同様に信号線に中継器を介して表示装置6Aを接続してもよいし、信号線は火災感知器4が接続されるものと共通でも別配線でもよい。
第2信号受信部613Aは、火災受信機5Aの信号送信部513Aにより送信される火災情報信号に加えて、同部により送信される遅延信号、停止信号及び再開信号を受信して、受信した信号の情報を受信日時と対応付けて信号データベース721Aに登録する点において、変形例4に係る第2信号受信部613と相違している。
情報生成部614Aは、第2信号受信部613Aにより火災情報信号が受信されるか、又は火災情報信号が受信されてから所定時間が経過すると、受信された火災情報信号か、又は火災情報信号が受信されてから経過した時間に対応する防災情報を取得又は生成する。具体的には、感知器発報信号が受信されると、感知器発報画面情報を記憶部62Aから取得する。火災確定信号が受信されるか、感知器発報信号が受信されてから第1所定時間が経過するか、第1所定時間が経過してからさらに第2所定時間が経過するか、又は火災確定信号が受信されてから第2所定時間が経過すると、火災画面情報を記憶部62Aから取得する。そして、信号データベース721Aを参照して、それまでに作動した火災感知器4の場所(すなわち火災発生場所)を、火災画面に示される施設の地図上にプロットする。また、自装置の設置場所(すなわち閲覧者の現在位置)を、火災画面に示される施設の地図上にプロットして、火災画面情報を生成する。非火災信号が受信された場合には、非火災画面情報を記憶部62Aから取得する。
計時部616は、第2信号受信部613Aにより火災情報信号が受信されると、計時を開始する。計時開始後、第1所定時間又は第2所定時間が経過するか若しくは火災確定信号が受信されると、計時をリセットして再開する。計時開始後、第2信号受信部613Aにより停止信号が受信されると、計時を停止し、続いて再開信号が受信されると、計時を途中から再開する。
時間経過判定部617は、表示部63に防災画面を表示させるための処理が実行されると、計時部616により計時された経過時間と、記憶部62Aから制御部61のRAMに読み出された所定時間とを参照して、所定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、感知器発報画面を表示させるための処理が実行されると、第1所定時間が経過したか否かを判定し、火災画面を表示させるための処理が実行されると、第2所定時間が経過したか否かを判定する。
信号監視部618は、表示部63に感知器発報画面又は火災画面を表示させるための処理が実行されると、信号データベース721Aを参照して、火災情報信号、遅延信号、停止信号又は再開信号が新たに受信されているか否かを判定する。
所定時間変更部619は、第2信号受信部613Aにより遅延信号が受信されると、当該遅延信号により示される遅延時間を、記憶部62Aから制御部61のRAMに読み出された所定時間に加算する。具体的には、第1所定時間の経過の判定中に遅延信号が受信されると、当該遅延信号により示される遅延時間を第1所定時間に加算する。一方、第2所定時間の経過の判定中に遅延信号が受信されると、当該遅延信号により示される遅延時間を第2所定時間に加算する。
図21は、表示装置6Bにより実行される表示制御動作の一例を示すフローチャートである。この表示制御動作は、表示装置6Bが火災受信機5Aから火災情報信号(特に、感知器発報信号又は火災確定信号)を受信すると実行される。なお、当該動作の開始後、記憶部62Aに記憶される第1所定時間と第2所定時間とは制御部61のRAMに読み出される。
表示装置6Bにより火災情報信号が受信されると、計時部616は計時を開始する(Sd1)。その後、受信された火災情報信号が感知器発報信号である場合には(Sd2の「感知器発報信号」)、表示部63に感知器発報画面を表示させるための処理が実行される(Sd3)。当該処理の手順は、ステップSc31が情報生成部614Aにより実行される点を除いては上記のステップSc3と同様であるため、その説明を省略する。
ステップSd3の実行後、時間経過判定部617は、計時部616により計時された経過時間と、制御部61のRAMに記憶される第1所定時間とを参照して、第1所定時間が経過したか否かを判定する(Sd4)。この判定の結果、第1所定時間が経過した場合には(Sd4のYES)、計時部616は計時をリセットしてから再開し(Sd5)、その後、ステップSd16が実行される。なお、その際、RAMに記憶される第1所定時間が、後述するステップSd7により遅延時間が加算されたものであるときには、遅延時間が加算される前のものにリセットされる。一方、第1所定時間が経過していない場合には(Sd4のNO)、信号監視部618は、信号データベース721Aを参照して、遅延信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sd6)。この判定の結果、遅延信号が新たに受信されていない場合には(Sd6のNO)、ステップSd7は省略されてステップSd8が実行される。一方、この判定の結果、遅延信号が新たに受信されている場合には(Sd6のYES)、所定時間変更部619は、当該遅延信号により示される遅延時間を、制御部61のRAMに記憶される第1所定時間に加算する(Sd7)。
