JP6351224B2 - 火災時現場対応支援システム - Google Patents
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Description
建物で火災が発生すると、管理者や警備員は、次の項目を順に行なって現場確認や避難誘導等を行う必要がある。つまり、火災発生→防災センタにて出火場所を確認→火災現場に持参する携行品を準備して装着→非常用エレベータの起動(現場到着)→火災現場の確認→火災等の状況を防災センタ等へ報告→消火器等による初期消火→スプリンクラー設備の作動状況の確認→逃げ遅れ等の確認→防火区画の形成・確認→排煙設備の起動・確認の順で対処を行う。このように、建物に常駐した管理者や警備員は多くの項目を迅速に対処する必要があるが、建物の規模によっては多くの時間がかかる場合が想定される。そのため、従来は上記の活動時間を短縮させるために、建物に常駐する警備員の数を増加させることで補っていた。
このため、大規模化された建物に防災システムを設置する場合、その特殊性に応じた防災システムを構築している。例えば、地上11階以上の建物の場合、建物の用途にもよるが、通常、スプリンクラー設備、非常コンセント、非常放送設備、誘導灯の設置、カーテン等の防炎処置が義務づけられており、かつ避難設備、排煙設備等も安全に避難が可能なように工夫がされている。
例えば、建物内において、火災の発生した火災発生区域を特定し、生存者の有無を確認するとともに、消火活動、生存者の避難誘導及び生存者の救助活動を行う防災システムがある(例えば、特許文献1参照)。
また、火災の延焼状況、逃げ遅れている生存者の情報、及び防火区画の形成状況によって、消火及び生存者の避難誘導における対応策の優先度の変更に対する記載がない。このため、生存者に対する避難誘導及び消火活動を有効に行うことができない。
本発明の火災時現場対応支援システムは、前記火災状況判定装置による前記火災検出センサの感知情報の判定結果である火災状況、前記防火区画形成状況判定装置による前記防火扉センサの感知情報の判定結果である開閉状況と、火災検出センサ、防火扉センサそれぞれの配置位置との組み合わせから、防災要員の行う災害活動情報を生成する判断処理装置をさらに備え、前記情報伝達装置が前記災害活動情報を通知することを特徴とする。
本発明の火災時現場対応支援システムは、前記情報伝達装置が、前記火災の発生した前記建物内において災害活動を行う防災要員の携帯する携帯表示装置を含むことを特徴とする。
本発明の火災時現場対応支援システムは、前記携帯表示装置が、自身の位置情報と、前記火災検出センサ及び前記防火扉センサの検出情報及び設置位置から前記防災要員の前記火災の発生箇所までの経路データを生成することを特徴とする。
本発明の火災時現場対応支援システムは、建物内に設置された残留者検出センサの感知情報から、当該残留者検出センサの設置位置近傍における残留者の有無を示す残留者状況を判定する残留者状況判定装置をさらに備え、前記判断処理装置が、前記残留者検出センサの検出情報を含めて、防災要員の行う災害活動情報の生成を行うことを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による火災時現場対応支援システムの構成例を示す概略ブロック図である。本実施形態の火災時現場対応支援システムは、火災状況判定装置1、防火区画形成状況判定装置2、残留者状況判定装置3、判断処理装置4、情報伝達装置100を備えている。火災状況判定装置1、防火区画形成状況判定装置2、残留者状況判定装置3、判断処理装置4、情報伝達装置100の各々は、情報通信網Iを介してそれぞれ接続される。
情報通信網Iは、有線あるいは無線により、インターネットを含んで構成される通信網である。
防火区画形成状況判定装置2は、各階の防火区画毎に設けた防火扉センサ(後述)の感知情報から、各防火扉の開閉状態(開閉状況)を各センサの検出情報として、判断処理装置4に対して出力する。残留者状況判定装置3は、各階の部屋毎、区画毎に設けた残留者検出センサ(後述)の感知情報から、各部屋あるいは各区画における残留者の存在状況(残留者状況)を各センサの検出情報として、判断処理装置4に対して出力する。
防災センタ監視装置5は、判断処理装置4から供給される各センサの検出情報及び設置位置に対応し、自身の表示部に表示される建物の画像に、検出情報の結果及び通知された災害活動(本実施形態においては防火活動)において防災要員の行うべき処理を表示する。
携帯表示装置6は、災害活動を行う防災要員が携帯する画像表示装置であり、判断処理装置4から供給される各センサの検出情報及び設置位置に対応し、自身の表示部に表示される建物の画像に、検出情報の結果及び通知された災害活動の処理を表示する。
建物設置表示装置7は、建物内の各部屋や各区画に設けられている画像表示装置であり、判断処理装置4から供給される各センサの検出情報及び設置位置に対応し、自身の表示部に表示される建物の画像に、検出情報の結果及び通知された災害活動の処理を表示する。
火災検出センサS1は、火災となった際、周囲の環境の情報を効果的に検出できる位置(天井など)に設けられている。この火災検出センサS1は、通常の自動火災報知設備の感知器(例えば、煙センサ、熱センサ、CO(一酸化炭素)センサ、炎センサ、画像センサなど)、また感知器の各々のセンサを複合したセンサを用いる。
防火扉センサS2は、常時開放式防火扉(火災時のみに閉じられ、平常時には開放されている防火扉)の各々の戸当たり部分(防火扉が閉まった際に防火扉が接触する部分)に埋め込まれて配置されている。また、防火扉センサS2は、例えばマグネットセンサ、近接センサ、画像センサなど、防火扉が閉じた場合に感知情報として所定の電圧レベルの信号が出力され、防火扉の開閉検知が可能なものであれば何でも良い。
残留者検出センサS3は、煙や障害物の影響を受けずに、部屋または区画単位において動いている人間(導体の移動体)を検出するセンサであり、火災時に各部屋または各区画の各々に残留者が存在するか否かの判定に用いる感知信号を出力する。残留者検出センサS3は、例えば、マイクロ波センサ(マイクロ波人感センサ)人感センサあるいは画像センサなどを用いる。特に、残留者検出センサS3に対してマイクロ波センサを用いた場合、障害物の影響を受けないため、天井裏や壁内部に設置することができる。また、人感センサのように、煙の影響を受けず、天井裏や壁内部に配置されるため、火災による火熱や煙に直接に曝される危険性がなく、意匠上も目立たずに設置することができる。
