JP5877401B2 - 硫化物固体電解質材料の製造方法、及び当該方法により製造された硫化物固体電解質材料を含むリチウム固体電池 - Google Patents

硫化物固体電解質材料の製造方法、及び当該方法により製造された硫化物固体電解質材料を含むリチウム固体電池 Download PDF

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Description

本発明は、高いLiイオン伝導度を有する硫化物固体電解質材料の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力且つ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。さらに、このような固体電解質層に用いられる固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。
硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導度が高いため、電池の高出力化を図る上で有用であり、従来から種々の研究がなされている。例えば、特許文献1では、オルト組成を有するイオン伝導体とLiIとを有し、ガラス転移点を有するガラスである硫化物固体電解質材料が開示されている。
特開2012−048973号公報
上記特許文献等に示されるように、高いLiイオン伝導度を有する硫化物固体電解質材料が求められている。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、硫化物電解質材料の合成方法として、LiXをドープした硫化物ガラスに熱処理を加えてガラスセラミックスを合成する際、ある限られたLiXの添加範囲、加熱温度範囲および加熱時間で熱処理を行うことにより、Liイオン伝導度が極めて高いガラスセラミックスが得られることを見出した。また、Liイオン伝導度が高くなる理由が、従来知られていない新規結晶相によるものであることも見出している。
しかし、本発明者等が見出したガラスセラミックスは、上記熱処理時におけるLiイオン伝導度の向上に改善の余地があった。
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであり、高いLiイオン伝導度を有する硫化物固体電解質材料の製造方法の提供を主目的とする。
本発明者等は、さらに鋭意研究を重ねた結果、熱処理前の原料混合時における硫化物ガラスに着目し、当該硫化物ガラスのLiイオン伝導度が高いほど、熱処理におけるLiイオン伝導度の向上幅が広がることを見出した。本発明者等は、特にある閾値以上のLiイオン伝導度を有する硫化物ガラスは、当該閾値未満のLiイオン伝導度を有する硫化物ガラスよりも混合状態の均一性がより高いため、熱処理において、より高いLiイオン伝導度を有するガラスセラミックスに変化すると推定した。本発明者等は、Liイオン伝導度の向上幅を決定する当該閾値が1.0×10−3S/cmであることを見出すことにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明においては、LiS、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)の硫化物、およびLiX(Xはハロゲンである)を含有する原料組成物を、台盤回転数を200rpm〜800rpmの範囲内、処理時間を1時間以上40時間未満の範囲内としたボールミルにより混合し、Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm以上の中間体を合成する中間体合成工程と、前記中間体を結晶化温度以上の温度で加熱することにより、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°にピークを有するガラスセラミックスを合成する熱処理工程と、を有し、前記原料組成物に含まれる前記LiXの割合、および、前記熱処理工程における加熱温度および加熱時間を、前記ガラスセラミックスが得られるように調整することを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法を提供する。
本発明によれば、中間体合成工程において、Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm以上の中間体(硫化物ガラス)を合成することにより、続く熱処理工程における加熱により、Liイオン伝導度の向上幅を広げることができ、高いLiイオン伝導度を有するガラスセラミックスの硫化物固体電解質材料を合成することができる。また、適度な混合条件下で混合することにより、Liイオン伝導度が1.0×10 −3 S/cm 以上の中間体を合成できる。
上記発明においては、上記硫化物固体電解質材料に含有されるLiXの割合が、13mol%より多く30mol%よりも少ないことが好ましい。LiXの割合が上記範囲内である硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導度の高い結晶相を有することができるからである。
上記発明においては、上記加熱温度が160℃〜200℃の範囲内であることが好ましい。中間体合成工程で得られた硫化物ガラスを上記加熱温度で熱処理を行うことにより、CuKα線を用いたX線回折測定において特定のピークを有する結晶相を有することができるからである。
本発明によれば、上述した製造方法により製造された硫化物固体電解質材料を用いることにより、Liイオン伝導度の高いリチウム固体電池とすることができ、電池の高出力化を図ることが可能となる。
本発明においては、中間体合成工程において、Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm以上の中間体を合成することにより、続く熱処理工程における加熱により、Liイオン伝導度の向上幅を広げることができ、高いLiイオン伝導度を有するガラスセラミックスの硫化物固体電解質材料を合成するという効果を奏する。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明のリチウム固体電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1および比較例1で得られた評価用サンプル、ならびにこれらの中間体(硫化物ガラス)サンプルについて、メカニカルミリング時間とLiイオン伝導度との関係を示したグラフである。