ステップSd7の実行後、信号監視部618は、信号データベース721Aを参照して、停止信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sd8)。この判定の結果、停止信号が新たに受信されていない場合には(Sd8のNO)、ステップSd9乃至Sd11は省略されてステップSd12が実行される。一方、この判定の結果、停止信号が新たに受信されている場合には(Sd8のYES)、計時部616は計時を停止する(Sd9)。その後、信号監視部618は、信号データベース721Aを参照して、再開信号が新たに受信されているか否かを判定し(Sd10)。再開信号が新たに受信されると(Sd10のYES)、計時部616は計時を途中から再開する(Sd11)。
ステップSd11の実行後、信号監視部618は、信号データベース721Aを参照して、火災確定信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sd12)。この判定の結果、火災確定信号が新たに受信されている場合には(Sd12のYES)、計時部616は計時をリセットしてから再開し(Sd13)、その後、ステップSd16が実行される。一方、この判定の結果、火災確定信号が新たに受信されていない場合には(Sd12のNO)、信号監視部618は、信号データベース721Aを参照して、非火災信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sd14)。この判定の結果、非火災信号が新たに受信されている場合には(Sd14のYES)、表示部63に非火災画面を表示させるための処理が実行される(Sd15)。当該処理の手順は、図19のステップSc51が情報生成部614Aにより実行される点を除いては上記のステップSc5と同様であるため、その説明を省略する。ステップSd15の実行後、本表示制御動作は終了する。一方、この判定の結果、非火災信号が新たに受信されていない場合には(Sd14のNO)、ステップSd4が再び実行される。
上記のステップSd2の判定において、表示装置6Bにより受信された火災情報信号が火災確定信号である場合には(Sd2の「火災確定信号」)、表示部63に火災画面を表示させるための処理が実行される(Sd16)。当該処理の手順は、図18のステップSc41が情報生成部614Aにより実行される点を除いては上記のステップSc4と同様であるため、その説明を省略する。
ステップSd16の実行後、時間経過判定部617は、計時部616により計時された経過時間と、制御部61のRAMに記憶される第2所定時間とを参照して、第2所定時間が経過したか否かを判定する(Sd17)。この判定の結果、第2所定時間が経過した場合には(Sd17のYES)、計時部616は計時をリセットしてから再開し(Sd18)、その後、ステップSd16が再び実行される。なお、その際、RAMに記憶される第2所定時間が、後述するステップSd20により遅延時間が加算されたものであるときには、遅延時間が加算される前のものにリセットされる。一方、第2所定時間が経過していない場合には(Sd17のNO)、信号監視部618は、信号データベース721Aを参照して、遅延信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sd19)。この判定の結果、遅延信号が新たに受信されていない場合には(Sd19のNO)、ステップSd20は省略されてステップSd21が実行される。一方、この判定の結果、遅延信号が新たに受信されている場合には(Sd19のYES)、所定時間変更部619は、当該遅延信号により示される遅延時間を、制御部61のRAMに記憶される第2所定時間に加算する(Sd20)。
ステップSd20の実行後、信号監視部618は、信号データベース721Aを参照して、停止信号が新たに受信されているか否かを判定する(Sd21)。この判定の結果、停止信号が新たに受信されていない場合には(Sd21のNO)、ステップSd22乃至Sd24は省略されてステップSd25が実行される。一方、この判定の結果、停止信号が新たに受信されている場合には(Sd21のYES)、計時部616は計時を停止する(Sd22)。その後、信号監視部618は、信号データベース721Aを参照して、再開信号が新たに受信されているか否かを判定し(Sd23)。再開信号が新たに受信されると(Sd22のYES)、計時部616は計時を途中から再開する(Sd24)。
ステップSd24の実行後、火災受信機5Aの図示せぬ操作入力部を用いて動作終了指示がなされたか否かが判定され(Sd25)、動作終了指示がなされていない場合には(Sd25のNO)、ステップSd17が再び実行され、動作終了指示がなされた場合には(Sd25のYES)、本表示制御動作は終了する。なお、ステップSd16の実行回数に合わせて、より強く避難を促すメッセージの火災画面を表示するようにしてもよい。