送受信部41は、情報通信網Iを介して、火災状況判定装置1、防火区画形成状況判定装置2、残留者状況判定装置3、防災センタ監視装置5、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々と、データの送受信を行う。
図6は、センサ識別データベース46に記憶されている火災検出センサテーブル、防火扉センサテーブル及び残留者検出センサテーブルを示す図である。
図6(a)は、火災検出センサテーブルの構成を示している。火災検出センサテーブルは、火災検出センサS1の各々を識別する火災検出センサ識別情報と、この火災検出センサ識別情報が示す火災検出センサの設置されている建物の階を示す設置階と、設置されている部屋の名称(部屋または区画の名称)と、設置されている部屋または区画が含まれる防火区画の防火区画番号とが対応づけられて記憶されている。火災検出センサS1の各々には、それぞれ火災検出センサ識別情報ID1_1、ID1_2…が付与されている。
このため、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況を防災センタに報告
また、防災要員が火災の発生している防火区画である火災区画に対してなすべきことは、以下に示すことである。
・火災の発生している部屋を含む防火区画の防火扉を閉鎖し、他の防火区画に対して火災の発生した部屋を含む防火区画を閉鎖する。
このため、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況を防災センタに報告
このため、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・残留者検索及び残留者の避難誘導
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況及び残留者状況を防災センタに報告
また、防災要員が火災の発生している防火区画に対してなすべきことは、以下に列挙することである。
・火災の発生している部屋を含む防火区画の防火扉を閉鎖し、他の防火区画に対して火災の発生した部屋を含む防火区画を閉鎖する
このため、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・残留者検索及び残留者の避難誘導
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況及び残留者状況を防災センタに報告
このため、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・扉閉鎖状況(防火扉の開閉状態)の確認
・火災状況及び残留者状況を防災センタに報告
また、防災要員が火災の発生している防火区画に対してなすべきことは、以下に示すことである。
・火災の発生している部屋を含む防火区画の防火扉を閉鎖し、他の防火区画に対して火災の発生した部屋を含む防火区画を閉鎖する。
このため、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・扉閉鎖状況(防火扉の開閉状態)の確認
・火災状況及び残留者状況を防災センタに報告
図8の対応パターンテーブルの一行目(No.7)の記載の意味を示す。検出情報の示す火災状況がED(異常モード)ではなく○のためSD(火災モード)であり、残留者状況が×のためUD(非検出モード)であり、防火扉状況が×のためOD(非閉鎖モード)または●のためED(異常モード)である場合、当該階には残留者が存在せず、火災が発生した室内が高温で危険な状態(火災の発生した室内に侵入、残留者の確認が不可能)であり、非火災区画(火災の発生していない防火区画)に煙が拡散する恐れがある。
このため、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。火災状況がSD(火災モード)である場合、防災要員の接近経路上の室(部屋)順に、列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況を防災センタに報告
また、防災要員が火災の発生している防火区画に対してなすべきことは、以下に示すことである。
・火災の発生している部屋を含む防火区画の防火扉を閉鎖し、他の防火区画に対して火災の発生した部屋を含む防火区画を閉鎖する
このため、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。防災要員の接近経路上の室(部屋)順に、列挙の順番によらず、火災状況が○のSD(火災モード)である場合、必要に応じて繰り返し行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況を防災センタに報告
残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・残留者検索及び残留者の避難誘導
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況及び残留者状況を防災センタに報告
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が○のためSDである場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。防災要員の接近経路上の室(部屋)順に、列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・排煙設備の起動
また、残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生していない部屋である非火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。
・残留者検索及び残留者の避難誘導
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が○のためSDである場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・排煙設備の起動
また、残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生している防火区画である火災区画に対してなすべきことは、以下に示すことである。
