JP7438087B2 - 火災リスク評価装置、火災リスク評価方法およびプログラム - Google Patents

火災リスク評価装置、火災リスク評価方法およびプログラム Download PDF

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Description

本開示は、火災リスク評価装置、火災リスク評価方法およびプログラムに関する。
従来、建物等で火災が発生したときのリスクを評価するための技術が知られている。例えば、特許文献1には、対象となる建物において、予め定めた火災フェーズ(鎮火発熱速度の挙動パターン)ごとに火災進展発熱速度の挙動パターンを生成し、防災設備能力に基づいて火災進展発熱速度の挙動パターンごとの発生確率を算出し、さらに、焼損面積、水損面積、煙損面積を算出して、火災リスクを総合的に評価する火災リスク評価装置が開示されている。
特開2008-262303号公報
ところで、火災源からの熱量が着目対象に至るまでの発熱速度は、そのピーク値に不確実さ(ばらつき)が生じることが知られている。そのため、火災発生後、着目対象に何らかの着目事象が生じるまでの時間に、不確実さが生じることになる。また、火災の消火時間、すなわち火災を認知し、報知して消火活動を開始し、消火が完了するまでの時間にも不確実さが生じる。そのため、火災発生時のリスクを適切に評価するためには、これらの不確実さを考慮することが必要となる。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、火災に関する不確実さを考慮して、火災リスクをより適切に評価することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の火災リスク評価装置は、火災発生時の発熱速度のピーク値に関する不確実さ分布と、火災の消火に必要な消火時間の不確実さ分布とを取得する取得部と、前記ピーク値に関する不確実さ分布に基づいて、予め定められた前記発熱速度の挙動のピーク値を変更した複数の発熱速度の挙動パターンを作成する計算条件設定部と、着目対象と火災源との距離と前記挙動パターンとに基づいて、前記挙動パターンごとに、前記着目対象に着目事象が発生するまでの時間である事象発生時間の不確実さ分布を算出する解析部と、前記事象発生時間の不確実さ分布と前記消火時間の不確実さ分布とに基づいて、統計処理により、前記消火時間が前記事象発生時間よりも長くなる確率を、前記着目対象に前記着目事象が発生する事象発生確率として算出する確率計算部とを備える。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の火災リスク評価方法は、火災発生時の発熱速度のピーク値に関する不確実さ分布と、火災の消火に必要な消火時間の不確実さ分布とを取得するステップと、前記発熱速度のピーク値に関する不確実さ分布に基づいて、予め定められた前記発熱速度の挙動のピーク値を変更した複数の発熱速度の挙動パターンを作成するステップと、着目対象と火災源との距離と前記挙動パターンとに基づいて、前記挙動パターンごとに、前記着目対象に着目事象が発生するまでの時間である事象発生時間の不確実さ分布を算出するステップと、前記事象発生時間の不確実さ分布と前記消火時間の不確実さ分布とに基づいて、統計処理により、前記消火時間が前記事象発生時間よりも長くなる確率を、前記着目対象に前記着目事象が発生する事象発生確率として算出するステップとを備える。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示のプログラムは、火災発生時の発熱速度のピーク値に関する不確実さ分布と、火災の消火に必要な消火時間の不確実さ分布とを取得するステップと、前記ピーク値に関する不確実さ分布に基づいて、予め定められた前記発熱速度の挙動のピーク値を変更した複数の発熱速度の挙動パターンを作成するステップと、着目対象と火災源との距離と前記挙動パターンとに基づいて、前記挙動パターンごとに、前記着目対象に着目事象が発生するまでの時間である事象発生時間の不確実さ分布を算出するステップと、前記事象発生時間の不確実さ分布と前記消火時間の不確実さ分布とに基づいて、統計処理により、前記消火時間が前記事象発生時間よりも長くなる確率を、前記着目対象に前記着目事象が発生する事象発生確率として算出するステップとをコンピュータに実行させる。
本開示にかかる火災リスク評価装置、火災リスク評価方法およびプログラムは、火災に関する不確実さを考慮して、火災リスクをより適切に評価することという効果を奏する。
