JP6761928B2 - 固体電解質ガラス及びその製造方法、固体電解質ガラス用前駆体、サスペンジョン、リチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池 - Google Patents

固体電解質ガラス及びその製造方法、固体電解質ガラス用前駆体、サスペンジョン、リチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6761928B2
JP6761928B2 JP2015237907A JP2015237907A JP6761928B2 JP 6761928 B2 JP6761928 B2 JP 6761928B2 JP 2015237907 A JP2015237907 A JP 2015237907A JP 2015237907 A JP2015237907 A JP 2015237907A JP 6761928 B2 JP6761928 B2 JP 6761928B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
electrolyte glass
powder
precursor
suspension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015237907A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016117640A (ja
Inventor
松田 厚範
厚範 松田
浩行 武藤
浩行 武藤
剛 河村
剛 河村
フ フイ フク グエン
フ フイ フク グエン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyohashi University of Technology NUC
Original Assignee
Toyohashi University of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyohashi University of Technology NUC filed Critical Toyohashi University of Technology NUC
Publication of JP2016117640A publication Critical patent/JP2016117640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6761928B2 publication Critical patent/JP6761928B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン電池を構成する正極等の電極や、電解質層等の形成材料として好適な、非晶質の固体電解質ガラス、固体電解質ガラス用前駆体、サスペンジョン及びこれらの製造方法、リチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池は、充電時には正極からリチウムがイオンとして溶け出して負極へ移動して吸蔵され、放電時には負極から正極へリチウムイオンが戻る構造の二次電池である。このリチウムイオン電池は、エネルギー密度が大きく、長寿命である等の特徴を有しているため、従来、パソコン、カメラ等の家電製品や、携帯電話機等の携帯型電子機器又は通信機器、パワーツール等の電動工具等の電源として広く用いられており、最近では、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)等に搭載される大型電池にも応用されている。このようなリチウムイオン電池において、可燃性の有機溶剤を含む電解液に代えて固体電解質を用いると、安全装置の簡素化が図られるだけでなく、製造コスト、生産性等にも優れることから、各種材料の研究が盛んに進められている。なかでも、硫化物固体電解質は、導電率(リチウムイオン伝導度)が高く、電池の高出力化を図る上で有用であるといわれている。
硫化物固体電解質としては、リチウム元素、リン元素及び硫黄元素を含む固体電解質ガラスが、その製造方法とともに知られている。
特許文献1には、リチウム成分、硫黄成分及びリン成分を、非プロトン性有機溶媒(N−メチル−2−ピロリドン等)中で反応させて、リチウムイオン導電性固体電解質を製造する方法が開示されている。
特許文献2には、硫化リン及び硫化リチウムを、炭化水素系溶媒(キシレン、トルエン、ヘキサン等)中で接触反応させて、リチウムイオン伝導性固体電解質を製造する方法が開示されている。
特許文献3には、LiPSから構成される硫化物固体電解質ガラスであって、Liが検出されず、LiSの含有量が3mol%以下である硫化物固体電解質ガラスが開示されている。そして、この固体電解質ガラスは、硫化リン及び硫化リチウムを、メカニカルミリング法に供して製造されている。
特許文献4には、硫化リチウムを含み、X線回折分析による硫化リチウムの残存率が30%以下である固体電解質ガラスが開示されている。
また、非特許文献1には、硫化リチウムと五硫化二リンとを、テトラヒドロフラン中で接触反応させてLiPS・3THFとした後、これを140℃に加熱して得られたナノポーラスβ−LiPS結晶からなる固体電解質が開示されている。
非特許文献2には、反応媒体として、N−メチルホルムアミド及びn−ヘキサンを用いて、硫化リチウムと五硫化二リンとを液相反応させて得られたLiPS固体電解質が開示されている。
非特許文献3には、硫化リチウムと五硫化二リンとを、1,2−ジメトキシエタン中で接触反応させて、LiPS及びLiの混合物からなる前駆体を調製した後、乾燥し、次いで、250℃で熱処理してLi11結晶からなる固体電解質が開示されている。
国際公開2004/093099号公報 国際公開2009/047977号公報 国際公開2012/011179号公報 特開2013−155087号公報
Z.Liu,et al, J.Am.Chem.Soc., 135(2013) 975−978 S.Teragawa,et al, J.Mater.Chem.A 2(2014) 5095−5099 S.Ito,et al, J.Power Sources 271(2014) 342−345
上記文献に示された固体電解質による導電率の最大値は、8×10−5S/cm(熱処理前のガラス、常温、特許文献1)、4.0×10−4S/cm(熱処理前のガラス、25℃、特許文献2)、2.0×10−4S/cm(熱処理前のガラス、特許文献3)、1.6×10−4S/cm(熱処理後のガラスセラミックス、25℃、非特許文献1)、2.3×10−6S/cm(熱処理後のガラスセラミックス、室温、非特許文献2)、2.7×10−4S/cm(熱処理後のガラスセラミックス、室温、非特許文献3)であり、十分ではなかった。本発明の課題は、リチウムイオン電池を構成する正極等の電極や電解質層等の形成材料として好適な、非晶質の固体電解質ガラス及びその製造方法を提供することである。また、本発明の他の課題は、上記固体電解質ガラスの形成に好適な前駆体及びサスペンジョン並びに上記固体電解質ガラスを用いてなるリチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池を提供することである。
本発明者らは、硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を用いた同じ原料の使用条件下、従来、公知のメカニカルミリング法によって製造された固体電解質ガラスよりも、導電性に優れた固体電解質ガラス及びその製造方法が得られ、本発明を完結するに至った。
本発明は、以下に示される。
[1]Li、P及びSを含み、PS結合を含む固体電解質ガラスであって、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超えることを特徴とする固体電解質ガラス。
[2]上記固体電解質ガラスがLiPSを含む上記[1]に記載の固体電解質ガラス。
[3]上記固体電解質ガラスが形状異方性を有し、平面視における長軸方向の長さが短軸方向の長さの2倍以上である上記[1]又は[2]に記載の固体電解質ガラス。
[4]上記固体電解質ガラスが、Li11又はLiX(Xはハロゲン元素である)を含む上記[3]に記載の固体電解質ガラス。
[5]上記LiXに含まれるXがIを含む上記[4]に記載の固体電解質ガラス。
[6]硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で接触反応させてサスペンジョンを得る接触反応工程と、上記サスペンジョンから上記溶媒を除去し、固体組成物を得る溶媒除去工程と、上記固体組成物を熱処理して、上記固体電解質ガラスを生成させる加熱工程と、を順次、備える方法により得られた、上記[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の固体電解質ガラス。
[7]硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で接触反応させてサスペンジョンを得る接触反応工程と、上記サスペンジョンから上記溶媒を除去し、固体組成物を得る溶媒除去工程と、上記固体組成物を熱処理して、上記固体電解質ガラスを生成させる加熱工程と、を順次、備えることを特徴とする、固体電解質ガラスの製造方法。
[8]上記飽和脂肪酸エステルが、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル及びプロピオン酸ブチルからなる群から選ばれた少なくとも1種である上記[7]に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
[9]上記ジアルキルカーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートからなる群から選ばれた少なくとも1種である上記[7]に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
