JP2006318290A - トンネル火災リスク評価システム、方法およびプログラム - Google Patents

トンネル火災リスク評価システム、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】道路トンネルの構造や防火対策、設計交通量等の条件を加味して、道路トンネルの火災リスクを精度良く定量的に評価することができるトンネル火災リスク評価システム、方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】少なくとも評価対象トンネルの設定条件と、火災事故の発生頻度と、火災被害の大きさに影響を与え得る各事象の発生確率とをそれぞれ記憶する記憶手段と、複数の火災シナリオを生成して各々の生起確率を算定する火災シナリオ設定手段と、すべての火災シナリオについて、道路トンネルにおける火災性状予測、避難行動予測および火災被害算定を行うシナリオ別火災被害算定手段と、各火災シナリオの火災被害および生起確率と上記火災事故の発生頻度とを用いて、評価対象となる道路トンネル内の火災被害期待値を算出して出力する火災リスク評価手段とを備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、道路トンネルの火災リスクを定量的に評価するためのトンネル火災リスク評価システム、方法およびプログラムに関するものである。
周知のように、現在のトンネル内の火災安全性は、各種の法的な規則(道路法、道路交通法、道路運送車両法など)を遵守した上で、さらに非常用施設設置基準に基づき適切な換気施設・照明施設等を整備することで確保されている。この非常用施設設置基準は、図21(a)に示すように、トンネル延長および交通量に基づいてトンネルを5つの等級に分類して、その各々に対し、図21(b)に示すように、必要な非常施設(通報・警報設備、消火設備、避難誘導設備、その他の設備)を定めたものである。なお、図21(b)において、原則として設置する非常施設には○、必要に応じて設置する非常施設には△がそれぞれ付されている。特にトンネル延長が長く且つ交通量が多い場合の非常用設備については、図21(a)に示すようにAA等級が採用される。このように、必要な非常施設は、トンネル延長と交通量とから一律に決められ、それ以外の条件が考慮されていないのが現状である。
しかし、実際には、トンネル毎に通行車種の構成比率やトンネル構造、或いは避難施設の形態・設置間隔等に違いがあることから、それら条件の違いを考慮して定量的に火災安全性を評価した上で、必要な非常施設を決めることが望ましいと考えられる。
ところが、現在のところ、道路トンネルの火災安全性を定量的に評価するためのシステムは確立されておらず、そのため、上記のような様々な条件の違いを考慮して必要な非常施設を決めることは困難であった。
因みに、道路トンネル以外の構造物の火災リスクを評価するシステムとしては、例えば、特許文献1に記載の火災リスク評価システムが提案されている。このシステムは、建物の構造や防火設備に関する情報と、火災規模の拡大条件や消火条件に関するルールとに基づいて、建物における火災の発生確率を規模別に算出するものである。
しかしながら、建物と道路トンネルとでは、必要な防火対策や避難者数算定手法等が大きく異なるため、道路トンネルの火災リスクの評価に、特許文献1に記載の火災リスク評価システムを適用することは難しかった。
今後、大深度地下の利用に伴い、トンネルが長大化、大断面化するものと考えられるが、その建設費はこれまでのトンネルに比べ構造面・安全面からみてもコスト高になると予想される。したがって、大深度地下トンネルにおける火災発生時の避難安全性や耐火性能を確保するために、どの程度の施設を整備するのかを安全性だけではなく経済性の面も含めた総合的な評価を定量的に行った上で、最適なトンネル構造を決定する必要があるが、現状ではその評価を定量的に把握することは困難である。
また、トンネル内の火災により、トンネル構造物や施設が大きな損害を被り、トンネルが長期に亘って使用できなくなることで、事業者の収益を圧迫し企業活動に大きな影響を与えることがある。このように利用者の安全性とともに事業者にとっての施設的損害やそれに伴う事業損失を定量的に評価することも火災リスク評価を行う上で重要であるが、そのような火災安全リスクを安全面や経済面から総合的に評価するシステムは今のところ確立されていない。
特開2002−117363号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、道路トンネルの構造や防火対策、設計交通量等の条件を加味して、道路トンネルの火災リスクを精度良く定量的に評価することができるとともに、火災安全性を検証した上で、適正なトンネル構造や防火対策を決定することができるトンネル火災リスク評価システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係るトンネル火災リスク評価システムは、評価対象となる道路トンネルの設定条件を記憶するとともに、火災リスク評価用の基礎データとして、少なくとも火災事故の発生頻度と、火災性状または被害の大きさに影響を与え得る各事象の奏効率または発生確率をそれぞれ記憶する記憶手段と、上記事象の組合せに基づいてイベントツリーを作成することにより複数の火災シナリオを生成するとともに、上記記憶手段に記憶された各事象の奏効率または発生確率を用いて、各火災シナリオの生起確率を算定する火災シナリオ設定手段と、生成したすべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、上記記憶手段に記憶された上記道路トンネルの設定条件とに基づいて、道路トンネルにおける火災性状予測と避難行動予測とを行い、それら予測結果から道路トンネル内の火災被害を算定するシナリオ別火災被害算定手段と、算定した各火災シナリオの火災被害および生起確率と、上記記憶手段に基礎データとして記憶された上記火災事故の発生頻度とを用いて、評価対象となる道路トンネル内の火災被害期待値を算出し、これを火災リスク評価情報として出力する火災リスク評価手段とを備えることを特徴とするものである。
