JP2007224579A - 橋梁構造物の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 局部座屈を防止するとともに、外周壁を構成する鋼板の溶接部を効果的に補強することにより、高速道路などに使用されている大型の橋脚や梁に特に適した補強構造を提供する。
【解決手段】 複数の鋼板1a41,1a42,1a43,1a44を周方向に溶接して接合し、水平断面が矩形状となるように外周壁1を形成した鋼製橋脚K1において、外周壁1内部の空洞の中心部から鋼板の周方向の溶接位置1b1,1b2,1b3,1b4に亘って、水平断面が放射状となるように複数の隔壁2aからなる補強部材2を設けるとともに、隔壁2aの水平方向端部の所要位置に、前記周方向の溶接位置1b1,1b2,1b3,1b4において接合された2枚の鋼板の双方の内面に跨るように、周方向に所要の幅を有する接合部2bを設けた構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、たとえば、橋脚や、橋脚間に架設される梁などの橋梁構造物の補強構造に係り、特に、複数の鋼板を溶接して外周壁を構成する大型の橋梁構造物に適した補強構造に関する。
平成7年に発生した阪神淡路大震災では、家屋の倒壊のみならず、高速道路などの大型の橋脚についても、亀裂、破損、倒壊などの被害が多数発生した。
例えば、矩形断面を有する橋脚では、鋼板の角溶接部が、図9(c)に示すように、縦方向に裂け、鋼板が分離する結果、上部構造物の死荷重に対する鉛直方向の耐力を失う状態となる脆性的な破壊が発生した。また、円形断面を有する橋脚においても、図10(b)に示すように、最初に発生した一箇所の局部座屈にその後の変形が集中し、それに伴って橋脚が傾斜したり、変形の進展により円周方向に割れが生じた状態となる被害が発生した。
そこで、矩形断面の橋脚の場合、例えば、図9(a)に示すように、外周壁10の4つの角部20aに、それぞれコーナープレート20bを取り付けて閉断面構造とすることにより、変形が進んでも角部の角度を保持し、これにより角溶接部の割れを防ぐ構造が提案されている。なお、角部20a以外の直線部の内面には、上下方向にリブ20dを取り付けている。
特開平9−111719号公報
その一例として、上記特許文献1の図4には、矩形断面を有する橋脚の四隅内面に斜め方向に橋絡状の補強部材を固着する構成が開示されており、また、同文献の図3には、矩形断面を有する橋脚の四隅内面に長手方向に沿ってアングル状の補強部材を固着する構成が開示されている。
また、図9(b)に示すように、矩形断面の橋脚の外周壁10を、角を無くした形状の丸い角部20cとして、角溶接そのものを無くすことにより、角部が裂けるのを防ぐようにした構造も提案されている。なお、角部20a以外の直線部の内面には、上下方向にリブ20dを取り付けている。
一方、円形断面の橋脚の場合は、例えば、図10(a)に示すように、外周壁50の内面を上下方向にリブ60aを取り付けて補強することにより、強度を向上する構造が提案されている。
しかしながら、高速道路などに用いられる大型の橋脚においては、複数の鋼板を周方向に溶接して外周壁が構成されているところ、上記した従来の補強構造は、鋼板同士の溶接部を意識した補強構造となっておらず、阪神淡路大震災クラスの大地震に対しては、いまだ十分な補強効果が得られるものではなかった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、橋脚の局部座屈を防止するとともに、外周壁を構成する鋼板の溶接部を効果的に補強することにより、高速道路などに使用されている大型の橋脚や梁に特に適した補強構造を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の橋梁構造物の補強構造は、