図1は、実施形態にかかる評価装置の一例を示す概略構成図である。 図2は、火災現場および着目対象の一例を模式的に示した説明図である。 図3は、HRRの挙動の一例を示す説明図である。 図4は、HRRのピーク値の不確実さ分布の一例を示す説明図である。 図5は、消火時間の不確実さ分布の一例を示す説明図である。 図6は、消火時間の不確実さ分布の一例を示す説明図である。 図7は、実施形態にかかる火災リスク評価方法の処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、ターゲット損傷時間の算出結果の一例を示す説明図である。 図9は、消火率の不確実さ分布を考慮して算出した消火時間の不確実さ分布の一例を示す説明図である。 図10は、ターゲット損傷時間および消火時間の値を複数のサンプリング点として抽出した一例を示す説明図である。 図11は、ターゲット損傷時間の累積確率および消火時間の累積確率のマップの一例を示す説明図である。
以下に、本開示にかかる火災リスク評価装置、火災リスク評価方法およびプログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態にかかる評価装置の一例を示す概略構成図である。図2は、火災現場および着目対象の一例を模式的に示した説明図である。実施形態にかかる評価装置(火災リスク評価装置)10は、原子力発電プラントにおいて火災が発生した場合に、火災によるリスクの程度を評価する。なお、評価装置10は、原子力発電プラントに限らず、他の施設、建築物等の火災を対象としてリスクを評価するものであってもよい。
(着目対象)
本実施形態において、着目対象としてのターゲット1は、例えば建物内に配置される機器や設備といった物体である。いま、図2に例示するように、建物内に火災が発生したとき、火災源2からターゲット1に対して輻射熱q(例えば白抜き矢印参照)が伝達する。また、火災源2から放出される高温ガスにより高温領域(例えば図中の灰色を付した領域)が発生し、それによりターゲット1が加熱されることもある。本実施形態の評価装置10は、火災源2から放出される熱量により、ターゲット1が損傷することを着目事象とし、火災によるリスクを評価するために、ターゲット1に損傷が発生する確率である損傷発生確率(事象発生確率)Pを算出する。
(評価装置)
評価装置10は、図1に示すように、入力部12と、表示部14と、演算部16と、記憶部18とを備える。入力部12は、キーボード及びマウス、タッチパネル、またはオペレータからの発話を集音するマイク等の入力装置を含み、オペレータが入力装置に対して行う操作に対応する信号を演算部16へ出力する。入力部12には、記録媒体のデータを取得するUSB(Universal Serial Bus)端子等も含む。また、オペレータは、入力部12を介して、評価装置10により損傷発生確率Pを算出するために必要な入力条件を入力する。表示部14は、ディスプレイ等の表示装置を含み、演算部16から出力される表示信号に基づいて、処理結果や処理対象の画像等、各種情報を含む画面を表示する。また、表示部14は、データを記録媒体で出力する記録装置を含んでもよい。また、評価装置10は、入力部12及び表示部14として、通信インターフェースを用いて、データの送信を行う通信部を含んでいてもよい。通信部は、外部機器と通信を行い取得した各種データ、プログラムを記憶部18に送り、保存する。通信部は、有線の通信回線で外部機器と接続しても、無線の通信回線で外部機器と接続してもよい。
(入力条件)
オペレータにより入力部12を介して入力される入力条件について説明する。入力条件は、図1に示すように、解析条件のデータD1と、不確実さ分布のデータD2とを含む。解析条件のデータD1は、後述する火災解析シミュレーションを行う際に必要なる各種条件の情報であり、例えば、火災現場となる建物内の区画寸法、換気条件、室温といった情報が含まれる。解析条件は、これに限らず、火災解析シミュレーションに必要となる条件であればよい。不確実さ分布のデータD2は、発熱速度(HRR:Heat Release Rate。以下、単に「HRR」と称する)のピーク値HRRに関する不確実さ分布のデータD21と、火災の消火に必要な消火時間tに関する不確実さ分布のデータD22と、消火率λに関する不確実さ分布のデータD23とを含む。
(発熱速度に関する不確実さ分布)
HRRのピーク値に関する不確実さ分布のデータD21に関して、まず、発熱速度について説明する。HRRは、火災源2から伝達される熱量の大きさである。図3は、HRRの挙動の一例を示す説明図である。図3の横軸は、火災発生から経過時間(min)であり、縦軸は、HRRの値(kW)である。図3に例示するHRRの挙動データは、記憶部18に予め記憶されていてもよいし、ユーザーが入力部12を介して入力してもよい。図3に例示するようなHRRの挙動データは、火災を模擬した実験、解析または過去の火災事例の統計データ等に基づいて取得されるものであればよい。例えば、HRRの挙動データは、原子力発電プラントの火災PRA(Probabilistic Risk Assessment)ガイドとして知られているNUREG/CR-6850 Appendix Gを参照してもよい。HRRの挙動データは、上記実験、解析、火災事例の統計データ等に基づいて予め定められた数式により算出されてもよい。
