JP2007206974A - 防火区画の火災リスク評価方法及び火災リスク評価プログラム - Google Patents

防火区画の火災リスク評価方法及び火災リスク評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】区画破壊又は輻射による防火区画を超えた延焼による火災リスクを的確に評価できる方法を提案する。
【解決手段】少なくとも一つの区画を介して連なる3つ以上の防火区画の一つを火災発生区画として選択し、この火災発生区画から隣接する他の防火区画への延焼の可能性を予測し、何れかの隣接区画への延焼の可能性がある場合には、その隣接区画を新たな火災発生区画として、この新たな火災発生区画から未着火の隣接区画への再延焼の可能性を予測する作業を、全ての火災発生区画で再延焼の可能性が無くなるまで繰返し、焼失した区画面積を算定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防火区画の火災リスクを評価するための方法及びプログラム、特に防火区画の破壊を考慮した火災リスク評価の方法及びプログラムに関する。
例えば火災保険業務においては、保険料算定のために建物の火災リスクを評価することが必要となる。この評価の方法としては、過去の火災被害データに基づいて作成された評価ガイドラインに基づいて、調査官が対象建物を定性的に調査することが多いが、近年では、火災のリスクを定量的に評価する方法が提案されている。
例えば火災の継続時間で表した火災の規模を、消火器で対応可能な小規模火災から順次複数の段階に分類し、各段階での消火活動の有無などの人的対応を考慮して火災の規模毎に火災の発生確率を計算する方法が知られている(特許文献1)。
また火災の空間的な広がりを火災継続時間に結び付けて、火災が出火室を突破して同一の防火区画の隣接空間に拡大する時間、防火区画を突破して他の防火区画に拡大する時間、更に階段などの竪穴区画に火が入る時間などを定義し、火災継続時間に対応して火災による損害面積を算出する方法も知られている(特許文献2の段落0012)。
また、こうしたリスク評価の前提として、建築基準法施行令第108条の3第2項では、建築物の屋内において発生が予測される火災の継続時間t[分]を、当該建築物の室ごとに、次式で計算することを定めている(隣室からの熱侵入を考慮しない場合の参考値)。但しQは当該室内の可燃物の発熱量、qは発熱速度、即ち当該室内の可燃物の1秒間当たりの発熱量である。
[数式1]t=Q/60q
これらQ及びqに関しては建設省の告示に定められており(非特許文献1)、これらに関しては後述する。
特開2002−117363号 特開2002−117222号 平成12年5月31日建設省告示1433号「耐火性能検証法」
建築基準法では、火災防止のために、一定の建築物に対して一定の防火区画を行うことを規定しており、一定の設計者は、この規定に従って防火区画を施すことにより、火災の延焼拡大に関して必要な性能を確保しているのが、実情である。
ところが建築基準法を満足する防火区画が施されている場合でも実際の火災で多数の延焼拡大が確認されている。これは、例えば防火区画に採用した可動間仕切りの直下に障害物が置かれていたり、防火設備が老朽化したなどの理由で機能不全・機能劣化が生ずるからである。
こうした現状に鑑みて、建築設計と異なる観点で検討される火災リスク評価では、前述の特許文献1及び特許文献2の如く防火区画からの延焼拡大を確率的に推定する手法が提案されている。しかしながら、この手法は過去の火災事例を参考としたものであり、類似建物の火災事例から、一つの防火区画からの延焼確率の平均値を示しているに過ぎない。防火区画からの延焼の原因としては、少なくとも防火区画が火災で破壊される場合と、防火シャッターからの輻射熱で隣の区画の可燃物に着火する場合とが考えられるが、何れのケースとしても、建物が大規模化・多様化した今日では、単なる確率的手法では信頼性の高い評価を期待できず、個々の建物の実情を反映した評価方法が求められている。
そこで本発明は、各建物の個々の具体的構造を火災リスクの評価に反映させるため、区画破壊又は輻射による防火区画からの延焼の可能性を検討する火災リスク評価の方法及びプログラムを提案することを目的とする。
第1の手段は、
少なくとも一つの区画を介して連なる3つ以上の防火区画の一つを火災想定区画として選択し、
この火災想定区画から隣接する他の防火区画への延焼の可能性を予測し、
何れかの隣接区画への延焼の可能性がある場合には、その隣接区画を新たな火災想定区画として、この新たな火災想定区画から未着火の隣接区画への再延焼の可能性を予測する作業を、全ての火災想定区画で再延焼の可能性が無くなるまで繰返し、
焼失した区画面積を算定する防火区画の火災リスク評価方法であって、
延焼の可能性を予測する過程では、火災想定区画内に存する可燃物の燃焼により発生する熱量と発熱速度とから、当該防火区画内で可燃物が燃え尽きるまでに要する火災継続時間を計算し、