複数の鋼板を周方向に溶接して接合し、水平断面が矩形状若しくは多角形状又は円状となるように外周壁を形成した橋梁構造物において、前記外周壁内部の空洞の中心部から前記鋼板の周方向の溶接位置に亘って、水平断面が放射状となるように複数の隔壁からなる補強部材を設けるとともに、前記隔壁の水平方向端部の所要位置に、前記周方向の溶接位置において接合された2枚の鋼板の双方の内面に跨るように、周方向に所要の幅を有する接合部を設け、この接合部を前記外周壁内面に接合することにより前記補強部材を前記外周壁内部に取付けたことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、外周壁を構成する複数の鋼板の周方向の溶接位置において、その溶接位置で接合される2枚の鋼板の双方の内面に跨るように周方向に所要の幅を有する接合部が、内面から溶接部を補強するため、水平断面放射状の隔壁を設けることによる局部座屈の防止効果に加え、接合部による溶接位置の補強効果も得ることができる。
本発明の第1の補強構造は、
複数の鋼板を周方向に溶接して接合し、水平断面が矩形状若しくは多角形状又は円状となるように外周壁を形成した橋梁構造物において、前記外周壁内部の空洞の中心部から前記鋼板の周方向の溶接位置に亘って、水平断面が放射状となるように複数の隔壁からなる補強部材を設けるとともに、前記隔壁の水平方向端部の所要位置に、前記周方向の溶接位置において接合された2枚の鋼板の双方の内面に跨るように、周方向に所要の幅を有する接合部を設け、この接合部を前記外周壁内面に接合することにより前記補強部材を前記外周壁内部に取付けた構成である。
前記本発明の第1の補強構造において、
前記補強部材を構成する複数の隔壁が交わる中心部の所要位置に、切り欠き部を設けるように構成すれば、地震発生時の形状の変化に対応する力の逃げ道が隔壁の交わり部分に得られることにより、局部座屈強度が向上するので、好適である(本発明の第2の補強構造)。
前記本発明の第2の補強構造において、複数の鋼板を上下方向にも溶接して接合した外周壁である場合は、
前記鋼板の上下方向の溶接位置と同じ高さ位置には、前記切り欠き部を設けないように構成すれば、地震発生時の形状の変化に対応する力の逃げ道を得つつ、鋼板の上下方向の溶接位置に対する補強効果を確保できるので、さらに好適である(本発明の第3の補強構造)。
また、前記本発明の第1の補強構造において、
前記補強部材を構成する複数の隔壁の水平方向端部寄りの所要位置に、孔を設けるように構成すれば、地震発生時の形状の変化に対応する力の逃げ道が隔壁の水平方向端部寄りの部分に得られることにより、局部座屈強度が向上するので、好適である(本発明の第4の補強構造)。
前記本発明の第4の補強構造において、複数の鋼板を上下方向にも溶接して接合した外周壁である場合は、
前記鋼板の上下方向の溶接位置と同じ高さ位置には、前記孔を設けないように構成すれば、地震発生時の形状の変化に対応する力の逃げ道を得つつ、鋼板の上下方向の溶接位置に対する補強効果を確保できるので、さらに好適である(本発明の第5の補強構造)。
前記本発明の第1〜第5の何れかの補強構造において、前記補強部材の上端を前記外周壁の上端面よりも突出させた突出部と、この突出部と嵌合可能なように、前記補強部材の下端を前記外周壁の下端面よりも窪ませた窪み部とを備えたユニットを上下方向に複数積層し、下側ユニットの前記突出部と上側ユニットの前記窪み部を嵌合して接合する構成を採用すれば、嵌合部分における溶接面積が大きくなって強度が向上するため、さらに好適である(本発明の第6の補強構造)。
以下、本発明の補強構造を橋脚に適用する場合の実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。図1は、水平断面が矩形状の外周壁1を有する橋脚K1に適用する第1実施例の補強構造の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図を示している。
