JP7018012B2 - 柱梁仕口構造の構築方法 - Google Patents
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H形鋼製の梁部材の梁端部がボルト接合されている柱梁仕口構造の構築方法に関する。
また、柱部材の外周方向で隣接する一対のブラケット部材の上側フランジと、一対の梁部材の上側フランジは、それらに亘って架け渡されるフランジ用接合プレートでボルト接合されている。同じく、柱部材の外周方向で隣接する一対のブラケット部材の下側フランジと、一対の梁部材の下側フランジも、それらに亘って架け渡されるフランジ用接合プレートでボルト接合されている。
しかし、柱部材の外周方向で隣接する一対の梁部材の梁成が異なる場合には、隣接する両梁部材のフランジの高さレベルが一致しないため、上述のフランジ用接合プレートによるボルト接合方法は実施できない。
また、上述の柱梁接合構造の構築方法では、梁部材の塑性ヒンジがフランジ用接合プレートによるボルト接合部に位置し、曲げモーメント等の大きな応力が作用したときに、フランジ用接合プレートによるボルト接合部で滑り(所謂ボルト滑り)が発生する問題がある。
一対の前記梁部材の前記梁端部の夫々は、下側にフランジを有する高さ調整されたリブ材を下面に溶接してなるドロップハンチとして構成することにより、一対の前記梁部材の前記梁端部の梁成が等しく設定され、前記柱部材の外周方向で隣接する一対の前記ブラケット部材と一対の前記梁部材の前記梁端部における上下のフランジとが接合プレートでボルト接合され、前記梁部材の塑性ヒンジは、前記リブ材によるドロップハンチによって前記接合プレートのボルト接合部よりもスパン中央側に回避した位置に移動されている柱梁仕口構造の構築方法において、
前記一対のリブ材は、前記一対の梁部材の梁端部の梁成が等しくなる切断位置でH形鋼製のリブ素材のウェブを二分割して断面T形に構成されている点にある。
しかも、梁端部の下面に溶接されたリブ材によるドロップハンチにより、曲げモーメント等の大きな応力を負担する梁端部での断面性能を向上させると同時に、梁部材の塑性ヒンジを、接合プレートのボルト接合部よりもスパン中央側に回避した位置に移動させることができる。
図1~図3は、角形鋼管製の柱部材1の直交する四つの各柱面1aにおける仕口部に設けたブラケット部材2に、H形鋼製の梁部材3の梁端部がボルト接合されている柱梁仕口構造を示す。
四つのブラケット部材2の各々は、図2に示すように、上下方向に沿うウェブ21Aと、ウェブ21Aの上下の端部の各々から水平方向の両側方(幅方向)に延出される上下一対のフランジ21B,21Cと、を備えた同一形状のH形鋼から構成されている。各ブラケット部材2は、柱面1aからの突出長さがフランジ21B,21Cの幅よりも短いショートブラケットに構成され、柱面1aに隅肉溶接で接合されている。
四つのブラケット部材2は、図1~図3に示すように、後述の第1梁部材3Aの梁端部3aの端面と突き合わされる第1ブラケット部材2Aと、後述の第2梁部材3Bの梁端部3bの端面と突き合わされる第2ブラケット部材2Bとに分かれる。
図3に示すように、第1梁部材3Aのスパン中央側での梁成(第1H形鋼31の梁成H1a)及び第2梁部材3Bのスパン中央側での梁成(第2H形鋼32の梁成H2a)の各々は、ブラケット部材2のブラケット高さHよりも小に構成されている。第1梁部材3Aの梁端部3aの第1梁成H1及び第2梁部材3Bの梁端部3bの第2梁成H2の各々は、ブラケット部材2のブラケット高さHと同一に構成されている。
第1リブ材4のスパン中央側の端部には、図2、図3に示すように、第1H形鋼31の下方側のフランジ31Cの下面と第1リブ材4のウェブ4A及びフランジ4Bとに接触する第1補強プレート4Cが溶接接合されている。この第1補強プレート4Cに対応する第1H形鋼31の中間部位には、第1H形鋼31のウェブ31Aと上下のフランジ31B,31Cとに接触する第3補強プレート31Dが溶接接合されている。
第2リブ材5のスパン中央側の端部には、図2、図3に示すように、第2H形鋼32の下方側のフランジ32Cの下面と第2リブ材5のウェブ5A及びフランジ5Bとに接触する第2補強プレート5Cが溶接接合されている。この第2補強プレート5Cに対応する第2H形鋼32の中間部位には、第2H形鋼32のウェブ32Aと上下のフランジ32B,32Cとに接触する第4補強プレート32Dが溶接接合されている。
図2に示すように、第1梁部材3Aを構成する第1H形鋼31のウェブ31Aの連結端部及び第1リブ材4のウェブ4Aの連結端部の各々には、複数の第1ボルト挿通孔11が貫通形成されている。第2梁部材3Bを構成する第2H形鋼32のウェブ32Aの連結端部及び第2リブ材5のウェブ5Aの連結端部の各々には、複数の第2ボルト挿通孔12が貫通形成されている。
