JP2005054394A - 柱と梁の接合構造及びその接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の柱と梁の接合構造1は、柱2に環装された上側及び下側外ダイヤフラム7,8と、ウェブ6が接合されるガセットプレート10と、上側外ダイヤフラム7に形成された切り欠き部9と、上フランジ用スプライスプレート11と、を備えた構成を有する。本発明の柱と梁の接合方法は、梁3を切り欠き部9の上方から鉛直方向に下降させ切り欠き部9を通過させて落とし込む落とし込み工程と、下側外ダイヤフラム8と梁3の下フランジ5とをボルトにより仮固定する仮固定工程と、を備えた構成を有する。
【選択図】 図1
Description
また、外ダイヤフラムを用いた工法は、中央部に柱と同形状の孔部を有する平板状の2枚の外ダイヤフラムを用い、外ダイヤフラムを柱の梁の接合部分に上下に各々環装して溶接等により接合しておき、この上下一対の外ダイヤフラムの側縁部に通しダイヤフラムの工法と同様にして梁を接合するものである。
通しダイヤフラムを用いた工法としては、特許文献1に「柱体に取り付けた通しダイヤフラムの張り出し部に上フランジの所定の寸法に合わせて切り欠いた切り欠き部を形成し、切り欠き部の内周端面と梁部材の上フランジの端部の外周端面とを溶接することにより接合すると共に、梁部材の下フランジの端部の下面をブラケットの上面に当接して重ね隅肉溶接し、さらにこのブラケットを柱体に溶接して接合した鉄骨構造物の接合構造」が開示されている。
外ダイヤフラムを用いた工法としては、特許文献2に「鋼管柱に、フランジ及びウェブを備えてなる鉄骨梁を接合する柱梁仕口部において、鋼管柱の断面外形と略同形状の貫通孔を有し単板でなる上下ダイヤフラムを鋼管柱に挿通し、両者を断続溶接又は部分溶け込み溶接し、鉄骨梁の上フランジの端部を切り欠き、下フランジの端部を下側ダイヤフラムの上に乗せ、切り欠いた上フランジの端面が上側ダイヤフラムと対向して突き合わされるように配設し、両者の上面に跨ってスプライスプレートを渡し、ボルト止めにより上下のダイヤフラムと鉄骨梁の上下フランジとを固定する鋼管柱と鉄骨梁との接合方法」が開示されている。
(1)特許文献1の鉄骨構造物の接合構造では、ガセットプレートと梁部材のウェブとを重ね合わせて接合するために、ガセットプレートが柱体の外壁から大きく突出しているので、梁部材の端部が切り欠き部を通過する際にガセットプレートが邪魔になって梁部材を真上から鉛直方向に下降させることができず、ガセットプレートを避けるようにして水平方向や斜め上方向等から挿入しなければならず作業性に欠けるという課題を有していた。
(2)また、切り欠き部の内周端面と梁部材の上フランジの端部の外周端面とを溶接により接合するため、突合せ部分の開先を形成する必要があると共に、切り欠き部に上フランジを隙間をあけないように精度よく突合せる必要があり、高い加工精度が必要になり、多大な加工費や時間、手間等がかかり省コスト性及び省力性に欠けるという課題を有していた。
(3)さらに、現場において溶接するので、天候により作業が行えない場合があると共に梁部材をクレーンで吊った状態で溶接作業を行うため危険を伴い種々の制約や注意が必要であるので作業が煩雑であり施工作業性に欠けるという課題を有していた。
(4)切り欠き部の内周端面と梁部材の上フランジの端部の外周端面とを溶接により接合するため、切り欠き部が上フランジと同寸法となり、切り欠き部に上フランジと同寸法の下フランジを通過させる際に正確な位置で下降させる必要があり、少しでも梁部材が傾くと通過できなくなったり下フランジが通しダイヤフラムに接触して傷が入ったりするため、作業が煩雑になり施工作業性に欠けるという課題を有していた。
(5)柱体を2箇所で切断すると共に、通しダイヤフラムを柱に突合せ溶接しているので、印加応力の大きい仕口部に溶接を集中させることになり、多量の溶接熱が局所的に加えられ、母材の組織が変化し強度が著しく低下する虞があり安全性に欠けるという課題を有していた。
(6)通しダイヤフラムと上フランジ及びブラケットと下フランジを溶接で接合するので、通しダイヤフラムや梁部材、ブラケットとして防食等のためのめっき加工した鋼材を用いた場合は、そのめっきを剥がしてから溶接を行わなければならず、施工作業性に著しく欠けるという課題を有していた。また、現場溶接部分のみをめっき加工していない鋼材を用いた場合であっても、めっき加工不良で溶接部分にも部分的にめっきされている場合があり、この場合、溶接不良が発生したり溶接不良を防ぐために完全にめっきを剥がす処理等を行ったりして、施工作業性に著しく欠けるという課題を有していた。
(7)特許文献2の鋼管柱と鉄骨梁との接合方法では、下側のダイヤフラムに鉄骨梁の下側フランジを載せる際に、上方から鉛直方向に下降させることができず、水平方向から挿入して載せなければならないため、クレーンで吊るした鉄骨梁をクレーンを操作して複雑に移動させる必要があり作業が煩雑で施工作業性に欠けるという課題を有していた。