・火災の発生している部屋を含む防火区画の防火扉を閉鎖し、他の防火区画に対して火災の発生した部屋を含む防火区画を閉鎖する。
また、残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生していない防火区画である非火災区画に対してなすべきことは、以下に示すことである。
・残留者検索及び残留者の避難誘導
残留者状況がUD(非検出モード)である場合、以下の防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。防災要員の接近経路上の室(部屋)に、列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況を防災センタに報告
一方、残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。防災要員の接近経路上の室(部屋)順に、列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・残留者検索及び残留者の避難誘導
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況及び残留者状況を防災センタに報告
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が○のためSDである場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。防災要員の接近経路上の室(部屋)に、列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・排煙設備の起動
また、残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生していない部屋である非火災室に対してなすべきことは、以下に示すことである。
・残留者検索及び残留者の避難誘導
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が○のためSDである場合、防災要員が火災の発生していない部屋である非火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・排煙設備の起動
火災状況が●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・扉閉鎖状況(防火扉の開閉状態)の確認
・火災状況を防災センタに報告
また、火災状況が○のためSD(火災モード)であり、かつ残留者状況が×のためUD(未検出モード)である場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。火災状況がSD(火災モード)である場合、防災要員の接近経路上(部屋)順に、列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況を防災センタに報告
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が○のためSD(火災モード)であり、かつ残留者状況が○のためPD(検出モード)またはED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・排煙設備の起動
残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生していない部屋でなすべきことを以下に示す。
・残留者検索及び残留者の避難誘導
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が○のためSD(火災モード)である場合、防災要員が火災の発生していない部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・排煙設備の起動
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生していない部屋である火災室に対してなすべきことを以下に示す。
・火災状況を防災センタに報告
また、防災要員が火災の発生している防火区画である火災区画に対してなすべきことは、以下に示すことである。
・火災の発生している部屋を含む防火区画の防火扉を閉鎖し、他の防火区画に対して火災の発生した部屋を含む防火区画を閉鎖する。
また、残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生していない防火区画である非火災区画に対してなすべきことは、以下に示すことである。
・残留者検索及び残留者の避難誘導
火災状況が●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・扉閉鎖状況(防火扉の開閉状態)の確認
・火災状況を防災センタに報告
また、火災状況が○のためSD(火災モード)であり、かつ残留者状況が●のためUD(未検出モード)である場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・スプリンクラー設備の作動確認
・スプリンクラーの放水停止(残留者検出センサの感知感度をあげるため)
・排煙設備の起動
・消火器による消火
・扉の閉鎖
・火災状況を防災センタに報告
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が○のためSD(火災モード)であり、かつ残留者状況が○のためPD(検出モード)またはED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生している部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・排煙設備の起動
残留者状況が○のためPD(検出モード)または●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生していない部屋でなすべきことを以下に示す。
・残留者検索及び残留者の避難誘導
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が○のためSD(火災モード)である場合、防災要員が火災の発生していない部屋である火災室に対してなすべきことは、以下に列挙することである。列挙の順番によらず、必要に応じて行うことが順不同にて記述されている。