橋脚K1は、図1(b)に示すように、平面視L字型に曲げられた鋼板1a41,1a42,1a43,1a44の水平方向両端面を周方向にそれぞれ溶接して接合し、水平断面が矩形状となるように外周壁1を形成している。1b1は、鋼板1a41と鋼板1a42間の周方向の溶接位置を示しており、同様に、1b2,1b3,1b4も周方向の溶接位置を示したものである。
橋脚K1は、図1(a)に示すように、上下方向にも鋼板を溶接している。例えば、鋼板1a11の上には、鋼板1a21,1a31,1a41が接合されている。そして、鋼板1a11の高さ位置では、鋼板1a12,1a13と図示していない鋼板1a14が周方向に溶接されている。また、鋼板1a21の高さ位置では、鋼板1a22,1a23と図示していない鋼板1a24が周方向に溶接されている。さらに、鋼板1a31の高さ位置では、鋼板1a32,1a33と図示していない鋼板1a34が周方向に溶接されている。1c1は、鋼板1a13と鋼板1a23の間の上下方向の溶接位置を示しており、同様に、1c2,1c3も上下方向の溶接位置を示したものである。
次に、隔壁2aと接合部2bで構成される補強部材2について説明する。先ず、補強部材2は、外周壁1の内部の空洞の中心部から各鋼板の周方向の溶接位置1b1,1b2,1b3,1b4に亘って、水平断面が十字状となるように構成された隔壁2aを備えている。
また、補強部材2は、隔壁2aの水平方向端部に、周方向の溶接位置1b1,1b2,1b3,1b4において接合された2枚の鋼板の双方の内面に跨るように、周方向に所要の幅を有する接合部2bを備えている。ここで、接合部2bは、図1(a)に示すように、隔壁2aの水平方向端部の上下方向全域に亘って設けても良いし、その一部に設けても良い。
また、接合部2bは、周方向に所要の幅を有する部分であるが、具体的には、例えば、周方向の溶接位置1b1について言えば、鋼板1a11,1a12,1a13,1a14と、鋼板1a12,1a22,1a23,1a24の、それぞれの内面に跨るように周方向の幅を設計する。
そして、本発明では、この接合部2bを、図1(a)に示すように、外周壁1の内面に溶接またはボルト等の接合手段によって接合することにより、補強部材2を外周壁1の内部に取付けたことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、外周壁1を構成する複数の鋼板1a41,1a42,1a43,1a44の周方向の溶接位置1b1,1b2,1b3,1b4において、その溶接位置で接合される2枚の鋼板の双方の内面に跨るように、周方向に所要の幅を有する接合部2bが、内面から接合位置1b1,1b2,1b3,1b4を補強するため、水平断面十字状の隔壁2aを設けることによって外周壁1の角部が局部座屈するのを防止する効果に加え、接合部2bによる溶接位置の補強効果も得ることができる。
次に、図2は、図1と同じく、水平断面が矩形状の外周壁3を有する橋脚K3に適用する第2実施例の補強構造の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
橋脚K3は、図2(b)に示すように、平板状の鋼板3a41,3a42,3a43,3a44を角溶接して接合し、水平断面が矩形状となるように外周壁3を形成している。3b1は、鋼板3a44と鋼板3a41間の周方向の溶接位置を示しており、同様に、3b2,3b3,3b4も周方向の溶接位置を示したものである。
橋脚K3は、図2(a)に示すように、上下方向にも鋼板を溶接している。例えば、鋼板3a11の上には、鋼板3a21,3a31,3a41が接合されている。そして、鋼板3a11の高さ位置では、鋼板3a12,3a13と図示していない鋼板3a14が周方向に溶接されている。また、鋼板3a21の高さ位置では、鋼板3a22,3a23と図示していない鋼板3a24が周方向に溶接されている。さらに、鋼板3a31の高さ位置では、鋼板3a32,3a33と図示していない鋼板3a34が周方向に溶接されている。3c1は、鋼板3a13と鋼板3a23の間の上下方向の溶接位置を示しており、同様に、3c2,3c3も上下方向の溶接位置を示したものである。