以上説明した表示装置6Bによれば、火災受信機5Aから火災情報信号を受信後、所定時間が経過するごとに、表示部63に表示させる防災情報を切り替えることができる。言い換えると、火災の拡大に合わせて、表示部63に表示させる防災情報を切り替えることができる。
なお、上記の第2実施形態に係る遅延指示受付部514と停止指示受付部515と再開指示受付部516は、表示装置6Bに設けられてもよい。その場合、表示装置6Bに設けられた当該各部は、当該装置に設けられた図示せぬ操作入力部を用いて行われる指示を受け付ける。
3−6.変形例6
上記の実施形態に係る表示制御サーバ7又は7Aの表示制御部715は、表示装置6に防災情報を表示させる際に、当該防災情報を構成する各々異なる言語で表現された複数の防災情報の各々を、切り替えて表示させるのではなく、表示装置6上に分割して形成された異なる表示領域に表示させるようにしてもよい。この変形によれば、表示装置6の閲覧者は、自身が理解できる言語で表現された防災情報が表示されるまで待たされることがない。なお同様に、上記の変形例に係る表示装置6A又は6Bの表示制御部612Aは、表示部63に防災情報を表示させる際に、当該防災情報を構成する各々異なる言語で表現された複数の防災情報の各々を、表示部63上に分割して形成された異なる表示領域に表示させるようにしてもよい。
3−7.変形例7
上記の実施形態に係る表示装置6に、発話者の音声を収音する収音部(図示略)を備えさせ、表示制御サーバ7又は7Aの表示制御部715は、当該収音部に収音された音声に基づいて特定された使用言語により表現された防災情報を表示装置6に表示させるようにしてもよい。ここで、収音部とは、具体的にはマイクロフォンであり、音声に基づく使用言語の判定は、周知の言語判定方法(例えば特開2011−248002号公報)を用いて行ってよい。この変形によれば、表示装置6の閲覧者は、自身が理解できる言語で表現された防災情報が表示されるまで待たされることがない。なお当該判定は、表示装置6、表示制御サーバ7又は7A若しくは他の装置のいずれで行ってもよい。なお同様に、上記の変形例に係る表示装置6A又は6Bに収音部を備えさせ、当該装置の表示制御部612Aは、当該収音部に収音された音声に基づいて特定された使用言語により表現された防災情報を表示部63に表示させるようにしてもよい。
なお、表示装置6、6A又は6Bに周知の質問応答システムを採用して、閲覧者からの質問に対して応答を行えるようにしてもよい。例えば応答は、表示される防災情報に含まれない火災の状況や避難口に関する詳細な情報等であって、表示部63を介して行われてもよいし、図示せぬスピーカを介して音声で行われてもよい。また、近距離無線通信による送信により、閲覧者が所持する携帯端末に表示や発生させてもよく、閲覧者が移動しても携帯端末で取得した情報を参照することができる。
3−8.変形例8
上記の実施形態に係る表示装置6に、閲覧者が利用する携帯端末から当該閲覧者の使用言語を示す言語情報を取得する言語情報取得部を備えさせ、表示制御サーバ7又は7Aの表示制御部715は、当該言語情報取得部により取得された言語情報により示される言語で表現された防災情報を表示装置6に表示させるようにしてもよい。ここで、言語情報取得部とは、具体的には、近距離無線通信技術を用いて通信を行う近距離無線通信部である。ここで近距離通信技術には、Bluetooth(登録商標)や、ZigBee(登録商標)や、Wibree(登録商標)や、UWB(Ultra Wide Band)や、NFC(Near Field Communication)や、赤外線通信が含まれる。この変形によれば、表示装置6に必ずしも外国語の防災情報を表示しなくてもよくなる。なお同様に、上記の変形例に係る表示装置6A又は6Bに言語情報取得部を備えさせ、当該装置の表示制御部612Aは、当該言語情報取得部により取得された言語情報により示される言語で表現された防災情報を表示部63に表示させるようにしてもよい。
3−9.変形例9
上記の実施形態又は変形例に係る火災画面に、避難経路情報を含めるようにしてもよい。その場合、上記の実施形態に係る表示制御サーバ7又は7Aの記憶部72は、表示装置6のアドレスに対応付けて、火災感知器4のアドレスと避難経路情報の複数の組を格納する避難経路データベース(図示略)を予め記憶しておく。そして、当該サーバの情報生成部713又は713Aは、信号データベース721又は721Aと表示装置データベース722を参照して、避難経路情報を特定し、当該情報を火災画面情報に含める。この変形によれば、作動した火災感知器4の設置場所(すなわち火災発生場所)に応じて、表示装置6に表示させる避難経路情報を変更することができる。
3−10.変形例10
上記の実施形態又は変形例に係る非火災報画面は、火災画面を表示した後の非火災信号により表示する場合は、火災の鎮火を示す火災鎮火画面としてもよい。