JP2018010337A - 対策支援サーバ、対策支援方法および対策支援プログラム - Google Patents

対策支援サーバ、対策支援方法および対策支援プログラム Download PDF

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一直 武重
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Abstract

【課題】各オペレータが適切に意思決定できるように支援する。
【解決手段】対策支援サーバ1は、異常状態および異常状態に対する対策を含む表示対象を識別する識別子、表示対象の種別、異常状態が発生した位置または対策が施された位置である表示対象の位置、表示対象に対応するステータスおよび時間情報を対応づけた表示対象情報を含む表示対象データを記憶する記憶装置10と、表示対象の種別に対応する指示子を、表示対象の位置に対応する座標に表示する表示手段21を備える。表示手段21が表示する指示子には、ステータスに対応する装飾が付加される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、時間経過に応じてステータスが変化する異常状態の情報と、異常状態に対する対策の情報を表示する対策支援サーバ、対策支援方法および対策支援プログラムに関する。
異常状態が発生すると、会議室等に複数の担当者が集まり、異常状態の収束に向けた対策に関する意思決定をする場合がある。この場合、会議室等に、複数の担当者が同時に閲覧できるモニタを配置し、担当者間でモニタに表示される情報を共有しながら、対策が検討される場合がある。
異常状態は逐次状況が変化するので、各担当者が、最新の状況を共有する必要がある。また、所定の担当者による意思決定も、担当者間で共有し、異常状態の収束に向けて、更なる意思決定が検討される必要がある。しかしながら、一般的なコンピュータや表示装置で異常状態の状態や対策を共有する場合、共有しづらい問題がある。たとえば、最新の異常状態の状況や担当者による意思決定は、コンピュータに入力された後、表示装置に表示されるので、入力と表示との間にタイムラグがあり、また紙地図のように直感的に記入しづらい場合がある。
一方、紙地図に状況や対策を記入することで、直感的に記入でき、入力と表示との間のタイムラグが解消されるので、一般的な表示装置を使う場合の問題点を解決することができる。しかしながら、紙地図上に状況や意思決定が記入された場合、記入された情報の書き換えが難しく、異常状態の状況変化や対策の変化に追従しづらい場合がある。
そこで、タンジブルユーザインタフェース技術を応用した対策支援システムがある(例えば非特許文献1参照)。非特許文献1に記載のシステムでは、デジタルペンとデジタルシートなどを利用することで、従来の紙地図と同様の感覚で、直感的にかつタイムラグなく、デジタルシート上に状況や対策を記入することができ、さらに、状況や対策の変化に追従して、書き換えながら表示することを可能とする。
非特許文献1に記載の対策支援システムにおいては、異常状態が発生したり、異常状態に対する対策が施されたりすると、異常状態や対策に関連する指示子(アイコン、矢印、領域等)を、デジタルシート上に表示された地図上の、異常状態が発生した位置や対策が施された位置に表示する。また各異常状態や対策のステータス等の詳細情報は、指示子を選択し、詳細情報の表示を指示する操作などを経て、表示される。
エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社、「タンジブル災害対策支援システム」、[online]、[平成28年5月18日検索]、インターネット〈URL:http://www.nttcom.co.jp/bousai/〉
しかしながら、非特許文献1に記載の対策支援システムにおいて、特定の時刻における異常状態の情報や対策に関する意思決定の有無を表示することができるものの、その異常状態のステータスが直感的にわかりにくい場合がある。
例えば、異常状態の状況が重度であれば、早急に対策を意思決定し、状況が軽度であれば、優先度を下げて対応することが好ましい。しかしながら、従来の対策支援システムにおいては、異常状態や対策の有無がわかるものの、これらのステータスを把握するために、状況に付与された属性を参照する必要がある。また従来の対策支援システムにおいて、異常状態や対策の状態を確認するためにいくつかの操作を経る必要があり、意思決定における担当者の負担が、高い可能性がある。また、一つの意思決定をする際に参照するべき状況は一つとは限らず、意思決定における担当者の負担を見過ごせない場合がある。
その結果、対策の意思決定が遅れ、適切なタイミングで対策されない可能性を排除できない場合が考えられる。また対策を急ぐあまり、各担当者が記憶に頼って意思決定をする場合も想定され、意思決定の優先順位の判断を誤ったり、客観性や妥当性が損なわれたりする可能性も排除できない場合が考えられる。
このように従来の対策支援システムに対して、各担当者が適切にかつ円滑に対策できるよう、さらに適切に支援することが期待されている。
従って本発明の目的は、異常状態の情報と、異常状態に対するオペレータの意思決定を表示する対策支援システムにおいて、各オペレータが適切に意思決定できるように支援する対策支援サーバ、対策支援方法および対策支援プログラムを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、時間経過に応じてステータスが変化する異常状態の情報と、異常状態に対する対策の情報を表示する対策支援サーバに関する。第1の特徴に係る対策支援サーバは、異常状態および異常状態に対する対策を含む表示対象を識別する識別子、表示対象の種別、異常状態が発生した位置または対策が施された位置である表示対象の位置、表示対象に対応するステータスおよび時間情報を対応づけた表示対象情報を含む表示対象データを記憶する記憶装置と、表示対象の種別に対応する指示子を、表示対象の位置に対応する座標に表示する表示手段を備え、表示手段が表示する指示子には、ステータスに対応する装飾が付加される。
記憶装置は、さらに、ステータスの区分、およびステータスの各区分における装飾を対応づけた装飾定義データを記憶し、表示手段が表示する指示子には、装飾定義データに基づいて、表示対象データのステータスが属する区分に対応する装飾が付加される。
表示対象データの表示対象情報は、表示対象に対応するステータスとして、実測された実測値が対応づけられた実測情報を含んでも良い。
表示対象データの表示対象情報は、さらに、表示対象に対応するステータスとして、実測情報から予測された予測値を対応づけた予測情報を含み、表示対象データに、新たな実測情報が登録されると、表示対象データから、新たな実測情報と表示対象の識別子が同一の実測情報を抽出し、抽出した実測情報と新たな実測情報の実測値に基づく予測値が、ステータスの各区分の閾値を超える時間情報を算出し、予測情報の予測されたステータスおよび時間情報として、算出された時間情報における予測値および算出された時間情報が対応づけられた予測情報を、生成し、生成した予測情報を表示対象データに挿入する。
記憶装置はさらに、表示対象の種別と、表示対象の種別におけるステータスを区分する閾値とを対応づけたステータス定義データを記憶しても良い。
