JPH10292636A - 既設建築物の構造補強ブレース - Google Patents

既設建築物の構造補強ブレース

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JPH10292636A
JPH10292636A JP9742797A JP9742797A JPH10292636A JP H10292636 A JPH10292636 A JP H10292636A JP 9742797 A JP9742797 A JP 9742797A JP 9742797 A JP9742797 A JP 9742797A JP H10292636 A JPH10292636 A JP H10292636A
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steel
column
jacket
mortar
steel pipe
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Yoshihiro Tanaka
良弘 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設のラーメン式RC造若しくはラーメン式
SRC造建築物の構造補強、特に耐震補強に有効であ
り、且つ施工性のよいブレースを提供することにより、
施工の簡易化を図り、もって工期短縮・工費削減に寄与
することを目的とする。 【解決手段】既設の柱Cの柱頭及び柱脚に被せられた鋼
板ジャケット10と、一の柱Cの柱頭の鋼板ジャケット
10と当該一の柱Cに隣接する柱Cの柱脚の鋼板ジャケ
ット10とを接合する鋼管パイプ20と、この鋼管パイ
プ20内空洞に充填されたモルタル又はコンクリート3
0と、を備える既設建築物の構造補強ブレースを構築す
る。鋼管パイプ20,20の交差部においてはガセット
継手を形成し、その周囲に鋼板ボックス50が設けられ
てモルタル又はコンクリート53が充填される。更に鋼
板ジャケット10と柱頭又は柱脚との間の空隙にはモル
タル13が充填される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設のラーメン式
鉄筋コンクリート構造(以下RC造という)若しくはラ
ーメン式鉄骨鉄筋コンクリート構造(以下SRC造とい
う)建築物の構造補強ブレースに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、既設のラーメン式RC造若し
くはラーメン式SRC造建築物の構造補強を行うには、
柱と梁によって形成される四辺形の対向する角部同士を
結ぶブレースを取り付けることによって補強することが
一般的に行われている。この場合のブレースは、鋼管ま
たはH型鋼等の鋼材を、あと施工アンカーによって柱に
取り付けるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ブレースは以下に列挙する問題点を有する。 (1)鋼材は引張に対しては強いが圧縮に対しては比較
的弱いという特徴があるので、かかる鋼材ブレースは、
構造補強の主目的たる耐震という観点からは、必ずしも
適切とは言えない面がある。 (2)ブレース材が大断面になると寸法・重量が大きく
なるので、揚重機械が必要になるなど施工性が悪くな
る。 (3)あと施工アンカーによる鋼材ブレースの柱への取
り付けは手間がかかり、強度面での信頼性にも欠ける。 (4)あと施工アンカーによる鋼材ブレースの柱への取
り付けは、地震時の柱の弱点である梁との付け根の横拘
束が不充分であり、せん断及び曲げに対して脆い。
【0004】そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされ
たものであって、既設のラーメン式RC造若しくはラー
メン式SRC造建築物の構造補強、特に耐震補強に有効
であり、且つ施工性のよいブレースを提供することによ
り、施工の簡易化を図り、もって工期短縮・工費削減に
寄与することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、既設
の柱の柱頭及び柱脚に被せられた鋼板ジャケットと、一
の柱の柱頭の鋼板ジャケットと当該一の柱に隣接する柱
の柱脚の鋼板ジャケットとを接合する鋼管パイプと、こ
の鋼管パイプ内空洞に充填されたモルタル又はコンクリ
ートと、を備える構造補強ブレースであって、鋼板ジャ
ケットは、柱頭又は柱脚の断面形状に沿って鋼板を折り
曲げた金物であって、つばを有し、鋼管パイプは、モル
タル又はコンクリートを注入する注入口を有する閉鎖管