ここで、図4は、HRRのピーク値の不確実さ分布の一例を示す説明図である。図4の横軸は、火災発生から経過時間(min)であり、縦軸は、HRRのピーク値HRRの累積確率である。図示するように、ピーク値HRRには、ばらつき、すなわち不確実さが生じることが知られている。本実施形態では、図4に例示するようなHRRのピーク値HRRの不確実さ分布のデータD21を入力条件の一つとする。図4に例示するようなピーク値HRRの不確実さ分布は、火災を模擬した実験、解析または過去の火災事例の統計データ等に基づいて取得されるものであればよいが、本実施形態では、原子力発電プラントの火災PRAガイドとして知られているNUREG/CR-6850 Appendix G、NUREG-2178の中で実験に基づいて取得されたデータを参照している。本実施形態では、図3に例示したHRRの挙動データについて、ピーク値HRRを図3に例示する不確実さ分布に基づいて変化させた複数のHRRの挙動パターンHPを作成する。挙動パターンHPの作成については、後述する。
(消火時間に関する不確実さ分布)
図5および図6は、消火時間の不確実さ分布の一例を示す説明図である。図5は、電気盤を火災源とした火災の場合のデータであり、図6は、ケーブルを火災源とした火災の場合のデータである。図5、6の横軸は、火災発生から経過時間(min)であり、縦軸は、消火時間tの累積確率である。図5、6に例示する消火時間tの不確実さ分布のデータD22は、火災を模擬した実験、解析または過去の火災事例の統計データ等に基づいて等に基づいて取得されるものであればよいが、本実施形態では、原子力発電プラントの火災PRAガイドとして知られているNUREG-2169の中で過去の火災事例の統計データに基づいて取得されたデータを参照している。火災が発生した後に、火災発生を認知して報知するまでの時間、報知から消火活動を開始するまでの時間、消火活動を開始してから消火が完了するまでの時間は、状況に応じて変化する。そのため、図5、6に示すように、上記時間を総合した消火時間tには、不確実さが含まれることになる。本実施形態では、図5、6に例示する消火時間tの不確実さ分布のデータD22を入力条件の一つとする。
(消火率に関する不確実さ分布)
また、図5および図6では、消火率λの不確実さによる消火時間tへの影響を例示している。消火率λは、単位時間あたりに火災が消火される割合である。消火率λは、火災を模擬した実験、解析または過去の火災事例の統計データ等に基づいて等に基づいて取得されるものであればよいが、本実施形態では、原子力発電プラントの火災PRAガイドとして知られているNUREG-2169の中で過去の火災事例の統計データに基づいて取得されたデータを参照している。図示するように、例えばλ=95%のように、消火率λを大きく設定した場合には、消火時間tは相対的に短くなり、例えばλ=5%のように、消火率λを小さく設定した場合には、消火時間tは相対的に長くなる傾向となる。特に、ケーブル火災を想定した図6に示す例では、過去の火災事例の統計データが比較的に少なく、消火率λによる消火時間tのばらつきが大きくなる。本実施形態では、このような消火率λの不確実さ分布のデータD23を入力条件の一つとする。
(演算部)
図1に示す評価装置10の構成についての説明に戻る。演算部16は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の集積回路(プロセッサ)と、作業領域となるメモリとを含み、これらのハードウェア資源を用いて各種プログラムを実行することによって各種処理を実行する。具体的に、演算部16は、記憶部18に記憶されているプログラムを読み出してメモリに展開し、メモリに展開されたプログラムに含まれる命令をプロセッサに実行させることで、各種処理を実行する。演算部16は、火災によりターゲット1に損傷が発生する損傷発生確率Pを算出する。演算部16は、取得部101と、計算条件設定部102と、解析部103と、確率計算部104とを有する。
取得部101は、演算部16において損傷発生確率Pを算出するために必要となる入力条件の情報を取得する。各入力条件は、上述したように、ユーザーにより入力部12を介して評価装置10に入力される。また、取得部101は記憶部18に記憶されたHRRの挙動データを取得する。
計算条件設定部102は、損傷発生確率Pの算出に必要となる計算条件を設定する。計算条件については、後述するが、計算条件設定部102は、例えば損傷発生確率Pの算出に際して統計処理を行う際のサンプリング点の抽出条件を設定する。また、計算条件設定部102は、上述した複数のHRRの挙動パターンHPを作成する。なお、計算条件は、予めオペレータにより設定されて記憶部18に記憶されていてもよい。