(8)また、上フランジの端面と上側ダイヤフラムの端面とを対向して突き合わせるために、鉄骨梁の短部の上フランジに切り欠き部を形成しているので、上フランジの切り欠き部の加工作業が煩雑で作業性に欠けると共に鉄骨梁の加工費がかかりコストが増大するという課題を有していた。
(9)従来の通しダイヤフラムを用いた工法では、柱の切断部分に各々通しダイヤフラムを配設して溶接により各々接合すると共に、柱に接合した通しダイヤフラムにブラケットとなる短尺の梁を接合しているので、溶接長さが長く工場における作業に手間がかかり生産性に欠け、また、柱にブラケットが接合されるので大型になり重量も大きくなり保管にスペースを大きくとると共に工場から現場への搬送性に欠けるという課題を有していた。
また、本発明は、上記従来の課題を解決するもので、梁を上方から鉛直方向に下降させ切り欠き部を通過させて落とし込むだけで柱間に梁を横架でき、ボルトにより仮止めするだけで梁の架け渡し作業を行うことができるので、施工作業が極めて容易で、且つ複数の梁を短時間で架け渡すことができ、施工作業性に優れる柱と梁の接合方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の柱と梁の接合構造は、鉄骨構造物の仕口部における鋼管柱等の柱とH形鋼等の梁の接合構造であって、前記柱に環装され前記梁が接合される上下一対の平板状の上側外ダイヤフラム及び下側外ダイヤフラムと、前記上側外ダイヤフラムと前記下側外ダイヤフラムとの間の前記柱の外壁に立設され前記梁のウェブが接合されるガセットプレートと、前記上側外ダイヤフラムの前記梁の接合部に前記柱の外壁から前記ガセットプレートの突出長さ以上の距離を有して前記上側外ダイヤフラムに切り欠き形成され前記梁の上フランジが嵌入する切り欠き部と、前記切り欠き部上に前記上側外ダイヤフラムと前記梁の上フランジとに跨るように覆設され前記上側外ダイヤフラムと前記上フランジの各々にボルト止めされ各々を接合する上フランジ用スプライスプレートと、を備えた構成を有している。
(1)下側外ダイヤフラムに梁の端部を載置し、上側外ダイヤフラムと上フランジを上フランジ用スプライスプレートを介してボルト止めにより接合し、ガセットプレートと梁のウェブをスプライスプレート等を介してボルト止め等により接合し、さらに下側外ダイヤフラムと下フランジを直接ボルト止めにより接合することにより、柱と梁を接合することができ、強度の高い柱と梁の接合構造が得られる。
(2)上側及び下側外ダイヤフラムを介して梁を柱に接合しているので、従来必要であった梁の接合部の突合せ溶接が不要であり、非破壊検査を要さず、目視検査のみで品質を保証できると共に、熟練を要さず生産性に優れる。
(3)下側外ダイヤフラムに梁の端部を載置する際に、クレーン等で吊るした梁を上側外ダイヤフラムの上方から鉛直方向に下降させ、上側外ダイヤフラムに形成された切り欠き部に梁の端部を通過させて落とし込むことができる。
(4)切り欠き部を通して落とし込んだ梁の端部が下側外ダイヤフラム上に載置され支持されるので、施工作業時に載置した梁を柱や上側及び下側外ダイヤフラム等に仮止めするだけで梁の架け渡し作業を迅速に次々と行うことができ現場での施工作業性に優れる。
(5)上側外ダイヤフラムに切り欠き部が柱の外壁からガセットプレートの突出長さ以上の距離を有して形成されているので、梁の落とし込みの際に梁の端部がガセットプレートに接触することがなく、落とし込みを容易に行うことができる。
(6)上フランジ用スプライスプレートを介してボルト止めにより接合するため、現場において溶接を行うことがないので天候等に関わらず作業を行え、且つ溶接作業に比べて安全に作業を行うことができるので、現場での施工作業性に優れる。
(7)現場施工時に溶接を行うことがないので、熟練を要さず生産性に優れると共に、梁として防食めっき等のめっき加工された鋼材を用いた場合であっても、めっきを完全に剥がす作業等を行うことがなく、そのままボルト止めにより接合することができ、施工作業性に優れる。なお、柱は上側及び下側外ダイヤフラムを接合した後全体にめっき加工を行うことにより、めっきを剥がす作業等を行うことがなく、施工作業性に優れる。
(8)工場においては柱に外ダイヤフラムとガセットプレートを溶接するだけなので、製造が容易で省コスト性に優れると共に、柱から突出する部分が少なく、その突出長さも従来のブラケット方式等と比較して短いのでコンパクトで省スペース性に優れ、搬送も容易で搬送性に優れる。
上側及び下側外ダイヤフラムは平板状に形成された鋼板が用いられ、中央部に柱が挿通する孔部が形成された所定形状により形成されたものが用いられる。上側及び下側外ダイヤフラムの平面形状としては、正方形状や正方形の平板の角部を切り落とした八角形状、八角形の4つの斜辺をV字形状に切り込んだ鈍角を有する十二角形状等の多角形状が用いられる。なお、上側及び下側外ダイヤフラムとしては、分割された鋼板を組み合わせてスプライスプレート等により接合して外ダイヤフラムとする分割型のものを用いることもできる。