本発明の第2の特徴は、時間経過に応じてステータスが変化する異常状態の情報と、異常状態に対する対策の情報を表示する対策支援サーバに用いられる対策支援方法に関する。第2の特徴に係る対策支援方法は、対策支援サーバが、異常状態および異常状態に対する対策を含む表示対象を識別する識別子、表示対象の種別、異常状態が発生した位置または対策が施された位置である表示対象の位置、表示対象に対応するステータスおよび時間情報を対応づけた表示対象情報を含む表示対象データを記憶するステップと、対策支援サーバが、表示対象の種別に対応する指示子を、表示対象の位置に対応する座標に表示するステップを備え、表示手段が表示する指示子には、入力されたステータスに対応する装飾が付加される。
本発明の第3の特徴は、コンピュータを、本発明の第1の特徴に記載の対策支援サーバとして機能させるための対策支援プログラムに関する。
本発明によれば、異常状態の情報と、異常状態に対するオペレータの意思決定を表示する対策支援システムにおいて、各オペレータが適切に意思決定できるように支援する対策支援サーバ、対策支援方法および対策支援プログラムを提供することができる。
対策支援システムのシステム構成を説明する図である。 対策支援システムがデジタルシートに表示される地図の一例である。 対策支援サーバのハードウエア構成と機能ブロックを説明する図である。 対策支援サーバの表示対象データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。 対策支援サーバの指示子定義データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。 対策支援サーバの装飾定義データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。 対策支援サーバのステータス定義データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。 対策支援サーバの表示手段による表示処理を説明するフローチャートである。 対策支援サーバの予測処理の一例を説明する図である(その1)。 対策支援サーバの予測処理の一例を説明する図である(その2)。 対策支援サーバの予測処理の一例を説明する図である(その3)。 対策支援サーバの予測処理の一例を説明する図である(その4)。 対策支援サーバの予測処理の一例を説明する図である(その5)。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
(対策支援システム)
本発明の実施の形態に係る対策支援システム9は、時間経過に応じてステータスが変化する異常状態の情報と、異常状態に対する対策の情報を表示して、担当者による対策の意思決定に必要な情報を提供し、異常状態の収束を支援する。本発明の実施の形態において「異常状態」は、時間経過に応じてステータスが変化し、変化するステータスの情報を収集して、担当者が対策を講じる意思決定をすることで、異常状態を収束に導くことが可能な事象を想定する。
本発明の実施の形態において、「異常状態」は、例えば、(i)地震、洪水、津波等により生じる建物倒壊、浸水、土砂流出、道路破損等の自然災害、(ii)これらの自然災害により派生する帰宅困難者の滞留や道路の通行止め等、(iii)火災、事故等、(iv)テロ、人質事件、誘拐事件等の犯罪事件等を想定する。自然災害や災害などに関する異常状態における担当者は、例えば、市町村等の職員であって、犯罪事件における担当者は、例えば、警察官である。
本発明の実施の形態において「異常状態」は、地震災害を想定して説明するが、これに限るものではなく、上記のような様々な異常状態に適宜転用してもよい。
対策支援システム9は、対策支援サーバ1、表示装置2、デジタルペン3、デジタルシート4およびパレットシート5を備える。
対策支援サーバ1は、時間経過に応じてステータスが変化する異常状態の情報と、異常状態に対する対策の情報を保持し、表示装置2の表示対象のデータを、表示装置2に入力する。
表示装置2は、いわゆるプロジェクタであって、対策支援サーバ1から入力されたデータに基づいて、デジタルシート4に投影する。ここで、表示装置2は、テキストやグラフを投影しても良いし、静止画または動画を投影しても良い。本発明の実施の形態において表示装置2は、デジタルシート4に、地図を表示するとともに、担当者により収集された異常状態の情報や、担当者が意思決定した対策の情報を示す指示子、異常状態や対策の詳細情報などを表示する。本発明の実施の形態において、デジタルシート4に表示される、異常情報や対策を示す指示子に関する情報を、表示対象情報と称する。
デジタルペン3、デジタルシート4およびパレットシート5は、いわゆるタンジブルユーザインタフェースを実現する。図1に示す例では、デジタルペン3およびパレットシート5はそれぞれ一つ記載しているが、各担当者が利用できるように、複数のデジタルペン3およびパレットシート5が用意されても良い。
デジタルシート4には、例えば、対策支援サーバ1から入力されたデータに基づいて、表示装置2が投影した情報が表示される。デジタルシート4は、複数の担当者が視認することで、デジタルシート4に表示された異常状態や対策の情報が担当者間で共有される。
パレットシート5は、各担当者に異常状態や対策をデジタルシート4に表示させるために用いられる。パレットシート5には、担当者が入力する指示子やステータス等を入力するためのメニューが記載される。例えば、「帰宅困難者滞留情報」の入力において、パレットシート5には、「帰宅困難者滞留情報」を特定するための文字列や画像、「帰宅困難者滞留情報」の状態を担当者の手動で指定するための色指定画像、帰宅困難者数の入力用テンキーを、デジタルシート4に表示させるためのボタンや、手書き入力窓などが記載される。
ここで、デジタルシート4およびパレットシート5の所定位置に、各位置を特定する情報が、記載されたり埋め込まれたりしている。各位置を特定する情報は、デジタルシート4に投影される画像やパレットシート5に記載される文字や画像の視認を、阻害しない程度の大きさで記載される。位置を特定する情報は、位置を特定する数字、記号などの文字列や、絵でも良いし、位置を特定する文字列を、一次元バーコードまたは二次元バーコード等に変換したものであっても良い。
デジタルペン3の先に、カメラが設けられている。デジタルペン3は、このカメラで、デジタルシート4やパレットシート5に記載された位置を特定する情報を撮影して、読み取ることができる。読み取られた情報は、対策支援サーバ1に送信され、デジタルペン3が示した位置に表示された情報に変換され、処理される。
例えば、デジタルペン3を利用して、パレットシート5の「帰宅困難者滞留情報」を特定する情報が指し示され、その後、デジタルシート4の地図の所定位置が指し示される場合を想定する。デジタルペン3は、デジタルペン3が指し示した位置情報として、「帰宅困難者滞留情報」を特定する情報が表示されたパレットシート5上の位置を特定する情報と、デジタルシート4の地図の所定位置を特定する情報とを取得し、対策支援サーバ1に送信する。