・火点(煙の発生源、火元)の確認
・排煙設備の起動
また、当該室に至る経路上(非常用エレベータから火災の発生している部屋に行く経路上)の部屋が火災状況が●のためED(異常モード)である場合、防災要員が火災の発生していない部屋である火災室に対してなすべきことを以下に示す。
・火災状況を防災センタに報告
そして、データ判定部42は、防火区画毎に、防火区画番号に対応した防火区画に含まれている火災検出センサS1、防火扉センサS2及び残留者検出センサS3の各々の検出情報の組み合わせにより、行動パターンデータベース45から防災要員の行うべきことを抽出する。
防災センタ監視装置5、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7には、後述する図10に示す各階の平面図の画像が記憶されており、火災検出センサS1、防火扉センサS2及び残留者検出センサS3の各々の識別情報(火災検出センサ識別情報、防火扉センサ識別情報、残留者検出センサ識別情報)と、火災検出センサS1、防火扉センサS2及び残留者検出センサS3の各々の配置されている位置座標(平面画像における座標点)とが対応して記憶されている。これにより、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7は、火災検出センサS1、防火扉センサS2及び残留者検出センサS3の各々の平面画像における配置位置に対応付けて、判断処理装置4から供給される検出情報を表示する。
送受信部51は、情報通信網Iを介して、判断処理装置4との間でデータの送受信を行う。
表示部52は、自身の表示画面において、建物の平面画像に対して、判断処理装置4から供給される火災検出センサS1、防火扉センサS2及び残留者検出センサS3の各々の検出情報の内容を示す画像を、それぞれ付加されている火災検出センサ識別情報、防火扉センサ識別情報、残留者検出センサ識別情報の各々に対応する設置位置に対して表示する。
データ入力部53は、建物の各階に設置されているスプリンクラー、防火扉及び排煙設備の駆動を制御する制御信号を、防災要員が入力するためのキーボードやマウスを用いたデータ入力手段である。
スプリンクラー制御部55は、データ入力部53から供給されるスプリンクラーの放水停止を制御する制御情報に基づき、建物の各階に設置されているスプリンクラーの各々の放水停止を制御する。
排煙設備制御部56は、データ入力部53から供給される排煙設備の駆動を制御する制御情報に基づき、建物の各階に設置されている排煙設備の駆動を制御する。
また、防火扉の閉鎖、スプリンクラーの放水停止及び排煙設備の駆動の各々は、建物の各階において、それぞれの設備に対して防災要員が直接に現地で駆動できる駆動手段(例えば、後述する図10における排煙設備を駆動する排煙設備起動装置など)が設けられている。
この図10において、事務室a(部屋の名称)、事務室b、事務室c、事務室d、事務室e及び廊下aが防火区画aを構成し、事務室f、事務室g、事務室h及び廊下bが防火区画bを構成し、エレベータシャフトの一方の廊下c、WC及び給湯室(2カ所)が防火区画cを構成している。防火区画の境界は他の線より太い実線で示されている。また、この図には防災要員が他の階に移動するための非常用エレベータ(ELV)の位置が示されている。
そして、図11に対応する現地対応方針(現地で防災要員がなすべきこと)が、防災センタ監視装置5の表示部52、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面に表示される。
また、対応する順番の表示画像700については、防災センタ監視装置5において、防災要員が表示部52の画面を観察し、いずれの順番において防災要員がなすべきことを行うかの優先順位を決定し、この優先順位を示す画像を、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々に送信する。これにより、この優先順位を示す画像は、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面に表示される。図12においては、煙が充満した領域である事務室bを網掛けの画像としている。本実施形態においては、例えば、図12に示すように、○の中に対処する優先順位を示す番号が記載された画像が表示される。ここで、小さい番号の方が優先順位が高い。また、防災センタ監視装置5の表示部52、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面には、抽出された対処する処理が記載されたメッセージ画像800が表示される。
そして、図13に対応する現地対応方針が、防災センタ監視装置5の表示部52、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面に表示される(不図示)。
また、対応する順番の表示画像700については、事務室bから廊下aに火災が延焼したため、事務室bに到達するためには、廊下aを経由することになる。このため、防災センタの防災要員は、防災センタ監視装置5における観察結果に伴い、優先順位が廊下aの方が事務室aより高くするように、防災要員がなすべきことを行うかの優先順位を変更し、この優先順位を示す画像を、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々に送信する。これにより、この優先順位を示す表示画像700は、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面に表示される。また、防災センタ監視装置5の表示部52、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面には、抽出された対処する処理が記載されたメッセージ画像800が表示される。
そして、図15に対応する現地対応方針が、防災センタ監視装置5の表示部52、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面に表示される(不図示)。
そして、図17に対応する現地対応方針が、防災センタ監視装置5の表示部52、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面に表示される(不図示)。
そして、図19に対応する現地対応方針が、防災センタ監視装置5の表示部52、携帯表示装置6及び建物設置表示装置7の各々の表示画面に表示される(不図示)。
