JP6530614B2 - 建造物における無溶接補強構造 - Google Patents
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本発明の実施形態に係る建造物における無溶接補強構造は、図1〜図5に示すように、一対の接合部材11からなる被覆部材10と、被覆部材10を柱材または梁材(以下、取付対象部材60と総称する)に固定する固定部材20と、固定部材20に取り付けたガセットプレート40と、被覆部材10に加わる引張力及び圧縮力に抵抗する補剛プレート30と、ブレース材50を基本的な構成部材としている。
被覆部材10は、図1〜図5に示すように、断面略コ字状の接合部材11を一組として取付対象部材60を挟み込むことにより、ブレース材50を取り付けるための基本構造を構成する部材である。接合部材11は、向かい合わせに組み付けた際に、開放側の先端部が重複するようになっており、被覆する取付対象部材60の断面形状に合わせて形成されている。すなわち、接合部材11の形状は、断面略コ字状に限定されるものではなく、取付対象部材60の形状に合わせて適宜変更することができる。
固定部材20は、被覆部材10を取付対象部材60に固定するための部材であり、図4に示すように、取付対象部材60の表面であって、接合部材11のネジ挿通孔12に対向する位置に接着した複数の基部ナット22と、基部ナット22にネジ着けるネジ棒21と、一連となったネジ挿通孔12から、被覆部材10の外側へ突出するネジ棒21にネジ着ける固定ナット23とからなる。このように、ネジ棒21及び固定ナット23を用いることにより、現場において重ね合わせた接合部材11(被覆部材10)の厚みの差違に適応することができる。なお、重ね合わせた接合部材11(被覆部材10)の厚みの差違が問題とならない場合には、ネジ棒21及び固定ナット23を一体のボルトとしてもよい。
ガセットプレート40は、図1〜図4に示すように、ブレース材50を取り付けるための部材で、接合部材11の少なくとも一方に、予め溶接されている。ブレース材50を溶接する位置は、接合部材11の開放側に対向する基端側の外側面である。ガセットプレート40には、ブレース材50を固定するための複数のボルト挿通孔51を設けてある。
補剛プレート30は、被覆部材10に加わる引張力及び圧縮力に抵抗するための部材である。この補剛プレート30は、取付対象部材60の構造に応じて設けられる部材であり、例えば、被覆部材10とガセットプレート40との間に掛け渡して設けてもよいし、被覆部材10の内側から突出して設けてもよいし、これら双方に設けてもよい。また、補剛プレート30の形状、大きさ、厚さ、数等は限定されず、ブレース材50に生じる応力に対して十分抵抗できるように設ければよい。
ブレース材50は、柱材と梁材との間に掛け渡す斜材であり、材質、太さ、形状等は、施工対象条件に合わせて適宜設定することができる。ブレース材50の端部には、ガセットプレート40に設けたボルト挿通孔51に対向する位置に開口(図示せず)を設けてある。そして、ガセットプレート40に設けたボルト挿通孔51とブレース材50に設けた開口とに一連にボルト52を挿通し、ボルト52の先端部にナット(図示せず)をネジ着けることにより、ブレース材50をガセットプレート40に取り付けることができる。
図1を参照して、本発明の無溶接補強構造をH形鋼からなる取付対象部材60に適用した例を説明する。H形鋼タイプは、図1に示すように、H形鋼からなる取付対象部材60に被覆部材10を固定し、予めガセットプレート40を溶接した被覆部材10にブレース材50を取り付けるようになっている。
図2を参照して、本発明の無溶接補強構造を角型鋼管タイプからなる取付対象部材60に適用した例を説明する。角型鋼管タイプは、図2に示すように、角型鋼管からなる取付対象部材60に被覆部材10を固定し、予めガセットプレート40を溶接した被覆部材10にブレース材50を取り付けるようになっている。
図3を参照して、本発明の無溶接補強構造をラチス材タイプからなる取付対象部材60に適用した例を説明する。ラチス材タイプは、図3に示すように、ラチス材を用いた取付対象部材60に被覆部材10を固定し、予めガセットプレート40を溶接したブ被覆部材10にブレース材50を取り付けるようになっている。
図4を参照して、本発明の無溶接補強構造の施工手順を説明する。なお、図4に示す例は、本発明をH形鋼に適用した例であるが、角型鋼管またはラチス材構造に適用した場合も、ほぼ同様の手順で施工することができる。また、本発明の無溶接補強構造では、予め、接合部材11にガセットプレート40を溶接しておくとともに、ネジ挿通孔12を設けておく。さらに、被覆部材10とガセットプレート40との間に掛け渡して補剛プレート30を設け、さらに、被覆部材10の内側から突出して補剛プレート30を設ける。上述したように、補剛プレート30を設ける位置は、取付対象部材60の構造により適宜選択する。
11 接合部材
11a 基部
11b 側部
12 ネジ挿通孔
20 固定部材
21 ネジ棒
22 基部ナット
23 固定ナット
30 補剛プレート
40 ガセットプレート
50 ブレース材
51 ボルト挿通孔
52 ボルト
60 取付対象部材(柱材または梁材)
Claims (1)
- H形鋼からなる柱材または梁材にブレース材を取り付けて耐震補強を行うための構造であって、
二分割された接合部材を一体に組み付けることにより、前記H形鋼からなる柱材または梁材の外周面を覆う被覆部材と、
前記被覆部材を前記H形鋼からなる柱材または梁材に固定する固定部材と、
前記接合部材の少なくとも一方に予め溶接されたガセットプレートと、
前記被覆部材に加わる引張力及び圧縮力に抵抗する補剛プレートと、
前記ガセットプレートに取り付けるブレース材と、
を備え、
前記補剛プレートは、前記被覆部材と前記ガセットプレートとの間に掛け渡して設けるとともに、前記被覆部材の内側から、前記H形鋼からなる柱材または梁材のフランジ及びウェブにより形成される凹部内に突出して設けることを特徴とする建造物における無溶接補強構造。
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JP2015032364A JP6530614B2 (ja) | 2015-02-21 | 2015-02-21 | 建造物における無溶接補強構造 |
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JP2015032364A JP6530614B2 (ja) | 2015-02-21 | 2015-02-21 | 建造物における無溶接補強構造 |
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JP6530614B2 true JP6530614B2 (ja) | 2019-06-12 |
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Family Applications (1)
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