JP6849461B2 - 防災時通信区画構成建築物及び防災時通信区画構成方法 - Google Patents
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Description
このため、大規模化された建物に防災システムを設置する場合、その特殊性に応じた防災システムを構築している。例えば、地上11階以上の建物の場合、建物の用途にもよるが、通常、スプリンクラー設備、非常コンセント、非常放送設備、誘導灯の設置、カーテン等の防炎処置が義務づけられており、かつ避難設備、排煙設備等も安全に避難が可能なように工夫がされている。
例えば、建物内において、火災の発生した火災発生区域を特定し、消火活動、生存者の避難誘導及び生存者の救助活動を行う防災システムがある(例えば、特許文献1参照)。
本発明の防災時通信区画構成建築物は、前記異常時用アクセスポイントが異常時に点灯する誘導灯内部あるいは近傍に設けられていることを特徴とする。
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による防災時通信区画構成建築物の構成例を示す概念図である。本実施形態において、建築物として複数階のビルを例としており、図1は複数階における所定の階のフロアを示している。中央領域101は、建築物におけるエレベータの縦動線の空間を示している。廊下102は、図1に示す階のフロアにおける廊下である。部屋R1、R2、…、R7、…の各々は、廊下102に沿って配置されている。防火扉(あるいは防火シャッターD#1、D#2、D#3、D#4、…の各々は、廊下102において火災の発生した領域及び延焼した領域を、他の領域から隔離する防火区画を形成するために閉じる隔壁となる。本実施形態においては、防火区画を形成する構成を防火扉あるいは防火シャッターとして説明しているが、防火壁、防火戸、水膜シャッターなどを含め、建築物において火災となっている領域と延焼していない領域とを隔絶する防火区画を形成する装置及び機構であればどのような構成でもかまわない。
防災通信システム10は、火災時制御装置1と、データベース20と、開閉状態検出センサ401〜pと、平常時用アクセスポイントAP#1〜AP#nと、異常時用アクセスポイントEAP#1〜EAP#mとを備えている。
区画形成状況確認部11は、開閉状態検出センサS#1〜S#pの各々の開閉状態情報を読み込み、いずれの防火区画が形成されているか否かの判定を行なう。
アクセスポイント起動制御部12は、区画形成状況確認部11から供給される防火区画の情報に対応して、異常時用アクセスポイントの起動の制御を行なう。
火災情報送受信部13は、建築物における火災の状況を通知するため、起動しているアクセスポイント(平常時用アクセスポイントあるいは起動している異常時用アクセスポイントの各々)から、火災情報を送信、あるいは防災要員などが携帯する携帯端末500とのデータの送受信を行なう。
防火区画識別情報は、防火扉が閉じられることで形成される防火区画において、異常時用アクセスポイントが配置されている防火区画を識別する識別情報である。防火扉D#1開閉状態から防火扉D#p開閉状態の各々には、防火区画識別情報の示す防火区画が形成される際における防火扉D#1、…、防火扉D#pそれぞれの開閉状態が書き込まれる。
ステップS11: 区画形成状況確認部11は、防火扉D#1、…、防火扉D#pの各々に対応して設けられている開閉状態検出センサS#1、…、S#pそれぞれから、開閉状態情報を読み込む。
また、区画形成状況確認部11は、データベース20の異常時用アクセスポイントテーブルを参照して、防火区画識別情報毎に、防火扉D#1開閉状態から防火扉D#p開閉状態の各々において、「閉」状態となっている開閉状態検出センサに対応する防火扉D#kの組合わせの有無を検出する。すなわち、区画形成状況確認部11は、防火扉が閉じることにより形成された、異常時用アクセスポイントが配置された防火区画の検索及び抽出の処理を行う。
また、アクセスポイント起動制御部12は、防火区画識別情報が「形成」となっている防火区画識別情報の異常時用AP起動フラグが「オフ」であるか否かの判定を行なう。
そして、アクセスポイント起動制御部12は、防火区画形成状態が「形成」であり、かつ異常時用AP起動フラグが「オフ」である防火区画識別情報を検出した場合、非常用アクセスポイントの必要があるとして処理をステップS15へ進める。
すなわち、アクセスポイント起動制御部12は、防火区画形成状態が「形成」であり、かつ異常時用AP起動フラグが「オフ」である防火区画識別情報が抽出されるか否かにより、異常時用アクセスポイントの起動が必要か否かの判定を行なう。
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図5は、本実施形態による防災時通信区画構成建築物の構成例を示す概念図である。本実施形態において、第1の実施形態と同様に、建築物として複数階のビルを例としており、図5は複数階における所定の階のフロアを示している。図1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付してある。以下、第1の実施形態と異なる構成のみを説明する。図5においては、図1の防災時通信区画構成建築物の構成に対して、防火扉D#5及び開閉状態検出センサS#5が設けられている。本実施形態においては、防火扉D#3及び防火扉D#5の各々が閉じられることにより、防火区画602(AP無し防火区画)が形成される。この防火区画602は、例えば、建築物の設計上あるいは構造上などの理由により、平常時用アクセスポイント及び異常時用アクセスポイントのいずれも設置も行えない防火区画形成領域(無配置防火区画)に対応している。