[10]上記接触反応工程において、上記硫化リチウム粉体と、上記五硫化二リン粉体と、上記溶媒とを振動させながら、上記硫化リチウム粉体と、上記五硫化二リン粉体とを反応させる上記[7]乃至[9]のいずれか一項に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
[11]上記接触反応工程において、超音波を利用して、上記硫化リチウム粉体と、上記五硫化二リン粉体と、上記溶媒とを振動させながら、上記硫化リチウム粉体と、上記五硫化二リン粉体とを反応させる上記[10]に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
[12]上記加熱工程における熱処理温度が50℃〜200℃である上記[7]乃至[11]のいずれか一項に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
[13]硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で接触反応させてサスペンジョンを得る接触反応工程と、上記サスペンジョンから上記溶媒を除去する溶媒除去工程と、を順次、備える方法により得られたことを特徴とする固体電解質ガラス用前駆体。
[14]硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で接触反応させることにより得られ、固形分濃度が2〜50質量%であることを特徴とするサスペンジョン。
[15]上記[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の固体電解質ガラスを含むことを特徴とするリチウムイオン電池用電極。
[16]上記[15]に記載のリチウムイオン電池用電極を含むことを特徴とするリチウムイオン電池。
本発明の固体電解質ガラスは、リチウムイオン電池を構成する電極、即ち、正極又は負極や、電解質層等の形成材料として好適であり、リチウムイオン伝導性の高い固体電池を与えることができる。また、好ましい態様においては、従来、公知の製造方法により得られた、同等組成の硫化物固体電解質に比べて、高い導電性を有する。例えば、20℃〜160℃といった広い温度範囲で、特に、50℃以上の温度を含む範囲において、高い導電性を得ることができる。
本発明の固体電解質ガラスの製造方法によれば、上記性質を有する固体電解質ガラスを、メカニカルミリング法に比べて迅速に且つ効率よく得ることができる。接触反応工程により得られたサスペンジョン、及び、溶媒除去工程により得られた固体組成物、即ち、本発明の固体電解質ガラス用前駆体は、いずれも、上記性質を有する固体電解質ガラスの製造に好適なものであり、いずれも、リチウムイオン電池用電極等のリチウムイオン電池の構成部品を得るための原料として、極めて有用である。
実験例1により得られた固体電解質ガラス用前駆体(PP1)、固体電解質ガラス(PG1、PG2及びPG3)並びに実験例9により得られた固体電解質ガラス(CG)のX線回折像である。 実験例1により得られた固体電解質ガラス用前駆体(PP1)、固体電解質ガラス(PG1、PG2及びPG3)並びに実験例9により得られた固体電解質ガラス(CG)のラマンスペクトルである。 実験例1により得られた固体電解質ガラス(PG2)のSEM画像である。 図3の部分的拡大図であり、固体電解質ガラス(PG2)の粒子を示す画像である。 実験例2により得られた固体電解質ガラス用前駆体(DP1)、固体電解質ガラス(DG1、DG2及びDG3)並びに実験例9により得られた固体電解質ガラス(CG)のX線回折像である。 実験例2により得られた固体電解質ガラス用前駆体(DP1)並びに固体電解質ガラス(DG1、DG2及びDG3)のラマンスペクトルである。 実験例2により得られた固体電解質ガラス(DG1)のSEM画像である。 実験例3により得られた固体電解質ガラス用前駆体(PP2)及び固体電解質ガラス(PF1)のX線回折像である。 実験例3により得られた固体電解質ガラス(PF1)のSEM画像である。 実験例4〜6により得られた固体電解質ガラス前駆体(PP3、PP4及びPP5)のX線回折像である。 実験例4〜6により得られた固体電解質ガラス前駆体(PP3、PP4及びPP5)のラマンスペクトルである。 実験例4〜6により得られた固体電解質ガラス(PH1、PJ1及びPK1)のX線回折像である。 実験例4〜6により得られた固体電解質ガラス(PH1、PJ1及びPK1)のラマンスペクトルである。 実験例4により得られた固体電解質ガラス(PH1)のSEM画像である。 実験例7により得られた固体電解質ガラス(PM1)のX線回折像である。 実験例8により得られた固体電解質ガラス前駆体(PP7)並びに固体電解質ガラス(PL1、PL2、PL3及びPL4)のX線回折像である。 実験例8により得られた固体電解質ガラス前駆体(PP7)並びに固体電解質ガラス(PL1、PL2、PL3及びPL4)のラマンスペクトルである。 実験例8により得られた固体電解質ガラス(PL1)のSEM画像である。 実験例8により得られた固体電解質ガラス(PL3)のSEM画像である。 実験例1により得られた固体電解質ガラス(PG1、PG3及びPG4)並びに実験例9により得られた固体電解質ガラス(CG)の導電率の温度依存性を示すグラフである。 実験例1により得られた固体電解質ガラス(PG1)及び実験例3により得られた固体電解質ガラス(PF1)の導電率の温度依存性を示すグラフである。 実験例4〜6により得られた固体電解質ガラス(PH1、PJ1及びPK1)の導電率の温度依存性を示すグラフである。 実験例7により得られた固体電解質ガラス(PM1)の導電率の温度依存性を示すグラフである。 実験例8により得られた固体電解質ガラス(PL3及びPL4)の導電率の温度依存性を示すグラフである。 固体電解質ガラスを含むリチウムイオン電池用電極を備えるリチウムイオン電池の要部断面を示す概略図である。
本発明の固体電解質ガラスは、Li、P及びSの各元素を含み、PS結合を含むガラスであって、ハロゲン元素X(Br、I等)等、他の元素を含んでもよいガラスである。本発明においては、LiPS、Li11及びLiX(Xはハロゲン元素である)から選ばれた少なくとも1つを含むことが好ましい。また、後述するように、本発明の固体電解質ガラスは、特定の製造方法により得られた、実質的に、非晶質のガラス又はガラスセラミックスである。そして、本発明の固体電解質ガラスの形状は、略球状、鱗片状、針状、棒状等である。特に好適には、形状異方性を有し、平面視における長軸方向の長さが短軸方向の長さに対して好ましくは2倍以上、より好ましくは5倍以上であり、上限は、通常、30倍である。アスペクト比が高い固体電解質ガラスは、高密度の電極又は固体電解質層の形成に好適である。上記の長軸方向の長さ及び短軸方向の長さは、電子顕微鏡により測定することができる。また、本発明の固体電解質ガラスの形状が、鱗片状等、厚さを有する場合、その厚さは、好ましくは50〜800nm、より好ましくは70〜600nm、更に好ましくは80〜500nmである。
本発明の固体電解質ガラスは、交流インピーダンス法により測定される、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超え、好ましくは7.00×10−3S/cm以上、更に好ましくは1.20×10−2S/cm以上であるといった高い性能を有し、好ましい態様においては、50℃における導電率を1.10×10−3S/cmとすることができるので、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上の温度を含む範囲において、高い導電性を得ることができる。
上記性能を有する固体電解質ガラスは、硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で接触反応させてサスペンジョンを得る接触反応工程と、サスペンジョンから溶媒を除去し、固体組成物を得る溶媒除去工程と、固体組成物を熱処理して、固体電解質ガラスを生成させる加熱工程と、を順次、備える方法(本発明の固体電解質ガラスの製造方法)により得ることができる。
以下、本発明の固体電解質ガラスの製造方法について、説明する。
接触反応工程は、硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を、後述する好ましいモル比で用いて、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で接触反応させてサスペンジョンを得る工程である。
本発明においては、必要に応じて、反応系にハロゲン化リチウム粉体を併存させることができ、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム等からなる粉体を用いることができる。
接触反応工程で用いる上記の各化合物粉体(原料粉体)は、両者の反応性の観点から、粒子径が小さいことが好ましい。粒子径の上限は、好ましくは150μm、より好ましくは120μmである。但し、下限は、通常、10μm程度である。
硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体の使用量は、モル比を66〜82:34〜18等とすることができるが、LiPS、Li11又はLiXを与える固体電解質ガラスを効率よく形成させるモル比は、好ましくは67〜80:33〜20、より好ましくは74〜76:26〜24、更に好ましくは74.5〜75.5:25.5〜24.5である。
また、ハロゲン化リチウム粉体を用いてLiXを生成させる場合、その使用量は、原料として用いたハロゲン化リチウム粉体を残留させないとの観点から、モル比で、完成した固体電解質ガラス100に対して50以下である。
硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体等の接触反応は、飽和脂肪酸エステル又はジアルキルカーボネートを含む溶媒の中で行われる。飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートを組み合わせてもよい。この溶媒は、従来、有機合成等の分野において反応溶媒として用いられている有機化合物を更に含んでもよい。上記溶媒は、個々の原料粉体との化学反応性を有さないので、硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体等の接触反応を円滑に進行させ、安定な組成を有する反応生成物(LiPS、Li11又はLiXを与える固体電解質ガラス用前駆体)を含むサスペンジョン、安定な固体組成物(固体電解質ガラス用前駆体)、及び、安定な固体電解質ガラスを導くことができる。
上記飽和脂肪酸エステルとしては、プロピオン酸エステル等が挙げられる。このプロピオン酸エステルとしては、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル等が挙げられ、これらのうち、プロピオン酸エチルが好ましい。上記飽和脂肪酸エステルは、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が挙げられる。上記ジアルキルカーボネートは、単独で用いてよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る溶媒は、飽和脂肪酸エステルを含むことが好ましい。
接触反応工程で用いる、上記溶媒と上記原料粉体(合計量)との質量比は、LiPS、Li11又はLiXを与える固体電解質ガラスが効率よく形成されることから、好ましくは98〜50:2〜50、より好ましくは96〜70:4〜30、更に好ましくは96〜89:4〜11である。
接触反応工程では、上記溶媒の中で硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体等を混合すること等により接触反応が行われる。接触反応の具体的な方法は、特に限定されないが、通常、容器に収容された、溶媒、硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体等からなるスラリーを、撹拌翼、撹拌子、ビーズ、ボール、ホモジナイザー等を用いて動的混合する方法が適用される。硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体等を上記溶媒とともに用いることにより、スラリーの流動性が高まるため、反応性が向上し、安定な反応生成物(LiPS、Li11又はLiXを与える固体電解質ガラス用前駆体)を含み、均一なサスペンジョンを得ることができる。
本発明では、スラリーを振動させながら、硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体等を反応させることが好ましい。ビーズ、ボール等を用いる場合の振動条件は、好ましくは、振幅5〜15mm、及び、1000〜2000回/分であり、より好ましくは、振幅7.5〜12.5mm、及び、1250〜1750回/分である。また、スラリーに超音波を照射することにより振動させてもよく、この場合の超音波の周波数は、好ましくは10kHz〜1MHz、より好ましくは15〜50kHzである。
尚、接触反応工程において、ビーズやボールを用いて反応させると、得られる反応生成物は、微細化されると共に均一性が向上する。また、上記接触反応工程において、ビーズやボールを用いた手法で混合を行った場合、固体組成物は溶媒中に安定に分散し、例えば、常温で10日放置しても、分離、沈殿し難く、変色等の変質もない。
また、超音波を利用する場合、例えば、超音波洗浄器等の中に載置したスラリーを撹拌しながら超音波を照射したり、超音波発振器を備えるホモジナイザーを用いたりすることができる。これらの場合も、得られる固体組成物は溶媒中に安定に分散し、例えば、このサスペンジョンを、常温で10日放置しても、分離、沈殿し難く、変色等の変質もない。
従来、ボールミル等のミルや粉砕機を用い、硫化リチウム粉体と五硫化二リン粉体とに強い衝撃力を与えながらミリングしてガラス化し、固体電解質ガラスを得る製造方法が知られている。一方、本発明では、ミリングのような強い力に依らずとも、接触反応工程において、特定の溶媒中で、原料粉体を振動する手法で固体組成物(固体電解質ガラス用前駆体)を生成させるとともに、その軽微な力で、生成した固体電解質ガラス用前駆体を微細化することができる。ここで、固体電解質ガラスが微細であると、例えば、これを含む正極、負極等の電極を作製した場合、これら電極の特性を向上させることができる。従って、接触反応工程にて微細な固体電解質ガラス用前駆体が得られることは、その後に作製する電極の電気的特性を向上させ得る。
接触反応工程における反応系の雰囲気は、特に限定されず、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、乾燥空気等からなるものとすることができる。
接触反応工程における反応時間は、原料の使用量、動的混合方法等により、適宜、設定される。超音波を利用せず、ビーズ、ボール等を用いる場合、反応時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜12時間である。また、超音波を利用する場合、反応時間は、好ましくは1〜360分間、より好ましくは5〜300分間、更に好ましくは10〜240分間である。
この接触反応工程により、反応生成物の固形分濃度が好ましくは2〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%のサスペンジョンを得る。また、接触反応工程によって、反応生成物(固体電解質ガラス用前駆体)の粒子径を、100nm〜1μmとすることができる。
溶媒除去工程は、サスペンジョンから溶媒を除去し、固体組成物を得る工程である。この溶媒除去工程では、固体及び液体の混合物から固体を回収する、デカンテーション、濾過、蒸発等、従来、公知の方法を適用することができる。上記サスペンジョンは、実質的に、接触反応工程で用いた溶媒と、固体組成物との混合物である。尚、この固体組成物は、固体電解質ガラス用前駆体を含み、残存溶媒を含んでもよい組成物である。また、固体電解質ガラス用前駆体の構造は定かではなく、ラマンスペクトルによると、PS結合を有することが分かっており、X線回折像によると、LiPS、Li11及びLiXではないことが分かっている。尚、固体組成物に含まれる固体電解質ガラス用前駆体がLiPSの前駆体及びLi11の前駆体である場合には、この固体電解質ガラス用前駆体は結晶構造を有する。
溶媒除去工程では、LiPS、Li11又はLiXを与える安定な固体電解質ガラス用前駆体を得るために、100℃未満、好ましくは15〜60℃程度で乾燥を行う。また、溶媒の除去は、大気圧及び減圧のいずれで行ってもよい。大気圧下で溶媒を除去する際の雰囲気は、好ましくは、乾燥空気又は不活性ガスである。尚、この溶媒除去工程において、溶媒の除去を行う場合、加熱工程を円滑に進めるために、溶媒を完全に除去してよいし、溶媒の種類等に応じて、得られる固体組成物の全量に対して、数千質量ppm〜20質量%程度、好ましくは1〜10質量%程度残存するようにしてもよい。また、上記接触反応工程で得られたサスペンジョンにおいて、反応生成物は、沈殿物がほとんどであるが、粒子径の違い等により浮遊物が含まれる場合があるため、溶媒を除去する前に、サスペンジョンを遠心分離等に供しておくことにより、固体電解質ガラス用前駆体を主とする固体組成物を効率よく回収することができる。
加熱工程は、固体電解質ガラス用前駆体を含む固体組成物を熱処理して、固体電解質ガラスを生成させる工程である。上記のように、固体組成物に含まれる固体電解質ガラス用前駆体は、種類により結晶構造を有することがあるので、上記溶媒除去工程において溶媒の含有が抑制された場合の、結晶構造を有する固体電解質ガラス用前駆体を含む固体組成物を熱処理することにより、非晶質化を効率よく進めることができる。従って、先の溶媒除去工程により得られた固体組成物中に溶媒が残存している場合には、予備加熱処理を含む加熱工程とすることができる。予備加熱処理の熱処理温度は、溶媒の沸点に対して、好ましくは−5℃〜+50℃の温度範囲、より好ましくは−3℃〜+15℃の温度範囲である。また、この予備加熱処理においては、溶媒除去を促進するために減圧しながら加熱が実行される。尚、予備加熱処理における加熱条件によって固体電解質ガラス用前駆体の一部又は全部はガラス化する。
そして、必要に応じて予備加熱処理を行った後、脱溶された固体組成物の加熱処理が実行される。加熱温度は、好ましくは50℃〜200℃、より好ましくは55℃〜195℃、特に好ましくは95℃〜190℃である。熱処理時間は、好ましくは2〜24時間、より好ましくは10〜14時間である。また、熱処理を行う際の雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、乾燥空気等からなるものとすることができる。この加熱工程は、常圧で固体組成物を加温することで行う。尚、上記加熱工程は、固体組成物をプレス成形した後、行ってもよい。また、ホットプレスにより行ってもよい。ホットプレスを行う場合は、加熱時間は、1〜3時間程度とすることができる。この加熱工程により、固体電解質ガラス用前駆体に含まれたPS結合がそのまま含まれるLiPS、Li11又はLiXを主とする固体電解質ガラスを効率よく得ることができる。尚、生成したLiPS、Li11又はLiXを主とする固体電解質ガラスは、溶媒が残存したものであってもよい。
尚、上記接触反応工程により得られたサスペンジョンは、本発明のサスペンジョンとすることができ、固形分濃度が2〜50質量%であることを特徴とする。このサスペンジョンは、上記のように、実質的に、接触反応工程で用いた溶媒と、硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体等の反応生成物との混合物である。反応生成物の固形分濃度が上記範囲にあるサスペンジョンは、広い温度範囲で高い導電性を与える固体電解質ガラスの形成に好適である。
また、上記の接触反応工程及び溶媒除去工程を備える方法により得られた固体組成物は、本発明の電解質ガラス用前駆体とすることができる。上記溶媒除去工程における説明のように、上記固体組成物において、溶媒は、完全に除去されていてよいし、残存していてもよい。このような電解質ガラス用前駆体は、広い温度範囲で高い導電性を与える固体電解質ガラスの形成に好適である。