次に、隔壁4aと接合部4bで構成される補強部材4について説明する。先ず、補強部材4は、外周壁3の内部の空洞の中心部から各鋼板の周方向の溶接位置3b1,3b2,3b3,3b4に亘って、水平断面が十字状となるように構成された隔壁4aを備えている。
また、補強部材4は、隔壁4aの水平方向端部に、周方向の溶接位置3b1,3b2,3b3,3b4において接合された2枚の鋼板の双方の内面に跨るように、周方向に所要の幅を有し、平面視L字状の接合部4bを備えている。ここで、接合部4bは、図2(a)に示すように、隔壁4aの水平方向端部の上下方向全域に亘って設けても良いし、その一部に設けても良い。
接合部4bは、例えば、周方向の溶接位置3b2について言えば、鋼板3a11,3a12,3a13,3a14と、鋼板3a12,3a22,3a23,3a24の、それぞれの内面に跨るように、平面視L字状の形状としている。
第2実施例によれば、外周壁3を構成する複数の鋼板3a41,3a42,3a43,3a44の周方向の溶接位置3b1,3b2,3b3,3b4において、その溶接位置で接合される2枚の鋼板の双方の内面に跨るように接合部4bが、内面から接合位置3b1,3b2,3b3,3b4を補強するため、水平断面十字状の複数の隔壁4aを設けることによる局部座屈の防止効果に加え、接合部4bによる溶接位置の補強効果も得ることができる。
次に、図3は、水平断面が円形状の外周壁5を有する橋脚K5に適用する第3実施例の補強構造の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
橋脚K5は、図3(b)に示すように、1/4円弧状の鋼板5a41,5a42,5a43,5a44を溶接して接合し、水平断面が円形状となるように外周壁5を形成している。5b1は、鋼板5a41と鋼板5a42間の周方向の溶接位置を示しており、同様に、5b2,5b3,5b4も周方向の溶接位置を示したものである。
橋脚K5は、図3(a)に示すように、上下方向にも鋼板を溶接している。例えば、鋼板5a11の上には、鋼板5a21,5a31,5a41が接合されている。そして、鋼板5a11の高さ位置では、鋼板5a12,5a13と図示していない鋼板5a14が周方向に溶接されている。また、鋼板5a21の高さ位置では、鋼板5a22,5a23と図示していない鋼板5a24が周方向に溶接されている。さらに、鋼板5a31の高さ位置では、鋼板5a32,5a33と図示していない鋼板5a34が周方向に溶接されている。5c1は、鋼板5a13と鋼板5a23の間の上下方向の溶接位置を示しており、同様に、5c2,5c3も上下方向の溶接位置を示したものである。
次に、隔壁6aと接合部6bで構成される補強部材6について説明する。先ず、補強部材6は、外周壁5の内部の空洞の中心部から各鋼板の周方向の溶接位置5b1,5b2,5b3,5b4に亘って、水平断面が十字状となるように構成された隔壁6aを備えている。
また、補強部材6は、隔壁6aの水平方向端部に、周方向の溶接位置5b1,5b2,5b3,5b4において接合された2枚の鋼板の双方の内面に跨るように、周方向に所要の幅を有し、円形の外周壁5の内面に沿うような曲面を有する接合部6bを備えている。ここで、接合部6bは、図3(a)に示すように、隔壁6aの水平方向端部の上下方向全域に亘って設けても良いし、その一部に設けても良い。
接合部6bは、例えば、周方向の溶接位置5b1について言えば、鋼板5a11,5a12,5a13,5a14と、鋼板5a12,5a22,5a23,5a24の、それぞれの内面に跨るような形状としている。