以下、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法、およびリチウム固体電池について、詳細に説明する。
A.硫化物固体電解質材料の製造方法
まず、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法について説明する。本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法は、LiS、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)の硫化物、およびLiX(Xはハロゲンである)を含有する原料組成物を混合し、Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm以上の中間体を合成する中間体合成工程と、前記中間体を結晶化温度以上の温度で加熱することにより、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°にピークを有するガラスセラミックスを合成する熱処理工程と、を有し、前記原料組成物に含まれる前記LiXの割合、および、前記熱処理工程における加熱温度および加熱時間を、前記ガラスセラミックスが得られるように調整することを特徴とするものである。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。
まず、LiI、LiSおよびPを含有する原料組成物を用意する。この時、原料組成物に含まれるLiIの割合が、所望のガラスセラミックスの組成となるように調整する。次に、中間体合成工程として、上記原料組成物に対して、メカニカルミリングを行うことにより、Li、PおよびSを有するイオン伝導体(例えば、LiPS)と、LiIとを含有する中間体(硫化物ガラス)を合成する。次に、中間体合成工程により得られた中間体(硫化物ガラス)に対し、結晶化温度以上の温度で加熱し、加熱温度および加熱時間を調整することにより(熱処理)、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°にピークを有する結晶相を有する硫化物固体電解質材料を得ることができる(熱処理工程)。なお、本発明により得られる硫化物固体電解質材料はガラスセラミックスであり、以下の説明において、「硫化物固体電解質材料」を「ガラスセラミックス」と称する場合がある。また、本発明における硫化物固体電解質材料については、「A.硫化物固体電解質材料の製造方法 4.硫化物固体電解質材料」の項で詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
ここで、本発明において、「CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°のピーク」とは、厳密な2θ=20.2°のピークのみならず、2θ=20.2°±0.5°の範囲内にあるピークをいう。結晶の状態によって、ピークの位置が多少前後する可能性があるため、上記のように定義する。同様に、2θ=23.6°のピークとは、厳密な2θ=23.6°のピークのみならず、2θ=23.6°±0.5°の範囲内にあるピークをいう。
また、以下の説明において、「CuKα線を用いたX線回折測定における2θ=20.2°および23.6°のピーク」を、「2本の特定ピーク」と略する場合がある。
本発明者等の研究において、LiS、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)の硫化物、および所望の割合を有するLiX(Xはハロゲンである)を含有する原料組成物を非晶質化して得られる硫化物ガラスは、加熱時間を調節しながら結晶化温度以上の特定の温度領域内となるように熱処理を行うことにより、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°にピークを有する結晶相となる。この2本の特定ピークは、従来知られていない新規結晶相のピークであり、上記新規結晶相は、高いLiイオン伝導度を示すことが解った。すなわち、上述の方法により得られるガラスセラミックスは、上記新規結晶相を有するLiイオン伝導度の高い硫化物固体電解質材料であると考えられる。
なお、以下の説明において、上記新規結晶相を高Liイオン伝導性結晶相と称する場合がある。
しかし、本発明者等が見出したガラスセラミックスの中間体である硫化物ガラスは、熱処理により高々3倍程度しかLiイオン伝導度が向上しない。通常、硫化物ガラスは平均構造を有していることから、硫化物ガラスの均一性がLiイオン伝導度に与える影響は小さいと考えられる。しかし、硫化物ガラスを熱処理することにより得られるガラスセラミックスの結晶性やLiイオン伝導度には、中間体である硫化物ガラスの均一性が寄与する可能性が示唆され、中間体である硫化物ガラスの均一性の境界について探索がされた。
その結果、本発明者らは、Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm以上の硫化物ガラスを用いたところ、従来よりもLiイオン伝導度の高いガラスセラミックスの硫化物固体電解質材料が得られることを見出した。これにより、高いLiイオン伝導度を有するガラスセラミックスを得やすくなり、硫化物ガラスからガラスセラミックスへのLiイオン伝導度の向上幅を広げることが可能となった。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法は、中間体合成工程および熱処理工程を少なくとも有するものである。
以下、各工程について順に説明する。
1.中間体合成工程
まず、本発明における中間体合成工程について説明する。本発明における中間体合成工程は、LiS、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)の硫化物、およびLiX(Xはハロゲンである)を含有する原料組成物を非晶質化し、中間体(硫化物ガラス)を合成する工程である。また、本工程は、上記原料組成物に含まれる上記LiXの割合を、所望のガラスセラミックスが得られるように調整することを特徴とするものである。