上記性能を有する固体電解質ガラスを得る他の製造方法としては、硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で接触反応させてサスペンジョンを得る第1工程と、サスペンジョンを加熱して、途中で溶媒を除去するも加熱を継続して固体電解質ガラスを生成させる第2工程と、を順次、備える方法が挙げられる。第1工程は、上記本発明の固体電解質ガラスの製造方法における工程を適用することができる。第2工程では、加熱温度を終始、同一としたり、変化させたりする方法とすることができるが、固体電解質ガラスを生成させる温度は、サスペンジョンに対する初期の加熱温度より高くすることが好ましい。
本発明の製造方法を利用して、ガラスセラミックを得ることができる。例えば、上記加熱工程において、脱溶された固体組成物の加熱を、200℃を超える温度、好ましくは230℃以上で行ったり、上記加熱工程において、サスペンジョンの加熱を、200℃を超える温度、好ましくは230℃以上で行ったり、更には、上記により得られた固体電解質ガラスを、一旦、常温とした後、再度、例えば、130℃以上に加熱したりすることにより、結晶を生成させることができる。
本発明の固体電解質ガラス、又は、ガラスセラミック(これも固体電解質に含まれる。)は、リチウムイオン電池用電極又は固体電解質層の構成材料として好適である。具体的には、図25に示されるリチウムイオン電池の正極11、固体電解質層15、負極13等の構成材料として好適である。これらのうち、正極11及び固体電解質層15の形成に、特に好適である。
本発明のリチウムイオン電池用電極は、上記本発明の固体電解質ガラスを含むことを特徴とする。本発明のリチウムイオン電池用電極は、通常、活物質を含み、更に、バインダー、導電助剤、他の固体電解質等を含むことができる。
また、本発明のリチウムイオン電池は、上記本発明のリチウムイオン電池用電極(図25の正極11及び/又は負極13)を含むことを特徴とする。本発明のリチウムイオン電池は、図25に示すように、好ましくは、固体電解質ガラス及び正極活物質を含有する正極11と、固体電解質ガラス及び負極活物質を含有する負極13と、正極11及び負極13の間に配された電解質層15と、正極11の集電を行う正極集電体17と、負極15の集電を行う負極集電体19と、これらの部材を収納する電池ケース(図示せず)とを有するものである。
本発明のリチウムイオン電池用電極におけるバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の含フッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン・プロピレン・非共役ジエン系ゴム(EPDM等)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を用いることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電極における導電助剤としては、炭素材料、金属粉末、金属化合物等からなるものを用いることができ、これらのうち、炭素材料が好ましく用いられる。炭素材料としては、グラフェン等の板状導電性物質;カーボンナノチューブ、炭素繊維等の線状導電性物質;ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック(商品名)、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、黒鉛等の粒状導電性物質等が挙げられる。
本発明のリチウムイオン電池用電極が正極の場合、正極活物質としては、MoO、WO、VO、LiCoO(LiCoO等)、LiMnO(LiMnO、LiMn等)、LiNiO(LiNiO等)、LiVO(LiVO等)、LiMnNiCoO(LiNi1/3Co1/3Mn1/3等)、LiFeP(LiFePO等)、LiMnP(LiMnPO等)、LiNiP(LiNiPO等)、LiCuP(LiCuPO等)等の酸化物(複合酸化物)系材料;(MoS,CuS,TiS,WS)、Li、Li等の硫化物系材料;セレン化物系材料等を用いることができる。
また、本発明のリチウムイオン電池用電極が負極の場合、負極活物質としては、炭素材料;リチウム、インジウム、アルミニウム、ケイ素等の金属又はこれらを含む合金;Sn、MoO、WO、LiCoO(LiCoO等)、LiMnNiCoO(LiNi1/3Co1/3Mn1/3等)、LiCuP(LiCuPO等)等の酸化物(複合酸化物)系材料等を用いることができる。
リチウムイオン電池用電極は、上記の材料を含む混合物を、従来、公知の方法、例えば、プレス成形に供することにより得られた所定形状の成形体とすることができる。尚、本発明の固体電解質ガラスを用いる場合、プレス成形の際には、ガラス転移温度以上に加熱しながら加圧し、固体電解質ガラスの一部又は全部を互いに融着させてよいし、結晶化温度以上に加熱して固体電解質ガラスの一部又は全部をガラスセラミック化してもよい。
また、他の方法によるリチウムイオン電池用電極は、本発明の固体電解質ガラスによって、集電体の表面が被覆されてなるものであってもよい。この場合、本発明の固体電解質ガラスと、導電助剤とを含有する材料を、エアロゾルデポジション法、スクリーン印刷法、コールドスプレー法等に供することにより、集電体の表面に製膜し、正極層又は負極層を形成することができる。
更に、本発明の固体電解質ガラスと、導電助剤とを媒体に分散させてなるスラリー、あるいは、本発明の固体電解質ガラス又は導電助剤の一部を溶解させてなるスラリーを、集電体の表面に塗布してもよい。この場合、必要に応じて、バインダーを配合しておいてもよい。
上記集電体としては、ステンレス鋼、金、白金、銅、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム又はこれらの合金等からなる板状体、箔状体、網目状体等を用いることができる。
集電体の表面に正極層又は負極層を形成する場合、目的、用途等に応じて、適宜、正極層又は負極層の厚さを設定すればよい。
また、固体電解質層の形状は、通常、シート状であり、例えば、固体電解質ガラス又はその前駆体の固形分濃度を30質量%程度としたスラリーの、ドクターブレード、エアーナイフ等による塗布や、スクリーン印刷法等の適用により形成することができる。
本発明の固体電解質ガラスは、良好な導電率を有するのみならず、不燃性であるので、有機電解液において必須の安全装置、漏出防止構造等を用いることなく、単純な構造を有し、リチウムイオン伝導性に優れた高出力の固体電池を与えることができる。
1.製造原料
固体電解質ガラス、その前駆体及びサスペンジョンの製造に用いた原料は、以下の通りである。
1−1.硫化リチウム(LiS)粉体
ミツワ化学社製「LiS」(商品名)を用いた。純度は99%、粒子径は53μmである。
1−2.五硫化二リン(P)粉体
Aldrich社製「P」(商品名)を用いた。純度は99%、粒子径は100μmである。
1−3.ヨウ化リチウム(LiI)粉体
Aldrich社製「LiI」(商品名)を用いた。純度は99%以上、粒子径は10メッシュ以下である。
1−4.プロピオン酸エチル
Aldrich社製「Ethyl Propionate」(商品名)を用いた。
1−5.ジメチルカーボネート
和光純薬工業社製「Dimethyl Carbonate」(商品名)を用いた。
2.固体電解質ガラス、その前駆体及びサスペンジョンの製造
以下、硫化リチウム及び五硫化二リンを、プロピオン酸エチルの中で反応させた例(実験例1、3〜8)、及び、ジメチルカーボネートの中で反応させた例(実験例2)を、それぞれ、示す。
実験例1
モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとし、メノウ乳鉢を用いて軽く混合した。この混合物と、プロピオン酸エチル20mlと、直径4mmのジルコニアボール(合計21.6g)とを、内径28mm、長さ116mmの試験管型の樹脂製容器(内容積45ml)に入れ、温度24℃、振幅約1cm、及び、約1500回/分の穏和な条件下、振とうを行って、接触反応させた。24時間後、樹脂製容器からジルコニアボールを除去し、固形分濃度が11.7質量%のサスペンジョンを得た。
次いで、サスペンジョンを、温度20℃、及び、回転数10000rpmの条件下、5分間遠心分離した。そして、上層(プロピオン酸エチル)を除去して、下層を回収した。回収物は、白色のペースト状であった。
その後、ペースト状反応生成物に含まれるプロピオン酸エチルを更に除去するため、水流アスピレーターを用いた減圧乾燥を、温度24℃で12時間行った。これにより、白色の粉末(固体電解質ガラス用前駆体PP1)を得た。
その後、固体電解質ガラス用前駆体PP1の加熱を、水流アスピレーターを用いた減圧条件下、温度100℃、110℃、130℃、150℃又は170℃で12時間ずつ行った。これにより、いずれも、黄色の粉末(固体電解質ガラスPG1、PG2、PG3、PG4及びPG5)を得た。
上記で得られた固体電解質ガラス用前駆体PP1について、X線回折の測定を行ったところ、プロピオン酸エチルとの錯体に起因すると思われるピークが確認された(図1参照)。また、ラマン分光分析を行ったところ、得られたスペクトルに、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピーク、及び、2900cm−1付近にCHに帰属するピークが見られた(図2参照)。
また、図1及び図2には、上記で得られた固体電解質ガラスPG1、PG2及びPG3の測定結果も掲載した。固体電解質ガラスPG1、PG2及びPG3のX線回折像によれば、これらは、非晶質化していることが分かった。また、ラマンスペクトルによれば、2900cm−1付近のCHに帰属するピークが消滅したことが分かった。