図6(a)は、異常時においても、防火扉D#3及び防火扉D#5の双方、または防火扉D#3及び防火扉D#5のいずれかが開いている状態の場合を示しており、平常時用アクセスポイントAP#2または異常時用アクセスポイントEAP#2を介して、防災センターとのデータの送受信を行なうことができる。
防災通信システム10Aは、火災時制御装置1Aと、データベース20Aと、開閉状態検出センサ401〜pと、平常時用アクセスポイントAP#1〜AP3nと、異常時用アクセスポイントEAP#1〜EAP#mとを備えている。図2の第1の実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。以下、第1の実施形態と異なる構成の説明を行なう。
区画形成状況確認部11Aは、第1の実施形態における区画形成状況確認部11の動作に加えて、開閉状態検出センサS#1〜S#pの各々の開閉状態情報を読み込み、アクセスポイントが存在しない防火区画が形成されているか否かの判定を行なう。
アクセスポイント起動制御部12Aは、第1の実施形態におけるアクセスポイント起動制御部12の動作に加えて、アクセスポイントが存在しない防火区画に最も近いアクセスポイントの軌道制御を行なう。
データベース20Aは、第1の実施形態における異常時用アクセスポイントテーブルとともに、アクセスポイント無し防火区画テーブルが記憶されている。
ステップS21: 区画形成状況確認部11Aは、防火扉D#1、…、防火扉D#pの小野鬼対応して設けられている開閉状態検出センサS#1、…、S#pそれぞれから、開閉状態情報を読み込む。
また、区画形成状況確認部11Aは、データベース20Aの異常時用アクセスポイントテーブルを参照して、防火区画識別情報毎に、防火扉D#1開閉状態から防火扉D#p開閉状態の各々において、「閉」状態となっている開閉状態検出センサに対応する防火扉D#kの組合わせの有無を検出する。すなわち、区画形成状況確認部11Aは、防火扉が閉じることにより形成された、異常時用アクセスポイントが配置されている防火区画の検索及び抽出の処理を行う。
また、アクセスポイント起動制御部12は、防火区画識別情報が「形成」となっている防火区画識別情報の異常時用AP起動フラグが「オフ」であるか否かの判定を行なう。
そして、アクセスポイント起動制御部12は、防火区画形成状態が「形成」であり、かつ異常時用AP起動フラグが「オフ」である防火区画識別情報を検出した場合、非常用アクセスポイントの必要があるとして処理をステップS25へ進める。
すなわち、アクセスポイント起動制御部12Aは、防火区画形成状態が「形成」であり、かつ異常時用AP起動フラグが「オフ」である防火区画識別情報が抽出されるか否かにより、異常時用アクセスポイントの起動が必要か否かの判定を行なう。
このとき、区画形成状況確認部11Aは、防火扉が閉じることにより形成された、AP無し防火区画が有る場合、抽出されたAP無し防火区画識別情報をアクセスポイント起動制御部12Aに出力して、処理をステップS28へ進める。一方、区画形成状況確認部11Aは、防火扉が閉じることにより形成された、AP無し防火区画がない場合、処理をステップS21へ進める。
そして、アクセスポイント起動制御部12Aは、起動した異常時用アクセスポイントに対応する防火区画の防火区画識別情報に対応する異常時用AP起動フラグを「オフ」から「オン」に書き換え、処理をステップS30へ進める。ここで、アクセスポイント起動制御部12Aは、対応アクセスポイントが異常時用アクセスポイントであるあるため、異常時用アクセスポイント識別情報を電波強度調整部14に対して出力する。
そして、電波強度調整部14は、読み出した対応AP電波強度の値に、対応AP(平常時用アクセスポイント識別情報あるいは異常時用アクセスポイント識別情報)が示すアクセスポイントが出力する電波の電波強度を調整する。
また、本実施形態においては、AP無し防火区画においても、避難者の携帯端末による送信動作により存在を防災センターが避難者の存在を認識することが可能となり、防災センターから防災要員に対して、AP無し防火区画に位置する避難者の救助を要請することができる。
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
第3の実施形態による防災時通信区画構成建築物の構成は、第1の実施形態あるいは第2の実施形態と同様である。
以下、第3の実施形態について、第1の実施形態及び第2の実施形態の各々と異なる構成及び動作についてのみ説明する。
図10は、防災要員が携帯する携帯端末に備えられたデータ端子を、火災報知設備の機器収容箱などに設けられた防災センターに有線で接続されているデータ端子の端子配列に変換する変換コネクタケーブルを説明する概念図である。
このため、防火区画となる領域に非常口が存在する場合、この非常口の近傍、すなわち非常口の位置を示す誘導灯、誘導標識、ステッカー(蓄光誘導ステッカー)などに隣接して設けることにより、その防火区画のどこにアクセスポイントが設置されているかを、防災要員900が容易に検出することができる。