(1)原料組成物
本工程における原料組成物は、LiS、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)の硫化物、およびLiX(Xはハロゲンである)を含有するものである。
上記原料組成物に含まれるLiSは不純物が少ないことが好ましい。副反応を抑制することができるからである。LiSの合成方法としては、例えば特開平7−330312号公報に記載された方法等を挙げることができる。さらに、LiSは、WO2005/040039に記載された方法等を用いて精製されていることが好ましい。
一方、原料組成物に含まれる上記Aの硫化物としては、例えば、P、P、SiS、GeS、Al、B等を挙げることができる。
上記原料組成物が、LiSおよびPを含有する場合、LiSおよびPの合計に対するLiSの割合は、70mol%〜80mol%の範囲内であることが好ましく、72mol%〜78mol%の範囲内であることがより好ましく、74mol%〜76mol%の範囲内であることがさらに好ましい。なお、上記原料組成物が、LiSおよびAlを含有する場合、LiSおよびBを含有する場合も同様である。一方、上記原料組成物が、LiSおよびSiSを含有する場合、LiSおよびSiSの合計に対するLiSの割合は、62.5mol%〜70.9mol%の範囲内であることが好ましく、63mol%〜70mol%の範囲内であることがより好ましく、64mol%〜68mol%の範囲内であることがさらに好ましい。なお、上記原料組成物が、LiSおよびGeSを含有する場合も同様である。
上記原料組成物において、LiXにおけるXはハロゲンであり、具体的には、F、Cl、Br、Iを挙げることができる。Liイオン伝導度の高いガラスセラミックスを得ることができるからである。中でも、Cl、Br、Iが好ましく、特に、Iが好ましい。
また、原料組成物におけるLiXの割合は、所望のガラスセラミックスを合成できる割合に調整されるものであり、合成条件によって若干異なるものであるが、13mol%より多く30mol%よりも少ない範囲内で、ガラスセラミックスを合成できる割合であることが好ましい。
(2)中間体合成工程
本工程において、原料組成物を混合し非晶質化する方法としては、例えば、メカニカルミリングおよび溶融急冷法を挙げることができ、中でもメカニカルミリングが好ましい。常温での処理が可能であり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。また、溶融急冷法は、反応雰囲気や反応容器に制限があるものの、メカニカルミリングは、目的とする組成の中間体(硫化物ガラス)を簡便に合成できるという利点がある。メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであっても良く、湿式メカニカルミリングであっても良いが、後者が好ましい。容器等の壁面に原料組成物が固着することを防止でき、より非晶質性の高い中間体(硫化物ガラス)を得ることができるからである。
メカニカルミリングは、原料組成物を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でもボールミルが好ましく、特に遊星型ボールミルが好ましい。所望の硫化物ガラスを効率良く得ることができるからである。
また、メカニカルミリングの各種条件は、所望の中間体(硫化物ガラス)を得ることができるように設定する。例えば、遊星型ボールミルを用いる場合、容器に原料組成物および粉砕用ボールを加え、所望の回転数および時間で処理を行う。一般的に、回転数が大きいほど、中間体(硫化物ガラス)の生成速度は速くなり、処理時間が長いほど、原料組成物から中間体(硫化物ガラス)への転化率は高くなる。具体的には、遊星型ボールミルを行う際の台盤回転数としては、例えば、200rpm〜800rpmの範囲内、中でも、300rpm〜700rpmの範囲内であることが好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、1時間以上40時間未満の範囲内が好ましく、1時間〜30時間の範囲内であることが好ましい。また、ボールミルに用いられる容器および粉砕用ボールの材料としては、例えばZrOおよびAl等を挙げることができ、上記粉砕用ボールの径は、例えば1mm〜20mmの範囲内、ボール重量は10g〜100gの範囲内であることが好ましい。
湿式メカニカルミリングに用いられる液体としては、上記原料組成物との反応で硫化水素を発生しない性質を有するものであることが好ましい。硫化水素は、液体の分子から解離したプロトンが、原料組成物や中間体(硫化物ガラス)と反応することによって発生する。そのため、上記液体は、硫化水素が発生しない程度の非プロトン性を有していることが好ましい。また、非プロトン性液体は、通常、極性の非プロトン性液体と、無極性の非プロトン性液体とに大別することができる。
極性の非プロトン性液体としては、特に限定されるものではないが、例えばアセトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類等を挙げることができる。
無極性の非プロトン性液体の一例としては、常温(25℃)で液体のアルカンを挙げることができる。上記アルカンは、鎖状アルカンであっても良く、環状アルカンであっても良い。上記鎖状アルカンの炭素数は、例えば5以上であることが好ましい。一方、上記鎖状アルカンの炭素数の上限は、常温で液体であれば特に限定されるものではない。上記鎖状アルカンの具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、パラフィン等を挙げることができる。なお、上記鎖状アルカンは、分岐を有するものであっても良い。一方、上記環状アルカンの具体例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロパラフィン等を挙げることができる。
また、無極性の非プロトン性液体の別の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル類;クロロホルム、塩化メチル、塩化メチレン等のハロゲン化アルキル類;酢酸エチル等のエステル類;フッ化ベンゼン、フッ化ヘプタン、2,3−ジハイドロパーフルオロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン等のフッ素系化合物を挙げることができる。なお、上記液体の添加量は、特に限定されるものではない。