ここで、「火災性状または被害の大きさに影響を与え得る事象」としては、例えば消火器、消火栓、水噴霧設備および排煙設備などの防火対策の奏効/非奏効、出火位置、事故車種、事故車両数、道路の混雑度(渋滞の程度)、火災確認の速さ、消防隊進入路の有無などが挙げられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトンネル火災リスク評価システムにおいて、車両事故から火災に至るまでの確率を出火率として、上記火災事故の発生頻度は、過去の統計データから導き出した道路トンネル内の事故発生頻度に、上記出火率を乗じて得た数値であり、上記火災リスク評価手段は、上記火災事故の発生頻度に、上記設定条件に含まれる設計交通量とトンネル延長とを乗じることにより、評価対象となる道路トンネルの火災事故発生頻度を導き出すことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のトンネル火災リスク評価システムにおいて、上記記憶手段には、少なくとも車種別の平均乗車人数、車種の構成比率、渋滞程度別の車両の平均走行速度が交通関連データとして記憶されるとともに、上記設定条件には、少なくとも評価対象となる道路トンネルの設計交通量、トンネル延長、道路タイプおよび車線数が含まれ、上記シナリオ別火災被害算定手段は、避難行動予測を行う際に、すべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、上記記憶手段に記憶された上記道路トンネルの設定条件と上記交通関連データとに基づいて、火災事故発生後に上記道路トンネル内に進入する車両と、上記道路トンネルから退避する車両の流動係数をそれぞれ求め、それら流動係数に基づいて、上記道路トンネル内に残留する車両の台数を算定するとともに、残留する車両の台数に基づいて避難者数を算定することを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のトンネル火災リスク評価システムにおいて、上記道路トンネルから退避する車両には、火災事故発生時に事故車両よりも前方にいて平常時と同様にトンネル出口から退避する先行車両が含まれる他に、出火点の横を通って退避する車両と、迂回路を通って退避する車両とが含まれ、上記シナリオ別火災被害算定手段は、出火点の横を通って退避する車両と、迂回路を通って退避する車両の流動係数をそれぞれ求めるとともに、出火点の横を車両が通行可能な時間帯と、迂回路を車両が通行可能な時間帯とをそれぞれ求め、それら時間帯と上記流動係数との関係から、火災事故発生後に出火点の横を通って退避する車両の台数と、迂回路を通って退避する車両の台数とをそれぞれ算定し、それら車両の台数に上記先行車両の台数を加算することにより、火災事故発生後に上記道路トンネルから退避する車両の台数を算定することを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載のトンネル火災リスク評価システムにおいて、評価対象となる道路トンネルの設定条件には、少なくとも道路トンネルの構造に関する条件、防火対策に関する条件が含まれており、それら設定条件の互いに異なる複数の計画について上記火災被害期待値をそれぞれ求めて相互に比較することにより、トンネル構造および防火対策の違いが火災安全性に与える影響を定量的に把握可能となっていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載のトンネル火災リスク評価システムにおいて、上記記憶手段には、トンネル工事の単位コストデータおよび各防火対策の単位コストデータが基礎データとして記憶され、それら単位コストデータと、上記記憶手段に記憶された設定条件とから、評価対象となる道路トンネルのイニシャルコストを算定可能となっていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の本発明に係るトンネル火災リスク評価方法は、評価対象となる道路トンネルの設定条件を入力するステップと、火災性状または被害の大きさに影響を与え得る各事象の組合せに基づいてイベントツリーを作成することにより複数の火災シナリオを生成するとともに、各事象の奏効率または発生確率を用いて、各火災シナリオの生起確率を算定するステップと、生成したすべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、上記道路トンネルの設定条件とに基づいて、道路トンネルにおける火災性状予測と避難行動予測とを行い、それら予測結果から道路トンネル内の火災被害を算定するステップと、算定した各火災シナリオの火災被害および生起確率と、統計データから導き出した火災事故の発生頻度とを用いて、評価対象となる道路トンネル内の火災被害期待値を算出し、これを火災リスク評価情報として出力するステップとを備えることを特徴とするものである。
請求項8に記載の本発明に係るトンネル火災リスク評価プログラムは、コンピュータに実行させるプログラムであって、評価対象となる道路トンネルの設定条件を入力して上記コンピュータの記憶装置に記憶する処理と、上記記憶装置に火災リスク評価用の基礎データとして予め記憶されている火災事故の発生頻度と、火災性状または被害の大きさに影響を与え得る各事象の奏効率または発生確率とを上記記憶装置から読み込む処理と、上記事象の組合せに基づいてイベントツリーを作成することにより複数の火災シナリオを生成するとともに、各事象の奏効率または発生確率を用いて、各火災シナリオの生起確率を算定する処理と、上記評価対象となる道路トンネルの設定条件を上記記憶装置から読み込んだ後、すべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、上記評価対象となる道路トンネルの設定条件とに基づいて、道路トンネルにおける火災性状予測と避難行動予測とを行い、それら予測結果から道路トンネル内の火災被害を算定する処理と、上記火災事故の発生頻度を上記記憶装置から読み込んで、この火災事故の発生頻度と、算定した各火災シナリオの火災被害および生起確率とを用いて、評価対象となる道路トンネル内の火災被害期待値を算出し、これを火災リスク評価情報として上記コンピュータの表示装置に出力する処理とを上記コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
本発明によれば、道路トンネルの構造や防火対策、設計交通量等の設定条件を加味して、道路トンネルの火災リスクを精度良く定量的に評価することができる。
したがって、道路トンネルの計画を策定する際には、火災安全性を検証した上で、適正なトンネル構造や防火対策を決定することができる。また、道路トンネルのコストを併せて算定するようにすれば、安全性だけではなく経済性の面も含めた総合的な評価を定量的に行った上で、最適なトンネル構造、防火対策を決定することができる。例えば、互いに設定条件の異なる複数の計画の中から何れかを選択するような場合には、安全性の条件を満足する計画の中で、最も効果的で経済的な計画を容易に選定することができる。
本発明に係るトンネル火災リスク評価システム10は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、表示装置13、入力装置14、記憶装置15および通信装置16等を有する周知のコンピュータ若しくはかようなコンピュータ複数をネットワークを介して相互に接続してなるコンピュータシステムによって構成されている。