であり、鋼板ジャケットのつばと当接するプレートを両
端に有する、ことを特徴とする既設建築物の構造補強ブ
レースである。このように本発明においては、ブレース
材がモルタル又はコンクリート充填の鋼管パイプである
ので、鋼管が主に引張に対して有効に働き、モルタル又
はコンクリートが圧縮に対して有効に働くというよう
に、互いの長所を生かして引張に対しても圧縮に対して
も充分な強度をもつので、構造補強材として特に耐震性
に優れる。また、構造補強ブレースの各構成部品は全て
工場生産され、取り扱い容易であるので、施工性がよ
い。
【0006】また請求項2に記載の発明は、請求項1記
載の発明において、鋼板ジャケットのつばと鋼管パイプ
のプレートとがボルト接合されていることを特徴とす
る。このような場合には、鋼板ジャケットのつばと鋼管
パイプとの接合を簡易且つ確実に行うことができること
になる。
【0007】また請求項3に記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載の発明において、鋼管パイプの交差部が
互いに固定されていることを特徴とするものであり、よ
り剛性の高い構造補強ブレースとなる。
【0008】また請求項4に記載の発明は、請求項3記
載の発明において、鋼管パイプが、ボルト孔が穿設され
たプレートをその略中央部に有し、鋼管パイプの交差部
においてガセット継手を形成してなることを特徴とする
ものである。このように鋼管パイプの交差部にガセット
継手を形成することによって、鋼管パイプの交差部の接
合を簡易且つ確実に行うことができる。
【0009】また請求項5に記載の発明は、請求項3又
は請求項4記載の発明において、鋼管パイプが貫通する
孔を有する鋼板ボックスが鋼管パイプの交差部に周設さ
れ、この鋼板ボックス内空洞にモルタル又はコンクリー
トが充填されていることを特徴とするものであり、鋼管
パイプの交差部の接合部がより強固なものとなり、構造
補強ブレースの剛性が高まる。
【0010】また請求項6に記載の発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一項に記載の発明において、鋼板
ジャケットがモルタルの漏洩を防止する縁部を有し、鋼
板ジャケットと柱頭又は柱脚との間の空隙にはモルタル
が充填されていることを特徴とするものである。このよ
うな構成により、地震時の柱の弱点である梁との付け根
を横拘束することができ、せん断及び曲げに対して有効
な構造補強を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお説明におい
て、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略
する。
【0012】図1は本発明の一実施例を表す正面図であ
り、既設のラーメン式RC造建築物の1階部分に、本発
明に係る構造補強ブレースを適用することを想定してい
る。ここで本発明は、柱Cの柱頭及び柱脚に被せられた
鋼板ジャケット10と、一の柱Cの柱頭の鋼板ジャケッ
ト10と当該一の柱Cに隣接する柱Cの柱脚の鋼板ジャ
ケット10とを接合する鋼管パイプ20と、この鋼管パ
イプ20内空洞に充填されたモルタル又はコンクリート
30と、を備える既設建築物の構造補強ブレースであ
る。なお、Cは既設の柱を、Bは既設の梁を示す。
【0013】ここで鋼板ジャケット10は図2に示すよ
うに、柱頭又は柱脚の断面形状に沿って鋼板を折り曲げ
た金物であって、ボルト孔11aが穿設されたつば11
を端部に有し、更にモルタル13の漏洩を防止する縁部
12を上下端に有している。この鋼板ジャケット10は
柱Cの柱頭及び柱脚に被せられ、鋼管パイプ20が固定
される対象となるものであるので、柱頭及び柱脚にしっ
かりと固定される必要があり、例えば柱頭が円形断面な
らば半円形に、正方形断面ならば凹形にと適宜その形状
を変更して対応する。同図において柱Cは正方形断面を
想定しているため、鋼板ジャケット10はそれに対応し
て鋼板を凹形に折り曲げた形状となっている。また、縁
部12は本発明において必須のものではなく、この縁部
12を設けない場合には、鋼板ジャケット10は、柱C
の断面に隙間なく当接するように形成して、柱Cにしっ
かり固定されている必要がある。
【0014】また、端部に設けられるつば11にはボル
ト孔11aが穿設されているが、このボルト孔11aは
必須のものではなく、このつば11と鋼管パイプ20の
プレート22とを溶接にて接合してもよい。但し、つば
11にボルト孔11aが穿設されている場合は、これを
用いて鋼板ジャケット10と鋼管パイプ20とをボルト
接合できるので、簡易且つ確実に強固な接合を行うこと