湿式メカニカルミリングにより原料組成物を非晶質化させた場合、得られた中間体(硫化物ガラス)は乾燥させることが好ましい。中間体(硫化物ガラス)に残留しているメカニカルミリングの際に用いた上述の液体を除去するためである。乾燥温度としては、中間体(硫化物ガラス)の結晶化温度よりも低い温度であることが好ましく、例えば、100℃〜150℃の範囲内であることが好ましい。
中間体(硫化物ガラス)の均一性を向上させる方法は、その組成によりさまざまである。したがって、中間体(硫化物ガラス)のLiイオン伝導度を1.0×10−3S/cm以上とする方法には、様々な要因が存在する。
中間体(硫化物ガラス)のLiイオン伝導度を1.0×10−3S/cm以上とする方法の一例としては、原料組成物を混合する際の条件を変えることが挙げられる。例えば、原料組成物の混合にメカニカルミリングを採用する場合、特にボールミルを採用する場合には、ボールミルの台盤回転数や、ボールミルの処理時間を変えることにより、Liイオン伝導度を上記閾値以上とすることができる。より具体的には、中間体合成工程における原料組成物の混合において、台盤回転数を200rpm〜800rpmの範囲内、処理時間を1時間以上40時間未満の範囲内としたボールミルを行うことにより、中間体(硫化物ガラス)のLiイオン伝導度を1.0×10−3S/cm以上とすることができる。
(3)中間体(硫化物ガラス)
本工程において得られる中間体(硫化物ガラス)とは、上記原料組成物を混合し、非晶質化して合成した材料をいい、X線回折測定等において結晶としての周期性が観測されない厳密な「ガラス」のみならず、メカニカルミリング等により非晶質化して合成した材料全般を意味する。そのため、CuKα線を用いたX線回折測定等において、例えば原料(LiI等)に由来するピークが観察される場合であっても、非晶質化して合成した材料であれば、中間体(硫化物ガラス)に該当する。
また、本工程において得られる中間体(硫化物ガラス)のLiイオン伝導度は、1.0×10−3S/cm以上である。当該Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm未満の場合には、後述する比較例1に示すように、熱処理工程におけるLiイオン伝導度の向上幅が小さいため、従来よりも高いLiイオン伝導度を有するガラスセラミックスが得られないおそれがある。
本工程において得られる中間体(硫化物ガラス)のLiイオン伝導度は、1.1×10−3S/cm以上であることが好ましく、1.2×10−3S/cm以上であることがより好ましい。
2.熱処理工程
次に、本発明における熱処理工程について説明する。本発明における熱処理工程は、上記中間体(硫化物ガラス)を結晶化温度以上の温度で加熱することにより、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°にピークを有するガラスセラミックスを合成する工程である。
また、本工程は、加熱温度および加熱時間を所望のガラスセラミックスが得られるように調整することを特徴とするものである。
本工程における熱処理とは、上記中間体(硫化物ガラス)を結晶化温度以上の温度で加熱する処理である。また、上記熱処理においては、加熱温度および加熱時間を所望のガラスセラミックスが得られるように調整することを特徴とする。
加熱温度は、中間体(硫化物ガラス)の結晶化温度以上の温度であり、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°および23.6°にピークを有するガラスセラミックスが得られる温度である。なお、中間体(硫化物ガラス)の結晶化温度は、示差熱分析(DTA)により決定することができる。
上記加熱温度の範囲は、CuKα線を用いたX線回折測定において上記2本の特定ピークが出現する温度範囲であり、中間体(硫化物ガラス)の組成によって若干異なるものであるが、例えば、加熱温度が160℃〜200℃の範囲内であることが好ましく、中でも、加熱温度が170℃〜190℃の範囲内であることが好ましく、特に、180℃〜190℃の範囲内であることが好ましい。加熱温度が上記範囲内にない場合、上記2本の特定ピークを有する高Liイオン伝導性結晶相が形成されない可能性があるからである。
具体的な加熱時間としては、上述した加熱温度によって適宜選択されるものであるが、例えば、1分間〜24時間の範囲内であることが好ましく、中でも、30分〜3時間の範囲内であることが好ましく、特に、1時間〜3時間の範囲内であることが好ましい。より具体的には、加熱温度が上述した加熱温度範囲の下限の160℃である場合、1時間〜10時間の範囲内であることが好ましく、上限の200℃である場合、1時間〜3時間の範囲内であることが好ましい。上記加熱時間が短すぎると、上記2本の特定ピーク強度が所望の強度とならず、冷却処理を経て得られるガラスセラミックスが高Liイオン伝導性結晶相を有さない可能性があり、一方、加熱時間が長すぎると、上記2本の特定ピーク強度が低下し、高Liイオン伝導性結晶相から安定相もしくはガラスへ変化してしまう可能性があるからである。
本工程における熱処理は、不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)で行うことが好ましい。中間体(硫化物ガラス)の劣化(例えば酸化)を防止できるからである。熱処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、焼成炉を用いる方法を挙げることができる
3.その他の工程
本発明は、上述した中間体合成工程および熱処理工程を少なくとも有するものであるが、必要に応じてその他の工程を有していても良い。その他の工程として、例えば、微粒化工程等が挙げられる。
4.硫化物固体電解質材料
本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、X(Xはハロゲンである)、Sを有し、ガラスセラミックスであり、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°にピークを有することを特徴とするものである。上記硫化物固体電解質材料は、上記2本の特定ピークを有しているため、高いLiイオン伝導度を有することができる。