このトンネル火災リスク評価システム10は、評価対象となる道路トンネルの設定条件を入力して記憶装置(記憶手段)15に記憶する機能と、火災性状または被害の大きさに影響を与え得る複数の事象の組合せに基づいてイベントツリーを作成することにより複数の火災シナリオを生成するとともに、記憶装置15に記憶された各事象の奏効率または発生確率を用いて、各火災シナリオの生起確率を算定する機能(火災シナリオ設定手段)と、生成したすべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、道路トンネルの設定条件とに基づいて、道路トンネルにおける火災性状予測と避難行動予測とを行い、それら予測結果から道路トンネル内の火災被害を算定する機能(シナリオ別火災被害算定手段)と、算定した各火災シナリオの火災被害および生起確率と、統計データ等から導き出した火災事故の発生頻度とを用いて、評価対象となる道路トンネル内の火災被害期待値を算出し、これを火災リスク評価情報として出力する機能(火災リスク評価手段)とを備えている。
これら機能は、トンネル火災リスク評価システム10のCPU11が記憶装置15内に格納された各種アプリケーションプログラム(本発明に係るトンネル火災リスク評価プログラムを含む。)を読み込んで実行することにより、付与されるものである。
このトンネル火災リスク評価システム10の記憶装置15には、CPU11により実行される各種処理プログラム(本発明に係るトンネル火災リスク評価プログラムや、火災性状の数値解析プログラム等を含む。)や制御データ等を記憶する記憶領域の他、評価対象となる道路トンネルの設定条件(道路トンネルの構造、防火対策、交通および消火活動に関する設定データなど)を記憶する記憶領域や、道路トンネルの評価に必要な各種基礎データを集積したデータベース20(図10参照)を格納する記憶領域などを備えている。
上記データベース20には、火災リスク評価用データ、コストデータ、交通関連データ、非常用施設設置基準データ、火災性状予測用データおよび避難行動予測用データが、それぞれ基礎データとして格納されている。それら基礎データは、以下に示すように、その殆どが一般に公表されている統計データや既往の研究等から得られるものである。
(火災リスク評価用データ)
火災リスク評価用データは、火災事故の発生頻度や各火災シナリオの生起確率を算定する際に用いるデータで、この火災リスク評価用データには、火災事故発生頻度(図2)、防火対策の奏効率(図3(a))、その他事象の発生確率(図3(b))、渋滞発生確率(図3(c))などが含まれている。
火災事故発生頻度(件/km/億台/年)は、単位距離・単位台数・単位時間あたりの火災事故の発生頻度を示すもので、道路トンネルの1年当たりの事故データを基に算出したトンネル内事故発生頻度(件/億台/km/年)に、事故から火災に至る出火率を乗じることによって得られる数値である。上記トンネル内事故発生頻度は、トンネル内の事故件数を総走行距離算定値(トンネルを走行する全車両の走行距離の合計)で除して得た値であり、上記出火率は、トンネル内外の火災事故件数を総事故件数で除して得た値である。トンネル内の総走行距離算定値は、ある高速道路の総走行距離を、ある高速道路を走行する車両台数とその高速道路の総延長の積で除することにより得られる比率を、トンネルを走行する車両台数とトンネル総延長との積に乗じることにより算定できる。統計データより、実際の総走行距離が得られればこれを用いてもよい。トンネル内の事故件数、トンネル総距離、トンネルを走行する車両台数、トンネル内外の火災事故件数および総事故件数は、何れも統計データとして容易に入手できるものである。
この火災事故発生頻度に、評価対象となる道路トンネルの設計交通量(億台/年)とトンネル延長(km)とを乗ずれば、評価対象となる道路トンネルの火災事故発生頻度(件/年)を求めることができる。
防火対策の奏効率は、火災発生時に、例えば、非常放送、消火器、消火栓、水噴霧設備、排煙設備などの各防火対策が、それぞれの機能を発揮する確率であり、何れも消防関係の統計データ等から導き出すことができる。
その他事象の発生確率は、火災事故発生時に各事象の選択肢の何れかが発生する確率または選択肢の何れかに該当する確率であり、例えば、事象が「事故車種」である場合、普通車、バス、小型貨物、中型貨物(普通貨物)が選択肢となる。また、事象が「事故車両数」の場合には、事故が単独事故であるか否か、「火災確認」の場合には、管制室の対応の速さが基準値以内であるか否か、「消防隊進入路」の場合は、消防隊進入路が有るか否かがそれぞれ選択肢となる。それぞれの発生確率或いは該当確率は、交通事故の統計データ等から求めることができる。
渋滞発生確率は、火災発生時におけるトンネル内の車両の通行状態を”渋滞がない状態”、”渋滞があるが流動している状態”、”渋滞があり停止している状態”に3分類したときの、それぞれ状態の発生確率である。この渋滞発生確率も、その他事象の発生確率と同様に、交通事故の統計データ等から求めることができる。
(コストデータ)
コストデータは、防火対策の総費用や火災による損害を算定する際に用いるデータで、このコストデータには、各防火対策の単位数量当たりの設置費用(図4(a))、単位面積当たりのトンネル補修費用(図4(b))、有料道路の各区間の通行料金(図4(c))、単位長さ当たりのトンネル工事費用などが含まれている。
(交通関連データ)
交通関連データは、要避難車両数および要避難者数を算定する際に用いるデータで、この交通関連データには、車種別の平均乗車人数(図5(a))、車種の構成比率(図5(b))、渋滞程度別の車両の平均走行速度(図5(c))、管制室の対応時間の分布(図6)、迂回路の車両流動係数および迂回開始時間(図7)などが含まれている。これらデータは、何れも統計データや既往の研究等から求めることができる。新規計画の場合は、計画時に用いられる需要予測値等を当該交通関連データとして入力する。なお、迂回路は、例えば、互いに隣接するトンネル間に形成された連絡通路(図8参照)など、火災発生時に車両が事故現場を迂回して退避できる通路であれば如何なるものであってもよい。
(非常用施設設置基準データ)
非常用施設設置基準データは、図21に示すように、各等級のトンネルに必要な非常施設(通報・警報設備、消火設備、避難誘導設備、その他の設備)の基準データである。ここでは、トンネル延長と設計交通量に基づいて、AA,A,B,C,Dの5段階の等級が設けられている。例えば、トンネル延長が3.6(km)、設計交通量が20,000(台/日)の場合、トンネル等級がAAとなるので、図21(b)に示すすべての項目の非常施設が必要になる。
(火災性状予測用データおよび避難行動予測用データ)
火災性状予測用データは、火災性状予測を行う際に用いる参照用のデータ、避難行動予測用データは、上記交通関連データ以外で、避難行動予測を行う際に必要な参照用のデータである。
火災性状予測用データとしては、例えば、車両1台の燃焼時の発熱速度(図14(a))、トンネル利用者が消火器あるいは消火栓で消火可能な発熱速度,隣接する車両が着火する条件値(放射熱量,温度)などが含まれる。
避難行動予測用データとしては、例えば、煙の伝播速度、避難者歩行速度、非常放送開始時間、非常口扉の流動係数などが含まれる。