ができる。もちろん、ボルト孔11aの大きさ・位置・
数等に関しては、十分な強度を確保することを条件とし
て、施工性を考慮して適宜定める。
【0015】また同図において、鋼板ジャケット10は
一対で一の柱頭又は柱脚をカバーし、すなわち一の鋼板
ジャケット10は半割りとも言うべき形状となっている
が、これに限定される必要は無く、三以上の鋼板ジャケ
ットで一組として使用してもよいし、一の鋼板ジャケッ
トで一の柱頭又は柱脚をカバーしてもよい。但し、つば
の形状等についても考慮した上で定める必要がある。
【0016】縁部12はモルタルの漏洩を防止する役割
を担うものであり、具体的には図3のように、この鋼板
ジャケット10と柱頭又は柱脚との間の空隙にモルタル
13が充填された時に、モルタル13が鋼板ジャケット
10外へ漏洩するのを防ぐ。但し、この縁部12は本発
明において必須のものではなく、鋼板ジャケット10を
柱頭又は柱脚の断面形状に沿って当接するように、すな
わち柱頭又は柱脚との隙間が生じない形状の鋼板ジャケ
ット10を使用して、鋼板ジャケット10を柱頭又は柱
脚に固定するようにしてもよい。
【0017】このように鋼板ジャケット10は、鋼管パ
イプ20の端部を固定する接合金具としての役割を担う
と共に、鋼板ジャケット10と柱頭又は柱脚との間の空
隙にモルタル13が充填された場合には、地震時の柱C
の弱点である梁Bとの付け根を横拘束することになり、
せん断及び曲げに対して有効な構造補強を行えることに
なる。なお同図においては、交差する鋼管パイプ20,
20が同一平面上に位置するのを避けるため、同図に示
すように、鋼板ジャケット10のつば11の位置が柱C
の中心にくることのないようにして納めている。
【0018】次に、図4に示すように、鋼管パイプ20
はモルタル又はコンクリート30を注入する注入口21
を有する閉鎖管であり、ボルト孔22aが穿設されたプ
レート22を両端に有し、略中央部にはボルト孔23a
が穿設されたプレート23を有するものである。同図に
おいては、鋼管パイプ20の両端を閉鎖端として、鋼管
パイプ20表面上の適当な位置に注入口21を別途設け
ているが、この注入口21は鋼管パイプ20の一端を開
放端とすることにより代替してもよい。両端に設けられ
たボルト孔22aが穿設されたプレート22は、鋼板ジ
ャケット10のつば11と対応するものであり、そのボ
ルト孔22aとつば11のボルト孔11aとを合致させ
て、ボルト11bにてボルト締めされる。略中央部に設
けられたボルト孔23aが穿設されたプレート23は、
後述するように、鋼管パイプ20,20の交差部でガセ
ットプレート40にボルト締めする場合に必要となる。
【0019】ここで、前述したように両端のプレート2
2に穿設されたボルト孔22aは必須のものではなく、
また、ボルト孔22aが穿設された略中央部のプレート
23も必須のものではない。このプレート23が無くと
も、鋼管パイプ20,20同士を例えば溶接によって互
いに固定してもよい。但し、ボルト孔23aが穿設され
た略中央部のプレート23があれば、後述するように、
鋼管パイプ20,20の交差部においてガセット継手を
形成することができ、簡易に強固な鋼管パイプ20,2
0の交差部を構築することができ、結果的に構造ブレー
スの剛性を高めることができる。
【0020】そして図4(c)に示すように、鋼管パイ
プ20内空洞にはモルタル又はコンクリート30が充填
されるので、引張に強い鋼材と圧縮に強いモルタル又は
コンクリートとの組み合わせによって、地震時にも有効
な、剛性の高いブレースが構築できる。更に、後述する
ように、モルタル又はコンクリート30が鋼管パイプ2
0設置後に鋼管パイプ20内空洞に充填されること、鋼
管パイプ20自体は軽量であること、の二点から、鋼管
パイプ20の運搬の際には揚重機械が不要であり、人力
できわめて容易に運搬できるという効果を奏するものと
なっており、且つ鋼管パイプ20の鋼板ジャケット10
への取り付けに関しても、鋼板ジャケット10にボルト
締めするのみであるため簡単であり、施工性がよいもの
となっている。
【0021】次に図5に、鋼管パイプ20,20の交差
部の一例を表す。23は鋼管パイプ20の略中央に固定
されたプレートであり、23aはそのプレートに穿設さ
れたボルト孔を、23bはそのボルト孔23aに螺合さ
れたボルトを、40はガセットプレートを、41はガセ
ットプレート40に穿設されたボルト孔を示す。鋼管パ
イプ20,20の交差部は必ずしも固定されている必要
は無いが、固定されていればブレースの剛性は高くな
る。固定手段としては、まず溶接が挙げられる。但し溶
接の場合は品質上の一定の基準を確保することが困難で