第3実施例によれば、外周壁5を構成する複数の鋼板5a41,5a42,5a43,5a44の周方向の溶接位置5b1,5b2,5b3,5b4において、その溶接位置で接合される2枚の鋼板の双方の内面に跨るように接合部6bが、内面から接合位置5b1,5b2,5b3,5b4を補強するため、水平断面十字状の隔壁6aを設けることによって局部座屈を防止する効果に加え、接合部6bによる溶接位置の補強効果も得ることができる。
次に、図4は、補強部材を構成する複数の隔壁が交わる中心部の所要位置に、切り欠き部を設けた第4実施例の説明図であり、(a)は図1の橋脚K1に適用する場合の図、(b)は図2の橋脚K3に適用する場合の図、(c)は図3の橋脚K5に適用する場合の図である。
図4(a)に示すように、補強部材を構成する複数の隔壁が交わる中心部に、例えば、切り欠き部2c1,2c2,2c3,2c4を設けるように構成すれば、地震発生時の形状の変化に対応する力の逃げ道が隔壁の交わり部分に得られることにより、局部座屈強度が向上するからである。なお、図2の橋脚K3に適用する場合は、例えば図4(b)に示すように、切り欠き部4c1,4c2,4c3,4c4を設ける。また、同様の構成は、円形断面を有する図3の橋脚K5にも適用可能であり、その場合は、図4(c)に示すように、切り欠き部6c1,6c2,6c3,6c4を設けるように構成する。
また、図4のように、切り欠き部を設ける場合には、鋼板の上下方向の溶接位置と同じ高さ位置には、切り欠き部を設けないように構成することが望ましい。例えば、図4(a)の例で言えば、鋼板の上下方向の溶接位置である1c1,1c2,1c3,1c4と同じ高さ位置には、2d1,2d2,2d3,2d4の符号で示すように、切り欠き部を設けないようにしている。
このようにすれば、地震発生時の形状の変化に対応する力の逃げ道を得つつ、鋼板の上下方向の溶接位置に対する補強効果を維持できるからである。また、切り欠き部を設けておくと、橋脚の内部を保守・点検する際の足場(梯子など)の取付けに利用できるという二次的な効果も得られる。なお、図2の橋脚K3に適用する場合は、例えば、図4(b)に示すように、鋼板の上下方向の溶接位置である3c1,3c2,3c3,3c4と同じ高さ位置には、4d1,4d2,4d3,4d4の符号で示すように、切り欠き部を設けないようにしている。また、図3の橋脚K5に適用する場合は、例えば、図4(c)に示すように、鋼板の上下方向の溶接位置である5c1,5c2,5c3,5c4と同じ高さ位置には、6d1,6d2,6d3,6d4の符号で示すように、切り欠き部を設けないように構成することが望ましい。
また、図5は、補強部材を構成する複数の隔壁の水平方向端部寄りの所要位置に、孔を設けた第5実施例の説明図であり、(a)は図1の橋脚K1に適用する場合の図、(b)は図2の橋脚K3に適用する場合の図、(c)は図3の橋脚K5に適用する場合の図である。
このように、補強部材を構成する複数の隔壁の水平方向端部寄りの所要位置に、例えば図5(a)に示すように、円形の孔2e1,2e2,2e3,2e4を設けるように構成すれば、地震発生時の形状の変化に対応する力の逃げ道が隔壁の水平方向端部寄りの位置に得られることにより、局部座屈強度が向上するからである。これを、図2の橋脚K3に適用する場合は、例えば、図5(b)に示すように、円形の孔4e1,4e2,4e3,4e4を設ける。また、同様の構成は、円形断面を有する図3の橋脚K5にも適用可能であり、その場合は、図5(c)に示すように、切り欠き部6e1,6e2,6e3,6e4を設けるように構成する。
また、図5のように、隔壁に孔を設ける場合には、鋼板の上下方向の溶接位置と同じ高さ位置には、孔を設けないように構成することが望ましい。例えば、図5(a)の例で言えば、鋼板の上下方向の溶接位置である1c1,1c2,1c3,1c4と同じ高さ位置には、2f1,2f2,2f3,2f4の符号で示すように、切り欠き部を設けないようにしている。
