JP6818510B2 - 柱梁接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼製の柱に鋼製の梁を接合する柱梁接合構造に関する。
鋼製の柱に鋼製の梁を接合する一般的な柱梁接合構造として、例えば、特許文献1に示すような、通しダイアフラムを用いた柱梁接合構造が挙げられる。
この柱梁接合構造では、角形鋼管からなる鋼製の柱に設けられた通しダイアフラムの端面に、H形鋼からなる鋼製の梁のフランジの端面を突合せ溶接により接合している。
しかし、鋼製の柱に鋼製の梁を接合するために突合せ溶接を行わなければならないので、溶接手間が掛かってしまう。
特開2013−7194号公報
本発明は係る事実を考慮し、鋼製の柱に鋼製の梁を接合するための溶接手間を低減することを課題とする。
第1態様の発明は、直交する柱面を備える鋼製の柱部材と、前記直交する柱面のそれぞれに隅肉溶接された状態の一対の鋼製のブラケット部材と、前記一対の鋼製のブラケット部材のそれぞれの端面に端面が対向するように配置された一対の鋼製の梁部材と、前記柱部材の外周に配置され、前記一対の鋼製のブラケット部材及び前記一対の鋼製の梁部材をつなぐ接合プレートと、を有する柱梁接合構造である。
第1態様の発明では、一対のブラケット部材及び一対の梁部材を、柱部材の外周に配置された接合プレートでつなぐことによって、鋼製の柱部材に鋼製の梁部材を接合することができる。
また、柱部材の柱面にブラケット部材を隅肉溶接するので、柱部材に梁部材を開先溶接するのと比べて、溶接手間を低減することができる。
さらに、一対の梁部材のうちの一方の梁部材に発生する曲げモーメントに起因してこの梁部材に生じる引張力は、一対のブラケット部材により負担される。よって、一対の梁部材のうちの一方の梁部材に生じる引張力は、一対のブラケット部材を柱部材の柱面に接合する多くの隅肉溶接部によって柱部材へ伝達することができる。
第2態様の発明は、第1態様の柱梁接合構造において、前記ブラケット部材及び前記梁部材は、H形鋼により構成されている。
第2態様の発明では、H形鋼により構成された梁部材を柱部材に接合することができる。
本発明は上記構成としたので、鋼製の柱に鋼製の梁を接合するための溶接手間を低減することができる。
本発明の実施形態に係る柱梁接合構造を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る柱梁接合構造を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る柱梁接合構造を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る柱部材の柱面に接合されたブラケット部材を示す正面図である。 本発明の実施形態に係る柱梁接合構造の施工手順を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る柱梁接合構造の施工手順を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る柱梁接合構造の施工手順を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る柱梁接合構造の施工手順を示す斜視図である。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の実施形態に係る柱梁接合構造について説明する。
図1の斜視図、図2の正面図、及び図3の平面図に示すように、本実施形態の柱梁接合構造10は、柱部材12と、ブラケット部材14と、梁部材16と、接合プレート18とを有して構成され、柱部材12に梁部材16を接合している。柱部材12は、鋼製の角形鋼管によって構成され、略直交する柱面20を備えている。
ブラケット部材14は、鋼製のH形鋼によって構成され、平面視にて柱部材12から四方へ張り出すようにして設けられている。図4の正面図に示すように、ブラケット部材14は、柱部材12の柱面20に隅肉溶接によって(隅肉溶接部22、24を介して)接合されている。すなわち、隣り合う一対のブラケット部材14が、直交する柱面20のそれぞれに隅肉溶接された状態となっている。
図1、図2及び図3に示すように、梁部材16は、鋼製のH形鋼によって構成され、ブラケット部材14の端面と梁部材16の端面が対向するように配置されている。すなわち、隣り合う一対の梁部材16は、隣り合う一対のブラケット部材14のそれぞれの端面に梁部材16の端面が対向するようにして配置されている。端面同士が対向するように配置されたブラケット部材14と梁部材16のウェブ同士は、スプライスプレート26を用いてボルト28及びナット30によりボルト接合されている。
ブラケット部材14の上フランジと梁部材16端部の上フランジとの上下、及びブラケット部材14の下フランジと梁部材16端部の下フランジとの上下には、略三角形状の鋼製の接合プレート18が配置されている。接合プレート18は、柱部材12の外周に(本例では、平面視にて柱部材12の1つのコーナー部に沿って)配置され、接合プレート18と柱部材12とは接合されていない。なお、接合プレート18と柱部材12とは、溶接等によって接合されていてもよい。