切り欠き部は上側外ダイヤフラムの梁が接合される位置に対応して、上側外ダイヤフラムの外周縁部から中心側に向かって切り込まれた略矩形状等の形状に形成されている。なお、切り欠き部は梁の端部と略同形状に形成され、且つ梁の上フランジが嵌入されるように上フランジの幅より大きな幅で形成されることが好ましい。これにより、梁の端部が切り欠き部を通過させる作業を容易に且つ迅速に行うことができる。
また、上側外ダイヤフラムと下側外ダイヤフラムは、柱の外壁に溶接により接合することができるが、特に隅肉溶接を用いることが好ましい。これにより、非破壊検査を要さず、目視検査のみで品質を保証でき、熟練を要さず生産性に優れる。
上側外ダイヤフラムと下側外ダイヤフラムは、柱の長さ方向に上下に所定間隔を有して配設される。上側外ダイヤフラムと下側外ダイヤフラムの所定間隔としては、梁の端部を切り欠き部を通して落とし込んで下側外ダイヤフラムの上面に載置した際に上側外ダイヤフラムの上面と上フランジの上面とが面一となるような間隔を用いることが好ましい。これにより、上フランジ用スプライスプレートを切り欠き部上に上側外ダイヤフラムと梁の上フランジとに跨るように各々に密着させて覆設することができ、上フランジ用スプライスプレートをボルトにより各々にボルト止めして強固に接合することができる。
ガセットプレートは略矩形状等の平板状の鋼材等により形成され、上側外ダイヤフラムと下側外ダイヤフラムの間の柱の外壁に、柱の長さ方向と同方向に立設される。なお、ガセットプレートも上側外ダイヤフラムと下側外ダイヤフラムと同様に柱の外壁に隅肉溶接により接合されることが好ましい。なお、ガセットプレートの上下方向の長さは穿設されるボルト挿通孔、すなわちウェブの接合に用いられるボルトを取り付ける本数により適宜設定され、その上下部は上側外ダイヤフラム、下側外ダイヤフラムに当接するようにしてもよく、当接しないようにしてもよい。
また、ガセットプレートの柱の外壁からの突出長さは、柱の外壁から切り欠き部の縁部までの長さと略同一或いはそれより短く形成される。或いは、切り欠き部の縁部から柱の外壁までの距離が、ガセットプレートの突出長さ以上の距離を有するように切り欠き部が形成される。すなわち、梁の端部を切り欠き部を通して落とし込む際に、梁の端部がガセットプレートに接触しないように、ガセットプレートの柱からの突出長さ及び切り欠き部の大きさが設定される。
上フランジ用スプライスプレートとしては、略矩形状の平板状の鋼材等が用いられる。なお、上側外ダイヤフラム及び上フランジ用スプライスプレートには、所定位置に所定長さの縁あきや端あきを有してボルト挿通孔が穿設されることが好ましい。
(1)切り欠き部の内縁部と上フランジの外縁部との間の間隙部の幅が、梁の上フランジの幅の2.5%〜10%に形成されているので、梁の端部が切り欠き部を通過させる作業を容易に且つ迅速に行うことができ、また、梁の端部の上フランジや下フランジが切り欠き部の縁部に接触したり接触して傷が入ったりすることがなく施工作業性に優れると共に、上側外ダイヤフラムをコンパクトに製造できるのでコストが低く製造性や工場から現場への搬送性に優れる。
なお、上フランジ用スプライスプレートを介してボルト止めにより接合するので、切り欠き部の内縁部と上フランジの外縁部との間に間隙部が形成されていても接合強度が低下することなく、高い強度を維持することができる。
(1)ボルト止めにより接合するため溶接量が少なく、また現場において溶接を行うことがなく、天候等に関わらず作業を行えるので、現場での施工作業性に優れる。
(2)溶接を行うことがないので、上側及び下側外ダイヤフラムが接合された柱や梁として防食めっき等のめっき加工された鋼材を用いた場合であっても、めっきを剥がす作業等を行う必要がなく、めっき加工された鋼材であっても好適に用いることができる。
(3)柱や上側及び下側外ダイヤフラム等の母材に加えられる溶接熱が少ないので、母材の組織変化が少なく、強度の低下、破壊や破断等を防止できる。
(1)鉛直スチフナ部にボルト挿通孔を穿設し、上フランジ用スプライスプレートの屈曲部を鉛直スチフナ部に沿わしてボルト止めにより固定することができるので、柱の2方向又は3方向等に梁が接合された場合等であって、上側外ダイヤフラム上に上フランジ用スプライスプレートを接合するためのボルト挿通孔が所定の縁あきや端あきを有するように穿設できない場合であっても、鉛直スチフナ部に上フランジ用スプライスプレートの屈曲部を接合して接合強度を維持することができる。
(1)梁を柱間に架け渡す作業を行う際、クレーン等で吊るした梁の両端部を各々上側外ダイヤフラムの上方から鉛直方向に下降させ、上側外ダイヤフラムに形成された切り欠き部に梁の下フランジを通過させて落とし込むだけで、梁の両端部を各々下側外ダイヤフラム上に載置して柱間に梁を横架することができるので、施工作業が極めて容易で施工作業性に優れる。