対策支援サーバ1は、デジタルシート4に表示された情報とその位置を対応づけ、パレットシート5に記載された情報とその位置を対応づけるテーブルを保持している。対策支援サーバ1は、デジタルペン3が指し示した位置情報を取得すると、テーブルを参照して、デジタルペン3が指し示した情報を取得して、担当者の指示に変換する。具体的には対策支援サーバ1は、担当者の指示が、デジタルシート4の地図上の指し示された位置に、「帰宅困難者滞留情報」を示す指示子(アイコン)を表示する指示である、と判定する。対策支援サーバ1は、その指示を反映した地図データ、すなわち、デジタルペン3が指示した地図上の位置に、帰宅困難者滞留者情報を示す指示子T1、T2、…を表示するデータを生成して、表示装置2に入力する。表示装置2は、図2に示すように、対策支援サーバ1から入力されたデータ、すなわち地図上に「帰宅困難者滞留情報」を示す指示子T1、T2、…が表示された地図データを、表示する。
また対策支援システム9は、帰宅困難者滞留者情報を示す指示子T1、T2、…と同様に、火災の指示子F1、通行止めの指示子U1、避難所の指示子H1、H2、H3、避難経路L1、L2・・・・、各指示子のコメントCU1、CL1、…を表示する。
ここで、指示子は、異常状態や対策の種別が把握可能であればどのようなものでもよく、アイコン、矢印、領域等であっても良い。図2に示す例においては、帰宅困難者滞留情報の指示子T1、T2、火災の指示子F1、通行止めの指示子U1、避難所の指示子H1、H2、H3は、アイコンである。避難経路L1、L2は、矢印である。また図2には示さないが、例えば火災の延焼範囲など、広い範囲に及ぶ異常状態や対策等を、領域で表しても良い。
対策支援サーバ1は、担当者等によって指定された任意の範囲および縮尺で、地図データをデジタルシート4に表示するように制御する。対策支援サーバ1は、デジタルシート4に縮尺を指定するスケールを表示したり、デジタルペン3をタッチしながら動かしたりすることにより、担当者に縮尺や範囲を指定させても良い。またパレットシート5に縮尺や、町名などの表示範囲を記載することにより、担当者に縮尺や範囲を指定させても良い。担当者等が地図の縮尺や範囲を指定すると、その指定された条件に従って、地図をデジタルシート4に表示し、デジタルシート4上の座標と、地図における位置情報とを対応づけるテーブルを保持する。
このように、対策支援システム9は、異常状態が発生した際に、その異常状態に関して収集され入力された情報を、デジタルシート4に表示する。また対策支援システム9は、異常状態に対する対策が意思決定されると、その意思決定された対策の情報を、デジタルペン3、デジタルシート4およびパレットシート5を使って対策支援サーバ1に入力したり、デジタルシート4に表示したりする。またこの操作により、担当者は、対策支援サーバ1が保持する情報を更新したり、削除したりすることも可能である。
また図1に示す対策支援システム9は、1つの対策支援サーバ1と、表示装置2およびデジタルシート4を備える場合を説明したが、これに限られない。例えば、担当者が異なる地域の情報を視認できるように、1つの対策支援サーバ1に対して、複数の表示装置2およびデジタルシート4を備えても良い。また、各担当者がグループ毎にわかれて意思決定する場合、複数の拠点のそれぞれに、対策支援サーバ1、表示装置2およびデジタルシート4を備え、各拠点の対策支援サーバ1が同期して動作するように制御されても良い。
なお、本発明の実施の形態においては、デジタルシート4等を用いるタンジブルユーザインタフェースを用いる場合を説明するが、これに限られない。例えば、一般的なマウスやキーボード、マイク等の入力装置6により入力された情報を、本発明の実施の形態に係る対策支援サーバ1が処理して、一般的な表示装置2に表示しても良い。ここで、入力装置6および表示装置2は、個別の装置であっても良いし、タッチパネルのように一体化された装置であっても良い。また、本発明の実施の形態においては、対策支援サーバ1が処理した結果を表示装置2に表示する場合を説明するが、これに限られない。対策支援サーバ1は、指示子の追加や変更などのイベントに応じてスピーカーを介して音で通知するなど、表示装置2以外の出力装置(図示せず)も用いて、処理した結果を出力しても良い。
(対策支援サーバ)
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る対策支援サーバ1を説明する。対策支援サーバ1は、記憶装置10、処理制御装置20、および入出力インタフェース30等を備える一般的なコンピュータである。対策支援サーバ1は、一般的なコンピュータが所定の機能を実現するための対策支援プログラムを実行することにより、図3に示す各手段を実装する。
入出力インタフェース30は、対策支援サーバ1に指示を入力したり、対策支援サーバ1の処理結果を表示したりするためのインタフェースである。入出力インタフェース30は、図1を参照して説明した表示装置2およびデジタルペン3のみならず、一般的なコンピュータと同様に、キーボード、マウスなどの入力装置6に接続しても良い。また入出力インタフェース30は、USBメモリ等の記憶媒体7の読み書き装置として機能し、記憶媒体7のデータを読み出したり、記憶媒体7にデータを書き込んだりしても良い。
記憶装置10は、地図データ11、表示対象データ12、指示子定義データ14、装飾定義データ15およびステータス定義データ16を記憶する。
地図データ11は、異常状態が発生した場所や、対策を施す場所を特定するための地図のデータである。本発明の実施の形態において異常状態は地震災害を想定するので、地図データ11は、地震によって発生した火災や帰宅困難者の位置、火災を消火するための対策である消防車の移動ルートや、帰宅困難者の移動ルートなどの位置等の地図情報を含む。ここで、地図データ11は、異常状態の種類によっては、建物内部の見取り図などであっても良い。
表示対象データ12は、時間経過に応じてステータスが変化する異常状態の情報と、異常状態に対する対策の情報を保持する。表示対象データ12は、異常状態や対策の情報である表示対象情報として、担当者やセンサによって実際に入力された情報を含む。表示対象データ12の表示対象情報は、異常状態や対策に関する実測値を含む実測情報と、実測値から予測された予測値を含む予測情報とを含む。
異常状態の情報は、例えば、災害現場に配置された担当者またはセンサによる通知や、災害現場からの通報などにより特定された災害に関する情報のうち、特に、数値化または指標化が可能な情報である。異常状態の情報は、例えば、火災が発生した位置と火災による消失戸数、帰宅困難者の発生している位置と人数、避難所の位置と混雑度などについて、数値化または指標化された値の情報である。対策の情報としては、消防活動を指示した場所とその消火状況などについて、数値化または指標化された値の情報である。
なお本発明の実施の形態において、異常状態の情報と対策の情報は、明確に区別できるものではないとの前提で記載する。例えば、道路が一部損壊されている際にその道路の通行止めを指示した際、道路の通行止めに関する情報は、異常状態の情報でもあり、対策の情報でもある。また他の実施例において、表示対象データ12の各表示対象情報において、異常状態の情報と対策の情報とが明確に区別されても良い。
表示対象データ12は、例えば、図4に示すデータ構造およびデータの例を有する。表示対象データ12は、表示対象ID(表示対象を識別する識別子)、種別ID(表示対象の種別)、表示対象の位置、表示対象に対応するステータス、表示開始日時および表示終了日時(時間情報)を対応づけた表示対象情報を含む。