次に、上記トンネル火災リスク評価システム10のCPU11によって実行される火災リスク評価処理について説明する。この火災リスク評価処理は、図9および図10に示すように、設定条件入力ステップ、火災シナリオ設定ステップ、シナリオ別火災被害算定ステップ、火災リスク評価ステップからなり、各々の処理が、トンネル火災リスク評価システム10の記憶装置15に格納されたトンネル火災リスク評価プログラムに従って順次行われるようになっている。
1.設定条件入力ステップ
先ず、設定条件入力ステップでは、道路トンネルの火災リスクを評価する上で必要な各種設定条件を入力して記憶装置15に記憶する処理が行われる。この処理で入力する設定条件のデータ(以下、設定データと称する。)としては、評価対象となる道路トンネルの構造に関する設定データ、防火対策に関する設定データ、交通に関する設定データ、消火活動に関する設定データなどが含まれる。
道路トンネルの構造に関する設定データには、例えばトンネルの幅、天井高さ、延長、断面形状(円形、矩形、その他)、線形、仕上げ、車線数、交通方式(対面、一方向)、道路タイプ(高速国道、指定自動車専用道路)などが含まれる。
トンネルの防火対策に関する設定データには、例えば、消火器、消火栓、水噴霧設備、排煙設備、非常口および放送設備など、トンネルに設置する各防火設備の数量とその性能、設置間隔などが含まれる。これらデータについては、設計交通量とトンネル延長とを条件にデータベース20内の非常用施設設置基準(図21)から取得した基準データを利用することができる。
また、交通に関する設定データには、単位時間当たりの設計交通量や大型車の混入率などが含まれる。
各設定データは、入力装置14より利用者が入力して記憶装置15に格納するようにしても、或いは他のコンピュータで作成したものを、可搬型の記憶媒体や伝送媒体等を介して取得して記憶装置15に格納するようにしてもよい。各設定データの入力時には、例えば図11に示すような入力確認画面が表示装置13に表示される。
各設定データの入力が完了したら、CPU11によって、設計交通量を普通車の台数に換算する処理や、トンネルに入車する車両の流動係数を算出する処理などが行われる。
2.火災シナリオ設定ステップ
火災シナリオ設定ステップでは、イベントツリーを用いて火災シナリオを設定する処理が行われる。本実施形態では、標準イベントツリーが予め用意されており、これを基に評価対象トンネルのイベントツリーが作成される。標準イベントツリーにおいては、図12に示すように、火災性状または被害の大きさに影響を与え得る事象として、「出火位置」、「車種」、「事故車両数」、「渋滞」、「火災確認」、「非常放送」、「消火器」、「消火栓」、「水噴霧設備」、「排煙」および「消防隊進入路」が予め選択されている。
「出火位置」は、直線部、分岐点、立坑、出入口付近等のトンネル深度、坑口からの距離、道路形状に基づいて選定される。
「車種」は、車1台の総発熱量等の燃焼性状や出火率の違いを考慮して、普通車、バス、小型貨物、中型貨物の4種類としている。
「事故車両数」は、”単独事故”と”2台以上の事故”に分け、これを火災規模に反映させるようにしている。また、事故車両数により事故発生後の利用可能な車線数を変化させる設定としている。例えば、単独事故の場合には、図13(a)に示すように、火災により2車線を走行不可として、残りの車線を走行可能とする。その後、図13(b)に示すように、火源の大きさが、車両が横を通過不可能な発熱速度Q(例えば2000kW)に達した時点で、全ての車線を走行不可とし、火災地点より前方へは行けないものとする。一方、2台以上の事故の場合には、図13(c)に示すように、全ての車線を始めから走行不可とし、火災地点より前方へは行けないものとする。
「渋滞」は道路の混雑度を表しており、ここでは、図12に示すように、”渋滞なし”、”渋滞あり(流動)”、”渋滞あり(停止)”の3段階に分類している。
「火災確認」は、火災信号受信後に管制室が火災をITV等により確認し火災断定するまでに要する時間(管制室の対応速さ)を示しており、ここでは、”速やか”と”遅い”の2分類としている。
「非常放送」は、管制室による非常放送が奏効する場合と、不奏効の場合の2分類としている。
「消火器」、「消火栓」、「水噴霧設備」および「排煙」は、それぞれが奏効する場合と、不奏効の場合の2分類としている。「消火器」、「消火栓」および「水噴霧設備」については、それぞれの奏効/不奏効を火災規模に反映させるようにしている。
「消防隊進入路」は、消防隊がトンネル本線以外に、速やかに火点へ到着するための特別な進入路が有るか否かの2分類としている。これは消防隊の到着時間に影響を及ぼすため、火源規模に反映させる設定としている。
火災シナリオを設定する際には、表示装置13に、以上の各事象の修正入力或いは新たな事象の追加入力を利用者に促すシナリオ評価モデル設定画面が表示され、この設定画面に従って、上述した各事象に関する設定入力が行われる。この設定入力が完了したら、CPU11によって、イベントツリーに含まれる各火災シナリオの生起確率を算定する処理が行われる。各火災シナリオの生起確率は、数1に示すように、各事象の発生確率または奏効率の積となる。
Figure 2006318290
数1において、PSE1 は火災シナリオ1の生起確率、PSE2 は火災シナリオ2の生起確率である。そして、Pfire1 は出火位置が地点1である確率、Pv1 は事故車両が普通車である確率、Pac1 は事故が単独事故である確率、Ptra1 はトンネル内の車両が渋滞で停止している確率、Pd1 は速やかに火災確認が行われる確率、Pw1 は非常放送が奏効する確率、Pex1 は消火器が奏効する確率、Phy1 は消火栓が奏効する確率、Pws1 は水噴霧設備が奏効する確率、Psm1 は排煙設備が奏効する確率、Pff1 は消防隊進入路が有る確率、Pff2 は消防隊進入路が無い確率をそれぞれ示している。各事象の発生確率または奏効率には、データベース20内に火災リスク評価用データとして格納されたものを用いる。
3.シナリオ別火災被害算定ステップ
このシナリオ別火災被害算定ステップは、図9および図10に示すように、火災性状予測ステップ、避難行動予測ステップおよび火災被害算定ステップの3つのサブステップからなり、各々の処理が、上述した火災シナリオ設定ステップで設定されたすべての火災シナリオについて行われるようになっている。すなわち、火災シナリオの数をnとして、各サブステップの処理がn回繰り返し行われるようになっている。
[火災性状予測ステップ]
火災性状予測ステップでは、先ず、火災シナリオを構成する各事象の中で火災性状に影響を与え得る事象(「車種」、「事故車両数」、「消火器」、「消火栓」、「水噴霧設備」および「消防隊進入路」)の設定内容に基づいて、火源を設定する処理が行われる。具体的には、事故車両1台燃焼時の発熱速度(図14(a))をもとに、消火器、消火栓、消防隊の消火活動が行われた場合は消火作用が、水噴霧が奏効した場合は抑制作用が生じるものとして、火源を設定する。事故車両1台の燃焼時の発熱速度は、既往の実験データ等に基づいて設定する。
本実施形態では、消火器を用いて一般の人が消火可能な火源規模を発熱速度0.95(MW)とし、奏効した場合は、図14(b)に示すように、最大発熱速度0.95(MW)で消火に至るとする。