解析部103は、上記入力条件の解析条件のデータD1と、計算条件設定部102で作成された複数のHRRの挙動パターンHPとを用いて、火災解析シミュレーションを行う。火災解析シミュレーションは、周知の解析プログラムにより実行される。また、火災解析シミュレーションは、外部装置で行われてもよい。さらに、解析部103は、シミュレーション結果に基づいて、火災発生からターゲット1に損傷が発生するまでの時間であるターゲット損傷時間(事象発生時間)t(図8参照)を算出する。また、解析部103は、入力条件のうち、消火時間tの不確実さ分布のデータD22に、消火率λの不確実さ分布のデータD23を反映させ、消火率λの不確実さ分布を考慮した消火時間tの不確実さ分布を算出する。
確率計算部104は、解析部103から取得したターゲット損傷時間tの不確実さ分布と、消火時間tの不確実さ分布の算出結果とに基づいて、損傷発生確率Pを算出する。また、演算部16は、損傷発生確率Pを算出する繰り返し計算を終了するかを判定する収束判定部104aを有する。
(記憶部)
記憶部18は、磁気記憶装置や半導体記憶装置等の不揮発性を有する記憶装置を備え、各種のプログラムおよびデータを記憶する。記憶部18は、解析プログラムと、HRRの挙動データとを含む。解析プログラムは、演算部16の各部の処理を実行するプログラムである。解析プログラムは、HRRのピーク値HRRの不確実さ分布のデータD21とHRRの挙動データとに基づいて、複数のHRRの挙動パターンHPを作成するプログラム、解析条件に基づいて火災解析シミュレーションを行うプログラム、シミュレーション結果からターゲット損傷時間tの不確実さ分布を算出するプログラム、消火率λを考慮した消火時間tの不確実さ分布を算出するプログラム、ターゲット損傷時間tの不確実さ分布および消火時間tの不確実さ分布から損傷発生確率Pを算出するプログラム等を含む。
次に、実施形態の要部としての火災リスク評価方法について、図7を参照しながら説明する。図7は、実施形態にかかる火災リスク評価方法の処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す処理は、オペレータの指示に従って、損傷発生確率Pを算出するために評価装置10の演算部16により実行される。
演算部16は、ステップS1として、オペレータにより入力される入力条件を取得する。より詳細には、演算部16は、取得部101により、オペレータが入力部12を介して入力した解析条件のデータD1と、不確実さ分布のデータD2とを取得する。取得部101は、取得した入力条件を計算条件設定部102、解析部103および確率計算部104へと出力する。
演算部16は、ステップS2として、複数の挙動パターンHPを作成する。より詳細には、演算部16は、計算条件設定部102により、HRRのピーク値HRRの不確実さ分布のデータD21に基づいて、図3に実線、破線および一点鎖線で例示するように、HRRの挙動データのピーク値HRRを変化させた複数の挙動パターンHPを作成する。すなわち、HRRのピーク値HRRの不確実さ分布を考慮した複数の挙動パターンHPを作成する。ピーク値HRRの変化は、例えば、図4に示すピーク値HRRの値をランダムサンプリングにより抽出し、図3のHRR挙動データのピーク値HRRに適用するといったように、周知の統計的手法を用いればよい。図3で例示するように、挙動パターンHPのピーク値HRR以外の範囲や、ピーク値HRRの時間長さについては、火災を模擬した実験、解析または過去の火災事例の統計データ等に基づいて設定すればよい。つまり、上記実験、解析、火災事例の統計データ等に基づいて、予め数式等で定められるHRRの挙動データについて、ピーク値HRRの値を不確実さ分布に基づいて変化させることで、後述する火災解析シミュレーションで用いる挙動パターンHPを複数設定する。なお、図3では、一部のピーク値HRRを変更した例のみを記載しており、実際に作成される挙動パターンHPの数は、後述するターゲット損傷時間tを十分な数だけ得られる程度に作成される。
演算部16は、ステップS3として、解析部103により、上記入力条件の解析条件のデータD1と、計算条件設定部102で作成された複数の挙動パターンHPとを用いて、火災解析シミュレーションを行う。例えば、図2に示すように、建物内の火災源2で火災が発生したことを想定する。解析部103は、解析条件のデータD1の区画寸法、換気条件、室温といった情報に基づいて火災現場を仮想した空間内で、HRRの挙動パターンHPごとに火災による熱量の伝搬をシミュレーションする。