表示対象情報は、表示対象に対応するステータスとして、実測された実測値が対応づけられた実測情報を含む。また、本発明の実施の形態において、表示対象データ12の表示対象情報は、さらに、予測情報を含む場合を説明する。予測情報は、表示対象に対応するステータスとして、実測情報から予測された予測値を対応づけた情報である。図4に示す表示対象データ12は、実測情報R1およびR2を含み、予測情報P1a、P1bおよびP2aを含む。
ここで表示対象は、異常状態や異常状態に対する対策のうちのいずれかであり、個々の表示対象に対応する指示子に対応する。種別は、異常状態や異常状態に対する対策の種別であって、表示対象を表示する際に用いられる指示子の種別に対応する。図2に示す例において、表示対象IDは、指示子T1や指示子T2等であり、表示対象の種別IDは、指示子T1や指示子T2に用いられているアイコン、具体的には、複数の人が集合したアイコンの種別を特定する識別子である。
表示対象の位置は、異常状態が発生した位置や、対策が施された位置である。表示対象の位置は、対策支援システム9が特定可能であればどのように表記されても良い。表示対象の位置は、例えば、緯度経度などの絶対的な位置情報で特定されても良いし、対策支援システム9が支援する地域における相対的な位置情報でも良い。
ステータス、表示開始日時および表示終了日時は、表示開始日時および表示終了日時間における表示対象の状態を示す。表示対象データ12のステータス欄には、値と傾向が設定される。表示対象情報のうち実測情報の「値」欄には、実測値が設定され、予測情報の「値」欄には、予測値が設定される。「傾向」欄は、表示開始日時において、ステータスの値が上昇、下降または水平のいずれの傾向で推移しているかが対応づけられ、「傾向」は、表示対象が共通する実測情報の実測値に基づいて算出される。換言すると、ステータスの「傾向」欄には、実測情報または予測情報にかかわらず、実測値に基づいて予測される値の傾向が設定される。
実測情報のステータスの「値」に設定される実測値は、例えば、災害現場に配置された担当者またはセンサによる通知などによって取得された、異常状態や対策の状況である。異常状態のステータスは例えば、火事における延焼戸数や、地震等における帰宅困難者数、避難所の混雑度である。また対策の状況は、例えば、担当者が意思決定した対策の進捗状況であっても良い。対策の「値」は、例えば、救急車の配備を対策した際の救急車の状況については、現場で対応中や、病院へ搬送中などの救急車の作業の進捗状態である。また備蓄食料を割り当てる対策をした際、対策の「値」は、例えば、割り当てた食料の数に対する、避難所等に届けられた食料の数の割合である。
予測情報のステータスの「値」に設定される予測値は、同一の表示対象IDの実測値から予測される異常状態や対策の状況の値である。図4に示す予測情報P1aおよびP1bの予測値は、表示対象ID「ID−1」が共通する実測情報R1等の実測値に基づいて予測され、予測情報P1aおよびP1bが生成される。なお、図4に示す例においては、実測情報R1と、実測情報R1の表示開始日時よりも前の実測情報(図示せず)に基づいて、予測情報P1aおよびP1bが生成される。
表示対象データ12は、表示開始日時および表示終了日時の項目を有する。表示開始日時および表示終了日時は、当該指示子を表示する時間を特定する情報であって、現在時刻が表示開始日時および表示終了日時の間の場合に、この表示対象を地図上に表示するように制御される。また過去の状態を把握するために過去の時間が指定された等の場合、指定された過去の時間が表示開始日時および表示終了日時を満たす表示対象情報を、地図上に表示しても良い。表示対象情報(実測情報)の表示開始日時は、例えば、実測値が対策支援サーバ1に入力された時間に基づいて設定される。表示対象IDが共通する新たな表示対象情報(実測情報)が入力されると、この新たな表示対象情報の表示開始日時が、表示対象IDが共通する直近の表示対象情報の表示終了日時に設定される。
また図4に示す表示対象データ12はさらに、詳細情報および更新日時の各項目を備えても良い。詳細情報は、指示子に紐づけられる属性情報であって、例えば図2に示すように、コメントCU1やCL1などに記載される情報である。詳細情報は、テキスト、静止画、動画など、様々な形式のデータが紐づけられても良い。更新日時は、各表示対象情報が、表示対象データ12に挿入された時刻である。実測情報の「更新日時」欄には、その実測情報が表示対象データ12に挿入された日時が設定され、予測情報の「更新日時」欄には、予測情報を生成するトリガーとなった実測情報の更新日時と同じ日時が設定される。
さらに表示対象データ12は、図4の右端の「実測/予測」欄のように、表示対象データ12の各表示対象情報について、実測情報であるか予測情報であるかを示すフラグが、設けられても良い。
表示対象データ12において、共通する表示対象IDを有する実測情報および予測情報には相関がある。図4に示す例において、表示対象ID「ID−1」について、2016年3月1日9時10分に、実測値「325」が設定された表示対象情報R1が挿入される。表示対象情報R1の挿入と同時に、表示対象情報R1の実測値に基づいて将来のステータスの値が予測され、予測情報P1aおよびP1bが生成され、表示対象データ12に挿入される。具体的には、表示対象データ12に、表示対象ID「ID−1」の表示対象について、9時10分から9時20分に表示する実測値「325」が設定された実測情報R1と、9時20分から9時30分に表示する予測値「501」が設定された予測情報P1aと、9時30分以降に表示する予測値「701」が設定された予測情報P1bが挿入される。
このとき、表示対象データ12に、表示対象情報R1が挿入される前に挿入された予測情報が含まれる場合、表示対象情報R1が挿入される前に挿入された予測情報は、表示対象情報R1が挿入された後の表示対象として参照されないように制御される。例えば、表示対象情報R1が挿入される前に挿入された予測情報は、表示対象データ12から削除されたり、無効化されたりされる。
指示子定義データ14は、図5に示すように、種別IDとその指示子を対応づけたデータである。種別IDは、表示対象データ12における異常状態や対策を特定する「種別ID」に対応する。指示子定義データ14は、指示子として、アイコン、矢印、領域などが設定される。アイコンの絵または色、矢印の線種、色または矢尻の形状、領域内部の模様等に応じて、種々の表示対象の種別を特定することができるように、指示子定義データ14は設定される。
装飾定義データ15は、ステータスの区分、およびステータスの各区分における装飾を対応づけるデータである。本発明の実施の形態においては、後述のステータス定義データ16に示すように、ステータスの値(実測値および予測値)を5つの区分に分け、傾向を3つの区分に分けて、区分毎に、装飾が異なるように制御される。
装飾定義データ15は、図6に示すように、装飾種別、装飾および色を対応づけたデータである。本発明の実施の形態において、ステータスの値(実測値および予測値)は、指示子を囲う外枠の装飾で表現され、傾向は、矢印の装飾で表現される。
ここで、実測情報のステータスの「値」の装飾を施す際、指示子に施される外枠は、実測情報の値(実測値)の区分に対応する色で描画される。また予測情報のステータスの「値」に基づく指示子に外枠を施す場合、最新の実測値の区分に対応する色で描画される。具体的に、予測情報の「値」(予測値)に基づく指示子の外枠は、表示対象データ12の、予測情報と共通する表示対象IDを有する実測情報のうち、最新の更新日時が設定された実測情報の値(実測値)の区分に対応する色で、描画される。