尚、固体電解質ガラスPG2のSEMによる画像を図3及び図4(拡大図)に示す。これらの図によれば、粒径(長軸方向)が0.5〜2μmであり、100〜300nmの厚さを有する鱗片状であることが分かった。また、図4における固体電解質ガラスPG2の30粒子について、長軸方向の長さ及び短軸方向の長さを測定したところ、いずれも、長軸方向の長さが短軸方向の長さの2倍以上であり、アスペクト比の平均値は7.1であった。このとき、SEMに併設されたEDXにより、元素分析を行ったところ、リン元素と硫黄元素の比は1:4.3であった。
実験例2
モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとし、メノウ乳鉢を用いて軽く混合した。この混合物と、ジメチルカーボネート20mlと、直径4mmのジルコニアボール(合計21.6g)とを、実験例1と同じ樹脂製容器に入れ、温度24℃、振幅約1cm、及び、約1500回/分の穏和な条件下、振とうを行って、接触反応させた。5時間後、樹脂製容器からジルコニアボールを除去し、固形分濃度が11.7質量%のサスペンジョンを得た。
次いで、サスペンジョンを、温度20℃、及び、回転数10000rpmの条件下、5分間遠心分離した。そして、上層(ジメチルカーボネート)を除去して、下層を回収した。回収物は、白色のペースト状であった。
その後、ペースト状反応生成物に含まれるジメチルカーボネートを更に除去するため、水流アスピレーターを用いた減圧乾燥を、温度24℃で12時間行った。これにより、白色の粉末(固体電解質ガラス用前駆体DP1)を得た。
その後、固体電解質ガラス用前駆体DP1の加熱を、水流アスピレーターを用いた減圧条件下、温度110℃、130℃又は190℃で12時間ずつ行った。これにより、いずれも、白色の粉末(固体電解質ガラスDG1、DG2及びDG3)を得た。
上記で得られた固体電解質ガラス用前駆体DP1について、X線回折の測定を行ったところ、ジメチルカーボネートとの錯体に起因すると思われるピークが確認された(図5参照)。また、ラマン分光分析を行ったところ、得られたスペクトルに、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピーク、及び、2900cm−1付近にCHに帰属するピークが見られた(図6参照)。
また、図5及び図6には、上記で得られた固体電解質ガラスDG1、DG2及びDG3の測定結果も掲載した。固体電解質ガラスDG1、DG2及びDG3のX線回折像によれば、これらは、非晶質化していることが分かった。また、ラマンスペクトルによれば、2900cm−1付近のCHに帰属するピークが残っていることから、ジメチルカーボネートが残留していることが分かった。
固体電解質ガラスDG1のSEMによる画像を図7に示す。この図7によれば、粒径(中心径)が0.1〜0.5μmであることが分かった。このとき、SEMに併設されたEDXにより、元素分析を行ったところ、リン元素と硫黄元素の比は1:3.95であった。
実験例3
モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとした。この混合物と、プロピオン酸エチル20mlとを、内径30mm、高さ60mmの円筒状のガラス製容器(内容積50ml)に収容した。そして、この混合液の中に、QSonica社製超音波ホモジナイザー装置「Q700」(型式名)に接続されているチップ(超音波ホーン)を浸漬し、周波数20kHzの超音波を10分間照射した。これにより、固形分濃度が11.7質量%のサスペンジョンを得た。
次いで、サスペンジョンを、温度20℃、及び、回転数10000rpmの条件下、5分間遠心分離した。そして、上層(プロピオン酸エチル)を除去して、下層を回収した。回収物は、白色のペースト状であった。
その後、ペースト状反応生成物に含まれるプロピオン酸エチルを更に除去するため、ロータリーポンプを用いた減圧乾燥を、温度24℃で30分間行った。これにより、白色の粉末(固体電解質ガラス用前駆体PP2)を得た。
その後、固体電解質ガラス用前駆体PP2の加熱を、ロータリーポンプを用いた減圧条件下、温度110℃で2時間行った。これにより、黄白色の粉末(固体電解質ガラスPF1)を得た。
上記で得られた固体電解質ガラス用前駆体PP2について、X線回折の測定を行ったところ、図1の固体電解質ガラス用前駆体PP1と共通するピークが確認された(図8参照)。
この図8には、上記で得られた固体電解質ガラスPF1のX線回折像も掲載した。この固体電解質ガラスPF1のX線回折像により、LiPS相を含むことが分かった。
また、固体電解質ガラスPF1のSEMによる画像を図9に示す。この図9によれば、粒径(長軸方向)が0.5〜2μmであり、100〜300nmの厚さを有することが分かった。
実験例4
モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとした後、更に、ヨウ化リチウム粉体0.3709gを秤量した。これらの原料と、プロピオン酸エチル10mlと、直径4mmのジルコニアボール(合計21.6g)とを、内径28mm、長さ116mmの試験管型の樹脂製容器(内容積45ml)に入れ、温度24℃、振幅約1cm、及び、約1500回/分の穏和な条件下、振とうを行って、接触反応させた。6時間後、樹脂製容器からジルコニアボールを除去し、固形分濃度が13.6質量%のサスペンジョンを得た。
次いで、サスペンジョンからプロピオン酸エチルを除去するため、ロータリーポンプを用いた減圧乾燥を、温度24℃で30分間、そして、温度50℃で1時間行った。これにより、白色の粉末(固体電解質ガラス用前駆体PP3)を得た。
その後、固体電解質ガラス用前駆体PP3の加熱を、ロータリーポンプを用いた減圧条件下、温度170℃で3時間行った。これにより、灰白色の粉末(固体電解質ガラスPH1)を得た。
上記で得られた固体電解質ガラス用前駆体PP3について、X線回折の測定を行ったところ、非晶質であることが分かった(図10参照)。また、この固体電解質ガラス用前駆体PP3について、ラマン分光分析を行ったところ、得られたスペクトルに、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピーク、及び、2900cm−1付近にCHに帰属するピークが見られた(図11参照)。
上記で得られた固体電解質ガラスPH1について、X線回折の測定を行ったところ、LiPSとLiIとがモル比2:1で構成されたLiI相を含むことが分かった(図12参照)。また、固体電解質ガラスPH1のラマンスペクトルは、図13に示され、ピーク解析によるピーク分離を行ったところ、420cm−1付近にPS43−に帰属するピークを含むことが確認された(ピーク分離は図示せず)。
固体電解質ガラスPH1のSEMによる画像を図14に示す。この図14によれば、異方形状のものが含まれることが分かった。アスペクト比は2〜20で、厚さは100〜500nmであった。
実験例5
モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとした後、更に、ヨウ化リチウム粉体0.3338gを秤量した。これらの原料と、プロピオン酸エチル10mlと、直径4mmのジルコニアボール(合計21.6g)とを、内径28mm、長さ116mmの試験管型の樹脂製容器(内容積45ml)に入れ、温度24℃、振幅約1cm、及び、約1500回/分の穏和な条件下、振とうを行って、接触反応させた。6時間後、樹脂製容器からジルコニアボールを除去し、固形分濃度が12.9質量%のサスペンジョンを得た。
次いで、サスペンジョンからプロピオン酸エチルを除去するため、ロータリーポンプを用いた減圧乾燥を、温度24℃で30分間、そして、温度50℃で1時間行った。これにより、白色の粉末(固体電解質ガラス用前駆体PP4)を得た。
その後、固体電解質ガラス用前駆体PP4の加熱を、ロータリーポンプを用いた減圧条件下、温度170℃で3時間行った。これにより、灰白色の粉末(固体電解質ガラスPJ1)を得た。
上記で得られた固体電解質ガラス用前駆体PP4について、X線回折の測定を行ったところ、非晶質であることが分かった(図10参照)。また、この固体電解質ガラス用前駆体PP4について、ラマン分光分析を行ったところ、得られたスペクトルに、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピーク、及び、2900cm−1付近にCHに帰属するピークが見られた(図11参照)。
上記で得られた固体電解質ガラスPJ1について、X線回折の測定を行ったところ、LiPSとLiIとがモル比2:0.9で構成されたLiI相及びLiPS相を含むことが分かった(図12参照)。また、固体電解質ガラスPJ1のラマンスペクトルは、図13に示され、ピーク解析によるピーク分離を行ったところ、420cm−1付近にPS43−に帰属するピークを含むことが確認された(ピーク分離は図示せず)。
固体電解質ガラスPJ1のSEMによる画像を図示していないが、異方形状のものが含まれることが分かった。アスペクト比は2〜20で、厚さは100〜500nmであった。
実験例6
モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとした後、更に、ヨウ化リチウム粉体0.1858gを秤量した。これらの原料と、プロピオン酸エチル10mlと、直径4mmのジルコニアボール(合計21.6g)とを、内径28mm、長さ116mmの試験管型の樹脂製容器(内容積45ml)に入れ、温度24℃、振幅約1cm、及び、約1500回/分の穏和な条件下、振とうを行って、接触反応させた。6時間後、樹脂製容器からジルコニアボールを除去し、固形分濃度が12.3質量%のサスペンジョンを得た。
次いで、サスペンジョンからプロピオン酸エチルを除去するため、ロータリーポンプを用いた減圧乾燥を、温度24℃で30分間、そして、温度50℃で1時間行った。これにより、白色の粉末(固体電解質ガラス用前駆体PP5)を得た。
その後、固体電解質ガラス用前駆体PP5の加熱を、ロータリーポンプを用いた減圧条件下、温度170℃で3時間行った。これにより、灰白色の粉末(固体電解質ガラスPK1)を得た。