演算部16は、ステップS4として、解析部103により、火災発生からターゲット1に損傷が発生するまでのターゲット損傷時間tを算出する。より詳細には、解析部103は、シミュレーション結果に基づいて、火災源2からターゲット1まで伝搬する熱量の値を、HRRの挙動パターンHPごとに算出する。本実施形態において、ターゲット1に伝搬する熱量は、輻射熱qを想定し、次式(1)に従って算出される。式(1)中の“Q”は、HRRの値であり、挙動パターンHPに従って時間経過と共に変化する。また、式(1)中の“R”は、火災源2からターゲット1までの距離である。なお、輻射熱qに加えて、煙や高温ガスによる熱量の伝搬を想定してもよい。
Figure 0007438087000001
解析部103は、火災発生から輻射熱qが所定値以上となった時点をターゲット1が損傷したタイミングであるとして、ターゲット損傷時間tとする。所定値は、ターゲット1の種類に応じてオペレータにより予め設定される。図8は、ターゲット損傷時間の算出結果の一例を示す説明図である。図8の横軸は、ターゲット損傷時間t(min)であり、縦軸は、ターゲット損傷時間tの累積確率P1である。つまり、図8は、各HRRの挙動パターンHPのシミュレーション結果について、すべてターゲット損傷時間tを算出し、累積確率P1としてプロットしたものである。したがって、図8は、HRRのピーク値HRRの不確実さ分布を考慮して算出されたターゲット損傷時間tの不確実さ分布であると言える。なお、図8に示す例では、ターゲット損傷時間tの累積確率P1が12分程度で最大値となり、最終的に値1には到達していない。これは、複数の挙動パターンHPのうち、ピーク値HRRが比較的に小さく、シミュレーション結果としてターゲット1に損傷が発生しなかったケースがあるためである。解析部103は、ターゲット損傷時間tの不確実さ分布の算出結果を確率計算部104に出力する。
演算部16は、ステップS5として、解析部103により、消火率λの不確実さ分布を考慮した消火時間tの不確実さ分布を算出する。すなわち、解析部103は、消火時間tの不確実さ分布のデータD22に、消火率λの不確実さ分布のデータD23を反映させる。解析部103は、次式(2)に従って、消火率λの不確実さ分布を考慮した消火時間tの累積確率P2(t)を算出する。式(2)中の“fλ(λ)”は、消火率λの不確実さ分布を示す関数である。図9は、消火率の不確実さ分布を考慮して算出した消火時間の不確実さ分布の一例を示す説明図である。図9の横軸は、消火時間t(min)であり、縦軸は、式(2)で算出される累積確率P2(t)である。なお、図9の例は、図5で例示した電気盤を火災源とした火災の場合のデータに基づいて算出されたものである。図8に示す例では、図5の“λ平均値”の場合と近似したデータとなっているが、消火率λのばらつきによる影響が大きい場合(例えば図6に示すケーブル火災の場合)には、消火率λの不確実さ分布を考慮することで、消火時間tの不確実さ分布をより精度良く算出することができる。解析部103は、以上のようにして消火率λの不確実さ分布を考慮した消火時間tの不確実さ分布の算出結果を確率計算部104に出力する。
Figure 0007438087000002
演算部16は、ステップS6として、計算条件設定部102は、後述する損傷発生確率Pの算出に際して統計処理を行う際のサンプリング点の抽出条件を設定する。サンプリング点の抽出条件については、後述する。
演算部16は、ステップS7として、確率計算部104により、損傷発生確率Pを算出する。より詳細には、確率計算部104は、例えば図8に示すターゲット損傷時間tの不確実さ分布と、例えば図9に示す消火時間tの不確実さ分布とから、統計処理として、モンテカルロ法を用いたランダムサンプリングにより、ターゲット損傷時間tと消火時間tとを複数のサンプリング点として抽出する。図10は、ターゲット損傷時間および消火時間の値を複数のサンプリング点として抽出した一例を示す説明図である。図10に示す各サンプリング点SAは、不確実さ分布からランダムに抽出したターゲット損傷時間tと消火時間tとを、ランダムに紐付けてプロットしたものである。
このとき、確率計算部104は、ステップS6において計算条件設定部102で設定されたサンプリング点の抽出条件を考慮する。サンプリング点の抽出条件は、ターゲット損傷時間tおよび消火時間tの中から抽出するサンプリング点数と、抽出する際の重み付け条件を含んでいる。重み付け条件は、例えば、累積確率P1、P2の変化量が大きい領域、すなわちターゲット損傷時間tまたは消火時間tが存在する確率が高い領域を中心的に抽出するように重み付けが設定される。また、ターゲット1に損傷が発生する領域と、損傷が発生しない領域との境界が推定できる場合、サンプリング点SAを、境界近傍のみに設定してもよい。これらの抽出条件は、初期値として記憶部18に記憶されていてもよいし、オペレータにより入力条件の一つとして入力されてもよい。