更に防火区画の各構成部材が火災想定区画から他の防火区画へ火災が燃え広がることをくい止めることができる延焼防止時間を計算し、
火災継続時間が各防火区画の何れかの構成部材の延焼防止時間よりも長い場合に当該防火区画の構成部材を経て延焼する可能性ありと判定することを内容としている。
本手段では、一つの防火区画から他の防火区画へ延焼する可能性を、火災継続時間と延焼防止時間との比較により判定し、更に、延焼の可能性があるとされた防火区画から未着火の隣接区画への再延焼の可能性を同様の方法で判定することとしている。尚、本明細書において、単に「区画」というとき、或いは隣接区画・竪穴区画・連続区画・火災想定区画・平面区画などというときには、特に断らない限り、防火区画を指すものとする。
「防火区画」とは、火災時に延焼の拡大を防ぐために、建物又は工作物などの一定面積ごとに設置する区画であって、耐火構造の床や壁などで形成されるものである。防火区画の主要な構成部材は、床体、壁体(外壁及び間仕切り壁)、及び、防火戸・防火扉・防火シャッターなどの如くその防火区画の開口部を閉塞する開口遮蔽材(好ましくは建築基準法にいう特定防火設備)などである。
「火災継続時間」とは、各防火区画内で出火(或いは他の区画から延焼)してから可燃物が燃え尽きて下火になるまでの時間をいう。
「延焼防止時間」とは、区画破壊又は輻射の何れによるのかを問わず、火災を一つの防火区画内に留めておくことができる時間をいい、当該防火区画の構成部材ごとに計算する。
「延焼」とは、理由の如何を問わず、一つの出火源から火事が燃え広がることをいうものとする。また、延焼とは、床や天井の破壊により、或いは階段などの竪穴区画を介して火災発生階から下又は上の区画へ燃え広がることを含むものとする。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記延焼防止時間を、防火区画の各構成部材の保有耐火時間として計算し、かつ
上記火災継続時間Tは、防火区画内の可燃物の発熱量Qを当該防火区画内の発熱速度qで割った除数とし、
当該防火区画の発熱量と発熱速度とを、当該防火区画の広さや天井高さに依存する区画形状条件、及び、当該防火区画に設けられた開口部の面積や高さに依存する開口条件によって決定するものとして計算している。
本手段では、防火区画が破壊して他の防火区画に延焼する可能性を評価しようとしており、そのために、延焼防止時間を保有耐火時間としている。区画形状条件及び開口条件の他に、用途や表面仕上げ上に依存する可燃物条件をも考慮に入れることができる。
「保有耐火時間」とは、防火区画の構成部材が保有する耐火性能が保持できる限界の加熱時間をいう。一般的には、防火区画の構成要素である床体、壁体及び開口遮蔽材とこれを構成する構造部材である柱、梁の保有耐火時間をリスク対象とする。
火災継続時間は、前述の如くt=Q/60qと定められており、可燃物の発熱量Qは積載可燃物及び固定可燃物の各発熱量の総和として与えられる。建築基準法では、単位面積当たりの可燃物の発熱量が定められている。又、発熱速度qは燃焼型支配因子χとの関係で次のように定める。ここでAfuelは、可燃物表面積である。
[数式2]q=1.6×χ×Afuel(χ≦0.081の場合)
[数式3]q=0.13×Afuel (0.081<χ≦0.1の場合)
[数式4]q=[2.5×χ×exp(−11×χ)+0.048]×Afuel(χ>0.1の場合)
[数式5]χ=max[Σ(Aop√Hop)/Afuel,A√H/(70×Afuel)]
opは開口面積、Hopは開口高さ、Aは床面積、Hは天井高さである。この数式5から判る通り、燃焼型支配因子χは、開口条件である各開口の開口面積と開口高さとの積の総和に依存する項、区画形状条件である床面積と天井高さとの積に依存する項のうち大きい方を採用する。
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
火災の再延焼の可能性を判定する作業において、
先に出火した防火区画と隣の防火区画との間の区画構成部材の保有耐火時間が火災継続時間よりも短い場合に、当該構成部材による仕切りがないものと仮定して、これら両防火区画を一つの連続区画とし、この連続区画の区画形状条件及び開口条件に基づいて、火災継続時間を再計算し、
上記連続区画と更に他の隣接区画との間の区画構成部材の保有耐火時間に比べて、再計算した火災継続時間が長いときに、再延焼の可能性有りと判断している。
前述の数式2〜4から判る通り、発熱速度は、各防火区画の区画形状条件や開口条件に依存する。従って同量の可燃物が存在する防火区画であっても、その防火区画で出火する場合と、既に火災が発生している隣の防火区画から区画破壊により火が燃え広がる場合とでは、発熱速度が異なる。