またステータスとして、「傾向」の装飾を施す際、「上昇」は上向き矢印を、「水平」は、右向き矢印を、「下降」は、下向き矢印を付加する。この傾向の矢印の種別は、表示対象IDを共通する実績情報の実績値の推移に基づいて決定される。「傾向」の装飾は、実測情報に基づく指示子に付加する場合、実測値により特定されるステータス区分に対応する色で描画し、予測情報に基づく指示子に付加する場合、予測値により特定されるステータス区分に対応する色で描画しても良い。
このような装飾定義データ15によれば、指示子に施された装飾から、ステータスの値や傾向を視覚的に把握することができる。また、外枠と矢印とが同じ色で表現された指示子は、実測情報に基づくステータスを表現する。一方、外枠と矢印とが異なる色で表現された指示子は、実測した時とは異なるステータスのレンジに推移したと予測された予測情報に基づくステータスを、表現することがわかる。
ステータス定義データ16は、表示対象の種別と、表示対象の種別におけるステータスを区分する閾値とを対応づけたデータである。図7に示す例では、ステータス定義データ16は、ステータスを5つの区分に分類し、分類基準となる数値単位や、それぞれの区分の閾値を定義する。
なおステータス定義データ16における区分の閾値は、対策支援システム9を適用する自治体の規模や性質等によって、適宜設定される。
また、ステータス定義データ16において、各ステータスに対応する色も対応づけられてもよい。この色は、図6に示す装飾定義データ15の各装飾の色として参照される。例えば、図5ないし図7のデータに基づいて、所定の位置の帰宅困難者の滞留状況について、帰宅困難者が250人で増加傾向の場合、帰宅困難者のアイコン(指示子)に、緑色の外枠と、緑色の上矢印の装飾が施されたアイコンが、その所定の位置に表示される。
ここで、例えば、ステータス1は青、ステータス2は緑、ステータス3は橙、ステータス4は赤、ステータス5は紫など、ステータスが悪化するほど緊迫感の強い色に対応づけることにより、担当者は直感的にステータスを把握することができる。ほかの例としては、ステータス「1」などステータスが良好な場合ほど、密度の低いハッチングが施され、ステータス「5」などステータスが不良な場合ほど、密度の高いハッチングが施されても良い。なお、本発明の実施の形態においては、各ステータスをハッチングの濃さで表現する場合を説明する。
なお本発明の実施の形態において、図4ないし図7を参照して説明した表示対象データ12、指示子定義データ14、装飾定義データ15およびステータス定義データ16のデータ構造やデータは一例であって、これに限るものではない。本発明の実施の形態では、表示対象データ12が、実測値に基づく実測情報と、予測値に基づく予測情報を含む場合を説明したが、実測情報と予測情報を、実測情報データと予測情報データなど、のそれぞれ異なるデータで保持されても良い。
処理制御装置20は、表示手段21、指示子処理手段22、予測手段23およびグラフ表示手段24を備える。
表示手段21は、地図データ11に基づいて、地図をデジタルシート4に表示させるとともに、表示対象データ12に基づいて、指示子を重畳して表示させる。表示手段21は、地図や指示子のデータを表示装置2に入力し、表示装置2が、地図や指示子をデジタルシート4に投影することによって、担当者は地図や指示子を視認することができる。
表示手段21は、表示対象データ12を参照して、表示対象の種別ID(種別)に対応する指示子を、表示対象の位置に対応する座標に表示する。表示手段21は、表示対象データ12の各表示対象情報について、指示子定義データ14から、表示対象情報の種別IDに対応する指示子を取得して、表示対象情報の位置をデジタルシート4上の位置に変換して、変換された位置に指示子を表示する。
表示手段21が表示する指示子には、表示対象データ12の表示対象情報について、ステータス(入力されたステータス)に対応する装飾が付加される。付加される装飾は、指示子定義データ14、装飾定義データ15およびステータス定義データ16に基づいて、ステータスの値および傾向から、特定される。表示手段21は、表示対象データ12の種別IDに対応し、ステータスに対応する装飾が付加された指示子を、表示対象の位置に対応する座標に表示する。
具体的には、表示手段21は、表示対象データ12の種別IDに基づいて、指示子を特定する。さらに表示手段21は、表示対象データ12のステータスの「値」(実測値、または、予測情報の場合は直前の実測情報の実測値)に基づいて、ステータス定義データ16のステータス区分を特定する。表示手段21は、特定されたステータス区分に基づいて、装飾定義データ15から装飾形状を特定し、特定した装飾形状にステータス区分に対応する色を施した装飾を、指示子に追加する。さらに表示手段21は、表示対象データ12の表示対象情報のステータスの「傾向」に基づいて、装飾定義データ15から矢印の装飾形状を特定し、特定した装飾形状に、ステータスの「値」(実測値または予測値)の属するステータス区分に対応する色を施した装飾を、指示子に追加する。例えば実測値に基づくステータス区分が「2」で、傾向が「上昇」の場合、表示手段21は、指示子に、緑色の外枠と、緑色の上方向の矢印を追加して、表示する。
ここで表示手段21は、指示子を表示するタイミングで、ステータスに基づく装飾を動的に特定して表示する場合を説明したが、これに限られない。表示対象データ12に、表示対象情報や予測情報が挿入されたタイミングに、予め、各情報に対応する装飾が付加された指示子を作成しても良い。この場合表示手段21は、指示子に装飾を動的に付加することなく、予め作成された装飾付き指示子を、表示する。或いは、あらゆる装飾パターンが付加された指示子を予め作成し、表示手段21は、表示時に、ステータスに基づく装飾が付加された指示子を特定して表示しても良い。
ここで表示手段21は、任意の時間が指定されると、その指定された時間に対する状況を表示することができる。表示手段21は、表示対象データ12から、指定された時間に対応する表示対象情報に基づいて表示する。
表示手段21は、表示対象データ12の表示対象情報(実測情報および予測情報)から、指定された時間が、表示対象データ12の表示開始時間および表示終了時間内となる情報を抽出する。表示手段21は、抽出した情報に基づいて、指示子を表示する。抽出した情報が複数セットある場合、表示手段21は、各表示対象情報のステータスに従って、指示子を表示する。本発明の実施の形態において、ステータスの値に基づいて、指示子の外枠に装飾を施し、ステータスの傾向に基づいて、指示子の右側に矢印の装飾を施す場合を説明する。
なお、所定の表示対象IDについて、所定時間、実測値が更新されていない場合、表示手段21は、指示子に、実測値の更新を促すための装飾を付加して表示しても良い。例えば、指示子の外枠や矢印を点滅させたり、ステータスに対応しない色(灰色など)で、外枠や矢印を表示したり、更新が必要な旨を指示子に対応づけて表示しても良い。
ここで、所定時間、実測値が更新されているか否かは、適宜所定の方法で、担当者に通知される。例えば、所定の表示対象IDに関する実績情報のうち、最終の表示開始日時から所定時間経過した場合、表示手段21は、当該表示対象IDについて、所定時間実績値が更新されていないと判定して、実測値の更新を促すための装飾を付加しても良い。