上記で得られた固体電解質ガラス用前駆体PP5について、X線回折の測定を行ったところ、非晶質であることが分かった(図10参照)。また、この固体電解質ガラス用前駆体PP5について、ラマン分光分析を行ったところ、得られたスペクトルに、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピーク、及び、2900cm−1付近にCHに帰属するピークが見られた(図11参照)。
上記で得られた固体電解質ガラスPK1について、X線回折の測定を行ったところ、LiPSとLiIとがモル比2:0.5で構成されたLiI相及びLiPS相を含むことが分かった(図12参照)。また、固体電解質ガラスPK1のラマンスペクトルは、図13に示され、ピーク解析によるピーク分離を行ったところ、420cm−1付近にPS43−に帰属するピークを含むことが確認された(ピーク分離は図示せず)。
固体電解質ガラスPK1のSEMによる画像を図示していないが、異方形状のものが含まれることが分かった。アスペクト比は2〜20で、厚さは100〜500nmであった。
実験例7
モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとした後、更に、ヨウ化リチウム粉体0.3709gを秤量した。これらの原料と、プロピオン酸エチル10mlとを、内径30mm、高さ60mmの円筒状のガラス製容器(内容積50ml)に収容し、密封した。そして、このガラス製容器を、アズワン社製超音波洗浄器の中に載置し、周波数28kHzの超音波を4時間照射した。これにより、固形分濃度が13.6質量%のサスペンジョンを得た。
次いで、サスペンジョンからプロピオン酸エチルを除去するため、ロータリーポンプを用いた減圧乾燥を、温度24℃で30分間、そして、温度50℃で1時間行った。これにより、白色の粉末(固体電解質ガラス用前駆体PP6)を得た。
その後、固体電解質ガラス用前駆体PP6の加熱を、ロータリーポンプを用いた減圧条件下、温度170℃で3時間行った。これにより、灰白色の粉末(固体電解質ガラスPM1)を得た。
上記で得られた固体電解質ガラス用前駆体PM1について、X線回折の測定を行ったところ、LiI相を含むことが分かった(図15参照)。
実験例8
モル比7:3となるように、硫化リチウム粉体0.3254g及び五硫化二リン粉体0.6746gを秤量して合計1gとした。この混合物と、プロピオン酸エチル4mlと、直径4mmのジルコニアボール(合計21.6g)とを、内径28mm、長さ116mmの試験管型の樹脂製容器(内容積45ml)に入れ、温度24℃、振幅約1cm、及び、約1500回/分の穏和な条件下、振とうを行って、接触反応させた。5時間後、樹脂製容器からジルコニアボールを除去し、固形分濃度が22.1質量%のサスペンジョンを得た。
次いで、サスペンジョンからプロピオン酸エチルを除去するため、ロータリーポンプを用いた減圧乾燥を、温度24℃で1時間行った。これにより、白色の粉末(固体電解質ガラス用前駆体PP7)を得た。
その後、固体電解質ガラス用前駆体PP7の加熱を、ロータリーポンプを用いた減圧条件下、温度190℃、230℃、240℃又は250℃で1時間ずつ行った。これにより、いずれも、灰色の粉末(固体電解質ガラスPL1、PL2、PL3及びPL4)を得た。
上記で得られた固体電解質ガラス用前駆体PP7について、X線回折の測定を行ったところ、結晶に起因すると思われるピークが確認された(図16参照)。また、ラマン分光分析を行ったところ、得られたスペクトルに、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピーク、及び、2900cm−1付近にCHに帰属するピークが見られた(図17参照)。
また、図16及び図17には、上記で得られた固体電解質ガラスPL1、PL2、PL3及びPL4の測定結果も掲載した。固体電解質ガラスPL1のX線回折像によれば、固体電解質ガラスPL1は、非晶質化していることが分かった。また、固体電解質ガラスPL1のラマンスペクトルによれば、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピーク、及び、410cm−1付近にP 4−に帰属するピークが見られ、2900cm−1付近のCHに帰属するピークが消滅したことが分かった。固体電解質ガラスPL2及びPL3のX線回折像によれば、これらは、チオリシコンIII相を含むことが分かった。また、固体電解質ガラスPL2及びPL3のラマンスペクトルによれば、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピークが見られ、2900cm−1付近のCHに帰属するピークが消滅したことが分かった。更に、固体電解質ガラスPL4のX線回折像によれば、固体電解質ガラスPL4は、Li11結晶を含むことが分かった。また、固体電解質ガラスPL4のラマンスペクトルによれば、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピーク、及び、390cm−1付近にP 4−に帰属するピークが見られ、410cm−1付近のP 4−に帰属するピークが消滅したことが分かった。
上記で得られた固体電解質ガラスPL1及びPL3の粒子をSEMにより観察したところ、異方形状であることが分かった(図18及び図19参照)。また、厚さは100〜500nmであった。
次に、従来、公知の製造方法であるメカニカルミリング法によるLiPSの製造例を示す。
実験例9(比較例)
モル比3:1となるように、硫化リチウム粉体0.3827g及び五硫化二リン粉体0.6174gを秤量して合計1gとし、メノウ乳鉢を用いて軽く混合した。次いで、この混合物1gと、450個程度のジルコニアボール90gとを、ジルコニアポットに入れ、封止用のテープで密閉した。そして、雰囲気を制御するために、この原料入りジルコニアポットをオーバーポットに入れ、下記条件下、遊星ボールミリングを行った。これにより、いずれも、黄色の粉末(固体電解質ガラスCG)を得た。
<ミリング条件>
回転数:510rpm
処理時間:合計16時間(回転30分及びレスト10分を1サイクルとし、24サイクル)
上記で得られた固体電解質ガラスCGについて、X線回折の測定を行ったところ、実験例1及び2で得られた固体電解質ガラスと異なる回折パターンが得られた(図1及び図5参照)。また、ラマン分光分析を行ったところ、得られたスペクトルに、420cm−1付近にPS 3−に帰属するピークが見られた(図2参照)。
3.固体電解質ガラスの導電率測定
3−1.LiPSを含む固体電解質ガラス(1)
実験例1で得られた固体電解質ガラスPG1、PG3及びPG4並びに実験例9で得られた固体電解質ガラスCGの導電率を、下記の方法により、25℃〜160℃の範囲の温度で測定した。固体電解質ガラスPG3及びPG4の導電率を測定する場合には、測定温度範囲を25℃〜110℃とした。以上の結果を図20に示す。
<導電率の測定方法>
固体電解質ガラスの粉末を、一軸油圧プレス機を用いて、円板形状の試験片(サイズ:半径5mm×高さ0.6mm)とし、アルゴンガス雰囲気下、測定用ユニット(ガラス容器)に入れた状態で、調温器に接続したリボンヒーター及び断熱材を測定用ユニット(ガラス容器)の周りに巻き付け、SOLATRON社製IMPEDANCE ANALYZER「S1260」(型式名)を用いて、低温側から徐々に加熱し、所定の温度で導電率を測定した。尚、導電率は、試験片を各測定温度に設定してから1時間静置した後、測定したが、固体電解質ガラスPG1、PG3及びPG4については、50℃、70℃、90℃、110℃、130℃、150℃及び160℃の順に、1時間ずつ加熱させ、その後、25℃に戻してから、測定した。
固体電解質ガラスPG1、PG3及びPG4の110℃における導電率は、それぞれ、1.3×10−2S/cm、7.1×10−3S/cm、及び5.3×10−3S/cmであり、固体電解質ガラスCGの110℃における導電率は、4.00×10−3S/cmであった(図20参照)。
3−2.LiPSを含む固体電解質ガラス(2)
実験例3で得られた固体電解質ガラスPF1の導電率を、固体電解質ガラスPG1と同様にして測定した。その結果を固体電解質ガラスPG1とともに図21に示す。固体電解質ガラスPF1は、超音波を利用して接触反応工程を行った方法(実験例3)により得られたものであり、超音波の照射時間が10分間という短時間として、110℃において2.5×10−3S/cmという高い導電率を得ることができた。
3−3.LiIを含む固体電解質ガラス
実験例4〜6で得られた固体電解質ガラスPH1、PJ1及びPK1の導電率を、固体電解質ガラスPG1と同様にして測定した。その結果を固体電解質ガラスPG5とともに図22に示す。固体電解質ガラスPH1、PJ1及びPK1の110℃における導電率は、それぞれ、2.5×10−2S/cm、2.3×10−2S/cm及び1.0×10−2S/cmであり、固体電解質ガラスPG5の110℃における導電率(8.5×10−3S/cm)よりも高かった。
また、実験例7で得られた固体電解質ガラスPM1の導電率を、固体電解質ガラスPG1と同様にして測定した。その結果を図23に示す。固体電解質ガラスPM1は、超音波を利用して接触反応工程を行った方法(実験例7)により得られたものであり、超音波の照射時間が240分間で、110℃において7.5×10−3S/cmという高い導電率を得ることができた。
3−4.Li11を含む固体電解質ガラス
実験例8で得られた固体電解質ガラスPL3及びPL4の導電率を、固体電解質ガラスPG1と同様にして測定した。その結果を図24に示す。固体電解質ガラスPL3及びPL4の110℃における導電率は、それぞれ、1.0×10−2S/cm及び3.6×10−2S/cmであった。
上記実験例1〜8において、五硫化二リンを用いたが、三硫化四リン、七硫化四リン等の化合物を用いたり、単体硫黄を組み合わせたりして、本発明の固体電解質ガラスを製造することもできる。
また、本発明の固体電解質ガラスの製造方法では、接触反応工程、溶媒除去工程及び加熱工程を必須としているが、本発明者らは、温度条件等によっては、溶媒除去工程及び加熱工程を組み合わせた方法により、目的の性能を有する固体電解質ガラスの製造が可能であると考えている。