確率計算部104は、図10に例示するターゲット損傷時間tと消火時間tとのすべてのサンプリング点SAに対して、消火時間tがターゲット損傷時間tよりも長いサンプリング点SA1の割合を算出する。すなわち、すべてのサンプリング点SAに対して、図10に示す実線よりも図中上側の領域に位置するサンプリング点SA1の割合を算出する。消火時間tがターゲット損傷時間tよりも長いということは、ターゲット1に損傷が発生するまでに火災の消火が完了しなかったということになる。そのため、サンプリング点SA1は、ターゲット1に損傷が発生したケースになる。一方、図10に示す実線よりも図中下側の領域に位置する他のサンプリング点SA2は、消火時間tがターゲット損傷時間tよりも短く、ターゲット1に損傷が発生するまでに火災の消火が完了したケースとなる。したがって、確率計算部104は、全体のサンプリング点SAに対するサンプリング点SA1の割合をターゲット1に損傷が発生する損傷発生確率Pとして算出する。
演算部16は、ステップS8として、収束判定部104aにより、損傷発生確率Pが以前の算出結果から収束したか否かを判定する。収束の判定基準は、特に限定されないが、前回の計算結果の発生確率との差分が例示される。演算部16は、収束したと判定した場合(ステップS8でYes)、本ルーチンを終了する。
一方、演算部16は、収束していないと判定した場合(ステップS8でNo)と判定した場合、ステップS6以降の処理を再度実行する。ステップS6では、計算条件設定部102により、サンプリング点SAの抽出条件が変更される。具体的には、例えば、抽出するサンプリング点数を増加させたり、抽出する領域を変更したりする。このとき、ターゲット1に損傷が発生する領域と、損傷が発生しない領域との境界、すなわち図10において実線で示す領域の近傍において、サンプリング点数を増やしてもよい。また、特に累積確率P1、P2の変化量が大きい領域、すなわち存在する可能性が高い領域から、より中心的に抽出するように重み付けを変更してもよい。抽出条件の変更は、予め変更の指針が設定されていてもよいし、機械学習により変更の指針が随時更新されるものであってもよい。
以上説明したように、実施形態にかかる評価装置10は、火災発生時のHRRのピーク値HRRに関する不確実さ分布と、火災の消火に必要な消火時間tの不確実さ分布とを取得する取得部101と、ピーク値HRRに関する不確実さ分布に基づいて、予め定められたHRRの挙動のピーク値HRRを変更した複数のHRRの挙動パターンHPを作成する計算条件設定部102と、ターゲット1(着目対象)と火災源2との距離Rと挙動パターンHPとに基づいて、挙動パターンHPごとに、ターゲット1に損傷(着目事象)が発生するまでの時間であるターゲット損傷時間t(事象発生時間)の不確実さ分布を算出する解析部103と、ターゲット損傷時間tの不確実さ分布と消火時間tの不確実さ分布とに基づいて、統計処理により、消火時間tがターゲット損傷時間tよりも長くなる確率を、ターゲット1に損傷が発生する損傷発生確率P(事象発生確率)として算出する確率計算部104とを備える。
この構成により、HRRのピーク値HRRに関する不確実さ分布と、火災の消火に必要な消火時間tの不確実さ分布とを考慮した上で、ターゲット1の損傷発生確率Pを算出することができる。したがって、火災に関する不確実さを考慮して、火災リスクをより適切に評価することを目的とする。
また、消火時間tの不確実さ分布は、単位時間内に火災が消火される割合である消火率λの不確実さ分布を考慮して算出される。この構成により、消火時間tの不確実さ分布をより精度良く算出し、ひいては、火災に関する不確実さをより精度良く算出して、火災リスクをさらに適切に評価することを目的とする。
また、確率計算部104は、ターゲット損傷時間tの不確実さ分布と消火時間tの不確実さ分布とから、モンテカルロ法を用いたランダムサンプリングにより複数のサンプリング点SAを抽出し、すべてのサンプリング点SAに対する消火時間tがターゲット損傷時間tよりも長いサンプリング点SA1の割合を損傷発生確率Pとして算出する。この構成により、モンテカルロ法を用いて、損傷発生確率Pを精度良く算出することができる。
本実施形態では、ターゲット損傷時間tの不確実さ分布と消火時間tの不確実さ分布とから、統計処理としてモンテカルロ法を用いたランダムサンプリングにより複数のサンプリング点を抽出し、損傷発生確率Pを算出するものとした。ただし、損傷発生確率Pを算出する統計処理の手法は、これに限られない。以下、損傷発生確率Pを算出する他の手法について説明する。
図8に示すように、ターゲット損傷時間tの不確実さ分布は、ターゲット損傷時間tの累積確率P1として算出されている。また、図9に示すように、消火時間tの不確実さ分布は、消火時間tの累積確率P2として算出されている。確率計算部104は、ターゲット損傷時間tの累積確率P1と消火時間tの累積確率P2とから、複数のサンプリング点を抽出し、確率座標内にマッピングする。図11は、ターゲット損傷時間の累積確率および消火時間の累積確率のマップの一例を示す説明図である。図示するように、マップMは、抽出された累積確率P1を第一軸とし、抽出された累積確率P2を第二軸とした確率座標内に、値が小さい方から順番に並べてマッピングしたものである。なお、図11では、累積確率P1と累積確率P2とによるサンプリング点SBを複数の区画として記載している。