(2)切り欠き部を通して落とし込んだ梁の端部が下側外ダイヤフラム上に載置され支持されるので、載置した梁の下フランジを下側外ダイヤフラムにボルトにより仮止めするだけで梁の架け渡し作業を行うことができ、複数の梁を短時間で架け渡すことができ施工作業性に優れる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)下側外ダイヤフラムに梁の端部を載置し、上側外ダイヤフラムと上フランジを上フランジ用スプライスプレートを介してボルト止めにより接合し、ガセットプレートと梁のウェブをスプライスプレート等を介してボルト止め等により接合し、さらに下側外ダイヤフラムと下フランジを直接ボルト止めにより接合することにより、柱と梁を接合することができ、強度の高い柱と梁の接合構造を提供することができる。
(2)上側及び下側外ダイヤフラムを介して梁を柱に接合しているので、従来必要であった梁の接合部の突合せ溶接が不要であり、非破壊検査を要さず、目視検査のみで品質を保証でき、熟練を要さず生産性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(3)下側外ダイヤフラムに梁の端部を載置する際に、クレーン等で吊るした梁を上側外ダイヤフラムの上方から鉛直方向に下降させ、上側外ダイヤフラムに形成された切り欠き部に梁の端部を通過させて落とし込むことができる施工作業性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(4)切り欠き部を通して落とし込んだ梁の端部が下側外ダイヤフラム上に載置され支持されるので、施工作業時に載置した梁を柱や上側及び下側外ダイヤフラム等に仮止めするだけで梁の架け渡し作業を迅速に次々と行うことができる現場での施工作業性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(5)上側外ダイヤフラムに切り欠き部が柱の外壁からガセットプレートの突出長さ以上の距離を有して形成されているので、梁の落とし込みの際に梁の端部がガセットプレートに接触することがなく、落とし込みを容易に行うことができる施工作業性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(6)上フランジ用スプライスプレートを介してボルト止めにより接合するため、現場において溶接を行うことがないので天候等に関わらず作業を行え、且つ溶接作業に比べて安全に作業を行うことができる現場での施工作業性及び安全性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(7)現場施工時に溶接を行うことがないので、熟練を要さず生産性に優れると共に、梁として防食めっき等のめっき加工された鋼材を用いた場合であっても、めっきを完全に剥がす作業等を行うことがなく、そのままボルト止めにより接合することができる施工作業性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(8)工場においては柱に外ダイヤフラムとガセットプレートを溶接するだけなので、製造が容易で省コスト性に優れると共に、柱から突出する部分が少なく、その突出長さも従来のブラケット方式等と比較して短いのでコンパクトで省スペース性に優れ、搬送も容易で搬送性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(1)切り欠き部の内縁部と上フランジの外縁部との間の間隙部の幅が、梁の上フランジの幅の2.5%〜10%に形成されているので、梁の端部が切り欠き部を通過させる作業を容易に且つ迅速に行うことができ、梁の端部の上フランジや下フランジが切り欠き部の縁部に接触したり接触して傷が入ったりすることがない施工作業性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(2)上側外ダイヤフラムをコンパクトに製造できるのでコストが低く製造性や工場から現場への搬送性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(1)ボルト止めにより接合するため溶接量が少なく、また現場において溶接を行うことがなく、天候等に関わらず作業を行える現場での施工作業性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(2)溶接を行うことがないので、上側及び下側外ダイヤフラムが接合された柱や梁として防食めっき等のめっき加工された鋼材を用いた場合であっても、めっきを剥がす作業等を行う必要がなく、めっき加工された鋼材であっても好適に用いることができる施工作業性に優れた柱と梁の接合構造を提供することができる。
(3)柱や上側及び下側外ダイヤフラム等の母材に加えられる溶接熱が少ないので、母材の組織変化が少なく、強度の低下、破壊や破断等を防止できる柱と梁の接合構造を提供することができる。
(1)柱の2方向又は3方向等に梁が接合された場合等であって、上側外ダイヤフラム上に上フランジ用スプライスプレートを接合するためのボルト挿通孔が所定の縁あきや端あきを有するように穿設できない場合であっても、鉛直スチフナ部に上フランジ用スプライスプレートの屈曲部を接合して接合強度を維持することができる強度の高い柱と梁の接合構造を提供することができる。