あり、且つ作業の手間もかかる。そこでここでは、ガセ
ットプレート40を用いてガセット継手を形成した鋼管
パイプ20,20の交差部を表している。そのためには
鋼管パイプ20の略中央に、ボルト孔23aの穿設され
たプレート23が固定されている必要があり、このプレ
ート23がガセットプレート40を両面から挟み、プレ
ート23のボルト孔23aとガセットプレート40のボ
ルト孔41とを合致させてボルト23bを螺合し、ガセ
ット継手を形成する。ここでもちろんガセットプレート
40やプレート23の形状やボルト孔23aの大きさ・
位置・数等に関しては、十分な強度を確保することを条
件として、施工性を考慮して適宜定める。
【0022】図6には、鋼管パイプ20,20の交差部
の別の例を挙げている。同図においては、鋼管パイプ2
0自体にはプレート等は付いておらず、留め金具23’
を用いて、鋼管パイプ20,20を添え板40’に固定
している。このような手段によっても、図5の場合と同
様の効果を奏することができる。
【0023】また、更にブレースの剛性を高めるため、
鋼管パイプ20,20の交差部を強固に接合する手段と
して挙げられるものが、上述したガセット継手部分を丸
ごと鋼板ボックス50で覆ってしまい、この鋼板ボック
ス50内空洞にモルタル又はコンクリート53を充填す
るというものであり、図7に斜視図を表す。鋼板ボック
ス50は、ここでは平面八角形の箱体であり、上部材5
1と下部材52とからなり、これらを現場で組み合わせ
てボルト51dにて接合される。具体的には、下部材5
2のボス52bに設けたボルト孔52cに、上部材51
のボルト孔51cを合致させてボルト51dを螺合す
る。また、上部材51には注入口51bが設けられ、こ
こから鋼板ボックス50内空洞にモルタル又はコンクリ
ート53を充填する。なお、上部材51と下部材52と
を溶接接合することも可能であるし、また上部材51に
注入口51bを設けずに、上部材51又は下部材52の
鋼管パイプ挿通溝51a若しくは52aをひと回り大き
めに形成してここから鋼板ボックス50内空洞にモルタ
ル又はコンクリート53を充填するようにすることもで
きる。もちろん、鋼板ボックス50や上部材51・下部
材52の形状等に関しては同図に示すものに限定され
ず、十分な強度を確保することを条件として、施工性を
考慮して適宜定める。
【0024】以上、本発明の一実施形態について添付図
面に基づいて説明したが、本発明を構成する部品は全
て、予め工場生産され、現場ではそれらを組み立てる作
業のみで済む。また、モルタル又はコンクリートの種類
に関してもあらゆる調合が可能であり、高強度無収縮モ
ルタルや高強度コンクリートを使用すれば、本発明の効
果は更に高まる。
【0025】一方、本発明に係る既設建築物の構造補強
ブレースの組立は、以下に説明する如く行う。 鋼板ジャケット10を柱Cの柱頭及び柱脚に仮留めす
る。 一の柱Cの柱頭の鋼板ジャケット10と当該一の柱C
に隣接する柱Cの柱脚の鋼板ジャケット10とを接合す
るように鋼管パイプ20を仮留めする。 仮留めされた鋼板ジャケット10と鋼管パイプ20と
を、その接合部において固定する。 鋼管パイプ20,20同士をその交差部で固定する。 鋼管パイプ20,20の交差部に鋼板ボックス50を
周設する。 鋼板ジャケット10と柱頭又は柱脚との間の空隙にモ
ルタル13を充填する。 鋼管パイプ20内空洞にモルタル又はコンクリート3
0を注入する。 鋼板ボックス50内空洞にモルタル又はコンクリート
53を注入する。 もちろん本発明に係る既設建築物の構造補強ブレースの
生産は、この順序に限定されるわけではなく、工事の実
情に鑑みて適宜変更可能である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、既設のラ
ーメン式RC造若しくはラーメン式SRC造建築物の構
造補強において、以下に述べる顕著な効果を生じさせる
ものである。 (1)ブレース材として鋼管パイプ内空洞にモルタル又
はコンクリートを充填したものを用いているので、引張
力と圧縮力の両方に対して強く、地震に対しても有効な
剛性の高い構造補強を行うことができる。 (2)(1)におけるモルタル又はコンクリートの充填
は、現場で鋼管パイプの組み立て後に行うことができる
ので、組み立て時には各部材が軽量で揚重機械は不要で
あり、人力にて極めて容易に取り付けることができる。 (3)鋼板ジャケット及び鋼管パイプはボルト締め作業
のみで取り付けられるので、施工が簡単で早い。 (4)鋼管パイプの交差部が固定されているので、剛性
が高い。 (5)(4)における固定は、ガセット継手によって行