サンプリング点としての累積確率P1、P2の抽出条件は、計算条件設定部102において行われる。図11に示す例では、累積確率P1同士の差または累積確率P2同士の差が一定の間隔となる値で設定されるものとした。これにより、0から1の累積確率P1、P2の座標上に均等にサンプリング点SBを設定することができる。なお、累積確率P1、P2の抽出条件は、これに限られない。例えば、抽出する累積確率P1、P2の数、累積確率P1同士の差または累積確率P2同士の差を任意の値としてもよい。また、特に累積確率P1、P2の変化量が大きい領域、すなわちターゲット損傷時間tまたは消火時間tが存在する確率が高い領域を中心的に抽出するように重み付けを設定してもよい。また、マップM内においてターゲット1に損傷が発生する領域と、損傷が発生しない領域との境界が推定できる場合、サンプリング点SBを境界近傍のみに設定してもよい。抽出条件は、初期値として記憶部18に記憶されていてもよいし、オペレータにより入力条件の一つとして入力されてもよい。
ここで、ターゲット損傷時間tの累積確率P1には、図8に例示する分布から対応するターゲット損傷時間tの値がわかる。同様に、消火時間tの累積確率P2も、図9に例示する分布から対応する消火時間tの値がわかる。したがって、マップM内において、消火時間tがターゲット損傷時間tよりも長くなるサンプリング点SBを特定することができる。図11では、値1としたサンプリング点SB1(図中の灰色区画)が、消火時間tがターゲット損傷時間tよりも長い領域であり、値0としたサンプリング点SB2(図中の白色区画)が、消火時間tがターゲット損傷時間tよりも短い領域である。確率計算部104は、マップMのすべての領域、すなわち全サンプリング点数(全区画数)に対して、消火時間tがターゲット損傷時間tよりも長い領域のサンプリング点数(図中の灰色区画数)の割合を算出する。その結果、算出された割合が損傷発生確率Pとなる。
この場合、図7のステップS8で収束していないと判定されたときには、ステップS6で計算条件設定部102により、累積確率P1、P2の抽出条件が変更される。具体的には、例えば、抽出する累積確率P1、P2のサンプリング点数を増加させたり、累積確率P1同士の差または累積確率P2同士の差を変更したりする。このとき、マップM内においてターゲット1に損傷が発生する領域と、損傷が発生しない領域との境界、すなわち図11における灰色区画と白色区画との境界の近傍において、サンプリング点数を増やしてもよい。また、特に累積確率P1、P2の変化量が大きい領域、すなわち存在する可能性が高い領域から、より中心的に抽出するように重み付けを変更してもよい。抽出条件の変更は、予め変更の指針が設定されていてもよいし、機械学習により変更の指針が随時更新されるものであってもよい。
この構成により、モンテカルロ法を用いる場合に比べて、損傷発生確率Pの算出を繰り返して収束するまでの試行回数を大きく削減しつつ、モンテカルロ法と同程度の精度で損傷発生確率Pを算出することができる。
本実施形態では、着目対象であるターゲット1を火災現場に配置された機器や設備といった物体とし、物体に発生する損傷を着目事象とした。この構成により、火災によってターゲット1に損傷が発生する損傷発生確率Pを算出して、火災リスクの1つを評価することができる。
なお、着目対象および着目事象は、これに限られない。例えば、着目対象は、火災現場内の所定位置であり、着目事象は、所定位置での環境悪化リスクであってもよい。ここでの環境悪化リスクとは、火災現場内の所定位置において、人体に悪影響を与える程度の環境悪化を意味する。この場合、事象発生時間は、ターゲット損傷時間tではなく、火災による熱量の伝達によって、所定位置で人体に悪影響が出る程度に環境が悪化するまでの時間とすればよい。このとき、火災源2からの輻射熱qの伝達のみならず、火災源2から発生する煙や高温ガスの流れを火災解析シミュレーションによって解析してもよい。その結果、煙や高温ガスによる熱量の伝達や、煙や高温ガスそのものによって人体に悪影響が出ることを考慮して、事象発生時間を算出することができる。
1 ターゲット
2 火災源
10 評価装置
12 入力部
14 表示部
16 演算部
18 記憶部
101 取得部
102 計算条件設定部
103 解析部
104 確率計算部
104a 収束判定部
D1 解析条件のデータ
D2 不確実さ分布のデータ
D21 HRRのピーク値に関する不確実さ分布のデータ
D22 消火時間に関する不確実さ分布のデータ