また、本発明の実施の形態においては、外枠と矢印とが同じ色で表現されている場合、実測情報に基づくステータスが、外枠と矢印とが異なる色で表現されている場合、予測情報に基づくステータスが、それぞれ表現される。従って、外枠と矢印とが異なる色で表示されている場合、実測情報ではなく、実測した時とは異なるステータスのレンジに推移したと予測された予測情報に基づいて表示されていることを示す。従って、外枠と矢印とが異なる色で表示することが、実測値の更新を促すための装飾ともなりうる。
このような実施例においては、所定の表示対象について実測情報が一つしかない場合や、複数の実測情報があったとしてもこれらの実測値に変化がない場合、実測情報の実測値に対応する色の水平矢印が施され、実測値の更新を促すことができない。従って、実測情報または予測情報の最終の表示開始日時から所定時間経過した場合に、ステータスに対応しない色(灰色など)で、外枠や矢印を表示するなど、実測値の更新を促すための装飾を付加して表示しても良い。ステータスに対応しない色等の装飾を付加するタイミング(所定時間)は、表示対象の値の変化のしやすさ等を考慮して、各表示対象によって異なっても良い。
本発明の実施の形態においては、実測値の更新を促すための装飾を指定した予測情報を生成する場合を説明するが、これに限られない。例えば、表示対象データ12で指定する装飾に限らず、表示手段21が、所定時間、実測値が更新されていない表示対象IDの指示子について、更新を促すための装飾を付加して表示しても良い。
このように表示手段21は、異常状態や対策に関する表示対象情報に関する指示子に、ステータス毎の装飾を付加して表示することにより、担当者は、視覚的に異常状態や対策の状態を把握することができる。これにより担当者は、デジタルシートに表示された指示子を俯瞰的に観察することで、対象地域の状況を把握することができる。
また、表示手段21は、表示対象情報の過去のステータスのみならず、過去のステータスから予測されたステータスも、視覚的に表示することができる。従って表示手段21が、過去の時間から現在へと時間をずらしながら表示することにより、各指示子の増加または減少のみならず、各指示子のステータスの変化も容易に把握することができる。また表示手段21が、現在から将来の時間へと時間をずらしながら表示することにより、各指示子のステータスの変化を把握し、また、ステータスが、急激に変化するか、或いは緩やかに変化するかも把握することもできる。
図8を参照して、表示手段21による処理を説明する。図8は、現在の状態を表示する処理を説明する。
まずステップS1において表示手段21は、地図データ11を取得する。ここで、表示する地図の領域や縮尺が指定されている場合、表示手段21は、指定された領域および縮尺で表示するための地図の情報を取得する。次に、表示対象データ12の各表示対象情報(実測情報および予測情報)について、ステップS2ないしステップS7の処理を繰り返す。
ステップS2において表示手段21は、表示対象データ12の各表示対象情報の表示開始情報および表示終了情報と現在時刻とを比較して、現在時刻が表示時間内であるか否かを判定する。表示時間内でない場合、次の情報について、ステップS2の判定を行う。表示時間内である場合、ステップS3に進む。
ステップS3において表示手段21は、表示対象情報の種別IDから、識別子を特定し、ステップS4においてステータスの値からステータス区分を特定する。ステップS5において表示手段21は、ステップS4で特定したステータス区分から、指示子に追加する装飾を決定する。装飾は、ステータス区分に対応する色で描画される。このとき表示手段21は、ステータスの傾向も考慮して装飾を決定してもよい。
ステップS6において表示手段21は、ステップS3で特定された指示子に、ステップS7で特定された装飾を付加する。ステップS7において、表示対処情報の位置に基づいて、ステップS7で装飾が付加された指示子を生成する。
表示対象データ12の各表示対象情報についてステップS2からステップS7の処理が終了すると、ステップS8に進む。ステップS8において表示手段21は、ステップS1で取得した地図に、ステップS7で生成された指示子を重畳したデータを生成し、表示装置2に入力する。表示装置2はこのデータに基づいて、デジタルシート4に投射することにより、担当者は、現在における異常状態のステータスなどの情報と、異常状態に対する対策のステータスなどの情報を把握することができる。
表示手段21による表示処理は、定期的に実行されても良いし、デジタルペン3による入力など、表示対象に変化が生じた場合や所定のイベントが発生した場合に実行されても良い。
また、表示対象データ12に、実測情報や予測情報が挿入されたタイミングなどに、予め、各情報に対応する装飾が付加された指示子が作成されている場合、表示手段21は、予め作成された装飾付き指示子を、表示する。具体的には、図7に示すステップS4ないしステップS8の処理の代わりに、予め作成された装飾付き指示子のうち、各情報に対応する指示子を抽出する処理が実行される。
なお、図8に示す処理は、現在時刻に基づいて、現在の異常状態や対策の情報を表示する場合を説明したが、過去や未来についても同様に処理される。
指示子処理手段22は、担当者の操作によって、新たな指示子を登録したり、更新したりする指示が入力されると、表示対象データ12を更新する。
例えば、担当者がデジタルペン3で、パレットシート5上の指示子と、デジタルシート4上の所定位置を指し示した場合、新たな指示子の登録と更新と判断し、指示子処理手段22は、新たな表示対象IDを採番し、新たな表示対象情報を表示対象データ12に設定する。このとき表示対象情報の種別IDに、パレットシート5で指し示された指示子の種別IDが設定される。また表示開始日時および更新日時に、現在時刻が設定される。ここで担当者が、実測値や詳細情報を入力すると、入力された実測値および詳細情報が、表示対象情報に設定される。
また、担当者がデジタルペン3で、デジタルシート4上の指示子を指し示した場合、その指示子の実測値や詳細情報などの更新と判断し、実測値や詳細情報を表示するための画面を、デジタルシート4上に表示したり、パレットシート5から実測値や詳細情報が入力されたりするのを待機する。実測値や詳細情報が入力されると、指示子処理手段22は、入力された実測値や詳細情報に基づいて、表示対象データ12を更新する。
なお、上述する新たな表示対象情報の登録の操作や、表示対象情報の更新の操作は、一例であり、これに限られるものではない。また表示対象情報の登録または更新を指定するためのメニューをパレットシート5またはデジタルシート4に設け、登録および更新のいずれかがデジタルペン3で選択された際に、登録された処理をするように制御されても良い。あるいは、CSVファイル等に、新たに登録する表示対象情報や更新する表示対象情報を設定し、CSVファイルを対策支援サーバ1に読み取らせることにより、識別子の登録等をしても良い。このように、指示子の登録や、ステータスを更新する操作は、対策支援サーバ1が把握できれば、どのようなものでも良い。