そこで、本手段においては、例えば火災元である防火区画Aから隣の防火区画Bへ延焼する可能性有りと判定されたときには、これら両防火区画が最初から連続していたものとして、火災継続時間を再計算し、この連続した2区画を火元として出火したものと仮定して、この連続区画の各構成部材の保有耐火時間と、再計算した火災継続時間とを比較して、後者が大きいときには、連続区画から更に周囲の防火区画への延焼の可能性有りと判断する。
第4の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記延焼防止時間を、火災想定区画の構成部材から放射される輻射熱により、隣の防火区画内の可燃物が発火するまでの時間として計算している。
本手段では、火災が輻射熱によって延焼する場合の火災リスクの評価を取り扱っている。即ち、防火区画の一部である防火シャッターなどが輻射部となって、火災と反対側の面(裏面)から輻射線を放出し、隣の防火区画の可燃物に着火する場合である。
具体的には、火災想定区画の防火シャッターの裏面は本願の図10に示す如く時間とともに上昇し、これとともに隣の防火区画に置かれた可燃物温度も上昇する。この可燃物温度が着火温度に達したときに可燃物に着火することになる。火災想定区画内での火災継続時間内に隣室の可燃物が着火したときには、延焼の可能性ありと判定する。防火シャッターの裏面の温度と可燃物温度との関係は、後述の熱平衡方程式により決定する。
第5の手段は、第1の手段として記載した防火区画の火災リスク評価方法であって、
一つの防火区画から隣接する他の防火区画への延焼の可能性を判断する際に、第2の手段乃至第3の手段に記載した区画破壊による延焼の可能性を判定する方法、或いは第4の手段に記載した輻射による延焼の可能性を判定する方法の何れか一方を実施し、
この一方の方法で延焼の可能性がないと判断された場合に、他方の方法で延焼の可能性を判断することを特徴とする。
本手段は、区画破壊による延焼の可能性を判断する第2、第3の手段と、輻射による延焼の可能性を判断する第4の手段との組み合わせに関するものである。輻射により延焼が起こるためには、防火区画の一部として防火シャッターなどの輻射部があり、更にこの輻射部の近くに可燃物が置かれていることという条件が必要である。従って、輻射による延焼が幾度も繰り返される可能性は少ない。しかしながら、例えば最初の火元である防火区画で、区画破壊による延焼の可能性を判断して、鎮火すると判断したのに、実際には輻射により隣の防火区画に延焼し、この防火区画から更に火災が拡大するような場合も考えられ、そうすると火災リスクの評価に大きな誤差が生じてしまう。そこで本手段では、2種類の判断方法を組み合わせて用いることとしている。
第6の手段は、少なくとも一つの区画を介して連なる3つ以上の防火区画についての火災評価を行うためのプログラムであって、
それら3つ以上の防火区画の一つである火災想定区画に対して、次の(a)から(d)の手順をコンピュータに行わせ、
これらの手順によりコンピュータが火災想定区画から1又は2以上の隣接区画へ延焼する可能性ありと判断したときには、更にそれら1又は2以上の隣接区画を新たな火災想定区画として、下記の(a)から(d)の手順を、各火災想定区画で再延焼の可能性がなくなるまで繰り返してコンピュータに行わせ、
全ての火災想定区画で延焼乃至再延焼の可能性がなくなったときにコンピュータに焼失した区画面積を算定させることを特徴としている。
(a)上記火災想定区画の火災継続時間を計算する手順
(b)この火災想定区画の各構成部材の保有耐火時間を計算する手順
(c)この火災継続時間に比べて一つの構成部材の保有耐火時間が短いときには、当該構成部材を介して隣接する他の防火区画へ延焼する可能性ありと判断し、この火災継続時間に比べて全ての構成部材の保有耐火時間が長いときには、延焼の可能性なしと判断する手順
(d)少なくとも一つの構成部材を介して隣接する他の防火区画へ延焼する可能性があると判断される場合には、当該防火区画を新たな火災想定区画とする手順。
本手段及び次の第7の手段は、前述した火災リスク評価方法の内容の一部をプログラムとして書き直したものであり、一つの防火区画から他の防火区画への延焼の可能性を各防火区画の構造に応じて判定し、その可能性があるときには、当該他の防火区画から更に隣接区画への再延焼の可能性を判定するという基本的な着想は同じである。新たな火災想定区画の設定を含め、本手段中に記載した各処理はコンピュータに行わせる。また、上記評価方法として先の各手段の欄で記載した事項は、技術的観点から矛盾を生じない限り、本手段及び次の第7の手段に当てはまるものとする。
第7の手段は、第6の手段を有し、
コンピュータに、更に火災想定区画の構成部材から放射される輻射熱により、隣の防火区画内の可燃物が発火するまでの時間を算出する手順を行わせ、