(1)梁を柱間に架け渡す作業を行う際、クレーン等で吊るした梁の両端部を各々上側外ダイヤフラムの上方から鉛直方向に下降させ、上側外ダイヤフラムに形成された切り欠き部に梁の下フランジを通過させて落とし込むだけで、梁の両端部を各々下側外ダイヤフラム上に載置して柱間に梁を横架することができるので、施工作業が極めて容易であり施工作業性に優れた柱と梁の接合方法を提供することができる。
(2)切り欠き部を通して落とし込んだ梁の端部が下側外ダイヤフラム上に載置され支持されるので、載置した梁の下フランジを下側外ダイヤフラムにボルトにより仮止めするだけで梁の架け渡し作業を行うことができ、複数の梁を短時間で架け渡すことができる施工作業性に優れた柱と梁の接合方法を提供することができる。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における柱と梁の接合構造の接合前を示す要部斜視図であり、図2は本実施の形態1における柱と梁の接合構造の接合前を示す要部平面図である。
図中、1は本実施の形態1における柱と梁の接合構造、2は角形鋼管柱からなる柱、3はH形鋼からなる梁、4は梁3の上フランジ、5は梁3の下フランジ、6は梁3のウェブ、7,8は柱2の梁3との接合部に所定間隔を有して上下に環装された上側外ダイヤフラム及び下側外ダイヤフラム、9は上側外ダイヤフラム7の梁3の上フランジ4が接合される部分に形成された切り欠き部、10は上側外ダイヤフラム7と下側外ダイヤフラム8の間の柱2の外壁から立設された板状のガセットプレート、11は各々の切り欠き部9上に上側外ダイヤフラム7と上フランジ4に跨るように覆設され、上側外ダイヤフラム7及び上フランジ4とボルト止めされて各々を接合する上フランジ用スプライスプレート、12は各々のガセットプレート10とそれに突き合わされた梁3のウェブ6とを両側から挟み込んで各々とボルト止めされガセットプレート10とウェブ6とを接合するウェブ用スプライスプレート、13は梁3,上側外ダイヤフラム7,下側外ダイヤフラム8,ガセットプレート10,上フランジ用スプライスプレート11,及びウェブ用スプライスプレート12のボルト止めされる位置に穿設されたボルト挿通孔である。
上側外ダイヤフラム7及び下側外ダイヤフラム8は中央部に柱2が挿通する孔部7a,8aが形成された所定形状の鋼板により形成されている。本実施の形態1においては、上側外ダイヤフラム7及び下側外ダイヤフラム8は略正方形の平板の隅部を切り落とした八角形状に形成されている。さらに、図2に示すように、上側外ダイヤフラム7には、柱2の4つの側面に各々対応する位置に、上側外ダイヤフラム7の外周縁部から柱2に向かって略矩形状の所定形状に切り欠いた切り欠き部9が形成されている。また、上側外ダイヤフラム7と下側外ダイヤフラム8は、柱2の外壁に隅肉溶接により固定されている。さらに、上側外ダイヤフラム7と下側外ダイヤフラム8は、柱2の長さ方向に上下に配設されている。ここで、上側外ダイヤフラム7と下側外ダイヤフラム8は、梁3の端部を切り欠き部9を通して落とし込んで下側外ダイヤフラム8の上面に載置した際に、上側外ダイヤフラム7の上面と上フランジ4の上面とが面一となるような間隔を有して柱2に取り付けられることが好ましい。これにより、上フランジ用スプライスプレート11と上側外ダイヤフラム7又は上フランジ4との間にフィラーを挟み込む作業等を行う必要がなく作業性に優れると共に、上フランジ用スプライスプレート11を切り欠き部9上に上側外ダイヤフラム7と梁3の上フランジ4とに跨るように各々に密着させて覆設することができ、上フランジ用スプライスプレート11をボルト15により上側外ダイヤフラム7と上フランジ4とに各々にボルト止めして強固に接合することができる。
ガセットプレート10は略矩形状の平板状の鋼板からなり、上側外ダイヤフラム7と下側外ダイヤフラム8の間の柱2の外壁に、柱2の長さ方向に沿って立設されている。また、ガセットプレート10は柱2の4つの側面に各々設けられ、柱2の外壁に隅肉溶接により固定されている。さらに、図2に示すように、ガセットプレート10の柱2の外壁からの突出長さは、柱2の外壁から上側外ダイヤフラム7の切り欠き部9の縁部までの長さと略同一、或いはそれより短く形成され、梁3の端部を鉛直方向に下降させ切り欠き部9を通して落とし込む際に、梁3の端部がガセットプレート10に接触しないように、ガセットプレート10の柱2からの突出長さ及び切り欠き部9の縁部から柱2の外壁までの距離が設定されている。
なお、梁3の端部の上フランジ4,下フランジ5及びウェブ6の所定位置、並びに上側外ダイヤフラム7,下側外ダイヤフラム8及びガセットプレート10の所定位置には、所定長さの縁あきや端あきを有して複数のボルト挿通孔13が穿設されている。
上フランジ用スプライスプレート11及びウェブ用スプライスプレート12は、所定位置にボルト挿通孔13が穿設された略矩形状の平板部材からなり、所定位置に所定長さの縁あきや端あきを有して複数のボルト挿通孔13が穿設されている。