このようにすれば、地震発生時の形状の変化に対応する力の逃げ道を得つつ、鋼板の上下方向の溶接位置に対する補強効果を確保できるからである。また、隔壁に孔を設けておくと、橋脚の内部を保守・点検する際の足場(梯子など)の取付けに利用できるという二次的な効果も得られる。なお、図2の橋脚K3に適用する場合は、例えば、図5(b)に示すように、鋼板の上下方向の溶接位置である3c1,3c2,3c3,3c4と同じ高さ位置には、4f1,4f2,4f3,4f4の符号で示すように、切り欠き部を設けないようにしている。また、図3の橋脚K5に適用する場合は、例えば、図5(c)に示すように、鋼板の上下方向の溶接位置である5c1,5c2,5c3,5c4と同じ高さ位置には、6f1,6f2,6f3,6f4の符号で示すように、切り欠き部を設けない構成とすることが望ましい。
また、図6は、隔壁2aと接合部2bにより構成される補強部材2の上端を、外周壁1の上端面よりも突出させた突出部2gと、この突出部2gと嵌合可能なように、補強部材2の下端を外周壁1の下端面よりも窪ませた窪み部2hとを備えたユニットを上下方向に複数積層する構成の第6実施例を説明する図である。(a)は、ユニットの上端側の部分を表した斜視図、(b)は、ユニットの下端側の部分を表した斜視図である。
このようなユニットを上下方向に積層し、下側のユニットの突出部2gと上側のユニットの窪み部2hを嵌合して溶接により接合する構成を採用すれば、嵌合部分における溶接面積が大きくなって溶接強度が向上するため、好適である。
次に、水平断面矩形状の角パイプと、図1に示すような、補強部材2を取り付けた構成の角パイプを使用して模型により曲げ強さの比較試験を行った結果を図7に示す。試験方法は、3点曲げ方式で、溶接部に加重を加え、破断するまでの最大荷重(kN)を測定した。測定した最大荷重を曲げ強さとしている。試験機は、オリエンテック社製のものを使用し、試験片は、約50mmの角型パイプで、長さ140mmのものを用いた。
図7(a)は、補強部材2を設けない場合の結果を示すもので、最大荷重62.0(kN)で破断が発生した。これに対して、補強部材2を取り付けた本発明においては、最大荷重121.0(kN)で破断が発生しており、溶接部分の強度補強の点では、約2倍の効果が得られることが確認された。
なお、第1及び第2実施例では、外周壁1,3の水平方向断面が矩形状の場合の具体例として正方形のものを開示したが、本発明の補強構造は、これに限らず、図8(a)に示すように、水平方向断面が長方形の外周壁7を備えた橋脚K7にも適用できる。この場合は、隔壁8aの縦方向の長さと横方向の長さを、外周壁7の形状に合わせて、異ならせるように変更すれば良い。なお、図8(a)において、7b1,7b2,7b3,7b4は周方向の接合位置を、また、8bは、これらの接合位置の内周面に溶接またはボルト等の接合手段により固着される接合部を示している。
また、本発明の補強構造は、水平方向の断面が多角形状の外周壁を有する橋脚にも適用できる。図8(b)はその一例として、水平断面が正六角形の場合の例を示したものである。この場合は、隔壁80aを約60度間隔で放射状に設ければ良い。なお、図8(a)において、70b1,70b2,70b3,70b4,70b5,70b6は上下方向の接合位置を、また、80bは、これらの接合位置の内周面に溶接またはボルト等の接合手段により固着される接合部を示している。
また、上記実施例では、本発明を橋脚に適用する場合の例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、橋脚の間に架設される梁の補強構造にも適用できる。
本発明の補強構造は、例えば、内部が空洞の鋼製橋脚だけでなく、内部にコンクリートを充填した橋脚にも適用できるものである。