本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°のピークを有するものであるが、原理上、X線回折測定におけるピークのパターンは、結晶構造に依存するものの、結晶構造を構成する原子の種類には大きく依存しない。従って、AおよびXの種類によらず、同一の結晶構造が形成されていれば、同様のパターンが得られる。すなわち、AおよびXの種類によらず、高Liイオン伝導性結晶相が形成されていれば、同様のパターンが得られる。なお、このパターンの位置は、多少前後する可能性があり、この点からも、2θ=20.2°、23.6°のピークを、それぞれ±0.5°の範囲で定義することが好ましい。
本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、高Liイオン伝導性結晶相を主体として有することが好ましく、具体的には、硫化物固体電解質材料の全結晶相における高Liイオン伝導性結晶相の割合が50mol%以上であることが好ましく、硫化物固体電解質材料のすべての結晶相が高Liイオン伝導性結晶相であることが特に好ましい。
また、本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°のピークを有する高Liイオン伝導性結晶相の他に、2θ=21.0°、28.0°にピークを有する場合、つまり、低Liイオン伝導性結晶相を形成するものが含まれる場合がある。これらのピークは、従来知られていない新規結晶相のピークであるが、高Liイオン伝導性結晶相よりLiイオン伝導度が低い結晶相のピークである。なお、2θ=21.0°、28.0°にピークを有する結晶相を、低Liイオン伝導性結晶相と称する場合がある。また、低Liイオン伝導性結晶相を示す2θ=21.0°のピークとは、厳密な2θ=21.0°のピークのみならず、2θ=21.0°±0.5°の範囲内にあるピークをいう。結晶の状態によって、ピークの位置が多少前後する可能性があるため、上記のように定義する。同様に、2θ=28.0°のピークとは、厳密な2θ=28.0°のピークのみならず、2θ=28.0°±0.5°の範囲内にあるピークをいう。
本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、低Liイオン伝導性結晶相の割合が少ないことが好ましい。具体的には、2θ=21.0°のピーク強度に対する2θ=20.2°のピーク強度を、I20.2/I21.0とし、2θ=21.0°のピーク強度に対する2θ=23.6°のピーク強度を、I23.6/I21.0とした時、I20.2/I21.0およびI23.6/I21.0が、それぞれ0.1以上であることが好ましく、中でも、それぞれ0.2以上であることが好ましく、特に、I20.2/I21.0が1以上であることが好ましい。I20.2/I21.0およびI23.6/I21.0の比率が上記範囲にない場合、低Liイオン伝導性結晶相の割合が増加し、高いLiイオン伝導度を有さない硫化物固体電解質材料となる可能性があるからである。
また、本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、およびSを有するイオン伝導体と、LiX(Xはハロゲンである)とから構成されていることが好ましい。なお、この時LiXの少なくとも一部は、通常、LiX成分としてイオン伝導体の構造中に取り込まれた状態で存在する。
本発明におけるイオン伝導体は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、およびSを有するものである。イオン伝導体は、Li、A、Sを有するものであれば特に限定されるものではないが、中でも、オルト組成を有することが好ましい。化学的安定性の高い硫化物固体電解質材料とすることができるからである。ここで、オルトとは、一般的に、同じ酸化物を水和して得られるオキソ酸の中で、最も水和度の高いものをいう。本発明においては、硫化物で最もLiSが付加している結晶組成をオルト組成という。例えば、LiS−P系ではLiPSがオルト組成に該当し、LiS−Al系ではLiAlSがオルト組成に該当し、LiS−B系ではLiBSがオルト組成に該当し、LiS−SiS系ではLiSiSがオルト組成に該当し、LiS−GeS系ではLiGeSがオルト組成に該当する。
ここで、「オルト組成を有する」とは、厳密なオルト組成のみならず、その近傍の組成をも含むものである。具体的には、オルト組成のアニオン構造(PS 3−構造、SiS 4−構造、GeS 4−構造、AlS 3−構造、BS 3−構造)を主体とすることをいう。オルト組成のアニオン構造の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、60mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることがさらに好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。なお、オルト組成のアニオン構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、LiSを実質的に含有しないことが好ましい。硫化水素発生量の少ない硫化物固体電解質材料とすることができるからである。LiSは水と反応することで、硫化水素が発生する。例えば、原料組成物に含まれるLiSの割合が大きいと、LiSが残存しやすい。「LiSを実質的に含有しない」ことは、CuKα線を用いたX線回折により確認することができる。具体的には、LiSのピーク(2θ=27.0°、31.2°、44.8°、53.1°)を有しない場合は、LiSを実質的に含有しないと判断することができる。