図2に示すように、第1梁部材3Aの梁端部3aの端面と突き合わされる第1ブラケット部材2Aのウェブ21Aには、第1H形鋼31側の第1ボルト挿通孔11及び第1リブ材4側の第1ボルト挿通孔11に対応する位置に第3ボルト挿通孔13が形成されている。また、第2梁部材3Bの梁端部3bの端面と突き合わされる第2ブラケット部材2Bのウェブ25Aには、第2H形鋼32側の第2ボルト挿通孔12及び第2リブ材5側の第2ボルト挿通孔12に対応する位置に第4ボルト挿通孔14が形成されている。
第1梁部材3Aの第1リブ材4のウェブ4Aと第1ブラケット部材2Aのウェブ21Aとを挟持状態でボルト連結する一対のウェブ用第2接合プレート7には、第1リブ材4側の第1ボルト挿通孔11及び第1ブラケット部材2A側の第3ボルト挿通孔13に対応する位置に第6ボルト挿通孔16が形成されている。
第2梁部材3Bの第2リブ材5のウェブ5Aと第2ブラケット部材2Bのウェブ21Aとを挟持状態でボルト連結する一対のウェブ用第4接合プレート9には、第2リブ材5側の第2ボルト挿通孔12及び第2ブラケット部材2B側の第4ボルト挿通孔14に対応する位置に第8ボルト挿通孔18が形成されている。
また、図2、図3に示すように、突き合わせ状態にある第2ブラケット部材2Bのウェブ21Aと、第2梁部材3Bの第2H形鋼32のウェブ32A及び第2リブ材5のウェブ5Aとは、それらの両側面に一対のウェブ用第3接合プレート8及び一対のウェブ用第4接合プレート9を配置した挟持状態で、ボルト・ナット10による締結操作によりボルト連結される。
図2に示すように、第1ブラケット部材2Aの上下のフランジ21B,21Cと、第2ブラケット部材2Bの上下のフランジ21B,21Cの各々には、複数の第9ボルト挿通孔41が貫通形成されている。第1梁部材3Aを構成する第1H形鋼31の上側のフランジ31Bの連結端部と、第1リブ材4の下側のフランジ4Bの連結端部の各々には、複数の第10ボルト挿通孔42が貫通形成されている。第2梁部材3Bを構成する第2H形鋼32の上側のフランジ32Bの連結端部と、第2リブ材5の下側のフランジ5Bの連結端部の各々には、複数の第11ボルト挿通孔43が貫通形成されている。
フランジ用接合プレート40の側辺部40b,40cには、図2に示すように、隣接する両ブラケット部材2A,2Bのフランジ側の第9ボルト挿通孔41、及び、隣接する両梁部材3A,3Bのフランジ側の第10ボルト挿通孔42及び第11ボルト挿通孔43に対応する第12ボルト挿通孔44が形成されている。
同じく、高さレベルが一致している隣接の両ブラケット部材2A,2Bにおける下側のフランジ21C,21Cと、隣接の両梁部材3A,3Bの梁端部3a,3bにおける下側のフランジ4B,5Bとは、それらの上下両面に一対のフランジ用接合プレート40,40を配置した挟持状態で、ボルト・ナット45による締結操作によりボルト連結される。
そして、上述の複数のボルト・ナット45によるフランジ用接合プレート40の側辺部40b,40cの接合部がボルト接合部46になる。
これにより、フランジ用接合プレート40のボルト接合部46での曲げモーメント等の応力の増大を抑制して、フランジ用接合プレート40のボルト接合部46におけるボルト滑りを抑制することができる。
上述の構成により、高さの異なる断面T形の第1リブ材4及び第2リブ材5を、H形鋼製のリブ素材50のウェブ50Aを二分割して製作することができるので、製造コストの低廉化を図ることができる。
(1)上述の実施形態では、第1リブ材4及び第2リブ材5を断面T形に構成したが、断面H形等に構成してもよい。
1a 柱面
2 ブラケット部材
3 梁部材
3a 梁端部
3b 梁端部
4 リブ材(第1リブ材)
4B 下側のフランジ
5 リブ材(第2リブ材)
5B 下側のフランジ
31B 上側のフランジ
32B 上側のフランジ
40 フランジ用接合プレート
46 ボルト接合部
50 リブ素材
50A ウェブ
H1 第1梁成
H2 第2梁成
Claims (1)
- 鋼管製の柱部材の直交する柱面における仕口部に設けたブラケット部材に、スパン中央側での梁成の異なるH形鋼製の梁部材の梁端部がボルト接合され、
一対の前記梁部材の前記梁端部の夫々は、下側にフランジを有する高さ調整されたリブ材を下面に溶接してなるドロップハンチとして構成することにより、一対の前記梁部材の前記梁端部の梁成が等しく設定され、前記柱部材の外周方向で隣接する一対の前記ブラケット部材と一対の前記梁部材の前記梁端部における上下のフランジとが接合プレートでボルト接合され、前記梁部材の塑性ヒンジは、前記リブ材によるドロップハンチによって前記接合プレートのボルト接合部よりもスパン中央側に回避した位置に移動されている柱梁仕口構造の構築方法において、
前記一対のリブ材は、前記一対の梁部材の梁端部の梁成が等しくなる切断位置でH形鋼製のリブ素材のウェブを二分割して断面T形に構成されている柱梁仕口構造の構築方法。
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