図21は、残留者センサS3としてマイクロ波センサを用いた際におけるマイクロ波人体センサの感知信号を示す図である。
図21(a)は、マイクロ波センサの人体を検知してのセンサ出力(センサ出力電圧)を示す図である。この図21(a)は、縦軸がセンサ出力電圧であり、横軸が時間を示している(人間が部屋に対して入室した時間を「0」として設定されている)。この図21(a)において、人間が入室した時点における、マイクロ波人体センサの出力するセンサ出力電圧を基準とし、ノイズの最大値を求め、これを超える電圧値を人体を検知する閾値電圧として予め決めておく。
図21(b)は、図21(a)に示すセンサ出力電圧と、上記閾値電圧とを比較し、閾値電圧以上のセンサ出力電圧をON状態(人体検出、すなわち残留者の存在を検出した状態)とし、閾値未満のセンサ出力電圧をOFF状態(人体非検出、すなわち残留者の存在を検出しない状態)とした図である。この図21(b)は、縦軸がセンサ出力電圧を示し、横軸が時間を示している(人間が部屋に対して入室した時間を「0」として設定されている)。
また、本実施形態によれば、判断処理装置4または防災センタ監視装置5の表示部52で観察する防災要員が、各部屋に行く経路及びなすべきことの優先順位(かつ、必要な防災要員の数)を示すため、現場の防災要員は無駄のない処理を行うことができる。また、無駄のない効率良い処理が可能となれば、建物に常駐する警備員の人数を減らすことが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図23は、この発明の第2の実施形態による火災時現場対応支援システムの構成例を示す概略ブロック図である。本発明の第2実施形態は、第1実施形態における図1の防火区画形成状況判定装置2、判断処理装置4、防災センタ監視装置5、携帯表示装置6の各々を、図23に示す防火区画形成状況判定装置2、判断処理装置4A、防災センタ監視装置5A、携帯表示装置6Aに置き換えたものである。なお、図において、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。以下、構成及び動作が第1実施形態と異なる点を説明する。
本発明の第2の実施形態の火災時現場対応支援システムは、火災状況判定装置1、防火区画形成状況判定装置2、残留者状況判定装置3、判断処理装置4A、情報伝達装置100Aを備えている。火災状況判定装置1、防火区画形成状況判定装置2、残留者状況判定装置3、判断処理装置4A、情報伝達装置100Aの各々は、情報通信網Iを介してそれぞれ接続される。
判断処理装置4Aは、送受信部41、データ判定部42、センサ位置判定部43、情報提示部44、行動パターンデータベース45、センサ識別データベース46、防火扉センサメンテナンス設定条件データベース47、演算処理部48及び記憶部49を備えている。判断処理装置4Aは、メンテナンスモードの場合、各階の防火区画毎に設けた防火扉センサS2の感知情報から、各防火扉の開いている状態から閉鎖までに要した時間tを測定する。また、判断処理装置4Aは、火災状況判定装置1、防火扉及び残留者状況判定装置3が正常な状態か否かの判定を行う。判断処理装置4Aは、メンテナンスモードにおける判定の判定結果を防災センタ監視装置5Aに出力する。
判断処理装置4Aは、訓練モードの場合、模擬的にデータ上において火災を発生させ、携帯表示装置6から災害活動を行う防災要員の位置情報と、防災要員の位置から火災位置までの経路データを取得し、建物設置表示装置7に通知する。
防災センタ監視装置5Aは、送受信部51、表示部52、データ入力部53、防火扉制御部54、スプリンクラー制御部55、及び排煙設備制御部56を備えている。また、防災センタ監視装置5Aは、上述した監視モード、メンテナンスモード、訓練モードを実行する機能を有する。
監視モード、メンテナンスモード、訓練モードのいずれかを実行する場合、防災要員は、防災センタ監視装置5Aのデータ入力部53を介して、監視モード、メンテナンスモード、訓練モードのいずれかを選択し、選択したモードを防災センタ監視装置5Aに実行させる。
送受信部61は、建物内の交信を行うポイント(以下、「交信ポイント」という。)から信号を取得する。建物内には複数の交信ポイントが設置してあるが、送受信部61が位置を検出するために用いる交信ポイントは、交信ポイントの中における電波の強い3つの交信ポイントである。また、送受信部61は、防災要員の位置データを建物内の最寄りの交信ポイントと建物内に設置してある中継器とを介して、判断処理装置4Aに送信する。
火災状況データとは、訓練モードにおいて設定した出火場所と、出火時間から時間経過とともに火災検出センサが取得すると想定される「通常モード(ND)」、「火災モード(SD)」、「異常モード(ED)」のデータと、火災検出センサ識別情報とが対応しているデータである。
残留者状況データとは、訓練モードにおいて設定した出火場所と、出火時間から時間経過とともに残留者検出センサが取得すると想定される「未検出モード(UD)」、「検出モード(PD)」、「異常モード(ED)」のデータと、残留者検出センサ識別情報とが対応しているデータである。
区画閉鎖データとは、訓練モードにおいて設定した出火場所と、出火時間から時間経過とともに防火扉センサが取得すると想定される「未閉鎖モード(OD)」、「閉鎖モード(CD)」、「異常モード(ED)」のデータと、防火扉センサ識別情報とが対応しているデータである。
防災要員の位置データとは、演算処理部64が演算した防災要員の位置を時系列に取得したデータである。
火災進展の履歴データとは、出火場所から発生した火災は、出火時間から時間経過とともに、どのように燃え広がるか示すデータである。
火災室への経路データとは、演算処理部64が演算した火災室へ経路が時系列に記憶されているデータである。
空間平面図データとは、建物のすべての階の平面図データである。
演算処理部64は、測定した防災要員の位置から火災位置までの経路を算出する。また、演算処理部64は、記憶部62から状況データ、残留者状況データ、区画閉鎖状況データを読み出す。演算処理部64は、算出した経路と記憶部62から読み出したデータから妥当な経路を選択する。演算処理部64が選択する妥当な経路は、火災室に至るまでに間に火災が検出された部分を通らない経路がある場合、最も距離が短い経路である。一方、火災室に至るまでに間に火災が検出された部分を通らない経路がない場合、演算処理部64が選択する妥当な経路は、火災が検出された部分の経路の長さが最も短い経路である。