また、上記硫化物固体電解質材料は、架橋硫黄を実質的に含有しないことが好ましい。硫化水素発生量の少ない硫化物固体電解質材料とすることができるからである。「架橋硫黄」とは、LiSと上記Aの硫化物とが反応してなる化合物における架橋硫黄をいう。例えば、LiSおよびPが反応してなるSP−S−PS構造の架橋硫黄が該当する。このような架橋硫黄は、水と反応しやすく、硫化水素が発生しやすい。さらに、「架橋硫黄を実質的に含有しない」ことは、ラマン分光スペクトルの測定により、確認することができる。例えば、LiS−P系の硫化物固体電解質材料の場合、SP−S−PS構造のピークが、通常402cm−1に表れる。そのため、このピークが検出されないことが好ましい。また、PS 3−構造のピークは、通常417cm−1に表れる。本発明においては、402cm−1における強度I402が、417cm−1における強度I417よりも小さいことが好ましい。より具体的には、強度I417に対して、強度I402は、例えば70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。また、LiS−P系以外の硫化物固体電解質材料についても、架橋硫黄を含有するユニットを特定し、そのユニットのピークを測定することにより、架橋硫黄を実質的に含有していないことを判断することができる。
また、LiS−P系の硫化物固体電解質材料の場合、オルト組成を得るLiSおよびPの割合は、モル基準で、LiS:P=75:25である。LiS−Al系の硫化物固体電解質材料の場合、LiS−B系の硫化物固体電解質材料の場合も同様である。一方、LiS−SiS系の硫化物固体電解質材料の場合、オルト組成を得るLiSおよびSiSの割合は、モル基準で、LiS:SiS=66.7:33.3である。LiS−GeS系の硫化物固体電解質材料の場合も同様である。
また、上記硫化物固体電解質材料におけるLiXの割合は、高Liイオン伝導性結晶相を有するガラスセラミックスであれば特に限定されるものではないが、例えば13mol%より多く30mol%よりも少ないことが好ましく、中でも、15mol%〜25mol%の範囲内であることが好ましい。
本発明により得られる硫化物固体電解質材料の形状としては、例えば粒子状を挙げることができる。粒子状の硫化物固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、上記硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導度が高いことが好ましく、常温におけるLiイオン伝導度は、例えば1×10−4S/cm以上であることが好ましく、1×10−3S/cm以上であることがより好ましい。
本発明により得られる硫化物固体電解質材料はガラスセラミックスであるため、硫化物ガラスに比べて耐熱性が高いという利点を有する。例えば従来の製造方法として、LiS−P系の硫化物ガラスにLiIをドープすることで、Liイオン伝導度をより高くできる。しかしながら、LiIをドープすると、硫化物ガラスの結晶化温度が低下する場合がある。結晶化温度が低い硫化物ガラスを、例えば電池に用いた場合、電池の温度が硫化物ガラスの結晶化温度以上に達すると、硫化物ガラスの結晶化に伴う発熱が生じ、その結果、電池を構成する各材料の変質(劣化)が生じたり、電池ケース等の破損が生じたりするという問題がある。これに対して、本発明では、予め結晶化させたガラスセラミックスとすることで、結晶化に伴う発熱の悪影響を防止することができる。さらに、電池の冷却機構および安全機構の簡略化を図れるという利点もある。
本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導度を必要とする任意の用途に用いることができる。中でも、上記硫化物固体電解質材料は、電池に用いられるものであることが好ましい。
B.リチウム固体電池
次に、本発明のリチウム固体電池について説明する。本発明のリチウム固体電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質材料層と、を有するリチウム固体電池であって、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記固体電解質材料層の少なくとも一つが、上述した製造方法により得られた硫化物固体電解質材料を含有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上述した製造方法により得られた硫化物固体電解質材料を用いることにより、Liイオン伝導性の高いリチウム固体電池とすることができる。そのため、電池の高出力化を図ることができる。
図2は、本発明のリチウム固体電池の一例を示す概略断面図である。図2に示されるリチウム固体電池10は、正極活物質を含有する正極活物質層1と、負極活物質を含有する負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された固体電解質材料層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、を有するものである。本発明においては、正極活物質層1、負極活物質層2および固体電解質材料層3の少なくとも一つが、上記「A.硫化物固体電解質材料の製造方法」により得られた硫化物固体電解質材料を含有することを大きな特徴とする。
以下、本発明のリチウム固体電池について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質層
まず、本発明における正極活物質層について説明する。本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
本発明においては、正極活物質層に含まれる固体電解質材料が、上記「A.硫化物固体電解質材料の製造方法」に記載した硫化物固体電解質材料であることが好ましい。正極活物質層における上記硫化物固体電解質材料の含有量は、例えば、0.1体積%〜80体積%の範囲内、中でも、1体積%〜60体積%の範囲内、特に、10体積%〜50体積%の範囲内であることが好ましい。
正極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質等を挙げることができる。また、LiFeSiO、LiMnSiO等のSi含有酸化物を正極活物質として用いても良い。
特に、上述した硫化物固体電解質材料が、オルト組成を有するイオン伝導体を有し、かつ、LiIを用いてなるものである場合、正極活物質は、2.8V(vs Li)以上の電位を有することが好ましく、3.0V(vs Li)以上の電位を有することがより好ましい。LiIの酸化分解を効果的に抑制できるからである。従来、LiIは、2.8V付近で分解すると考えられていたため、LiIを有する硫化物固体電解質材料を正極活物質層に用いてこなかった。これに対して、上述した硫化物固体電解質材料は、オルト組成を有するイオン伝導体を有するため、LiIがイオン伝導体との相互作用により安定化し、LiIの酸化分解を抑制できると考えられる。