かつ上記火災想定区画からの延焼の可能性を判断する際に、前述の如く保有耐火時間のみで判定する手順に代えて、一つの構成部材に関して輻射による可燃物発火時間又は保有耐火時間の何れかが火災継続時間よりも短いときには、当該構成部材を介して隣接する他の防火区画へ延焼する可能性ありとコンピュータに判定させ、全ての構成部材に関して輻射による可燃物発火時間及び保有耐火時間の双方が火災継続時間よりも長いときには、延焼の可能性なしとコンピュータに判断させることとすることを内容とする。
本手段では、輻射による延焼の可能性及び区画破壊による延焼の可能性の双方を考慮したプログラムの発明を提案している。処理の順序としては、輻射による可燃物発火時間及び保有耐火時間のうち何れを先に計算して、火災継続時間と比較しても構わない。また、両者のうち一方が火災継続時間よりも短いと判明したときには、他方の計算及び比較を省略しても良い。
第8の手段は、第6の手段又は第7の手段を有し、かつ
上記3つ以上の防火区画は、建物の複数階に亘って、階段などの竪穴区画を介して連続して構成されているものとし、更に、コンピュータに、
建物の一つの階における平面図上の竪穴と他の平面区画との標準的な複数の配置パターンを記憶させる手順と、
その配置パターンをオペレータに対して提示させる手順と、
配置パターンの選択ボタンをオペレータに対して提示させる手順とを行わせることを特徴としている。
本手段では、階段・吹抜け・エスカレータなどの竪穴区画を有する複数階の建物での火災評価に関する手法を提案している。現実の火災では、上記竪穴が火の通り道となるおそれがあるため、その竪穴の位置は、火災リスクの評価に少なからず影響する。代表的な配置パターンとしては、例えば百貨店の売り場の中程にエスカレータを設ける場合の如く、火災室である平面区画から直接竪穴につながるパターンと、ホテルの如く複数の平面区画から廊下や前室を介して竪穴につながるパターンとが考えられる。
第1の手段に係る発明によれば、最初に出火した防火区画から隣接する防火区画への延焼の可能性、及び延焼した防火区画から更に他の防火区画へ再延焼する可能性を、各防火区画の構成部材の延焼防止時間を考慮して評価するから、建物の個別性を加味して火災リスクをより的確かつ確実に評価することができる。
第2の手段に係る発明によれば、防火区画の破壊による延焼の可能性を評価するようにしたから、防火区画は破壊しないという固定観念に縛られずに実態に近い評価をすることができる。
第3の手段に係る発明によれば、区画破壊により連続した2つの防火区画を一つの防火区画として、その区画形状条件や開口条件に基づき火災継続時間を再計算するから、評価の精度が更に向上する。
第4の手段に係る発明によれば、上記延焼防止時間を、輻射熱により隣の防火区画内の可燃物が発火するまでの時間としたから、区画破壊の前の段階での輻射による延焼の可能性を評価することができる。
第5の手段に係る発明によれば、区画破壊による延焼の可能性と輻射による延焼の可能性との双方を評価するから、よりきめ細かく、実際の火災被害に近い評価が期待できる。
第6の手段及び第7の手段に係る発明によれば、前述の第2の手段及び第5の手段と同様の効果を得られる。
第8の手段に係る発明によれば、竪穴と他の防火区画との標準的な配置パターンを表示させ、ユーザーが選択可能としたから、評価の作業を容易に行うことができる。
図1から図3は、本発明に係る火災リスク評価方法の第1の実施形態の説明図である。本実施形態は、区画破壊による延焼のリスク評価に関するものである。
建物の内部には、3つ以上の防火区画2を連ねて設けている。各防火区画2は、周囲の防火区画との境となる各区画壁4と、この壁の一部に形成した開口部を閉塞する防火扉などの開口遮蔽体6と、床スラブなどの床体8とで構成されている。各区画壁・開口遮蔽体・床体は、隣り合う防火区画によって共有されている。図1中、10は、階段を形成した竪穴区画である。各防火区画は任意の数の部屋に仕切られてもよいが、簡単のために図示例では、図示した各部屋がそのまま防火区画となっている。
上記区画壁4、開口遮蔽体6、及び床8は、それぞれ耐火性能を有しているが、一般的には、火災時にその耐火性能を維持できる時間(耐火保有時間)は各々異なる。隣接する複数の防火区画で火災が発生したときには、図3に示す如く、隣接する複数の防火区画の一つで火災が発生したときには、当該防火区画の構成部材のうち最も耐火保有時間の短いものが破壊し、その構成部材によって隔てられていた隣の防火区画へ延焼する。従って火災リスクの評価に際しては、火災継続時間の他に、各構成部材の保有耐火時間を求める必要がある。
図2は、本実施形態の火災リスク評価方法の過程を示している。本方法を実施するときには、出火元と仮定する一つの防火区画を選択した上で以下の手順で行う。尚、これらの手順のうち、(1)及び(2)に述べる火災継続時間の計算及び保有耐火時間の計算は、特に断らない限り、建築基準法又はこれ関連する告示に記載されたものであり、従来公知である。
・ 火災継続時間の計算