同様に、消火栓を用いて一般の人が消火可能な火源規模を発熱速度2(MW)とし、奏効した場合は、図14(c)に示すように、最大発熱速度2(MW)で消火に至るとする。
水噴霧設備に関しては、車の燃焼は水噴霧設備の散水が届かない車内部や車の下部でも起こるので、水噴霧設備のみでは消火には至らず、図14(d)に示すように、作動時の発熱速度が継続する(発熱速度の上昇を抑制する)と定義する。
また、消防隊到着後消火活動が行われた場合、図14(e)に示すように、火源は一定の傾きで消火されると定義する。火源減衰の傾きは、例えば、RABT曲線(ドイツ「道路トンネルの設備と運用に関する指針」の加熱曲線)を利用する。
さらに、事故車両数が2台以上の場合は、燃焼する車両の放射熱に基づいて、隣接する車両への延焼時間を計算する。隣接車両の受ける放射熱量は、数2により求めることができる。
Figure 2006318290
数2において、qf は放射熱量(kW/m2)、Fは形態係数、εは放射率、σはステファンボルツマン定数(5.675*10-11kW/m2/K4)、Tは火炎温度(K)である。2台目の車両燃焼時の発熱速度は、図14(f)に示すように、求めた着火時間遅れをもって車1台燃焼時の発熱速度で2台目の車両が燃焼するものとして求める。3台目以降も同様である。こうして求めた各車両の発熱速度を時間ごとに合計することにより、複数台燃焼時の発熱速度を導き出すことができる。
このように火源の設定が完了したら、FDS(Fire Dynamics Simulator)等の数値流体計算、既往の実験結果をもとに、火災発生後の煙層温度、煙濃度、煙層高さ、伝播距離(図15(a))、躯体の温度分布(図15(b))等を計算する。この数値解析を実行するためのプログラムには、周知の数値解析プログラムを用いることができる。その入力条件としては、火源(車両の発熱速度、燃焼面積の時間変化)、トンネルの空間形状、壁面の種類、排煙風速等が挙げられる。数値解析プログラムによる解析結果は、記憶装置15の所定記憶領域に格納される。
[避難行動予測ステップ]
避難行動予測ステップでは、先ず、要避難車両数および要避難者数を算定する処理が行われる。この処理は、図16に示すように、ステップS1〜S9の処理からなり、これら一連の処理がすべての火災シナリオi(i=1,2,・・・,n)について行われる。
また、要避難車両数および要避難者数を算定するにあたっては、設定条件入力ステップで入力された設定データのうち、設計交通量Nv(台/日)、トンネル延長Lall(km)、車線数Nlane(本)、交通方式、ピーク率rp、大型車混入率rb、出火点からトンネル入口までの距離Ltf(km)、道路タイプ、迂回路の有無などが用いられる。これら設定データの入力後には、設計交通量Nvを普通乗用車の台数Nnvに換算する処理、トンネルに入車する車両の流動係数fvを算出する処理が行われる。上記台数Nnvは、Nnv=Nv×(rb+1)、上記流動係数fvは、fv=min(Nnv×rp/3600,f0)よりそれぞれ求めることができる。この数式において、f0 は、道路特性で定められた能力の限界値(台/s)であり、例えば高速道路の場合、0.68となる。
その後、図16に示すように、火災シナリオ設定ステップにおいてイベントツリーが作成された後、以下に示すように、要避難車両数および要避難者数を算定する処理が行われる。
先ず、ステップS1では、データベース20に格納された渋滞程度別の車両の平均走行速度(図5(c))から、道路タイプを条件に、渋滞がないときの車両の走行速度(通常時速度)を取得する処理が行われる。次いで、ステップS2では、火災シナリオの「渋滞」の事象の設定内容が”渋滞あり(流動)”であるか否か判定し、判定の結果、”渋滞あり(流動)”である場合には、データベース20に格納された渋滞程度別の車両の平均走行速度(図5(c))から、道路タイプを条件に、渋滞のときの車両の走行速度を取得する処理が行われる。
次いで、ステップS3では、評価対象となる道路トンネルに管制室が設置されているか否かを判定し、判定の結果、管制室が設置されている場合には、データベース20に格納された管制室の対応時間の分布(図6)から、火災確認時間td(i)を取得する処理が行われ、一方、管制室が設置されていない場合には、火災確認時間td(i)=∞に設定する処理が行われる。
その後、ステップS4では、火災シナリオの「事故車両数」の設定内容と車線数Nlane とに基づいて通行可能な車線が有るか否かを判定し、判定の結果、通行可能な車線が無い場合には、火源の横を通って退避する車両数Nvout(i,t)=0とした後、ステップS6に移行する一方、通行可能な車線が有る場合には、ステップS5に移行する。このステップS4においては、例えば図13(a)に示すように、「事故車両数」が単独で、車線数Nlane が3以上である場合に、通行可能な車線が有ると判定する。
ステップS5では、火源設定部分で発熱速度がQ(例えば2MW)になる時間(すなわち、火災が拡大してすべての車線が通行不可能となるまでにかかる時間)を通行不可能時間tfstop(i)として、この通行不可能時間tfstop(i)を求めた後、ステップS6に移行する。ステップS6では、設定データを参照して迂回路が有るか否かを判定し、判定の結果、迂回路が有る場合には、データベース20に格納された迂回開始時間と車両流動係数(図7)から、迂回路のタイプを条件に、迂回開始時間tex(i)を取得する処理が行われ、一方、迂回路が無い場合には、迂回路を通って退避する車両数Nvex(i,t)=0とする処理が行われる。
次いで、ステップS7では、火災発生後にトンネル内に流入する車両の台数Nvin(i,t)から、火源の横を通って退避する車両数Nvout(i,t)および迂回路を通って退避する車両数Nvex(i,t)を差し引いて、トンネル内に残留する車両の台数Nv(i,t)を求める処理が行われる。入車台数Nvin(i,t)および出車台数Nvout(i,t),Nvex(i,t)は、数3により求めることができる。
Figure 2006318290
この数3において、νv は車両の走行速度(渋滞の場合は渋滞時走行速度、渋滞なしの場合は通常時走行速度)(m/秒)、fa は火災発生後に出火点の横を通り過ぎる車両の流動係数(台/秒)、fex は火災発生後に迂回路を通行する車両の流動係数(台/秒)、texd は迂回路が使用できなくなる時間(秒)をそれぞれ示している。
その後、ステップS8では、データベース20に格納された車種の構成比率(図5(b))を参照して、この構成比率とトンネル内に残留する車両台数Nv(i,t)とから車種別に車両台数を求めた後、データベース20に格納された車種別の平均乗車人数(図5(a))を用いて、避難者数Np(i)を算出する処理が行われる。次いで、ステップS9では、最終的にトンネル内に残留する車両台数Nv(i)と、車両1台当たりの長さlvと、車線数Nlane とから、1車線当たりの車両の行列長さLvを求め、この行列長さLvと、出火点からトンネル入口までの距離Ltf との比較結果に基づいて、車両台数Nv(i)を修正する処理(すなわち、道路トンネルの外に並ぶ車両を要避難車両数から除外する処理)が行われる。