演算処理部64は、生成した経路データを表示部に送る。また、演算処理部64は、防災要員の位置データを、送受信部61を介して最寄りの建物内の交信ポイントに送信する。
次にメンテナンスモードについて説明する。
メンテナンスモードの実行を選択した場合、防災センタ監視装置5Aの表示部52に、火災検出センサS1、防火扉センサS2、残留者検出センサS3のいずれかを選択する画面が表示される。
防災要員は、防災センタ監視装置5Aのデータ入力部53を介して、火災検出センサS1、防火扉、残留者検出センサS3のいずれかを選択する。
メンテナンスを行う防火扉の設定後、防災要員は、データ入力部53を介して、閉鎖完了設定時間Tαと不作動設定時間Tβの設定を行う。
また、データ判定部42は、メンテナンスを行った防火扉の防火扉識別番号に対応する建物における座標を不図示の座標データベースから抽出し、メンテナンスを行った防火扉の判定結果(良、不良、不作動)を建物の空間平面図データに重ね合せて表示部52の表示画面に表示する。その際、例えば、表示部52は、良の防火扉を白、不良の防火扉を青、不作動の防火扉を赤に表示する。このメンテナンス結果は、ログとして記憶部49に記憶することができる。また、このメンテナンス結果は、不図示のプリンタで出力することができる。また、携帯表示装置6Aは、メンテナンス結果を自身の表示部63に表示し、現場の防災要員が確認することができる。
データ判定部42は、火災状況判定装置1より取得した火災検出センサS1のメンテナンス結果を送受信部41を介して、防災センタ監視装置5Aに送信する。
データ判定部42は、残留者状況判定装置3に残留者検出センサS3が正常か否かを示す信号を送信することを指示する制御信号を送信する。残留者検出センサS3は、上述したセルフチェック機能を有している。よって、残留者状況判定装置3は、残留者検出センサS3のセルフチェックの結果をデータ判定部42に送信する。これより、残留者検出センサS3のメンテナンスを行う場合、判断処理装置4Aは、日常の残留者検出センサS3のセルフチェック機能の判定をモニタリングすることでメンテナンスを行う。
また、残留者検出センサS3のメンテナンスを行う他の方法として、判断処理装置4Aは、日常の在館者の状況をモニタリングする方法がある。データ判定部42は、残留者状況判定装置3の中継器G3に、各残留者センサS1が正常(UDもしくはPD)か異常(ED)のどちらかに対応するか判定させる指示を行う制御信号を送信する。中継器G3は、判定結果を送受信制御部P1を介して、判断処理装置4Aに送信する。
情報提示部44は、メンテナンスモードにおいて、中継器G3が判定した残留者検出センサのメンテナンス状態(正常もしくは異常)の情報を送受信部41を介して、防災センタ監視装置5に送信する。不具合があった場合には、監視モードにおいても不具合が発生したセンサの設置場所と不具合情報を防災センタ監視装置5Aの表示部に表示する。
なお、火災検出センサS1、残留者検出センサS3のメンテナンスの判定結果の防災センタ監視装置5Aの表示部52への表示方法は、防火扉センサS2のメンテナンスの判定結果の表示方法と同様な方法で行われるため、説明は省略する。
次に本発明の第2の実施形態における訓練モードについて説明する。
訓練モードの実行を選択した場合、表示部52に、防災センタ訓練要員訓練モード、在館者避難訓練モードのいずれかを選択する画面が表示される。
防災要員訓練モードは、火災時において、防災要員がとるべき行動を訓練するモードである。在館者避難訓練モードは、火災時において、在館者が建物内から避難するために、とるべき行動を訓練するモードである。
設定条件を設定し、防災要員訓練モードを実行した場合、火災発生、防火区画の防火扉の閉鎖、延焼拡大の状況を模擬的に防災センタ監視装置5A及び携帯表示装置6A内で発生させることができる。各防災要員は、携帯表示装置6Aを携帯し、携帯表示装置6Aの表示画面を確認しながら、実際の火災時の対応を行う。防災要員の行動は、携帯表示装置6Aにより記憶部62に記憶される。なお、設定条件を設定する場合、設定条件は、登録番号に対応して記憶部49に記憶される。これより、次回、防災要員訓練モードを実施する際に、表示画面上において、登録番号を選択することで設定条件を入力することを省くことができる。
防災要員訓練モード終了後、防災センタ監視装置5Aは、予め設定されている防災要員の模範的な行動パターンと実際の行動パターンを比較し、防災要員の活動結果に対して評価を行う。また、防災センタ監視装置5Aは、活動に要した時間からランク付けを行い、防災要員の対応力に対して採点を行う。防災センタ監視装置5A又は携帯表示装置6Aは、採点結果を表示、あるいはプリンタで出力する。
在館者訓練モード終了後、防災センタ監視装置5Aは、予め設定されている防災要員の模範的な行動パターンと実際の行動パターンを比較し、防災要員の活動結果に対して評価を行う。また、在館者の避難時間を以前時の訓練時の時間と比較することで、避難誘導に対する評価を行う。防災センタ監視装置5A又は携帯表示装置6Aは、評価結果を表示、あるいはプリンタで出力することができる。
ステップS11において、演算処理部64は、送受信部61から取得した3つの交信ポイントの識別情報とそれぞれの信号強度とから、例えばWiFi三角測量の方法を利用して、携帯表示装置6Aの位置を検出する。ここで、演算処理部64は、交信ポイントの識別情報に対応した交信ポイントの座標を取得する。これより、この携帯表示装置6Aを携帯する防災要員の位置の座標が求められる。また、演算処理部64は、防災要員の位置座標を算出した後、防災要員の位置データと火災室(最も早く火災検出された室)までの経路データ(以下、「経路データ」という。)を生成する。
ステップS12において、演算処理部64は、生成した防災要員の位置データと経路データを表示部63と記憶部62に送る。また、演算処理部64は、生成した防災要員の位置データと経路データを、送受信部61を介して建物内の最寄りの交信ポイントに送る。記憶部62は、演算処理部64から取得した防災要員の位置データと経路データを記憶する。
ステップS13において、表示部63は、演算処理部64から供給される防災要員の位置データと経路データとを空間平面図データに重ね合せる。また、表示部63は、重ね合せたデータを表示画面に表示することで、空間平面上において現在地から火災室までの経路を表示する。