正極活物質の形状としては、例えば粒子形状を挙げることができ、中でも真球状または楕円球状であることが好ましい。また、正極活物質が粒子形状である場合、その平均粒径は、例えば0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、正極活物質層における正極活物質の含有量は、例えば10体積%〜99体積%の範囲内であることが好ましく、20体積%〜99体積%の範囲内であることがより好ましい。
本発明における正極活物質層は、正極活物質および固体電解質材料の他に、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。導電化材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。結着材としては、例えば、PTFE、PVDF等のフッ素含有結着材を挙げることができる。正極活物質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.負極活物質層
次に、本発明における負極活物質層について説明する。本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。
本発明においては、負極活物質層に含まれる固体電解質材料が、上記「A.硫化物固体電解質材料の製造方法」に記載した硫化物固体電解質材料であることが好ましい。負極活物質層における上記硫化物固体電解質材料の含有量は、例えば、0.1体積%〜80体積%の範囲内、中でも、1体積%〜60体積%の範囲内、特に、10体積%〜50体積%の範囲内であることが好ましい。
負極活物質としては、例えば、金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えば、In、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。また、負極活物質層における負極活物質の含有量は、例えば10体積%〜99体積%の範囲内であることが好ましく、20体積%〜99体積%の範囲内であることがより好ましい。なお、導電化材および結着材については、上述した正極活物質層に用いられるものと同様である。負極活物質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.固体電解質材料層
次に、本発明における固体電解質材料層について説明する。本発明における固体電解質材料層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層であり、固体電解質材料から構成される層である。固体電解質材料層に含まれる固体電解質材料は、Liイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではない。
本発明においては、固体電解質材料層に含まれる固体電解質材料が、上記「A.硫化物固体電解質材料の製造方法」に記載した硫化物固体電解質材料であることが好ましい。固体電解質材料層における上記硫化物固体電解質材料の含有量は、所望の絶縁性が得られる割合であれば特に限定されるものではないが、例えば、10体積%〜100体積%の範囲内、中でも、50体積%〜100体積%の範囲内であることが好ましい。特に、本発明においては、固体電解質材料層が上記硫化物固体電解質材料のみから構成されていることが好ましい。
また、固体電解質材料層は、結着材を含有していても良い。結着材を含有することにより、可撓性を有する固体電解質材料層を得ることができるからである。結着材としては、例えば、PTFE、PVDF等のフッ素含有結着材を挙げることができる。固体電解質材料層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内、中でも、0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他の構成
本発明のリチウム固体電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および固体電解質材料層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができ、中でも、SUSが好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができ、中でも、SUSが好ましい。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、リチウム固体電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的なリチウム固体電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えば、SUS製電池ケース等を挙げることができる。
5.リチウム固体電池
本発明のリチウム固体電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。本発明のリチウム固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
また、本発明のリチウム固体電池の製造方法は、上述したリチウム固体電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なリチウム固体電池の製造方法と同様の方法を用いることができる。リチウム固体電池の製造方法の一例としては、正極活物質層を構成する材料、固体電解質材料層を構成する材料、および負極活物質層を構成する材料を順次プレスすることにより、発電要素を作製し、この発電要素を電池ケースの内部に収納し、電池ケースをかしめる方法等を挙げることができる。
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、特段の断りがない限り、秤量、合成、乾燥等の各操作は、Ar雰囲気下で行った。
[実施例1]
(中間体合成工程)