本発明の補強構造の第1実施例の構成を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 本発明の補強構造の第2実施例の構成を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 本発明の補強構造の第3実施例の構成を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。 本発明の補強構造の第4実施例の構成を説明する図であり、(a)は図1の橋脚に適用した場合の図、(b)は図2の橋脚に適用した場合の図、(c)は図3の橋脚に適用した場合の図である。 本発明の補強構造の第5実施例の構成を説明する図であり、(a)は図1の橋脚に適用した場合の図、(b)は図2の橋脚に適用した場合の図、(c)は図3の橋脚に適用した場合の図である。 補強部材の上端を外周壁の上端面よりも突出させた突出部と、補強部材の下端を外周壁の下端面よりも窪ませた窪み部とを備えたユニットを上下方向に複数積層する第6実施例の説明図であり、(a)は、ユニットの上端側の部分を表した斜視図、(b)は、ユニットの下端側の部分を表した斜視図である。 本発明の効果を確認するために模型を用いて行った曲げ試験の結果を示すグラフであり、(a)は補強部材を設けない場合の結果を、(b)は補強部材を用いた場合の結果を示したものである。 本発明の他の実施例を説明する図であり、(a)は外周壁の水平方向断面が長方形の橋脚に適用した場合の例を、(b)は外周壁の水平方向断面が六角形の橋脚に適用した場合の例を図示したものである。 従来の橋脚の補強構造を説明する図である。 従来の橋脚の補強構造の他の一例を示す図である。
符号の説明
1 外周壁
1a41,1a42,1a43,1a44 鋼板
1b1,1b2,1b3,1b4 周方向の溶接位置
1c1,1c2,1c3 上下方向の溶接位置
2 補強部材
2a 隔壁
2b 接合部
2c1,2c2,2c3,2c4 切り欠き部
2e1,2e2,2e3,2e4 孔
2g 突出部
2h 窪み部
K1 橋脚

Claims (6)

  1. 複数の鋼板を周方向に溶接して接合し、水平断面が矩形状若しくは多角形状又は円状となるように外周壁を形成した橋梁構造物において、前記外周壁内部の空洞の中心部から前記鋼板の周方向の溶接位置に亘って、水平断面が放射状となるように複数の隔壁からなる補強部材を設けるとともに、前記隔壁の水平方向端部の所要位置に、前記周方向の溶接位置において接合された2枚の鋼板の双方の内面に跨るように、周方向に所要の幅を有する接合部を設け、この接合部を前記外周壁内面に接合することにより前記補強部材を前記外周壁内部に取付けたことを特徴とする橋梁構造物の補強構造。
  2. 前記補強部材を構成する複数の隔壁が交わる中心部の所要位置に、切り欠き部を設けたことを特徴とする請求項1記載の橋梁構造物の補強構造。
  3. 複数の鋼板を上下方向に溶接して接合した外周壁を有する橋梁構造物であって、前記鋼板の上下方向の溶接位置と同じ高さ位置には、前記切り欠き部を設けないことを特徴とする請求項2記載の橋梁構造物の補強構造。
  4. 前記補強部材を構成する複数の隔壁の水平方向端部寄りの所要位置に、孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の橋梁構造物の補強構造。
  5. 複数の鋼板を上下方向に溶接して接合した外周壁を有する橋梁構造物であって、前記鋼板の上下方向の溶接位置と同じ高さ位置には、前記孔を設けないことを特徴とする請求項4記載の橋梁構造物の補強構造。
  6. 前記補強部材の上端を前記外周壁の上端面よりも突出させた突出部と、この突出部と嵌合可能なように、前記補強部材の下端を前記外周壁の下端面よりも窪ませた窪み部とを備えたユニットを上下方向に複数積層し、下側ユニットの前記突出部と上側ユニットの前記窪み部を嵌合して接合したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の橋梁構造物の補強構造。
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