本発明の実施の形態において、担当者が実測値を入力すると、指示子処理手段22は、ステータスの傾向を算出する。具体的には、指示子処理手段22は、入力された実測値の表示対象IDを特定し、表示対象データ12から特定した表示対象IDの過去の表示対象情報(実測情報)を取得する。指示子処理手段22は、過去の実測値と、新たに入力された実測値から、上昇、水平または下降の傾向を特定し、入力された実測値に、特定された傾向を対応づけた、新たな実測情報を生成して、生成した新たな実測情報を表示対象データ12に挿入して、表示対象データ12を更新する。
ここで、傾向は、どのように算出されても良い。例えば、直近の過去の実測値と新たに入力された実測値を比較して、差分が所定値以内なら水平、新たに入力された実測値の方が大きい場合は上昇、小さい場合は下降と認定されても良い。或いは、2以上の過去の実測値と新たに入力された実測値で、最小二乗法により予測直線を算出したり、多項式近似により予測曲線を算出したりして、予測直線や予測曲線の傾きによって、傾向を算出しても良い。
予測手段23は、指示子処理手段22において担当者がステータスの実測値を入力する等のタイミングで、入力されたステータスに基づいて、将来のステータスを予測する。予測手段23は、表示対象データ12に、新たな実測情報が登録されると、表示対象データ12から、新たな実測情報と、表示対象ID(表示対象の識別子)が同一の実測情報を抽出する。予測手段23は、抽出した実測情報と、新たな実測情報の実測値に基づいて、将来のステータスの値(予測値)を予測する。さらに予測手段23は、将来のステータスの予測値が、ステータスの各区分の閾値を超える時間情報を算出する。ステータスの各区分の閾値を超える時間情報が算出されると、予測手段23は、予測情報の予測されたステータスおよび時間情報の各項目として、算出された時間情報における予測値および算出された時間情報が対応づけられた予測情報を生成し、生成した予測情報を、表示対象データ12に挿入する。
本発明の実施の形態において、表示対象データ12の各予測情報は、実測値に基づいた実測情報が生成された際に生成される。これにより、担当者が、実測情報を登録または更新してすぐに、将来のステータスの予測を確認することができ、新たな対策の必要性や緊急性を確認することができる。また予測情報が生成された際、予測手段23は、生成された予測情報に対応する装飾が付加された指示子を作成し、記憶装置10に記憶しても良い。
ここで、予測手段23は、最高または最低ステータスの閾値に対応づけられる予測情報において、その表示終了時刻に、無制限の時間を設定される。具体的には、例えば表示対象データ12の予測情報P1bに示すように、表示終了日時欄に、空白の値が設定される。
図9ないし図13を参照して、予測手段23による予測処理を説明する。ここでは、表示対象IDがID−1の帰宅困難者滞留状況について説明する。また図9ないし図13に示す例において、実測値のプロットは実線で結ばれ、予測値のプロットは破線で結ばれる。
まず図9に示すように、10時に、表示対象ID「ID−1」の第1の表示対象情報D1が入力されるとする。第1の表示情報D1の実測値は、第1区分(0〜100人)に対応するとする。しかしながら、図9に示す例には、10時以前に表示対象ID「ID−1」の表示対象情報がなく、予測ができない。従って、第1の表示対象情報D1の表示終了時間として、表示開始時間から、この表示対象IDに対応して決定される一定時間経過後の時間を設定する。さらに予測手段23は、第1の表示対象情報Dの表示開始時間の一定時間経過後を表示開始時間とし、入力された表示対象情報(実測情報)の実測値と同じ実測値と、傾向「水平(有効期限切れ)」を、予測するステータスとして設定した予測情報を生成し、表示対象データ12に挿入する。このとき、この予測情報の表示終了日時には、無制限を示す値が設定される。この予測情報に基づいて、値を示す外枠は、入力された表示対象情報のうち、直近の実測情報の実測値に基づくステータスの色で表示され、傾向を示す矢印は、灰色などのステータスに対応しない色で表示される。
次に図10に示すように、10時20分に第2の表示対象情報D2が入力され、10時40分に、第3の表示情報D3が入力されるとする。第2の表示対象情報D2および第3の表示対象情報D3の各実測値は、第2区分(100〜300人)に対応するとする。第3の表示情報D3が入力されると予測手段23は、第2の表示対象情報D2と、第3の表示対象情報D3から、実測値の推移を推測する。ここで、第1の表示対象情報D1も参酌されても良い。
実測値の推移の推測においては、指示子処理手段22で説明した「傾向」の算出と同様に、どのように算出されても良い。直近の過去の実測値と新たに入力された実測値を連結して、予測直線を算出しても良い。或いは、2以上の過去の実測値と新たに入力された実測値で、最小二乗法により予測直線を算出したり、多項式近似により予測曲線を算出したりしても良い。
予測手段23は、算出した予測直線に基づいて、第3区分(300〜500人)の閾値(下限値の300人)を超える時間、第4区分(500〜700人)の閾値(下限値の500人)を超える時間、および第5区分(700人〜)の閾値(下限値の700人)を超える時間を算出する。予測手段23は、算出された時間とその閾値(ステータスの実測値)とを対応づけて、予測情報を生成する。このとき予測手段23は、予測直線または予測曲線の傾きに応じて、ステータスの傾向を設定しても良い。
図11に示す例は、第1ないし第5の表示対象情報D1ないしD5が入力された場合を示す。第4の表示対象情報D4の実測値は、第3区分(300人〜500人)に対応し、および第5の表示対象情報D5の各実測値は、第4区分(500〜700人)に対応するとする。第5の表示情報D5が入力されると予測手段23は、第5区分(700人〜)の閾値(下限値の700人)を超える時間を算出し、予測情報を生成する。図11に示すグラフは、図10に示すグラフに比べて、より早い時間に第5区分(700人〜)の閾値(700人)を超えていることがわかり、急激に滞留人数が増加していることがわかる。
図12に示す例は、第1ないし第8の表示対象情報D1ないしD8が入力された場合を示す。第7の表示対象情報D7および第8の表示対象情報D8の各実測値は、第4区分(500〜700人)に対応する同一の値であるとする、この2情報に基づいて推測された場合、図12に示すように、12時40分以降は、予測直線は水平になる。この場合、予測手段23は、12時40分から所定時間後に、表示終了時刻が無期限となり、傾向が「水平(有効期限切れ)」となる予測情報を生成し、表示対象データ12に挿入する。この予測情報に基づいて、値を示す外枠は、直前の実測値に基づくステータスの色で表示され、傾向を示す矢印は、灰色などのステータスに対応しない色で表示される。
図13に示す例は、第1ないし第9の表示対象情報D1ないしD9が入力された場合を示す。第9の表示対象情報の実測値は、第4区分(500〜700人)に対応し、第8の表示対象情報の実測値よりも低いとする。この2情報に基づいて推測された場合、図13に示すように、13時20分以降は、予測直線は右下がりになる。この場合、予測手段23は、第3区分(300〜500人)の閾値(上限値の500人)を超える、すなわち、500人以下になる時間を算出する。予測手段23は、算出された時間とその閾値(ステータスの実測値)とを対応づけて、予測情報を生成する。このとき予測手段23は、予測直線または予測曲線の傾きに応じて、ステータスの傾向を設定しても良い。
グラフ表示手段24は、担当者により特定された所定の表示対象情報について、表示対象データ12から、ステータスを取得し、図9ないし図13に示すグラフを、デジタルシート4などに表示しても良い。