建築設計条件として、防火区画内の可燃物の量、床面積、天井高さ、開口部の種類と大きさに関する情報を用意する。可燃物としては、防火区画である部屋に積載された収納可燃物と、室内に固定された内装可燃物とがある。収納可燃物は、建設省告示1433号により部屋の用途により単位面積当たりの発熱量(q)が定められているので、これを用いて防火区画である部屋の用途と大きさとから決定することが望ましい。
Figure 2007206974
次の上記の情報に基づいて火災継続時間を計算する。既述数式1で述べた通り、火災継続時間は、可燃物発熱量を発熱速度で割ることで得られる。
火災が発生している部屋での可燃物の発熱量の計算は、建設省告示1433号に定められており、次式のようになる。
[数式6] Q=q+Σ(q)+ΔQ
[数式7] ΔQ=Σf{qlara+Σ(qfafafa)}
数式6の右辺の第3項は隣室から侵入する熱に依存する項であり、周囲の部屋で燃焼が生じていないときには省略することができる。同式中、Aは当該室の床面積、qは当該室内の各内装材の単位面積当たりの発熱量、Aは当該室内の各内装材の表面積、dは当該室内の各内装材の厚さである。
また、数式7において、fは当該室と隣接室との間の壁・床・天井・開口部に応じた熱侵入係数、qlaは隣接室の可燃物の単位体積当たりの発熱量、Araは隣接室の床面積、qfaは隣接室内の各内装材の単位面積当たりの発熱量、Afaは隣接室内の各内装材の表面積、dfaは隣接室内の内装材の厚さである。
発熱速度を算出するときには、まず次の数式9により可燃物表面積Afuelを求める。ここで前述の通りqは火災室内の収納可燃物の単位面積当たり発熱量、Aは当該室の床面積、Aは当該室の各内装材の表面積である。また、φは建築材料の種類に応じた酸素消費係数であり、不燃材料で0.1、準不燃材料で0.2、難燃材料で0.4、木材その他これに類するもので1.0である。
[数式8]Afuel=0.26q 1/3×A+Σφ×A
この可燃物表面積とともに各開口部の面積及び高さ、床面積及び天井高さを数式5に代入すると、燃焼型支配因子χが決定され、この燃焼型支配因子を上記数式2〜4の何れかに代入すると、発熱速度が決定される。そしてこの発熱速度と可燃物発熱量とを数式1に代入すると、火災継続時間が求まる。
(2)保有耐火時間の計算
次に出火元と仮定した防火区画の各構成部材毎に保有耐火時間を計算する。この保有耐火時間Tfrは、火炎温度上昇係数αの関数として与えられ、建設省告示1433号によれば、壁・床・柱などの構成部材ごとに、当該部材の種別・断面・強度などに応じた各種の関数形として定義されている。上記の火災温度上昇係数は、α=1280×[q/{√(fop)×√Σ(A)}]2/3で与えられる。従って上記(1)の過程で求めた発熱速度より火炎温度上昇係数αを決定し、これから保有耐火時間を決定することができる。
(3)火災継続時間と保有耐火時間との比較
出火元である防火区画の各構成部材(壁体・床体・特定防火設備)の保有耐火時間を、火災継続時間と比較して、何れかの構成部材の保有耐火時間が火災継続時間よりも短いときには、その構成部材を介して出火元である防火区画と仕切られる隣接防火区画(上階・下階の防火区画を含む)に火災が延焼する可能性有りと判定する。又、当該区画の全ての構成部材の保有耐火時間が火災継続時間よりも短いときには、火災は鎮火すると判定する。
延焼の可能性有りと判定したときには、更に延焼した隣接防火区画を新たな火元として(1)〜(3)の過程を繰返し、火災が発生している全ての区画で火災が鎮火するまで、再延焼の可能性を判断する。
(4)延焼面積及び延焼率の算定
上記(1)〜(3)の過程が終了した後、延焼した全ての防火区画を集計して、延焼面積及び延焼率を求めれば良い。必要により最初の出火元である防火区画を適宜変更して再び同様の評価を行っても良い。
図4乃至図6は、本発明の第2の実施形態の説明図である。本実施形態では、第1実施形態の評価方法において、2つの防火区画の間に区画破壊による延焼の可能性有りと判定されたときに、2つの防火区画が予め連続した一つの防火区画であるものとして、火災継続時間を再計算するものである。そして、最初から仕切られていない連続区画から火災が発生したものとして、この連続区画から更に隣の防火区画への延焼の可能性を再度判定する。
火災継続手段を再計算する場合には、防火区画No.1と防火区画No.2とが区画破壊により連続する可能性があるときには、両区画の開口部面積と開口部高さとの積の総和、及び床面積と天井高さとの積として燃焼型支配因子χを決定し、更に両区画の可燃物に関して可燃物表面積を決定して発熱速度を決めれば良い。又、可燃物発熱量は、両防火区画に存在する可燃物の発熱量とする。両防火区画を仕切る区画壁は存在しないものと仮定しているが、発熱量の計算に関しては当該区画壁の燃焼による発熱量も算入する。そして、これらの数値を、前記数式1に代入して、区画破壊後の火災継続時間を決定することができる。