ステップS14において、判断処理装置4Aの演算処理部48は、建物内の交信ポイントから演算処理部64が生成した防災要員の位置データと経路データとを取得する。
ステップS15において、判断処理装置4Aの演算処理部48は、記憶部49から空間平面図データを読み出す。判断処理装置4Aの演算処理部48は、複数の携帯表示装置6Aから取得した各防災要員の位置データと経路データとを空間平面図データに重ね合せて建物設置表示装置7に送る。建物設置表示装置7は、重ね合せた空間平面図データを表示画面に表示することで、空間平面上において現在地から火災室までの経路を表示する。
ステップS16において、携帯表示装置6Aは、自身が位置する階が火災階に位置している否かを判定する。携帯表示装置6Aは、自身が位置する階が火災階に位置している場合、ステップS10に戻る。一方、携帯表示装置6Aは、自身が位置する階が火災階に位置していない場合、ステップS17、ステップS18に進む。
ステップS17において、携帯表示装置6Aは、表示部63の表示画面の表示を終了する。
ステップS18において、演算処理部48は、建物設置表示装置7の表示画面の表示を終了する。
ステップS110において、演算処理部64は、火災室(最も早く火災検出された部屋)の情報を取得する。
ステップS111において、演算処理部64は、防災要員の位置の情報を送受信部61から取得する。
ステップS112において、演算処理部64は、防災要員の位置から火災室までの経路を空間平面図データの通路情報等から算出する。
ステップS113において、演算処理部64は、防災要員の位置から火災室までの経路が複数あるか否かを判定する。防災要員の位置から火災室までの経路が複数ある場合、ステップS115に進む。一方、防災要員の位置から火災室までの経路が1つしかない場合、ステップS114に進む。
ステップ114において、防災要員の位置から火災室までの経路は1つしかないため、経路データは、当該経路を経路データとする。例えば、図32は携帯表示装置6Aを持った防災要員が、階段で火災階に上がってきた状況を表す例の図であり、防災要員の位置から火災室までの経路が1つである。火災室は事務室bである。★は、建物内の交信ポイントを示している。また、◎は、防災要員の位置を示している。携帯表示装置6Aは、建物内の交信ポイントの301と302と303との信号を利用して携帯表示装置6Aの位置を算出し、火災室までの経路を表示している。携帯表示装置6Aの位置を検出することにより、この携帯表示装置6Aを携帯する防災要員の位置の座標が求められる。
図33は図32に表示された防災要員が移動したことにより、防災要員の位置が変化した状況を表す例であり、防災要員の位置の座標から火災室までの経路が1つである。携帯表示装置6Aは、建物内の交信ポイントの303と304と305との信号を利用して防災要員の位置を算出し、火災室までの経路を表示している。
ステップS115において、算出した複数の経路において、火災室に至るまでの間に、
火災が検出された部分を通らない経路があるか否かを判定する。火災室に至るまでの間に、火災が検出された部分を通らない経路がある場合は、ステップS115に進む。一方、火災室に至るまでの間に、火災が検出された部分を通らない経路がない場合、ステップS116に進む。
ステップS115において、経路データは、火災室に至るまでの間に火災が検出された部分を通らない経路のうち、経路の長さが最も短いものを経路データとする。
ステップS116において、経路データは、火災が検出された部分の経路の長さが最も短いものを経路データとする。例えば、図34は、ステップS116において複数の経路から経路データを確定する例を示す図である。火災室は事務室bである。◎は、防災要員の位置を示している。演算処理部は、防災要員の位置から火災室までの経路1、経路2、経路3の3つの経路を算出する。火災は、廊下aに延焼したため、火災室に至るまでの間に火災が検出された部分を通らない経路はない。よって、演算処理部64は、火災が検出された部分の経路の長さが最も短いものを経路データとする経路1を経路データとして確定する。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
例えば、図1の判断処理装置4と防災センタ監視装置5及び建物設置表示装置7は同一装置内で構成することもできる。また図の判断処理装置4Aと防災センタ監視装置5A及び建物設置表示装置7は同一装置内で構成することもできる。
また、図2の火災検出センサS1は、中継器G1と送受信制御部P1を介して各装置に信号を送出するようにしているが、これに限らず、中継器や送受信制御部の機能を備える火災検出センサS1から各装置に直接状態情報を送出するようにしても良い。図3、図4の各センサも同様に構成することができる。
また、残留者検出センサS3の設置方法は、例えば、残留者検出センサS3を天井部材と一体化させ、天井部材の天井側に設置する設置方法や、壁材と一体化させ、壁材内部に設置する方法がある。また、残留者検出センサS3と火災検出センサS1を一体化させ、設置する方法も考えられる。
また、本発明の第1の実施形態において、例えば、図12、図14、図16、図20に示された接近経路を示す表示画像600について、防災要員が表示部52の画面を観察し、非常用エレベータから火災の発生している部屋までの経路を検討し、データ入力部53からこの経路の情報が入力されることで表示画像600に表示されていた。しかし、本発明の第1の実施形態における接近経路を示す表示画像600の表示方法は、これに限らず、本発明の第2の実施形態の訓練モードにおける防災要員の位置情報取得と位置情報の表示の流れ、及び携帯表示装置6Aの経路データの生成方法を使用することができる。
2…防火区画形成状況判定装置
3…残留者状況判定装置
4、4A…判断処理装置
5、5A…防災センタ監視装置
6、6A…携帯表示装置
7…建物設置表示装置
41、51、61…送受信部
42…データ判定部
43…センサ位置判定部
44…情報提示部
45…行動パターンデータベース
46…センサ識別データベース
47…防火扉センサメンテナンス設定条件データベース
48、64…演算処理部
49、62…記憶部
52、63…表示部
53…データ入力部
54…防火扉制御部
55…スプリンクラー制御部
56…排煙設備制御部
100、100A…情報伝達装置
301、302、303、304、305…交信ポイント