図3(a)は梁を切り欠き部を介して下側外ダイヤフラムに落とし込んだ状態を示す要部斜視図であり、図3(b)は梁を切り欠き部を介して下側外ダイヤフラムに落とし込んだ状態を示す要部平面図であり、図4は本実施の形態1における柱と梁の接合構造の接合後を示す要部斜視図である。
図3において、14は切り欠き部9の内縁部と上フランジ4の外縁部との間に形成された間隙部である。図4において、15はボルト挿通孔13に挿通されナット(図示せず)と共に各部材を接合するボルトである。
まず、予め工場において上側外ダイヤフラム7及び下側外ダイヤフラム8を柱2の所定位置に環装し隅肉溶接して取り付けると共に、上側外ダイヤフラム7と下側外ダイヤフラム8の間の柱2の外壁にガセットプレート10を隅肉溶接して立設し、さらに基部にベースプレート(図示せず)を取り付け、柱2を製作する。製作した複数の柱2を鉄骨構造物を建設する現場に搬入する。現場において、各々の柱2を所定位置に形成された基礎の上面に立て、鉛直方向に立つように傾きを調整しながらアンカーボルトを締めてベースプレートを基礎に固定し、柱2を立設する。
次に、予め所定長さに形成した梁3の両端部近傍に各々ワイヤやロープをかけ、クレーン等で吊って立設した柱2間に移動させる。クレーン等により吊った梁3の両端部が各々2本の柱2の上側外ダイヤフラム7の上方に位置するように移動させ、さらに図3(a)に示すように、梁3の端部を上側外ダイヤフラム7の切り欠き部9の上方から鉛直方向に吊り降ろし、切り欠き部9を通過させて落とし込み、下側外ダイヤフラム8上に載置する(落とし込み工程)。
このとき、図3(b)に示すように、切り欠き部9の縁部と梁3の上フランジ4の縁部との間には、所定幅αの間隙部14が形成されるように、切り欠き部9の大きさが設定されている。これにより、梁3の端部を切り欠き部9を介して落とし込む際に、梁3の端部が切り欠き部9を通過し易いので施工性に優れる。なお、間隙部14の幅αとしては、梁3の上フランジ4の幅の2.5%〜10%となるように形成される。間隙部14の幅αが上フランジ4の幅の2.5%より小さくなるにつれ梁3の端部が切り欠き部9を通過し難くなり施工作業性が低下するため好ましくない。また、10%より大きくなるにつれ切り欠き部9を大きくなり、それに伴って上側外ダイヤフラム7に形成されるボルト挿通孔13が所定の縁あきや端あきを有するように上側ダイヤフラム7が大型になるためコストが高くなり製造性や工場から現場への搬送性に欠けるため好ましくない。なお、本実施の形態1においては、上フランジ4の幅として200mmの梁3を用い、間隙部14の幅αが10mmとなるように切り欠き部9を形成した。
続いて、下側外ダイヤフラム8上に載置した梁3の端部を上側外ダイヤフラム7や下側外ダイヤフラム8、或いはガセットプレート10にボルト等を用いて仮止めし、各柱2間に所定の梁3を次々と横架する(仮固定工程)。所定の全ての梁3を横架して仮止めした後、図4に示すように、上フランジ用スプライスプレート11を切り欠き部9上に上側外ダイヤフラム7と梁3の上フランジ4とに跨るように覆設し、ボルト15により上側外ダイヤフラム7と梁3の上フランジ4とに各々にボルト止めにより本締めして各々を接合する。さらに、ウェブ用スプライスプレート12をガセットプレート10と梁3のウェブ6とに跨るように各々を両側から挟み込んで取り付け、ガセットプレート10とウェブ6とに各々にボルト15をボルト止めして本締めし各々を接合する。また、下側外ダイヤフラム8と梁3の下フランジ5とに直接ボルト15をボルト止めして本締めし各々を接合する。
(1)クレーン等で吊るした梁3を柱2に接合した上側外ダイヤフラム7の上方から鉛直方向に下降させ、上側外ダイヤフラム7に形成された切り欠き部9に梁3の端部を通過させて落とし込み、下側外ダイヤフラム8に梁3の端部を載置し、上側外ダイヤフラム7と梁3の上フランジ4を上フランジ用スプライスプレート11を介してボルト15によりボルト止めして接合し、ガセットプレート10と梁3のウェブ6をウェブ用スプライスプレート12を介してボルト15によりボルト止めして接合し、さらに下側外ダイヤフラム8と梁3の下フランジ5を直接ボルト15によりボルト止めして接合することにより、柱2に梁3を接合することができる。
(2)ガセットプレート10の柱2の外壁からの突出長さが柱2の外壁から上側外ダイヤフラム7の切り欠き部9の縁部までの長さと略同一、又はそれより短く形成されている、或いは、切り欠き部9の縁部から柱2の外壁までの距離がガセットプレート10の突出長さ以上の距離を有するように切り欠き部9が形成されているので、梁3の落とし込みの際に梁3の端部がガセットプレート10に接触することがなく、落とし込みを容易に行うことができる。
(3)従来のように梁を上下の外ダイヤフラムの水平方向から挿入する場合、立設された2本の柱2間に梁3が入らないことがあり、柱2を固定しているアンカーボルトを緩め、柱を傾けて梁3を柱2間に挿し入れ、再び柱2を鉛直に立設するという煩雑な作業を行っていたが、クレーン等で吊るした梁3を柱2に接合した上側外ダイヤフラム7の上方から鉛直方向に下降させて切り欠き部9を通過させ落とし込むので、梁3の両端部の下フランジ5が引っかかり等がなくスムーズに切り欠き部9を通過することができ、下側外ダイヤフラム8上に載置することができ、現場での施工作業性に著しく優れる。