以上の各ステップの処理は、すべての火災シナリオi(i=1,2,・・・,n)に対して行われる。
次に、要避難車両数および要避難者数の計算例を示す。例えば、設計交通量Nv=20,000(台/日)、トンネル延長Lall=3.6(km)、車線数Nlane=3、交通方式:一方通行、ピーク率(24時間の交通量に占めるピーク時1時間の交通量の割合)rp=0.07,大型混入率rb=0.4、出火点からトンネル入口まで距離Ltf=1.8(km)、道路タイプ:D、迂回路:無しという設定条件の場合、トンネル等級はAA、普通乗用車の台数Nnvは、Nnv=Nv×(rb+1)=20000×(0.4+1)より28000(台/日)、トンネルに入車する車両の流動係数fvは、fv=min(Nnv×rp/3600,f0)=min(28000*0.07/3600,0.68)より0.54(台/秒)となる。
そして、例えば、各事象の設定が、「渋滞」:なし、「火災確認」:遅い(管制室有り)、「事故車両数」:単独、「車種」:普通車となっている火災シナリオの場合、上述した各ステップで求められる数値は以下のようになる。
先ず、渋滞がないときの車両の走行速度は、道路タイプがDであるので、渋滞程度別の車両の平均走行速度(図5(c))から、80km/hとなる。火災確認時間td は、「火災確認」が遅いと設定されているので、600秒となる(この例では、火災確認が遅い場合は600秒、速やかの場合は180秒としている)。
また、「事故車両数」が単独で、車線数が3であるので、通行可能な車線数は1(3−2=1車線)となる。そして、「車種」が普通車であることから、発熱速度が2MWになる時間tfstop は505秒となる。流動係数fa は、統計データや既往の研究で得られた値0.44台/秒/車線等を使用する。また、迂回路は無しであるので、Nvex=0となる。図17は、こうして求めた各数値に基づいて導き出した車両の台数Nv,Nvin,Nvout,Nvex を示すグラフである。このグラフによれば、火災事故発生後トンネル内に合計で367.7台の車両が進入し、そのうちの222.2台が通行可能な1車線を使って505秒経過するまでの間に脱出し、それに間に合わなかった145.5台がトンネル内に残留するということが分かる。
こうして得られた車両台数Nvは普通車の台数であるので、普通車と大型車の台数に変換する必要がある。大型車混入率rb を用いて、それぞれの台数を求めると、普通車:145.5/(1+0.4)×(1-0.4)=62.4台、大型車:145.5/(1+0.4)×0.4=41.6台となる。また、データベース20内の車種の構成比率(図5(b))を参照すると、普通車0.6、バス0.008、小型貨物0.192、中型貨物0.20であるので、普通車62台、バス1台(0.008/(0.4)×41.6)、小型貨物20台、中型貨物21台となる。また、データベース20の車種別の平均乗車人数(図5(a))を参照すると、乗用車1.33人/台、バス17.59人/台、小型貨物1.23人/台、中型貨物1.23人/台であるので、避難者数は合計で150.49人(62×1.33+1×17.59+20×1.23+21×1.23)となる。
この避難行動予測ステップでは、上述した要避難車両数および要避難者数を算定する処理(図16)に続いて、避難時間を算定する処理が行われる。本実施形態では、図18(a)に示すように、渋滞で完全に車が停止している状況での火災事故の場合には、火災シナリオで設定した出火点の両方向を避難対象範囲として、避難時間を算定する。一方、図18(b)に示すように、車が流れている状況での火災事故の場合には、火災シナリオで設定した出火点の後方のみを避難対象範囲として、避難時間を算定する。また、避難者は、車両が滞留する範囲に均等に分布していると仮定する。避難方向は、最寄りの非常口へ向かう方向、若しくは煙と反対の方向或いは誘導表示の方向とする。例えば、最寄りの非常口へ向かう場合、1つの非常口が負担する範囲(以下、区間と称する。)は、図18(c)に示すように、各非常口の中間位置までとする。
各区間の避難開始時間は、区間内で出火地点より最も遠い位置にいる避難者が、煙伝播によって火災を覚知する時間と、他の避難者からの伝達によって火災を覚知する時間と、非常放送によって火災を覚知する時間の中で、最も短い時間とする。各非常口における避難者の避難終了時間は、例えば数4に示すように、避難開始時間、歩行時間、非常口扉(トンネル坑口)の通過時間の和として算出される。
Figure 2006318290
この数4において、te はトンネルから非常口への避難時間(秒)、tstart は避難者の避難開始時間(秒)、ttravel はトンネルの各位置から非常口までの移動時間(秒)、tqueue は非常口扉の通過時間(秒)、lmax は区間kで出火地点から最も遠い位置にいる避難者の出火地点からの距離(m)、vs は煙の伝播速度(m/s)、vp は避難者歩行速度(m/s)、ta は非常放送開始時間(秒)、lexit_max は区間kで非常口に最も遠い位置にいる避難者の非常口までの距離(m)、Nexit は各非常口の負担する避難者数(人)、fp は非常口扉の流動係数(人/秒/m)、Wexit は非常口扉幅(m)、添字iはシナリオ番号、kは非常口番号をそれぞれ示している。このうち、煙の伝播速度vs、避難者歩行速度vp、非常放送開始時間ta および非常口扉の流動係数fp は避難行動予測用データとして予めデータベース20に格納されているものである。また、非常口扉幅Wexit および出火地点から各非常口までの距離lmax は、設定条件入力ステップで入力された設定データであり、またトンネルから各非常口までの距離lexit_max および各非常口の負担する避難者数Nexit は、要避難車両数および要避難者の算定処理で得られたデータである。
そして、各非常口から出口への避難者の避難終了時間は、例えば数5に示すように、避難開始時間、各非常口から外部出口までの歩行時間、外部出口扉の通過時間の和として算出される。
Figure 2006318290
この数5において、te_refuge は各非常口から外部出口への避難時間(秒)、tstart_refuge は各非常口から避難を開始する時間(秒)、ttravel_refuge は非常口から外部出口までの移動時間(秒)、tqueue_refuge は外部出口扉の通過時間(秒)、lrefuge_max は各非常口から外部出口までの距離(m)、Nrefuge は外部出口の負担する避難者数(人)、Wrefuge は外部出口扉幅(m)をそれぞれ示している。このうち、各非常口から外部出口までの距離lrefuge_max および外部出口扉幅Wrefuge は、設定条件入力ステップで入力された設定データであり、また非常口から外部出口までの移動時間ttravel_refuge、外部出口扉の通過時間tqueue_refuge および外部出口の負担する避難者数Nrefuge は、要避難車両数および要避難者の算定処理により得られるデータである。なお、避難トンネルが無いような短い道路トンネルの場合には、道路トンネルの各位置からトンネル出入口まで道路トンネルを通って避難者が避難するものとして、その歩行速度、移動距離、避難開始時間等から同様に避難時間を求めることができる。