また、本実施形態において、火災が発生して防火区画が形成された際、非常口の位置を示す誘導灯、誘導標識、ステッカーの各々の近傍に配置されたアクセスポイントが、下部方向に対して電波の送受信の指向性を有するように制御してもよい。これにより、非常口の位置を示す誘導灯、誘導標識、ステッカーの各々の直下に位置すれば、必ず携帯端末500により、防災センターとデータの送受信が行える。廊下の電灯が切れ、煙が充満することで、防災要員900が自身の位置が判らなくなる環境においても、非常口の位置を示す誘導灯、誘導標識、ステッカーの位置は確認できるため、防災要員900あるいは避難者が容易に携帯端末500により、防災センターとのデータの送受信を的確に行なうことができる。
図1及び図5における附室301に対して、床、壁、天井の全てに電磁シールド板や膜などのシールド材980を設けて、アクセスポイント800が備えられた附室301をシールドルーム(電磁波を遮断した部屋)とする。
これにより、外部からの電波(防災情報の受信を妨げる妨害電波)の侵入を防ぐことができ、附室301における携帯端末500(防災要員が携帯する携帯端末)と防災センターとの間のデータの送受信の信頼性を向上させることができる。例えば、廊下102にあるアクセスポイントからの電波の影響、あるいは廊下102にいる避難者たちの携帯端末からの電波の影響を、附室301内部で受けることが無くなり、防災センターとの通信の室を高めることができる。
また、上述した火災時制御装置1及び火災時制御装置1Aの各々は、それぞれ図1、図7に記載した構成以外に、上述した火災時制御を行なう機能を有する火災受信機、機器制御盤、制御盤及びサーバなどを用いても良い。ここで、火災受信機は、例えば、火災報知器や各種センサなどから火災に関する火災信号などの情報を受信する装置である。機器制御盤は、例えば、上記防火区画を形成する装置及び機構を制御する装置である。制御盤及びサーバは、例えば、各種建築物の防火設備を監視制御する装置である。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
10,10A…防災通信システム
11,11A…区画形成状況確認部
12,12A…アクセスポイント起動制御部
13…火災情報送受信部
20,20A…データベース
101…中央領域
102…廊下
301…附室
302…非常階段
303…非常用エレベータ
500…携帯端末
601,602…防火区画
801,802,803…変換コネクタケーブル
800…アクセスポイント
900…防災要員
950…非常灯
980…シールド材
AP#1,AP#2,AP#3,AP#n…平常時用アクセスポイント
D#1,D#2,D#3,D#4…防火扉
EAP#1,EAP#2,EAP#m…異常時用アクセスポイント
S#1,S#2,S#3,S#4,S#p…開閉状態検出センサ
R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7…部屋
Claims (6)
- 火災が発生した火災発生領域あるいは延焼した領域を、防火扉を閉じて他の領域から遮断した際に防火区画が形成される防火区画形成領域毎に、防災要員が携帯端末を用いて防災センターとの通信に用いることが可能なアクセスポイントを配置した
ことを特徴とする防災時通信区画構成建築物。 - 前記防火区画形成領域毎に配置される前記アクセスポイントが、平常時の使用を目的とした平常時用アクセスポイントと、火災発生時に前記防火扉により前記平常時用アクセスポイントから電波が遮断される前記防火区画となる防火区画形成領域に配置される異常時用アクセスポイントと
を含み、
異常時用アクセスポイントが配置されている前記防火区画形成領域が防火区画とされた際に、当該異常時用アクセスポイントが前記防災センターに設置されている制御装置により起動される
ことを特徴とする請求項1に記載の防災時通信区画構成建築物。 - 前記防火区画形成領域毎に前記アクセスポイントが配置できない無配置防火区画が存在する場合、
前記制御装置が、火災時に形成された前記無配置防火区画に隣接する防火区画外の領域において最も近い前記アクセスポイントの送信電波の強度を、前記防火扉を透過する強度に調整する
ことを特徴とする請求項2に記載の防災時通信区画構成建築物。 - 前記異常時用アクセスポイントが異常時に点灯する誘導灯内部あるいは近傍に設けられている
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の防災時通信区画構成建築物。 - 火災が発生した際に、前記防災要員が火災現場へ進入するために使用する進入経路上に、前記携帯端末と接続可能な有線端末が配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の防災時通信区画構成建築物。 - 火災が発生した火災発生領域を、防火扉を閉じて他の領域から遮断した際に形成される防火区画毎に、防災要員が携帯端末を用いて防災センターとの通信に用いることが可能なアクセスポイントを配置する
ことを特徴とする防災時通信区画構成方法。
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