以下、第2実施形態について、簡単なシミュレーションを行った結果を示す。このシミュレーションは、図5に示す如く耐火壁a〜jで区分された6つの部屋をそれぞれ防火区画として、各部屋の一つで火災が発生した場合を示すものである。
部屋201〜206はそれぞれ事務所用であり、幅10.0m×奥行き8.0mである。壁a〜dは1時間耐火壁、壁e〜gは2時間耐火壁、壁h〜jは3時間耐火壁とした。又、壁a〜j以外の壁(外壁)及び床・天井は破壊されないものとした。又、この外壁には、幅1.8m〜2.0mの2つの開口部を設けるものとした。尚、同図中の各部屋No.の下に記載した数値はその部屋固有の火災継続時間である。
201号室〜206号室のそれぞれで火災が発生した場合のシミュレーション結果を次の表2に示した。201号室で出火した場合の結果は、表2左欄中、火元が201である場合のステップ1〜3に記載されている。この部屋単独で算出した火災継続時間は63.2分であった。この部屋の区画壁a、e、hの保有耐火時間は、それぞれ60,120、180分であるので、区画壁aが破れると判定できる(ステップ1)。そこで、最初から区画壁aが破れていると仮定して、201号室及び202号室を一つの空間としたときの火災継続時間は、93.5分となった。ここで、この空間を仕切る壁はb、e、f、h、iであり、それらの耐火時間は60,120,120,180,180分である。従って、次に敗れる壁はbであると判定される(ステップ2)。同様に201〜203号室が連続した空間となったと仮定した場合に、この空間内で火災が発生したときの火災継続時間は80.6分である。他方、この空間を仕切る区画壁e、f、g、h、i、jの各保有耐火時間は120〜180分であるから、この空間内で出火した火災は延焼することなく、鎮火されると判断できる。
201号室以外の部屋から出火した場合についても同様に計算すればよい。シミュレーションによれば、202号から出火した場合には6区画、203号室から出火した場合には3区画、204号室から出火した場合には1区画、205号室から出火した場合には3区画、206号室から出火した場合には1区画が火災にあうことが分る。
Figure 2007206974
図7から図10は、本発明方法の第3実施形態の説明図である。本実施形態では、輻射による延焼のリスクを評価する方法を提案している。即ち、図8に示す通り、防火区画の一部である輻射部、例えば防火戸等の特定防火設備や防火シャッターから輻射熱が放射されると、防火区画が破壊される前に、隣の防火区画内に設置した可燃物14に着火する可能性がある。そこで熱平衡方程式を用いて輻射面の温度から可燃物14の表面の温度を算出し、着火の可能性を評価することができる。
具体的な手順は次の通りである。
(1)輻射面温度の設定
例えば耐火実験などに基づき、火災想定区画に面する防火シャッターの裏面、即ち輻射面の温度を設定することができる。
(2)可燃物の位置・着火特性の特定
まず輻射面から可燃物14までの距離Lや傾斜角などを測定する。次に可燃物14の種類により着火温度T0を設定する。例えば木材の引火温度は250〜270℃程度である。
(3)可燃物表面の温度予測
一般に輻射面の温度Tと可燃物の温度Tとの間には、次の平衡方程式が成立する。
[数式9](MC/A)(dT/dt)=α(T−T)+εrfsσφ(T −T )+εrrsσ(1−φ)(T −T
但し、可燃物の単位長さ当たりの質量・比重・周長さをそれぞれM、C、Aとする。またαは可燃物と雰囲気との間の熱伝達係数[kW/m2K]、Tは可燃物の温度、Tは雰囲気温度、Tは輻射部の温度、εrfsは輻射面と可燃物との合成放射率、σはステファン・ボルツマン定数、εrrsは周辺物体と可燃物との合成放射率、φは可燃物に対する火炎の形態係数である。
形態係数φと輻射面から可燃物までの距離Lとの関係は、輻射面を幅2a×2bの矩形とすると、X=a/L,Y=b/Lとして、次の次式で与えられる。
[数式10]φ=(1/2π)×[{X/√(1+X)}tan−1{Y/√(1+X)}+{Y/√(1+Y)}tan−1{X/√(1+Y)}]
輻射による可燃物の温度Tは、前述の熱平衡方程式を解析的に解くことにより求められる。上記数式9において輻射・対流等の熱収支がバランスする定常状態、即ちdT/dt=0とすると、輻射面の温度から可燃物の表面温度を求めることができる。
図11は、第3実施形態の変形例として、区画破壊による延焼の可能性の判定と、輻射による延焼の可能性の判定とを組み合わせて行う場合の手順のフローチャートを示している。即ち、最初に火元として設定した防火区画に対して、区画破壊による隣接区画への延焼の可能性を判定し、その可能性がない場合には、輻射による隣接区画への延焼の可能性を判定し、何れの判定でも延焼の可能性がなければ、火災は鎮火するものとして、火元の防火区画の面積を延焼面積として算出する。何れかの判定において何れかの隣接区画への延焼の可能性有りと判断されるときには、それら各隣接区画について、更に再延焼の可能性を、区画破壊による場合及び輻射による場合のそれぞれについて判定する。もちろん輻射による延焼の可能性の判定をした後に区画破壊による延焼の可能性を判定してもよい。