[火災被害算定ステップ]
次いで、火災被害算定ステップでは、火災性状予測ステップで求めた煙により危険となる時間および範囲の計算結果と、避難行動予測ステップで求めた各非常口の避難時間とを比較して、煙により危険となる避難者数(避難失敗者数)を算定する処理が行われる。この処理では、煙層高さ、煙層温度、煙濃度などに基づいて、煙による危険性の判断が行われる。
また、この火災被害算定ステップでは、火災性状予測ステップで求めた煙層温度に基づいて、トンネル躯体の焼損度(温度別の焼損面積)を求め、この焼損度から、トンネル躯体の補修費用やトンネル利用停止期間を算定する処理が行われる。焼損に伴う補修費用は、例えば建物の火害診断手法等を参考に躯体の補修の必要度合いを判断して、温度別の焼損面積から算出する。この補修費用の算出には、データベース20に格納された材料別補修費用(図4(b))等を使用する。一方、トンネル利用停止期間は、損傷度との対応関係を示すテーブルを参照するなどして求める。また、トンネルの通行不能時の料金収入の損害は、トンネル利用停止期間、設計交通量および通行料金表(図4(c))等から求める。
4.火災リスク評価ステップ
火災リスク評価ステップでは、火災被害算定ステップで算定された各火災シナリオの火災被害と、火災シナリオ設定ステップで求めた各火災シナリオの生起確率と、評価対象となる道路トンネルの単位期間(1年)当りの火災事故発生頻度とに基づいて、単位期間(1年)当たりの各火災被害(避難失敗者数、焼損面積、トンネル利用停止期間など)の期待値を求め、これを火災リスク評価情報として表示装置13等に出力する処理が行われる。各火災被害の期待値は、数6により求めることができる。
Figure 2006318290
この数6において、Eevacuation は1年当りの煙にまかれる避難者数(または比率)期待値(人/年)、νf は評価対象となる道路トンネルの1年当りの火災事故発生頻度(件/年)、Pse_i は火災シナリオiの生起確率、Nd_i は火災シナリオiの煙にまかれる避難者数(または比率)(人)、Eburn は1年当りのトンネル焼損面積期待値(m2/年)、Aburn_i は火災シナリオiのトンネル焼損面積(m2)、Esuspension は1年当りのトンネル停止期間期待値(日/年)、Nday_i は火災シナリオiのトンネル停止日数(日)である。評価対象となる道路トンネルの単位期間(1年)当りの火災事故発生頻度νf は、データベース20に格納された火災事故発生頻度(図2)に、設定条件入力ステップで入力された設計交通量(億台/年)とトンネル延長(km)とを乗ずることにより求めることができる。
図19は、ある道路トンネルの各火災シナリオの火災被害期待値の算出例を示すグラフである。この図19に示すように、各火災シナリオの火災被害の算出結果を互いに比較することによって、防火対策の違いが道路トンネルの火災安全性にどの程度違いを及ぼすかを定量的に把握することができる。すなわち、事業者や設計者が評価対象トンネルに必要な防火対策を当該火災リスク評価システムの評価結果に基づいて検討することができる。
図20は、ある道路トンネルの1年当たりの火災被害期待値を、計画別に示したグラフである。各計画は、例えば、天井高さ、幅、車線数、断面形状(馬蹄形、円形、四角形など)、避難経路、非常口設置間隔など、トンネル構造や防火対策に関する設定条件の何れかが互いに相違する計画となっている。例えば、計画Aは、断面形状が四角形で2車線、計画Bは、断面形状が馬蹄形で2車線、計画Cは、断面形状が四角形で3車線、・・・というように、各条件が設定されている。このように計画毎に火災被害期待値を求めることにより、各計画の火災安全性を相互に比較することが可能となり、当該比較結果に基づいて、計画の選定を行うことができる。さらに、消火器、消火栓、水噴霧設備、排煙設備、放送設備など、各火災対策の単位コストや、トンネル工事の単位距離当たりのコスト等から、各計画の総費用(イニシャルコスト)を算定するようにすれば、経済性を勘案して計画の選定を行うこともできる。
以上のように、本実施形態によれば、設定条件入力ステップにおいて、評価対象となる道路トンネルの設定条件を入力した後(図11参照)、火災シナリオ設定ステップにおいて、イベントツリーの生成と各火災シナリオの生起確率の算定を行い、その後、シナリオ別火災被害算定ステップにおいて、各火災シナリオ毎に、火災性状予測、避難行動予測および火災被害の算定を行った後、火災リスク評価ステップにおいて、算定した各火災シナリオの火災被害(避難失敗者数、焼損面積、トンネル利用停止期間など)、各火災シナリオの生起確率、評価対象トンネルの火災事故発生頻度を用いて、評価対象トンネルの火災被害期待値を算出し、これを火災リスク評価情報として出力するようにしたので、道路トンネルの構造や防火対策、設計交通量など、様々な設定条件を加味して、道路トンネルの火災リスクを精度良く定量的に評価することができる。
したがって、道路トンネルの計画を策定する際には、火災安全性を検証した上で、適正なトンネル構造や防火対策を決定することができる。また、道路トンネルのコストを併せて算定するようにすれば、安全性だけではなく経済性の面も含めた総合的な評価を定量的に行った上で、最適なトンネル構造、防火対策を決定することができる。
本発明に係るトンネル火災リスク評価システムの一実施形態を示すブロック図である。 火災事故発生頻度を示す図表である。 各事象の奏効率または発生確率を示す図表である。 コストデータを示す図表である。 交通関連データを示す図表である。 管制室の対応時間の分布を示す図表である。 迂回開始時間および迂回路の車両流動係数を示す図表である。 迂回路の一例を示す模式図である。 本発明に係るトンネル火災リスク評価方法の概要を示すフローチャートである。 トンネル火災リスク評価方法の詳細を説明するためのフローチャートである。 設定条件の入力確認画面の一例を示す図である。 標準イベントツリーを示す図である。 火災事故発生後の車両の通行状態を説明するための模式図である。 火源の設定方法を説明するための模式図である。 火災性状予測の計算結果の一例を示す模式図である。 要避難車両数および要避難者数の算定処理のフローチャートである。 要避難車両数の算定結果の一例を示すグラフである。 避難対象範囲を説明するための模式図である。 各火災シナリオの火災被害期待値の算出例を示すグラフである。 ある道路トンネルの1年当たりの火災被害期待値を、計画別に示したグラフである。 非常用施設設置基準を示す図表である。
符号の説明
10 トンネル火災リスク評価システム
11 CPU(シナリオ別火災被害算定手段、シナリオ別火災被害算定手段、火災リスク評価手段)
13 表示装置
15 記憶装置(記憶手段)

Claims (8)