(4)切り欠き部9の幅αが梁3の上フランジ4の幅より大きく形成され、上フランジ4の幅の2.5%〜10%となるように形成されているので、梁3の端部の下フランジ5を切り欠き部9に通過させる作業を容易に且つ迅速に行うことができ、また、梁3の端部の上フランジ4や下フランジ5が切り欠き部の縁部に接触したり接触して傷が入ったりすることがなく施工作業性に優れると共に、上側外ダイヤフラム7をコンパクトに製造できるのでコストが低く製造性や工場から現場への搬送性に優れる。なお、このとき、切り欠き部9の内縁部と上フランジ4の外縁部との間に間隙部が形成されていても、上側外ダイヤフラム7と上フランジ4とを上フランジ用スプライスプレート11を介してボルト止めにより接合するので、接合強度が低下することなく、高い強度を維持することができる。
(5)上側及び下側外ダイヤフラム7,8を柱2に隅肉溶接により接合すると共に、上側及び下側外ダイヤフラム7,8を介して梁3を柱2に接合しているので、従来必要であった突合せ溶接が不要であり、超音波探傷検査等の非破壊検査を要さず、目視検査のみで品質を保証でき、熟練を要さず生産性に優れると共に品質に優れる。
(6)切り欠き部9を通して落とし込んだ梁3の端部が下側外ダイヤフラム8上に載置され支持されるので、施工作業時に載置した梁3を柱2や上側及び下側外ダイヤフラム7,8に仮止めするだけで梁3の架け渡し作業を行うことができ現場での施工作業性に優れる。
(7)現場において梁3をボルト15を用いたボルト止めにより上側及び下側外ダイヤフラム7,8及びガセットプレート10に接合するため、現場において溶接を行うことがないので足場等を設置する必要がなく、また、天候等に関わらず作業を行え、且つ溶接作業に比べて安全に作業を行うことができるので、現場での施工作業性に優れる。また、現場施工時に溶接を行うことがないので、梁3として防食めっき等のめっき加工された鋼材を用いた場合であっても、めっきを剥がす作業等を行うことがなく、そのままボルト止めにより接合することができ、施工作業性に優れる。なお、柱2は上側及び下側外ダイヤフラム7,8を接合した後めっき加工を行うことにより、めっきを完全に剥がす作業等を行うことがなく、施工作業性に優れる。また、ボルト止めにより接合するため溶接量が少なく、柱2や上側及び下側外ダイヤフラム7,8等の母材に加えられる溶接熱が少ないので、母材の組織変化が少なく、強度の低下、破壊や破断等を防止できる。
(8)工場での作業は、柱2に上側及び下側外ダイヤフラム7,8とガセットプレート10を溶接するだけなので、製造が容易で省コスト性に優れると共に、柱2から突出する部分が少なく、その突出長さも従来のブラケット方式等と比較して短いのでコンパクトで省スペース性に優れ、搬送も容易で搬送性に優れる。
図5は本実施の形態2における柱と梁の接合構造の接合前を示す要部斜視図であり、図6は本実施の形態2における柱と梁の接合構造の接合後を示す要部斜視図である。
図中、2は柱、3は梁、4は上フランジ、5は下フランジ、6はウェブ、7a,8aは孔部、9は切り欠き部、10はガセットプレート、11は上フランジ用スプライスプレート、12はウェブ用スプライスプレート、13はボルト挿通孔、15はボルトであり、これらは実施の形態1において説明したものと同様のものであるので同一の符号を付けて説明を省略する。1aは本実施の形態2における柱と梁の接合構造、7bは上側外ダイヤフラム、7cは上側外ダイヤフラム7bの鉛直スチフナ部、8bは下側外ダイヤフラム、8cは下側外ダイヤフラム8bの鉛直スチフナ部、11aは上フランジ用スプライスプレート、11bは上フランジ用スプライスプレート11aの屈曲部である。
鉛直スチフナ部7c、8cは、上側外ダイヤフラム7b、下側外ダイヤフラム8bの端部を略L字形状に屈曲させて形成されている。なお、本実施の形態2においては、上側外ダイヤフラム7bに鉛直スチフナ部7cを形成すると共に、下側外ダイヤフラム8bにも鉛直スチフナ部8cを形成しているが、鉛直スチフナ部8cは形成しなくてもよい。また、鉛直スチフナ部7c及び8cは、上側外ダイヤフラム7bや下側外ダイヤフラム8bに直交するように柱の側面に沿って縁部を隅肉溶接して固設してもよい。
また、上フランジ用スプライスプレート11aは一側部に鉛直スチフナ部7cに沿って屈曲した屈曲部11bを有し、断面略L字形状に形成されている。
なお、本実施の形態2における柱と梁の接合構造1aの接合方法は、上フランジ用スプライスプレート11aの屈曲部11bを鉛直スチフナ部7cに沿わしてボルト止めにより接合している点以外は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