図12に従って、本発明方法の実施に適したプログラムの例を説明する。このプログラムは、火災のリスクとして延焼面積・延焼率の他、人的被害などを計算するものとすることが望ましい。具体的には、このプログラムは、コンピュータに次の手順を実行させるものである。
(1)初期画面(図12(A))で建築物の概要及び在館者数・設備を入力する手順。
建築物の概要としては、建築の用途(店舗など)、延べ床面積、基準階面積、最大防火区画面積、フロア当たりの防火区画数、天井高などを入力する。これらの情報は、火災継続時間の計算などに使用される。在館者数は、火災リスクとして人的被害を計算するために用いる。設備としては例えば防火戸の種類などを入力する。
(2)初期画面の「区画パターン選定」ボタンを押し、対象建物の代表的なパターンを選択する手順。
一般の建物の各階の代表的な区画のパターンを予め記憶させておき、図12(B)パターンを選択することでリスク評価を容易に行うことができる。代表的なパターンとしては、(イ)燃える部屋(火災室)から直接竪穴につながるもの、(ロ)燃える部屋から直接竪穴と他の部屋を伝わって竪穴につながるもの、(ハ)燃える部屋から前室を通して竪穴に繋がるが、部屋相互の仕切りは不燃であるもの、(ニ)燃える部屋から前室を通して竪穴に繋がり、部屋の間に出入り口があるもの、などが考えられる。
(3)初期画面(図12(A))で、必要に応じて計算上の基礎データを入力する手順。
計算上の基礎データとしては、避難口への最大歩行距離などの避難計算上の基礎データやスプリンクラーなどの設備・区画の作動率が挙げられる。前述の通り、火災の進展の可能性を確率的に評価することは従来技術の手法であり、本発明の必須要件ではない。しかし、こうした手法を本願発明の実施の形態に組み込むことも可能である。
(4) 図12(A)で「計算」ボタン及び「結果表示」ボタンを押して、耐火設計の結果を反映しない参考値としての、延焼率の超過確率と人的被害の計算結果を確認する手順。
この手順は省略可能である。
(5)画面を移動し、耐火設計上の想定火災を算出する手順(図12(C))。
検査対象室の階数、用途、窓の大きさ、階高さなどを入力して、等価火災継続時間を計算する。
(6)画面を移動し、上記想定火災に対する最適な火災仕様を算出する手順(図12(D))。
主要構造部として柱・大梁・小梁・間仕切り・外壁などの種別や設計を選択し、それぞれの保有耐火時間を計算する。
(7)「設定終了」ボタンをおし、計算結果を表示する手順。
これにより平均延焼面積・平均延焼率・人的被害が、火災発生時及び年間平均のそれぞれについて算出される。
本発明の防火区画の火災リスク評価方法の適用対象となる建築物の防火区画の平面図である。 本発明の第1実施形態に係る方法の手順のフローチャートである。 同方法に対応して区画破壊により火炎が広がる様子を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る方法の手順のフローチャートである。 同方法のシミュレーションを行うための防火区画群の平面図である。 同方法のシミュレーションの結果を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る方法の手順に対応して輻射により延焼する様子を示す説明図である。 同方法の説明図である。 同方法の手順を示すフローチャートである。 同方法の実施に使用する輻射面の温度と可燃物の温度との関係を示す図である。 区画破壊による延焼の可能性の判定と輻射による延焼の可能性の判定とを組み合わせて行う場合の手順を示すフローチャートである。 本発明方法を実施するためのプログラムの操作画面を示す図である。
符号の説明
2…防火区画 4…区画壁 6…開口遮蔽体 8…床体 10…竪穴区画
14…可燃物

Claims (8)

  1. 少なくとも一つの区画を介して連なる3つ以上の防火区画の一つを火災想定区画として選択し、
    この火災想定区画から隣接する他の防火区画への延焼の可能性を予測し、
    何れかの隣接区画への延焼の可能性がある場合には、その隣接区画を新たな火災想定区画として、この新たな火災想定区画から未着火の隣接区画への再延焼の可能性を予測する作業を、全ての火災想定区画で再延焼の可能性が無くなるまで繰返し、
    焼失した区画面積を算定する防火区画の火災リスク評価方法であって、
    延焼の可能性を予測する過程では、火災想定区画内に存する可燃物の燃焼により発生する熱量と発熱速度とから、当該防火区画内で可燃物が燃え尽きるまでに要する火災継続時間を計算し、
    更に防火区画の各構成部材が火災想定区画から他の防火区画へ火災が燃え広がることをくい止めることができる延焼防止時間を計算し、