また、接合プレート18は、隣り合う一対のブラケット部材14、及びこの一対のブラケット部材14にそれぞれ接合された一対の梁部材16と、ボルト28及びナット30によって接合されている。これにより、接合プレート18は、隣り合う一対のブラケット部材14、及びこの一対のブラケット部材14にそれぞれ接合された一対の梁部材16を力伝達可能につないでいる。
柱梁接合構造10を用いて柱部材12に梁部材16を接合する柱梁接合方法の施工手順の一例としては、まず、図5の斜視図に示すように、柱部材12を所定の位置に建て込む。柱部材12の柱面20には、工場で予めブラケット部材14が隅肉溶接によって(隅肉溶接部22、24を介して)接合されている。なお、ブラケット部材14は、現場の加工ヤードで柱部材12に接合してもよいし、柱部材12を建て込んだ後に柱部材12に接合してもよい。
次に、図6及び図7の斜視図に示すように、ブラケット部材14の端面と梁部材16の端面が対向するように梁部材16を配置した後に、ブラケット部材14と梁部材16とのウェブ同士をスプライスプレート26を用いてボルト接合することにより、ブラケット部材14に梁部材16を接合する。
次に、図8の斜視図に示すように、隣り合う一対のブラケット部材14、及びこの一対のブラケット部材14にそれぞれ接合された一対の梁部材16と、接合プレート18とを、ボルト28及びナット30によって接合し、隣り合う一対のブラケット部材14、及びこの一対のブラケット部材14にそれぞれ接合された一対の梁部材16を接合プレート18により力伝達可能につなぐ。これによって、図1に示すように、柱部材12に梁部材16が接合された柱梁接合構造10が構築される。
次に、本発明の実施形態に係る柱梁接合構造の作用と効果について説明する。
本実施形態の柱梁接合構造10では、図1、図2及び図3に示すように、一対のブラケット部材14及び一対の梁部材16を、柱部材12の外周に配置された接合プレート18でつなぐことによって、鋼製の柱部材12に鋼製の梁部材16を接合することができる。
また、本実施形態の柱梁接合構造10では、図4に示すように、柱部材12の柱面20にブラケット部材14を隅肉溶接するので、柱部材12に梁部材16を開先溶接するのと比べて、溶接手間を低減することができる。開先溶接には熟練工が必要となるので、隅肉溶接によって柱部材12に梁部材16を接合できることは、作業員確保の上でも有効となる。
さらに、本実施形態の柱梁接合構造10では、図1、図2及び図3に示すように、一対の梁部材16のうちの一方の梁部材16に発生する曲げモーメントに起因してこの梁部材16に生じる引張力は、一対のブラケット部材14により負担される。よって、一対の梁部材16のうちの一方の梁部材16に生じる引張力は、一対のブラケット部材14を柱部材12の柱面20に接合する多くの隅肉溶接部22、24によって柱部材12へ伝達することができる。
さらに、本実施形態の柱梁接合構造10では、図1、図2及び図3に示すように、H形鋼により構成された梁部材16を柱部材12に接合することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本実施形態では、図1に示すように、柱部材12を鋼製の角形鋼管によって構成した例を示したが、柱部材12は、直交する柱面を備える鋼製の部材であればよい。例えば、柱部材12を、平面視にて断面が十字状となるようにT形鋼を配置して一体化した部材としてもよい。
また、本実施形態では、図5及び図7に示すように、ブラケット部材14及び梁部材16を鋼製のH形鋼によって構成した例を示したが、ブラケット部材14及び梁部材16は、鋼製の部材であればよい。例えば、ブラケット部材14及び梁部材16を角形鋼管によって構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 柱梁接合構造
12 柱部材
14 ブラケット部材
16 梁部材
18 接合プレート
20 柱面

Claims (2)

  1. 直交する柱面を備える鋼製の柱部材と、
    前記直交する柱面それぞれ隅肉溶接された状態の隣り合う一対の鋼製のブラケット部材と、
    前記一対の鋼製のブラケット部材のそれぞれの端面に端面が対向するように配置された隣り合う一対の鋼製の梁部材と、
    前記柱部材の外周へ、前記一対の鋼製のブラケット部材間、及び前記一対の鋼製の梁部材間に跨って配置されて前記一対の鋼製のブラケット部材同士、及び前記一対の鋼製の梁部材同士をつなぐとともに、対向配置された前記鋼製のブラケット部材と前記鋼製の梁部材とをつなぐ接合プレートと、
    を有する柱梁接合構造。
  2. 直交する柱面を備える鋼製の柱部材と、
    前記直交する柱面のそれぞれに隅肉溶接された状態の一対の鋼製のブラケット部材と、
    前記一対の鋼製のブラケット部材のそれぞれの端面に端面が対向するように配置された一対の鋼製の梁部材と、
    前記柱部材の外周に配置され、前記一対の鋼製のブラケット部材及び前記一対の鋼製の梁部材をつなぐ接合プレートと、
    を有し、
    前記ブラケット部材及び前記梁部材は、H形鋼により構成されている柱梁接合構造。
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