うことができるので、簡易に信頼性の高い鋼管パイプの
交差部を形成できる。 (6)鋼管パイプの交差部に鋼板ボックスを周設して、
この鋼板ボックス内空洞にモルタル又はコンクリートを
充填することができるので、更に剛性の高い鋼管パイプ
の交差部を形成できる。 (7)鋼板ジャケットと柱頭又は柱脚との間の空隙にモ
ルタルを充填することができるので、地震時の柱の弱点
である梁との付け根を横拘束することになり、せん断及
び曲げに対して有効な構造補強を行えることになる。
【0027】そして上記(1)乃至(7)の効果から明
らかなように、本発明は既設のラーメン式RC造若しく
はラーメン式SRC造建築物の構造補強、特に耐震補強
に有効であり、且つ施工性のよい構造補強ブレースであ
り、施工の簡易化及び性能向上を通じて工期短縮・工費
削減に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る既設建築物の構造補強ブレースの
一実施例を表す正面図である。
【図2】鋼板ジャケットの一例を表す斜視図である。
【図3】柱と鋼板ジャケットとの接合及び鋼板ジャケッ
トと鋼管パイプとの接合の一例を表す横断面図である。
【図4】鋼管パイプの一例を表す図であり、(a)が正
面図、(b)が側面図、(c)が矢視断面図である。
【図5】鋼管パイプの交差部の一例を表す図であり、
(a)が正面図、(b)が矢視断面図である。
【図6】鋼管パイプの交差部の他の例を表す図であり、
(a)が正面図、(b)が矢視断面図である。
【図7】鋼板ボックスを周設した鋼管パイプの交差部の
一例を表す斜視図である。
【符号の説明】
10 …鋼板ジャケット 11 …つば 11a…ボルト孔 11b…ボルト 12 …縁部 13 …モルタル 20 …鋼管パイプ 21 …注入口 22 …プレート 22a…ボルト孔 23 …プレート 23a…ボルト孔 23b…ボルト 23’…留め金具 30 …モルタル又はコンクリート 40 …ガセットプレート 40’…添え板 41 …ボルト孔 50 …鋼板ボックス 51 …上部材 51a…鋼管パイプ挿通溝 51b…注入口 51c…ボルト孔 51d…ボルト 52 …下部材 52a…鋼管パイプ挿通溝 52b…ボス 52c…ボルト孔 53 …モルタル又はコンクリート C …柱 B …梁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設の柱の柱頭及び柱脚に被せられた鋼
    板ジャケットと、一の柱の柱頭の鋼板ジャケットと当該
    一の柱に隣接する柱の柱脚の鋼板ジャケットとを接合す
    る鋼管パイプと、この鋼管パイプ内空洞に充填されたモ
    ルタル又はコンクリートと、を備える構造補強ブレース
    であって、 鋼板ジャケットは、柱頭又は柱脚の断面形状に沿って鋼
    板を折り曲げた金物であって、つばを有し、 鋼管パイプは、モルタル又はコンクリートを注入する注
    入口を有する閉鎖管であり、鋼板ジャケットのつばと当
    接するプレートを両端に有する、ことを特徴とする既設
    建築物の構造補強ブレース。
  2. 【請求項2】 前記鋼板ジャケットのつばと前記鋼管パ
    イプのプレートとがボルト接合されていることを特徴と
    する請求項1記載の既設建築物の構造補強ブレース。
  3. 【請求項3】 前記鋼管パイプの交差部が互いに固定さ
    れていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    既設建築物の構造補強ブレース。
  4. 【請求項4】 前記鋼管パイプは、ボルト孔が穿設され
    たプレートをその略中央部に有し、鋼管パイプの交差部
    においてガセット継手を形成してなることを特徴とする
    請求項3記載の既設建築物の構造補強ブレース。
  5. 【請求項5】 前記鋼管パイプが貫通する孔を有する鋼
    板ボックスが鋼管パイプの交差部に周設され、この鋼板
    ボックス内空洞にモルタル又はコンクリートが充填され
    ていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の既
    設建築物の構造補強ブレース。
  6. 【請求項6】 前記鋼板ジャケットはモルタルの漏洩を
    防止する縁部を有し、鋼板ジャケットと柱頭又は柱脚と
    の間の空隙にはモルタルが充填されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の既設
    建築物の構造補強ブレース。
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