(1)上側外ダイヤフラム7b及び下側外ダイヤフラム8bの梁3が接合されない部分が鉛直スチフナ部7c,8cにより補強されているので、その強度を向上させることができ、大きな応力にも耐えることができる。
(2)上フランジ用スプライスプレート11aを切り欠き部9上に上側外ダイヤフラム7と梁3の上フランジ4とに跨るように覆設し各々にボルト止めすると共に、その屈曲部11bを鉛直スチフナ部7cに沿わしてボルト止めにより固定しているので、上側外ダイヤフラム7上における梁3の接合されていない側のボルト挿通孔13の縁あきや端あきを十分に確保することができ、接合強度の低下を防ぐことができる。
また、上側外ダイヤフラムに切り欠き部が柱の外壁からガセットプレートの突出長さ以上の距離を有して形成されているので、梁の落とし込みの際に梁の端部がガセットプレートに接触することがなく、落とし込みを容易に行うことができる。
さらに、接合部をボルト止めにより接合するため、現場において溶接を行うことがなく、また、天候等に関わらず作業を行え、且つ溶接作業に比べて安全に作業を行うことができ現場での施工作業性及び安全性に優れる。
また、工場においては柱に外ダイヤフラムを溶接するだけなので、製造が容易で省コスト性に優れると共に、柱から突出する部分が少なく、その突出長さも従来のブラケット方式等と比較して短いのでコンパクトで省スペース性に優れ、搬送も容易で搬送性に優れる。
また、以上説明したように、本発明は、駐車場や倉庫等の一般的な鉄骨構造物の仕口部における鋼管柱等の柱とH形鋼等の梁の接合方法に関するものであり、梁を上方から鉛直方向に下降させ切り欠き部を通過させて落とし込むだけで柱間に梁を横架でき、ボルトにより仮止めするだけで梁の架け渡し作業を行うことができるので、施工作業が極めて容易で、且つ複数の梁を短時間で架け渡すことができ施工作業性に優れる。
2 柱
3 梁
4 上フランジ
5 下フランジ
6 ウェブ
7,7b 上側外ダイヤフラム
7a,8a 孔部
7c 鉛直スチフナ部
8,8b 下側外ダイヤフラム
8c 鉛直スチフナ部
9 切り欠き部
10 ガセットプレート
11,11a 上フランジ用スプライスプレート
11b 屈曲部
12 ウェブ用スプライスプレート
13 ボルト挿通孔
14 間隙部
15 ボルト
Claims (5)
- 鉄骨構造物の仕口部における鋼管柱等の柱とH形鋼等の梁の接合構造であって、
前記柱に環装され前記梁が接合される上下一対の平板状の上側外ダイヤフラム及び下側外ダイヤフラムと、
前記上側外ダイヤフラムと前記下側外ダイヤフラムとの間の前記柱の外壁に立設され前記梁のウェブが接合されるガセットプレートと、
前記上側外ダイヤフラムの前記梁の接合部に前記柱の外壁から前記ガセットプレートの突出長さ以上の距離を有して前記上側外ダイヤフラムに切り欠き形成され前記梁の上フランジが嵌入する切り欠き部と、
前記切り欠き部上に前記上側外ダイヤフラムと前記梁の上フランジとに跨るように覆設され前記上側外ダイヤフラムと前記上フランジの各々にボルト止めされ各々を接合する上フランジ用スプライスプレートと、
を備えていることを特徴とする柱と梁の接合構造。 - 前記切り欠き部に前記梁の上フランジを嵌入した際に前記切り欠き部の内縁部と前記上フランジの外縁部との間に形成される間隙部の幅が、前記上フランジの幅の2.5%〜10%に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の柱と梁の接合構造。
- 前記ガセットプレートと前記梁のウェブとがウェブ用スプライスプレートを介してボルト止めにより各々接合され、及び、前記下側外ダイヤフラムと前記梁の下フランジとが直接ボルト止めにより各々接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の柱と梁の接合構造。
- 前記柱の前記梁が接合されない1以上の側面に前記上側外ダイヤフラムと直交して固設された鉛直スチフナ部を備えていると共に、前記上フランジ用スプライスプレートが一側部に前記鉛直スチフナ部に沿って屈曲した屈曲部を有する断面略L字形状に形成され、前記上フランジ用スプライスプレートが前記屈曲部において前記鉛直スチフナ部にボルト止めにより接合されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の柱と梁の接合構造。
- 鋼管柱等の柱とH形鋼等の梁の接合方法であって、
前記柱が、前記柱に環装された上下一対の平板状の上側外ダイヤフラム及び下側外ダイヤフラムと、前記上側外ダイヤフラムに切り欠き形成された切り欠き部と、を有し、前記梁を前記切り欠き部の上方から鉛直方向に下降させ前記切り欠き部を通過させて落とし込み、前記下側外ダイヤフラム上に載置する落とし込み工程と、
前記下側外ダイヤフラムと前記梁の下フランジとをボルトにより仮固定する仮固定工程と、
を備えていることを特徴とする柱と梁の接合方法。
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-
2003
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