  1. 評価対象となる道路トンネルの設定条件を記憶するとともに、火災リスク評価用の基礎データとして、少なくとも火災事故の発生頻度と、火災性状または被害の大きさに影響を与え得る各事象の奏効率または発生確率をそれぞれ記憶する記憶手段と、
    上記事象の組合せに基づいてイベントツリーを作成することにより複数の火災シナリオを生成するとともに、上記記憶手段に記憶された各事象の奏効率または発生確率を用いて、各火災シナリオの生起確率を算定する火災シナリオ設定手段と、
    生成したすべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、上記記憶手段に記憶された上記道路トンネルの設定条件とに基づいて、道路トンネルにおける火災性状予測と避難行動予測とを行い、それら予測結果から道路トンネル内の火災被害を算定するシナリオ別火災被害算定手段と、
    算定した各火災シナリオの火災被害および生起確率と、上記記憶手段に基礎データとして記憶された上記火災事故の発生頻度とを用いて、評価対象となる道路トンネル内の火災被害期待値を算出し、これを火災リスク評価情報として出力する火災リスク評価手段とを備えることを特徴とするトンネル火災リスク評価システム。
  2. 車両事故から火災に至るまでの確率を出火率として、
    上記火災事故の発生頻度は、過去の統計データから導き出した道路トンネル内の事故発生頻度に、上記出火率を乗じて得た数値であり、
    上記火災リスク評価手段は、上記火災事故の発生頻度に、上記設定条件に含まれる設計交通量とトンネル延長とを乗じることにより、評価対象となる道路トンネルの火災事故発生頻度を導き出すことを特徴とする請求項1に記載のトンネル火災リスク評価システム。
  3. 上記記憶手段には、少なくとも車種別の平均乗車人数、車種の構成比率、渋滞程度別の車両の平均走行速度が交通関連データとして記憶されるとともに、
    上記設定条件には、少なくとも評価対象となる道路トンネルの設計交通量、トンネル延長、道路タイプおよび車線数が含まれ、
    上記シナリオ別火災被害算定手段は、避難行動予測を行う際に、すべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、上記記憶手段に記憶された上記道路トンネルの設定条件と上記交通関連データとに基づいて、火災事故発生後に上記道路トンネル内に進入する車両と、上記道路トンネルから退避する車両の流動係数をそれぞれ求め、それら流動係数に基づいて、上記道路トンネル内に残留する車両の台数を算定するとともに、残留する車両の台数に基づいて避難者数を算定することを特徴とする請求項1または2に記載のトンネル火災リスク評価システム。
  4. 上記道路トンネルから退避する車両には、火災事故発生時に事故車両よりも前方にいて平常時と同様にトンネル出口から退避する先行車両が含まれる他に、出火点の横を通って退避する車両と、迂回路を通って退避する車両とが含まれ、
    上記シナリオ別火災被害算定手段は、出火点の横を通って退避する車両と、迂回路を通って退避する車両の流動係数をそれぞれ求めるとともに、出火点の横を車両が通行可能な時間帯と、迂回路を車両が通行可能な時間帯とをそれぞれ求め、それら時間帯と上記流動係数との関係から、火災事故発生後に出火点の横を通って退避する車両の台数と、迂回路を通って退避する車両の台数とをそれぞれ算定し、それら車両の台数に上記先行車両の台数を加算することにより、火災事故発生後に上記道路トンネルから退避する車両の台数を算定することを特徴とする請求項3に記載のトンネル火災リスク評価システム。
  5. 評価対象となる道路トンネルの設定条件には、少なくとも道路トンネルの構造に関する条件、防火対策に関する条件が含まれており、
    それら設定条件の互いに異なる複数の計画について上記火災被害期待値をそれぞれ求めて相互に比較することにより、トンネル構造および防火対策の違いが火災安全性に与える影響を定量的に把握可能となっていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のトンネル火災リスク評価システム。
  6. 上記記憶手段には、トンネル工事の単位コストデータおよび各防火対策の単位コストデータが基礎データとして記憶され、それら単位コストデータと、上記記憶手段に記憶された設定条件とから、評価対象となる道路トンネルのイニシャルコストを算定可能となっていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のトンネル火災リスク評価システム。
  7. 評価対象となる道路トンネルの設定条件を入力するステップと、
    火災性状または被害の大きさに影響を与え得る各事象の組合せに基づいてイベントツリーを作成することにより複数の火災シナリオを生成するとともに、各事象の奏効率または発生確率を用いて、各火災シナリオの生起確率を算定するステップと、
    生成したすべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、上記道路トンネルの設定条件とに基づいて、道路トンネルにおける火災性状予測と避難行動予測とを行い、それら予測結果から道路トンネル内の火災被害を算定するステップと、
    算定した各火災シナリオの火災被害および生起確率と、統計データから導き出した火災事故の発生頻度とを用いて、評価対象となる道路トンネル内の火災被害期待値を算出し、これを火災リスク評価情報として出力するステップとを備えることを特徴とするトンネル火災リスク評価方法。
  8. コンピュータに実行させるプログラムであって、
    評価対象となる道路トンネルの設定条件を入力して上記コンピュータの記憶装置に記憶する処理と、
    上記記憶装置に火災リスク評価用の基礎データとして予め記憶されている火災事故の発生頻度と、火災性状または被害の大きさに影響を与え得る各事象の奏効率または発生確率とを上記記憶装置から読み込む処理と、
    上記事象の組合せに基づいてイベントツリーを作成することにより複数の火災シナリオを生成するとともに、各事象の奏効率または発生確率を用いて、各火災シナリオの生起確率を算定する処理と、
    上記評価対象となる道路トンネルの設定条件を上記記憶装置から読み込んだ後、すべての火災シナリオについて、それぞれに設定された各事象の条件と、上記評価対象となる道路トンネルの設定条件とに基づいて、道路トンネルにおける火災性状予測と避難行動予測とを行い、それら予測結果から道路トンネル内の火災被害を算定する処理と、
    上記火災事故の発生頻度を上記記憶装置から読み込んで、この火災事故の発生頻度と、算定した各火災シナリオの火災被害および生起確率とを用いて、評価対象となる道路トンネル内の火災被害期待値を算出し、これを火災リスク評価情報として上記コンピュータの表示装置に出力する処理とを上記コンピュータに実行させることを特徴とするトンネル火災リスク評価プログラム。
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