出発原料として、硫化リチウム(LiS、日本化学工業社製)、五硫化二リン(P、アルドリッチ社製)およびヨウ化リチウム(LiI、アルドリッチ社製)を用いた。次に、Ar雰囲気下(露点−70℃)、LiSとPを75LiS・25Pのモル比となるように秤量した。次にLiIの割合が製造されるガラス中の20mol%を占める量となるように、LiIを秤量した。秤量したLiS、P、及びLiIの混合物2gを遊星型ボールミルの容器(45cc、ZrO製)に投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下、4g)を投入し、さらにZrOボール(φ5mm、53g)を投入し、容器を完全に密閉した。
この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、台盤回転数500rpmで、20時間メカニカルミリングを行った。その後、100℃で乾燥することによりヘプタンを除去し、中間体(硫化物ガラス)を得た。得られたガラスのモル組成は、xLiI・(100−x)(0.75LiS・0.25P)においてx=20に該当した。
(熱処理工程)
上記中間体合成工程により得られた中間体(硫化物ガラス)0.5gを石英管の中に入れた後、真空封入した。その石英管を焼成炉内に投入し、結晶化温度以上の温度である180℃で熱処理を行った。この際、焼成炉内の温度を予め180℃に保持しておき、そこに石英管を投入し、結晶化温度到達後、炉内で3時間熱処理を行って、硫化物ガラスセラミックスを得た。
[比較例1]
中間体合成工程におけるメカニカルミリングの時間を40時間にしたこと以外は、実施例1と同様にしてガラスセラミックスを得た。
(Liイオン伝導度測定)
実施例1および比較例1で得られた評価用サンプル、ならびに実施例1および比較例1の中間体合成工程において得られた中間体(硫化物ガラス)サンプルに対して、交流インピーダンス法によるLiイオン伝導度(常温)の測定を行った。Liイオン伝導度の測定は以下のように行った。まず、各実施例および比較例で合成されたガラスセラミックスの粉末または中間体(硫化物ガラス)の粉末を4ton/cmの圧力でコールドプレスすることで、φ=11.28mm、厚さ約500μmのペレットを作製した。次に、ペレットを、Arガスで充填した不活性雰囲気の容器内に設置して測定を行った。測定には、東陽テクニカ社製のソーラトロン(SI1260)を用いた。また、恒温槽で測定温度を25℃に調整した。その結果を図3に示す。
図3は、実施例1および比較例1で得られた評価用サンプル、ならびにこれらの中間体(硫化物ガラス)サンプルについて、メカニカルミリング時間とLiイオン伝導度との関係を示したグラフである。図3中、黒のプロットは中間体(硫化物ガラス)のデータを、白のプロットはガラスセラミックスのデータを、それぞれ示す。
図3より、メカニカルミリング時間を40時間とした比較例1の中間体(硫化物ガラス)のLiイオン伝導度は9.7×10−4(S/cm)であり、比較例1のガラスセラミックスのLiイオン伝導度は3.2×10−3(S/cm)である。したがって、比較例1においては、中間体(硫化物ガラス)からガラスセラミックスへのLiイオン伝導度の向上幅は2.2×10−3(S/cm)である。
一方、メカニカルミリング時間を20時間とした実施例1の中間体(硫化物ガラス)のLiイオン伝導度は1.2×10−3(S/cm)であり、実施例1のガラスセラミックスのLiイオン伝導度は4.5×10−3(S/cm)である。したがって、実施例1においては、中間体(硫化物ガラス)からガラスセラミックスへのLiイオン伝導度の向上幅は3.3×10−3(S/cm)である。
このように、実施例1および比較例1の中間体(硫化物ガラス)のLiイオン伝導度は、わずか2.3×10−4(S/cm)しか差がない。一方、中間体(硫化物ガラス)からガラスセラミックスへのLiイオン伝導度の向上幅については、実施例1は比較例1よりも1.1×10−3(S/cm)大きい。また、製造されたガラスセラミックスのLiイオン伝導度については、実施例1は比較例1の1.4倍である。
以上より、Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm以上である中間体を用いて製造された実施例1のガラスセラミックスは、Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm未満である中間体を用いて製造された比較例1のガラスセラミックスと比較して、極めて高いLiイオン伝導度を示した。そのメカニズムの詳細は明らかではないが、おそらく、1.0×10−3S/cm以上の中間体(硫化物ガラス)においては、1.0×10−3S/cm未満の中間体(硫化物ガラス)よりも高い均一性を有するため、Liイオン伝導度の高い結晶がより多く析出することで、熱処理によるLiイオン伝導度の向上の幅が広がるものと推定される。
1 正極活物質層
2 負極活物質層
3 固体電解質材料層
4 正極集電体
5 負極集電体
10 リチウム固体電池

Claims (3)

  1. LiS、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)の硫化物、およびLiX(Xはハロゲンである)を含有する原料組成物を、台盤回転数を200rpm〜800rpmの範囲内、処理時間を1時間以上40時間未満の範囲内としたボールミルにより混合し、Liイオン伝導度が1.0×10−3S/cm以上の中間体を合成する中間体合成工程と、
    前記中間体を結晶化温度以上の温度で加熱することにより、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=20.2°、23.6°にピークを有するガラスセラミックスを合成する熱処理工程と、
    を有し、
    前記原料組成物に含まれる前記LiXの割合、および、前記熱処理工程における加熱温度および加熱時間を、前記ガラスセラミックスが得られるように調整することを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法。
  2. 前記硫化物固体電解質材料に含有されるLiXの割合が、13mol%より多く30mol%よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  3. 前記熱処理工程における加熱温度が、160℃〜200℃の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
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