    火災継続時間が各防火区画の何れかの構成部材の延焼防止時間よりも長い場合に当該防火区画の構成部材を経て延焼する可能性ありと判定することを内容とする、防火区画の火災リスク評価方法。
  2. 上記延焼防止時間を、防火区画の各構成部材の保有耐火時間として計算し、かつ
    上記火災継続時間Tは、防火区画内の可燃物の発熱量Qを当該防火区画内の発熱速度qで割った除数とし、
    当該防火区画の発熱量と発熱速度とを、当該防火区画の広さや天井高さに依存する区画形状条件、及び、当該防火区画に設けられた開口部の面積や高さに依存する開口条件によって決定するものとして計算したことを特徴とする、請求項1記載の防火区画の火災リスク評価方法。
  3. 火災の再延焼の可能性を判定する作業において、
    先に出火した防火区画と隣の防火区画との間の区画構成部材の保有耐火時間が火災継続時間よりも短い場合に、当該構成部材による仕切りがないものと仮定して、これら両防火区画を一つの連続区画とし、この連続区画の区画形状条件及び開口条件に基づいて、火災継続時間を再計算し、
    上記連続区画と更に他の隣接区画との間の区画構成部材の保有耐火時間に比べて、再計算した火災継続時間が長いときに、再延焼の可能性有りと判断することを特徴とする、請求項2記載の防火区画の火災リスク評価方法。
  4. 上記延焼防止時間を、火災想定区画の構成部材から放射される輻射熱により、隣の防火区画内の可燃物が発火するまでの時間として計算したことを特徴とする、請求項1記載の防火区画の火災リスク評価方法。
  5. 請求項1に記載した防火区画の火災リスク評価方法であって、
    一つの防火区画から隣接する他の防火区画への延焼の可能性を判断する際に、請求項2乃至請求項3に記載した区画破壊による延焼の可能性を判定する方法、或いは請求項4に記載した輻射による延焼の可能性を判定する方法の何れか一方を実施し、
    この一方の方法で延焼の可能性がないと判断された場合に、他方の方法で延焼の可能性を判断することを特徴とする、火災リスク評価方法。
  6. 少なくとも一つの区画を介して連なる3つ以上の防火区画についての火災評価を行うためのプログラムであって、
    それら3つ以上の防火区画の一つである火災想定区画に対して、次の(a)から(d)の手順をコンピュータに行わせ、
    これらの手順によりコンピュータが火災想定区画から1又は2以上の隣接区画へ延焼する可能性ありと判断したときには、更にそれら1又は2以上の隣接区画を新たな火災想定区画として、下記の(a)から(d)の手順を、各火災想定区画で再延焼の可能性がなくなるまで繰り返してコンピュータに行わせ、
    全ての火災想定区画で延焼乃至再延焼の可能性がなくなったときにコンピュータに焼失した区画面積を算定させることを特徴とする、防火区画の火災リスク評価プログラム。
    (a)上記火災想定区画の火災継続時間を計算する手順
    (b)この火災想定区画の各構成部材の保有耐火時間を計算する手順
    (c)この火災継続時間に比べて一つの構成部材の保有耐火時間が短いときには、当該構成部材を介して隣接する他の防火区画へ延焼する可能性ありと判断し、この火災継続時間に比べて全ての構成部材の保有耐火時間が長いときには、延焼の可能性なしと判断する手順
    (d)少なくとも一つの構成部材を介して隣接する他の防火区画へ延焼する可能性があると判断される場合には、当該防火区画を新たな火災想定区画とする手順
  7. コンピュータに、更に火災想定区画の構成部材から放射される輻射熱により、隣の防火区画内の可燃物が発火するまでの時間を算出する手順を行わせ、
    かつ上記火災想定区画からの延焼の可能性を判断する際に、前述の如く保有耐火時間のみで判定する手順に代えて、一つの構成部材に関して輻射による可燃物発火時間又は保有耐火時間の何れかが火災継続時間よりも短いときには、当該構成部材を介して隣接する他の防火区画へ延焼する可能性ありとコンピュータに判定させ、全ての構成部材に関して輻射による可燃物発火時間及び保有耐火時間の双方が火災継続時間よりも長いときには、延焼の可能性なしとコンピュータに判断させることとすることを内容とする、請求項6記載の防火区画の火災評価プログラム。
  8. 上記3つ以上の防火区画は、建物の複数階に亘って、階段などの竪穴区画を介して連続して構成されているものとし、更に、コンピュータに、
    建物の一つの階における平面図上の竪穴と他の平面区画との標準的な複数の配置パターンを記憶させる手順と、
    その配置パターンをオペレータに対して提示させる手順と、
    配置パターンの選択ボタンをオペレータに対して提示させる手順とを行わせることを特徴とする、請求項6又は請求項7記載の防火区画の火災評価プログラム。

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