G1、G2、G3…中継器
P1、P2、P3…送受信制御部
S1…火災検出センサ
S2…防火扉センサ
S3…残留者検出センサ
I…情報通信網
Claims (12)
- 建物内の各防火区画を他の前記防火区画と分離する複数の防火扉の近傍に配置された防火扉センサの感知情報から、各防火扉の開閉状態を判定する防火区画形成状況判定装置と、
各防火区画を表示するとともに、前記防火区画を形成する前記防火扉の開閉状態を通知する情報伝達装置と、
前記建物内に設置された火災検出センサの感知情報から、当該火災検出センサの設置位置近傍における火災の有無を検出する火災状況判定装置と、
前記情報伝達装置は、前記火災状況判定装置により前記火災検出センサの感知情報から火災の有無が検出された場合に、当該火災検出センサの設置位置と、前記防火区画形成状況判定装置により判定された前記各防火扉の開閉状態とに応じて、火災が発生した防火区画における災害活動情報を通知することを特徴とする火災時現場対応支援システム。 - 建物内に設置された火災検出センサの感知情報から、当該火災検出センサの設置位置近傍における火災の有無を検出する火災状況判定装置と、
前記建物内の防火扉の近傍に配置された防火扉センサの感知情報から、前記防火扉の開閉状態を判定する防火区画形成状況判定装置と、
防火区画を形成する前記防火扉センサの開閉状態を通知する情報伝達装置と、
前記火災状況判定装置による前記火災検出センサの感知情報の判定結果である火災状況、前記防火区画形成状況判定装置による前記防火扉センサの感知情報の判定結果である開閉状況と、火災検出センサ、防火扉センサそれぞれの配置位置との組み合わせから、防災要員の行う災害活動情報を生成する判断処理装置と、
を備え、
前記情報伝達装置が前記災害活動情報を通知する
ことを特徴とする火災時現場対応支援システム。 - 前記情報伝達装置が、火災の発生した前記建物内において災害活動を行う防災要員の携帯する携帯表示装置を含む
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の火災時現場対応支援システム。 - 建物内に設置された火災検出センサの感知情報から、当該火災検出センサの設置位置近傍における火災の有無を検出する火災状況判定装置と、
前記建物内の防火扉の近傍に配置された防火扉センサの感知情報から、前記防火扉の開閉状態を判定する防火区画形成状況判定装置と、
防火区画を形成する前記防火扉センサの開閉状態を通知する情報伝達装置と、
を備え、
前記情報伝達装置が、前記火災の発生した前記建物内において災害活動を行う防災要員の携帯する携帯表示装置を含み、
前記携帯表示装置が、
自身の位置情報と、前記火災検出センサ及び前記防火扉センサの検出情報及び設置位置から前記防災要員の前記火災の発生箇所までの経路データを生成する
ことを特徴とする火災時現場対応支援システム。 - 建物内に設置された残留者検出センサの感知情報から、当該残留者検出センサの設置位置近傍における残留者の有無を示す残留者状況を判定する残留者状況判定装置をさらに備え、
前記判断処理装置が、前記残留者検出センサの検出情報を含めて、防災要員の行う災害活動情報の生成を行うことを特徴とする請求項2に記載の火災時現場対応支援システム。 - 前記判断処理装置が、
前記火災状況、前記開閉状況及び前記残留者状況と火災検出センサ、防火扉センサ及び残留者検出センサそれぞれの配置位置との組み合わせと、前記災害活動情報とが対応して記憶されている災害活動パターンデータベースと、
前記火災状況、前記開閉状況及び前記残留者状況の組み合わせに対応して、前記災害活動パターンデータベースから前記災害活動情報を読み出すデータ判定部と
を備えていることを特徴とする請求項5に記載の火災時現場対応支援システム。 - 前記情報伝達装置が表示画面を有し、当該表示画面の前記建物の平面図の画像において、前記火災状況、前記開閉状況及び前記残留者状況に基づき、それぞれの位置における火災の有無、防火扉の開閉状態及び残留者の有無の各々と、前記災害活動情報とを表示する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の火災時現場対応支援システム。 - 前記判断処理装置が、
前記火災状況、前記開閉状況及び前記残留者状況に基づき、向かうべき活動位置及び当該活動位置までの経路を抽出し、火災状態情報に付加して前記情報伝達装置に対して出力し、
前記情報伝達装置が、
当該表示画面の前記建物の平面図の画像において、向かうべき活動位置及び当該活動位置までの経路を表示する
ことを特徴とする請求項7に記載の火災時現場対応支援システム。 - 前記判断処理装置が、
前記火災検出センサ、前記防火扉センサ及び防火扉、前記残留者検出センサそれぞれが正常に動作するか否かを判定するメンテナンスモードと、
前記火災検出センサ、前記防火扉センサ及び前記残留者検出センサそれぞれのセンサの状態を変更することで、前記情報伝達装置の表示画面に火災、防火区画の防火扉の閉鎖、延焼拡大の状況を模擬的に表示させる訓練モードと、
を実行する機能を有することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の火災時現場対応支援システム。 - 前記メンテナンスモードにおいて、前記防火扉が正常に動作するか否かを判定する際、
前記判断処理装置は、前記防火扉が開放状態から閉鎖までに要した時間を測定し、測定
した時間に基づいて、正常か否かを判断することを特徴とする請求項9に記載の火災時現場対応支援システム。 - 前記訓練モードにおいて、
延焼拡大の状況を模擬的に発生させるための複数の状況パターンから、いずれかの状況パターンを選択し、選択した前記状況パターンに基づいて、模擬的に火災の状況を表示させることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の火災時現場対応支援システム。 - 前記訓練モードにおいて、
前記防災要員の前記模擬的な火災による訓練終了後、予め設定されている前記防災要員の模範的な消火行動パターンと前記防災要員の実際の消火行動パターンとを比較し、前記防災要員の消火活動の訓練時の行動に対して評価を行うことを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の火災時現場対応支援システム。
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