この場合、グラフ表示手段24は、担当者により特定された表示対象情報の表示対象IDを特定する。グラフ表示手段24は、表示対象データ12から、特定された表示対象IDと共通する表示対象IDを有する実測情報および予測情報を取得する。
グラフ表示手段24は、取得した表示対象情報および予測情報に基づいて、図9ないし図13に示すように、グラフにプロットする。この際、表示手段21で説明したように、表示対象情報または予測情報の種別IDに対応する指示子に、ステータスに対応する装飾を付加したアイコンをプロットしても良い。また、縦軸には、ステータス定義データ16の「数値単位」を、横軸には、時間情報を設定し、縦軸に、ステータス区分に応じた指示子を表記しても良い。また図9ないし図13に示すグラフにおいて、滞留人数が100人までの水平方向の領域を青色の背景に、100人から300人までの水平方向の領域を緑色の背景にするなど、図7のステータス定義データ16で設定した各ステータス区分の色で表示しても良い。グラフ表示手段24は、実測値のプロットを実線で結び、予測値のプロットを破線で結んでも良い。
このように本発明の実施の形態に係る対策支援システム9は、指示子に、指示子のステータスの実測値や、実測値の傾向を示す装飾を施すことにより、面倒な操作を経ることなく、担当者は指示子の状況を視覚的に確認することができる。これにより、早急な対策が求められる異常状態や、進捗が芳しくない対策などを、適切に把握して、更なる対策を講じることができる。
このように本発明の実施の形態に係る対策支援システム9によれば、各オペレータが適切に意思決定できるように支援することができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施の形態に記載した対策支援サーバ1は、図3に示すように一つのハードウエア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウエア上に構成されても良い。また、既存の情報処理システム上に実現されても良い。
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1 対策支援サーバ
2 表示装置
3 デジタルペン
4 デジタルシート
5 パレットシート
6 入力装置
7 記憶媒体
9 対策支援システム
10 記憶装置
11 地図データ
12 表示対象データ
13 予測データ
14 指示子定義データ
15 装飾定義データ
16 ステータス定義データ
20 処理制御装置
21 表示手段
22 指示子処理手段
23 予測手段
24 グラフ表示手段
ここで、予測手段23は、最高または最低ステータスの閾値に対応づけられる予測情報において、その表示終了日時に、無制限の時間を設定される。具体的には、例えば表示対象データ12の予測情報P1bに示すように、表示終了日時欄に、空白の値が設定される。
図12に示す例は、第1ないし第8の表示対象情報D1ないしD8が入力された場合を示す。第7の表示対象情報D7および第8の表示対象情報D8の各実測値は、第4区分(500〜700人)に対応する同一の値であるとする、この2情報に基づいて推測された場合、図12に示すように、12時40分以降は、予測直線は水平になる。この場合、予測手段23は、12時40分から所定時間後に、表示終了日時が無期限となり、傾向が「水平(有効期限切れ)」となる予測情報を生成し、表示対象データ12に挿入する。この予測情報に基づいて、値を示す外枠は、直前の実測値に基づくステータスの色で表示され、傾向を示す矢印は、灰色などのステータスに対応しない色で表示される。

Claims (7)

  1. 時間経過に応じてステータスが変化する異常状態の情報と、前記異常状態に対する対策の情報を表示する対策支援サーバにおいて、
    前記異常状態および前記異常状態に対する対策を含む表示対象を識別する識別子、前記表示対象の種別、前記異常状態が発生した位置または前記対策が施された位置である前記表示対象の位置、前記表示対象に対応するステータスおよび時間情報を対応づけた表示対象情報を含む表示対象データを記憶する記憶装置と、
    前記表示対象の種別に対応する指示子を、前記表示対象の位置に対応する座標に表示する表示手段
    を備え、
    前記表示手段が表示する指示子には、前記ステータスに対応する装飾が付加されることを特徴とする対策支援サーバ。
  2. 前記記憶装置は、さらに、
    前記ステータスの区分、および前記ステータスの各区分における装飾を対応づけた装飾定義データを記憶し、
    前記表示手段が表示する指示子には、前記装飾定義データに基づいて、前記表示対象データのステータスが属する区分に対応する装飾が付加される
    ことを特徴とする請求項1に記載の対策支援サーバ。
  3. 前記表示対象データの表示対象情報は、前記表示対象に対応するステータスとして、実測された実測値が対応づけられた実測情報を含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の対策支援サーバ。
  4. 前記表示対象データの表示対象情報は、さらに、前記表示対象に対応するステータスとして、前記実測情報から予測された予測値を対応づけた予測情報を含み、
    前記表示対象データに、新たな実測情報が登録されると、前記表示対象データから、前記新たな実測情報と前記表示対象の識別子が同一の実測情報を抽出し、抽出した前記実測情報と前記新たな実測情報の前記実測値に基づく予測値が、前記ステータスの各区分の閾値を超える時間情報を算出し、
    前記予測情報の前記予測されたステータスおよび時間情報として、前記算出された時間情報における前記予測値および前記算出された時間情報が対応づけられた前記予測情報を、生成し、生成した予測情報を前記表示対象データに挿入する
    ことを特徴とする請求項3に記載の対策支援サーバ。
  5. 前記記憶装置はさらに、
    前記表示対象の種別と、前記表示対象の種別におけるステータスを区分する閾値とを対応づけたステータス定義データを記憶する
    ことを特徴とする請求項2に記載の対策支援サーバ。
  6. 時間経過に応じてステータスが変化する異常状態の情報と、前記異常状態に対する対策の情報を表示する対策支援サーバに用いられる対策支援方法であって、
    前記対策支援サーバが、前記異常状態および前記異常状態に対する対策を含む表示対象を識別する識別子、前記表示対象の種別、前記異常状態が発生した位置または前記対策が施された位置である前記表示対象の位置、前記表示対象に対応するステータスおよび時間情報を対応づけた表示対象情報を含む表示対象データを記憶するステップと、
    前記対策支援サーバが、前記表示対象の種別に対応する指示子を、前記表示対象の位置に対応する座標に表示するステップ
    を備え、
    前記表示手段が表示する指示子には、前記入力されたステータスに対応する装飾が付加されることを特徴とする対策支援方法。
  7. コンピュータを、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の対策支援サーバとして機能させるための対策支援プログラム。
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