本発明の固体電解質ガラスは、パソコン、カメラ等の家電製品や、電力貯蔵装置、携帯電話機等の携帯型電子機器又は通信機器、パワーツール等の電動工具等の電源、更には、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)等に搭載される大型電池を構成するリチウムイオン電池の構成材料、即ち、リチウムイオン電池用電極又は電解質層の構成材料として好適である。
10:リチウムイオン電池
11:正極
13:負極
15:電解質層
17:正極集電体
19:負極集電体

Claims (20)

  1. Li、P及びSを含み、PS結合を含み、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超える固体電解質ガラスを製造する方法であって、
    硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を、飽和脂肪酸エステル及びジアルキルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で、ミル又は粉砕機を使用せずに振動させながら、接触反応させてサスペンジョンを得る接触反応工程と、
    前記サスペンジョンから前記溶媒を除去し、固体組成物を得る溶媒除去工程と、
    前記固体組成物を熱処理して、前記固体電解質ガラスを生成させる加熱工程と、
    を順次、備え、
    前記飽和脂肪酸エステルが、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル及びプロピオン酸ブチルからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
    前記ジアルキルカーボネートが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、固体電解質ガラスの製造方法。
  2. 前記接触反応工程における前記硫化リチウム粉体及び前記五硫化二リン粉体の使用量が、モル比で67〜80:20〜33である請求項1に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
  3. 前記接触反応工程における前記硫化リチウム粉体及び前記五硫化二リン粉体の使用量が、モル比で74〜76:24〜26であって、更に、前記加熱工程における熱処理温度が95℃〜190℃である請求項1又は2に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
  4. 前記接触反応工程において、前記硫化リチウム粉体及び前記五硫化二リン粉体に加えて、更に、ヨウ化リチウム粉体を用い、前記五硫化二リン粉体及び前記ヨウ化リチウム粉体の使用量がモル比で1:0.5〜1:1である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
  5. 前記接触反応工程において、超音波を利用する請求項4に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
  6. 前記溶媒除去工程において、前記サスペンジョンを15℃〜60℃で乾燥する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
  7. 前記溶媒がプロピオン酸エチル又はジメチルカーボネートである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
  8. 前記加熱工程における熱処理温度が240℃〜250℃である請求項1、2及び6のいずれか一項に記載の固体電解質ガラスの製造方法。
  9. Li、P及びSからなり、PS結合を含む固体電解質ガラスであって、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超えることを特徴とする固体電解質ガラス。
  10. Li、P及びSを含み、PS結合を含む固体電解質ガラスであって、更に、Li11結晶を含み、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超えることを特徴とする固体電解質ガラス。
  11. Li、P及びSを含み、PS結合を含む固体電解質ガラスであって、更に、LiI結晶を含み、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超えることを特徴とする固体電解質ガラス。
  12. Li、P及びSを含み、PS結合を含み、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超える固体電解質ガラスであって、
    硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を67〜80:20〜33のモル比で使用し、前記硫化リチウム粉体及び前記五硫化二リン粉体を、プロピオン酸エチル及びジメチルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で、ミル又は粉砕機を使用せずに振動させながら、接触反応させてサスペンジョンを得る接触反応工程と、
    前記サスペンジョンを15℃〜60℃で乾燥することで該サスペンジョンから前記溶媒を除去し、固体組成物を得る溶媒除去工程と、
    前記固体組成物を熱処理して、前記固体電解質ガラスを生成させる加熱工程と、
    を順次、備える方法により得られることを特徴とする、固体電解質ガラス。
  13. 前記硫化リチウム粉体及び前記五硫化二リン粉体の使用量が、モル比で74〜76:24〜26であり、更に、前記加熱工程における熱処理温度が95℃〜190℃である請求項12に記載の固体電解質ガラス。
  14. 前記接触反応工程において、前記硫化リチウム粉体及び前記五硫化二リン粉体に加えて、更に、ヨウ化リチウム粉体を、五硫化二リン粉体及びヨウ化リチウム粉体の使用量がモル比で1:0.5〜1:1で併用する請求項12又は13に記載の固体電解質ガラス。
  15. 前記加熱工程における熱処理温度が240℃〜250℃である請求項12に記載の固体電解質ガラス。
  16. Li、P及びSを含み、PS結合を含み、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超える固体電解質ガラスを与える前駆体であって、
    硫化リチウム粉体及び五硫化二リン粉体を67〜80:20〜33のモル比で使用し、前記硫化リチウム粉体及び前記五硫化二リン粉体を、プロピオン酸エチル及びジメチルカーボネートから選ばれた少なくとも1種を含む溶媒の中で、ミル又は粉砕機を使用せずに振動させながら、接触反応させてサスペンジョンを得る接触反応工程と、
    前記サスペンジョンを15℃〜60℃で乾燥することで該サスペンジョンから前記溶媒を除去し、固体組成物を得る溶媒除去工程と、
    を順次、備える方法により得られることを特徴とする、固体電解質ガラス用前駆体。
  17. Li、P及びSを含み、PS結合を含み、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超える固体電解質ガラスを与える前駆体であって、該前駆体がPS結合を含み、下記のグラフにおいてPP1のX線回折像を有することを特徴とする固体電解質ガラス用前駆体。
  18. Li、P及びSを含み、PS結合を含み、110℃における導電率が4.00×10−3S/cmを超える固体電解質ガラスを与える前駆体であって、該前駆体がPS結合を含み、下記のグラフにおいてPP7のX線回折像を有することを特徴とする固体電解質ガラス用前駆体。
  19. 請求項9乃至15のいずれか一項に記載の固体電解質ガラスを含むことを特徴とするリチウムイオン電池用電極。
  20. 請求項19に記載のリチウムイオン電池用電極を含むことを特徴とするリチウムイオン電池。
JP2015237907A 2014-12-05 2015-12-04 固体電解質ガラス及びその製造方法、固体電解質ガラス用前駆体、サスペンジョン、リチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池 Active JP6761928B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014247487 2014-12-05
JP2014247487 2014-12-05

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016117640A JP2016117640A (ja) 2016-06-30
JP6761928B2 true JP6761928B2 (ja) 2020-09-30

Family

ID=56243616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015237907A Active JP6761928B2 (ja) 2014-12-05 2015-12-04 固体電解質ガラス及びその製造方法、固体電解質ガラス用前駆体、サスペンジョン、リチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6761928B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7113513B2 (ja) * 2016-11-28 2022-08-05 国立研究開発法人産業技術総合研究所 無機硫化物及びその製造方法
JP6759136B2 (ja) 2017-03-21 2020-09-23 株式会社東芝 複合電解質、二次電池、電池パック及び車両
EP3601159A4 (en) * 2017-03-29 2020-11-25 Solid Power, Inc. SOLID ELECTROLYTE MATERIAL AND SOLID-STATE BATTERY MANUFACTURED WITH IT
KR102359583B1 (ko) 2017-05-08 2022-02-07 현대자동차주식회사 고체전해질 및 이를 포함하는 전고체 전지의 제조방법