D23 消火率に関する不確実さ分布のデータ
HP HRRの挙動パターン
HRR HRRのピーク値
M マップ
P1 ターゲット損傷時間の累積確率
P2 消火時間の累積確率
損傷発生確率
R 距離
SA,SA1,SA2,SB,SB1,SB2 サンプリング点
ターゲット損傷時間
消火時間

Claims (8)

  1. 火災発生時の発熱速度のピーク値に関する不確実さ分布と、火災の消火に必要な消火時間の不確実さ分布とを取得する取得部と、
    前記ピーク値に関する不確実さ分布に基づいて、予め定められた前記発熱速度の挙動のピーク値を変更した複数の発熱速度の挙動パターンを作成する計算条件設定部と、
    着目対象と火災源との距離と前記挙動パターンとに基づいて、前記挙動パターンごとに、前記着目対象に着目事象が発生するまでの時間である事象発生時間の不確実さ分布を算出する解析部と、
    前記事象発生時間の不確実さ分布と前記消火時間の不確実さ分布とに基づいて、統計処理により、前記消火時間が前記事象発生時間よりも長くなる確率を、前記着目対象に前記着目事象が発生する事象発生確率として算出する確率計算部と
    を備える火災リスク評価装置。
  2. 前記消火時間の不確実さ分布は、単位時間内に火災が消火される割合である消火率の不確実さ分布を考慮して算出される請求項1に記載の火災リスク評価装置。
  3. 前記確率計算部は、前記事象発生時間の不確実さ分布と前記消火時間の不確実さ分布とから、モンテカルロ法を用いたランダムサンプリングにより複数のサンプリング点を抽出し、すべての前記サンプリング点に対する前記消火時間が前記事象発生時間よりも長い前記サンプリング点の割合を前記事象発生確率として算出する請求項1または請求項2に記載の火災リスク評価装置。
  4. 前記事象発生時間の不確実さ分布は、前記事象発生時間の累積確率の分布であり、
    前記消火時間の不確実さ分布は、前記消火時間の累積確率の分布であり、
    前記確率計算部は、前記事象発生時間の前記累積確率と前記消火時間の前記累積確率とから複数のサンプリング点を抽出し、確率座標内にマッピングし、前記マッピングしたマッピング座標に基づいて、マップ内における前記消火時間が前記事象発生時間よりも長い領域の割合を前記事象発生確率として算出する請求項1または請求項2に記載の火災リスク評価装置。
  5. 前記着目対象は、火災現場に配置された物体であり、
    前記着目事象は、前記物体に発生する損傷である
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の火災リスク評価装置。
  6. 前記着目対象は、火災現場内の所定位置であり、
    前記着目事象は、前記所定位置での環境悪化リスクである
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の火災リスク評価装置。
  7. 火災リスク評価装置が火災発生時の発熱速度のピーク値に関する不確実さ分布と、火災の消火に必要な消火時間の不確実さ分布とを取得するステップと、
    前記火災リスク評価装置が前記発熱速度のピーク値に関する不確実さ分布に基づいて、予め定められた前記発熱速度の挙動のピーク値を変更した複数の発熱速度の挙動パターンを作成するステップと、
    前記火災リスク評価装置が着目対象と火災源との距離と前記挙動パターンとに基づいて、前記挙動パターンごとに、前記着目対象に着目事象が発生するまでの時間である事象発生時間の不確実さ分布を算出するステップと、
    前記火災リスク評価装置が前記事象発生時間の不確実さ分布と前記消火時間の不確実さ分布とに基づいて、統計処理により、前記消火時間が前記事象発生時間よりも長くなる確率を、前記着目対象に前記着目事象が発生する事象発生確率として算出するステップと
    を備える火災リスク評価方法。
  8. 火災発生時の発熱速度のピーク値に関する不確実さ分布と、火災の消火に必要な消火時間の不確実さ分布とを取得するステップと、
    前記ピーク値に関する不確実さ分布に基づいて、予め定められた前記発熱速度の挙動のピーク値を変更した複数の発熱速度の挙動パターンを作成するステップと、
    着目対象と火災源との距離と前記挙動パターンとに基づいて、前記挙動パターンごとに、前記着目対象に着目事象が発生するまでの時間である事象発生時間の不確実さ分布を算出するステップと、
    前記事象発生時間の不確実さ分布と前記消火時間の不確実さ分布とに基づいて、統計処理により、前記消火時間が前記事象発生時間よりも長くなる確率を、前記着目対象に前記着目事象が発生する事象発生確率として算出するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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