US11108080B2 (en) 2017-06-01 2021-08-31 Samsung Electronics Co., Ltd Lithium and sodium solid-state electrolyte materials
KR102006619B1 (ko) * 2017-08-30 2019-08-02 한국과학기술연구원 초음파 반응 공정을 이용한 고체전해질의 제조방법
JP7030322B2 (ja) * 2017-12-28 2022-03-07 国立大学法人豊橋技術科学大学 リチウムイオン電池用複合粒子及びその製造方法
JP7062462B2 (ja) 2018-02-19 2022-05-06 株式会社東芝 無機化合物粒子、複合電解質膜、複合電極、二次電池、電池パック及び車両
JP6927106B2 (ja) * 2018-03-22 2021-08-25 トヨタ自動車株式会社 全固体二次電池
JP7086686B2 (ja) * 2018-04-12 2022-06-20 古河機械金属株式会社 硫化物系無機固体電解質材料の製造方法
JP7107087B2 (ja) * 2018-08-16 2022-07-27 三菱瓦斯化学株式会社 Lgps系固体電解質の製造方法
KR20200107396A (ko) 2019-03-07 2020-09-16 삼성전자주식회사 황화물계 고체 전해질, 이를 포함하는 전고체 이차전지 및 황화물계 고체 전해질의 제조방법
KR102381363B1 (ko) * 2019-09-26 2022-03-31 울산대학교 산학협력단 Li6P2S8I 고체 전해질 및 이를 포함하는 리튬 이온 배터리

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3433173B2 (ja) * 2000-10-02 2003-08-04 大阪府 硫化物系結晶化ガラス、固体型電解質及び全固体二次電池
JP4813767B2 (ja) * 2004-02-12 2011-11-09 出光興産株式会社 リチウムイオン伝導性硫化物系結晶化ガラス及びその製造方法
CN101326673B (zh) * 2005-12-09 2010-11-17 出光兴产株式会社 锂离子传导性硫化物类固体电解质及使用其的全固体锂电池
JP5431809B2 (ja) * 2008-07-01 2014-03-05 出光興産株式会社 リチウムイオン伝導性硫化物ガラスの製造方法、リチウムイオン伝導性硫化物ガラスセラミックスの製造方法及び硫化物ガラス製造用のメカニカルミリング処理装置
JP2010036823A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Idemitsu Kosan Co Ltd 移動体
JP5485716B2 (ja) * 2009-01-15 2014-05-07 出光興産株式会社 リチウムイオン伝導性固体電解質の製造方法
JP5599573B2 (ja) * 2009-04-10 2014-10-01 出光興産株式会社 固体電解質粒子からなるガラス及びリチウム電池
JP5643025B2 (ja) * 2010-08-19 2014-12-17 出光興産株式会社 硫化物系固体電解質及びその製造方法、並びにリチウムイオン電池
JP5553004B2 (ja) * 2010-11-08 2014-07-16 トヨタ自動車株式会社 硫化物固体電解質材料、リチウム固体電池、および硫化物固体電解質材料の製造方法
JP5459198B2 (ja) * 2010-12-17 2014-04-02 トヨタ自動車株式会社 硫化物固体電解質材料、全固体電池、硫化物固体電解質材料の製造方法、固体電解質層の製造方法
JP5443445B2 (ja) * 2011-07-06 2014-03-19 トヨタ自動車株式会社 硫化物固体電解質材料、リチウム固体電池、および、硫化物固体電解質材料の製造方法
JP6077740B2 (ja) * 2011-12-02 2017-02-08 出光興産株式会社 固体電解質
JP5825077B2 (ja) * 2011-12-02 2015-12-02 トヨタ自動車株式会社 ガラスセラミックス
JP6139078B2 (ja) * 2012-09-03 2017-05-31 古河機械金属株式会社 リチウムイオン電池用固体電解質材料、リチウムイオン電池用固体電解質、リチウムイオン電池およびリチウムイオン電池用固体電解質材料の製造方法
JP2014209430A (ja) * 2012-11-28 2014-11-06 住友金属鉱山株式会社 硫化物系固体電解質スラリーの製造方法、硫化物系固体電解質粉末の製造方法、及びその製造方法で得られる硫化物系固体電解質スラリーと硫化物系固体電解質粉末
JP5877401B2 (ja) * 2012-12-28 2016-03-08 トヨタ自動車株式会社 硫化物固体電解質材料の製造方法、及び当該方法により製造された硫化物固体電解質材料を含むリチウム固体電池
JP6259617B2 (ja) * 2013-04-24 2018-01-10 出光興産株式会社 固体電解質の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016117640A (ja) 2016-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6761928B2 (ja) 固体電解質ガラス及びその製造方法、固体電解質ガラス用前駆体、サスペンジョン、リチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池
KR102275042B1 (ko) 그래핀 분산액, 전극 페이스트를 제조하는 방법, 및 전극을 제조하는 방법
CN107134589B (zh) 硫化物固体电解质材料、锂固体电池和硫化物固体电解质材料的制造方法
TWI614211B (zh) 可高度分散之石墨烯組成物、其製備方法、及包含該可高度分散之石墨烯組成物的用於鋰離子二次電池之電極
WO2012132387A1 (ja) 電極材料及びその製造方法、並びに電極、二次電池及び車両
JP5155498B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質の製造方法
JP2016152077A (ja) 非水電解質二次電池用負極活物質及び非水電解質二次電池、並びに非水電解質二次電池用負極材の製造方法
CN106414326B (zh) 纳米硅材料及其制造方法和二次电池的负极
JP2012178269A (ja) リチウムイオン二次電池用負極活物質、および、その負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池
JP6696632B1 (ja) グラフェン分散液およびその製造方法ならびに二次電池用電極
KR102176590B1 (ko) 리튬 이차전지용 음극 활물질의 제조방법 및 리튬 이차전지
WO2020184464A1 (ja) 固体電解質、リチウムイオン電池用電極及びリチウムイオン電池
TWI551545B (zh) 氧化矽-碳複合材料及其製法
Rajagopalan et al. The effect of diethylenetriamine on the solvothermal reactions of polyethyleneimine-graphene oxide/lithium titanate nanocomposites for lithium battery anode
JP7107272B2 (ja) 硫化物固体電解質、硫化物固体電解質の製造方法、電極体および全固体電池
JP2018106830A (ja) 非水性二次電池負極用活物質の製造方法、非水性二次電池負極用活物質、および非水性二次電池用負極の製造方法
Sasidharachari et al. Facile conductive surface modification of Si nanoparticle with nitrogen-doped carbon layers for lithium-ion batteries
JP2013157120A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料、負極合剤、リチウムイオン二次電池負極およびリチウムイオン二次電池
JP4495531B2 (ja) 粒状複合炭素材料およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2021193647A (ja) 全固体電池用正極
JP6705122B2 (ja) リチウムイオン2次電池用負極活物質およびその製造方法
JP6065678B2 (ja) 負極活物質とその製造方法及び蓄電装置
JP2013093259A (ja) リチウムイオン二次電池用負極活物質およびその製造方法ならびにリチウムイオン二次電池
JP5969554B2 (ja) 二次電池用正極活物質及びその製造方法
JP2019200866A (ja) 電極、この電極の製造方法、及びこの電極を備えた蓄電デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20151228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160421

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20161121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191203

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6761928

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250